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2018年4月2日月曜日

テレビ局がそれでも「森友改ざん問題」を報じるときに疑うべきこと―【私の論評】テレビ局の執拗な安倍攻撃は、「放送制度改革」への反発である(゚д゚)!

テレビ局がそれでも「森友改ざん問題」を報じるときに疑うべきこと
あとは検察に任せるべきはずなのに
髙橋 洋一 経済学者 嘉悦大学教授 プロフィール

支持率は下げ止まったのか

先週火曜日に開かれた佐川氏の国会証人喚問がどのように世論に影響したのか。注目の世論調査がでてきた。

共同通信社が3月31日、4月1日の両日に実施した世論調査によると、内閣支持率は42.4%(前回比3.7ポイント増)、不支持は47.5%(前回比0.7ポイント減)だった(なお、前回調査は3月17、18日だ)。また、佐川氏の証言に対して、納得できないとする回答は72.6%だった。

証人喚問に応える佐川氏 写真はブログ管理人挿入 以下同じ


また、読売新聞社も同時期に世論調査を実施しており、内閣支持率は42%(前回比6ポイント減)、不支持率50%(前回比8%ポイント増)だった。やはり、佐川氏の証言に納得できないという人は75%である(なお、読売新聞の前回調査は3月9~11日だ)。

共同通信社と読売新聞社の調査は前回調査時点が異なっているので、前回比の動きがちょっと違う。佐川氏の辞任が3月9日。その後、急速に内閣支持率が下がっていったので、共同通信社の前回調査の方が内閣支持率が下がっていて当たり前である。

ということは、内閣支持率は下げ止まった可能性がある。もっとも、世論調査は各種のものを総合的に判断する必要があるので、断定はできないが。

一方で、佐川氏の証言に対して、納得できないという人はかなりの数に上っている。これは、刑事事件の捜査対象になっていることから、多くの場面で答弁を拒否したことが原因であろう。

もっとも、この点はあらかじめ予想されていたことである。議院証言法では、「証人は、自己……が刑事訴追を受け、又は有罪判決を受けるおそれのあるときは、宣誓、証言又は書類の提出を拒むことができる。」(第4条第1項)と定められているので、これを否定したら人権問題になる。もちろん、この点については、証人に告げられている(議員証言法第1条の5)。

一部の野党は「佐川氏は50回以上も証言拒否をした」というが、逆に言えば、その分だけ拒否されるのがわかっていた質問をしたわけで、まったく野党の議員には芸がないといわざるを得ない(議院証言法を理解していれば、こうして証言拒否をされることは分かっていたはずだ)。

さて、決裁文書改さんについては、佐川氏は「理財局内でやったこと」だとし、財務省の他局のみならず、官邸の首相、官房長官、補佐官、秘書官らの指示、協議などが一切なかったと証言した。これは、偽証罪に問われるかもしれない国会の証人喚問の場で出た新しい発言だ。

もし野党が理財局以外も関係しているというならば、「疑惑が深まった」と叫ぶだけでなく、佐川氏を偽証罪で告発すべきだ、となる。

ちょっと刺激的な言い方になるが、ハッキリ言えば元官僚の佐川氏であれば、国会での四時間程度の「尋問」を凌ぐことは楽である。国会議員の質問力がたいしたことないからだ。しかし、捜査当局が証拠を示しながら、1日8時間くらいの尋問を1週間くらいやられたら、さすがの佐川氏も音を上げるかもしれない。

が、もはや国会での「政治ショー」は必要ない。改ざん事件の真相解明は捜査当局に委ねた方がいいだろう。捜査当局も、国会証人喚問後に、佐川氏に事情聴取しているという。これから、財務省文書改ざん問題は刑事事件として捜査当局へ移っていくだろう。

「約8割が起訴」の衝撃

ところで、過去の国会証人喚問をみると、かなりの人が刑事訴追されている。過去30年間で、佐川氏を除くと延べ56回、45人の証人喚問が行われた。


この45人のうち、時期の前後を含めると起訴されているのは23人で5割以上である。1990年代前半の「証券損失補填問題」や「佐川急便問題」ではほとんど起訴されていないので、過去20年間でみると、述べ18回、14人の証人喚問が行われ、約8割の11人が起訴されている。

内容は、追及されている問題そのものであったり、国会での証言が偽証であった、などあるが、約8割とはかなりの確率である。捜査当局も、なんだかんだで世論の動きを見ているので、証人喚問までされた人物になにもしないままでいるわけにはいかないということで、こうした高い起訴率になるのだろう。

佐川氏の場合、悪質な改ざんではなく、文章の一部削除なので、刑事罰の適用は難しいという人もいるが、これまでの高い起訴率や「納得できない」という世論があることを考えると、事情聴取後、起訴される確率が結構あるように思える。

起訴された場合、文書改ざんを理財局内でやったことなのかどうかもわかるだろう。森友学園の案件そのものは、現場の近畿財務局がやったことなので、当初は理財局だけで処理していたのは間違いないだろうが、はたして理財局内だけで対応していたのかどうか。

さて、今後の「テレビ報道」はどうなるか

関係者からの事情聴取や、佐川氏の携帯電話等の通話記録などを捜査当局は調べることになるはずだ。そうした捜査情報は、今後たびたびリークされるだろう。そのたびに、財務省文書改ざん問題は盛り上がるかもしれない。しかし、傾向的には、徐々にトーンダウンしていくだろう。

というのは、どうやら先週火曜日の佐川氏の証人喚問、午前中の視聴率は高かったが、午後に入ると低下したと聞くからだ。テレビはなんとも現金なもので、視聴率が取れない問題については積極的には報じなくなる。

国会の証人喚問自体が盛り上がらず、佐川氏のキャラクターも(籠池夫妻とは異なり)地味なので、視聴率が取れないとテレビ関係者はいう。このため、ワイドショーも急速に佐川氏を取り上げなくなった。そうしたことが、内閣支持率の低下に歯止めをかけているのかもしれない。

テレビの取り上げ方ひとつで、一時的な内閣支持率が上下するとはなんとも情けない話だが、それも十分にあり得る話だ。これは、昨年から見られる傾向で、いくら筆者などが「真相はこれだ」といっても意味はなく、テレビがその問題をどれだけ報じるかで支持率が変わってしまうのは経験済みである。

テレビで一時的にネガティブに取り上げられても、そのうちネタ切れとなり、視聴者が飽きてしまい、視聴率が落ちてくる。そうなると、番組はますますその問題を取り上げなくなり、結局、下がっていた内閣支持率が下げどまる、というのは、これまで何度も見られたパターンだ。

今回はどうなるか。テレビもさすがに「この問題はしっかり報じよう」と、かなり踏ん張るかもしれない。というのも、いま、安倍政権側からメディアに対してカウンターパンチが出ているからだ。

そのカウンターパンチとは、「放送制度改革」のことである。その一部は、昨年12月11日付けの本コラム(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/53787)で書いた電波オークションである。加えて、政府は「政治的公平」などを定めた放送法4条の撤廃方針や、ソフトとハードの分離などを打ち出したと報じられている

この話は、実は10年ほど前に検討されたことがある。筆者は官僚時代の2006年当時、総務大臣の補佐官を務めたことがある。そのとき筆者はもっぱら郵政民営化と地方財政を担当していたので、放送行政は担当外だったが、通信と放送の融合に合わせた放送制度改革が議論されていた。

放送法で規制されていることが、今後は通信技術の発展によって有名無実化するので、放送制度改革を急がなければならないというのは「常識的」なものであったが、実際には、放送の既得権益者(テレビ局など)が抵抗し、改革は全く進まなかった。

ブラックジョークか…?

総務省在籍当時、筆者の仕事部屋は大臣室の隣にある秘書官室だった。筆者とは面識のない多数の人が秘書官室に訪れ、名刺を配っていく。筆者も秘書官室の一員であったので、彼らの名刺をいただいた。それをみると、ほとんどがメディア関係の人たちだ。

その中には、「波取り記者」と呼ばれる人も含まれていた。「波取り記者」の「波」とは電波のことで、いわゆる「電波利権」を確保するために電波行政のロビイングをする人たちのことをこう呼んでいた(こうした人はテレビ業界だけでなく新聞業界にもいた)。

彼らの政治パワーは強力で、その結果として改革が全く進まなかった。これによって、日本の電波・放送行政が先進国で最も遅れることとなった。本来であれば、10年以上前にやっておくべきであったのだが、それが出来ずに、時間を無駄にしてしまった(で、結局今になって再度の提案となったわけだ)。

技術の進展は目覚ましく、インターネットを使っての「放送」は安価に誰でもできるようになった。筆者も私塾をやっているが、かつては講義内容をテキストにして配信していたが、今ではビデオ配信だ。その方がコストも安く、速報性にも優れている。いうなれば、いまや電波の希少性を超えて、誰でも「放送」ができるようになったわけだ(念のためだが、この「放送」は、放送法の範囲外である)。

これまでは、電波は希少性があるものなので、与えられる対象は少なくならざるを得ず、少数の既得権者は、公共のために放送法を遵守しなければならないという理屈だった。だが、電波の希少性という物理的な制約がなくなれば、放送法の規制は最小必要限度でよいことになり、様々な主体の参入を認めて、その競争に委ねるという政策が可能になる。ようやく放送制度改革の機が熟したと言えるだろう。

これはもはや世界の常識なのだが、放送業界は抵抗するだろう。例えば、放送法4条の撤廃については、早速「番組の質の低下をまねいたり、政治的に偏った番組が放送される懸念がある」という、反論が出ている。

番組の質の低下を心配するということは、いまの番組は質が高い、ということを前提としている。これについては、部外者から失笑が出ている。また、いま現在でも、政治的にやや偏っていると思われる番組が多いことを一般の視聴者は感じているので、放送業界の反論はブラックジョークに見えてしまう。

番組の質や政治的に偏向しているかどうかは、放送業界が上から目線で決めつけるのではなく、視聴者の判断に委ねるべき、というのが成熟した民主主義国のあり方ではないだろうか。もちろん、その前提として国際標準の規制の下で十分な競争があることが必要である。

いずれにせよ、視聴率が下がっているのに、なおこの改ざん問題が報じられるときは、「メディアの使命」を掲げてそれを続けているのか、あるいは「放送制度改革」への抵抗なのか、をよく見極める必要があるだろう。

【私の論評】テレビ局の執拗な安倍攻撃は、「放送制度改革」への反発である(゚д゚)!

