2016年10月17日月曜日

「日系企業が中国大脱出?」過去最大規模の財界訪中団の要望書に中国ネットが大騒ぎ―【私の論評】1m80Kgのレールから見る中国幻想の終焉(゚д゚)!


中国国家発展改革委との会合であいさつする日中経済協会の
宗岡正二団長(左)。右は経団連の榊原定征会長=21日、北京

 9月下旬、日本の主要企業トップが訪中して政府要人と会談した。その際に日本側が中国市場から「撤退」する際の環境整備を求めたことが波紋を呼んだ。中国のネット上では「出たいなら出ていけばいい」といったいつもの強気の反応が盛んで、ネットメディアも「中国市場を失った日本企業が、どうやって欧米企業などと競争できるのか?」などと日本側の「不見識」をとがめるような意見が目立った。その一方で「本当に日本企業が大規模に撤退したら、中国企業は必ず損害を受ける」といった不安な“本音”も見受けられた。

 日中経済協会を中心とした財界人は9月20日から27日に中国を訪れた。宗岡正二会長(新日鉄住金会長)を団長とし、経団連の榊原定征会長、日本商工会議所の三村明夫会頭らが加わった。3団体がそろって中国を訪問するのは昨年に続いて2回目で、過去最大規模となる計230人の参加となった。日本代表する大企業のトップらが参加し、さながら“オール財界”のメンバーが顔をそろえた。

 21日には北京の人民大会堂で中国共産党序列7位の張高麗副首相とも会談。滞在中の22日には、上海市に本社を置く国有鉄鋼大手の宝鋼集団と湖北省の武漢鋼鉄集団が経営統合すると発表する局面にも遭遇することとなった。

中国国家発展改革委の幹部(右)と握手する日中経済協会の宗岡正二団長。右から
2人目は経団連の榊原定征会長、左端は日本商工会議所の三村明夫会頭=21日、北京
 一連の日程で中国側の関心を集めたのが、22日に中国商務省の高燕商務次官と会談した際に提示した投資環境の改善項目をまとめた要望書だ。その中で、中国市場から迅速に撤退できる環境がなくては新たな投資が進まないと強調し、中国側に改善を求めた。
 撤退の環境整備に関する要請について中国の官製メディアでは話題にならなかったが、ネット上ではすぐに騒ぎとなった。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)では「日本企業が手厚い扱いを受ける時代は終わっている」といった否定的な反応が大勢を占めた。また、この要請について報じた日本人記者の個人名を挙げて「この記者は経済を分かっていない」などとからかうような記述も見られた。

 中国系香港メディア、フェニックステレビのホームページは「日本企業の中国大脱出?」という文章を掲載し、財界訪中団の要請がなされた背景について分析した。

 文中では、近年の日本企業の撤退はそれぞれの企業の「経営上の原因だ」と説明し、統一的な動きではないことを強調した。その上で「もし誰が誰に頼っているか論じる必要があるならば、現在は日本企業が中国市場に頼っている時代だ。その逆ではない」と述べ、中国市場撤退による被害は日本側が受けることを示唆した。また「日本企業は『政冷経冷』という中日関係の被害者だ」との見方も示した。

 一方で、中国市場からの日本企業大量撤退を招くような事態に「不安」を感じる反応も少なくない。

 「ネット上で積極的に転送されたニュースは、やはり人を不安にさせた」

 ある中国の経済系ウェブサイトは、今回の騒動について不安な思いを率直に吐露した。同サイトは、日本側が積極的に進めてきた対中投資について説明し、「日本の中国経済への影響は、その他の国を上回っている」と指摘。日本企業撤退が現実のものとなった際の被害を懸念し、「何が何でも中国の官製メディアはこの事実をできるだけ早く真実のままに報じ、中国側は誠意を持って日本企業の引き留めに当たるべきだ」と訴えた。

 「政冷経冷」の時代に入ったと指摘される日中関係。日本貿易振興機構(ジェトロ)がまとめた平成27年度の進出企業実態調査によると、今後1~2年のうちに中国事業を「縮小」または「移転・撤退」すると答えた企業は全体の10・5%で、前年度調査に比べ3ポイント増えたという。今回の騒動は中国側にも、日中関係がそのような時代に入っていることを深く認識させる一つのきっかけになったかもしれない。

【私の論評】1m80Kgのレールから見る中国幻想の終焉(゚д゚)!

上の記事には、掲載されていませんが、日本側からは、中国の鉄鋼の過剰生産問題に関し早期解消を求める声が相次いでいました。

日中経協の宗岡正二団長(新日鉄住金会長)は冒頭あいさつで中国からの鋼材の安値輸出により「世界の鉄鋼業が深刻な打撃を受けている」との認識を示し「過剰生産などの改革を着実に進めていただきたい」と訴えた。経団連の榊原定征会長も「痛みの伴う改革の着実な実行を期待したい」と構造改革の推進に期待を示しました。

中国側は「供給サイドの改革は進展しつつある。構造的な改革を進め両国関係を強化したい」との考えを示していました。

中国の鉄鋼業界が構造調整をしないため、日本の鉄鋼業界はもとより、世界の鉄鋼業界が依然、その余波を受け続けています。中国国営の鉄鋼大手同士による統合計画が発表され、足元では再び市況が改善し始めたとはいうものの、生産や輸出は高水準のままです。

欧米諸国がその削減を中国政府に強く求めるものの、その歩みは欧米の不満を解消するまでには至らず、日本はその対立の巻き添えになりかねない立場にも置かれているのです。


日本の鉄鋼大手は自動車など製造業向けに中国現地の合弁企業から鋼材を供給。そこに向け、高級鋼に使う熱延コイルや冷延鋼板、線材などの半製品を大量に輸出しています。

こうした中、欧米諸国と中国の対立が激化し、アンチダンピング措置など対抗手段の打ち合いとなれば、日本もそのとばっちりを受けています。実際、米国は6月下旬、中国と日本の冷延鋼板に対するアンチダンピング措置を最終決定。税率は中国製が265・79%と圧倒的に高く、中国をターゲットに据えたのは明らかです。

しかし、日本製も「クロ」と判断され、71・35%と決して低くはないアンチダンピング税が課されることになったのです。

中国政府は今後5年で最大1億5000万トンの能力削減を決めているのですが、6月下旬には国家発展改革委員会が16年の削減量を4500万トンと明示。焦点の雇用問題でも18万人を配置転換させるとしており、同委員会の徐紹史主任は「目標達成を強く確信している」と断言しました。

しかし、同時にネガティブな指標も明らかになりました。まず、6月の1日当たり粗鋼生産量が過去最高を更新。政府支出による大型公共工事の拡大で鋼材需要が膨らんだ上、6月に市況が下げ止まり、「この水準なら、利益が出ると判断した製鉄所が稼働率を高めたのではないか」(中国国内の鉄鋼関係者)と見ています。


鉄鋼というと、中国も相当進んでいるように思われるかたもいらしゃる方々も多いと思います。しかし、そうではありません。中国というか、日本以外の国々は日本に遠く及ばないところがあります。

その実例を以下に掲載します。それは、鉄道のレールをみれば一目瞭然です。ただし、渡したは、常日頃、電車には乗りますが、その電車のレールにはあまり関心がないものです。
しかし、この鉄道レールは昔から日本の独壇場の様相を呈しているのです。その鉄道レールは過去においては、1メートル当たりの重量が60キログラムが主流でした。この頃から、日本のレールは品質が良いということで、人気があったのですが、実はこれからは、80キログラムレールが主流となるというのです。

なぜそのようなことになっているかといえば、より重いレールの方が、より重い列車を走らすことが出来るからです。ところが、この80キログラムレールを製造できるのは世界で日本のメーカーしかないのです。

そのメーカーは、日本国内でも新日鉄住金の君津製鉄所とJEEスチールの東日本製鉄所の2か所しかありません。

新日鉄住金の君津製鉄所
現在たとえば、アメリカは大陸横断鉄道のコンテナ列車の重量が大きくなってきて、レールの強度が問題となっています。現在の60キログラムのレールでは無理が生じてきたのです。これに対応するには80キログラムレールに置き換えるしか方法がありません。

ところが、アメリカでは80キログラムのレールを作る製鉄所はないのです。アメリカでは今、三本の大陸横断鉄道(約3万8000キロ)があるのですが、徐々に、この80キログラムレールに入れ替えています。一昨年オバマ大統領が日本に来た時に、安倍総理に「日本の鉄道技術をお願いしたい」と要請したのですが、中身は80キログラムのレールのことなのです。

この80キログラムになれば、大量の貨物を一気に運ぶことが出来るわけで、アメリカの物流革命の担い手としての期待が大きいのです。

ご存知のように、日本で鉄道の脱線事故が少ないのはこの80キログラムレールが採用されているからなのです。東海道新幹線も80キログラムレールにどんどんと、置き換わっているのです。

函館港から陸揚げされた北海道新幹線のレール
このレールを使用すると、超高速で走る車両の揺れも大幅に減らすうえに、レールの摩耗を防ぐことができます。このレールを製造するには、圧延機の能力が強力で、一本30メートルもありますが、これを均一に800度で加熱します。これには大変な技術と設備が必要なのです。

ご存知のように、鉄道というのは、昔から経済効率が非常に高いのです。しかも公害の発生も低いというメリットもあります。これからの世界は鉄道が建設ブームになりますが、当然これに合わせて、80キログラムレールの需要は世界的に高まります

さらに、鉄道車両の車輪も日本は世界に誇れる技術があります。それは、車輪と車軸は外れると脱線しますが、新日鉄住金は、なんと、車輪と車軸を一体で鍛造することができるのです。そうすれば、車輪と車軸が外れる心配はなくなります。こう言った凄い技術を持っているのは、世界中で、新日鉄住金だけなのです。

さて、話が少し文字通り脱線しましたが、なぜこのようなことを述べたかというと、鉄の製造にも当然のことながら、日本では高度の技術が駆使されていることを示したかったからです。

そうして、先ほどの80キログラムレールなど、日本国内の製造工場で製造されているのです。そうして、中国の鉄鋼メーカーはどうかというと、別に中国でなくても、どの国でもできるような鉄鋼を製造しているに過ぎません。

