2016年12月9日金曜日

蓮舫代表、醜悪ブーメラン直撃 首相相手に罵詈雑言連発の党首討論デビュー―【私の論評】パチンコ業界守護神の蓮舫民進党は風前の灯火(゚д゚)!

蓮舫代表、醜悪ブーメラン直撃 首相相手に罵詈雑言連発の党首討論デビュー

7日の党首討論で、安倍晋三首相への口汚い批判を繰り返した蓮舫民進党代表
民進党の蓮舫代表に、あきれ果てるブーメランが直撃した。初めて臨んだ7日の党首討論で、安倍晋三首相への口汚い批判を繰り返したうえ、何と「息をするようにウソをつく」などと言い放ったのだ。「二重国籍」問題で、国民にウソをつき続けたのは、一体誰なのか。ネット上では「おまいう」(=『お前が言うな』の略)という言葉が飛び交った。

まさに、「恥ずかしく」「哀れ」というしかない党首討論デビューだった。いつもの白いスーツで登壇した蓮舫氏は、カジノを中心とする統合型リゾート施設(IR)整備推進法案などをめぐり、感情むき出しの攻撃的な口調で安倍首相に噛み付いた。

「議論の前提となる質問は間違いだらけ」と指摘した新聞もあるが、蓮舫氏は国民の反感を買いそうな、次のような暴言を放った。

安倍首相が10月の国会答弁で「強行採決をしようと考えたことはない」と述べたことを、「息をするようにウソをつく。昨年、安全保障法制を強行採決したじゃないですか!」と絶叫したのだ。



蓮舫氏は「二重国籍」問題で、説明を二転三転させた。疑惑が指摘された直後、テレビ番組で「(台湾)籍は抜いている」「私は生まれたときから日本人です」と公言したが、新聞や雑誌のインタビューで「父は台湾で、私は二重国籍なんです」「在日の中国国籍の者としてアジアからの視点にこだわりたい」などと発言していたことが次々と発覚した。
その後、「二重国籍」状態をやっと認め、台湾籍を抜いて日本国籍選択の宣言をしたというが、それを証明するための戸籍謄本の開示はかたくなに拒否している。

蓮舫氏は党首討論で「総理のその答えない力、逃げる力、ごまかす力、まさに“神って”います」と流行語大賞を持ち出して安倍首相を批判した。だが、国民にウソをつき、疑惑に「答えない力」、疑惑から「逃げる力」を発揮しているのは蓮舫氏ではないのか。

そもそも、約3年3カ月の民主党政権は、衆参の委員会で24回も「強行採決」を行っている。

これほど愚かな政党トップは見たことがない。

「二重国籍」問題を追及してきた徳島文理大学の八幡和郎教授は「蓮舫氏は言葉こそ激しいが、完全に空回りしている」といい、続けた。

「蓮舫氏は、記者会見で証拠開示を求められても『子供に影響がある』などと拒んでいる。一方で、テレビのバラエティー番組には子供を平気で出演させている。こうした対応は明らかにおかしい。安倍首相は、蓮舫氏が次の党首討論でも一方的に責め立ててくるなら、『国籍問題について証拠を開示して説明すべきだ』と逆襲してはどうか。国民もそれを望んでいるはずだ」

【私の論評】パチンコ業界守護神の蓮舫民進党は風前の灯火(゚д゚)!

上の記事で、八幡教授が語っている、テレビのバラエティー番組とは、おそらく金スマの11月18日のものであると思われます。その動画を以下に掲載します。


確かに、この時期にはすでに二重国籍問題などで、いろいろ騒がれているのに、バラエティー番組に子どもを平気で出演させています。どうも、これは一般的な日本人の感性ではほとんど理解不能です。

それにしても、国会とは不思議なところです。蓮舫氏のように罵倒を繰り返すような、人間が議員は愚か野党第一党の代表というのですから、本当に恐れ入ってしまいます。

「日本死ね」がユーキャンの今年の流行語大賞の譲位10位内に入り、山尾志桜里がいそいそとその授賞式にでかけ、受賞して満面の笑みを浮かべるような有様ですから、そもそもどこか頭のネジが狂っていて、最初からタガが外れているので、このようなことも仕方ないといえば、仕方ないのかもしれません。

カジノを中心とする統合型リゾート施設(IR)整備推進法案に関する蓮舫氏の安倍総理への批判は、そもそも全く反論にすらなっていません。

衆院内閣委員会は2日、カジノを含めた統合型リゾートの整備を政府に促す法案 (IR推進法案)を、自民党などの賛成多数で可決した。法案は6日に開かれる衆院本会議でも可決されました。

この法案は、いわゆる「プログラム法案」です。これは、特定の政策を実現するための今後の手順やスケジュールなどを規定した法律です。つまり、今回のいわゆるカジノ法案では、「これから、いろいろな法律改正をします」といっているだけで、カジノに関する実定法は何も決まっていないのです。

論より証拠として、まず、今回の法案をご覧になると良いと思います。テレビなどでの多くのコメンテーターが法案を読まずにものを言っているのは片腹痛いですが、実際の法案はふつう一般人には読める代物ではありません。ところが、このプログラム法案は、大雑把な今後のスケジュールなどしか書いていないので、多くの人に理解できるはずです。

カジノ法案は、衆議院のサイトに掲載されています。以下にそのリンクを掲載します。

http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g18901020.htm)。

この法案のポイントは、
第5条「政府は、次章の規定に基づき、特定複合観光施設区域の整備の推進を行うものとし、このために必要な措置を講ずるものとする。この場合において、必要となる法制上の措置については、この法律の施行後一年以内を目途として講じなければならない。」 
という点と、
第14条「特定複合観光施設区域の整備の推進を総合的かつ集中的に行うため、内閣に、特定複合観光施設区域整備推進本部(以下「本部」という。)を置く。」
です。

つまり、「政府は1年以内に法律を準備しなさい、推進本部を作りなさい」と言っているのにすぎません。

こうしたプログラム法に対して、蓮舫氏を含めた反対論者は、ギャンブルを正当行為によって解禁するのに、ギャンブル依存症問題、青少年への影響、暴力団対策、マネーロンダリングなどの対応策がないのは問題であるといっています。

それにしても、このようなブログラム法の段階でかくも執拗に反対をするというのは裏に何かありそうです。

蓮舫氏は、党首討論の冒頭で、ギャンブル依存症の弊害を生々しく語っていますが、この日本では未だカジノは合法化されておらず、ギャンブル依存症の弊害とは今の日本では発ンコが原因であることがほとんどです。しかし、蓮舫氏はパチンコについては一切述べませんでした。これは、本当にかなりの矛盾です。

これは、背後にパチンコ業界が絡んでいるとしか思えません。

パチンコ業界といえば、犯罪の予防という名目によって、全国管区警察局長ごとに天下りの「縄張り」が決められ、警察官僚の天下り利権となっています。パチンコは実質的には「民間賭博」ですが、法的には風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)で規制されており、「警察の所管」という形になっています。

もっとも、このようなシステムのために、パチンコ店は景品を出し、パチンコ店のすぐそばの景品交換所でその景品をおカネに交換するという、刑法賭博罪的にグレーな運営方法が採られています。