佐川氏の証人喚問は、私の予想通りの結果になりました。結局、佐川氏は、核心的な部分に関しては、「私自身、刑事訴追のおそれがありますので、そこの答弁は控えさせて頂きたいと思います」として答えませんでした。

しかし、これは篭池氏の答弁でも核心部分化に迫ると同じような答えをしていたことから、十分に予想がついたことです。

こういうときに、効果的なのは、やはり現在まで公開されている資料をよく読み込み、さらには独自に調査をした上で、新たな事実ゃ、矛盾点を指摘するような方法をとれば、まだまともな証人喚問になったかもしれません。

テレビのワイドショーを主な情報源とする、ワイドショー民はシンプルな話を好みます。これは、政治の世界でも、小泉元首相が用いた「ワンフレーズ・ポリティクス」といわれる、『自民党を変えます』『日本を変えます』『構造改革なくして景気回復なし』という、すべて15秒以内のスローガンの羅列で政治を語るという手法がもてはやされるようになりました。

小泉元総理の「ワンフレーズ・ポリティクス」は日本の政局を動かした

広告業界では従来から15秒のコマーシャルの中で『ワン・コマーシャルでワン・メッセージでないと伝わらない』といわれており、これを聞いて小泉さんは、多言を弄するのではなく、ワン・メッセージで端的にいう大切さを悟ったと言われています。

いくらテレビで、安倍首相や昭恵夫人の「疑惑」を演出してみたところで、佐川氏などの証言から、シンプルに、誰にでもわかりやすく「疑念」が本当であることを「ワンフレーズで」立証してみせなけば、ワイドショー民はすぐに飽きてしまいます。

しかし、このようなことは、過去に何度もあり、その度に安倍首相や自民党の支持率が落ちたのですが、結局元通りになるといことを何度も繰り返してきました。

さらに、ワイドショー民には誰にでもわかる、悪役が必要です。時代劇でいえば、「越後屋と悪代官」のような存在が必要です。

ワイドショー民にはシンプルさと悪役が必要

野党やマスコミは、安倍首相や昭恵夫人を悪役に仕立てようとしたのですが、結局過去1年間いわゆる「疑惑」を追求し続けてきたのですが、結局何もでてきませんでした。

そうして、佐川氏の証人喚問でもシンプルで誰にでも簡単に納得できるような内容の証言はありませんでしたし、佐川氏や財務省を悪役に仕立てることもできませんでした。

これでは、さすがのワイドショー民も飽きてしまいます。今後、森友問題を政局に利用しようとしても無理があります。今後も森友問題の追求を続けることは、さらに野党を弱体化するだけになるでしょう。

後は検察の仕事であることはいうまでもありません。そもそも、野党には検察のような真似はできないことがはっきりしています。今後、森友問題にかかわりつづければ、野党はますます弱体化するだけです。

それこそ、ブログ冒頭の記事にもあるように「テレビで一時的にネガティブに取り上げられても、そのうちネタ切れとなり、視聴者が飽きてしまい、視聴率が落ちてくる。そうなると、番組はますますその問題を取り上げなくなり、結局、下がっていた内閣支持率が下げどまる、というのは、これまで何度も見られたパターン」を繰り返すだけで、野党の悪あがきは徒労におわるだけです。過去にこれを何度も繰り返してきて、未だに気づいていないようなので、情けないといえば情けないです。

政府が「放送制度改革」を検討しているのは、テレビ局が既得権化してしまっているからです。なぜ既得権益かしているかといえば、地上波放送事業への新規参入が実質的に不可能になっているからです。

総務省の認可を受けた場合にしかテレビ放送事業はできません。「放送法」によって免許制度になっているわけですが、このことがテレビ局を既得権まみれにしている最大の原因です。

はっきり言おう。「電波オークション」をやらないことが、テレビの問題なのです。電波オークションとは、電波の周波数帯の利用権を競争入札にかけることです。

日本では電波オークションが行われないために、電波の権利のほとんどを、既存のメディアが取ってしまっています。たとえば、地上波のテレビ局が、CS放送でもBS放送でも3つも4つチャンネルを持ってしまっているのもそのためです。

電波オークションをしないために利権がそのままになり、テレビ局はその恩典に与っています。テレビ局は「電波利用料を取られている」と主張するのですが、その額は数十億円程度といったところです。もしオークションにかければ、現在のテレビ局が支払うべき電波利用料は2000億円から3000億円は下らないでしょう。現在のテレビ局は、100分の1、数十分の1の費用で特権を手にしているのです。

つまり、テレビ局からすると、絶対に電波オークションは避けたいわけです。そのために、放送法・放送政策を管轄する総務省に働きかけることになります。

その総務省も、実際は電波オークションを実施したら、その分収入があるのは分かっているはずです。それをしないのは、テレビ局は新規参入を防いで既得権を守るため、総務省は「ある目的」のために、互いに協力関係を結んでいるからです。

そこで出てくるのが「放送法」だ。昨今、政治によるメディアへの介入を問題視するニュースがよく流れてくるようになったので、ご存じの方も多いと思います。話題の中心になるのが、放送法の4条。放送法4条とは以下の様な条文です。

放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。

 一  公安及び善良な風俗を害しないこと。
 二  政治的に公平であること。
 三  報道は事実をまげないですること。
 四  意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。

これを根拠に、政府側は「放送法を守り、政治的に公平な報道を心がけよ」と言い、さらに電波法76条に基づく「停波」もあり得るというわけです。

一方で左巻きの人々は、放送法4条は「倫理規範だ」とする。つまり、単なる道徳上の努力義務しかない、と反論をしています。

しかしこれは、なんともつまらない議論です。

そもそも、世界ではそんな議論をしている国はないです。「放送法を守れ」「これは倫理規範だ」なんてつまらない議論をするのではなく、「市場原理に任せ、自由競争をすればいい」だけの話です。

電波オークションによって放送局が自由に参入して競争が起これば、質の高い報道や番組が生まれるはずです。おかしなことを言っていたら人気がなくなるし、人気があれば視聴者を獲得しスポンサーも付きます。そうやって放送局が淘汰されれば、放送法など必要ないはずです。

繰り返すしますが、電波オークションをやると一番困るのは既存の放送局です。だから、必死になって電波オークションが行われないように世論を誘導しているのです。

総務省はその事情を知っているから、「放送法」をチラつかせます。「テレビの利権を守ってやっているのだから、放送法を守れよ」というわけです。それはテレビ局も重々承知。言ってしまえば、マスコミは役所と持ちつ持たれつの関係になっているのです。

しかし、政府のほうとしては、このようや持ちつ持たれつの関係はやめて、「放送制度改革」をして、電波オークションを実施しようとしているわけです。そうなると、放送局としては死活問題です。

だからこそ、ブログ冒頭の記事で、高橋洋一氏は「いずれにせよ、視聴率が下がっているのに、なおこの改ざん問題が報じられるときは、「メディアの使命」を掲げてそれを続けているのか、あるいは「放送制度改革」への抵抗なのか、をよく見極める必要があるだろう」としているのです。

私自身は、そもそもテレビ局によるいわゆる「安倍攻撃」そのもの自体が、やはり「放送制度改革」への抵抗であると思います。だから、この抵抗を排除していただくため、そうして既得権で守られた放送局に活を入れて、もっとまともな番組を作らせるためにも何としても実行してもらいたいです。

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2017年7月12日水曜日

【閉会中審査】朝日と毎日は「ゆがめられた行政が正された」の加戸守行前愛媛県知事発言取り上げず―【私の論評】前川喜平も鼻白む巨大既得権者である新聞・テレビ局(゚д゚)!




衆参両院で10日に開かれた学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設計画をめぐる閉会中審査から一夜明けた11日の朝刊各紙は、官邸の不当な関与を主張する前川喜平・前文部科学事務次官の発言を大きく取り上げた。一方、国家戦略特区として獣医学部設置が認められたことに関し「ゆがめられた行政が正された」などと文部科学省の過去の対応を批判した加戸守行前愛媛県知事の発言については記事で取り上げないところもあり、報道の“印象操作”が浮き彫りとなった。(今仲信博)

朝日新聞は1面トップの記事に「加計ありき 疑念消えず」の見出しで、前川氏の発言を多めに盛り込んだ。「(政府の)説明責任はなお果たされていない」と強調した記事の隣には「『首相信用できない』61%」とする同社の世論調査結果を添えた。

2面では「『丁寧な説明』なき審議」との見出しで、安倍晋三首相らがいなかったことを指摘し、3面では「加計巡り説明不足」と政府側の説明は足りないと断じた。一方、加戸氏の発言は記事では報じず、審査の詳報では加戸氏の発言を引き出した自民党の青山繁晴参院議員の質問を掲載しなかった。

毎日新聞も「加計 論戦平行線」と1面トップで大きく報じる中、加戸氏の発言はなく、これでは地元の獣医学部誘致を文科省などが阻止してきたことが読者には分からない。東京新聞は社会面で加戸氏の発言を取り上げたが、同氏の発言の肝である「ゆがめられた行政が正された」の部分を記載しなかった。

一方、産経新聞と読売新聞、日経新聞は「行政がゆがめられた」と主張する前川氏に対し、加戸氏が「岩盤規制にドリルで穴を開けていただいた。『ゆがめられた行政が正された』が正しい発言ではないか」との発言を記事で取り上げた。

加戸氏は閉会中審査で「今までたくさんの取材があったが、申し上げたいことを取り上げてくれたメディアは極めて少なかった」と訴えていた。

【私の論評】前川喜平も鼻白む巨大既得権者である新聞・テレビ局(゚д゚)!