中国の鉄道だって、こ日本の80kgレールがなければ、成り立たないというわけです。このような圧倒的な技術力の差異は中国としてもいかんともしがたいでしょう。

もう、ブログ冒頭の記事をみてもおわかりでしょう。ここでは、鉄道を例にとって話をしましたが、他のことでも似たようなものです。

そもそも、製造業などかなり自動化されたので、実はかなり前から、製造業に占める賃金の割合は数%に過ぎなくなりました。

今の中国は、従来から比較すると、低賃金ではなくなりました。そうなれば、わざわざ中国で製造する意味もありません。現在では、従来のように、日本銀行が金融引き締めばかりしていて、極端な円高で日本国内で製造するよりも、中国で製造して日本に輸入したほうが、コストが安くなるということもありません。

そうなれば、わざわざ中国に生産拠点など置いておく必要もありません。中国の消費がさらにかなり高まり、現地で製造したほうが、コストがはるかに安くなるということにでもなれば、中国国内で製造する意味もありますが、現在はそのようなことはありません。

それは、日本に限らず、他の国の製造業なども同じです。小売業だってそうです。中国のGDPに占める個人消費の割合は35%程度に過ぎません。最近は、これが少し上がったという話もありまずが、これは全く良いことではなく、他のGDPが下がったので個人消費が上がったように見えるだけです。

そもそも、中国での小売業も最初から大変です、日本のように人口が密集しているわけではなく、広い地域に人口が拡散しています。

それに、最近では経済も落ち込み、余程の大構造改革でも行わない限り、経済が良くなる見込みも全くないです。このままだと、中国は中所得国の罠に嵌り込み、そこから浮上する見込みはありません。

もともと、中国は中所得国あるいはそれ以下の国々の集合体のようなものです。一つ一つの省を一つの国と見たほうが理解しやすいです。

将来の中国は、中所得国の寄り合い所帯のような国になることは必定です。中国の将来は、図体が大きいだけの、アジアの凡庸な独裁国家になりはてるだけです。

やはり、中国に進出している企業の多くは、もう見込みのない中国から撤退したいのです。しかし、それをなかなか自由にさせてこなかったのが中国です。

だからこそ、今回日中経済協会の日本側が中国に対して、日本側が中国市場から「撤退」する際の環境整備を求めたのです。

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2016年10月13日木曜日

「みんなが解散と言うときには解散なし」 「超裏技」の選挙日程とは―【私の論評】与党の助っ人蓮舫氏が民進党代表のうちに解散総選挙はほぼ確実(゚д゚)!

「みんなが解散と言うときには解散なし」 「超裏技」の選挙日程とは

もう永田町は解散風が吹いている。公明党が早期解散を容認しているのは、来(2017)年7月に実施される東京都議選と衆院選がかぶらないようにしたいためだ。また、先の国会で衆院選の1票の格差是正と議員定数10減のための改正公職選挙法が成立したことも大きい。

ただし、区割りには時間を要するために、来年6月以降にならないと、新たな区割りでの衆院選はできないと見られている。現職の衆院議員は、これまでの区割りで選挙をしたいと望むだろう。このことから、衆院選は来年5月までに行われる公算が強い。

解散風の吹く永田町
蓮舫代表の二重国籍問題の陰

このスケジュールは、過去の衆院選を見てもわかる。衆院任期は4年であるが、戦後、任期がまっとうされた上での衆院選は、1976年12月の1回しかない。それ以外は任期満了の前に解散総選挙が行われている。これまでの衆院の平均任期は2年9か月なので、2年を過ぎれば、常在戦場だ。今の衆院議員は2016年12月で任期2年となる。

中曽根政権(第1次は1982年~)以降を見ると、3年以上経過して解散した例が8回と多い。2年以上3年未満で解散したのは、1986年7月、2005年9月、2014年12月と3回しかない。ただし、この3回ともに与党の圧勝であった。これも早期解散の根拠となる。

なにより、今は相手になる民進党が弱すぎる。今日(16年10月13日)の国会で、安倍晋三首相は、蓮舫・民進党代表の二重国籍問題について答弁した。同じく二重国籍だった自民党の小野田紀美参院議員が日本国籍選択を証明する戸籍謄本を公開した事を引き合いに出し、蓮舫氏も国民に証明の努力をすべきとした。蓮舫代表は公開を拒否しているからだ。

この問題は、民進党にとって打撃である。もし蓮舫代表に二重国籍問題がなければ、小池氏が東京都知事になって行われる東京10区の衆院補選に、蓮舫氏が出馬していただろう。

党代表でありながら参院議員であるのは、かなりのハンデである。蓮舫氏は参院議員であるので、衆院の代表質問では野田幹事長に委ねざるを得ない。蓮舫代表が野田氏を幹事長に指名した事に対しては、野田氏が増税論者で民主党政権転落の原因でもあるので、民進党内でも大不評であるが、東京10区の補選に蓮舫代表が出ていれば、民進党の勢いも違っていただろう。

日ソ首脳会談前に...

東京10区も福岡6区も衆院補選は、今のところ与党圧勝の情勢である。福岡6区は自民党の分裂であるが、野党は足下にも及ばないようだ。二つの補選ともに、小池都知事が応援演説で入ると大勢の観衆が集まる。小池人気の凄まじさを見せつけられるが、同じ女性である蓮舫代表は、集める観衆の数で小池都知事に負けている。自民党勢は小池人気で野党候補を破ってしまうだろう。

そうなると、次は、いつ衆院解散か、となる。一般的には、12月の日ソ首脳会談をへて、来(16)年1月解散となっている。このスケジュールはそれなりの確度があるが、「みんなが解散というときには解散なし」という言葉もある。

奇抜なので、その可能性は少ないが、11月21日(先勝)に解散し、プーチン会談の前の12月11日(大安)に投開票というのも頭の体操としてある。

12月15日に日ソ首脳会談であるが、その前に11月19-20日にペルーで開催されるAPECでプーチン大統領と会うので、帰国後解散という超裏技だ。もちろん、TPP法案をどうするかなど難問があるが、ちょうど2年前の2014年11月21日解散、12月14日投開票で衆院選が行われたときと同様な選挙日程であり、絶対に不可能とはいえない。

それも、相手が蓮舫新代表率いる民進党では、安倍首相がいつ解散をしたくなっても、仕方ないだろう。

++ 高橋洋一

【私の論評】与党の助っ人蓮舫氏が民進党代表のうちに解散総選挙はほぼ確実(゚д゚)!

上の記事では、蓮舫氏の二重国籍について掲載されていますが、蓮舫氏に関してはこれ以上に酷いスキャンダルが問題となっていました。

蓮舫氏は2011年に写真週刊誌にダイナシティの中山諭元社長との密会写真が週刊誌に掲載され、国会で追及されました。中山氏はバブル崩壊後に不動産業界でのし上がった風雲児で、ジャスダック上場までしたのですが、05年に脱税でガサ入れされた際、覚醒剤を打っているところを発見され、覚醒剤取締法違反(使用、所持)罪で懲役3年、執行猶予5年の判決がくだされました。にもかかわらず、蓮舫氏は執行猶予中のN氏と密会していたところを写真に撮られたのです。

当時の週刊誌の紙面の写真を以下に掲載します。


蓮舫氏は、脱税や覚せい剤取締法違反容疑で逮捕歴がある元不動産会社社長(ダイナシティの中山諭元社長)と、2010年8月、青森県のねぶた祭りを見学に行ったり、2011年9月21日には、東京・麻布十番で飲食したりしていました。

写真週刊誌が、2011年9月21日の蓮舫と中山諭元社長の麻布十番での会食をキャッチしました。

数年ぶりに大型台風が首都圏を直撃した9月21日の午後7時過ぎ。 蓮舫氏が食事を楽しんでいた相手は、かつてマンション業界の風雲児ともて囃されたダイナシティの元社長だでした。

この週刊誌の紙面の写真など、現在はネット上にほとんど残っておらず、何らかの作為を感じのす。おそらく意図的に削除されていると思われます。

さて、この件に関しての国会の追求の様子を記録した動画を以下に掲載します。


以下に動画の説明を掲載します
西田昌司(自民党)参院予算委員会11/15.
①~④.
国士・西田先生が蓮舫のダーティ交際を暴きます!!
参院予算委員会2011/11/15 質問:西田昌司氏(自民党) 参院の名物男、西田昌司氏が蓮舫議員の黒い交際、韓国民潭と野田民主党との癒着問題について鋭く追及.
参議院予算委員会 西田昌司 野田総理と民団 20111115 20111206 西田昌司 野田総理と外国人献金 参議院予算委員会 1/4
野田総理と蓮舫が脱税と覚醒剤で逮捕されている人間の家族の披露宴に出席し、 御車代として50万、100万円単位で受け取っていた。 20111206 西田昌司 野田総理と外国人献金 参議院予算委員会 1/4
蓮舫、覚醒剤と脱税で逮捕されたダイナシティの中山諭元社長との「黒い交際」(不倫スキャンダル) ・蓮舫は「2011年9月まで犯罪を知らなかった」とウソ答弁・実は犯罪者と知って交遊
このスキャンダルのせいでしょうか、この後すぐに蓮舫氏は行革刷新相を辞任しました。

ガソリーヌ、山尾志桜里などの報道と、蓮舫氏の二重国籍の問題に霞んでしまい、現在ではほんど報道されませんが、蓮舫氏にも政治資金問題があります。

写真は週刊ポスト誌面(切り抜き)平成22年年1月15・22日号(P141)より

この週刊誌の報道では、蓮舫氏の「政党交付金使途報告書」記載の「事務所経費」(賃借料)の項目に「不透明な支出」がある、との指摘が持ち上がった、と記し、渡辺龍二氏(ジャーナリスト)の次の指摘を紹介しています。 
云く、「報告書によれば、この団体(蓮舫氏の資金団体)は06年には63万3280円、07年には54万5980円、08年には54万4980円、3年間で約172万円の事務所賃借料を計上しています。しかし、この報告書には、その支払先についてはまったく記されていない。さらに、蓮舫議員に近い筋から話を聞いても、“彼女は議員会館以外に事務所をもっていないはずだ”というのです」(同)と。この指摘にもとづいて、誌面が「(報告書に)記された東京・目黒区内の住所を尋ねてみた。ところがその場所にそびえ立っていたのは、敷地400平方メートル、高さ2メートルはある荘厳な白壁に覆われた2階建ての“白亜の豪邸”だった」(同)、と事務所の表札すら無い蓮舫氏の個人宅であった、との様子を記している。 