これに対して、カジノ法案では、パチンコのようなグレーな方法でなく、カジノを真っ正面から健全娯楽と位置づけようとしていす。カジノ法案が成立すると、パチンコはどうなのか、といる議論も予想されますが、それが警察官僚には鬱陶しいのでしょう。

パチンコは大きな産業ですが、経営者の出身はその多くが韓国、北朝鮮であり、日本系は少数といわれています。また、パチンコは脱税の多い業種です。毎年国税庁から公表される「法人税等の調査事績の概要」をみると、法人税の不正発見割合では毎年上位になっています。

現在の日本のパチンコ業界は、この際カジノに乗ってビジネスチャンスにしようという人と、カジノをつぶしてパチンコを守ろうという人と二分化されているのでしょう。それが、カジノ推進派と反対派の背景になっているのだと考えられます。

マスコミは、カジノ推進派はカジノ経済効果を主張し、カジノ反対派がカジノの弊害を強調するという構図で報道していますが、根っこには、パチンコ業界内部のカジノ推進とカジノ反対が関係しているのでしょう。

これは、パチンコをどのように理解するかという本質的な問題になってくると思います。厚労省の調査によれば、日本人の成人の4.8%がギャンブル依存症とされています。これは、米国1.6%、香港1.8%、韓国0.8%と比較して高いです。実質上の賭博であるパチンコが身近であることが、海外より数値が高い理由です。


法的にはパチンコは賭博でない、となし崩し的に扱われているのにも違和感があります。世界中で試みられているのは、ギャンブルを街中から隔離し管理して国民を守るというスタンスです。ギャンブルがなくなれば、それにこしたことはないでしょうが、それができないので、次善の策が必要になります。カジノはその流れです。

もしカジノを作り、そこへの誘導策を同時に実施すれば、街中のパチンコ屋は一気に衰退することでしょう。そして、カジノは140ヵ国で認められた世界標準なので、外国人観光客も引き寄せて、大きな経済効果が出ることになります。

カジノをきっかけにして統一的なギャンブル規制法ができればベストですし、その中で依存症対策などでマイナス面を減少させ、経済効果を最大化するという発想が必要です。

いずれにしても、今よりマシなギャンブルの規制作りをするためには、今回のカジノのプログラム法案は好都合です。にもかかわらず、カジノ法案を審議拒否したら、今のパチンコの問題を放置することになってしまうでしょう。それは、結果として、世界から異様に思われている「街中に事実のギャンブルがある状態」を擁護することになってしまいます。

責任ある野党というのは、「カジノ反対!」と口でいうばかりではなく、カジノで指摘される負の影響としてのギャンブル依存症問題、青少年への影響、暴力団対策、マネーロンダリングなどの対応策などで、政府案を凌ぎ、国民に喝采されるものを国民に提示することではないか。そうして、パチンコもギャンブルとみなし、規制を強めるなどの措置をすべきです。

パチンコといえぱ、このブログでも随分前に非常に不可解であることを掲載しまています。その記事のリンクを以下に掲載します。
「自販機、パチンコやめちまえ」 石原都知事の発言が大反響―【私の論評】両方とも必要ない!!
この記事は、2011年4月12日のものです。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部分を引用します。

当時の石原東京都知事
4選を果たした石原慎太郎東京都知事(78)が、自販機やパチンコの電力消費ぶりをぶった切り、ネット上で絶賛する声などが相次いでいる。一方、両業界では、節電に努めていると反論しており、困惑している様子だ。 
選挙戦最終日の2011年4月9日、やっと始めた街頭演説で石原節がさく裂した。
「自動販売機なんてやめちまえ。コンビニで買って家で冷やせばいいじゃない」 
「パチンコはジャラジャラと音を立てるために電気を煌々とつけるのは、世界中で日本だけだ」
パチンコに関しては、カジノのように限らた場所ではなく、商業地区など人の大勢いるようなところでの賭博ということで、多くの人は感覚が麻痺して、パチンコが賭博であることをあまり意識しないようにさえなっています。

この記事では、その他に、パチンコチェーンストア協会の政治分野アドバイザーの当時の名簿も掲載しました。

政治分野アドバイザー
2011年3月31日 現在
氏名政党議院選挙区所属
羽田 孜民主党衆議院長野3区元首相、党最高顧問、
娯楽産業健全育成研究会名誉顧問
鹿野 道彦民主党衆議院山形1区党副代表
古賀 一成民主党衆議院比例九州娯楽産業健全育成研究会会長
小沢 鋭仁民主党衆議院山梨1区娯楽産業健全育成研究会会員
池田 元久民主党衆議院神奈川6区
古川 元久民主党衆議院愛知2区娯楽産業健全育成研究会常任幹事
山田 正彦民主党衆議院長崎3区娯楽産業健全育成研究会副会長
中川 正春民主党衆議院三重2区娯楽産業健全育成研究会会員
海江田 万里民主党衆議院東京1区
小林 興起民主党衆議院比例東京
山岡 賢次民主党衆議院栃木4区
牧 義夫民主党衆議院愛知4区娯楽産業健全育成研究会事務局長
松野 頼久民主党衆議院熊本1区
中山 義活民主党衆議院東京2区
生方 幸夫民主党衆議院千葉6区
吉田 公一民主党衆議院比例東京
鈴木 克昌民主党衆議院愛知14区娯楽産業健全育成研究会常任幹事
松宮 勲民主党衆議院福井3区
下条 みつ民主党衆議院長野2区
樋高 剛民主党衆議院神奈川18区民主党副幹事長
北神 圭朗民主党衆議院京都4区
辻 恵民主党衆議院大阪17区
石井 登志郎民主党衆議院兵庫7区
坂口 岳洋民主党衆議院山梨2区
黒田 雄民主党衆議院千葉2区
大西 孝典民主党衆議院奈良4区
斎藤 やすのり民主党衆議院宮城2区
萩原 仁民主党衆議院大阪2区
小川 勝也民主党参議院北海道娯楽産業健全育成研究会常任幹事
羽田 雄一郎民主党参議院長野県
岩本 司民主党参議院福岡県娯楽産業健全育成研究会幹事
前田 武志民主党参議院比例区娯楽産業健全育成研究会副会長
増子 輝彦民主党参議院福島県
柳澤 光美民主党参議院比例区娯楽産業健全育成研究会会員
石井 一民主党参議院比例区娯楽産業健全育成研究会名誉会長
水戸 将史民主党参議院神奈川県
室井 邦彦民主党参議院比例区
民主党 計37名 
中川 秀直自民党衆議院広島4区
山本 有二自民党衆議院高知3区遊技業振興議員連盟、カジノ議連
野田 聖子自民党衆議院比例東海
木村 太郎自民党衆議院青森4区遊技業振興議員連盟
岩屋 毅自民党衆議院比例九州カジノ議連事務局長
田中 和徳自民党衆議院比例南関東遊技業振興議員連盟幹事
後藤田 正純自民党衆議院徳島3区遊技業振興議員連盟、カジノ議連
髙木 毅自民党衆議院福井3区
松浪 健太自民党衆議院比例近畿
坂本 哲志自民党衆議院熊本3区
伊達 忠一自民党参議院北海道区遊技業振興議員連盟
自民党 計11名 
高木 陽介公明党衆議院比例東京
漆原 良夫公明党衆議院比例北陸信越
富田 茂之公明党衆議院比例南関東
公明党 計3名 
鳩山 邦夫無所属衆議院福岡6区
中島 正純無所属衆議院大阪3区
無所属 計2名 
合計53名 