「青山繁晴」氏の参考人質問と、それに対する元文科省官僚で前愛媛県知事の「加戸守行」の参考人発言の動画全編を以下に掲載します。

ソース:参議院文教科学委員会、内閣委員会連合審査会(2017年7月10日)
青山繁晴(自由民主党こころ)、前川喜平(参考人 前文部科学事務次官)、加戸守行(前愛媛県知事)


加戸氏は旧文部省OBで、愛媛県知事を1999年から2010年まで3期12年務めた。今治市への獣医学部誘致をスタートさせた「当事者」で、今回の閉会中審査では与党側の求めに応じて参院での審議に参考人として出席しました。

青山繁晴氏
自民党の青山繁晴議員の質問で答弁に立った加戸氏はまず、
「10年前に愛媛県知事として今治市に獣医学部の誘致を申請した当時のことを思い出して、はなもひっかけて貰えなかった問題が、こんなに多くの関心を持って頂いていること、不思議な感じがいたします」
と皮肉の効いた一言。続けて、鳥インフルエンザやBSE(牛海綿状脳症)といった感染症対策の充実を大きな目的に獣医学部の誘致に取り組んだが、文科省への申請は一向に通らなかったとして、
「(前川氏の)『行政がゆがめられた』という発言は、私に言わせますと、少なくとも獣医学部の問題で強烈な岩盤規制のために10年間、我慢させられてきた岩盤にドリルで国家戦略特区が穴を開けて頂いたということで、『ゆがめられた行政が正された』というのが正しい発言ではないのかなと思います」と述べた。
加戸守行氏
さらに加戸氏は、四国では「獣医師が確保できない」現状もあったとして、国や専門団体が獣医学部誘致に反対することは「あまりにも酷い」と感じていたと説明。その上で、
「私の知事の任期の終わりの方に、民主党(当時)政権が誕生して『自民党じゃできない、自分たちがやる』と頑張ってくれた。(中略)ところが、自民党政権に返り咲いても何も動いていない。何もしないで、ただ今治だけにブレーキをかける。それが、既得権益の擁護団体なのかと、悔しい思いを抱えてきた」
と声を震わせて訴えました。

このように獣医学部新設をめぐる経過を説明した上で、加戸氏は、自身が訴えてきた獣医師の養成が進まない中で、現在「今治は駄目、今治は駄目、加計ありき」と言われることについて「何でかなと思ってしまう」との不満を漏らした。そして、
「私は、加計ありきではありません。たまたま、今治選出の議員と加計学園の事務局長がお友達だったからこの話が繋がってきて、飛びついた。これもダメなんでしょうか。お友達であれば、全てがダメなのか」
と主張。続く質問の答弁では、「本質の議論がされないまま、こんな形で獣医学部がおもちゃになっていることを甚だ残念に思う」とも述べました。

さらに加戸氏は、加計学園問題をめぐるメディア報道にも不満を漏らしました。これまでに受けた取材について、「都合のいいことはカットされて、私の申し上げたいことを取り上げて頂いたメディアは極めて少なかったことは残念」だと指摘。

その上で、国家戦略特区諮問会議の民間議員が6月13日に開いた記者会見で、加計学園の獣医学部新設のプロセスについて「正当」と結論付けたことを、加戸氏はYouTubeの動画で見たとして、
「これが国民に知ってもらうべき重要なことなんだなと思いました。(中略)あのYouTubeが全てを語り尽くしているのではないかな、と思います」
とも話していました。
加戸氏の発言がメディアの報道で取り上げられるケースが少ないという指摘は、ブログ冒頭の新聞記事の以前から、ネット上で多くの人が指摘していました。実際、自民党の三原じゅん子参院議員は7月11日14時過ぎに更新したツイッターで、
「昨日の閉会中審査の模様が報じられていますが、どの番組も平井卓也議員と青山繁晴議員の質疑はスルー。加戸元愛媛県知事も大事な事話してるのに、、、」
との不満を漏らしていました。

三原じゅん子氏
また、閉会中審査が行われた10日夜に放送された情報番組「ユアタイム」(フジテレビ系)で、番組MCを務めるタレントの市川紗椰さん(30)は、加戸氏の答弁について、
「私が印象的だったのは、加戸前愛媛県知事です。なんか、それがすべてだったのかなって気もした。経緯を丁寧に説明していて、辻褄が合うんですよね、議事録とかを見ると。なんか、いいのかなって、納得しちゃいました」
と好意的に捉えていました。

また、同番組では、国際ジャーナリストのモーリー・ロバートソン氏が、加計学園をめぐる問題を報じるメディアへの「苦言」を漏らす場面もありました。

モーリー氏は「(加計学園問題は)そもそも様々な観点があるし、メディアは、それを能動的に一番初めに取材できたと思う」とした上で、
「ただどうしても、野党による内閣への追及ということで、ショーアップに加担して尻馬に乗ってしまったように思います。だから下手をすると、今回信頼を失うのは自民党というよりも、メディアが敗者になる可能性があります」
と指摘。続けて、「(メディアは)本来の機能を果たしてこなかったんじゃないか、エンターテインメントと報道を混同してまったのではないか。そう自戒を込めて思います」とも話しました。

こうした発言を受け、市川さんは「この問題について話す人は、目の前にある材料というよりも、安倍総理が好きか嫌いかだけでポジションを取っているような...」との感想を漏らしていました。

情報番組「ユアタイム」(フジテレビ系)で、番組MCを務める
タレントの市川紗椰さん(左)、モーリー・ロバートソン氏(右)
昨日も加計学園に関する記事を掲載しましたが、その記事の結論は以下のようなものです。
私のように、当初から議事録などの情報にあたった側からすると、現在のいわゆる加計問題の野党による追求や、マスコミの報道は、非常に腹立たしいです。ただし、最初はそうだったのですが、最近では腹立たしさなど通り過ぎて、虚脱感すら感じます。

そうでない人にとっても、マスコミの報道や野党の追求をみていても、元々何も問題のないものに関して、問題ありとしているわけですから、かなり無理があり、最初のうちは注目を浴びても、その後はかなりの消化不良気味な状況にあると思います。

野党やマスコミ、こんなことを続けていると、多くの人から完璧に飽きられてしまうか、フェイクであることを見破られ、怒りを買い、視聴率や支持率などをかなり下げてしまうことになるでしょう。
まさに、モーリー・ロバートソン氏の「下手をすると、今回信頼を失うのは自民党というよりも、メディアが敗者になる可能性があります 」ということばとこの結論は同じ方向性を指していると思います。

マスコミは、市川紗椰さんや、モーリー・ロバートソン氏のようなスタンスの人は生き残るでしょうが、そうでない人は敗残者になる可能性が濃厚です。

現在の日本で獣医学部を新設することは重要な成長戦略であるですから、どこかの大学が特区の仕組みを活用して、新設の突破口をつくる必要がありました。加計学園は、福田内閣以来、何度もはねつけられながらも規制改革提案を続けました。

開きかけた岩盤規制の穴がまた閉じられそうになった時点で、加計学園は正当な手続きを踏んで設立申請を行いました。永年続けてきた、既得権による参入規制との闘いを続行したのは、正しい選択だったと私は思います。

過去にも、国交省と総務省に規制緩和を要求して勝ち取ってきたヤマト運輸や、厚労省に対して医薬品のネット販売解禁を勝ち取ったケンコーコムといった会社があります。

このような勇敢な会社は、彼らの成果にタダ乗りした企業に比べて、社会的に大きな賞賛を受けるにふさわしいと思います。加計学園は、官僚の岩盤規制と闘ったヤマト運輸やケンコーコムと同じ社会的役割を果たしました。

岩盤規制に立ち向かっていく事業者と自治体には、大変なエネルギーと時間と行政資源が必要です。メディアがそのような努力を応援せずに、今回の加計学園が突破口をつくる努力を潰す方向に加担してしまえば、どの事業者も自治体も規制改革など要望しなくなります。そうなれば、一番不利益を被るのは国民です。

ヤマト運輸のない生活、ケンコーコムのない生活、獣医学部のない生活など一端、それが設立されて、その便利さ、有り難さを知ってしまえば、誰も元にもどることなどできないはずです。これに反対するような報道をするということ、政治に働きかけることによって利権を得続けてきた前川喜平をはじめとする、既得権者たちが、最も望むことです。

現在のマスコミの本質は、既得権益者を守ることです。それは、今回の加計問題でも顕になりました。

そもそも、新聞はメディアは日刊新聞紙法で守られています。はすごく短い法律で、正式には「日刊新聞紙の発行を目的とする株式会社の株式の譲渡の制限等に関する法律」といいます。名前に書いてあることがこの法律のすべてで、「株式は譲渡されない」ということしか書いていません。これは、新聞の既得権の最大のものと言って良いです。



2015年の11月に、日経新聞が米フィナンシャル・タイムズを買収したことは記憶に新しい。日経新聞が、米フィナンシャル・タイムズの親会社だった英ピアソンから株式を買収して自らのグループに組み込んだのだが、これはごく普通の企業買収と言える。しかし、日経新聞のほうは株式が譲渡できないから、決して買収されない仕組みになっています。

普通の会社で普通に働いている人たちには馴染みがないでしょうが、新聞社に務める人間ならみんな知っている法律です。

しかし、新聞社の人間でこのことを堂々と記事で書く人間はいません。新聞は企業の不祥事があった時に「コーポレートガバナンスができていない」「社内制度が悪い」などと書き連ねまずが、一番ガバナンスができていないはその新聞社です。記者も、それが分かっているから日刊新聞紙法について恥ずかしくて書けないのでしょう。

この法律が、新聞社を堕落させていることに、記者も早く気がつくべきです。自分だけ安泰な身分では、他者に厳しいことがいえるはずないです。自分には甘く他者に厳しいのはありえないです。言論で勝負する人は、やせ我慢が必要なのです。だからこそ、今回の加計問題でも、前川のような明らかな既得験者に対して厳しいことがいえないのです。