このような疑惑があったせいでしょうか、蓮舫氏はしばらく影を潜めたような状況でしたが、人の噂も75日ということわざもあるように、これらのスキャンダルから随分と月日もたち、多くの国民からこれらの事実の記憶も消えかけていたころに、再度二重国籍問題がもちあがったわけです。

二重国籍問題に関しては、このブログにも何度か掲載してきたように、利益相反の問題があるのは明らかです。安倍首相は、13日の参院予算委員会で、日本国籍と台湾籍のいわゆる「二重国籍」だった民進党の蓮舫代表について「国会議員として蓮舫氏の責任において国民に対し証明の努力を行わなければならない」と述べ、詳細な説明が必要だとの認識を示しました。首相が蓮舫氏の二重国籍問題に直接言及したのは初めてです。これは、自民党の三原じゅん子氏の質問に答えたものです。

二重国籍問題をめぐっては、自民党の小野田紀美参院議員も米国籍との二重国籍状態であることが判明しました。しきし、三原氏は、小野田氏が国籍法に基づいて日本国籍選択の宣言をし、外国国籍離脱の努力義務を果たしていたと強調。日本国籍選択を証明する戸籍謄本も公開した小野田氏と比べ、蓮舫氏は国籍選択宣言の有無などが明確でないとして批判しました。蓮舫氏は戸籍謄本の公開について「極めて個人的な件だ」として拒否しています。

これを受け、首相も「小野田氏は戸籍謄本を示し、選択という義務を果たしたことを証明した」と述べ、蓮舫氏との対応の違いを強調しました。

首相は「国会議員は国民の負託を受けている。自らの言動について疑念を持たれぬよう常に襟を正していなければいけないことは当然だ」とも述べました。


民進党の蓮舫代表は5日、参院予算委員会で代表就任後初めて質問に立ち、安倍晋三首相と直接対決しました。憲法改正をめぐり、自民党改憲草案に対する自身の見解を述べることを避けようとする首相に「逃げないで頂きたい」と追及しました。稲田朋美防衛相の過去の発言の問題点も突いていました。

それにしても、最近の蓮舫氏の相変わらずの舌鋒鋭く、内容に乏しい言質をとるためとしか見えない国会での質問や、他の民進党議員の質問などみていると、蓮舫代表自身も、他の民進党議員の大部分も、蓮舫氏や民進党が与党にとって、最高の助っ人になってしまっている状況を理解していないのではないかと思います。

これを滑稽と言わずして、何を滑稽と言えば良いのでしょうか。衆院解散、総選挙の日程はあくまで安倍首相の腹づもりで決まるものです。ですから、年末・年始になるのか、それともブログ冒頭の高橋洋一氏の記事のように、別の日程になるのかは、わかりません。

しかし、安倍首相は蓮舫氏が民進党の代表であるうちに、衆院の解散総選挙に踏み切るのは間違いないと見て良いでしょう。

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2016年10月12日水曜日

中国国防省前で異例の大規模デモ 元軍人らの不満浮き彫り、「団結」呼びかけ合唱も―【私の論評】スーダンでも武器や弾薬を残して敵前逃亡!武装商社人民解放軍に大異変(゚д゚)!

中国国防省前で異例の大規模デモ 元軍人らの不満浮き彫り、「団結」呼びかけ合唱も

北京の国防省前に集まった座も参加者たち=11日
北京市中心部にある中国国防省前で11日に起きた大規模デモには、さまざまな年齢層の元軍人ら約千人が参加したと伝えられ、軍への不満の根深さが浮き彫りになった。軍中枢部近くでの大規模デモは極めて異例で、習近平指導部が本格化させている約30万人の兵力削減などの軍改革にも微妙な影響を与えそうだ。

 デモは11日朝から習国家主席がトップを務める中央軍事委員会や、国防省が入る建物「八一大楼」前で発生し、12日未明に強制排除されたとみられる。米政府系放送局のラジオ自由アジアなどによると、各地から集結した参加者は年金の増額など待遇改善を訴えた。

 現場周辺では12日早朝、多くの公安関係者や数十台の警察車両による厳戒態勢が敷かれた。迷彩服姿の数人が連行される様子も目撃された。

 デモについて中国メディアは一切報じていないが、インターネット上では迷彩服を着た参加者らが「八一大楼」に向かって隊列を組み「団結」を呼び掛ける内容の歌を合唱したり、座り込んだりしている映像が流れた。

【私の論評】スーダンでも武器や弾薬を残して敵前逃亡!武装商社人民解放軍に大異変(゚д゚)!

北京の中国国防省前で、警察官に排除される迷彩服を着た男性たち=12日
人民解放軍は1993年から2000年の間に、軍備縮小の名のもと、数万から数十万とも言われる大規模な人員削減を行いました。対象となった軍人たちには日本円にして数十万円の一時金が支払われたものの、多くはその後の仕事が見つからず、生活に困っていると訴えているのです。さらに・・・

「中国は永遠に覇権を唱えず、永遠に拡張せず、兵員30万人を削減すると宣言する」(習近平国家主席 抗日戦勝70周年式典 中国・北京 去年9月)

習近平国家主席は去年、人民解放軍の兵力を230万人からおよそ30万人削減するという大規模な軍改革を打ち出しました。そのため、更なるしわ寄せが自分たちに来るのではないかという不安も背景にあるとみられています。

軍人は今、中国社会においては最も女性から見ると結婚したくない相手になっているので、元軍人はすごく不満もあるし、現実の社会での苦労に直面してます。

元軍人によるこうしたデモは、数年前から中国各地で散発的に起きていました。しかし、軍の中枢である国防省にこれだけの人数が集まるのは異例のことです。

国防省の前になると本当にたくさんの人の目に触れるので、いよいよ退役軍人問題が全国問題として国民に認識されるというインパクトがあるものと考えられます。

首都・北京のど真ん中で起きた今回の騒ぎですが、中国のメディアでは一切報じられませんでした。

中国国防省
中国では、元軍人だけではなく、現役の軍人たちにも不満が高まっています。それに関しては今年の7月に米国を拠点にする中国問題専門の華字ニュースサイト「博聞新聞網」が伝えました。

中国人民解放軍の幹部や兵士の大幅な昇給案が検討されていたのですが、軍内部の討議で否決されていたことが分かたというのです。このため、軍内には兵士や下士官を中心に不満の声が高まっており、将校ら高級幹部も不満を抑えるのに懸命だといいます。

軍内の昇給案は、昨年8月から検討され、平均で5.95%増の予定だった。師団長クラスで3万元(約50万円)、最下級の兵士では5750元(9万5000円)になる見通しでした。

昇給分は地方の大軍区(現在の戦区)司令官の場合は約2万元で、年収は5万元程度。師団長も昇給分は1万2000元。以下、連隊長は9000元増、大隊長が7000元、中隊長が6000元、小隊長が5000元となる予定でした。

ちなみに、中国統計局によると、中国の都市部の国有企業従業員1人当たりの平均年収は約6万2000元となっており、軍人の場合は給料が低く抑えられていることは否めません。

習近平指導部は昨年末から今年初めにかけて、大規模な軍事改革による組織改編を行っており、これを機会に、軍内で不満が強かった給与を改革して、国有企業並みの年収を保障する方針を打ち出していました。

ところが、中国経済は昨年来、一層悪化していることから、200万人の軍人に支払う原資が不足しており、今回の給与改革は実施予定の直前になって急きょ延期となってしまいました。

なお、中国国防省は今年6月末、記者会見で、「軍の給与改革の情報があるが、それは事実ではない」と正式に否定していました。

これに対して、収まらないのは、待遇がよくない軍の若手兵士を含む下士官層で、一部の地方の軍では職務放棄などが拡大しているといいます。


最近では、南スーダンに中国が派遣したPKO部隊が、持ち場を捨て逃走というショッキングなニュースも伝えられています。これも、軍人たちの不満に関係している可能性があります。

南スーダンの首都ジュバに駐屯して国連平和維持活動(PKO)に従事している部隊が、政府軍と反政府軍の間で交戦が繰り広げられていた今年7月、民間人から数十回にわたって保護要請を受けたにもかかわらずこれを無視したという主張が持ち上がっていました。中国軍のPKO部隊に至っては、武器や弾薬も残したまま逃亡したと伝えられている。

米国ワシントンDCに本部を置くNGO(非政府組織)の「紛争地域民間人センター」(Center for Civilians in Conflict=CIVIC)は5日(現地時間)、この事件に関する報告書を発表して「国連は民間人保護任務を果たさなかった当該PKO部隊に対して責任を問い、透明性を高めるべき」と主張したといいます。AFP通信などが報じた。南スーダンには61カ国から派遣されたPKO部隊合わせて1万2500人がおり、このうち2500人が首都ジュバにある2つの基地に駐屯しています。

報告書によると今年7月、ジュバでは4日間にわたり政府軍と反政府軍の間で交戦が繰り広げられ、PKO部隊の基地にも攻撃があった。この過程で民間人を含む300人以上が死亡し、この中には中国軍2人と南スーダンの記者1人も含まれていました。また南スーダン政府軍と反政府軍は、現地にやって来た救護活動家を含む民間人の女性数百人に性的暴行を加えました。PKO部隊は当時、基地の内外で民間人が死亡し、性的暴行に遭っているにもかかわらず、出動しませんだした。基地に対する攻撃があった時にのみ撃ち返す程度でした。少なくとも5人の外国人救護活動家が基地の近くのホテルに連れ込まれ、集団で性的暴行に遭った時も、数十回にわたって救助要請を受けたにもかかわらずこれを無視しました。さらに中国から派遣されたPKO部隊の場合、反政府軍から強い攻撃を受け、持ち場を捨てて逃走しました。
ネット上では、「軍は災害があると、一番初めに被災地に行かされて、劣悪な環境で支援活動を強いられたり、戦闘でもそうだ。訓練も過酷であり、このままでは昔から言われるように『好鉄不打釘、好人不当兵(良い鉄は釘にはならず、良い人は兵隊にはならない)』と、だれも軍兵士に志願する者はいなくなってしまい、習近平が命令して戦争を戦う兵士はどこにもいなくなってしまうのではないか」などの書き込みが散見されています。

さて、上の記事にでてきた人民解放軍とは他国の軍隊にあたると考えるのは間違いです。そもそも、人民解放軍は共産党に直属する組織であり、共産党の私兵です。他国の軍のように、国民国家を守るものではありません。災害の時などに出動することもありますが、それがメインの仕事ではありません。

メインの仕事は、共産党の私兵として、共産党を守ることにあります。そうして、さらに不可思議なことがあります。人民解放軍は、独自に様々な事業を展開しています。その実体は、日本でいうところの商社のようなものです。そうして、その商社が武装していて、中国共産党を守るため、治安警察、城管などとともに、人民を弾圧するのです。

このように中国共産党にとって、人民解放軍は体制を維持するための、最後の砦のようなものです。今回、国防省の前でデモを行った元軍人たちの背後には当然、中国軍内あるいはそれよりもさらに上位の何者かの後ろ盾があると思われます。「反腐敗運動」で党幹部のほぼ全員を敵に回した習近平ですが、解放軍までが組織的な反抗を起こしてくると、政権はいよいよ危険水域に入ったといえるでしょう。

 千人以上にも及ぶ元軍人たちが集まって軍の最高指導機関である中央軍事委員会のある国防省ビルに「奇襲」したことは、 どう考えても黒幕のある政治的「反乱」です。その矛先は軍事委員会主席の習近平その人に向けていると考えられます。大政変の幕開けを予感させます。軍を掌握しきれない習近平体制は近々崩れるのではないでしょうか。

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2016年10月11日火曜日

米国防省が恐怖の分析、中国の核攻撃で日本は絶滅?―【私の論評】日本が核武装をすることになるであろう4つの根拠はこれだ(゚д゚)!

