2016年5月8日日曜日

熊本地震で露呈したテレビ局「失態の数々」救出劇の撮影、割り込み、ホテル占拠で大迷惑―【私の論評】震災時などの緊急時における行動にこそ、人間や組織の本性が現れる(・・;)



崩れそうな家の前で「待機」
何を喜んでいるのか!ハシャギすぎだよ、テレビ局
 「眠れますか?」じゃないよ
「夜寝られないから、昼間にウトウトしているところに、詳しい説明もなくカメラを向けられる。お年寄りは文句を言いませんが、若者は、テレビ局の人たちの不躾な態度に憤っていますよ。
どこの局か知らないけれど、十分に説明せずにお父さんと娘さんを並ばせて、インタビューした局があったんです。中継が終わった後、娘さんが『勝手に撮られた』って怒っていました。化粧もしていない顔で全国放送に映っちゃう、って」
こう話すのは、熊本市内で被災した60代の男性である。
他ならぬ熊本の被災者から、テレビ局クルーの非常識な行為を「告発」する声が上がっている。県内の避難所に身を寄せる50代女性も言う。
「避難所にヘルメットを被った人がいきなり入ってきて、深刻そうな顔で『どうですか、眠れますか』って聞いてくる。あんたらが来るから寝られないんだ、と言いたい。
夜の照明がまぶしい、と訴える人も多いです。中継で使うライトって、ものすごく強力なんですね。しかも、リハーサルの時も点けっぱなしだから、みんな早く終わらないかなって思ってますよ」
大きな災害が、マスコミにとってある意味で「チャンス」であることは否めない。しかし、今回の熊本大地震で現地入りしたテレビ局クルーのハシャギぶりは、少し度が過ぎている。
NHKの朝の人気情報番組『あさイチ』では、18日、有働由美子アナウンサーがこんなFAXを取り上げた。「熊本市内に住む友人から聞いた」という、視聴者の話だ。
「余震で崩れそうなお宅の前で、テレビ局がずっと待機しているのだそうです。すごく失礼なことではないでしょうか」
この視聴者が直に見聞きしたわけではなさそうだが、事実なら、「家が崩れる瞬間を撮るために張り込んでいた」ということだ。明らかに行き過ぎであり、これはもはや「取材」とは言えない。
「いい画」を撮るためなら何でもやる—そんなテレビクルーの姿勢は、番組からもにじんでいた。
巷で「やり過ぎ」という意見が特に多かったのが、17日にフジテレビ系『みんなのニュース』で放送された、消防隊に取材班が密着した映像だ。
暗闇の中に浮かび上がる、倒壊した家屋。画面右上には「奇跡の救出劇」という見出しが躍る。
「高齢の女性のようです。今、家屋の外へと出されました……」「おばあちゃん、無事なようです! 今救出されました! 大丈夫ですか!」
消防隊に救い出され、横たわる白髪の女性が大写しになる。夫とみられる男性に、リポーターは笑顔でマイクを向けた。
一見すれば美しい光景かもしれない。しかし、ネット上ではこんな意見が寄せられた。
〈救出された瞬間インタビューしたりそこまでする必要あったんかな〉
〈二次災害とかもあるかもしれないのに。足手まといにもなるかもしれないのに〉
この映像自体は、確かに「スクープ」だろう。だが、極限状態におかれた被災者にカメラとマイクを向けてまで、報じる必要があるのか。危険な状況下、しかも夜間。消防隊員たちに与えた負担も小さくなかったはずだ。
 ホテルも占拠していた
さらにネット上では、現地入りしたテレビクルーの無神経な行為が、「大炎上」を招いた。
「関西テレビの中継車が、熊本県内のガソリンスタンドで列に割り込んだ」
「毎日放送のアナウンサーが、豪勢な弁当を被災地で調達した」
といった情報が瞬く間に広がり、猛烈な批判を浴びたのだ。関西テレビと毎日放送は、これらを事実と認め、謝罪した。
動画はブログ管理人挿入 以下同じ
前出と別の、被災者の男性が言う。
「ガソリンスタンドは、どこに行っても長い行列で、30分で給油できればラッキー。だいたい1時間はかかります。コンビニやスーパーも、まだ商品がスカスカのところもある。割り込みや買い占めがあるとすれば、許しがたいことです。
ホテルもマスコミ関係者で一杯になっている、と聞きました。『避難所にいたくない』という親戚が部屋を取ろうとしたら、熊本市内や周辺のホテルはほとんど押さえられてしまっていたと。休息の場所を最も必要としているのは、地元の人じゃないんですか」
テレビ報道の現場は、誰に向かって何を伝えるべきか、また自分たちが視聴者や取材相手にどう思われているのか、見失っている。そう懸念するのは、ある民放キー局元幹部である。
「ヘルメットを被ったリポーターが、余震が起きると『危険です! 身の安全を確保してください!』と怒鳴っていたけど、視聴者からすれば『誰に向かって言ってるの?』と思ったでしょう。現地の被災者は、テレビなんて見られないんですから。
また、仕方なく車の中で寝ている人に向かって、東京のスタジオにいるキャスターが『車の中にずっといるとエコノミークラス症候群になるから、出てください!』と叫ぶ番組もあった。何様のつもりで作っているのか」
テレビ報道の存在意義とは—今回、被災地でテレビ関係者が見せた振る舞いは、そんな疑問を国民に抱かせた。
彼らが信頼を取り戻す術はあるのか。同志社女子大学教授で、元毎日放送プロデューサーの影山貴彦氏は、こう提言する。
「震災報道が過熱する最大の原因は、行き過ぎた視聴率競争だと思います。テレビのスタッフに、視聴率を考えない者はいない。いい映像が撮れそうだと興奮してしまうのです。
だからせめて、大きな災害の時だけでも各局とスポンサーが連携して、視聴率調査をストップするべきです。『抜いた、抜かれた』のスクープ競争をやめれば、報道の姿勢も変わるはず」
災害の時にテレビが担う役割を、もう一度考え直したほうがいい。
「週刊現代」2016年5月7日・14日合併号より
【私の論評】震災時などの緊急時における行動にこそ、人間や組織の本性が現れる(・・;)