これに関しては、これだけの議員が名を連ねているというのは本当に異常です。特に民主党(現民進党)の政治家が多数名を連ねていることには驚きました。これに関しては、かなり世間の風当たりも強くなりました。私もことあるごとに、これに関してはブログなどでも指弾しました。

そのためでしょうか、政治分野アドバイザーなるものは名簿からはなくなりました。それは、以下のリンクから、パチンコチェーンストア協会のサイトをご覧いただければ、わかります。
http://www.pcsa.jp/member.htm
しかし、サイトから名簿は消えたものの、多くの政治家がパチンコチェーン協会と関係があったし、現在もあることは容易に想像できます。特に民主党とは関係が深いようです。

だかこそ、私も、蓮舫氏も民進党の他の議員も、ブログラム法に過ぎない「カジノ法案」について、大反対して、パチンコ業界を守ろうとしているとしか思えないのです。

自民党に関しても、パチンコ業界と関係のある議員もいるのだと思います。しかし、安倍総理はこのカジノ法案の先に、野放しになっているギャンブル・パチンコを何とかしたいと考えているのだと思います。

さて、このブログ記事には、パチンコの弊害などを示す動画も掲載しました。この動画現在も今でも見られます。その部分をこの記事から引用します。
パチンコ業界については、以前から疑問に思っていたので、YouTubeでも、以下のような興味深い動画を発見して、全部見ました。その説明と動画そのものを貼付けておきますので、皆さんも是非ご覧になってください。 
違法であり、射幸性などもたびたび問題視されながらも、一大娯楽産業として根付いてしまっているパチンコが、いかに日本の社会や個人の人生を蝕んでしまっているのか? そして、韓国では成し得たパチンコ全廃への動きが日本で見られない背景には何があるのか? 政界 及び 警察、メディアの癒着など、業界をめぐる実態を明らかにしておられるノンフィクション・ライターの若宮健氏とともに、パチンコ依存症で苦しんでおられる方や、業界の裏事情­に詳しい方へのインタビューなども交え、検証していきます。 
出演者若宮健(ノンフィクションライター)三輪和雄(「正論の会」代表・「日本世論の会」会長)水島総(日本文化チャンネル桜代表)高清水有子(皇室ジャーナリスト)





とにかく、カジノ法に反対する議員などで、パチンコにも反対するというのなら理解できますが、パチンコにはノータッチというのなら、パチンコ業界に利権があるものとされても致し方ないと思います。

カジノを中心とする統合型リゾート施設(IR)整備推進法案などをめぐり、感情むき出しの攻撃的な口調で安倍首相に噛み付いた蓮舫氏にはそうした裏があるものと見るべきです。

蓮舫代表は、党首討論の冒頭で、ギャンブル依存症の悲惨な症状について述べています。このギャンブル依存症の原因とは一体何なのでしょうか、現在の日本ではカジノは合法化されていません。非合法のカジノなどあったにしても、わずかです。これを考えると、蓮舫氏の言うギャンブル依存症とは、ほとんどがパチンコによるものであることは明らかです。

しかし、そのことは一切口に出さず、ただただカジノに反対するだけです。これでは、パチンコ業界の守護神蓮舫と呼ばれてもいたし方ないのではないでょうか。

それにしても、蓮舫氏、破滅型性格とでもいうのでしょうか、破滅への道をひた走っているしか見えません。

ブログ冒頭の記事で八幡氏は
「蓮舫氏は、記者会見で証拠開示を求められても『子供に影響がある』などと拒んでいる。一方で、テレビのバラエティー番組には子供を平気で出演させている。こうした対応は明らかにおかしい。安倍首相は、蓮舫氏が次の党首討論でも一方的に責め立ててくるなら、『国籍問題について証拠を開示して説明すべきだ』と逆襲してはどうか。国民もそれを望んでいるはずだ」
と主張しています。 しかし、それは当然安倍首相の腹積もりの中にあると思います。一昨日のブログでは、今後の政治日程に関する仮設を掲載しました。それを以下に掲載します。
もともと年明け解散は、12月15日~16日に行われる日ロ首脳会談の成果を掲げて行われたかもしれませんが、その後、北方領土問題の大きな進展は期待薄となったため頓挫したと思われていたのですが、今回の外交成果(ブログ管理人注:安倍首相の真珠湾での慰霊)で内閣支持率を伸ばすか最近あがってる支持率を維持しつつ、そのまま解散総選挙に打って出る可能性がでてきたということです。
そうして、安倍首相は、蓮舫議員の二重国籍問題に関しては、いまのところは蓮舫氏をそのまま泳がせておいて 、選挙の直前の国会で、追求させるなどして徹底的に蓮舫民進党に打撃を与え、選挙で大勝利する腹づもりであるものと思います。

民進党のように、政策論争はそっちのけで、安倍総理や自民党に対して、のべつまくなくネガティブ・キャンペーンをしているようでは、有権者にも飽きられてしまいます。多くの有権者はもうあのやり口に辟易していると思います。

ここぞというときに、徹底的に行なうことこそ、ネガテイブ・キャンペーンをは大きな効果が期待できます。

まさに、蓮舫民進党は風前の灯火です。

【関連記事】


2016年12月8日木曜日

安倍首相真珠湾「慰霊」を批判する人たち 「広島原爆投下と同列でない」―【私の論評】トランプ旋風後の安倍総理の真珠湾訪問はまさに時宜にかなっている(゚д゚)!

安倍首相真珠湾「慰霊」を批判する人たち 「広島原爆投下と同列でない」

安倍晋三首相が2016年12月26日、27日に米国ハワイ・オアフ島を訪問し、オバマ米大統領と首脳会談をするとともに、太平洋戦争の戦端を開いた真珠湾に行き犠牲者を慰霊することが発表されたが、ネット上には、この慰霊を激しく批判する人も少なからずいる。

アメリカのバラク・オバマ大統領が16年5月27日に原爆が投下された広島を訪れたが、それと安倍首相の真珠湾訪問はセットで組まれたものだった、と考える人たちだ。この2つは内容も重みも全く異なるものであり、もし安倍首相が「謝罪」の言葉を口にすれば、日本は歴史的な完全敗北をするだろうと憂いている。

安倍首相

 菅官房長官「慰霊のためであって謝罪のためではない」

各紙の報道によれば、16年11月にペルーで開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)で、安倍首相とオバマ大統領が短時間で言葉を交わした際に12月に2人で真珠湾を訪問することを確認した。これは17年1月に退任するオバマ大統領との最後の首脳会談を兼ねている。安倍首相は75年前の旧日本軍による真珠湾攻撃の犠牲者を慰霊することで、
「二度と戦争の惨禍を繰り返してはならない。未来に向けた決意を示したいと思う」
と記者団に語った。菅義偉官房長官は翌6日午前の記者会見で、日米が和解した価値を発信するいい機会になるとし、
「訪問は戦没者の慰霊のためであって謝罪のためではない」
と強調した。