米国防省が恐怖の分析、中国の核攻撃で日本は絶滅?
ワシントン・フリー・ビーコンのバナー 写真はブログ管理人挿入 以下同じ

 日本は中国に死者3000万人の被害をもたらす核ミサイルを10年以内に開発することができる。一方、中国は日本に対して3400万人の死者を出す核攻撃をかけることが可能だ――。

 まるで恐怖をあおるサイエンスフィクションのような物騒な推定が米国防総省委託の研究報告で明らかにされた。

■ 米国同盟国の間で徐々に高まっている核武装論

 米国・ワシントンのインターネット新聞「ワシントン・フリー・ビーコン」は10月7日、「ペンタゴン(米国防総省)が将来の日本の核兵器と対中戦争について研究」という見出しの記事を掲載した。

 この報道をスクープしたのは、米国の軍事戦略を専門とするビル・ガーツ記者である。ガーツ記者は、国防総省の「相対評価局(ONA)」が今年6月にワシントンで開催した「核作戦とその意味」と題する研究集会の報告書の主な内容を伝えていた。

 ONAは国防長官に直結する研究調査機関で、米国にとって10年以上の単位で長期的な脅威となりうる諸外国の軍事動向や、同盟国を含めた米国側陣営に対する脅威への対応策について研究することを主任務としている。

米国国防総省 通称「ペンタゴン」
同新聞の報道によると、ONAがこの種の研究に取り組んだ背景には以下のような要因がある。

 (1)米国は同盟諸国に対して「拡大核抑止」(核の傘)を誓約してきた。しかし、オバマ大統領が「核なき世界」や「核先制不使用」政策を掲げることで、その制約への信頼が失われている。その結果、同盟国の間で核武装論が徐々に高まりつつある。

 (2)オバマ政権が米国の核戦力を進化・改良させないのに対し、中国やロシアは核戦力の近代化を進めており、米側の抑止力が相対的に弱くなった。

 (3)北朝鮮が核武装を完了させ、イランも10年後には核兵器開発が確実だとみられるようになった。

 こうした諸要因が、米国の核兵器による戦力や抑止力のあり方を根本から再検討するという作業につながったというわけだ。

■ 日本が核兵器開発に着手するきっかけとは

 この研究結果は、ONAが委託した民主党系の民間防衛シンクタンク「長期展望戦略グループ」によって報告書としてまとめられた。同報告書によると、日本の目の前には核武装という選択肢があるという。その主な理由は、「中国や北朝鮮による日本への核攻撃や核威嚇に対する米国の核安全保障が弱くなり、やがて、中国や北朝鮮を抑止するには不十分になると、日本は恐れている」からだ。

 そして、以下のような事態が契機になって日本が核兵器開発に着手する可能性があるという。

 ・韓国の核兵器開発
 ・イランの核武装
 ・中国あるいはロシアによる核兵器の使用

 同報告書は、上記のような事態が起きれば米国の核政策に大きな変化が起きて、緊密な同盟関係にある日本の核武装に対して寛容な姿勢へシフトする可能性がある、と述べる。

 同報告書はその上で、日本の核武装の可能性について以下のように記述していた。

 ・日本政府は一度決定を下せば、現在の原子力技術や宇宙開発技術、巡航ミサイル、潜水艦の技術を基に、10年以内に核兵器を完成させることが可能である。

 ・同研究集会に参加したONAの専門家たちは、日本は自国で開発した核兵器を実際に地上や宇宙ロケット、潜水艦などに配備するだろうと予測していた。

 ・安倍政権も認めているように、日本の現行憲法は核兵器保有を禁じてはいない。米国としてもこの点を重視する必要がある。

■ 中国の核攻撃で日本は国家絶滅の危機に

 さらに同報告書は、日本と中国が尖閣諸島の領有権をめぐって争い、場合によっては日中戦争へと発展する危険性があることを指摘する。その上で、日中両国の将来の核戦力の威力についても次のように触れていた。

 ・日中間で全面戦争が起きた場合、日本は地上配備、あるいは潜水艦発射の核ミサイルにより中国に最大で死者3000万人の被害をもたらす破壊能力を保持するにいたる。

 ・中国側は現状でも日本に核攻撃をかけて死者3400万人の被害を与える能力がある。この死者は日本の総人口の27%であり、日本は国家絶滅の危機に瀕することとなる。

 同報告書は、こうした調査、研究の結果を踏まえて、米国政府が日本への拡大核抑止の保証を従来通りに堅持することが最も賢明で合理的な政策だという結論を示唆していた。

 現在、米国では世界の唯一の超大国、そして日本の同盟国という立場から、この種の仮定に基づく安全保障研究が大胆に行われている。起こしてはならない最悪の想定のシナリオを事前に研究しているのである。たとえ仮定のまた仮定でもこの種の軍事シナリオがタブー視されている日本とは対照的に米国は現実を見据えているというわけだ。

古森 義久

【私の論評】日本が核武装をすることになるであろう4つの根拠はこれだ(゚д゚)!

冒頭の記事で、「安倍政権も認めているように、日本の現行憲法では核兵器保有を禁じてはいない」という記述には驚かれた方々も大勢いると思います。

しかし、政府は今年4月に「憲法は核兵器保有を禁じず」とした政府答弁書を決定しました。日本は憲法9条で「戦力不保持」をうたい、「非核三原則」を掲げています。意外な気もしますが、これは政府の方針変更というわけではなく、従来の政府見解と同様のものです。例えば1978年に当時の福田赳夫首相は、非核三原則があるとしながら、「憲法9条の解釈として絶対に持てないということではない」と答弁しています。

民進党の逢坂誠二議員と無所属の鈴木貴子議員からの質問に対する回答において、に対する回答において、政府は「自衛のための必要最小限度の実力保持は憲法9条でも禁止されているわけではなく、核兵器であっても、仮にそのような限度にとどまるものがあるとすれば、保有することは必ずしも憲法の禁止するところではない」という解釈を示しました。

政府は、この答弁は従来と同趣旨の説明だとしています。

核兵器の使用が認められるか否かについては、国際法、日本国憲法など国内法、日本の政策を区別してみていく必要があります。

国際法においては、核兵器が違法で禁止されているか、各国の考えは一致していません。日本政府は、戦後間もないころ違法だとみていたことがありました。1960年、フランスがサハラ砂漠で核実験を行い、アフリカ諸国を中心として、核兵器は国連憲章や国際法に違反しており禁止すべきだという決議案が国連総会に提出されたとき日本は賛成したのです。

しかし、中国が核兵器を開発したことなど、国際政治において核の抑止力に頼らざるを得ない状況になり、それ以後、日本は核兵器を違法であり、禁止されるとすることに賛成していません。

一方、日本国憲法では、核兵器が違法で禁止されている、あるいは、いないなどと直接的に規定されていません。第9条の、国際紛争を解決する手段としては「武力の使用を永久に放棄する」という規定の解釈にゆだねられています。

1954年に日本政府は、「日本に対して武力攻撃が加えられた場合に、国土を防衛する手段として武力を行使することは、憲法に違反しない」という解釈を示しました。この考えに立って創設されたのが自衛隊です。それ以来、政府は「自衛のための必要最小限度の実力を持つことは憲法で禁止されていない」という解釈を維持しています。ここで言う「実力」が武器のことです。

では、核兵器は憲法が認めている自衛のための武器にあたるでしょうか。

核兵器は一度使用されると市民に甚大な被害をもたらしますので、「自衛のために必要最小限度」の武器か、その範囲を超えるのではないかという疑念を抱かれるのは当然ですが、日本政府は、冒頭で引用した答弁のように「核兵器であっても自衛のために必要最小限度にとどまるものがありうる」という立場です。

「安倍政権も認めているように、日本の現行憲法では核兵器保有を禁じてはいない」とは、まさにこのことです。

しかし、核兵器が禁止されているかいなかについては、さらに次の2つの点を勘案する必要があります。

一つは日本が、「核を持たず、作らず、持ち込ませず」の非核三原則を表明したことです。しかし、これは政府による表明であり、撤回することが全く不可能というわけではありません。

もう一つは、日本は、1976年に批准した核兵器不拡散条約(NPT)で、核兵器の保有、使用など一切のことが国際法上、禁止されていることです。

しかし、このブログの冒頭の記事でも述べられているように、米国は同盟諸国に対して「拡大核抑止」(核の傘)を誓約してきたのですが、オバマ大統領が「核なき世界」や「核先制不使用」政策を掲げることで、その制約への信頼が失われています。その結果、同盟国の間で核武装論が徐々に高まりつつあります。日本だけが例外であるとはいえません。


日本としては、核武装も国内で十分議論すべきです。議論する事自体が、抑止力になる可能性が十分あります。私として、いずれ核武装することになるのではないかと思っています。その根拠をいくつかあげておきます。

