2015年2月23日月曜日

高橋洋一「ニュースの深層」「ピケティ格差解説」TV番組に出たら、出演者がみんな「所得トップ1%に入る年収」だった―【私の論評】ピケティ氏の理論を精査せず鵜呑みにすれば、ただブームにのる脳味噌のうっすいバカの展覧会の展示物になるだけと心得よ(゚д゚)!

高橋洋一「ニュースの深層」「ピケティ格差解説」TV番組に出たら、出演者がみんな「所得トップ1%に入る年収」だった


先週土曜日(21日)、面白い体験をした。その日は、たまたま2件、テレビとラジオの出演があった。ともに、格差問題で、ピケティ本に関する話だった。筆者が、ピケティ本の解説本(『【図解】ピケティ入門 たった21枚の図で『21世紀の資本』は読める! 』http://www.amazon.co.jp/dp/4860637402/)を書いているから、お呼びがあったのだろう。

テレビはBS朝日『Live Nippon』(18:54~20:52)でテーマは「景気回復は本当か?格差問題は?」、ラジオはJ-WAVE『Prime Facto』(21:00-24:00)でテーマは「もしアイドルがピケティを読んだら?」だった。

BS朝日では、最近の格差拡大を意味する以下の図がでてきた。



これをベースにして、トップ1%の人のシェアが最近拡大しているという話だ。実は、ピケティ本の各国の格差のデータは、上の図の引用元のWorld Top Incomes Database(http://topincomes.parisschoolofeconomics.eu/#Database:)からのモノが多い。

土曜日のBS朝日では、おそらく出演者どころか、番組関係者の誰もピケティ本をきちんと読んでいなかったようだ。

それにもかかわらず、上の図で、まあいいたいことをみんな言っていた。

時間が許せば、ピケティ本でのトップ所得のシェアというのは、トップ所得者の所得が国民所得に占める比率であること、例えば、トップ1%は20歳以上の人口の中で所得が上位1%に相当する個人だ、といいたかった。しかし、そうした時間はテレビでないので、日本でトップ1%とは年収いくらなのかについて、年収1300万円とだけ言った。

そうしたら、出演者すべて、さらにはスタジオの多くの人が自分はトップ1%だと認識したようだ。

トップ10%に入る年収は576万円

男性の解説者が何か関係のない話にふったので、そのままスルーした。ただし、事前の進行では、富裕税の話が強調される感じだが、その勢いがそがれたみたいだった。

ラジオでも同じ話をした。ところが、ラジオでは担当者もトップ1%に入っていないといい、スタジオでは「へー、そーなんだ」という驚きはあったが、テレビとは違う反応だった。

トップ1%が年収1300万円というのを、正確に言おう。先のWorld Top Incomes DatabaseのJapanのところをみれば簡単に数字は出てくる。トップ1%の年収は1280万円。ついでに、トップ10%、トップ0.1%、トップ0.01%の年収はそれぞれ576万円、3261万円、8057万円だ(いずれも2010年)。

BS朝日の出演者は、トップ1%を3000万円くらいと思っていたのかもしれない。マスコミが高給取りというだけではなく、ピケティ本という学術書の性格を知らないことも理由かもしれない。というのは、トップ1%は20歳以上の人口の中で所得が上位1%に相当する個人だ、とテレビではいえなかったことを書いたが、働かないで所得のない人も含めた上で、その1%なのだ。給料をもらっている人の中での1%ではないのだ。

ピケティ本のように、すべての人の所得分布を表す日本の統計もある。厚労省による所得再配分調査は、世帯の所得分布と等価所得という個人ベースの所得分布について所得再分配前後のデータがある。以下の図は、等価所得の所得再配分前の所得分布だ。



最高税率は先進国で最高水準

他の統計では、給与をもらっている人の中でトップ何%なのかというデータが多い。例えば、国税庁の民間給与実態統計調査は、毎年出されている統計でしばしば利用されるが、これは給与をもらっている人しか調べていない(下図)



これによれば、トップ1%は年収1500万円、トップ4%で年収1000万円である。ただし、いずれの統計でも、マスコミやそこに出演する多くの人はトップ1%に入っているだろう。

格差問題について、マスコミで議論すると、ほぼ格差を是正すべきという論調になる。もちろん、筆者も所得再分配をある程度は行うべきと考えている。ただし、それはあくまで海外と比較しながらである。日本の格差は、米英のアングロサクソン国に比べれば、たいしたことなく、高齢化でも説明出来る程度だ。

ピケティ本を見ると、格差是正のための所得税や相続税について、それぞれ最高税率の推移について各国のものが出ているが、日本は図に書かれていない。そこで、筆者の解説本では、日本の最高税率推移を書いておいた。特に、2015年から所得税と相続税の最高税率は先進国の中では最高水準である。

こうした海外事情にもかかわらず、所得税や相続税の最高税率をさらに引き上げるのは、あまり賢い選択ではない。

テレビでは格差問題の議論は綺麗事すぎてつまらない。何しろ議論している人のすべてがトップ1%なのに、そろいもそろって金持ちから増税、格差是正といったら、テレビ視聴者から見れば片腹痛しだ。しかも、自分が増税対象だとわかると、ひるむようでは視聴者に見透かされるだろう。

この記事の詳細はこちらから(゚д゚)!

【私の論評】ピケティ氏の理論を精査せず鵜呑みにすれば、ただブームにのる脳味噌のうっすいバカの展覧会の展示物になるだけと心得よ(゚д゚)!

この番組私もたまたま視聴しました。この番組を視聴した私にとっては、上の内容はかなり理解しやすいのですが、視聴しなかった人にとっては、理解しにくい面もあるかと思いますので、以下に若干説明したいと思います。

要するに、ピケティのいう年収トップ1%とは、20歳以上の人で、働いていなくて所得がない人、たとえば大学生や、定年退職した人も含めての20歳以上の人口の中で所得が上位1%に相当する個人ということです。さらに、それを職業としている人は別にして、株式投資とか、他の間接投資などで儲けたお金は所得とはいいません。

ということは、年収一千万を超えれば、上位1%に入る可能性が非常に高いわけです。

しかし、一般の人そうして、この番組に出演していた人たちも、そのことを理解せず、自分たちはピケティのいう所得上位1%にはあてはまっていないと誤って認識して、当然のこととして格差是正のため富裕税などをもうけるべきと主張しがちであることを諌めているわけです。

そもそも、欧米ではこのことは十分理解されていて、それでかなりの物議をかもしたわけです。そうして、反対する人もかなり多かったのです。

しかし、日本ではなぜかあまり物議が醸されることもなく、何やらピケティの理論がすんなりというか、当たり前であり、あっさり何の吟味もされず受けいられられ、それをもとにして格差問題が議論されていることに警鐘を鳴らしているのです。

私も、これに関してはこのブログで、結構はやい時期に警鐘を鳴らしました。その記事のURLを以下に掲載します。
ピケティ氏の陰鬱な「資本論」 ウォール街に警戒―【私の論評】日本はピケティ氏からみれば、理想の国! 余計なことをせず、デフレから脱却しさえすれば日本が世界で一番繁栄する国となるだろう(゚д゚)!
トマス・ピケティ氏

高橋洋一氏も述べているように、日本の格差は、一般にマスコミや左派勢力が喧伝しているように、とんでもない酷い格差というほどではく、米英のアングロサクソン国に比べれば、たいしたことなく、高齢化でも説明出来る程度のものです。要するに、高齢化すれば、資産は増えるのが当たり前で、資産を持たない若者と高齢者の間で格差を生じるのはある程度は、当然といえば当然です。

また、左派系などの語る格差問題で大きく見逃されているのは、デフレです。デフレを放置しておけば、そもそも雇用が悪化して格差が大きくなるのは当たり前であり、まずはデフレを解消しないことには、格差がどうのこうの語ってもはじまらないわけです。