ブログ冒頭の記事においては、テレビ局がはた迷惑な取材をを淡々と掲載したでけで、その背後に何があるのかは、視聴率ということで、そこからは一歩も踏み込んで、全く分析していません。この点については、以下の記事が関係者の声として、かなり踏み込んでいます。
NHK以外はなっとらん!? 民放の被災地取材のヒドさに同僚からも不満噴出中! 
イメージ画像 文書の内容とは直接関係ありません
 熊本地震では多くのテレビ局が現地入りし、今も熊本県内各所からの中継を行っている。しかし、ガソリンスタンドにて中継車が給油待ちの列に割り込んだため、テレビ局が謝罪する事態となったほか、避難所で生活する男性が中継中のクルーに怒りをぶつける模様が生放送で流れてしまうなど、テレビ報道の取材姿勢に対して怒りの声は多い。 
 これらの問題に関してテレビ業界の関係者はどう考えているのか。話を聞いた。 
「生放送中に怒りの言葉を向けられたのは最悪ですね。ただ、あれは避難所の目の前に中継車を置いて邪魔だったのが原因だったようです。スタッフが取るべき行動として考えればたしかに理解はできるのですが、状況が状況だけに最悪でしたね」(番組関係者) 
 行動自体は理解できるとのことだが、一体どういうことか。 
「中継車とカメラはケーブルで結ぶので、両者の位置が近いほうがケーブルを敷く距離が短くてすみますからね。ですが、中継車が邪魔になるという状況であれば遠慮するべきだったと思います。NHKなどはたとえ離れていても近隣の駐車場などに中継車を置いて、そこから何百メートルもケーブルを敷いていますが、民放の場合にはまだまだこのような配慮が行き届かないケースも多いので、今回のようなトラブルを招いてしまったんです」(同) 
 意外にもこのような場面では、NHKのほうがマナーを守っているようだ。民放はなぜクレームが来そうな行為に走るのだろう。 
「機材が少なくケーブルが足りないなど物理的な原因もあります。ですが、それ以上に民放の報道部の人間は『報道の自由』を盾にすれば何をしてもいいと考えている輩が多いんです。NHKの場合にはきっちりした研修もありますが、民放の場合には報道と権力をはき違えた人間もたくさんいます。そういう気持ちの面での差もあると思います。当然、報道の自由と同時に個人のプライバシーや生活権も重視されるべきですから、今後は邪魔な中継車はどんどん110番通報するぐらいの対抗措置を市民側もとるべきですね」(同) 
 仲間をかばうのかと思いきや110番を進言するとは驚きだ。これはどういうことなのか。
「自分は報道の人間ではないのでハッキリ言えますが、テレビ業界の中で最も嫌われている存在は報道セクションなんです。あらゆる場所で横暴な取材を行い、それによっていろいろな町や企業に嫌われています。その影響を受けるのはバラエティやドキュメンタリーなどを作る我々なんです」(同) 
 具体的にはどのような影響があるのか。 
「たとえば商店街で失礼な取材をして、その商店街でほかのバラエティ番組がロケをしようと思っても拒否されたり、今まで取材可能だった店舗から出入り禁止にされたりします。また、ドキュメンタリーの分野で言えば、東日本大震災の現地ドキュメントを撮影しようと思っても、過去に報道の人間からひどい取材をされたなどの理由で、取材NGになるケースもあります。そのため、今回の熊本地震でも報道局のなりふり構わぬ取材態度には身内であっても批判の声が多いんですよ」(同) 
 世間からのバッシングばかりかと思ったが、実際には身内からも嫌われているのが報道部の実情のようだ。一体彼らの報道は誰のために、何のために存在しているのだろうか。
(文=吉沢ひかる)
 結局この記事からも理解できるように、民放の報道部の人間は『報道の自由』を盾にすれば何をしてもいいと考えている輩が多いということが震災地での報道の傍若無人ぶりの背後にあるということです。報道と権力をはき違え、個人のプライバシーや生活権報道の自由よりも報道の自由のほうが上であると勘違いしているところがあるということです。

さて、上記まででは、震災の被災者に関する報道のみがクローズアップされていますが、震災に関するもので、NHKも含む各放送局でほとんど報道しないものもありました。

それは、何かといえば、あのオスプレイです。オスプレイが、救援物資を運んだという報道はテレビではほとんど報道されませんでした。だから、デレビのみが情報源になっている人の中には、オスプレイが救援活動をしたことを知らない人も大勢います。

これは、新聞報道とは対照的です。オスプレイ報道にもいろいろあって、大手新聞のほとんどは、熊本震災の救援活動にオスプレイは必要ないとか、危険であるとか、実績づくりのためのPRだとか、ネガティブではありながら、報道はしました。産経新聞は、ポジティブな内容で掲載したり、他紙のネガティブな報道の仕方を批判する内容の記事でした。

ネカティブであれ、ポジティブであり、ほとんどの新聞はオスプレイが熊本震災の救援活動に出動したことを掲載していました。



ところが、テレビ局ではほとんど局が、オスプレイに関しては報道しませんでした。これは、一体どうしたことでしょうか。テレビ局の中には、前々からオスプレイが危険だなどと、報道しているところがありました。そういうテレビ局も含めて、ほとんどのテレビが報道しなかったということは、各テレビ局の報道部による恣意的な取捨選択以外の何ものでもありません。

これは、テレビ局が「報道の自由」を行使するのは、当然のこととして「報道しない自由」を行使するのも当然のことと捉えてるということを示す証左としてとらえるべきです。ネガティブな内容でも流すというのならわかりますが、完全無視で、何も報道しないというのですから、とんでもないです。

これらの報道姿勢をテレビ局の傲慢といわずして、何を傲慢というべきでしょうか。このテレビ局の傲慢は、特に各テレビ局の報道部の傲慢さに直結しているのだと思います。だからこそ、テレビ局の報道部は、震災地であのような傲慢な姿勢を見せるのです。このテレビ局の傲慢さに関しては、以前にもこのブログで掲載したことがあります。

その記事のリンクを以下に掲載します。
K・ギルバート氏“偏向報道番組”斬り「日本のテレビ局の態度は傲慢に見える」―【私の論評】日本のテレビ局の態度は、傲慢どころか日本の民主主義の破壊者(゚д゚)!

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、TBS系「NEWS23」の安保法制報道が放送法違反だったとして、作曲家のすぎやまこういち氏が代表呼びかけ人を務める任意団体「放送法遵守を求める視聴者の会」が昨年11月26日、記者会見を開き、番組アンカーを務める岸井成格(しげただ)氏やTBSなどに対し、公開質問状を送ったことを明らかにしたことを掲載しました

この記事より、ケント・ギルバート氏の発言の部分のみ掲載せせていただきます。
呼びかけ人の1人で、夕刊フジで「ニッポンの新常識」を連載(金曜掲載)する米カリフォルニア州弁護士、ケント・ギルバート氏は「日本のテレビ局の態度は傲慢に見える。『自分たちは賢く、バカな国民を誘導しなくてはダメ』という態度に見える。決めるのは国民で、意見を押しつけることは正しくない姿勢。もっと謙虚にやってもらいたい」と訴えた。
この記事にもあるように、テレビ局の安保法制に関する報道は、TBSに限らずどの局も傲慢そのものでした。その中でも、得にTBS系の「NEWS23」の報道は極めつけのものでした。

とにかく、テレビは、集団的自由権の行使を含む安保法制に反対し「戦争法案」などとレッテル貼りをする野党の主張や、市民団体のデモばかり報道して、与党側の主張や、保守派などの意見などほとんど報道しませんでした。