それは、テレビも同じことです。テレビ局が既得権化している理由は、地上波放送事業への新規参入が実質的に不可能になっていることにあります。

総務省の認可を受けた場合にしかテレビ放送事業はできません。「放送法」によって免許制度になっているわけなのですが、このことがテレビ局を既得権まみれにしている最大の原因です。

放送法に関しては、たびたび問題になるが、結局何も変わっていない
はっきり言いましょう。「電波オークション」をやらないことが、テレビの問題なのです。電波オークションとは、電波の周波数帯の利用権を競争入札にかけることです。

日本では電波オークションが行われないために、電波の権利のほとんどを、既存のメディアが取ってしまっています。たとえば、地上波のテレビ局が、CS放送でもBS放送でも3つも4つチャンネルを持ってしまっているのもそのためです。

電波オークションをしないために利権がそのままになり、テレビ局はその恩典に与っています。テレビ局は「電波利用料を取られている」と主張するのですが、その額は数十億円程度といったところです。もしオークションにかければ、現在のテレビ局が支払うべき電波利用料は2000億円から3000億円は下らないでしょう。現在のテレビ局は、100分の1、数十分の1の費用で特権を手にしているのです。

この有様では、既存のテレビ局や新規参入者と互いに競い合って、より良い報道をしようなどという気持ちが失せるのも当然のことです。このようなことでは、新聞業界にもテレビ業界にも、ヤマト運輸やケンコーコムのような既成概念を打ち破るような企業などでてくるわけがありません。

これを知れば、新聞社やテレビ局など既得権者の代表ともいえる前川喜平も鼻白む既得権者であり、当然のことながら、まともな報道などできないという私の主張もご理解いただけるものと思います。

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2016年5月8日日曜日

熊本地震で露呈したテレビ局「失態の数々」救出劇の撮影、割り込み、ホテル占拠で大迷惑―【私の論評】震災時などの緊急時における行動にこそ、人間や組織の本性が現れる(・・;)



崩れそうな家の前で「待機」
何を喜んでいるのか!ハシャギすぎだよ、テレビ局
 「眠れますか?」じゃないよ
「夜寝られないから、昼間にウトウトしているところに、詳しい説明もなくカメラを向けられる。お年寄りは文句を言いませんが、若者は、テレビ局の人たちの不躾な態度に憤っていますよ。
どこの局か知らないけれど、十分に説明せずにお父さんと娘さんを並ばせて、インタビューした局があったんです。中継が終わった後、娘さんが『勝手に撮られた』って怒っていました。化粧もしていない顔で全国放送に映っちゃう、って」
こう話すのは、熊本市内で被災した60代の男性である。
他ならぬ熊本の被災者から、テレビ局クルーの非常識な行為を「告発」する声が上がっている。県内の避難所に身を寄せる50代女性も言う。
「避難所にヘルメットを被った人がいきなり入ってきて、深刻そうな顔で『どうですか、眠れますか』って聞いてくる。あんたらが来るから寝られないんだ、と言いたい。
夜の照明がまぶしい、と訴える人も多いです。中継で使うライトって、ものすごく強力なんですね。しかも、リハーサルの時も点けっぱなしだから、みんな早く終わらないかなって思ってますよ」
大きな災害が、マスコミにとってある意味で「チャンス」であることは否めない。しかし、今回の熊本大地震で現地入りしたテレビ局クルーのハシャギぶりは、少し度が過ぎている。
NHKの朝の人気情報番組『あさイチ』では、18日、有働由美子アナウンサーがこんなFAXを取り上げた。「熊本市内に住む友人から聞いた」という、視聴者の話だ。
「余震で崩れそうなお宅の前で、テレビ局がずっと待機しているのだそうです。すごく失礼なことではないでしょうか」
この視聴者が直に見聞きしたわけではなさそうだが、事実なら、「家が崩れる瞬間を撮るために張り込んでいた」ということだ。明らかに行き過ぎであり、これはもはや「取材」とは言えない。
「いい画」を撮るためなら何でもやる—そんなテレビクルーの姿勢は、番組からもにじんでいた。
巷で「やり過ぎ」という意見が特に多かったのが、17日にフジテレビ系『みんなのニュース』で放送された、消防隊に取材班が密着した映像だ。
暗闇の中に浮かび上がる、倒壊した家屋。画面右上には「奇跡の救出劇」という見出しが躍る。
「高齢の女性のようです。今、家屋の外へと出されました……」「おばあちゃん、無事なようです! 今救出されました! 大丈夫ですか!」
消防隊に救い出され、横たわる白髪の女性が大写しになる。夫とみられる男性に、リポーターは笑顔でマイクを向けた。
一見すれば美しい光景かもしれない。しかし、ネット上ではこんな意見が寄せられた。
〈救出された瞬間インタビューしたりそこまでする必要あったんかな〉
〈二次災害とかもあるかもしれないのに。足手まといにもなるかもしれないのに〉
この映像自体は、確かに「スクープ」だろう。だが、極限状態におかれた被災者にカメラとマイクを向けてまで、報じる必要があるのか。危険な状況下、しかも夜間。消防隊員たちに与えた負担も小さくなかったはずだ。
 ホテルも占拠していた
さらにネット上では、現地入りしたテレビクルーの無神経な行為が、「大炎上」を招いた。
「関西テレビの中継車が、熊本県内のガソリンスタンドで列に割り込んだ」
「毎日放送のアナウンサーが、豪勢な弁当を被災地で調達した」
といった情報が瞬く間に広がり、猛烈な批判を浴びたのだ。関西テレビと毎日放送は、これらを事実と認め、謝罪した。
動画はブログ管理人挿入 以下同じ
前出と別の、被災者の男性が言う。
「ガソリンスタンドは、どこに行っても長い行列で、30分で給油できればラッキー。だいたい1時間はかかります。コンビニやスーパーも、まだ商品がスカスカのところもある。割り込みや買い占めがあるとすれば、許しがたいことです。
ホテルもマスコミ関係者で一杯になっている、と聞きました。『避難所にいたくない』という親戚が部屋を取ろうとしたら、熊本市内や周辺のホテルはほとんど押さえられてしまっていたと。休息の場所を最も必要としているのは、地元の人じゃないんですか」
テレビ報道の現場は、誰に向かって何を伝えるべきか、また自分たちが視聴者や取材相手にどう思われているのか、見失っている。そう懸念するのは、ある民放キー局元幹部である。
「ヘルメットを被ったリポーターが、余震が起きると『危険です! 身の安全を確保してください!』と怒鳴っていたけど、視聴者からすれば『誰に向かって言ってるの?』と思ったでしょう。現地の被災者は、テレビなんて見られないんですから。
また、仕方なく車の中で寝ている人に向かって、東京のスタジオにいるキャスターが『車の中にずっといるとエコノミークラス症候群になるから、出てください!』と叫ぶ番組もあった。何様のつもりで作っているのか」
テレビ報道の存在意義とは—今回、被災地でテレビ関係者が見せた振る舞いは、そんな疑問を国民に抱かせた。
彼らが信頼を取り戻す術はあるのか。同志社女子大学教授で、元毎日放送プロデューサーの影山貴彦氏は、こう提言する。
「震災報道が過熱する最大の原因は、行き過ぎた視聴率競争だと思います。テレビのスタッフに、視聴率を考えない者はいない。いい映像が撮れそうだと興奮してしまうのです。
だからせめて、大きな災害の時だけでも各局とスポンサーが連携して、視聴率調査をストップするべきです。『抜いた、抜かれた』のスクープ競争をやめれば、報道の姿勢も変わるはず」
災害の時にテレビが担う役割を、もう一度考え直したほうがいい。
「週刊現代」2016年5月7日・14日合併号より
【私の論評】震災時などの緊急時における行動にこそ、人間や組織の本性が現れる(・・;)



ブログ冒頭の記事においては、テレビ局がはた迷惑な取材をを淡々と掲載したでけで、その背後に何があるのかは、視聴率ということで、そこからは一歩も踏み込んで、全く分析していません。この点については、以下の記事が関係者の声として、かなり踏み込んでいます。
NHK以外はなっとらん!? 民放の被災地取材のヒドさに同僚からも不満噴出中! 
イメージ画像 文書の内容とは直接関係ありません
 熊本地震では多くのテレビ局が現地入りし、今も熊本県内各所からの中継を行っている。しかし、ガソリンスタンドにて中継車が給油待ちの列に割り込んだため、テレビ局が謝罪する事態となったほか、避難所で生活する男性が中継中のクルーに怒りをぶつける模様が生放送で流れてしまうなど、テレビ報道の取材姿勢に対して怒りの声は多い。 
 これらの問題に関してテレビ業界の関係者はどう考えているのか。話を聞いた。 
「生放送中に怒りの言葉を向けられたのは最悪ですね。ただ、あれは避難所の目の前に中継車を置いて邪魔だったのが原因だったようです。スタッフが取るべき行動として考えればたしかに理解はできるのですが、状況が状況だけに最悪でしたね」(番組関係者) 
 行動自体は理解できるとのことだが、一体どういうことか。 
「中継車とカメラはケーブルで結ぶので、両者の位置が近いほうがケーブルを敷く距離が短くてすみますからね。ですが、中継車が邪魔になるという状況であれば遠慮するべきだったと思います。NHKなどはたとえ離れていても近隣の駐車場などに中継車を置いて、そこから何百メートルもケーブルを敷いていますが、民放の場合にはまだまだこのような配慮が行き届かないケースも多いので、今回のようなトラブルを招いてしまったんです」(同) 
 意外にもこのような場面では、NHKのほうがマナーを守っているようだ。民放はなぜクレームが来そうな行為に走るのだろう。 
「機材が少なくケーブルが足りないなど物理的な原因もあります。ですが、それ以上に民放の報道部の人間は『報道の自由』を盾にすれば何をしてもいいと考えている輩が多いんです。NHKの場合にはきっちりした研修もありますが、民放の場合には報道と権力をはき違えた人間もたくさんいます。そういう気持ちの面での差もあると思います。当然、報道の自由と同時に個人のプライバシーや生活権も重視されるべきですから、今後は邪魔な中継車はどんどん110番通報するぐらいの対抗措置を市民側もとるべきですね」(同) 
 仲間をかばうのかと思いきや110番を進言するとは驚きだ。これはどういうことなのか。
「自分は報道の人間ではないのでハッキリ言えますが、テレビ業界の中で最も嫌われている存在は報道セクションなんです。あらゆる場所で横暴な取材を行い、それによっていろいろな町や企業に嫌われています。その影響を受けるのはバラエティやドキュメンタリーなどを作る我々なんです」(同) 
 具体的にはどのような影響があるのか。 
「たとえば商店街で失礼な取材をして、その商店街でほかのバラエティ番組がロケをしようと思っても拒否されたり、今まで取材可能だった店舗から出入り禁止にされたりします。また、ドキュメンタリーの分野で言えば、東日本大震災の現地ドキュメントを撮影しようと思っても、過去に報道の人間からひどい取材をされたなどの理由で、取材NGになるケースもあります。そのため、今回の熊本地震でも報道局のなりふり構わぬ取材態度には身内であっても批判の声が多いんですよ」(同) 
 世間からのバッシングばかりかと思ったが、実際には身内からも嫌われているのが報道部の実情のようだ。一体彼らの報道は誰のために、何のために存在しているのだろうか。
(文=吉沢ひかる)
 結局この記事からも理解できるように、民放の報道部の人間は『報道の自由』を盾にすれば何をしてもいいと考えている輩が多いということが震災地での報道の傍若無人ぶりの背後にあるということです。報道と権力をはき違え、個人のプライバシーや生活権報道の自由よりも報道の自由のほうが上であると勘違いしているところがあるということです。