そうして、高橋洋一氏も所得再分配をある程度は行うべきとしています。私もそう思います。

特に、デフレの真っ最中や、現状のように昨年4月の8%増税の悪影響があり、追加金融緩和の時期があまに遅すぎて本格的に効果があらわれるにはもうすこしたってからという状況で、しかも公共工事の供給制約がある現状においては、減税や、給付金政策、それも再配分的な政策が必要不可欠であることをこのブログにおいてもかねて主張してきました。

しかし、このような問題と、ピケティ本に影響されて、日本の状況を良く考えもしないで、富裕税をすぐに導入すべきなどいう主張は間違いです。特に、2015年からは、所得税と相続税の最高税率は先進国の中では最高水準にあります。にもかかわらず、格差是正のために所得税や相続税の最高税率をさらに引き上げよと単純に主張するのは間違いです。

そんなことをすれば、年収1千万を少し超えた程度の人にも、税金がさらに賦課され、富裕層は海外に国籍を移し、相続税の減税をしようとし、お金が海外に逃げるだけです。

それにしても、マスコミや評論家など、このあたりをほとんど理解しないで経済を語っています。それに左派など、ピケティ氏の理論を変な方向にもっていき、それで安倍総理を非難しようした動きもありました。

さらに、反リフレ派など、ピケティ氏の理論を変な方向に展開させ、アベノミクスが無効であるとの主張の根拠にしようとした動きさえあります。

増税派も、何とかこのピケティ氏の理論をあらぬ方向に展開させ、増税の正当化を図ろうとしました。

それに関しは、以前のこのブログにも掲載したことがあります。
ピケティ氏、消費増税に「ノー」 都内の討論会で発言―【私の論評】ピケティ氏の理論を利用して増税推進を正当化してみたり、イスラーム国人質事件で政府批判をする輩は、私達の生活を実質的に脅かす者共であると自覚せよ(゚д゚)!

詳細は、この記事をご覧いただくものとしして。このような危惧は、経済学者の田中秀臣氏も、ピケティ氏の理論のおかしげな展開に関する危惧を先月ツイートしていて、この記事にも掲載したのですが、以下に再掲させていただきます。


まったく田中秀臣氏の言うとおりです。

テレビなどても、高橋氏や田中氏が指摘するように、浅薄な論議がなされています。この浅薄さが、マスコミを増税キャンペーンなどに駆り立てさせたのかもしれません。

そもそも、給料が高ければ、多少税金があがったとしても、痛くも痒くもありません。マスコミは、自分たちが富裕層であると認識しなければ、これからどんどん衰退し敗退し、いずれ、テレビも新聞もラジオ程度のメディアになると思います。その危機は、もう迫っています。気づかないのは当のマスコミの人間だけかもしれません。これについては、以前このブログにも掲載した事があるので、以下にその記事のURLを掲載します。
“テレビ画面“を奪い合う、戦争が始まる ネットフリックスの衝撃。テレビ局の猶予はあと5年だ テレビの「今、目の前にある危機」―【私の論評】どんなメディアであっても、ユーザーからそっぽを向かれれば、存立の基盤がなくなるという危機感がなければ、容易に腐敗する!その一旦は間違いなく、私達も担っていると心得よ(゚д゚)!


詳細はこの記事をご覧いただくものとして、ネトフリックスが日本に進出してくれば、テレビ局はとんでもないことです。

いずれにしても、テレビは、高給をもらって、浅薄な判断で反日、増税キャンペーンを繰り返しています。このような、メディアがいつまでも隆盛を極めることなどないと思います。私は、おそらく今のままのテレビ局も、ある程度残るには、残るとは思いますが、現状のラジオ局並みのメディアになると思います。その日は案外近いと思います。

それにしても、テレビ局にかぎらず、ピケティ氏の理論はきっちり精査すべきと思います。外国と日本との違いなど無視して、!鵜呑みにすれば、田中氏が指摘しているように、ただブームにのるだけの脳味噌のうっすいバカの展覧会の展示物になるだけと心得るべきです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2015年2月22日日曜日

【主張】竹島の日 国民運動へ「政府主催」に―【私の論評】竹島を風化させるな!風化させないためには、偏差値最低の坂本龍馬のように「感動、伝達、参加」をひたすら繰り返せ(゚д゚)!


竹島 左が女島、右が男島 写真はブロク管理人が挿入 以下同じ

 2月22日は竹島の日だ。返還運動に取り組む島根県が制定してから、10回目を迎えた。

日本固有の領土である竹島(同県隠岐の島町)は、韓国に不法占拠されている。

松江市で開かれる県主催の式典には、安倍晋三政権から松本洋平内閣府政務官が出席する。3年連続で政務官を派遣しているが、それで十分だと考えているのか。

北方領土の日(2月7日)は政府が制定し、東京での返還要求大会には首相や関係閣僚が出席する。これに比べ竹島を軽視する印象を内外に与えてはなるまい。

日本が閣議決定で竹島を領土編入した明治38年当時、どの国からも抗議はなかった。遅くとも17世紀初頭から、日本人は漁業などにこの島を使ってきた。

連合国による占領期に、韓国は領有権を主張した。しかし米政府は昭和26年8月、ラスク国務次官補の書簡で日本領との認識を韓国に伝えている。同年9月調印のサンフランシスコ平和条約も、竹島放棄を求めていない。国際社会は日本領と認めていたのである。

ところが、韓国は27年1月、沿岸水域の主権を唱えるため日本海に「李承晩ライン」を一方的に設定し、竹島をその中に含め日本の漁船を拿捕(だほ)した。同条約が発効(27年4月)し日本が再独立する直前の出来事である。

海上保安庁や県は28年6月、調査上陸して領土標識を建て、韓国漁民を退去させたが、翌月には竹島に上陸した韓国側が海保の巡視船を銃撃する事件が起きた。

29年8月には、巡視船が約200発もの銃撃を浴びた。韓国は今も、日本の抗議を無視して竹島周辺で軍事演習を行っている。

こうした事実、歴史を政治家も国民も共有する形で、安倍政権はオールジャパンで返還を求めていく態勢をとってほしい。4月から使用が始まる小学高学年の社会科教科書で、初めて「日本固有の領土」と明記されたのは前進だ。

県独自の竹島の日を政府制定の日に格上げし、式典を政府主催にするなど、目に見える取り組みの強化が急務である。

この記事の詳細はこちらから(゚д゚)!

【私の論評】竹島を風化させるな!風化させないためには、偏差値最低の坂本龍馬のように「感動、伝達、参加」をひたすら繰り返せ(゚д゚)!

竹島問題に関しては、ほとんど解決の緒もないためか、最近ではあまり話題になりません。著名人のツイートなどみてもほとんと触れられていません。このままでは、風化してしまうてのではないかと不安を感じてしまうのは私だけでしょうか?

そんな中で、最近竹島に関して変わったことといえば、レコードチャイナという中国のサイトに以下のような記事が掲載されたことくらいかもしれません。
「韓国が竹島を強奪した」日本寄りの米国メディアの記事に、韓国ネット「日本人が賄賂を渡した」「日本よりも弱い韓国がどうやって?」
写真はソウルの独島体験館
2015年2月15日、韓国・朝鮮ビズによると、米ブルームバーグが、竹島をめぐる日本と韓国の対立について報じる際、「韓国が竹島を一方的に強奪した」という日本人の主張を、編集せずにそのまま掲載したことが、韓国で物議を醸している。

ブルームバーグは12日(現地時間)、「小さい岩がどのように日韓の仲を引き離したのか」と題する記事で、島根県隠岐島住民へのインタビューを掲載。「韓国が竹島を一方的に強奪して占領した。 韓国は(日本と)仲良く過ごす方法を考えてほしい」「以前は、若者を含め一般の人々は竹島に関心がなかった。しかし最近の日本では、竹島を実効支配する韓国への反感が高まっている。日本人として血が煮えくり返る思いだ」などと語った内容を、編集することなくそのまま掲載したという。

また、記事には韓国・鬱陵島で働くチョン・ソンファンさんが「独島(竹島の韓国名)が自国の領土だと主張する日本政府にはあきれる。また、日本の漁師が、独島は日本のものだと言うのは、ただ漁獲量を増やしたいからだ」などと語ったインタビューも掲載されたが、日本側の主張と比べると、分量はかなり少なかった。