これは、「戦争法案」という主張を「報道の自由」として徹底的にとりあげ、その一方で与党側や保守派の人々の主張は「報道しない自由」として徹底的に無視して報道しなかったということで、テレビ局傲慢さを白日の下に晒しました。

とにかく、テレビ局の特に報道部は、ニュースなどを取捨選択し自分たちの主張に合う事柄は、「報道の自由」として長時間報道し、自分たちの主張に合わないものは、徹底して報道しないという「報道しない自由」を貫き通したのです。

一体彼らの報道は誰のために、何のために存在しているかといえば、明らかです。いわゆるパヨクのために、パヨクの主張があたかも世の中の大勢を占めているかのごとく装うために存在しているとしか言いようがありません。

熊本の震災報道でも、視聴率欲しさに無理な報道をしたというよりは、普段からの傲慢ぶりが露呈してしまったに過ぎません。【私の論評】の冒頭に掲載した動画のスチル画像を以下にもう一度掲載します。



テレビ局の人は別として、なぜか辛嶋友香里(からしま ゆかり)というピースボートの人間がMCを実施しています。この辛嶋なる人物の経歴を以下に掲載します。
ピースボート災害ボランティアセンター スタッフ 
教員を目指して大学へ進学。卒業するも、ゆとり教育よりも社会経験だ!と思い、総合美容サロンに勤務。営業、美容、マネージメントを経験し、独立。個人サロンを立ち上げる。26歳でピースボートクルーズに参加。その後も旅を続けていたところ、東日本大震災が発生。急いで帰国し、ボランティアとして東北へ。その後、ピースボート災害ボランティア センターの初期運営メンバーとして支援に携わりそのまま職員となる。被災地に向かう数万人のボランティアをオーガナイズ。現在は、将来の災害に備えるため、主に防災・減災の取り組みに力を入れている。

ピースボート(Peace Boat)とは、国際交流を目的として設立された日本の非政府組織(NGO)、もしくは、その団体が主催している船舶旅行の名称です。設立当初はアジアをめぐるクルーズの運営を主体としていたが、1990年以降は世界各地をめぐる「地球一周の船旅」を繰り返し行っています。後に政治家となった辻元清美ら早稲田大学の学生数名が1983年(昭和58年)に設立しました。創設メンバーで現在も運営に関わっているのは、吉岡達也のみです。

この藤岡達也は現在ピースボートの共同代表です。2008年には『9条世界会議』の共同代表に選ばれました。2012年1月14-15日にパシフィコ横浜開催されたた「脱原発世界会議 2012 YOKOHAMA」では運営代表を務めました。

要するに、ピースボートはこてこてのパヨク団体です。このようなパヨクをわざわざ震災報道でMCのように使用するというのが、そもそも感覚がずれています。

報道するなら、報道に専念するべきです。こんなところには、パヨクが随伴するのも非常におかしな話ですが、もしも保守の人間が行ったとしても浮いてしまうのではないでしょうか。

そうして、被災民の人から迷惑がられて、叱責され、放送を中断してしまうという不手際を起こしてしまったのです。

とにかく、今のテレビ局のあり方は、この番組報道に凝縮されています。

普段から、「報道の自由」という錦の御旗を笠に着て、やりたい放題の報道内容の取捨選択を行い「報道しない自由」も享受し、震災地でもそれと同じく、とにかく視聴率を稼ぐためにやりたい放題をしたり、パヨクまで随伴するというやりたい放題をしても、そのことに何の疑問も感じないのです。



日々傲慢でやり過ごしてきて、何も批判されず、ましてやパヨクたちからもてはやされるので、感覚が鈍り、被災地でも人を人とも思わない傍若無人を働き、激しく非難されてから、ようやく気がつくという体たらくぶりを発揮しているのです。

ブログ冒頭の記事や、【私の論評】の冒頭に掲載された記事でもNHKのことはあまり批判していませんが、これは記事中にあったように、NHKの報道局の人間など被災地での行動のあり方を教育されているから、今回も被災地でも被災者に直接迷惑をかけることはなかったものの、傲慢さにかけては、他局の報道部とあまり変わりありません。それは、普段の報道ぶりを見ていれば、良くわかります。

人間の本性、本質はピンチのとき、緊急事態のときに表れます。こんなときに、普段はどうであれ、責任を他の人間になすりつけたり、傲慢であったり、小心者であったりのその人間の本質が露呈します。テレビ局などの報道部などの組織も同じことです。今回、震災の報道でみせた彼らの姿勢こそ、彼らの本質なのです。

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2016年5月7日土曜日

【緊迫・南シナ海】中国の海上民兵、米イージス艦を包囲 過去2回の「航行の自由」作戦中 米司令官明かす 中国に強い懸念伝達―【私の論評】米軍はやっかいな海上民兵に対抗するために、大陸中国の卑劣な便衣兵文化を認めよ(゚д゚)!


2009年秋田港外港に入港したイージス駆逐艦「カーティス・ウィルバー」

米太平洋艦隊のスウィフト司令官は6日、南シナ海で米軍が過去2回実施した「航行の自由」作戦で、派遣したイージス艦が「海上民兵」と呼ばれる武装した漁民が乗り込む船に囲まれたと明らかにした。ワシントンでの講演で語った。

海上民兵は最近、南シナ海で増加傾向にあり、中国政府が関与しているとの見方が出ている。

スウィフト氏は「中国海軍の高官と海上民兵について意見交換し、強い懸念を伝えた」と述べた。偶発的な衝突を防ぐため、米中両国の海軍同士の協議が必要だとの考えを示した。

スウィフト氏によると、昨年10月に「航行の自由」作戦で派遣されたイージス駆逐艦ラッセンと、今年1月に派遣されたイージス駆逐艦カーティス・ウィルバーの周囲に海上民兵が乗った船が近寄ってきたという。

【私の論評】米軍は卑劣な海上民兵に対抗するために、中国の便衣兵文化を認めよ(゚д゚)!