さて、上記まででは、震災の被災者に関する報道のみがクローズアップされていますが、震災に関するもので、NHKも含む各放送局でほとんど報道しないものもありました。

それは、何かといえば、あのオスプレイです。オスプレイが、救援物資を運んだという報道はテレビではほとんど報道されませんでした。だから、デレビのみが情報源になっている人の中には、オスプレイが救援活動をしたことを知らない人も大勢います。

これは、新聞報道とは対照的です。オスプレイ報道にもいろいろあって、大手新聞のほとんどは、熊本震災の救援活動にオスプレイは必要ないとか、危険であるとか、実績づくりのためのPRだとか、ネガティブではありながら、報道はしました。産経新聞は、ポジティブな内容で掲載したり、他紙のネガティブな報道の仕方を批判する内容の記事でした。

ネカティブであれ、ポジティブであり、ほとんどの新聞はオスプレイが熊本震災の救援活動に出動したことを掲載していました。



ところが、テレビ局ではほとんど局が、オスプレイに関しては報道しませんでした。これは、一体どうしたことでしょうか。テレビ局の中には、前々からオスプレイが危険だなどと、報道しているところがありました。そういうテレビ局も含めて、ほとんどのテレビが報道しなかったということは、各テレビ局の報道部による恣意的な取捨選択以外の何ものでもありません。

これは、テレビ局が「報道の自由」を行使するのは、当然のこととして「報道しない自由」を行使するのも当然のことと捉えてるということを示す証左としてとらえるべきです。ネガティブな内容でも流すというのならわかりますが、完全無視で、何も報道しないというのですから、とんでもないです。

これらの報道姿勢をテレビ局の傲慢といわずして、何を傲慢というべきでしょうか。このテレビ局の傲慢は、特に各テレビ局の報道部の傲慢さに直結しているのだと思います。だからこそ、テレビ局の報道部は、震災地であのような傲慢な姿勢を見せるのです。このテレビ局の傲慢さに関しては、以前にもこのブログで掲載したことがあります。

その記事のリンクを以下に掲載します。
K・ギルバート氏“偏向報道番組”斬り「日本のテレビ局の態度は傲慢に見える」―【私の論評】日本のテレビ局の態度は、傲慢どころか日本の民主主義の破壊者(゚д゚)!

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、TBS系「NEWS23」の安保法制報道が放送法違反だったとして、作曲家のすぎやまこういち氏が代表呼びかけ人を務める任意団体「放送法遵守を求める視聴者の会」が昨年11月26日、記者会見を開き、番組アンカーを務める岸井成格(しげただ)氏やTBSなどに対し、公開質問状を送ったことを明らかにしたことを掲載しました

この記事より、ケント・ギルバート氏の発言の部分のみ掲載せせていただきます。
呼びかけ人の1人で、夕刊フジで「ニッポンの新常識」を連載(金曜掲載)する米カリフォルニア州弁護士、ケント・ギルバート氏は「日本のテレビ局の態度は傲慢に見える。『自分たちは賢く、バカな国民を誘導しなくてはダメ』という態度に見える。決めるのは国民で、意見を押しつけることは正しくない姿勢。もっと謙虚にやってもらいたい」と訴えた。
この記事にもあるように、テレビ局の安保法制に関する報道は、TBSに限らずどの局も傲慢そのものでした。その中でも、得にTBS系の「NEWS23」の報道は極めつけのものでした。

とにかく、テレビは、集団的自由権の行使を含む安保法制に反対し「戦争法案」などとレッテル貼りをする野党の主張や、市民団体のデモばかり報道して、与党側の主張や、保守派などの意見などほとんど報道しませんでした。

これは、「戦争法案」という主張を「報道の自由」として徹底的にとりあげ、その一方で与党側や保守派の人々の主張は「報道しない自由」として徹底的に無視して報道しなかったということで、テレビ局傲慢さを白日の下に晒しました。

とにかく、テレビ局の特に報道部は、ニュースなどを取捨選択し自分たちの主張に合う事柄は、「報道の自由」として長時間報道し、自分たちの主張に合わないものは、徹底して報道しないという「報道しない自由」を貫き通したのです。

一体彼らの報道は誰のために、何のために存在しているかといえば、明らかです。いわゆるパヨクのために、パヨクの主張があたかも世の中の大勢を占めているかのごとく装うために存在しているとしか言いようがありません。

熊本の震災報道でも、視聴率欲しさに無理な報道をしたというよりは、普段からの傲慢ぶりが露呈してしまったに過ぎません。【私の論評】の冒頭に掲載した動画のスチル画像を以下にもう一度掲載します。



テレビ局の人は別として、なぜか辛嶋友香里(からしま ゆかり)というピースボートの人間がMCを実施しています。この辛嶋なる人物の経歴を以下に掲載します。
ピースボート災害ボランティアセンター スタッフ 
教員を目指して大学へ進学。卒業するも、ゆとり教育よりも社会経験だ!と思い、総合美容サロンに勤務。営業、美容、マネージメントを経験し、独立。個人サロンを立ち上げる。26歳でピースボートクルーズに参加。その後も旅を続けていたところ、東日本大震災が発生。急いで帰国し、ボランティアとして東北へ。その後、ピースボート災害ボランティア センターの初期運営メンバーとして支援に携わりそのまま職員となる。被災地に向かう数万人のボランティアをオーガナイズ。現在は、将来の災害に備えるため、主に防災・減災の取り組みに力を入れている。

ピースボート(Peace Boat)とは、国際交流を目的として設立された日本の非政府組織(NGO)、もしくは、その団体が主催している船舶旅行の名称です。設立当初はアジアをめぐるクルーズの運営を主体としていたが、1990年以降は世界各地をめぐる「地球一周の船旅」を繰り返し行っています。後に政治家となった辻元清美ら早稲田大学の学生数名が1983年(昭和58年)に設立しました。創設メンバーで現在も運営に関わっているのは、吉岡達也のみです。

この藤岡達也は現在ピースボートの共同代表です。2008年には『9条世界会議』の共同代表に選ばれました。2012年1月14-15日にパシフィコ横浜開催されたた「脱原発世界会議 2012 YOKOHAMA」では運営代表を務めました。

要するに、ピースボートはこてこてのパヨク団体です。このようなパヨクをわざわざ震災報道でMCのように使用するというのが、そもそも感覚がずれています。

報道するなら、報道に専念するべきです。こんなところには、パヨクが随伴するのも非常におかしな話ですが、もしも保守の人間が行ったとしても浮いてしまうのではないでしょうか。

そうして、被災民の人から迷惑がられて、叱責され、放送を中断してしまうという不手際を起こしてしまったのです。

とにかく、今のテレビ局のあり方は、この番組報道に凝縮されています。

普段から、「報道の自由」という錦の御旗を笠に着て、やりたい放題の報道内容の取捨選択を行い「報道しない自由」も享受し、震災地でもそれと同じく、とにかく視聴率を稼ぐためにやりたい放題をしたり、パヨクまで随伴するというやりたい放題をしても、そのことに何の疑問も感じないのです。



日々傲慢でやり過ごしてきて、何も批判されず、ましてやパヨクたちからもてはやされるので、感覚が鈍り、被災地でも人を人とも思わない傍若無人を働き、激しく非難されてから、ようやく気がつくという体たらくぶりを発揮しているのです。

ブログ冒頭の記事や、【私の論評】の冒頭に掲載された記事でもNHKのことはあまり批判していませんが、これは記事中にあったように、NHKの報道局の人間など被災地での行動のあり方を教育されているから、今回も被災地でも被災者に直接迷惑をかけることはなかったものの、傲慢さにかけては、他局の報道部とあまり変わりありません。それは、普段の報道ぶりを見ていれば、良くわかります。

人間の本性、本質はピンチのとき、緊急事態のときに表れます。こんなときに、普段はどうであれ、責任を他の人間になすりつけたり、傲慢であったり、小心者であったりのその人間の本質が露呈します。テレビ局などの報道部などの組織も同じことです。今回、震災の報道でみせた彼らの姿勢こそ、彼らの本質なのです。

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2016年4月6日水曜日

【突破する日本】「偏った」放送を繰り返すテレビ局に電波を独占させる必要はない―【私の論評】遅れた電波行政を正し、無線事業者の競争を促し新産業を興せ(゚д゚)!