ブルームバーグはほかにも、「2012年に李明博(イ・ミョンバク)前大統領が竹島を訪問したことで、日本の反韓感情が悪化した」などと伝えたという。

これについて、韓国のネットユーザーは以下のようなコメントを寄せている。

「日本人がどんなやつらか知らないの?独島が本当に日本の領土と思っているのなら、自衛隊を送って、なんとか取り返そうとするはず」
「好きに言わせておけばいいよ。独島が韓国のものになるのは時間の問題なんだから」

「韓国は日本よりも弱いのに、どうやって強奪するの?常識的に考えて」
「こんなばかけだメディアはなくしてしまうのが一番だ」

「日本人が賄賂を渡したに決まっている」
「ブルームバーグは金が好きだからね」

「ブルームバーグは、日本には支局があるが韓国にはない。日本寄りの報道になるのは当然」 
「米国は真実を知っているはずなのになぜだ?」 
「米国が息子である韓国を捨てた」
さて、この記事に関しては、ブルームバーグによる元記事を参照したいと思い、この記事を見た直後に検索してみたのですが、英語も含むいくつかのキーワードで検索してみましたが、上の記事はは、ヒットするものの、肝心のブルームバーグによる元記事はヒットしませんでした。

中国のメディアであっても、さすがに全くありもしない記事を上記のように引用するということはあり得ないと考えられるので、おそらく削除されたものと思います。

やはり、韓国内では様々波紋を呼んだし、今後も物議を醸しそうなので、予めそれを忌避するため削除したものと思います。

しか、レコードチャイナにはそのまま上の記事が今でも掲載されています。

中国側としては、日韓関係にさらに大きなヒビが入れば、国益にもかなうことなので、この報道自体は、国益にかなうものなのかもしれません。

中国側として、韓国を完璧に中国の傘下におき、経済的に従属させ、軍事的にも中国の対米、対日の先兵にしたいと望んでいます。今の韓国は、「親中、反日、離米」が外交3原則となりつつあるようではありますが、それにしても、朴槿恵は優柔不断であり、ふらふらしてどっちつかずの態度をとりつづけています。

しかし、これははっきりさせなければ、韓国国民の反発をくらい、いずれ朴槿恵政権は瓦解することでしょう。

瓦解した後、「親中、反日、離米」路線を走るのか、それとも「反中・親米」路線に戻るのか、はっきりすると思います。

「親中、反日、離米」路線をとるなら、日本としては経済的に特亜三国全体を追い込み、自滅の道を辿らせれば良いです。日本が金融緩和を続け、緩やかなインフレ傾向になり、デフレから完全に脱却すれば、ウォン高、元高状況がさらに継続し、両国にとってかなりの打撃です。さらに、何があっても援助しないことでとことん国力を落とせば良いことです。

「反中・親米」路線に戻るというのなら、「反日・親日」の立場をはっきりさせてもらいましょう。反日なら、捨て置けば良いだけです。そもそも、韓国の経済は東京都より少し小さなくらいのものであり、さらに韓国とは貿易を全くしなくても、日本は何も困ることはありません。

要するに、今のままの韓国であれは、日本としては韓国と中国の間がどうであろうと、それとは全く関係なしに、独自の路線を歩めば良いだけです。

そうして、無論のこと竹島問題はいずれ必ず解消すべきです。たとえ、軍事的手段を使ってもです。なぜなら、国際的にみて、もともと日本の領土であったものを韓国が不当に占拠しているだけですから、それを取かえすことは、何らの不都合もないし、国際的に非難されることもないからです。

ところで、何故、竹島の日ができたかというと、国会議員と外務省が関与しな かったからです。竹島の日制定について島根県議会は民主党だけが反対し、共産党も含めて全部賛成しまし た。賛成した人たちの想いは、明治維新をやってやろうということでした。つまり、国が やらないのなら、自分達がやるしかないじゃないかということです。 

しかし、これはいずれは、明治維新がそうであったように、いずれは国がやらなければならないことです。

まさに上の記事でも、結論で述べているように「県独自の竹島の日を政府制定の日に格上げし、式典を政府主催にするなど、目に見える取り組みの強化が急務」ですし、最初は幕末の志士たちのような、島根県議会議員らの努力で竹島問題解消の機運を盛り上げるのも結構なのですが、そのままではどうしようもありません。やはり、国レベルの取り組みにしなければ、この問題は永遠に解消しません。

国レベルの取り組みにもっていくためにも、竹島問題を風化させるわけにはいきません。風化させるどころか、ますます多くの人々に関心を持っていただくように、盛り上げていくべきだと思います。

多くの人々に感心を持っていただくのは、大変なようでもありますが、やはり「感動・伝達・参加」を繰り返すことが一番良いやりかたです。

これについては、憲政史家の倉山満氏が以下の様なツイートをされています。
「夢の実現に」こだわり、そして「出来ることを精一杯する」それが、「目に見えないけれども大切なもの」だからです。「夢で結びつく想い」、「感動・共感」が強く有るかどうかです。ときめきや、わくわくするものとモノとが一体化すると、行動につながります。できなかったことができるようになります。わくわくしたものに囲まれれば、幸せになることができます。そのとき人は動きます。

坂本龍馬

では、竹島問題における、感動とは何でしょうか(゚д゚)!

まずは、日本で流布されている、日本が韓国に侵略したとか、従軍慰安婦問題とか、そんなものはなかったどころか、台湾の多くの人々が今でも感謝している日本による台湾統治と同じように、当事日本は朝鮮を統治しており、韓国の近代化に大きく寄与したということを明らかにすることが感動を呼ぶのでないでしょうか。

これについて、KAZUYA氏は以下のようにツイートしています。
さらに、日本による湯治の信託統治について語る、台湾人の方の動画を以下に掲載します。



この動画では、日本統治下の台湾で生まれた楊素秋(ヨウソシュウ)さんと楊應吟(ヨウオウギン)さん­が、日本人が知らない日本統治時代の台湾の真実について語っています。

お二人とも日本統治下の台湾で生まれ育ち、このお二人の証言はまぎれもない真実です。
御二方とも日本の統治は素晴らしかったと口を揃えて証言してくれ、日本人としても大変­誇りに思います。
台湾とは過去に植民地と支配国という関係でしたが、その過去を水に流し、日本との友好­を築こうとしてくれています。

台湾は現在も中国の一部だと認識している国が多いですが、そうではありません。断じて台湾は、中国のものではありません。

この真実を正しく伝えることこそが、「感動」につながると思います。それだけに終わらず、「共感・参加」を繰り返することにより、行動が生まれ、いずれ竹島問題、尖閣問題も解消されると思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2015年2月21日土曜日

日本マクドナルド、原田氏が会長退任へ―【私の論評】 マックの業績悪化の大部分は、デフレによるもの、日本の経営者もエリートとしての自覚を持ちアメリカビッグスリーのように、政府・日銀にどんどんイチャモンをつけるようにすべき(゚д゚)!