まずは、ブログ冒頭の記事にもあるように、中国側は現状でも日本に核攻撃をかけて死者3400万人の被害を与える能力があり、この死者は日本の総人口の27%であり、日本は国家絶滅の危機に瀕することなるという潜在的脅威があるからです。

以下に、中国人民解放軍対日攻撃概念図をあげておきます。当然のことながら、核攻撃も含まれています。


さらには、最近の北朝鮮の頻繁なミサイル等の発射です。中国と北朝鮮の核兵器は日本を標的しているという事実があります。

次に、上院外交委員会全体が2013年に開いた「米国の対北朝鮮政策」と題する公聴会における「日本の核武装」論です。

この公聴会はタイトル通り、長距離弾道ミサイルの発射や核兵器の爆発の実験を断行し続ける北朝鮮に米国はどう対処すべきかが討議の主題でした。その流れの中で「日本の核武装」というテーマが再三再四、論じられたのです。

その論議の趣旨を最初に総括すると、以下のようになります。
米国は北朝鮮の核武装、特に核弾頭の長距離弾道ミサイルへの装備をなんとしてでも防ぐべきだ。だがこれまでの交渉も対話も圧力も制裁も効果がなかった。いまや北朝鮮の核武装を実際に非軍事的な手段で阻止できる力を持つのは中国だけである。
その中国がいま最も恐れるのは日本の核武装だ。だから日本の核武装というシナリオを中国に提示すれば、中国は北朝鮮の核武装を真剣になって止めるだろう。
その一方、北朝鮮が核兵器の保有国として国際的にも認知されるようになると、日本側で核武装への動きが起きかねない。米国政府は核拡散防止条約(NPT)の主唱者でもあり、日本の核兵器保有には反対だが、北の核武装が公然たる現実となった場合には、日本が核を持つ可能性も改めて米側で論議すべきだろう。
この時からすでに2年数ヶ月が過ぎ、北の核武装はまさに公然たる現実となっています。

第三に、以前にもこのブログに掲載した、バイデン副大統領によるヒラリー大統領候補に対する応援演説の中における発言内容です。これに関しては、以前このブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
<米国>バイデン副大統領「日本国憲法、米が書いた」―【私の論評】米国は場合によっては、日本の戦術核を容認する用意がある(゚д゚)!
8月15日にクリントン氏の応援演説をするバイデン副大統領
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部引用します。
バイデン氏はトランプ氏を「事実から学ぼうとしていない」と批判した上で、日本国憲法の話題に触れた。トランプ氏が今春、日本や韓国の核武装を容認する発言をしたことを念頭に置いたとみられ、「(トランプ氏は)学校で習わなかったのだろうか? 彼に(大統領として)核兵器発射コードを知る資格はない」とも非難し、会場は笑いに包まれた。 
バイデン氏は今年6月、米公共テレビ(PBS)のインタビューで、中国の習近平国家主席に対して北朝鮮の核開発阻止で協力を求める中で、「日本は事実上、一夜で核兵器を製造する能力がある」と伝えたことを明らかにしている。
・・・・・・・・・・・・・ 
中国が北朝鮮を懐柔することができずに、北朝鮮がこのまま核兵器の開発を続け、ICBMやSLBMの開発に成功して、米全土を核兵器の標的に収めることができるようになったとしたら、米国にとっては脅威ですし、そうなれば、米国としてもこれに対する備えをしなければなりません。 
これに対して、無論自らも備えるでしょうが、日本にも備えてもらえれば、より強固なものになります。米国からすれば、日本が米国も標的になるような核兵器ではなく、米国が標的にならないような短距離の核兵器を装備すれば、ベストでしょう。

さて、日本国憲法に関しては、バイデン副大統領が主張するように、事実上米国側が起草したものであることは周知の事実です。そうして、アメリカ議会は、すでに数年前から、日本憲法の改憲派が多数派になっています。
この記事では、おそらく米国は戦略核ではなく戦術核だけを容認することになるであろうことも指摘しました。

 第四に、日本に数万人単位のスパイを送り込んで、日本の情報に精通している中国は日本の核武装を懸念しているのは明らかです。

それについても、このブログで以前掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
中国人民解放軍内部文書「日本は2000発の核弾頭製造可能」―【私の論評】日本の核武装の意図は、それだけで外交カードになる(゚д゚)!

詳細は、この記事をご覧いただくもとして、以下に一部を引用します。
 日本では原子力発電所の稼働によって、核兵器を製造するための原料であるウランやプルトニウムといった核物質を豊富に保有している。同時に、核兵器を持たない国のなかでは唯一、ウランの濃縮や使用済み燃料の再処理によるプルトニウムの製造技術といった、核兵器に転用可能な核物質を製造する一連の技術も保有する。それゆえ、日本は「2000発の核弾頭を製造できる」とし、それも「短期間で」と付け加えている。 
 さらに、文書は日本の核兵器製造をめぐる歴史的経緯や政治・経済動向、科学的な裏付け、日本の核武装正当化のための国際関係や領土問題に加え、日本の核武装を阻止するための中国の対応についても詳しく解説している。
この記事では、中国の海軍も、空軍も日本の自衛隊と比較すると実質的にかなり劣勢であり、唯一日本より優れているのは核武装のみであることを掲載しました。その中国からすれば、日本の核武装はかなりの脅威です。

日本の核武装は、中国、北朝鮮にとってかなりの脅威です。彼らからすれば、自分たちは核兵器を保有しているのに、日本は保有しておらず、米国の傘に守ってもらっている日本を見下し、オバマ大統領は、世界の警察官をやめることを宣言したので、最終的には自分たちの勝ちであると考えていたでしょう。

ところが、そこにきて、日本が核武装ということにでもなれば、彼らの核戦略どころか、国家戦略そのものが根底からくつがえされることになります。

これら4つの点から私は日本が核武装する日もそう遠くはないのではないかと思っています。

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2016年10月10日月曜日

豊洲6000億円の移転費用、実は都民の負担はナシ!?―【私の論評】移転と、意思決定の問題とを分けて考えられない人は緊縮脳の恐れが(゚д゚)!

豊洲6000億円の移転費用、実は都民の負担はナシ!?

いったい誰が払うのかというと…

豊洲市場の水産仲卸売り場(2015年10月)
 移転費用と捻出、その内訳

築地市場の豊洲移転に関して、当初4000億円とされていたはずが、すでに6000億円もの「巨額」の事業費が投入されていることが発覚し、話題になっている。さらにここにきて、小池都知事が移転延期を表明したため、費用はさらに膨らむという報道もある。

この莫大な額をいったい誰が払うのか。都民が負担を強いられることはないのだろうか。

'13年1月の段階では「4500億円」と試算されていた移転費用。もともとこれは「中央卸売市場会計」のこれまでの蓄えである余剰金から2400億円、国庫交付金から100億円を捻出し、残り2000億円は築地市場跡の売却の一部を充てるという算段だった。

ここで登場する「中央卸売市場会計」とは、築地市場を含めて11の中央卸売市場の決算をとりまとめているもの。「独立採算制」を原則として運営されていて、都の一般会計から独立したおカネとして扱われる。

その中央卸売市場会計の平成26年度決算を見ると、まずは収益のメインは市場利用者から徴収した施設使用料で、この総収益は約187億円に達する。ここから人件費、物件費などのコストを引いて計算すると、経常利益は約1億円の黒字となる。

次に貸借対照表を見てみると、保有する資産の総額は7705億円。対して負債は2676億円、資本金4261億円、剰余金は768億円。損益状況と財務状況に問題がないことがわかるが、一方であまりにも巨額の移転費用を単独で賄い切れるほどの「余裕」はないことも見えてくる。

 実は都民の負担はなし!?

築地市場の一コマ
それではやはり、6000億円に膨らんだ事業費を捻出するために「都民の追加負担」が必要になってくるかというと、実はそうでもない。

というのも、現在の計画では築地市場跡地の売却収入が2000億円しか組み込まれていないからだ。これは公示地価をもとに都が弾いた跡地の価値3500億円の一部にすぎない。

そもそも、一般的に公示地価は実勢価格より低くなる。また、最近の地価の上昇傾向も踏まえると、築地市場跡地の実勢価格は、5000億円以上とも言われている。つまりはこれで財源は賄えてしまう。

ちなみに、中央卸売市場会計には、都の一般会計から補助金19億円が、「営業外収益」のなかに投入されている。ただこれは中央卸売市場の事業拡充のための補填であって、税金を移転費用に回す目的で入れられているわけではない。

もっと言えば、この規模の補助金を貰っている事業は他にもある。例えば都営地下鉄や都バスも、同様に独立採算制を取っている。地下鉄は東京都交通局の高速電車事業会計、都バスは交通事業会計として扱われる。そして平成26年度決算を見ると、地下鉄には25億円、都バスには12億円の補助金が入っている。

豊洲移転では、様々な問題が世間を騒がせているが、経済面で見れば、「即刻移転」の選択肢がベストだ。今のうちに早く移転を完了させれば、都民の追加コストはない。ただし、延期すればするほど、業者の維持費用がかさんでいく。

老朽化した築地市場よりも、新しい豊洲市場のほうが清潔。だからその安全性を証明でき次第、一刻も早く移転させたほうがいい。

『週刊現代』2016年10月15・22日号より

【私の論評】豊洲移転と、意思決定の問題とを分けて考えられない人は緊縮脳の恐れが(゚д゚)!