首相の真珠湾慰霊のニュースは、ネット上でもかなり好意的に受け止められていて、
「戦後の総決算をするためにも慰霊をするのは良い事だよ」 
「オバマ大統領の広島訪問への返礼だね。素直に評価したい」 
「この政治力と、世界平和を希求する姿勢が、世界の指導者にも、国民にも愛される原動力。素晴らしい」
などといったことがツイッターでつぶやかれた。

しかし、「安倍首相の真珠湾訪問に反対する」という意見もけっこうある。

 原爆は非戦闘員が犠牲、真珠湾奇襲は戦闘行為

それは、安倍首相の真珠湾訪問とオバマ大統領の広島訪問とは等価値ではない、という理由からだ。アメリカの原爆は一般市民を虐殺した国際法違反であり、一方の日本は真珠湾を奇襲攻撃したけれども、狙ったのは軍事関連で一般的な戦闘行為だったから、二つを同列に扱ってはならない、というものだ。このため、仮に安倍首相が謝罪の言葉を口にすると、日本の歴史的な完全敗北になる、とし、

2チャンネルなどのネット掲示板やまとめサイトには、
「オバマは広島で非戦闘員に対する慰霊をしたのであって、真珠湾いってアメリカ兵の慰霊をするのは日本の総理がやってはいけないことです 」
「日本が生き残るための先制攻撃だったはずなのに、なぜ『反省』なのか?その前に戦没者の遺骨収集が先だろ!安倍総理の行動に対し一気に冷めた。残念だ!」
「広島と長崎の原発投下に殆どのアメリカ人が謝罪する気ないのに、真珠湾ごときの犠牲に謝罪するのか」
などといった首相の慰霊訪問を批判する書き込みも大量に出ている。

首相の慰霊訪問を現地の人たちはどう思っているのだろうか。

テレビ朝日は16年12月7日、真珠湾攻撃があった当時、沈没した戦艦「アリゾナ」の近くで任務に当たっていた元海軍のリチャード・ヤングさん(94)のインタビューを報じた。リチャードさんは驚いたとしたうえで、
「(訪問の)理由は償いのためだと思う。それが本当ならば素晴らしい。(謝罪は)悪くないだろう。でも、私たちは日本に原爆を落としている。謝罪をし始めたらきりがない」
と語っている。

【私の論評】トランプ旋風後の安倍総理の真珠湾訪問はまさに時宜にかなっている(゚д゚)!

本日12月8日(米国時間では12月7日)は、75年前に日本軍がパールハーバーを攻撃した日です。ハワイでは今年も毎年のように犠牲者の追悼式が行われました。

この日は首都ワシントンでも慰霊の式典が行われ、マイク・ペンス次期副大統領やジョン・マケイン上院議員らが臨席しました。以下に本日のハワイでの追悼式の模様の動画を掲載します。



日本でも、真珠湾攻撃に関することで以下にようなことがありました。

首都大学東京システムデザイン学部の渡邉英徳研究室(インダストリアルアートコース)は、1941年12月8日(日本時間)の「真珠湾攻撃」から75年目を迎える本日、真珠湾攻撃の証言・写真資料に人工知能技術で着彩し、3Dマップ上にまとめた多元的デジタルアーカイブ「パールハーバー・アーカイブ」を公開しました。

【アーカイブの概要】
■ The Pearl Harbor Archive|パールハーバー・アーカイブ
http://1941.mapping.jp/
制作に当たっては、首都大学東京・渡邉英徳研究室の「ヒロシマ・アーカイブ」(2011年7月発表)などの「多元的デジタルアーカイブズ」の技術を応用しました。コンテンツは、PC、スマートフォンのウェブブラウザで閲覧できます。

さて、ブログ冒頭の記事で、「アメリカの原爆は一般市民を虐殺した国際法違反であり、一方の日本は真珠湾を奇襲攻撃したけれども、狙ったのは軍事関連で一般的な戦闘行為だったから、二つを同列に扱ってはならない」という主張を掲載しています。私は、この主張は正しいものと思います。

ただし、このように主張する人々が、今回の安倍首相によるパールハーバーでの慰霊に関して否定的であるというくことは理解できません。菅官房長官が「訪問は戦没者の慰霊のためであって謝罪のためではない」語るように、安倍首相は慰霊はしても、謝罪はしないでしょう。私は安倍総理が慰霊をすることによって、さらに日米関係の絆は深まると思います。

なぜ、そのようにはっきりと言うかといえば、その根拠があります。その根拠の一つとしては、ブログ冒頭の記事にもあように、日本は真珠湾を奇襲攻撃したけれども、狙ったのは軍事関連で一般的な戦闘行為だったからです。

さらにもう一つの根拠としては、パールハーバーの奇襲は宣戦布告なしで行われたと言われますが、そもそも、当時、開戦前に宣戦布告しなければならないという国際法は確立されておらず、当時、ソ連もドイツも守っていません。

宣戦布告は1945年の日本による米国に対する宣戦布告が最後となりました。ただし、この宣戦布告は、残念ながら手続きなどの時間がかかり、パールハーバーの奇襲よりも少しだけ遅れてしまいました。しかし、宣戦布告したことは事実です。本当は、宣戦布告などは必要もなかったのですが、最初の攻撃より多少遅れても律儀な日本はそれを行ったというのが、史実です。

専門家によっては、日本海軍のパールハーバー攻撃以前に、米国の駆逐艦が日本の潜水艦に攻撃を行っており、戦争を開始したのは米国であるとする人もいますが、このあたりは、どっちが先かなどの議論はあまり意味がないので、ここでは詳細は述べません。

そうして、現在でも戦争を始めるにおいて、相手国に対して宣戦布告しなければならないという義務などはありません。「日本は過去アジアを侵略し、宣戦布告もせず不当に戦いを始め、悪いことをした、だから原爆も落とされ、東京を焼け野原にされたのもしかたがなかったのだ」こうした教育が日本の学校やメディアで行われています。皆さんも聞いたことがあるかもしれません。

このような歴史観を刷り込まれ、パールハーバーはだまし討だなどと言われれば、それを単純に信じこんでしまう人も多いかもしれません。

しかし、戦争に至るまでの世界の歴史の流れを知り、日本の立ち位置を知り、事実を知れば、この考えは「欧米にとって都合よく通られた歴史観」だということが容易に理解できます。