原田泳幸取締役会長

日本マクドナルドホールディングスは2月20日、原田泳幸取締役会長が3月25日の定時株主総会後に退任する役員人事を発表した。原田氏は日本マクドナルド取締役会長も退任し、同社グループから退く。

原田氏は2004年に米Apple日本法人の社長から日本マクドナルドのCEOに転じた。昨年6月からはベネッセホールディングス会長兼社長を務めている。

原田氏は「私のマクドナルドでの歩みは常に変革・改革の連続でしたが、マクドナルドは“ピープル・ビジネス”、常に人材を礎としビジネス基盤を強固にしてきたことで成長してきたものと確信しております」とするコメントを発表した。

コメント全文は以下の通り。
 退任のご挨拶 
 私、原田泳幸は3月25日(水)をもちまして、任期満了に伴い、日本マクドナルドホールディングス株式会社並びに日本マクドナルド株式会社の取締役を退任する運びとなりました。 
 皆様におかれましては、在任中、格別のご高配を賜りまして、誠に有難く、厚く御礼申し上げます。 
 2004年の2月に就任し、8年間のビジネスの成長の後、新たな成長に向けて、後継者の育成及びサラ・カサノバのサポートを行ってまいりました。11年にわたりお世話になった皆さまへ、心から感謝の思いをお伝えさせていただきます。 
 私のマクドナルドでの歩みは常に変革・改革の連続でしたが、マクドナルドは“ピープル・ビジネス”、常に人材を礎としビジネス基盤を強固にしてきたことで成長してきたものと確信しております。 
 幾度のビジネスの危機も、「お客様第一」であり、目の前のお客様に誠心誠意対応させていただくことを肝に銘じてまいりました。 
 「お客様第一」を徹底して追求していく事こそがお客様への価値向上につながり、企業を成長させる最も重要な事であると考えております。 
 日本マクドナルドは真摯な気持ちでふたたびお客様の店舗体験の価値を高めることと私は確信しております。 
 今後とも日本マクドナルドホールディングス株式会社を何卒よろしくお願い申し上げます。 
日本マクドナルドホールディングス株式会社 取締役会長
日本マクドナルド株式会社 取締役会長
原田 泳幸
【私の論評】 マックの業績悪化の大部分は、デフレによるもの、日本の経営者もエリートとしての自覚を持ちアメリカビッグスリーのように、政府・日銀にどんどんイチャモンをつけるようにすべき(゚д゚)!

原田会長には、長い間本当にご苦労様ですと言いたいです。そうして、今後はベネッセでの活躍を期待させていただきたいところです。

ご存知のように、現在マクドナルドの業績は良くはありません。しかし、私も長い間飲食業界に携わってきたので、良く解りますが、飲食業界ほどデフレの悪影響を受けた業界はないと思います。

以下のグラフをご覧下さい。

     
1975年から1997年までの22年間で、外食産業の市場規模は約3.4倍になりました、同年間の広義の外食産業は3.7倍に拡大しました。しかし、97年をピークとして、98年からは減少に転じました。

1997年といえば、4月1日には、消費税が3%から5%に引き上げられました。また、6月には日銀法が改悪され、同年6月18日に公布、平成10年4月1日から施行されました。

増税と、日銀による金融引締めにより、日本は98年から完璧にデフレに突入しました。この外食産業の市場規模のグラフは、飲食業界がまさにデフレの悪影響をまともに受けたことを示しています。


マックの業績の悪化は、やはりデフレによる影響が大きいでしょう。これを理解しなければ、正しい判断はできません。飲食業界全体が、98年からはデフレの影響で、右肩下がりで下がる状況でした。最近では、景気の回復にともない上昇傾向でしたが、昨年の8%増税の悪影響に直撃されました。

この間、飲食業はどん底で、中小規模の飲食業などかなり多くが廃業に追い込まれました。この間、海外から日本に様々な飲食チェーンが、参入してきました。しかし、多くが敗退しました。その中にあって、マクドナルドは業容を維持してこれたわけですから、良しとしなければならないでしょう。

これから、景気が回復し、緩やかなインフレに向かうにつれて、業績は安定して成長していくことも夢ではないと思います。

長年経営者として、飲食業にかかわってきたものからすれば、そう思います。

今朝は、NewsPicsでこのニュースを見ていたのですが、何やら読者のコメントがマックの業績の悪化は原田会長のせいであるかのようなコメントが多く、これは少し問題があると思い本日はこのことをブログに掲載することにしました。

マックといえば、確かに2012年あたりから業績が悪くなりました。しかし、その前までは、デフレのなかでそれなりにかなり頑張っていたと思います。

飲食業に携わるものからすれば、マックのあの頑張りと奮闘ぶりは希望の星でした。デフレでも頑張れば、マックのように業績を伸ばすことも可能だと思えたからです。

しかし、さすがのマックも2012年あたりからは、業績を落とすようになってしまいしまた。これは、無理からぬところがあると思います。

マックが、デフレに陥ってもしばらくの間は、業績を維持することができたのは、メニューがどうのマーケティングや、販促がどうのということは、無論ないがしろにはできませんが、それらは瑣末なことで、大きな点は以下の二点に絞ることができると思います。

まず第一は、何といってもチェーン店としてすでに、店舗数がかなり多かったことです。現状では、3000を超えていますが、デフレに入る前から、1000店舗を超えていました。

デフレに対処するには、チェーン化などしても、中途半端であれば、かなり対応が難しいです。やはり、1000店舗は超えていないと困難です。

店数が少なくて、100店舗以内なら、デフレ圧力には耐えられません。100店舗を軽く超えて、デフレの直前までに、数百店舗までいっていれば、デフレに入ってから店数を減らしても何とか持ちこたえることができたでしょう。実際、これ以下の店舗数のかなりのチェーンが、デフレの最中に廃業しました。上場企業などは、廃業すると大きく報道され目立ちますが、100店舗以下のチェーンであれば、ほとんど報道されませんから、目立ちはしませんでしたが、かなりのチェーンがデフレの最中に廃業に追い込まれています。

このように店舗数は、多いほうが良いですが、逆に中途半端な店数ではなく、一店舗とか、他店店舗化しても、数店舗くらなら、これもまたデフレ対応はしやすいです。この程度だと、大きな市場は必要なく、特定の小さな市場向けでも、十分商売が成り立つからです。一番どうしようもないのが、100店舗に満たないチェーンだったと思います。

飲食関係のチェーンで、1000店以上であれば、そのスケールメリットは計り知れないほど大きいです。セブンイレブン、ローソンなど、現状では1万店を超えていますが、デフレの最中でも店舗数を伸ばしていました。飲食チェーンで現状で3000を超えている日本マクドナルトは、基礎体力があります。

まずは、これで最大限のスケールメリットが得られるということです。原材料もかなり低価格で仕入れることができます。その他、チェーンオペレーションの徹底で、人材育成も他の業態から比較するとかなり迅速にできます。

次に、円高メリットというのがあったものと思います。特に、マクドナルドは、世界各地からその時々で、もっとも低価格で、原材料を仕入れる仕組みを構築しており、さらに円高ということで、低価格で原材料を仕入れられるという大きなメリットを享受することができました。

こういう大きな2つの強みがあり、これにプラスして、マーケティングや販促手法の開発ということで、業績を伸ばすことができていました。そうして、見事にデフレ対応できていました。

マクドナルド期間限定の「ル・グラン ソーセージ」
しかし、ご存知のように、13年からは、日銀が金融緩和をしたため、デフレは解消傾向となり、円安傾向になり、円高には終止符が打たれることになりました。デフレが解消気味となりきらず過去のデフレの悪影響が残っているうちに、円高傾向に振れた、これもマックにとって災いしたと思います。

そうして、昨年4月から8%増税がなされ、それがマックを含む飲食業界を直撃しました。このような大きな環境変化には、さしものマックも対応できなかったものと思います。これは、誰が経営していたとしも、ある程度は業績を落とすのが当たり前です。

しかし、これからは、デフレが解消され緩やかなインフレに転ずることになれば、飲食業界もさらにやりやすくなることでしょう。無論、マクドナルドもその例外ではありません。日本の飲食業界のピークは97年でしたが、それは本当のピークではないかもしれません。本当は、もっと拡大するはずたったものが、デフレにより拡大できなかったということかもしれません。

そうだとすれば、97年の市場規模を超えてさらに飲食業界が伸びる可能性があります。もし、そうでなかったとしても、ここ十数年分で落ちた分をとりかえすだけの伸びしろがあることは確実です。

最近ローソンで購入したお弁当 500円以上の価格

それにしても、デフレは飲食業をはじめとする様々な産業に悪影響を与えてきました。

私自身は、飲食業に携わってきたので、これは実感として味わうことができました。200円台のお弁当がスーパーで売られているときに、飲食業それもある程度以上(数百店舗以上)にチェーン化したところは、どこも大変だったと思います。実際、100店舗もなかったような、弱小チェーンは、デフレ期間どんどん消えていきました。