上の記事、もっともだと思います。以前も豊洲市場については、盛り土が勝手に決められていたという都庁の意思決定の問題と、豊洲移転は全く別個に考えて、豊洲移転ははやめに実行すべきであることを掲載しました。

その記事のリンクを以下に掲載します。
豊洲盛り土問題の真相〜マスコミには高校化学の知識もないのか…―【私の論評】豊洲は安全、早期に移転しないと意味がなくなる(゚д゚)!
豊洲市場
詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この記事では、今や老朽化した築地市場よりも豊洲市場のほうがよほど安全であり、なるべく早期に移転すべきであると主張しました。

「盛り土」をしないで、ピットにした事自体については、危険でも何でもなく、むしろ良い発想であり、予定どおりに盛り土されていないということと、豊洲移転とを結びつけて、この問題が解決しないければ、豊洲移転もできないという考え方は、非常に奇異ですらあるといえます。

そうして、以前の別のブログ記事ではでは、「盛り土」しないという意思決定に関して他の事例を出して以下のような解説をしました。これは、地方自治体の意思決定のいい加減さの事例として出したものです。
それは、私が学生の時に、シンクタンクのバイトである人口10万程度の地方都市の新しい下水道の設置をするために積算をしているときに発覚しました。

私は概算を積算したのですが、どうしても市で算出した積算とは数値がかけ離れていました。私の概算のほうが何度計算しなおしても、大きい数字が出るのです。概算であっても数値にあまりの差がありました。これは自分が計算間違いをしているのかもしれないと思い、そのことをシンクタンクの主任研究員に報告したところ、概算そのものは間違いがないようなので、現地調査に行くことになりました。
しかし、その原因は現地調査をするまでもなく、その地方都市の市役所で調べたところすぐに判明しました。何と、その積算は、現在の当該市の人口が変わらぬものというか、そもそもそのようなことは全く考慮に入れず計算したものだったのです。

当時は、今と違って、その地方都市は宅地開発などが盛んで、人口が増えていました。下水道も当然のことながら、人口増を念頭に入れて積算しなければなりません。それをしないと、下水道のキャパシティが不足して、すぐに追加工事が必要となるという事態になったことでしょう。

そうして、驚いたことに、その計算をした人は、その年に高校を卒業したばかりの新人であったことが判明しました。その新人に単純に計算の仕方を教えて、でてきた計算結果について特に調べもせずに、土木課長が押印し、その上の上司の部長もこれも何も調べもせす押印していたのです。

土木課長とはいっても、たまたまそこに配置されて、土木の仕事をしているというわけで、専門家でも何でもないので、こういうことになったのかもしれません。地方自治体には、人材が不足しているので、こうなったのかもしれません。それなら、それなりのやり方というものがあると思うのですが、どうもそうはなっていないようです。 
私はこの時初めて市役所などの地方自治体の仕事は、結構いい加減なことを知ったわけです。そうして、私は他のシンクタンクでもバイトをしたのですが、そのときにも似たような話をいくつか聴きました。本当に、その当時は、それらのことに憤りを感じたものです。その憤りは今でも、感じます。積算間違いは一歩間違えば、事故を誘発します。 
このような傾向はおそらく、この地方都市だけに限らず、他の都市でもあったし、今でもあるのかもしれません。ただし、現在なら少子高齢化の傾向ですから、このようなことがあっても問題にはならないだけなのかもしれません。
地方自治体においては、このようなことは良くあることなのでしょう。結局、土木課長とか、さらにその上の部長の肩書を持つ人も、土木の専門家でも何でもないので、良くりかいできず、めくら判をおしていたということです。

そうして、東京都庁でも、同じようなことが行われていたのでしょう。東京都は、図体は大きいのですが、やはり地方自治体の悪い面が豊洲移転問題にも出てしまったのでしょう。

しかし、意思決定の手続きの問題と、豊洲の安全性や、移転などとはやはり分けるべきでしょう。移転はなるべくはやくすすめて、意思決定の手続きの問題はそれとは分けて徹底的に原因を究明し、二度と同じようなことが起こらないように、意思決定のシステムを構築しなおすべきでしょう。

意思決定の問題はなおざりはできないが・・・・・・
さて、この件については、意思決定とか安全性の問題のほかに、さらに根深いものがあるような気がします。

これは、オリンピックの問題に関して考えると、合点がいきます。様々な施設に関して、経費がかかり過ぎであることが問題になっています。

確かに、経費のかかりすぎは問題ですが、何やら最近では、国や都の財政でも、とにかく緊縮するのが絶対善であるかのような風潮です。このような人たちは、頭が緊縮にとりつかれて、脳が緊縮脳とでも形容すべき状態になっているのでないでしょうか。豊洲やオリンピックの問題に関しては、やはりこうした風潮が影響しているのではないかと思います。

とにかく、あまりにも長い間デフレが続いしまったため、家計においては何でも節約するのが善であり、それはデフレ防衛のためには、当然のことなのですが、国や都の財政にまで、それが当然というか絶対善であるかのような考えの人が多いです。特に、マスコミの報道ぶりにそのような考えがありありと透けて見えます。

マスコミや、国民が無自覚にデフレ政策を求めてるような風潮があります。 概算要求の記事などでも「もっと歳出をカットしろ」「借金するなバカ野郎」のような内容が飛び交うのが定番のようになっています。
 
需要不足のデフレ下で需要抑制策の緊縮財政を行ったら逆効果なのに、そんなこともわからない人が多いようです。無論、政府や都が際限なく公共工事を行なうといっても限界があり、その限界を超えてしまえば、公共工事の供給制約が発生してしまうとか、クラウディング・アウトが生じてしまう負の側面はあります。

しかし、バランスをとって実行すれば、それは悪いことではありません。さらに、緊縮の反対の積極財政の方法は他にも、減税や給付金などもあります。 にもかかわらず、未だに緊縮財政=絶対善、果ては金融引き締め=絶対善だと信じて疑わないようなマスコミや多くの国民が存在することに辟易とすることがあります。こういう人たちは、国や都の財政をあたかも個人の懐具合のように考えていて、国や都が大量の資金を投じて何かを行えば、そのお金は世の中からきえしまうと思い込んでいるのではないかとさえ、思ってしまうことがあります。 

国の借金という妄想に取り憑かれた、緊縮脳の人が未だに大勢いることが信じられません。以下に政府の連結バランスシートを掲載します。


このようなバランスシートをみると、したり顔で、確かに国は多くの資産を持っているが、その資産が売れなければ、意味がないなどと語る愚かな人もいます。しかし、日本国の資産の7割は金融資産です。これを真っ向から否定して、増税すべきなどという酷い緊縮脳の人も多いです。

これも、20年前くらいならメディアの偏向報道という言い訳にできたでしょうが、ネットが普及した今では、そうとばかりはいえなくなってきていると思います。日本にも、反緊縮サイトは結構あります。なのに多くの人は学ぼうともしないし知ろうとしもしなようです。既存大手メディアは、財務省や日銀などの発表を吟味することもなく垂れ流しデタラメなニュースを発信し、それを鵜呑みにしてしまう人が何と多いことか。

自分達の無知を棚上げして安倍自民党を批判してる姿に腹立たしさすら感じることがあります。 選挙を通じて緊縮財政派や半金融緩和派を国会に送り込んでるのは誰なのか、公共事業を批判してデフレを固定化させたいのは誰なのか。 世論調査で赤字国債発行に猛反対して政治家から選択肢を奪ってるのは誰なんだといいたいです。

豊洲の問題や、オリンピックの問題にしても、その背後に緊縮脳がかなり影響しているものと思います。

特に、安全性と意思決定の問題を全く分けて考えることができない人は、緊縮脳におかされている可能性が大だと思います。

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2016年10月9日日曜日

本日は余市町と仁木町に行ってきました―「マッサン」の余市蒸留所と、仁木町山田園でフルーツ狩り

余市町、仁木町とはいっても、北海道外の方は知らない方もいらっしゃると思いますので、以下にまずは地図を掲載します。



札幌市中心部から、余市町までは車で、札樽自動車道、国道5号線経由で1 時間 15 分。JR札幌駅から、余市駅までは、1時間半くらいでいけます。私は、今回余市でウィスキーをいただく予定だったので、JRで行きました。

以下に、余市町と仁木町の写真を掲載させていただきます。

まずは余市町の写真です。余市町は、最近では、NHKの朝ドラ「マッサン」で有名になりましたから、ご存知の方も多いと思います。今回は、余市はニッカの余市蒸溜所に行きました。余市蒸留所は余市駅から、歩いて数分のところにあります。駅の正面から、余市蒸溜所の正門が見えます。

まずは、蒸溜所の見取り図を掲載しておきます。

ニッカウイスキー余市蒸溜所の正門
以下蒸溜所内の写真を掲載します。




下の写真は、ニッカ会館の二階です。ここでウイスキーやニッカでだしている、清涼飲料水などの試飲ができます。無論無料です。ここで、若干注意点を説明させていただきます。ここでは、無料ですが、種類はウイスキーの種類は限られています。

ウイスキー博物館にも、バーカウンターがあってここでも試飲をしていますが、ここは有料です。しかし、自分の好みで結構種類のあるウィスキーから自分で選んで試飲することができます。私は、20年物のシングルモルト竹鶴をいただきました。価格は、ハーフショットで350円でした。

特に、ウイスキーにこだわりがないというかた、ニッカ会館の二階でいただくと無料なので、こちらで十分かもしれません。



さて、私はウイスキー博物館で、一杯、ニッカ会館の二階では二杯いただきました。結構ほろよいになりました。

最後に売店ノースランドでウィスキーを購入しました。余市蒸溜所限定販売のシングル・モルト余市「シェリー&スウィート」を購入しました。これは、500mlで6千円以上もしましたが、少し酔った勢いで購入してしまいました。

しかし、帰って飲んでみると、まずは香りの良さと、深い味わいに感動し、購入して良かったと思いました。

さて、ここからは、JRは1時間に一本しかないので、タクシーで仁木町の「フルーツパークにき」に向かいました。仁木町の観光資源はなんといっても観光農園なので、以下に観光農園の地図を掲載します。

クリックすると拡大します

余市から、「フルーツパークにき」までは時間は15分くらいで、タクシー代は2000円未満でした。

フルーツパークにき

この施設は、フルーツの温室があり、仁木町では栽培できない南の地方のフルーツの木がみられます。また、レストランがあります。仁木町産の果物も販売しています。夏場は売店もあって、アイスクリームやドリンク類も売っています。

私は、まずはレストランで食事をしました。私は酢豚定食があったのでそれにしました。お値段は千円ちょっとで、結構美味しかったです。そのほか、ラーメンやそばパスタや他のメニューもあり、結構メニューは豊富でした。特に海産物の美味しいのをというのであれば、余市で食事をしたほうが良いと思いますが、特にそうではなくて、いろいろなメニューの中から選んで食べたいというのなら、ここは選択肢の一つに入れておくべきと思います。

少し逆光気味でわかりにくいですが、枇杷の木です。オレンジ色の実がなっています
階段で2階に登って2階から同じ枇杷の木をみおろしたところです
一番手前の鉢植えは「すだち」です。緑の小さな実がなっています
食事が終わって、館内をひととおり見た後は、「フルーツパークにき」から歩いて数分の「くだもの公園山田園」に行って、フルーツ狩りを楽しみました。確か800円で食べ放題だったと思います。今の時期だと、ブドウとブルーンなどです。この時期だとりんごもありますが、山田園にはありませんでした。

以下にその時の写真を掲載します。

左の緑色の屋根の建物が山田園の果物狩りの受付になっています
プルーンの実です。他にも赤っぽいのがありました。
葡萄の実です。他にも、緑色のもあって、全部で種類は三四種類くらいありました
今回は、行きませんでしたが、余市には美味しいお寿司屋や、安くてかなり質の良い海産物の商店もあります。柿崎商店はおすすめです。1階では、海産物が信じられないくらい良質で低価格の海産物が販売されています。2階が海鮮工房(レストラン)になっています。その他、町内には海鮮の店やレストランも多くあります。グルメ志向の人には意外なと穴だと思います。


何よりも都会の喧騒を離れて、本当に静かなところで、フルーツ狩りをしてたっぷり甘いフルーツを食べることができました。ウィスキーも美味しくいただけました。

北海道内の方でも、まだ行っていない人は行って行ってみてはいかがでしょうか。北海道外の人にとっては、ここはメジャーな観光地ではないので、意外と穴場かもしれません。特に余市は今回は行きませんでしたが、魚介類は安くて美味しいです。

2016年10月8日土曜日

新聞テレビが絶対に報道しない「自分たちのスーパー既得権」―【私の論評】次世代のメディアの主役は新聞・テレビでないことだけは確か(゚д゚)!