テレビ朝日本社
 テレビ朝日「報道ステーション」のキャスターだった古舘伊知郎氏は3月31日の出演最終日、「人間は少なからず偏っている。情熱を持って番組を作れば偏るんです」と語った。放送法第4条の「政治的に公平であること」「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」に反する放送をしてきたことを、白状したに等しいのではないか。

3月18日には、古舘氏自らドイツで取材したワイマール憲法からナチスの全権委任法へ至った経緯を紹介し、緊急事態条項を盛り込んだ自民党改憲草案を批判した。コメンテーターの早稲田大学の長谷部恭男教授にも自民草案を一方的に批判させた。自民党とナチスを重ね合わせ、「安倍晋三=ヒトラー」の印象操作をしたいらしい。

しかし、ナチスの負の歴史を克服した現在のドイツ憲法(基本法)にも「防衛上の緊急事態」条項(115a~l条)は存在する。緊急時における国家機関の機能を憲法に規定することは立憲主義の要請であり、ドイツ憲法も当初は規定がなく、1968年の改正で追加された。

憲法学者の長谷部氏も知らないはずがなく、あえて伝えないのは「少なからず」ではなく「大いに」偏っていると思う。

テレビなどの放送は、新聞などのプリント・メディアとは根本的に性質が異なる。国民の共有財産である有限の電波の使用免許を得ておこなっている事業だ。電波はテレビ局やキャスターの私物ではない。公共財としての意識を持たなければならない。

今、テレビ各社の上層部が恐れているのは、政府が「電波オークション」や「多チャンネル化」などの規制緩和を打ち出すことだ。

現在、電波、例えば東京周辺のテレビの地上波はNHKと民放キー局が独占している。いずれも昭和20年代から30年代にかけて放送免許を得て今日に至っている。その後の新規参入はない。これを公開入札によって電波の使用領域を決めようというのが「電波オークション」だ。新規参入が可能になる。

民主党政権時にも導入が検討され、格安の電波使用料が問題にされた。放送法制をあからさまに無視する「偏った」放送を繰り返す放送局に、未来永劫(えいごう)電波を独占させる必要はない。

「多チャンネル化」も同様で、デジタル化した今日ではテレビ地上波も技術的には100チャンネルが可能とされる。テレビ局が増えれば、既存のテレビ局はその中の1つでしかなくなる。CMも減る。民放は死活問題だ。

放送の「規制緩和」はテレビ局を震撼(しんかん)させるが、偏向放送を正す起爆剤になるのではないか。

 ■八木秀次(やぎ・ひでつぐ) 

【私の論評】遅れた電波行政を正し、無線事業者の競争を促し新産業を興せ(゚д゚)!

テレビやラジオなどの放送局が、国から周波数を割り当てられて行っている許認可事業であることは知られています。しかし、放送局が国に対して「電波利用料」を支払っているということを知っている人は、意外に少ないかもしれないです。また、電波利用料の存在を知っていても、それがどのくらいの額なのか知っている人はもっと少ないでしょう。

総務省は2013年2月末、この電波利用料の詳細を発表していました。その前に公開したのは2008年というのですから、ほとんどの人が知らないのも無理はありません。自民党の河野太郎衆議院議員は総務省に「テレビ局ごとの電波利用料の負担金額を出してほしい」と要求したところ、総務省の担当課長は「個別の負担金額は開示しておりません」と答えていしまた。

さらに河野氏が「どうして出さないのか」と尋ねると、その課長は「テレビ局のプライバシー」だと答えました。その後、自民党が総務省に強く要請し公開が決まったのですが、当時のの発表でわかったこては、テレビ局がボロ儲けしている実態でした。

2013年に発表さた、電波使用料の詳細を以下に掲載します。



テレビ局全体の電波利用料負担は、総計で34億4700万円にしかならないのに対し、営業収益は3兆1150億8200万円もありました。電波の“仕入れコスト”は、営業収益のわずか0.1%に過ぎないということが暴露されてしまいました。

河野太郎氏

これは、とてつもなく低いです。民間企業において、小売業で仕入原価が0.1%とか製造業で原材料費が0.1%などということにでもなれば、それこそ、タダ同然です。これでは、放送局など、よほどバカな真似をしないかぎり、安泰で、潰れようもないです。これでは、競争の原理など働きようもないですし、テレビ局等がなぜ、旧態依然としてしまうのか、納得できます。

電波法や総務省の資料によると、「電波利用共益費用」、つまり「電波の適正な利用の確保に関し無線局全体の受益を直接の目的として行う事務の処理に要する費用」の財源に充てるため、テレビ局やラジオ局、携帯電話会社など無線を利用する者が支払うものとなっています。

要するに、違法電波による混信障害などから電波環境を守るための経費を徴収するという名目でつくられた制度でする。

しかし、電波利用料を支払っているのはテレビ局などの放送局だけではありません。電波を使っている携帯電話会社も支払っていて、全額通話料として携帯電話ユーザーに転嫁されています。具体的には、携帯電話1台につき年200円ですが、携帯の支払い明細書に「電波利用料」という記載がないので、利用者が知らないのも無理はありません。

12年度の電波利用料収入は約715億円でしたが、内訳は携帯電話事業者が72.3%なのに対し、放送事業者はたったの7.2%に過ぎませんでした。NHKは電波利用料を受信料に転嫁していますし、民放は企業が支払うCM料に転嫁しています。つまり、電波利用料のほとんどは、携帯電話を使っている消費者が負担しているといってよいのです。

2011年の地上アナログテレビジョン放送の放送終了
テレビのデジタル化の財源はなんだったのか?

では、その電波利用料を、国は具体的に何に使っていたのでしょうか。

主な内訳は、次のようになっていました。

・地上デジタル放送総合対策:45.0%
・研究開発:18.0%
・総合無線局管理システム:9.8%
・電波監視:8.3%

支出の半分近くを占める地デジ対策費は、実質的には放送局などへの補助金であり、とくに地デジ化の資金繰りに苦しむ地方テレビ局を救済するかたちになっていました。

つまり、携帯電話利用者が支払っている電波利用料で、テレビ局を支えている構図になります。そのテレビ局はといえば、社員の給料が高いのは誰でも知っており、民法キー局の平均年収は軒並み1200万円以上です。公共放送たるNHKの平均年収も1185万円であることが 2013年2月に発表されていました。許認可事業のため事実上新規参入のないテレビ業界が濡れ手で粟というのには、かなりの違和感を感じざるを得ません。
電波オークションについて報じた当時の週刊誌
過去においては、自民党時代から、国民の公共財産ともいうべき電波の周波数を競争入札にかける「電波オークション」を導入しようという話が進んでいました。民主党政権では次回の電波割り当てから入札を実施することを閣議決定し、2012年の国会に電波法改正案を提出していました。

しかし、安倍政権に交代するや、当時の新藤義孝総務相は「今国会に(オークション導入の)法案を提出することはない」と言明し、電波オークションを葬り去ってしまいました。
当時も総務省が裁量で放送局や通信事業者に電波を割り当てて電波利用料を取っているのですが、その当時から利用が進む第4世代携帯電話向け電波などを入札にかければ、数千億円の収入になるとみられていました。

また、民主党政権下で電波オークション導入を提言した大阪大学の鬼木甫名誉教授によれば、当時テレビが占拠していた帯域も含めてすべてをオークションにかけたとすれば、30兆円近くの価値があるとのことでした。

安倍政権は国庫に入るはずだった数千億円に上るオークション収入をフイにしてまで、テレビ局などによるタダ同然の電波使用という利権を維持させることにしたのです。安倍政権がオークションを取りやめた理由として、「大メディアに恩を売りたかった」との見方もありましたが、真相はわかりません。

放送局と通信事業者にすれば、オークションが導入されれば外資など新規業者がライバルとして参入し、新たな脅威になっていたでしょう。それに対抗するには、現在支払っている電波料に加えて、オークションで競り勝つ高額な費用が必要になったはずです。特にテレビ局は、なんとしてもオークションを阻止したかったはずです。

総務省も実は、本音ではオークションをやりたくなかったと言われています。電波利用料は税金ではないため、財務省による再分配の対象とはならず、形の上では一般会計の総務省予算になっています。



ただ、電波法によって使い道が決められている特定財源であり、全額が総務省によって使われることになります。総務省の「隠れ特別会計」との指摘もあり、総務省が自分たちの裁量で使える予算でもあります。もし、オークションが導入されていたら、総務省はこの貯金箱を失い、財源を財務省に取られていたとの声もあります。

先ほど、電波利用料の使途内訳で「研究開発:18%」と掲載しましたが、これなどは天下り先である特殊法人へのばらまきとの指摘もあります。これまでのように電波利用料を握っておくことが、総務省にとってもおいしい話なのです。

電波オークションは世界の常識になりつつあります。OECD加盟国の約3分の2はすでに電波オークションを導入していて、欧米諸国はほぼすべての国で導入しています。アジアでも一般化しつつあり、導入していないのは、モンゴル、北朝鮮、そして日本などだけです。

安倍政権は首相就任後の「ハネムーン期間」と呼ばれる、まだ支持率が高いうちに、電波オークション廃止を打ち出すことで大メディアに大きな恩を売ったのかもしれないのですが、テレビ局側は、その音を仇で返したわけです。

テレビ局などのメディアが偏向しすぎているというのは、前々から指摘されていました。だから、安倍総理としては、テレビ局に対しては、偏向報道がなくならないまでも、各報道局が少なくとも、新聞や雑誌などか用いる姑息な手段でもある、両論併記のような形ぐらいにはするであろうと、期待していたに違いありません。

TBSの典型的な偏向報道

しかし、昨年安保法案審議の過程での、各テレビ局の報道ぶりは、非常に偏っていました。テレビ報道を検証している任意団体「放送法遵守を求める視聴者の会」は今月1日の記者会見で、安保法制を扱ったTBSの昨年9月13~20日の全番組が、法制への「反対」意見の報道に大半の時間を費やしていることを問題視しました。

番組編集に当たっての政治的公平や多角的な論点の提示を義務付けた「放送法4条違反」を指摘し、TBSの見解を求めました。同時に、TBSから「誠意ある」回答を得られなかった場合、スポンサーに調査報告書や提言書を送るなどの注意喚起運動を検討する考えも示しました。