原田会長は最後まで、そのようなことはいいませんでしたが、やはり日本の飲食業界にかぎらず、大きな企業のトップは、デフレを放置する政府や日銀に対して徹底的にイチャモンをつけるべきだったと思います。

そもそも、経済の癌ともいわれる、デフレを放置しておいて、いくら頑張ってみたところで、それは水道管が破裂したときに、一生懸命に水を汲み出しているようなものです。やはり、水道管の破裂箇所を直さなければどうにもなりません。

中小以下の企業のトップなどが、政府にイチャモンをつけても残念ながらあまり大きな話題にはなりませんが、日本で一位、二位を争うような大企業のマックなどの会長あたりが日銀の金融政策、政府の財政政策にイチャモンをつければ、それなりに影響力が大きいです。

それも、一人二人ではなく、各業界の最大手あたりの企業のトップがこぞって、日銀の金融政策や、政府の財政政策にイチャモンをつければ、それなりにかなり影響力があると思います。トヨタ、マック、資生堂などの有名どころのトップが、こぞって日銀の金融政策や、政府の財政政策にイチャモンをつければ、かなりの話題になり世論が盛り上がったはずです。

実際、アメリカあたりでは、ビッグスリー(車の製造業の大手三社のこと、GM,フォード、クライスラー)がことあるごとに政府の財政政策や、FRBの金融政策にかなりイチャモンをつけます。

アメリカ ビッグ・スリー

場合によっては、自分たちの経営責任は棚にあげて、ここまでいうのかという「イチャモン」もありましたが、あれはあれで良かったのかもしれません。

というのも、原田会長をはじめ、日本の経営者は、政府や日銀の政策運営にイチャモンをつける人があまりに少ないからです。たまには、いますが大手企業ではあっても、多くの人にとった知名度の高い企業のトップがそのようなことを言っているのを私は、聴いたことがありません。

それどころか、日本の大企業のトップの中には、デフレの真っ最中に、増税推進を容認するような発言をした者も多くいました。それも、どう考えても、デフレでメリットを享受できるような業種でも、業態でもないような会社のトップがそのような発言をしていました。それに経団連の会長などは、はっきりとデフレの真っ最中にデフレ容認の発言をしていました。このような経営者は、本当の意味での経営者ではなく、典型的なサラリーマン社長なのだと思います。

政府や日銀の政策が極端にまずいときに、苦言を呈するようなことは、日本では恥ずかしいことなのでしょうか。しかし、大企業のトッフであれば、その企業に勤めている従業員の数もかなり多いですし、さらには、お客様や取引先の数やその下請けも膨大なはずであって、政府や日銀がとんでもない経済・金融運営をすれば、企業そのものも大変でしす、従業員や、取引先だってとんでもないことになります。

だから、私は、日銀や政府がとんでもない金融政策や財政政策をやって、デフレを放置し続けるような場合は、まずはお客様に高品質の商品やサービスを提供し続けるために、そうして取引先企業やそのに下請け、自分たちの従業員を守るという意味合いでも、恥も外聞もかなぐり捨ててでも、日銀や政府にとことんイチャモンをつけてほしいと思います。クルーグマンなみの辛辣な批判を展開してほしいです。

それ以外のことでも、どう考えても政府・日銀のやり方がまずくて、顧客や従業員や自分たちにとって悪いことがあれば、どんどん批判すべきです。ただし、大手新聞社のように自分たちだけ、軽減税率を適用してもらいたいがために、増税は容認するし、増税推進キャンペーンを恥ずかしげもなく実行するというような、公序良俗に反するとんでもない行為は謹んでいただきたいものです。

大企業の経営者は、自らの企業のことだけではなく、それをはるかに超えた重い責任があります。日本では、偏差値の高い大学を出た人やその中でも、偏差値がより高い人をエリートと認識する人も多いようですが、これは全く間違いです。本当のエリートは、自分の命よりも責任が重い人のことをエリートといいます。無論、そもそも、偏差値が低すぎる人は責任を負うことができず、そもそもエリートにはなれませんが、それだけではエリートになれるわけではありません。一流大企業のトップは、エリートです。エリートには、エリートとしての自覚を持っていただきたいものです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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外食、低価格メニュー消滅か…客離れ深刻なマックとワタミ、店員離れ深刻なすき家―【私の論評】飲食業界の最近の変化からも理解できる! デフレ脳を捨ててインフレ脳に切り替えよ! できなければ負けるだけと心得よ(゚д゚)!



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2015年2月20日金曜日

天皇関する記述 市教委「断定的」 一宮・校長のブログ注意―【私の論評】教育にとって、百害あって一利なしの教育委員会という無責任、無駄組織は日本の教育行政から消滅させるべき(゚д゚)!

天皇関する記述 市教委「断定的」 一宮・校長のブログ注意
【私の論評】教育にとって、百害あって一利なしの教育委員会という無責任、無駄組織は日本の教育行政から消滅させるべき(゚д゚)!

上のツイート、全国的にいろいろいと物議を醸しているようです。私も、上の記事の市教委の対応は、酷いものだと思います。

では、当のブログがどのような内容であったかといえば、以下のようなものです。
2.9 朝礼講話(校長室)
仁徳天皇 民のかまどの話 ブログ管理人挿入
  2月11日は建国記念日です。 
 そこで、今日は日本のルーツ、日本の起源について、お話をしたいと思います。
日本の建国は、今から2675年前の紀元前660年2月11日、初代、神武天皇が即位した日が始まりです。 
 世界一広いお墓、大仙古墳で有名な、16代仁徳天皇が、ある日高台に登って遠くをご覧になられました。すると人々の家からは、食事の準備のために煮炊きする煙が少しも上がっていないことに気付いたのです。 
 仁徳天皇は「民のかまどより煙がたちのぼらないのは、貧しくて炊くものがないのではないか。都がこうだから、地方はなおひどいことであろう」と仰せられ、三年間、税を免除されました。 
 税を免除したために朝廷の収入はなくなり、宮殿は大いに荒れました。天皇は衣を新調されず、茅(かや)葦(ぶき)屋根が破れ、雨漏りがして、星の光が屋根の隙間から見えるという有様でした。 
 三年がたって、仁徳天皇が同じ高台に出られて、遠くをご覧になると今度は、人々の家々から煮炊きする煙が盛んに立つのをご覧になり、その時、仁徳天皇がこのように言われたということです。 
「高き屋に のぼりて見れば煙立つ 民のかまどは賑わいにけり」 
そして、一緒におられた皇后に「私は豊かになった。喜ばしいことだ」とおっしゃったということです。 
 皇后はそれを聞いて「陛下は変なことをおっしゃいますね。衣服には穴があき、屋根が破れているのに、どうして豊かになったといえるのですか」 
 すると「国とは民が根本である。その民が豊かでいるのだから、私も豊かということだ」と言われ、天皇は引き続き、さらに三年間、税をとることをお許しにならず、六年が経過して、やっと税を課して、宮殿の修理をお許しになりました。 
すると人々は命令もされていないのに、進んで宮殿の修理をはじめ、またたくまに立派な宮殿ができあがったといいます。 
 この話は神話であり、作り話であるという説もあります。しかし、こうした神話こそが、その国の国柄を示しているとも言えるのです。 
 こうした天皇と国民の関係性は、何も仁徳天皇に限ったことではありません。 
 敗戦直後の1945年9月27日、124代昭和天皇はマッカーサーと会見をしました。そして、その会見で昭和天皇はこのようにマッカーサーに話したのです。 
  「今回の戦争の責任はすべて自分にあるのであるから、東郷や重光らを罰せず、私を罰してほしい。ただし、このままでは罪のない国民に多数の餓死者が出る恐 れがあるから、是非食糧援助をお願いしたい。ここに皇室財産の有価証券類をまとめて持参したので、その費用の一部に充ててほしい」と述べたのでした。 
  それまで、天皇陛下が、多くの国王のように、命乞いに来たのだろうと考えていたマッカーサー元帥は、この言葉を聞いて、やおら立ち上がり、陛下の前に進 み、抱きつかんばかりにして陛下の手を握り、『私は初めて神のごとき帝王を見た』と述べて、陛下のお帰りの際は、マッカーサー自らが出口まで見送りの礼を 取ったのです。 
 このように、初代、神武天皇以来2675年に渡り、我が国は日本型の民主主義が穏やかに定着した世界で類を見ない国家です。 
 日本は先の太平洋戦争で、建国以来初めて負けました。しかし、だからといってアメリカから初めて民主主義を与えられたわけではありません。 
  また、革命で日本人同士が殺しあって民主主義をつくったわけでもありません。 
 古代の昔から、日本という国は、天皇陛下と民が心を一つにして暮らしてきた穏やかな民主主義精神に富んだ国家であったのです。 
 私たちは日本や日本人のことを決して卑下する必要はありません。皆さんは、世界一長い歴史とすばらしい伝統を持つこの国に誇りを持ち、世界や世界の人々に貢献できるよう、一生懸命勉強に励んで欲しいと思います。