いずれ海上民兵が南シナ海ち米軍を悩ますことになるであろうことは、このブログにすでに掲載したことがあります。上の記事は、この予測を裏付けるものです。

その記事のリンクを以下に掲載します。
知られざる中国の「海上民兵」―漁船が軍事組織に―【私の論評】海上民兵は便衣兵と本質的に同じ!!米国は、南京虐殺事件の虚偽を認めない限り、便衣兵に悩まされることになる(゚д゚)!
尖閣周辺海域に向かう中国漁船 
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、海上民兵に関する内容を以下にコピペします。
ベトナムと同様、中国は海上民兵を抱える数少ない国の一つだ。この部隊は通常、民間漁船で編制され、さまざまな活動に従事する。これには難破船の救助など緊急対応から、島に上陸して主権を主張するといった強硬な活動まで含まれる。大企業で民間活動に従事する船員や漁業連合が軍事組織に採用され、軍事訓練や政治教育を受け、中国の海洋権益を守るために動員される。 
中華人民共和国の建国初期に創設された海上民兵は、世界最大の漁船団で編制されている。ここ数年で海上民兵は洗練さと重要性を増し、建築資材の運搬から情報収集まで幅広い任務を果たすようになってきた。最精鋭部隊は、必要があれば機雷や対空ミサイルを使い、「海上人民戦争」と呼ばれるゲリラ攻撃を外国船に仕掛けるよう訓練されている。現在、海上民兵は実質的に中国政府が管理する第一線の部隊として機能し、東シナ海と南シナ海で中国の権利を主張するための監視や支援、けん制などの活動に従事している。
機雷の配置訓練を受ける中国の民間漁船 
海上民兵に関する疑問の中で、最も複雑なのは「誰が統率しているか」だ。建設作業や訓練など、海上民兵がこなす日常業務は沿岸都市や郡に配置されるおびただしい数の人民武装部によって実施され、これを軍分区の司令部が監督している。海上民兵はさまざまな機関から直接指揮を受けて幅広い役割をこなすため、ここから先の組織構造は一段と複雑になっている。
最近、規模を縮小したり専門性を高めたりすることで、各部隊の役割を変容させる努力が続けられてきた。その一例が浙江省玉環郡の海上民兵大隊で、この部隊は海軍の船に燃料や弾薬などを供給している。
このほか、偵察部隊、重要な施設や地域を護衛する部隊、敵を混乱させたり敵の設備を故障させたりする部隊、海上輸送能力を増大させる部隊、修理や医療救助に従事する部隊など、さまざまな支援活動に関わっている。
また、海上民兵は中国の政治活動や外交政策に協力し、係争海域における中国のプレゼンス維持を支援したり、領有権を主張する島々に上陸したりしている。
数千隻に上る海上民兵の船には「北斗」と呼ばれる中国独自の衛星測位システムが設置されている。これにより民兵は他の部隊を追跡できるほか、テキストメッセージの送受信、船員がタブレット上に手書きした中国語の読み込みなどができる。
中国による海上民兵の雇用は、周辺国だけでなく米国などにも幅広い影響を及ぼす。東シナ海や南シナ海で米国やその同盟国が中国との紛争に巻き込まれれば、軍事活動に従事する数多くの民間漁船への対処法を定めた交戦規定が要求されるだろう。南シナ海で激しい衝突が見られないのは、弱小な中国の近隣国がゲリラ的な混戦に直面し、これが中国海軍の戦闘参加を回避させているからかもしれない。
民間人と衝突すれば政治的に敏感な問題になるため、米国などの海軍は手足を縛られた状態にある。その間、海上民兵は係争海域で際限なく拡大する中国の施設建設や護衛といった支援活動を継続することになる。
以上をご覧いただければ、海上民兵とはいわば海上の便衣兵です。便衣兵(べんいへい)とは何かといえば、一般市民と同じ私服・民族服などを着用し民間人に偽装して、各種敵対行為をする軍人のことです。これは、国際法違反であり、捕虜となっても裁判にかけられ処刑されるのが普通です。

「便衣兵」の用語は日中戦争に関連して主に使用されます。このほか、戦争・紛争当事国が、「便衣兵」と同義の「隠れ戦闘員」と見なした非合法戦闘員・ゲリラを殺害した行為が、国際法上問題と指摘された例はベトナム戦争、イスラエル・パレスチナ紛争、コロンビア内戦など数多いです。便衣兵は捕虜とは異なり、陸戦法規の保護を適用されません。

さて、便衣兵というと、南京虐殺の虚偽にもかかわりがあります。東中野修道は「日本軍は便衣兵の厳正な摘出を行い、捕虜の資格が無い便衣兵のみを処刑したものだ。これが曲解されたものが南京大虐殺である」と主張しています。

ただし、この便衣兵は現在の中華人民共和国とは全く関係ありません。日本が南京を陥落したときには、中華人民共和国は存在せず、日本と戦ったのは現在台湾にある中華民国の軍隊である、国民党軍と戦ったのです。

さらに、大陸中国は南京で虐殺されたのは、20万人(最近ではいつの間にか30万人となっている)だとしていますが、これもそもそも虚偽です。どのくらいの人数かはわかりませんが、しかし20万人などから程遠い、数少ない便衣兵が処刑されたと私は、見ています。

この説に関しては、これを拒絶する人も多いですが、しかしながら、20万人も市民を虐殺ということになると、あまりにも辻褄のあわないことが多すぎます。

飛行服姿の原田要さん
最後のゼロ戦乗りともいわれた、原田要(かなめ)さんは、昭和12年に日本軍が中国・南京を攻略した際、原田さんは海軍航空隊の一員として現地にいました。記憶にあるのは、露店が立ち、日本兵相手に商売を始めた住民の姿です。「南京大虐殺は信用できない。もしあれば、中国人はわれわれに和やかに接しただろうか」と語っています。

これについては、ここで述べると長くなってしまいますので、これ以上は説明しません。しかし、私は便衣兵が処刑されたのは事実であり、これが著しく曲解されたのが南京大虐殺であると考えています。

大東亜戦争中には、日本軍は便衣兵にも悩まされましたが、督戦隊や清野戦術にも悩まされました。

「督戦隊(とくせんたい)」とは、自軍部隊を後方から監視し、命令無しに逃げてきたり、降伏をする自軍兵士を射殺する兵士たちのことです。

「清野戦術」とは、中国軍は敗走時に、日本軍が利用できる物を何も与えないようにするため、民家から食糧など奪える物を奪ったあと、できる限り全ての家屋を焼払う戦術のことです。これに逆らう者は殺害されました。

なお、日清戦争の時にも、当時清國軍にも便衣兵が存在していたそうです。さらには、大東亜戦争当時の八路軍(共産党軍)にも、便衣兵がいました。今日の海上民兵といい、これは大陸中国の文化であるといっても良いのではないでしょうか。

NHKテレビで報道された八路軍の女性便衣兵
さて、南京虐殺20万人、30万人という膨大な数字は、南京裁判(南京戦犯軍事法廷)と東京裁判から一人歩きをはじめました。両裁判は南京、東京と場所は離れているものの、ほぼ同時期に進行していきました。

南京法廷 は北京、上海、広東など10ヵ所で開かれた中華民国政府による法廷の一つで、いわゆる「BC級戦犯」が対象となりました。

この南京法廷では、“南京虐殺の実行者 ”に対する審判が主要な柱とされ、何かと議論の多い「百人斬り競争」の向井、野田両少尉が裁かれたのもこの法廷でした。
大虐殺の実行者とされた谷 寿夫中将 (第6師団師団長 )に対する判決文のなかに、虐殺数の内訳が出てきます。

谷中将率いる第6師団は、第16師団(師団長・中島 今朝吾中将)、第18師団(同・牛島 貞雄中将)、第114師団(同・末松 茂治中将)などの部隊とともに、大規模な虐殺、放火、強姦、掠奪を行ったとしています。