放送法遵守を求める視聴者の会

これに対して、TBSは「自律的に公平・公正な番組作りを行っている」とした上で、スポンサーへの呼びかけを示唆した同会の声明を問題視。同会は8日までの回答を求めていますが、TBS広報部は「回答する考えはない」としています。

TBSが発表したコメント全文は以下の通り。

 「弊社スポンサーへの圧力を公言した団体の声明について」
2016年4月6日 株式会社TBSテレビ 
 弊社は、少数派を含めた多様な意見を紹介し、権力に行き過ぎがないかをチェックするという報道機関の使命を認識し、自律的に公平・公正な番組作りを行っております。放送法に違反しているとはまったく考えておりません。 
 今般、「放送法遵守を求める視聴者の会」が見解の相違を理由に弊社番組のスポンサーに圧力をかけるなどと公言していることは、表現の自由、ひいては民主主義に対する重大な挑戦であり、看過できない行為であると言わざるを得ません。 
 弊社は、今後も放送法を遵守し、国民の知る権利に応えるとともに、愛される番組作りに、一層努力を傾けて参ります。以上
さて、この「放送法遵守を求める視聴者の会」の方々は、この記事で上で述べた電波オークションの日本での状況について無論熟知しているのだと思います。

そうして、今がこのような行動をする最適な時期であると考えておられるのだと思います。安倍自民党政権が電波オークション導入を見送ったにもかかわらず、安保法制のときの報道ぶりは、著しく偏向しており、問題外の報道ぶりでした。偏向どころから、完璧に左巻きでネジが曲がりすぎて、壊れたような報道ぶりでした。これについては、先日もこのブログで指摘したばかりです。

これでは、安倍政権だけではなく、上記で示したように結局高い電波料を負担している国民も、高い料金で偏向番組をみせられるという不利益を被るわけです。

安倍自民党としては、本当に忸怩たる思いをしているに違いありません。この時を逃さずすかさず、行動をおこせば、安倍政権は「電波オークション」導入へと大きく舵を切り替える可能性が大です。

「電波オークション」を導入して、既存のテレビ局には、それ相当の負担をしてもらい、その上で自分たちの思う通りの放送ができるようにすれば良いと思います。実際アメリカなどでは、「電波オークション性を導入しつつ、テレビ局に対して放送内容には一切制限をつけていません。

しかし、テレビの放送局は日本よりはるかに多いですし、ケーブルテレビも加えるとかなりのチャンネル数になります。そうなると、視聴者は自分の見たいチャンネルだけを見て、偏向したチャンネルなど一生見なくても用が足ります。それに、競争の原理が働き、面白くないとか、役に立たないような報道ばかりする放送局は淘汰されることになります。

そのような形が望ましいです。

電波は国民の財産であるはずです。政府が、巨額のオークション収入を得た上で、多くの電波事業者が新規参入し、テレビ局も携帯電話会社も競争状況に入り、国民には新たなサービスや事業者の選択肢が増えるメリットがあります。

携帯電話での通信制限もなくなるかもしれません。最近、" いまどきの女子中学生の音楽を聴く手段はスマホのストリーミングだけ――こんな主旨の投稿がTwitterで話題になりました。あるユーザーがツイートした内容によると、いまどきの中学生は、「月々のデータ通信量に制限があるから自分の好きな音楽を能動的に聴くことはない」そうです。これに対して、従来の音楽プレーヤーに馴染んできた世代は衝撃を受けているそうです。

今時の女子中学生が音楽を聴く手段はストリーミングだけ?

結局、「電波オークション」などが導入されないことにより、まわりわまって、一般ユーザーにつけが回ってきているという構図なのだと思います。

私自身も、自宅ではインターネット回線を導入して、ルーターを設置してWIFIを利用できる環境にしているので、スマホやタブレットはそれを使うので、自宅にては無制限に使えるのでよいのですが、外出時にはwimaxを使用していました。

外出時には、スマホもタブレットも、ノートパソコンもwimax経由でインターネットにつないでいました。このwimaxもwimax2になってから、速度制限がつけられるようになりました。それに伴いwimaxは速度制限はないものの、速度が以前よりも遅くなりました。

ただし、外出時のwimaxは、SNSの閲覧や、ブログの作成、音楽を聴くなどに限られていますので、多少遅くても事が足りますので、wimax2に乗り換えすることなく、そのままwimaxを使用しています。ただし、最近やはり、速度の遅さに不満を感じるので、Yahooモバイルは速度制限がないようなので、これに乗り換えようとも思っています。

結局このような手間や不便を感じるのも、「電波オークション」が導入さていないことにも原因がありそうです。自由競争を原則として、様々な新サービスや新方式の開発を促進させ、それを用いるメデイアには、放送内容は原則として自由にするという方向性が最も良いと思います。

そうでないと、またまた日本は、せっかく良い技術があって、素晴らしい携帯電話を開発にしたにもかかわらず、現在のスマホでは後塵を拝することになってしまいました。

現状のままの電波行政では、政権与党にとっても、国民とって一つも良いことはありません。日本でも、一日はやく「電波オークション」を導入すべきです。

そうして、せっかく導入するのでしたから、国民にとって良いサービスがどんどん生まれるような形で導入すべきと思います。これによって、今までには考えられなかったような、新産業の興隆を促すことも可能だと思います。

そうすれば、旧態依然として、偏向報道を繰り返すような、面白みも何もないようなテレビ曲など競争に負けて自然と淘汰されていくと思います。

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2015年2月12日木曜日

“テレビ画面“を奪い合う、戦争が始まる ネットフリックスの衝撃。テレビ局の猶予はあと5年だ テレビの「今、目の前にある危機」―【私の論評】どんなメディアであっても、ユーザーからそっぽを向かれれば、存立の基盤がなくなるという危機感がなければ、容易に腐敗する!その一旦は間違いなく、私達も担っていると心得よ(゚д゚)!


写真はブログ管理人挿入 以下同じ

今年1月に開かれたCES(Consumer Electronics Show)は、IoT(Internet of Things)が中心だったという。全ての「もの」がネットにつながる時代が来るのだ。当然、テレビもネットにつながる。少し前の言葉で言うと「スマートテレビ」だ。

スマートテレビというと、多くのテレビ関係者は「またか」「狼少年か」と感じるかもしれない。

では、なぜユーザーはテレビをネットにつなげなかったのか。

それはネット動画を見るための操作が面倒だったり、ネットにつないでも楽しめるサービスが少なかったりしたからだ。YouTubeやニコニコ動画もあるが、ユーザーが投稿した動画を大画面で見ることに、ユーザーは魅力を感じなかった。テレビ画面で見るのは、テレビ番組や映画、それにプレイステーションやWiiなどのゲームだった。

しかしネットでは、ドラマやアニメなどテレビ番組や映画が着実に増えてきた。日テレに買収されたHuluは豊富な作品を揃えた。さらにアメリカの巨人、ネットフリックスが今秋の日本進出を発表した。このインパクトは、決定的なものになる恐れがある。

技術の進歩で面倒な操作は不要になる。サービスの充実で魅力的なコンテンツが揃ってきた。この二つの変化は、多くの人がテレビをネットにつなぐ契機になるだろう。

日本のテレビ局の脅威、「Netflix」ボタン

それだけでも便利なのに、ネットフリックスは米国の家電メーカーに働きかけ、テレビのリモコンに「Netflix」ボタンを付けた。視聴者がケーブルテレビやテレビ放送を見ていても、このボタンを押しさえすればすぐにネットフリックスの番組が見られるようになる。この影響はとてつもなく大きい。

参考:『ネットフリックス上陸で起きるかもしれない、7つのこと』

今のテレビのリモコンには、BSやCSのボタンが付いている。地デジ化の際につけられるようになったのだが、これを機にBS放送の視聴機会は激増し、放送局系BS局の売上げはここ数年、毎年二桁増を遂げている。リモコンにボタンを付けるというのは、大変なことなのだ。

フリックスにしてもHuluにしても、スマホやタブレットで視聴されている分には、テレビ放送にとってのダメージは限られる。

しかしテレビの大画面で、高画質で、しかも簡単に見られるようになると、テレビ局が放送する番組の視聴時間が直接、奪われることになる。

ネットフリックス普及のカギは、日本のドラマ

それでもネットフリックスが海外コンテンツだけを配信するならまだいい。日本の動画ビジネスのキラーコンテンツは、テレビドラマだからだ。TBSが他局に先駆けVOD事業を黒字化できたのも、豊富なドラマの貢献が大きい。

当然、ネットフリックスも日本のドラマを取り込もうと日本のテレビ各局に積極的に働きかけ、かなりの高額を提示しているという。しかもexclusive(独占)で調達しようとしているとの話も聞く。もしNHKやTBS、テレビ東京がこれに応じれば、Huluからは作品を引き上げることになる。

さらにTBSと同様、ドラマのアーカイブが豊富なフジテレビがネットフリックスに提供するようになると、その威力は強大なものになる。この秋のサービス開始時に、ネットフリックスがどれだけの日本ドラマを確保するかは、重要なポイントだ。

NETFLIXで放映された日本のホラー映画

 
恐るべきネットフリックスのオススメ機能

もう一つ重要なのは、ネットフリックスの高度なオススメ機能が、日本でも提供されるかということだ。ネットフリックスのレコメンドエンジン非常に優秀である。

参考:中谷和世さんのブログ『Netflix視聴の75%を支えるオススメ機能の秘密』

中谷さんの記事にもあるように、ネットフリックスでは番組内容の詳細なメタデータベースを作り、ユーザー一人ひとりの視聴ログデータとクロス解析して、きめ細かな「オススメ」を提供している。ユーザーの視聴動機の75%はこの「オススメ」によるものだという。

テレビの命運を握る、見逃し視聴サービス

テレビ局に残された時間は、次のテレビの大規模な買い替えまでの、あと5年だ。5年後に東京オリンピックが開かれる。

前回のテレビ買い替えは2011年の完全地デジ化だった。それから9年後の2020年は、大規模な買い替えタイミングとなるだろう。ネットにつながるというだけでなく4Kという要素もあるので、買い替えの動機はさらに強くなる。

簡単にネットにつながるスマートテレビや、リモコンに「Netflix」ボタンがついたテレビが一気に普及すると、テレビ放送にとっては大打撃になる。かといってそれを阻止することはできないだろう。ユーザー、消費者の利便性向上に反対するのは難しい。

だがテレビには希望もある。民放連会長が言及している全キー局による見逃し視聴サービスだ。

見逃し視聴サービスだけでなく、各局バラバラにやっている有料VODサービスも、共同でできればなおさらいい。ネットフリックスに作品を提供すれば、強力なレコメンドエンジンで視聴回数が増え、収入も増えるだろう。しかしユーザーの視聴ログデータは手に入らない。

実はユーザーの視聴行動のすべてを記録したログデータは、ネットフリックスのオススメ機能を見てもわかるように、大きな価値を持つ。これをネットフリックスにとられ首根っこを握られるより、テレビ局自らが独占して、メタデータと合わせて価値の高いマーケティングデータを生み出した方が、テレビ局の新たな収入につながる。

スマートテレビが普及しネットフリックスに支配される前に、テレビ局が全局の「いつでも・どこでも見逃し視聴」に乗り出し、できれば有料動画配信も全局共同で行うべきだ。

テレビ局に残された時間は、もう僅かしかない。

この記事は要約です。詳細は、こちらから!