この記事のどこに問題があるというのでしょうか。この市教委のボンクラどもは、マッカーサーが、日本からアメリカに帰って、公聴会で日本の戦争のことを「彼らの戦争は、侵略戦争ではなく、防衛戦そうだった」と証言していたことも知らないのではないでしょうか。

この酷い仕打ちに対するツイートに対して、様々な返信が多数ありました。その代表的なものを以下に掲載しておきます。
このツイートに見られるように、一宮市教委に対して非難轟々です。しかし、この教育委員会という組織、もともと胡散臭いものなのです。本日は、それを知っておいていただきたいと思います。

まずは、教育委員会なる組織の歴史に触れたいと思います。教育委員会が設置されたのは先の大戦後のことで、連合国軍総司令部(GHQ)の要請で、米国の教育使節団が昭和21年に来日し、教育委員会の設置を勧告したのがきっかけです。これを受けて、文部省は23年に教育委員会を設置しました。

米国が教育委員会を設置する大義名分としたのは、教育行政の地方分権化、民主化、自主化、中立性の確保でした。しかし、本音は戦前の日本の教育を否定し、日本を弱体化するということが真の目的でした。

日本弱体化のための組織である教育委員会は各地方公共団体、つまり都道府県、市町村ごとに設置されている行政委員会です。ちなみに行政委員会とは、行政機構からある程度独立して、行政に関する職務を行う合議制の機関のことで、国でいうと公正取引委員会や国家公安委員会などが、これにあたります。

《教育委員会の組織のイメージ》

教育委員会の委員の数は地方公共団体によって多少異なりますが、標準的には5人程度で、議会の承認を受けて首長が任命します。教育委員会のトップである委員長は委員の互選によって選出されます。そして、その教育委員会には学校の存廃や教職員の人事、教育方針、教科書の採択など多岐にわたる教育行政案件を決定する権限が与えられています。

しかし、その絶大な権限を持つ教育委員会には、それにに見合った責任はありません。仮に都道府県、市町村内で教育に関する重大な問題が生じれば、本来なら教育委員会が責任をとるべきでしょうが、そういうことありません。強力な権限を持ちながら、責任はとらないというのであれば、そういう組織は教育委員会にかぎらず、堕落するのが当たり前です。

いじめ問題に関する大津市教育委員会の会見はあまりに無責任だった
さらに、悪いことに、仮に責任をとるといっても、その職を辞する、あるいは解かれるだけの話ですから、別に職業を持っている委員本人にとっては痛くもかゆくもないでしょう。そうした教育委員会に形式上、教育行政の決定権限が与えられているため、首長はそれを「隠れみの」にして責任をとらなくていい、つまり、だれも責任をとらなくてすむシステムになっているのが、日本の教育の現状なのです。


教育委員会の現状をみてみると、教育委員会は形骸化していて、行政の事務局が作成した案を追認しているにすぎません。実質仕事など何もしていないのです。

教育に関する、「公平性」や「中立性」という重要な観点もありますが、何も教育委員会組織など必要性が全くなく、他にに「監査組織」のようなチェック機関を作れば問題ないと思います。そもそも地方公共団体には議会があるのですから、議会がしっかりチェックすればいいだけの話です。

こう説明してくると、こんな教育委員会制度はなくして、有権者から選挙で選ばれている首長が、教育行政についても権限を持ち、責任をとるようにすべきだというのが、本筋であることがおわかりなると思います。

このようなあってもなくても良いような組織など、必要ありません。このようないい加減な組織は、はやく消してしまうべぎてす。

素晴らしい校長先生の談話の価値も理解できず、このような反応を示す教育委員などこの日本に必要ありません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?


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2015年2月19日木曜日

【田母神事務所不明金】「ショック。会計責任者に少なくとも3千万円横領された」…政治資金の使途不明問題で田母神氏が記者会見―【私の論評】戦後保守の終わりの始まりか?田母神氏と、水島氏の両氏にみる現代人に必要不可欠な"虚実皮膜の間"の真実(゚д゚)!


事務所スタッフによる政治資金横領について、
厳しい表情で語る田母神俊雄氏=19日

昨年2月の東京都知事選や12月の衆院選に出馬した元航空幕僚長、田母神俊雄氏(66)の政治資金の一部が使途不明となっている問題で、田母神氏は19日、都内で記者会見し「少なくとも3千万円が会計責任者に横領されていた。信頼していただけにショックだ」と話した。

田母神氏側の説明によると、田母神氏の政治団体「田母神としおの会」には都知事選後に約6千万円の残金があったが、衆院選前には約1千万円に減少。調査の結果、会計責任者の50代男性が横領を認めた。横領したカネは高級クラブでの遊興費や生活費などに充てていたという。

横領額について田母神氏は「詳細は調査中だが3千万~4千万円」とし、「(買収などの)不正に使われたことはないと考えている」との見解を示した。さらに男性は弁済を約束しているが、弁済が滞るなどした場合は横領罪などでの刑事告訴も検討するとしている。

田母神氏は「男性は、自衛隊で先輩だった(田母神としおの会)事務局長が連れてきた人間で、信頼し任せっきりになってしまっていた。寄付を頂いた皆さまには申し訳なく、監督責任を感じている」と話した。

【私の論評】戦後保守の終わりの始まりか?田母神氏と、水島氏の両氏にみる現代人に必要不可欠な"虚実皮膜の間"の真実(゚д゚)!

上記の出来事については、様々な方面で波紋を呼んています。まずは、水島氏が動画でこの件について語っています。その動画を以下に掲載します。


この動画の説明は、以下の様ものです。

本日、政治資金の使い込みが発覚した田母神俊雄事務所が釈明の記者会見を行いましたが­、残念な事に、この期に及んで嘘と保身と責任転嫁の姿勢が露わになりました。記者会見­の模様を逐次振り返りながら、彼等がどんな嘘をついて事件を糊塗したのか、水島より具­体的に指摘させて頂きます。

さて、この動画の内容、まだ真偽ははっきりしません。しかし、いずれこの問題は明らかになっていくものと思います。新聞やテレビでどの程度報道されるかは、わかりませんが、おそらく週刊文春あたりで明るみに出ると思います。

以下に、会見の模様のみまとめておきます。
19日午前、田母神俊雄氏が会見し、政治資金の一部が使途不明になっていると報じられたことについて説明を行った。 「選挙が初めてだったので、通帳も印鑑もカードも渡しっぱなしにしていた。うかつだった。」「ご心配をおかけし、ご寄付いただいた皆様にも申し訳なく思っています」と陳謝した。

田母神氏によると、団体「田母神としおの会」(都知事選後「東京を守り育てる都民の会」から名称変更)の会計責任者が、資金を赤坂のクラブなどで私的に使い込んでいたことを認めたという。具体的な金額については現在調査を進めているとしたが、田母神氏は「3000万円から4000万円程度使い込んでいるのではないか」とした。

昨年2月の都知事選時点では、供託金や寄付金などを合わせ約1億3500万円の資金があり、12月の衆院選後もなお残ると考えていたというが、支払いの遅滞が発覚。田母神氏本人が弁済する状況になったため、今年に入って会計責任者を問い詰めたところ、使い込みを自白したという。使途については、「 選挙で不正に使われたことは無いと思っている。生活費や遊興費に使われた」と述べた。