殺害数については、以下のとおり「集 団 屠 殺」 および「個別分散屠殺」 の2つに大別し、前者の19万人、後者の15万余人と合わせ、「30万人以上 」 にのぼったとしています。

しかし、これはあまりに多すぎであり、そうして肝心要の物的証拠がほとんどありませんでした。そもそも、20万、30万の犠牲者というと、会戦レベルの犠牲者数です。会戦ですら、このような犠牲者が出ることは滅多にありませんでした。

古代中国では会戦もあったでしょうが、近現代では中国は会戦など経験したことがありません。だから、20万、30万の犠牲者という意味が理解できないのではないかと思います。南京という一都市を陥落させるのは会戦ではありません。

一都市に会戦レベルの将兵を送り込み、市民を20万人前後も殺害するなど、莫大な時間と労力を投入せざるを得ず、これは不可能に近いです。これは、古代中国人は理解できなたかもしれませんが、近現代の中国では不可能かもしれません。



そうして、あれから長い時経て、今度は中華人民共和国が南シナ海で海上民兵という便衣兵を投入しているのです。

今のところ、アメリカの艦艇を取り囲むくらいのことしかしていませんが、いずれさらに妨害行動やさらなる軍事行動に出てくる可能性が大です。海上民兵の漁船にミサイル、魚雷などを搭載すれば、これは米軍にとってかなりの脅威になります。

これに対して、民間人と衝突すれば政治的に敏感な問題になるため、米国などの海軍は手足を縛られた状態にあるといって良いです。

米国側としては、海上民兵の本質は便衣兵であるとして、いざというときには、これを排除しなければないときがきます。

その時に、また過去の歴史が繰りかえされるかもしれません。米軍は、卑劣極まる便衣兵を排除したにもかかわらず、中国側からは、漁民を虐殺したと非難されることになるかもしれません。

2013年三沙海上民兵部隊が創設され、女性民兵が56式歩兵銃を持って宣誓した
そんなことにならないためにも、米国としては、東京裁判の間違いを認め、南京虐殺20万、30万の虚偽を公にして、中国大陸には卑劣な便衣兵文化が存在することを認め、現在も海上民兵という形で存在していることを世界に向かって公にすべきです。

そうすれば、米軍は卑劣な便衣兵に対してすぐに対処できるようになります。それをしなければ、米軍はいつまでも中国の便衣兵に悩まされることになります。海軍力ではとうてい、米国や日本にも勝てない中国はそれを良いことに、便衣兵でさらなる海洋進出を続けるかもしれません。そんなことは、断じて許すわけにはいきません。

我が国も、便衣兵が東シナ海で暗躍し、領海侵犯などした場合には、厳正にこれに対処する旨を中国政府に伝えるべきです。便衣兵は人民解放軍と同列にみなすと通告すべきです。

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2016年5月6日金曜日

日本経済は後半に回復する 増税スキップ&大型景気対策で中国・EUの不安払拭―【私の論評】殺人政策である10%増税見送りは当然!まともな経済対策で日本は再度成長軌道に乗る(゚д゚)!


8%増税は実施直後から大失敗であったことが明白になっていた
昨年末の本コラムの特別号で、今年の経済見通しについて、「年前半は経済の調子が悪いが、7月の参院選の前に消費増税はスキップして大型景気対策を実施するだろうから、年後半には回復する」と書いた。

筆者のメーンシナリオに変更はない。4月の熊本地震という想定外の事態によって、衆参ダブル選挙の可能性は遠のいた。ダブル選なら7月10日しか実施可能日はないが、さすがに熊本地震から3カ月もたたずに実施するのは被災者感情や選挙の事務作業から考えても難しい。

ダブル選でなければ、7月24日に参院選を行えばよく、それなら実施可能な日程ではないか。

いずれにせよ、参院選で、消費増税スキップと大型景気対策について国民の信を問うことに変わりはない。むしろ、熊本地震の補正予算を今国会中に仕上げて、伊勢志摩サミット後に国会を閉じ、参院選を7月24日に行うというスケジュールがより具体的になってきたといえるだろう。

熊本地震に加えて、世界経済の不透明感もあるので、消費増税スキップについては、もはや誰も疑わない既定路線と化しつつある。

中国は相変わらず国内総生産(GDP)統計を粉飾しているようで、もう誰も7%成長していないことを知っている。

英国では6月に欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票が行われる。もし離脱すると、貿易自由化や資本取引自由化の恩恵を受けられなくなり、金融業界をはじめとする産業競争力を落として雇用が激減、経済は壊滅的になる-という意識が人々に広がっている。このため英国のEU離脱の可能性は高くはないが、EU残留を主張するキャメロン首相がパナマ文書問題で政治的にイメージダウンしているので予断を許さない。

年後半には米国の利上げが待ったなしだ。米連邦準備制度理事会(FRB)は世界経済の状況を見て、利上げを急がないスタンスであるが、米国の国内雇用情勢はほぼ完全雇用状態になりつつあるので、いずれ利上げせざるを得なくなる。

米大統領選は、民主党のヒラリー・クリントン氏と共和党のドナルド・トランプ氏の戦いになる可能性があるが、予備選と本選で両者の主張が変化するかどうかがポイントである。特に、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)については両者ともに否定的なスタンスであり、本選でも続くと、TPP交渉がご破算になる恐れもある。そうなると、日本にとってはもったいない話だ。

米国でTPPに否定的な意見が多いのは、逆にいえば日本がうまく交渉してメリットが大きいと考えたほうがいい。

こうした海外の不確定要因に左右されないためには、内需拡大が必要だ。日銀の追加金融緩和と伊勢志摩サミット後の消費増税スキップ、大型景気対策がそろえば、年後半の景気は持ち直すだろう。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】殺人政策である10%増税見送りは当然!まともな経済対策で日本は再度成長軌道に(゚д゚)!

上の高橋洋一氏の記事、まったくこの通りです。10%増税見送りは、当然のことです。これを逃せば、8%増税などはるかに上回る、経済の停滞を招くことはあまりにも明らかです。これは、高橋洋一氏が主張するように、最早規定路線です。

もしそれでも実行した場合には、日本経済は破綻し、安倍政権は崩壊します。そうして、10%増税したままでそのまま放置すれば、自民党政権崩壊で、自民党は再び下野することになります。その後は、自民党も弱小政党に成り下がり、当面多数の少数制等が乱立することになり、どの党が政権をとったにしても、長続きせず短命政権に終わることでしょう。

日本は、経済的に停滞するだけはなく、政治的にも、文化的にも大きく停滞し、その破壊力はとどまるところを知らず、日本をかなり弱体化させてしまうことになります。これは、決して脅しでもなんでもなく、10%増税を来春に実行すれば、そうなります。