そうして、このことは、パールハーバーを訪れれば、よく理解できるかもしれません。それに関しては、つい先日もこのブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
安倍晋三首相、26、27両日に米ハワイ訪問へ 真珠湾で慰霊も―【私の論評】日米関係を邪悪なルーズベルトと近衛文麿の以前に戻せ(゚д゚)!
詳細は、 この記事をご覧いただくものとして、真珠湾の戦いの記念館で、どのように日本の真珠湾攻撃が説明されているかを示す部分のみを引用します。
さて、ハワイには、World War the Second Valor in the Pacific National Monumentという。真珠湾の戦いの記念館があります。この一体は、大きな国立公園として存在しています。下の写真が、その記念館です。
受付がこうあって、そしてこの記念館に入っていきますね、2つ建物があって、その一番最初の、入り口のところにある展示なんですよ。説明なんですよ。だからこれが、この記念館全体を説明してるわけですが、さあ、そこに何て書いてあるかというと、以下の様なものです。
このタイトルは、A Gathering Storm、迫り来る嵐という意味です。Conflict is brewing in Asia. その、アジアで紛争が起きましたと続いています。そして、古い世界が変わりつつあってと続いていて、、そしてここその下に、Two new powers, the United States and Japan, are rising to take leading roles on the world stage. つまりこれアメリカと日本を全く対等に考えていて、その、世界の舞台で、新しい主導的な役割を果たそうと、アメリカと日本が勃興してきたと書いてあります。 
そうして、当時の海軍力において日本が最先端で、アメリカより上で、特に、大きな軍艦ではなくて、飛行機こそ、大事だということを教えてくれたとかいてあります。教えられたのが真珠湾攻撃であって、真珠湾で徹底的にやられたので、アメリカは日本の方が正しいと反省をして、そして航空戦力を強くして、翌年の1942年6月のミッドウェー海戦でやり返して祖国を守ったと書いてあります、非常にフェアな、展示がしてあります。 
空母赤城やその艦載機の展示もある
このような説明の仕方はされていますが、 真珠湾攻撃がだまし討であったなどの説明はありません。アメリカにも、歴史を歪めて日本を貶めようとする人々も大勢いますが、少なくとも、軍人はこのように歴史の事実を受け止めています。

そうして、この記事にも掲載したように、日米は過去のこのような戦いなどのわだかまりを超え、それだけではなく、当時のソ連に両国とも操られて、本来すべきでなかった日米戦争をしてしまったことを反省し、日米の新たな協力関係を構築しより強固にすべきです。

さすがにアメリカは、歴史を歪めなければ、統治の正当性を主張できない、中国、韓国、北朝鮮とは一線を画しています。そうして、軍人の立場とすれば、日本を貶めるようなことをすれば、真珠湾攻撃で戦死した多くの軍人たちを貶めることにもなると考えていると思います。

あくまでフェアに戦い、たまたま日本の戦術が優れていたので、真珠湾では負けてしまって、大勢の尊い命が犠牲になったと考えているのだと思います。心情的には、そう考えるのが当然です。

以下に日本側と米国側が撮影したものをまとめて、カラー映像化した真珠湾攻撃の動画を掲載します。



真珠湾で犠牲となった大勢の軍人らの尊い命を安倍総理が慰霊するということは、米国側からみても歓迎されるものと思います。中国や韓国、北朝鮮などのように謝罪せよとか、謝罪をしなければ非難するなどということはないでしょう。

一部のメディアや狂った歴史観を持つ政治家、知識人などは非難するかもしれませんが、こんなものは今のアメリカでは少数派であり、オバマ大統領でさえ、そうして米軍は当然のことながに、そうしてトランプ氏も、そうして多数の米国民も、非難するはないでしょう。

トランプ旋風が吹いて以来、アメリカは変わりつつあります。現在のアメリカまさに、ポスト"リベラル・左派"の時代に入りつつあります。保守派が台頭し、リベラル・左派はまともな言論人は生き残れるでしょうが、歴史修正を行なうような愚かなものたちは、徐々に活躍の場が限らるようになることでしょう。

トランプ旋風は政治の世界におけるその先駆けとなりました。これから、他の分野でも、徐々にそうなり、歪んだアメリカの歴史修正主義者は徐々に力を失っていきます。

そうなれば、米国内の日本に対する歪んだ歴史観の呪縛から解き放たれることになります。

まさに、安倍総理がパールハーバーで、亡くなった軍人らの慰霊を行なうことは、両国にとって時宜にかなっています。

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2016年12月7日水曜日

邪魔者は殺す プーチン大統領のデスノート―【私の論評】プーチンは、生かさず殺さず利用することが我が国の目指すべき道(゚д゚)!

邪魔者は殺す プーチン大統領のデスノート

ウラジーミル・プーチン 写真はブログ管理人挿入 以下同じ
 超大国ロシア復権を目指すプーチン大統領は、政権に批判的な者を露骨に排除してきた。ロシア・旧ソ連圏の安全保障に詳しい軍事アナリストの小泉悠氏は、「ロシアの恐怖政治は今後も続く」と見ている。

 * * *

 2015年2月27日、ある男がモスクワ中心部の橋で4発の銃弾を浴びて死亡した。男はロシアの野党指導者ネムツォフ。反プーチンを掲げて大規模デモを開催する2日前の暗殺だった。後に当局は5人を逮捕したが「黒幕」は不明のままだ。

暗殺されたとみられる野党指導者ネムツォフ氏
 プーチンという男を批判する者の不可解な死は今に始まったことではない。

 有名な例が、プーチン政権誕生の鍵を握る事件を追及していたジャーナリストのポリトコフスカヤだ。

 1999年、ロシア3都市のアパートが連続爆破され、約300人が死亡した。当時、ロシア首相のプーチンはチェチェン独立派武装勢力のテロと断定して報復攻撃を開始した。決断は国民に広く支持され、大統領に上り詰める基盤となった。

 だが、後に同型の爆弾を仕掛けた不審者がロシアの諜報機関と関係していた事実が発覚。ポリトコフスカヤは、アパート爆破はチェチェン侵攻の口実が欲しいプーチンの「自作自演」ではないかと追及した。

暗殺されたとみられるポリストフスカヤ氏の葬儀
 そして彼女は標的となる。2004年のチェチェン武装勢力による中学校占拠事件を取材する際、現場に向かう機内で提供された一杯の紅茶を飲んで意識を失った。彼女は紅茶に毒を盛られたとして、「ロシア当局による毒殺未遂」だと主張した。

 奇跡的に一命を取り止めたが、2006年10月7日、モスクワ市内にある自宅アパートのエレベーター内で射殺された。全容は不明だが、この日はプーチン54歳の誕生日であり、暗殺は「最大の贈り物」とされた。

 3週間後、彼女と同様にロシア政府の関与を追及していた元KGB(ソ連国家保安委員会)のリトビネンコが亡命先のロンドンで体調不良を訴える。髪の毛が抜け、嘔吐を繰り返した彼は、やつれ果てた姿で死亡した。

病気の治療を受けていたリトビネンコ氏
 死体からはロシアで独占的に製造される放射性物質のポロニウム210が検出された。後に英国の調査委員会は、暗殺にロシア政府が関与しており、少なくともプーチンの承認を得ていたと結論づけた。

 KGBには「チェキスト(情報機関員)は死ぬまでチェキストだ」との鉄則がある。KGB出身のプーチンにとって、西側に魂を売ったリトビネンコは、「許されざる裏切り者」だった。(談)

 ●取材・構成/池田道大(ジャーナリスト)

 ※SAPIO2017年1月号

【私の論評】プーチンは、生かさず殺さず利用することが我が国の目指すべき道(゚д゚)!