会計責任者に対し、田母神氏は「かわいそうだから名前は調べたらわかると思いますので控えせていただきます」としながらも、「本人の証文も取っており、一部は弁済をし、残りはこれから弁済をしていくとしているが、弁済ができないと思われる場合には刑事告訴をせざるを得ない」とした。

今後の政治活動については、「私にとって大変な問題。ショックですけれども、潰れないように早く処置を終えて、なんとか来年の参議院を目指して頑張りたい」とコメントした。

今回の会見は、ネット番組「チャンネル桜」(2月17日放送分)で「頑張れ日本!全国行動委員会」の水島総会長が指摘したこともきっかけの一つ。都知事選では支援を受けていた水島氏について問われると、田母神氏は「信義違反だと感じている。都知事選では私が彼の手のひらの上で踊るということになっていたが、だんだん私が彼の言うとおりにならないということになり、あまりいい感情をもっていなかったのではないか。都知事選後の活動についてもこき下ろされた。ずいぶんひどいことをするなと感じていた」とコメントした
さて、いずれに転んだとしても、水島総氏の田母神氏の見方、田母神氏の自分の会計責任者に対する見方など、人物の見方について問題がありそうです。水島氏は、田母神氏を大嘘つきと語っていますが、ではなぜそのような大嘘つきの人物の選挙応援をしたのか、それも遠い過去のことではなく、つい最近のことです。選挙が終わった途端、田母神氏が大嘘つきに突然変身するというのは、考えられないことです。これも本当に疑問です。

私は、もともと田母神氏は、政治家向きの人ではないと思っていました。無論言論人としての田母神氏を否定するつもりは毛頭ありません。現在の日本において、一定の役割を果たしているということでは、敬意を払っています。しかし、政治と言論活動は別物です。

次世代の党に関しては、期待感はあったのですが、何というか、経済政策に関してはかなり理解し難い内容のものだったので、次世代の党には経済通はいないと思います。長くデフレの続き、塗炭の苦しみを味わった多くの国民が存在する今の日本では、国民の関心事からいえば、経済であって、天下・国家論は二の次だと思います。

しかし、次世代の党は、天下・国家論を中心に訴え、経済に関しては明確な路線の打ち出しが足りなかったように思います。私としては、次世代の党の知名度が足りなかったことと、経済対策の軽視が、大きな敗因だったと思います。

政治家にとって、一番大切なのは金庫番です。金庫番が駄目だと、政治資金規正法や選挙違反で足元すくわれることになります。だから、金庫番は最も信頼できる人をあてなくてはいけないです。金庫番の人は、不適切な人物を排除する意味でも重要なはずです。しかし、田母神氏がこのようなことができなかったということで、今回の事件は、やはり政治家向きではないということの査証になったのではないかと思います。

こういう話題になると、私は「虚実皮膜の間」という言葉を思い出します。これは、原典は詳しくは知りませんが、もともとは芸は実と虚の境の微妙なところにあることを指し。事実と虚構との微妙な境界に芸術の真実があるとする論です。江戸時代、近松門左衛門が唱えたとされる芸術論だそうです。

近松門左衛門の肖像

そこから発展して、現在では、「虚実」はうそとまこと。虚構と事実。「皮膜」は皮膚と粘膜。転じて、区別できないほどの微妙な違いのたとえとされています。「膜」は「にく」とも読みます。

この言葉、非常に含蓄があるもので、現在正しいとされていることであっても、条件や状況が変われば、正しいとはいえない場合もおうおうにしてあります。だから、「これが絶対に何が何でも正しい」などということは、この社会ではあり得ません。

これは、企業などの組織の中でも同じことです。会社の中で職位が何であれ、私たちは、組織の中で一人ひとりが独立していなければなりません。自分の足で立っていなければなりません。自分の考えを持たなければなりません。しかし会社組織には、多数決という考え方がないことも事実です。責任範囲の狭い人と、責任の範囲の広い人の考え方が最終的に異なった場合、どんなに反対者が多くても、責任範囲の広い人である職位の高い人の意見が優先するのは言うまでもありません。

ただし、だからといって組織人として、自分の意見がないということも許されるものではありません。だから、上司を信じることは良いのですが、上司に頼りすぎるのも良くありません。また、部下をみる場合には、性善説でみる場合と、性悪説で見る場合とを臨機応変に変えていかなければなりません。性悪説でのみ部下と接すれば、そこには信頼関係がなくなります。そのような見方だけをする上司には、部下は誰もついていきません。

かといって、性善説だけで見れば、管理上のリスクが常について回ることになります。時と場合によって、臨機応変に変えなければなりません。片方の見方しかできないようであれば、管理者失格です。管理者や経営者の立場においては、いずれの立場からでも見られるようにしておかなければなりません。

だから、組織人は、組織と個、善と悪に関して、いつもこれらのバランスを図っていく必要があります。そうして、虚実皮膜の間という言葉どおりに、場合によっては個と組織、性悪説と性善説の間を揺れ動きつつ、その場、その場で判断をしていく必要があります。どんな場合にも、全体のためだけとか、個のためだけということはあり得ず、絶対善、絶対悪もないわけで、このバランスをとるという意味合いもこめて、私は「虚実皮膜の間」という言葉を座右の銘の一つとしています。



私は、組織や人を見るときにはいつもこのように見るようにしています。これは、組織人にとっては必要な視点です。これができないような人は、人を管理する立場にたったり、ましてや経営者や政治家などの重要なポストについてはいけません。

現代は組織の時代ですから、このような資質にかけた人は、社会人としても未熟だということです。

このような見方を常にこころがけて、絶対善、絶対悪などということはあり得ないということをいつも念頭においていれば、水島氏のように人を見限ぎらざるをえないとか、田母神氏のように人に裏切られるとなどということになってしまうことの確率をかなり低減することができると思います。

これができない人は、いつも人を見限り続けるか、人に裏切られ続けることになります。

現状を振り返ってみると、左右上下問わず、このような見方のできる人が戦後日本、特にここ最近は減っているように思われます。これについては、現在ではとても革新などとは呼べない、戦後体制利得にしがみついているいわゆる左派という人たちに顕著でしたが、この田母神騒動をみていると、右派といわれる人たちも例外ではないと思えてきます。

戦後70年の本年、長期にわたって継続されてきた異常ともいえる戦後体制下において長い間築かれてきたいわゆる戦後革新派が、革新などとは呼べなくなり、とうの昔に堕落してしまいましたが、戦後保守にも制度疲労が発生し、再編する必要があるのではないかと思います。

日本の古来からある伝統を引き継ぎつつ、「虚実皮膜の間」を理解しつつ、現在の変化に柔軟に対応し続けることのできる新たな保守の確立が急務だと思います。そうして、今の日本、幸いなことに若い世代の人々にそれを期待できそうです。

私はそう思います。皆さんは、どう思いますか?

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2015年2月18日水曜日

【イスラム国】残虐行為の裏には“処刑の教科書"― 【私の論評】残虐の限りを尽くすのは、何故? 統治の正当性や軍事力が脆弱であるため、余裕がなく切羽詰まっているからこそだ(゚д゚)!