だからこそ、高橋洋一氏も10%増税見送りもしくは凍結は、「もはや誰も疑わない既定路線と化しつつある」と主張しているのです。こんなときに、増税をすべきという政治家、アナリスト、学者、マスコミなどは、一言でいえば「愚鈍」と言われても、やむを得ないです。事実、愚鈍です。いや、もっとはっきり言わせていただければ「人殺し」です。なぜなら、10%増税などすれば、経済苦を理由に自殺する人が増えます。経済政策の如何によっては、人は死ぬのです。

これについては、以前このブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
【正論】「欲ない、夢ない、やる気ない」……現代日本の最大の危機そのはこの「3Y」にある 作家・堺屋太一―【私の論評】団塊の世代以上の世代には想像もつかない現代の若者の窮状(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、『経済政策で人は死ぬか』という書籍を紹介させていただきました。その部分のみ以下に引用します。

"
さて、ここで、一冊の書籍を紹介させて頂きたいと思います。
経済政策で人は死ぬか?: 公衆衛生学から見た不況対策

この書籍には、経済政策と死者数と間の相関を調べた内容が記載されています。

さて、日本では、現在アベノミクスの是非が話題になっています。世界中どこでも、不況に陥ると経済政策をどのようにするべきか、議論されます。しかし、結局のところ、どのような政策がいいのでしょう。そして、その決断を、イデオロギーや経済理論だけを頼りに行って、本当に良いのでしょうか。

世界規模の不況に陥ったとき、国ごとに経済政策は異なり、それによって国民の運命も異なる方向に動かされてきました。公衆衛生学者と疫学者である本書の著者は、そのことを利用して政策の優劣を比較しました。つまり、過去の各国の政策選択とその結果のデータを、世界恐慌からソ連崩壊後の不況、アジア通貨危機、そしてサブプライム危機後の大不況まで調査し、比較したのです。

比較の指標は、国民の生死です。政策の違いによって、国の死者数は増えたのか減ったのか、健康状態や平均寿命などがどう変化したかを比較しました。経済政策は、国の借金返済や構造改革、景気刺激など、さまざまな目的で行われますが、そもそも国民に死を強いるようでは元も子もありません。結果はどうだったのでしょうか。

著者らの研究によれば、不況下で危険な「緊縮政策」を選択した影響で増加する死亡数は、まさに驚くべきものです。最も悲惨なのは、ソ連崩壊後のロシアで、1990年代に経済政策の失敗により数百万人の男性が死んだ(主に自殺とアルコール関連の死亡)と考えられるといいます。


アジア通貨危機後にIMFに緊縮財政を強いられたタイでは、感染症対策支出を削らされたせいで、感染症による死亡率が大幅に上昇しました。現在、緊縮財政をとっているギリシャでは、これも対策費の削減によりHIV感染が拡大しているほか、医療費カットで医療制度が崩壊し国民の健康状態はひどく悪化しています。

著者たちは次のように述べています。
民主的な選択は、裏づけのある政策とそうでない政策を見分けることから始まる。特に国民の生死にかかわるようなリスクの高い政策選択においては、判断をイデオロギーや信念に委ねてはいけない。…正しくかつわかりやすいデータや証拠が国民に示されていないなら、予算編成にしても経済政策にしても、国民は政治家に判断を委ねることができない。その意味で、わたしたちはこの本が民主化への第一歩となることを願っている。
私は、本書をきっかけに、政策論争がイデオロギーを離れ、経済理論だけではなく、現実のデータに基づいたものになることを願っています。
"
経済政策がまずければ、死ななくても良い人まで死ぬのです。だからこそ、10%増税は絶対に見送らなければならないのです。

だから、10%増税は当たり前として、その上何をするかというのが次の政策課題になるのです。

そうして、その政策課題はどのようなものにすべきかは、このブログでも何度か掲載してきました。そうして、それは私が思うだけではなく、多くのまともな経済通が当然のこととする政策でもあります。以下にそれを再び掲載します。そうして、これを掲載したときとは、状況が少し異なるので、さらに追加の説明を行います。

1.追加緩和

2%の物価目標も達成がなかなかできていないのですから、追加金融緩和を行い。これを達成する速度をはやめるべきです。イギリスの事例をみてもわかるように物価目標をいっとき4%程度にしても、ハイパーインフレになる可能性はありません。2%などと悠長なこと言っていないで、言っとき4%にするべきと思います。

2.増税延期or凍結 

これは、上記で述べたように絶対に増税などすべきではありません。増税は、緊縮財政の手法であり、本来景気が加熱して、ハイパーインフレなどになりそうなときに行う手段であり、デフレから脱却するときに行う政策ではありません。デフレからの完全脱却を目指すなら、減税や給付金などの積極財政を行うべぎてす

3.20兆円ぐらいの大型補正予算 

日本には、未だ、10兆円のデフレギャプがあります。これを埋めるためには、補正予算3兆円など、焼け石に水です。最低でも10兆円、できれは20兆円の補正予算を組むべぎです。日本にはその能力があります。実際、特別会計には、為替特別会計など、円安の現状では必要のないお金が天文学的に積み上げせられています。これで、20兆円など簡単に捻出できます。ただし、政治決断が必要。

1.の追加緩和については、最近ではいろいろと考慮しなければならないことがでてきました。

特に、現在米財務省は日本を為替の「監視対象」に指定、連休中に一時1ドル=105円台まで円高が進みました。日銀は、4月に追加緩和を見送り、市場を失望させましたが、専門家は今月の伊勢志摩サミット(主要国首脳会議)に合わせて政府と共同で逆襲する可能性を指摘しています。実際そうなるのではないかと思います。

トランプ氏は「円安によって、(米国企業の)キャタピラーは日本のコマツとの競争が難しくなっている」と強調するなど、日本の為替政策を敵視しています。

しかし、トランプ氏の「日本が為替操作している」という見解は全くの事実誤認です。米財務省の為替に関する議会向け報告書でも、日本を監視対象とした一方でこの4年間、日本が為替介入を行っていないと明記しています。


さらに、報告書では、今後の介入を牽制(けんせい)したものの、米国自身が3度にわたる量的緩和を実施しただけに、金融緩和については否定していません。

そもそも、トランプ氏の語るようないわゆ「通貨戦争」のごときは、単なる妄想に過ぎません。いかなる国でも、どこまでも通貨安にもっていこうとすれば、何がおこるかといえば、当然のことながら、インフレに見舞われることになります。だから、どこまでも、通貨安にするなどということは、いずれハイパーインフレを招いていしまうことになりますから、これをいつまでも続けるということはできません。

しかし、日本でこのようなことにならずとも、まだまだ金融緩和ができる余地がかなりあります。米財務省の報告書はあくまで選挙イヤーによくある米国内向けに過ぎないものです。緩和のために買い取る資産も、新規国債の発行はもちろん、外債、地方債、ETF(上場投資信託)などいくらでも、まだまだあります。

2.の増税延期or凍結に関しては、上記で述べたように、これはすでに当然のこととして良いと思います。私は、それどころか、8%増税で大失敗したのですから、当面5%に戻すべきであると思っています。失敗した政策は、そのまま放置しておくのではなく、それに対する手当をすべきです。