【私の論評】どんなメディアであっても、ユーザーからそっぽを向かれれば、存立の基盤がなくなるという危機感がなければ、容易に腐敗する!そ原因の一旦は間違いなく、私達も担っていると心得よ(゚д゚)!

上の記事、既存のテレビの危機と、その方向性も示しています。ただし、一つ欠けている部分があります。それは、既存のテレビのニュースなどの報道の質が著しく劣っていることです。

これは、最近のテロリスト集団「イスラム国報道」などみていても、まるでテロリスト集団の代弁者のような報道ぶりであきれかえってしまいます。

テロリストの代弁をした、テロ朝の「報ステ」

かつてソ連共産党が結成したコミンテルンは世界中の共産党を支部と位置づけ、全世界で共産主義革命を起こそうとしていました。テロリスト集団「イスラム国」も同じです。日本にもドイツにも、フランスにもイスラム国の支持者がいます。それが緩やかなネットワークでつながり、それぞれの国内でテロを起こさせ、世界イスラム革命を起こすことが彼らの目的となっています。

このことを理解しない日本のマスコミは、結果としてまるで「テロリスト集団」の代弁者のような報道を繰り返しています。

それ以前に、朝日新聞をはじめとして、日本のマスコミは自虐的歴史観の立場から、日々日本を貶めるような報道に奔走してきました。最近では、随分と少なくなりましたが、数年前まで、日本のテレビはまるで韓国の放送局のように、韓国ドラマやKpopを異常に高い頻度で放送し続けました。

小保方報道のようなサイエンスに関するマスコミの報道も、酷いもので、小保方さんを盛んに持ち上げたかと思えば、今度は手のひらを返したかのように、落とすというありさまで、とてもまともな報道とは思えません。記者会見に参加して、そこで発表された事柄を報道するだけなら、マスコミの存在価値はありません。

本来公共放送であるはずのNHKが、反日の走狗と化し、NHK本社内に、中国電視台東京支局などを設置し、中国にとって、都合の良いような報道を繰り返してきました。

昨日は、建国記念の日だというのに、テレビはこれに関する報道をほとんどしませんでした。

建国記念日の銀座
明治神宮 建国の日 奉納祝賀パレードの準中の様子
建国記念の日のテレビなどの報道に関しては、以下のようなツイートが目立ちました
このような有り様では、テレビの将来はないのは当然のことです。実際、若い世代はほとんどテレビを見ない人が増えてきました。

メディアに関する、アンケートなどみると、"30歳以下の人々が、どれも信頼していないという率"が高いです。下のグラフは、あなたが一番信頼しているメディアは何ですかという趣旨のアンケートの集計結果です。


60代以上の人の一番信頼しているメディアは、新聞だそうですが、それにしても40%台に過ぎません。テレビは、新聞よりもさらに信頼されていません。

このようなアンケート10年くらい前にとれば、もっとメディアを信用していた人が多かったと思います。ただし、他国に比較すると、日本ではまだまだメディアを信用する人も多いことは事実です。たとえば、イギリスでアンケートをとると、メディアを信じるという人は10%程度です。ということは、メディアを信用しない人が90%近くいるということです。

円安倒産はもともと少なく、少ないものが増えたにしてもさほどのことはないのに・・・・・・

私は自身は、メディアを鵜呑みにしないということは良いことだと思うので、日本でもイギリスなみにメディアを信用しないようになれば、良いと思っています。

このような状況でNETFLIXが上陸し、上記の記事で掲載されているように、様々な番組を提供するようになり、それだけではなく、まともな報道番組など提供するようになれば、日本のテレビなどひとたまりもないと思います。

それにしても、NETLIXはアメリカの企業です。やはり、アメリカの国益に沿ったような報道をするメディアを優先的に選ぶのは当然のことと思います。

しかし、ニュースなどの報道は、それを前提として見れば、かなり役に立ちます。たとえば、中国のメディアであったにしても、それが中国が提供しているものであることを認識して、他の情報ともあわせて、見れば中国の報道は中国の国益に完璧に合致した報道をしますから、より真実に近づくことができます。

だから、中国のメディアが例えば、日本に非があると報道しても、そうではないということが理解できます。しかし、テレビや新聞などで情報源が限られる人には、そんなことはできませんが、それにしても、情報源が複数ある人にとっては役に立ちます。

しかし、日本のメディアは、立場がはっりせず、フラフラしていて、首尾一貫していないため、現状では残念ながら中国のメデイアよりも役に立ちません。

NETFLIXあたりが、アメリカの国益に沿った立場でブレないで、上質な報道をするようになれば、そちらを見るユーザーもかなり増えることが予想されます。そうなると、今のテレビには太刀打ちできないことになると思いまます。

中国メディア中国の国益を代弁するという立場からブレな
いので複数の情報源のある人には役に立つ場合がある

一番良いのは、日本のテレビ局も目覚めて、自らの立場をはっきりさせて、スマートテレビが普及しネットフリックスに支配される前に、テレビ局が全局が共同でニュース報道に乗り出し、できれば有料ニュースも全局共同で行うべきです。

しかし、既存のテレビがおいそれと、体質を改善することはできません。

考えてみると、一般大衆に情報発信するジャーナリストなど、教員や医師のように免許がいるわけでもなく、何の資格も必要としない職業であり、本来社会の誰でも情報発信可能なものである性質だったのが、新聞・ラジオ・TVと既存のマスメディアは、放送電波の免許や独禁法例外の新聞再販制度などで、幾重にも法により守られた選ばれた「特権階級」として情報発信を独占してきたわけです。

旧来のメディアは限られた情報発信手段を独占し、新聞は「大衆」に情報を一方的に発信、TV・ラジオは「大衆」に情報を一方的に垂れ流し、情報は「特権階級」であるメディアから一般大衆に一方通行に発信されるものでありました。

しかし、インターネットは電波ではないし、誰でも利用できかつ発信できるものです。電波法などとは全く関係ありません。今でも、誰もが自由に動画などを配信できます。

横浜開港資料館に保存されている横浜開港直前の瓦版


これが、最初からテレビや、テレビのリモコンに組み込まれて簡単に操作できるテレビが普及すれば、既得権益を享受して、変革の意図も意識も全くないマスコミは、体質を変えることができず、いずれ瓦版のように消えていく運命と思います。

そうして、そのほうが、日本にとっては良いことだと思います。

NETFLIXなどが上陸すれば、日本でもテレビのドラマなどが配信されるようになるどころか、最初からNETFLIXに載せることを意識した、ドラマやバラエティー番組を作成するプロダクションも出てくるようになると思います。

テレビのありかたは間違いなく変わる

その時に、既存のテレビ局などが、インターネットによる配信方法に変更したとしても体質を変えることができないので、凋落します。

しかし、ニュースなどの報道番組に関しては、良質でまともなものを作成して配信すれば、これだけはなかなか外国勢にはできません。そこから、日本の新しいメディアが生まれてくる可能性が高いと思います。

いずれにせよ、今後10年以内に、インターネットはますます発展して、いずれ電波で動画を配信するより、インターネットで配信したほうが、はるかに安上がりで、発信する側にも、ユーザーにとっても便利な時代がきます。そうなれば、テレビは今のラジオ並みのメディアになります。

日本の既存メディアが凋落するというのなら、新しいメディアをつくるしかありません。いずれ、日本国内はもとより、世界ともつながるインターネット配信をするメデイアが幅をきかせ、まともな報道をするようになると思います。しかし、その時代がきても、わたしたちはメディアを鵜呑みにすることなく、常に批判的でなければ、また同じ愚を繰り返すことになると思います。

要は、どんなメディアであっても、ユーザーからそっぽを向かれれば、存立の基盤がなくなるという危機感がなければ、マスコミは容易に腐敗するのです。日本では、法律の縛りがきつく、その結果として、マスコミを守っているようなものです。

低劣なメディアを購読したり、視聴する人がまだ大勢いるからメディアはのさばる

しかし、そうとはいっても、メディアがしぶとく姿勢を改めないのは、まだまだ、視聴したり、購読したりする人がいるからです。

そうです。日本のメディアを腐らせたのは、私達の責任でもあります。腐ったメディアは、視聴したり購読しなければ良いのです。そうして、若い世代にはそういう人が着実に増えています。若い世代に見向きされなくありつつある日本のメディアに将来はありません。

今は、特権階級になっている日本のテレビ局も、テレビのリモコンにインターネットのボタンができて、簡単に見ることができるようになったり、NETFlXが日本に上陸したりすれば、変化においつくことができず、破綻します。そうして、それは日本にとって良いことです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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