上の記事をご覧いただければ、おわかりになるように、プーチンは政治家というより、マフィアの親分とでも考えたほうが、妥当です。

そのようなマフィアの親分との交渉で、安倍晋三首相は、北方領土返還に執念を見せています。9月2日、ウラジオストクで、ロシアのプーチン大統領と首脳会談を行い、年内にあと2回会談を重ね、安倍首相がソチ五輪時の会談で提示した経済面での8項目の「協力プラン」の具体化を加速して両国の協力関係を強化することで合意したといいいます。

その直前には、安倍総理は、「ロシア経済分野協力担当相」職を設置するなど“本気”を印象付けました。北方領土返還のため、冷戦時代の「政経不可分」戦略をかなぐり捨てて、「経済先行」を前面に押し出しています。

日本とロシア(旧ソ連)は、1956年の「日ソ共同宣言」で法的な戦争状態を一応終結したが、いまだに「平和条約」は締結できていません。父祖伝来の領土である北方領土の返還は悲願です。

しかし、この努力は報いられない可能性のほうが高いと考えられます。その根拠は、以前もこのブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
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ウラジーミル・プーチン
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事にはロシアという国の本質を掲載しました。その部分を以下に掲載します。
私たちは、ロシアとの北方領土交渉に関することを述べる前に、ロシアとはどういう国なのかを知っておく必要があります。

現代ロシアを理解するうえで大切なことは、ロシアとソ連は宿敵だということです。ロシアを乗っ取ってできた国がソ連なのですから、両者を一緒くたに考えるべきではありません。

エリツィンは現在では単なる酔っ払いとしか評価されていないのですが、間違いなくロシアの愛国者でした。そのエリツィンから大統領の地位を禅譲されたプーチンがやっていることは、ソ連邦の復活であり、ロシアに対する独裁です。
ロシアの愛国者エリツィン氏
プーチンが日本文化に詳しいから交渉しやすいなどという甘い幻想は捨て去るべきです。ロシアはそれほど単純な国ではありません。例えば、2002年にアレクサンダー・レベジというロシアの政治家が死にました。

彼はロシアの自由化を進め、チェチェン紛争の凍結にも尽力した人物です。NATOや日米同盟にも融和的でした。何より、近代文明とは何かを理解し、実行しようとしました。

ロシア史のなかでも、一番の真人間と言っていい存在です。しかし、彼の末路はヘリコプター事故死です。ロシアではなぜか、プーチンの政敵が『謎の事故死』を繰り返します。このレベジについてなんら言及せず、『プーチンは親日家だから』などと平気で言っているような輩は、間違いなく馬鹿かロシアスパイです。
アレクサンダー・レベジ
しかし、無論プーチンに限らず誰にも様々な面があります。どんな物事にも良い面もあれば悪い面もあります。『誰が善玉で誰が悪玉か』という子どものような区別の仕方はすべきではありません。

ロシアを支配しているのは、徹底した『力の論理』です。自分より強い相手とはケンカをせず、また、自分より弱い相手の話は聞かないというものです。

日本からの投資などで、ロシア側の姿勢を軟化させ北方領土問題を一歩でも進めよう、などという声もあるようですが、話を進める気のない相手に交渉を持ち込んだところで、条件を吊り上げられるのがオチです。

そもそも、戦争で取られたものは戦争で取り返すしかない、というのが国際社会の常識です。力の裏づけもないまま、話し合いで返してもらおうなどと考えている時点で、日本は甘すぎます。これは、それこそ子どもの論理と謗られてもしかたありません。
これは、プーチンとメドヴェージェフの役回りを考えてもわかります。子分が大袈裟に騒ぎ立てたところへ、親分が『まあまあ』と薄ら笑いで入ってくるのは、弱肉強食のマフィア社会などでは常套手段です。にもかかわらず子どものままの日本は、プーチンの薄ら笑いを友好的なスマイルだと勘違いしてしまっています。要するに、マフィアの社交辞令を真に受けているわけです。
プーチンとメドベージェフ
そもそも、多くの日本はロシアを知らなさすぎます。ウクライナの問題にしても、ロシアの歴史を知っていれば『またやってるよ』で終了です。『アメリカの影響力の低下』を論じる向きもありますが、そもそも、旧ソ連邦であるウクライナ、とくにクリミア半島に欧米が手出しできるわけがありません。メキシコにロシアが介入できないのと一緒です。

これは、世界の通史を知れば国際社会の定跡が学べ、おのずと理解できることです。そうして、文明国として、日本が強くなるべき理由やその方法も理解できるはずです。

プーチン大統領にとって、ウクライナはあくまで自分たちの持ち物です。元KGBである彼の故郷はロシアではなくソ連邦なのです。ウクライナを狙うのは、彼が旧ソ連を取り戻そうとする行為の一環なのです。

プーチンは故郷であるソ連邦の歴史をムダにしたくないし、ソ連の崩壊が敗北だったとは決して認めたくないのです。例えばプーチンは、ガスプロムという天然ガスの企業を使って、ロシア人から搾取を続けています。
このようなロシアの本質を知れば、北方領土問題がどんな形であれ解決すはずもないことは、はっきりしています。

それは、最近のプーチンの動きでも良く理解できます。

安倍晋三首相と、ロシアのプーチン大統領が今月15、16両日に山口県長門市で行う首脳会談に向けて、激しい駆け引きが続いています。プーチン氏は演説などで「経済協力」ばかりをアピールしています。日本としては北方領土問題を含む平和条約締結交渉が最優先であり、プーチンの一方的食い逃げは絶対に許すべきではありません。

 「(日本の)指導部がロシアとの経済的な結びつきを発展させ、共同プロジェクトや計画を始動させようとしていることを歓迎する」

 プーチン氏は今月1日、クレムリンでの年次教書演説で対日関係について、こう語っていました。安倍首相が提案した経済協力プランを“べた褒め”したのですが、領土問題を含む平和条約交渉には触れませんでした。

 まるで、領土問題は二の次のような態度です。

岸田文雄外相は2日夜、ロシア・サンクトペテルブルクで、プーチン氏と会談。安倍首相の親書を手渡し、首脳会談に向けた「詰めの作業」を行いました。

岸田外相
出発前の1日、岸田氏は都内で「日本側の考え方を直接伝えたい」と意欲を語っていましたが、百戦錬磨のプーチン氏を相手にするには、「お子様」のような態度ではなく、断固として領土を取り戻す気概が求められます。

おそらく、プーチン氏は日露両首脳会談で一見、領土問題に譲歩をみせるような態度をとるかもしれませんが、それでも、明言は避けることでしょう。

このようなことがある程度予めわかっているからこそ、安倍総理は今月米国のハワイに訪問することを取り急ぎ決めたのではないかと私は睨んでいます。

これは、日本国内の政治日程を考えると良くわかります。安倍晋三首相が来年一月召集の通常国会冒頭に衆院解散・総選挙に踏み切るのではないか、との臆測が与党を中心に広がっています。十二月の日露首脳会談で成果を出し、その勢いで国民に信を問う-という筋書きです。ただ、与党にとっては改憲発議に必要な三分の二の議席を失うリスクがもあるので、否定的な意見も多いです。