3.の20兆円くらいの、大型補正予算も当然のことながら、8%増税の失敗だけではなく、熊本の震災まで発生したことですから、実行すべきです。もっと大きな予算でも良いと思いますが、最低この規模の補正予算を組むべきです。

また、財源としてしては、この時は円安傾向でしたので為替特会をあげました。現在は円高傾向です。しかし、追加金融緩和をすれば、再び円安傾向になります。さらに、現在円高傾向なのに為替介入を行っていません、であればこれは無駄詰みです。一部を使うのなら何も問題はないはずです。

さらに、為替特会でなくても、最近は雇用情勢が良くなっているので、労働特会を当てても良いです。いずれにせよ、財務省そうみせかけたり、やマクロ経済音痴の政治家などが思っているように、日本の財政は逼迫していません。財源は潤沢です。

さて、1の追加緩和と3の大型補正予算すなわち、財政支出の両方を組み合わせた政策を同時に行えば、これはマクロ経済学では周知の事実である、ヘリコプターから現金をばらまくように政府や中央銀行から国民にお金を直接支給する「ヘリコプターマネー」と同様の効果があります。これにより、日本経済はかなりの勢いと、素早さで回復します。

ヘリコプター・マネーのイメージ
さて、8%増税と、最近では日銀が4月に緩和を見送ったのは明らかに失敗でしたた。この教訓を生かして次に上記で示したような、政策をとらないとアベノミクスは終わってしまいます。

私としては、伊勢志摩サミットあたりで、まずは日本がこれからも追加金融緩和を行うこと、10%増税の見送りは無論のこと積極財政に転じることを、公表し、それに先行き不安の他の国々が大賛同し、上記の政策をやりやすい状況にもっていくと思います。

選挙直前にこれを公約として、参院に挑み与党が勝利を収め、秋から上記のような政策を実行し、年末にかけて日本経済は徐々回復し、 年明けから年度末にかけて、回復の勢いを増すことになると思います。

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2016年5月5日木曜日

クリントン氏のメールサーバーに「繰り返し侵入した」…拘束のハッカー証言「簡単だった」―【私の論評】日本にとって色物、際物であるヒラリーは米国大統領には相応しくない(*_*)


ヒラリー・クリントン
クリントン前米国務長官が在任中に公務で私用メールを使った問題で、米国の拘置施設で拘束されているルーマニア人のハッカーの男(44)が2013年、クリントン氏が自宅で運用していたメールサーバーに繰り返し侵入したとFOXニュースに証言した。男はサーバーへの侵入は「簡単だった。誰にとってもそうだと思う」と話したという。FOXが4日伝えた。

 クリントン氏は大統領選の民主党候補指名争いで優位に立つが、証言が事実なら、公務で私用メールを使っていた姿勢が改めて批判されそうだ。クリントン陣営は報道について「(ハッカーの)主張を裏付ける証拠がない」としている。

 男はルーマニアの刑務所で服役中、クリントン氏の問題とは別のサイバー犯罪に関与した疑いで今春、米国に身柄を引き渡され、バージニア州の拘置施設に収容された。

【私の論評】日本にとって色物、際物であるヒラリーは米国大統領には相応しくない!

昨日もこのブログに掲載したように、クルーズ氏が大統領選から撤退したことにより、トランプ氏が共和党の指名確実な情勢になりました。

日本では、偏った報道により、トランプ氏が色物、際物であるかのような報道ばかりされているので、そのような見方をする人も多く、結局アメリカの大統領はヒラリーになるのではと考える人も多いようですし、そのほうが日本にとっても良いと考えている人も多いようです。

しかし、私は決してそうではないことをこのブログでも以前から主張していました。その記事のリンクを以下に掲載します。
米産業界、トランプ氏へ懸念の声 グーグルも対策議論?―【私の論評】日本にとって自腹で動くトランプが大統領になるより、中華マネーで動くヒラリーのほうがはるかに危険(゚д゚)!
大統領候補トランプ氏
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では中華マネーで動いていると見られる、ヒラリー・クリントン氏のほうが、日本にとつてはトランプ氏よりはるかに危険であるという私の主張を掲載しました。

以下クリントン夫妻の献金問題の部分のみ以下に引用します。
女性初の米大統領に挑戦する民主党のヒラリー・クリントン前国務長官が、献金問題で苦境に立たされている。関係財団が外国政府から多額の献金を受けていたことをめぐり、メディアや共和党が追及姿勢を強めているのだ。
この献金問題について、暴露したのが『クリントン・マネー』という書籍です。この書籍には献金の問題点が掲載されていますが、その中で我が国の国益ともかなり密接な関係があるチャイナ・マネーに関する部分のみ以下に引用します。
この書籍で、もう一つの重要な点は、「チャイナ・マネー」です。南シナ海に人工島を建設するなど、中国による周辺国への脅威は日を追って増すばかりです。日本にとっても、同盟国アメリカと連携して、いかに危険な行動を抑止していくべきかが問われています。アメリカ大統領選は、外交政策を担っていくのかという問題でもあります。



『クリントン・キャッシュ』を通じて浮き彫りになってくるのは、「ヒラリー大統領」は日本の安全にとってはマイナスであるという点です。外国からの献金をやすやすと受け取ってしまう一家に、アメリカの外交を任せられるのでしょうか。 
実際に、夫のビル・クリントン氏が大統領だった時代には、米民主党が中国からの多額の献金を受けて問題になったこともあります。この書籍から、「チャイナ・マネー」に弱い米大統領が誕生することの危うさを読み取っていただければ、幸いです。
クリントン財団が中国政府から献金を受けていたという問題もありますが、もともヒラリー・クリントンはアジアの中では、中国を重視しており、日本は重要視していません。それに関しても、このブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
【世界を斬る】ヒラリー氏は日本を重要と考えていない 外交で大失敗を重ねた張本人なのだが…―【私の論評】オバマの次がヒラリーだったとしたら、日本としては本気で戦後体制からの脱却を考えなければならなくなる(゚д゚)!
詳細、この記事をご覧いただくものとして、日高敏隆氏による元記事を以下に引用させていただきます。
2016年の米大統領選挙で、民主党の最有力候補と目されているヒラリー・クリントン前国務長官が『ハード・チョイス』(厳しい選択)を出版した。同書で、ヒラリー氏は生い立ちと政治信条を記しているが、はっきり伺えるのは、日本は米国にとってアジアで最も重要な戦略的友好国と考えてはいないことだ。 
ヒラリー氏はこれから2年間、大統領選を展開するにあたり、あらゆる機会に、この主張を繰り広げるだろう。オバマ政権は事実上、中国を友好国扱いし、中国との対立を極力、避けてきた。 
だが、2016年にヒラリー氏が大統領に当選すれば、米国の政策は大きく変わる。 
ヒラリー氏の考え方は、日本の基本的な国際戦略に大きく関わってくる。安倍晋三政権やその周辺の保守的な評論家や古手外交官らは、相も変わらず日本を最も重要な同盟国とする米国の対中国基本戦略は変わっていないと信じ込んでいる。このため、日米安全保障条約を主軸に、集団的自衛権に基づく防衛政策を進めようとしている。 
ところが、ヒラリー氏は著書で、「日本はもはや米国にとって昔ながらの味方ではない」と示唆している。イェール大学のポール・ケネディ教授が『大国の興亡』を書いて以来、米国の人々は日本に対して恐れと不安を持つようになり、「信頼できる友好国ではないと思うようになった」と述べている。
ヒラリー・クリントン氏の著書『ハード・チョイス』
もっとも、ヒラリー氏こそ、オバマ大統領とともに、この5年間の外交で、過去の政権と比べると、考えられないほどの大失敗を繰り返してきた張本人だ。 
ヒラリー氏は、そうした失敗について釈明を試みているが、結局、米国が国際的指導者としての力をなくしてしまったことを自白しているに過ぎない。そうした心情が日本に対する不信というかたちで、現れたとみるべきだろう。
いずれにしても、米国は日本との関係をもはや重要な戦略的基盤とは思わなくなっている。日本は、歴史的な視野に立って対応策を考えねばならない。
日本では、多くの人が、限られた報道の中で、トランプ氏が際物扱いされているということで、ヒラリー・クリントンがまともであるかのような認識を持っているようですが、そうとばかりはいえません。