新聞テレビが絶対に報道しない「自分たちのスーパー既得権」

だから日本の報道は「左巻き」になる
髙橋 洋一
 

東陶の新聞紙風トイレットペーパー。最近は便所紙にしかならないような新聞が増えてきた?

本サイトで連載中の高橋洋一・嘉悦大学教授が、このたび『これが世界と日本経済の真実だ』を上梓した。アメリカ大統領選挙やアベノミクス、さらには安全保障、格差社会、原発問題といった世界と日本の政治経済のニュースについて、お馴染みの高橋節が炸裂している。

本書の最大のテーマのひとつが、日本の報道はなぜ「左巻き(左派)」になってしまうのか、ということだ。今回、刊行を記念して、日本のメデイアの問題点を指摘したパートを特別公開!

 「日刊新聞紙法」をご存じか?

「左巻き」の人々は、どうしてウソのニュースを報道したり、間違った知識で議論をしてしまうのだろうか。

メディア関係者や、公務員、教員、大学教授などはそれぞれマスコミ、役所、学校、大学という既得権にまみれた環境に安住している。日々厳しいビジネスの世界で緊張感ある働き方をしていれば、どうやって儲けて、いかに生きていこうか必死になるはずだが、そういった切迫した危機感がない状況だから、左巻きの考え方をしていても平気でいられるのだ。

マスコミの中でも、新聞はとくに左巻きがのさばっているメディアだ。そうして的はずれな記事を平然と報道している。

新聞の報道が嘘八百になる原因が4つある。まずは、日刊新聞紙法という法律だ。もう1つは再販規制。そして3番目は最近新たに生まれた軽減税率だ。この3つで新聞はすべて守られている。

それにプラスして、これは実体の話だが、新聞社屋のための国有地の売却という問題が絡んでくる。日本の新聞社の多くが、総務省から国有地を安く払い下げてもらって、社屋をそこに建設している。ある種の優遇措置を受けてきたと言っていい。大手町や築地、竹橋などの一等地に新聞社が立ち並んでいるのには、そのような理由があるのだ。

ここから、新聞を既得権まみれとしている法律について見ていこう。

まず日刊新聞紙法というのはどういう法律か。すごく変わっている法律で、実は世界にこんな法律は日本にしかない。ポイントは、新聞社は全国紙のすべてが株式会社で、地方紙も株式会社が多いのだが、その「株主が誰か」ということだ。

商法の大原則だが、株式というのは譲渡制限がない。これは株式会社の株式会社たるゆえんと言える。譲渡制限がないからどんな時にもオーナーが代わり得る。この「オーナーが代わり得る」ということが重要だ。

要するにオーナーはのうのうと安住できないということだ。そうすることで会社の緊張感が保たれ、きちんとした経営をするということになる。

しかし新聞社の株式は、日刊新聞紙法によってなんと譲渡制限が設けられているのだ。

制限があるとどうなるか。

たとえば朝日新聞を例にとってみよう。朝日新聞は、村山家と上野家が代々ずっとオーナーとして存在する企業だ。株式の譲渡が制限されているのだからオーナーが代わることがない。このように完全に経営者が代わらないと、オーナーがどんな意見を言うか言わないかで、経営方針をはじめとする会社のすべてのことが決まってしまう。

ただし、新聞社のオーナーは現場に意見を言わないケースがほとんどだ。するとどうなるかというと、現場の社長が経営のすべてを握ってしまう。そうして、絶対にクビにならない社長になるというわけだ。

もう1つの例として、読売新聞を見てみよう。渡邉恒雄代表取締役兼主筆がなぜ、あれだけの権力を持ち続けられるか考えてみて欲しい。読売は従業員持ち株会もあるのだが、結局会社はオーナーのものだ。

 そして新聞社が「既得権益集団」になる

株式が譲渡されない安泰な経営のなかで、オーナーが口出しをすることがないので経営陣にはなんのプレッシャーもかからない。そうして経営トップが大きな顔し続けることになる。

日経新聞などは企業の不祥事を追求する記事で「コーポレートガバナンスが重要」とよく書いているが、自分の会社が一番コーポレートガバナンスが利かないのだ。なぜなら、株式の譲渡制限があるからだ。それではガバナンスなど効きようがない。

新聞社の株式が譲渡されないということは、つまり絶対に買収されない仕組みになっているということだ。さらに、その新聞社がテレビ局の株を持つ。朝日新聞ならテレビ朝日、読売新聞は日本テレビといった具合だ。そうすると、テレビも新聞社と同じようにまったくガバナンスが利かなくなる。

そうして新聞社を頂点として構成されたメディアは、既得権の塊になってしまう。

以上のような仕組みになっているため、一度新聞社の経営陣に加わってしまえば絶対安泰だ。クビになることはまずない。これは、他の業界では絶対にあり得ない既得権を守る規制なのだ。

新聞紙風デザインのビキ二

 一番ガバナンスがないのは、新聞社だった

世界基準で見てもこの日本のメディア構造は異常である。普通の国ではメディアも普通に買収される。経営者が代わることもあるので、これが会社としてメディアとしての緊張感につながるのだ。

たとえば2015年の11月に、日経新聞が米フィナンシャル・タイムズを買収したことは記憶に新しい。日経新聞が、米フィナンシャル・タイムズの親会社だった英ピアソンから株式を買収して自らのグループに組み込んだのだが、これはごく普通の企業買収と言える。しかし、日経新聞のほうは株式が譲渡できないから、決して買収されない仕組みになっている。

そんなものは商法違反でないか、と憤る人もいるかもしれない。この状態を商法の適用除外にしているのが「日刊新聞紙法」なのだ。

日刊新聞紙法はすごく短い法律で、正式には「日刊新聞紙の発行を目的とする株式会社の株式の譲渡の制限等に関する法律」という。名前に書いてあることがこの法律のすべてで、「株式は譲渡されない」ということしか書いていない。新聞の既得権の最大のものと言っていい。

普通に働いている人たちには馴染みがないが、新聞社に務める人間ならみんな知っている法律だ。

しかし、新聞社の人間でこのことを堂々と記事で書く人間はいない。新聞は企業の不祥事があった時に「コーポレートガバナンスができていない」「社内制度が悪い」などと書き連ねるが、一番ガバナンスができていないはその新聞社なのだ。記者も、それが分かっているから日刊新聞紙法について恥ずかしくて書けないのだろう。

この法律が、新聞社を堕落させていることに、記者も早く気がつくべきだ。自分だけ安泰な身分では、他者に厳しいことがいえるはずない。自分には甘く他者に厳しいのはありえない。言論で勝負する人は、やせ我慢が必要なのだ。

 テレビ局も既得権の塊

ここでテレビ局に話題を移したい。新聞社が子会社のテレビ局を支配しているという構造的な問題は、前段で触れたとおり。さらに、そのテレビ局が既得権化している理由は、地上波放送事業への新規参入が実質的に不可能になっていることにある。

総務省の認可を受けた場合にしかテレビ放送事業はできない。「放送法」によって免許制度になっているわけだが、このことがテレビ局を既得権まみれにしている最大の原因だ。

はっきり言おう。「電波オークション」をやらないことが、テレビの問題なのだ。電波オークションとは、電波の周波数帯の利用権を競争入札にかけることだ。

日本では電波オークションが行われないために、電波の権利のほとんどを、既存のメディアが取ってしまっている。たとえば、地上波のテレビ局が、CS放送でもBS放送でも3つも4つチャンネルを持ってしまっているのもそのためだ。

電波オークションをしないために利権がそのままになり、テレビ局はその恩典に与っている。テレビ局は「電波利用料を取られている」と主張するのだが、その額は数十億円程度といったところだ。もしオークションにかければ、現在のテレビ局が支払うべき電波利用料は2000億円から3000億円は下らないだろう。現在のテレビ局は、100分の1、数十分の1の費用で特権を手にしているのだ。

つまり、テレビ局からすると、絶対に電波オークションは避けたいわけだ。そのために、放送法・放送政策を管轄する総務省に働きかけることになる。

その総務省も、実際は電波オークションを実施したら、その分収入があるのは分かっているはずだ。それをしないのは、テレビ局は新規参入を防いで既得権を守るため、総務省は「ある目的」のために、互いに協力関係を結んでいるからだ。

 放送法の大問題

そこで出てくるのが「放送法」だ。昨今、政治によるメディアへの介入を問題視するニュースがよく流れているので、ご存じの方も多いだろう。話題の中心になるのが、放送法の4条。放送法4条とは以下の様な条文だ。

放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。

一  公安及び善良な風俗を害しないこと。
二  政治的に公平であること。
三  報道は事実をまげないですること。
四  意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。

これを根拠に、政府側は「放送法を守り、政治的に公平な報道を心がけよ」と言い、さらに電波法76条に基づく「停波」もあり得るというわけだ。

一方で左巻きの人々は、放送法4条は「倫理規範だ」とする。つまり、単なる道徳上の努力義務しかない、と反論をしている。

しかし、筆者から見ればなんともつまらない議論だ。

そもそも、世界ではそんな議論をしている国はない。「放送法を守れ」「これは倫理規範だ」なんてつまらない議論をするのではなく、「市場原理に任せ、自由競争をすればいい」だけの話なのだ。