安倍総理がその腹だとすれば、日露首脳会談でめぼしい成果をあげらけなければ、このスケジュールは多いに狂うことになります。

そこで、浮上したのが、安倍首相の今月26~27日真珠湾訪問です。安倍首相は、オバマ大統領と最後となる首脳会談を行うとともに、旧日本軍による真珠湾攻撃の犠牲者を慰霊します。

オバマ氏は今年5月、現職の米大統領として初めて、米軍が原子爆弾を投下した広島を訪問している。そのため、今回の真珠湾訪問は「返礼」の意味合いがあるとの見方もあるが、菅義偉官房長官は12月6日の記者会見で「広島訪問とは関係するものではないと思っている」とこれを否定。一方で「本年が真珠湾攻撃75年という事も総理の頭にあったのではないか」と述べた。

米ホワイトハウスは5日に声明を発表し、「両首脳の訪問は、かつての敵国同士が最も親密な同盟国となり、共通の利益と価値の共有により結束しているという和解の力を示すだろう」と評価した。キャロライン・ケネディ駐日米大使も6日、「真珠湾訪問は日米間の友好と同盟の証です」と歓迎するツイートを投稿している。

安倍首相としては、歴代首相が成し遂げられなかった真珠湾訪問によって「日米の戦後」に終止符を打つとともに、日米同盟の強固な関係を内外にアピールする考えです。

もともと年明け解散は、12月15日~16日に行われる日ロ首脳会談の成果を掲げて行われたかもしれませんが、その後、北方領土問題の大きな進展は期待薄となったため頓挫したと思われていたのですが、今回の外交成果で内閣支持率を伸ばすか最近あがってる支持率を維持しつつ、そのまま解散総選挙に打って出る可能性がでてきたということです。

解散総選挙は、安倍首相の胸先三寸で決まるわけですから、憶測をするしかないのですが、それでも、このような選択肢も安倍総理の腹の中にあるのは確かだと思います。

このように掲載すると、日露首脳会談は無意味のようにも受け取られかねませんが、そのように考えてしまうことこそ、先に述べたような「子ども」の態度と言わざるを得ません。民進党の幹部や、蓮舫代表などは、そのように考えて、もし日露会談が不調に終われば、「意味が無い」等と国会で安倍総理を糾弾することでしょう。あまりにも下らなくて、今から目に浮かぶようです。

蓮舫氏
しかし、これこそ「子ども」のような態度です。ロシアは今や、大国ではありません。ロシアの GDP (国内総生産)は日本の四分の一にすぎません。人口においても、1億4000万人と、日本より若干多い程度です。軍事的にも旧ソ連だったころの面影もなく今では、NATOと戦っても負けます。というより、そのような戦争を遂行するだけの力もありません。

しかも、ロシアは中国と世界で一番長く国境を接する国です。そうして、中露国境では、多数の中国人が国境を超え、ロシア領内で様々な事業を営んでいます。このように多数の中国人が国境を超えて、ロシア領内で活動していることから、国境が曖昧になり、「国境溶解」と呼ばれています。

ロシアにはこのような中国の脅威があるわけです。もし、ロシアが崩壊してしまえば、中国はシベリアなどに大々的に進出し、中国が北極海沿岸の地を自らの版図に収めてしまうかもしれません。あるいは、オホーツク沿岸も手中に収めるかもしれません。

そうなれば、当然のことながら、かつてソ連が冷戦中に対米核戦略の拠点としたオホーツオホーツク海ならびに、北極海の深い海を原潜の聖域とするかもしれません。

そうなれば、北半球にある国々は中国の脅威にさらされることになります。我が国にとっても、安全保障上の重大な脅威になります。

だかこそ、ロシアには強大になりすぎても困りますが、やはり現状の影響力は維持しつつ、中国に対峙している状態が、北半球の国々とっては、いまのところベストということになります。

一番良いのは、中露を互いに争わせ、他国にも火の粉が降りかかるような大きな戦争にはならないようにして、互いを疲弊させることです。ロシアと中国がともに疲弊すれば、我が国にとっての安全保証上の脅威はなくなるし、そうして、北方領土が日本に帰ってくる可能性も高まるというものです。

そうして、無論のことですが、中国で習近平政権が、ロシアではプーチン政権が、統治の正当性が低いという事実があります。そもそも、プーチン政権の統治の正当性が高ければ、全近代的な暗殺などする必要もないわけです。習近平だって、統治の正当性が高けば、腐敗撲滅運動とう名の権力闘争などする必要もないわけです。

日本ができる事は限られていますが、米国やイギリスその他自由主義陣営の国々は当然のことながら、中露を内部から腐敗させ、弱体化させるための行動をとっていることでしょう。特にトランプ氏が大統領に就任してからは、その動きは加速化されることでしょう。

我が国も情報提供の面などから、この動きに協力していくべきです。そうして、中露とも、経済が疲弊していて先が見えない状況です。ここで、我が国の経済力を活用して、中露を手球にとることもできます。

このようなことは、当然のことながら安倍首相の腹の中にはあることと思います。一見ロジアのプーチンに利用させているように見せかけておいて、実はこちら側が、利用しているという形にもっていければ、我が国にとっては最善です。こうしたことから、今回の日露首脳会談も揺るがせにはできないのです。

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2016年12月6日火曜日

【スクープ最前線】トランプ氏「中国敵対」決断 台湾に急接近、習近平氏は大恥かかされ…―【私の論評】トランプ新大統領が中国を屈服させるのはこんなに簡単(゚д゚)!

【スクープ最前線】トランプ氏「中国敵対」決断 台湾に急接近、習近平氏は大恥かかされ…

台湾の蔡英文総統との電話会談で中国を牽制したトランプ次期米大統領
写真はブログ管理人挿入 以下同じ
ドナルド・トランプ次期米大統領が、中国への強烈な対抗姿勢を示した。台湾の蔡英文総統と電撃的な電話協議を行い、「経済、政治、安全保障面での緊密な結びつき」を確認したうえ、フィリピンのドゥテルテ大統領とも電話会談で意気投合したのだ。トランプ氏は「アンチ・チャイナ」の急先鋒(せんぽう)だっただけに、戦略的に行動した可能性が高い。習近平国家主席率いる中国は衝撃を受け、「対中激突」や「孤立化」を恐れている。

 「トランプ氏は間違いなく『対中強硬策』を決意した。一連の行動は、オバマ政権の救いがたい『対中弱腰外交』との決別宣言だ。違う言い方をすれば、中国に対する宣戦布告だ」

 米軍関係者は語った。

 中国に2日、超ド級の衝撃が走った。冒頭で触れたように、トランプ氏が、台湾独立志向が強く中国が目の敵にしている蔡氏と、通訳抜きで10分以上、電話協議を行ったからだ。トランプ氏は、蔡氏を「The President of Taiwan(台湾総統)と呼んだ」ことも堂々と公表した。

 米国は1979年の米中国交正常化以来、中国の主張する「1つの中国」政策を受け入れてきた。表向き、台湾を国として認めず、米大統領も次期米大統領も台湾総統とは接触しない-という慣例を厳守してきた。