【イスラム国】残虐行為の裏には“処刑の教科書" 


ネット上に公開されている“処刑の教科書”

リビアでキリスト教の一派、コプト教徒のエジプト人21人を一斉に斬首する映像をインターネットに公開したイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」。イスラム過激派に伝わる“テロの教典”に基づいて殺戮を繰り返す彼らだが、その戦略が逆効果になっている可能性がある。エスカレートする残虐行為で、「イスラム諸国の反発を招き、逆に追い詰められつつある」(専門家)というのだ。(夕刊フジ

地中海沿岸とみられる浜辺で一斉に21人ものエジプト人を虐殺したイスラム国。怒りに震えるエジプト軍は16日、このテロ集団の軍事訓練施設や武器庫など複数の拠点を空爆、報復措置をとった。エジプトはこれまで米国が主導する対イスラム国への軍事作戦に参加していなかったが、堪忍袋の緒が切れた格好だ。

「イスラム国」が公開したコプト教徒の処刑映像

イスラム国は13日までに、クルド人部隊の兵士17人を檻(おり)に入れて市中を引き回す映像も公開。兵士が入れられた檻は、ヨルダン軍のパイロットが火あぶりにされたものと酷似しており、英紙デーリー・メールは、「全員を焼殺する可能性がある」などと報じている。

火あぶりに首斬り、引き回し。行為を激化させるイスラム国だが、無軌道にもみえる行動の背景に、イスラム過激派の間で知られる「野蛮の作法」という指南書の存在が指摘されている。

中東情勢に詳しい世界平和研究所の松本太・主任研究員は「2004年にアブ・バクル・ナージと名乗る人物がネット上に投稿したもので、イスラム過激派が目指すべき戦略を提示している。そこでは、イスラム諸国で民族的・宗教的な復讐心や暴力を恒常的に作り出すことの必要性が説かれている」と解説する。

軍事ジャーナリストの世良光弘氏は「これまでイスラム過激派にシンパシーを抱くムスリムも一部にいたが、イスラム国の登場で、そうしたシンパも離れた。特にムスリム社会でタブー視される火刑への反発が大きい。過激派と一般のムスリムの間には決定的な断絶が生まれ、イスラム国は影響力を急速に失っている」と語る。

エジプトやヨルダンが報復攻撃に出るなど周辺国の包囲網が強化される一方で、最高指導者とされるアブバクル・バグダーディ容疑者をはじめとする組織中枢の結束も危うくなっている。

松本氏は「イスラム国はフセイン政権下のイラク・バアス党に所属していたスンニ派のイラク人が中心となって築き上げた組織。中枢を古参のイラク人幹部が牛耳っていて、サウジアラビアや西アフリカ諸国、チェチェンなどから入ってきた新勢力と緊張関係にある。緊張が高まれば、組織が内部崩壊する可能性もある」と話す。

非道なテロ集団は自壊への道を歩んでいる。

【私の論評】残虐の限りを尽くすのは、何故? 統治の正当性や軍事力が脆弱であるため、余裕がなく切羽詰まっているからこそだ(゚д゚)!

テロ組織「イスラム国」には、「野蛮の作法」という指南書があるそうですが、それにしてもこのような残虐の限りを尽くすには、それなりの理由があると思います。

上の記事でも示されている通り、2つに集約されます。

一つ目は、イスラム諸国で民族的・宗教的な復讐心や暴力を恒常的に作り出すことの必要性からです。

二つ目は、これまでイスラム過激派にシンパシーを抱くムスリムも一部にいたが、イスラム国の登場で、そうしたシンパも離れたからです。

もし、このテロリストグループに余裕があれば、いくら「野蛮の作法」という指南書があったにしても、実際にこれを適用するようなことはしないと思います。

テロ組織「イスラム国」の統治
もともと、残虐の限りを尽くすのは、自分たちの脆弱な統治能力を恐怖によって、補完し安定継続させるためのものです。以下に、現状のテロ組織「イスラム国」の統治方式のあらましを掲載します。


テロ組織「イスラム国」は、イラクとシリアにまたがる地域で勢力を拡大するイスラム教スンニ派の過激派組織。国際テロ組織アルカイダ系組織などから派生し、2013年にシリア内戦に本格参戦した「イラク・レバント・イスラム国」(ISIL)が14年6月に「イスラム国」に改称、イスラム教教義に厳格に従った国家樹立を宣言しました。アルカイダは2月に関係を断絶する声明を発表しています。

イスラム国の最高指導部はバグダディ指導者と2人の元将校で構成され、イラクとシリアに分けて戦闘や支配地域の統治などを総括。最高指導部の下には10人前後からなる評議会を設置し、集団指導体制を敷いています。

評議会メンバーは戦闘や戦闘員の勧誘、広報など部門別の責任者を兼ね「内閣」のような役割を持っています。全てイラク人で、元将校のほか政治・行政の経験を持つフセイン政権与党バース党の元党員もいます。さらに支配地域を区分けして十数人の「知事」を置いています。

フセイン政権の残党がイスラム国と結びついたのは、イラク戦争後に政府軍が解体され、バース党幹部が公職から追放されたためです。フセイン元大統領は自身と同じイスラム教スンニ派を重用していたのですが、新政権への移行は人口の約6割を占めるシーア派が主導。不満を募らせた元政権幹部が、スンニ派のイスラム国に流れる土壌ができたのです。

その一人が、バグダディ指導者の「右腕」だった元将校のハッジ・バクル氏です。バグダディ指導者は10年に前指導者が米軍に殺害された後、イスラム国の前身組織を率いました。この時、バグダディ氏を推挙したのが、軍事・情報部門を率いていたバクル氏で、組織内のライバルを暗殺し、バグダディ指導者が権力基盤を固めるのに貢献しました。

「ナンバー2」の地位を獲得すると、12年に本格化したシリア内戦への介入や、新国家建設計画を主導しました。対立組織にスパイを送り、戦闘員の取り込みを図るなど組織拡大のキーパーソンでした。バクル氏は昨年1月の戦闘で死亡し、現在は側近で同じ元将校のアブ・アリ・アンバリ氏が後を継いでいます。さらにシリアとイラクの管轄を分担するため、別の元将校が指導部に加わっています。

それにしても、このような統治方式を採用したとしても、彼らの統治にも、ある程度正当性があれば、統治能力の脆弱性を補完するにしても、その補完はわずかのものですみますが、あまり正当性がない上に、最近ではかえて反発をかって、正当性がさらに薄れつつあります。だから、さらに残虐性を極めることになっているのです。

統治の正当性の脆弱性に加えて、テロ組織「イスラム国」には、さらに脆弱な面があります。それは、彼らの軍事力です。

そもそも、彼らの有する軍事力は、他の中東地域にみられる民兵に毛が生えたようなものです。民兵は、軍隊ではありません。彼らは、短期間で養成された素人の集まりであり、とても、現代の組織化され、高度に知識化された軍隊には刃が立ちません。しかも、彼らが拠点としているのは、ベトナムのようなジャングルではなく、砂漠です。これでは、早晩限界がくることは、最初からわかりきっています。

それに関しては、評論家の古谷経衡氏が非常にわかりやすい記事を書いていますので、その記事のURLを以下に掲載します。
所謂「イスラム国」の壊滅は案外早いかもしれない
詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この中で、古谷氏は以下のようにテロ組織「イスラム国」の軍事力を看破しています。

古谷経衡氏
テロ組織「イスラム国」は、3個師団相当の地上戦力を持っていることから数の上だけからみれば、決して侮れない存在としています。しかし、イスラム国の戦車は、まともに運用されておらず、単なる宣伝のための戦車になってしまっていること、さらに、保有する100機のミグ戦闘機もただの飾りでこれも運用することができない状況でです。戦闘機や、戦車などは、機体・車輛そのものよりも運用ノウハウが重要であり、彼らにはそのノウハウがないことを示しました。そうして、数の多い民兵でしかない、所謂「イスラム国」の軍事力の実力を示しました。

宣伝のための戦車

その上で、以下のように結論づけています。
 所謂「イスラム国」には、有志連合の空爆や、(万が一の)地上侵攻に対抗する軍事力は無い。アフガニスタンと違って、所謂「イスラム国」の支配地域は遮蔽物や山岳の少ない砂漠地帯なので、いざ西側の地上部隊が包囲すれば総崩れとなり、掃討戦は容易に行われるだろう。 
 所謂「イスラム国」を過大評価し、「近代の終わりを告げた」とか「今後も世界中の若者が続々とイスラム国へ向かう」だのという人もいるが、軍事的な見地からすれば少々お門違いの見識のように思う。 
 所謂「イスラム国」の壊滅は、案外早いかもしれない。
統治の正当性が低く、軍事力も脆弱であるため、テロ組織「イスラム国」の壊滅は、意外と近いと彼ら自身も考えているからこそ、さらに残虐の限りを尽くしているのです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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