電波オークションによって放送局が自由に参入して競争が起これば、質の高い報道や番組が生まれるはずなのだ。おかしなことを言っていたら人気がなくなるし、人気があれば視聴者を獲得しスポンサーも付く。そうやって放送局が淘汰されれば、放送法など必要ないはずだ。

繰り返すが、電波オークションをやると一番困るのは既存の放送局だ。だから、必死になって電波オークションが行われないように世論を誘導している。

総務省はその事情を知っているから、「放送法」をチラつかせる。「テレビの利権を守ってやっているのだから、放送法を守れよ」というわけだ。それはテレビ局も重々承知。言ってしまえば、マスコミは役所と持ちつ持たれつの関係になっている。

 マスコミをダメにする「悪魔の一手」

最近では右派の人たちが、左巻きのメディアに対して「放送法を守れ」と息巻いている。筆者からするとそれはつまらないやり方だ。言葉は悪いが、もしマスコミを「潰したい」のなら、電波オークションで新規参入させるよう促せばいい。

「放送法は守らなくてもいいから、電波オークションにして誰でも意見を発信できるようにしろ」と言えばいいのだ。そうなるのが、テレビ局にとっては一番痛い。

この電波オークションの問題は、当然ながらテレビ界ではタブーとされている。電波オークションについて必要性を語る論者は、テレビ局にとっては要注意人物。筆者もそのひとりだ。

もし地上波で「実は電波利用料は数十億しか払ってないけど、本当は3000億円払わなければいけないですよね」などと言おうものなら、テレビ局の人間はみんな真っ青になって、番組はその場で終わってしまうだろう。テレビでコメンテーターをしているジャーナリストも、その利権の恩恵に与っているので大きな声で指摘しない。

電波オークションをすれば、もちろん巨大な資本が参入してくるだろう。ソフトバンクなどの国内企業をはじめ、外国資本にも新規参入したいという企業はたくさんある。

既存のテレビ局は巨大な社屋やスタジオを所有しているが、これだけ映像技術が進歩している現在では、放送のための費用はそこまでかからない。今では、インターネット上で自由に放送しているメディアがたくさんあるのだからそれは明らかだ。

既存の放送局の権利を電波オークションで競り落とすと考えれば費用は膨大に思えるが、電波だけではなくインターネットを含めて考えれば、放送局そのものは何百局あってもかまわないのだから、新規参入するのに費用は数百億円もかかるものではない。

資本力がある企業が有利ではあるかもしれないが、技術が進歩しているために放送をする費用そのものはたいしたものでなないのだから、誰にでも門は開かれている。

多様な放送が可能になれば、どんな局が入ってきても関係がない。今は地上波キー局の数局だけが支配しているから、それぞれのテレビ局が異常なまでに影響力を強めている。影響力が強いから放送法を守れという議論にもなる。しかし放送局が何百もの数になれば影響力も分散され、全体で公平になる。そのほうが、健全な報道が期待できるだろう。

しかし、筆者などが「既得権をぶち壊そう」と提言すると、いつも激しい反発を食らう。マスコミや、教員、公務員の既得権を批判すると、すぐに左派の学者が出てきて共闘を始める。

経済問題への無知さ加減はもちろんだが、それにも増して、こういった既得権にまみれながら厚顔でいるところも、筆者が「左巻きはバカばかり」と言いたくなる理由だ。

【私の論評】次世代のメディアの主役は新聞・テレビでないことだけは確か(゚д゚)!

新聞は購読しない、テレビは視聴しないというのが、メディアにとっては一番こたえるでしょう。実際、私もそのようにしています。ニュースはネット(産経新聞・夕刊フジはiPad)で、テレビはHuluやアマゾンで見るという具合で、ほとんど新聞は購読せず、テレビを視聴しなくてもすみます。

2012年の朝日新聞に記載された記事によると、国民の75%が「最近のテレビ番組はつまらない」と回答しています。当時は、平日でも平均3時間半もテレビを見て、「世界に冠たるテレビ好き」と言われる日本人だったのですが、当時からテレビ番組に対する不満は年々高まっていました。

それにしても、新聞やテレビのようなメディアには、上の記事でも明らかなように、イノベーションなど起ることはないでしょうし、起すつもりもないでしょう。道理で、最近は新聞記事を読んでももテレビを見てもつまらないし、偏向していて馬鹿丸出しだし、まるでやる気というものが感じられません。
イノベーションを行なう組織こそが、これからの時代において主役になると
すれば、新聞・テレビなどのメディアは最早これからの時代の主役ではない
マネジメントの大家ドラッカー氏は、イノベーションについて、『マネジメント・フロンティア』で以下のように語っていました。
イノベーションに優れた企業は、イノベーションのための活動を厳しく管理する。創造性などという言葉を口にすることはない。創造性とは、イノベーションを行なわない企業が使う中身のない言葉である。(『マネジメント・フロンティア』)
ドラッカーは、イノベーションを職能の一つと見ることは間違いだといいます。イノベーションは、企業のあらゆる部門、職能、活動に及ぶものです。製造業だけのものでもないです。流通業におけるイノベーションは、製造業におけるのと同じように重要な役割を果たします。新聞や、テレビなどのメディアの世界でも同じことです。

イノベーションに優れた企業は、仕事と自己規律について語っています。それらの企業は、このプロジェクトを次に見直すべき段階はどこか、そのときまでにいかなる成果を期待すべきか、そしてそれはいつなのかを自ら問いかけています。

また、優れた企業は、ほぼ三年ごとに、すべての製品、工程、技術、サービス、市場を“裁判”にかけます。今あらためて始めるつもりのものばかりか、今後その製品やサービスを手がけるかも問いかけています。

それらの企業は、もはや生産的でないものを組織的に廃棄する仕組みを持っています。品質さえよければ、馬車用の鞭の市場がいつまでもあるなどとは考えません。イノベーションを仕事としてこなしています。
イノベーションに優れた企業は、人のつくったものは遅かれ早かれ、通常は早く陳腐化することを知っている。競争相手によって陳腐化させられるのを待たずに、自ら陳腐化させ、廃棄することを選ぶ。(『マネジメント・フロンティア』)
イノベーションは、ひらめきや思いつきではなく、体系的・組織的に過去を捨て去ることです。そうして、上には掲載されていませんが、ドラッカー氏はイノベーションの究極の目的は、社会を変えることだとしています。社会が何らかの形で変わらなければイノベーションとは呼べないのです。そういうことを考えると、新聞やテレビなどのメディアにはイノベーションは最初から無理だということです。

そもそも、日刊新聞紙法や、電波法などにより電波オークションもなく、手厚く守られているため、体系的・組織的に過去を捨て去る必要性がないのですから。

電波オークションについては、このブログでも以前掲載しました。その記事のリンクを以下に掲載します。
【突破する日本】「偏った」放送を繰り返すテレビ局に電波を独占させる必要はない―【私の論評】遅れた電波行政を正し、無線事業者の競争を促し新産業を興せ(゚д゚)!
テレビ朝日本社
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にこの記事の結論部分のみ掲載します。
現状のままの電波行政では、政権与党にとっても、国民とって一つも良いことはありません。日本でも、一日はやく「電波オークション」を導入すべきです。

そうして、せっかく導入するのでしたから、国民にとって良いサービスがどんどん生まれるような形で導入すべきと思います。これによって、今までには考えられなかったような、新産業の興隆を促すことも可能だと思います。

そうすれば、旧態依然として、偏向報道を繰り返すような、面白みも何もないようなテレビ曲など競争に負けて自然と淘汰されていくと思います。
新聞・テレビなどのメデイアは過去はいざしらず、イノベーションができない組織なのですから、これからの時代の主役ではないということです。これから、どんどん衰退していくことでしょう。

これからのメディアの主役になるのは、やはりネットであるということです。

いつの時代でも、メディアの持つ力は非常に大きく、技術が社会の中に取り込まれたとき、イノベーションが発生します。例えば、ー昔前まで、電話はプライベート空間に存在するものでした。しかし携帯電話の普及で、個人的な行為を外に持ち出すことになり、プライベートとパブリックの境目が変わったのです。

この変化に付随して、電車の中で化粧をする女性が出現しました。化粧というきわめて個人的な行為が外に持ち出されたのではないかと推測されます。このように、社会のあり方さえも変化させる力を持つのがメディアなのです。

電車で化粧す女性
メディアの変遷を振り返ると、1950年代までは活字や映画の時代でした。1964年の東京オリンピックに向け、一般家庭にもテレビが爆発的に普及し、テレビの時代がスタートしました。そして、1995年にはWindows95が発売され、同時期に高速インターネット回線の整備も国策として進められ、少しずつインターネットが姿を現します。そして現代は、一人に一台以上の携帯電話の普及が進み、FacebookやTwitter、LINEといったソーシャル・ネットワーキング・サービスが利用され、時代はインターネット全盛期を迎えています。


テレビというメディアは随分前から衰退しつつありましたが、それを強烈に意識させられたのは、東日本大震災のときでした。それまでテレビというメディアは、信頼できる存在として圧倒的な力を誇っていたのですが、「テレビは何かを隠しているのではないか」といった疑心暗鬼が人々の間に広がりました。

同時にインターネット上では、本質的な情報がやりとりされ、人々は「真実を知ることのできるツール」として、ネットに向かったのです。この同じ年(2011年)には地上デジタル放送がスタートし、テレビを見ない人を多数生み出しました。3・11と地上デジタル放送開始という2つの要素が、テレビの衰退を決定的にしたのです。


このような状況からすると、やはりネットが次世代のメデイア主役であることは間違いないです。

ネットの世界では、誰がどのようなニュースを発信しようが、誰がどのような動画を掲載しようが自由です。今までは、既存の新聞やテレビがネットでニュースや動画を配信したり、個人が出したりしていましたが、今後は多くの企業が参入してくることでしょう。

そうして、多くの企業が自由に競争し、イノベーションを巻き起こしていくことでしょう。その時に、既存のメディアは衰退していくでしょう。ただし、ある程度残ることは残るでしょう。おそらく、現在のラジオ局のような存在になることでしょう。そうして、メディアの主役の座はネットに譲ることになります。

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