ヒラリー氏は日本を重視せず、中国を重視していること、それ先に述べたように、クリントン財団は中国政府から献金を受けていたということもあり、日本からみればクリントン氏は、トランプ氏よりもはるかに際物という見方のほうが正しいです。

そうして、ブログ冒頭の記事にもあるように、クリントン前米国務長官が在任中に公務で私用メールを使ったという事実もあります。これは、本当に信じられないような初歩的ミスです。

アメリカの大統領をはじめとして、公人の重要人物の公用メールは厳重なセキュリティーを施されています。だから、公用メールを用いている限りでは、秘密が外部に漏れることは滅多にありません。しかし、私用メールであれば、秘密が駄々漏れであったことが懸念されます。

というより、なぜこのようなお粗末なことをしたのか、人格が疑われます。私用であれば、私用メールも結構ですが、公用に用いるということは、常識的に考えられません。

オバマ大統領は、ブラックベリーの愛用者で知られていますが、今はそうではありませんが、iPhoneが出始めた頃は、セキュリティーを理由にIPhoneの使用を禁止されていたため、ブラックベリーを使用していたことを認めているくらいです。

電話をかけるオバマ大統領
大統領をはじめとして、米国の要人には、当然このように公用には厳重なセキュリティーの施された、電話、スマートホンを使用することが義務付けられているのです。

そうして、この禁を破ったとされる人は、いまのところ報道されている限りではヒラリー・クリントン氏しかいません。このようなことを無頓着なことをする人が、とても米国大統領にふさわしいとは思えません。

一方の、トランプ氏は日本では、過激な発言ばかりが報道され、これがトランプ氏を色も、際物と認識させる結果になっているのですが、これは、トランプ氏の戦術であると思われます。

トランプはご存知のように、選挙資金は自腹です。しかし、ヒラリー・クリントンをはじめ、オバマもブッシュもまたその前の候補者もここしばらく、選挙戦の資金を自前で用意した人はいません。

アメリカの大統領というと、その実体は、アメリカのエスタブリッシュメント(支配層)の操り人形であるといわれてきました。その内実はどうなのか、直接伺い知ることはできません。


しかし、選挙には多額の資金を要するので、最も多額の資金を寄付した人の意見を蔑ろにすることはできないはずです。だから、そうした意味では、トランプ氏以外の候補者は、何らかの形でエスタブリッシュの操り人形だったということは、否定できないと思います。

トランプ氏はそうではないようです。しかし、トランプといえども、誰かと密接な関係があり、そこからかなり稼がせてもらっているなどとのこともあるかもしれません。当然、アメリカの多くの国民もそのような疑念を持ったことでしょう。

そのような疑念を晴らすためには、一見野放図ともみえる、数々の大胆な発言をする必要があったのだと思います。さすがに、トランプ流としか言いようがないあれだけの発言をすれば、トランプ氏の背後に彼を操る人など誰もいないということを、多くの米国民が認めざるをえないでしょう。

そうして、それが多くの人々に支持される理由なのです。米国民の多くは、現在の一握りの大金持ちを除いて、多くの人が米国は大金持ちにとって都合の良い社会になっていることに憤っています。そうして、それがアメリカンドリームを阻む大きな壁になっていると信じています。

今までのところ、トランプ氏のこの戦術は見事にあたっているようで、あれほど色物扱いされたにもかかわらず、結局実質上共和党の大統領候補になっています。

そうして、最後に、日本国内では、米大統領選で共和党候補の指名獲得を確実にした実業家トランプ氏(69)は4日、大統領に就任すれば、日米安全保障条約に基づき米軍が日本防衛のために支出している国防費の全額負担を日本に要求する考えを表明したことが大きく伝えられています。

しかし、これは実はヒラリー・クリントンも同じようなものです。ヒラリーは、日本を重視していません。また、「(日本を)信頼できる友好国ではないと思うようになった」とも発言しています。

トランプと、ヒラリーのいずれが大統領になったにしても、日本は従来通りアメリカは日本を必ず守ってくれると固く信ずることは不可能になったということです。これによって、日本の護憲派はますます追い詰められることになりました。

お花畑の住人の護憲派
そうして、どちらが日本とって米国の大統領に相応しいかといえば、トランプです。なぜなら、トランプ氏はまだ政府の要職についたことはないので、公務で私用メールを使ったというバカ真似はしていません。実業家のトランプは情報機密の重要性は、十二分に理解しているでしょうから大統領になっても当然のことながら、ヒラリーのようなバカ真似はしないでしょう。それに、中国に対しても、トランプは強硬な発言をするばかりですが、ヒラリーは親中派です。

トランプは、日本に「防衛費の全額負担」を求め、さもなければ「米軍撤退」するものの、「日本の核武装」を容認しています。

一方ヒラリーのほうは、日本に対しては「不信感」を抱き、親中派ですが、選挙運動中にはそれはおくびにも出していません。こちらのほうが、日本から見ればよほど色物であり際物です。

そもそも、ヒラリーは信用に足る人物ではないですし、トランプは一見暴言のようにも見えますが、日本が必ずしも米国に追随せずにまともな独立国になっても良いどころか、表現は違いますが、実質上そうせよと強く発言をしています。

これでは、当然のことながら、我が国にとってはトランプのほうが次期米大統領に相応しいといえます。これは、日本が真のまともな独立国になる千載一遇の機会であるとみなすべきです。

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