 トランプ氏はこれを一方的に破ったのだ。まさに中国にケンカを売ったかたちといえる。「中台統一」をもくろむ中国からすれば、驚天動地の裏切り行為だ。

台湾の蔡英文総統
 中国の王毅外相は3日、「台湾側のくだらない小細工だ」「米国政府が堅持してきた『1つの中国』政策を変えることはできない」と、蔡氏を批判したという。香港フェニックステレビが伝えた。中国外務省も同日、米政府とトランプ氏に厳重抗議した。

 だが、旧知の外務省関係者は次のように語る。

 「トランプ氏は確信犯だ。オバマ氏率いるホワイトハウスにも一切知らせなかった。中国の抗議も無視して、ツイッターで『米国は台湾に何十億ドルもの兵器を売りながら、私がお祝いの電話を受けてはいけないとは興味深い』と開き直った。蔡氏を、独立国家の元首に使用する『President』と呼んだのもわざとだ。トランプ氏は米中関係悪化を恐れていない。いかに習氏を攻撃できるか、周到に計算して動いている。

 実は、中国がトランプ、蔡両氏の電話協議に激怒した3日、中国共産党の機関紙「人民日報」は1面で、習氏とキッシンジャー元米国務長官が笑顔で握手する写真を掲載した。記事は前日の会談を報じたもので、習氏は『(トランプ政権と)安定した発展を継続したい』と表明を出していた。世界各国が注視するなか、笑い物だ。大恥をかかされた。

握手した習近平(左)とキッシンジャー(右)
 トランプ氏が将来の「中国制圧」に向けて仕掛けた工作は、これだけではない。以下、複数の米軍、米情報関係者から得た情報だ。

 まず、英国のキム・ダロク駐米大使が1日、日本に派遣している英空軍最新鋭戦闘機「タイフーン」を近々、南シナ海での「航空の自由」作戦に参加させると、ワシントンで開かれたシンポジウムで明かした。ダロク氏はさらに、2020年に就役する空母2隻を太平洋に派遣する意向を発表し、「米政府と目標(対中政策)を共有する」と宣言したのだ。

 「トランプ陣営の仕掛けだ。主役は、国防長官に指名したジェームズ・マティス元中央軍司令官(退役海兵隊大将)と、安全保障担当補佐官に指名されたマイケル・フリン元国家情報局長(退役陸軍中将)の2人だろう。ともに『戦場の英雄』で『対中強硬派』、そして強烈な『反オバマ』だ。オバマ時代、南・東シナ海で中国に好き勝手させた屈辱の8年間を取り戻すつもりだ」

 そして、トランプ氏は2日、フィリピンのドゥテルテ大統領とも電話会談をしていたのである。

フィリピンのドゥテルテ大統領
 ドゥテルテ氏はこれまで、オバマ氏を「売春婦の息子」と罵倒し、米国との決別宣言までしていた。そのドゥテルテ氏が会談後、「(トランプ氏に)親密さを感じた。われわれと米国の絆は確かなものだと伝えた」と大喜びして、態度を一変させた。なぜか。

 「トランプ氏が、ドゥテルテ氏の麻薬犯罪対策について『成功を祈っている』と語ったことが大きい。ドゥテルテ氏は、CIA(米中央情報局)の失脚・暗殺工作におびえていた。次期米大統領が直接電話したことで、それがなくなった。南シナ海の対中戦勝利のために、米国はドゥテルテ氏をとり戻す」

 トランプ氏の大統領就任は来年1月20日だが、すでに経済問題や、外交・安保問題などで、激しく動いている。

 私(加賀)は、夕刊フジ(11月22日発行号)で、トランプ氏について《中国との『通貨戦争』『貿易戦争』『全面戦争』も辞さない、対中強硬政策を決断した》という最新情報を報告した。

 国際情勢が予想以上に緊迫化している。日本は総力を挙げて情報収集に努め、万全を期さなければならない。休んでいる暇などない。 

 ■加賀孝英(かが・こうえい)

【私の論評】トランプ新大統領が中国を屈服させるのはこんなに簡単(゚д゚)!

トランプ氏まだ大統領に就任していませんが、着々と対中国封じ込め戦略の準備をすすめています。上に掲載されているのはまさにその事実です。

トランプ氏は続々と反中派と連携を深める行動をしていますが、中国とは一切そのようなことはしていません。

これまでの、オバマや民主党の中国接近、宥和政策、二国間関係を重視する政策とは180度転換したため、中国政府は恐慌状態に陥っていることでしょう。

しかし、中国はさらにこれからとてつもない末路が待っていることにまだ気づいていないかもしれません。


超大国といわれるアメリカの一番の強さは、軍事力でもなく、イノベーション力でもありません。それは、米国による世界の金融支配にあります。現在の世界の金融体制は、ブレトン・ウッズ体制に端を発しています。これは、第二次世界大戦末期の1944年にアメリカのブレトン・ウッズで連合国通貨金融会議が開かれ、国際通貨基金(IMF)や国際復興開発銀行(IBRD)の設立が決定されたものです。

当時、世界の金の80%近くがアメリカに集中しており、アメリカは膨大な金保有国でした。その金と交換できるドルを基軸通貨とし、他国の通貨価値をドルと連動させるという仕組みで、金・ドル本位制ともいわれます。

世界各国、特に先進国の中で、食料や資源を100%自給できている国は少ないです。中国の食料自給率は85%以下といわれており、アメリカから穀物を買えない事態になれば、13億の人民は飢餓に苦しむことになります。

これに関しては、一昔前にある中国の高官が穀物の需要が増えたり、減ったりする中国の状況を「中国人の胃はゴムボールのようである」と語っていたことがあります。要するに、穀物需要がかなり減ったり、増えたりしても、中国は何とかなることを強調したかったのでしょう。

現実には、そんな馬鹿な話があるはずもなく、貧困層は穀物が手に入らず飢え死にしていたというのが実情でしょう。しかし、それは今から数十年も前のことで、今ではそのようなことはあり得ないでしょう。現状では、中国の貧困層でも何とか食欲を満たす穀物は手に入れられる状態になっていることでしょう。


実際最近では中国が突如、近年世界の穀物輸入国上位に躍り出てきました。2013年~14年期、中国の穀物輸入量は2,200万トンという膨大な量になりました。2006年の時点では、ま中国では穀物が余り、1,000万トンが輸出されていたというのに、何がこの激変をもたらしたのでしょうか?

2006年以来、中国の穀物消費量は年間1,700万トンの勢いで増大し続けている年間1,700万トンというと、大局的に見れば、オーストラリアの小麦年間収穫量2,400万トンに匹敵します。

人口増加は鈍化しているにもかかわらず、穀物の消費量がこれほど増加しているのは、主に、膨大な数の中国人の食生活レベルが向上し、より多くの穀物が飼料として必要な肉や牛乳、卵を消費しているからです。

2013年、世界全体で推定1億700万トンの豚肉が消費されました。そのうちの半分を消費したのが中国でした。人口14億人の中国は現在、米国全体で消費される豚肉の6倍を消費しています。

とはいえ、中国で近年、豚肉消費量が急増しているものの、中国人一人当たりの食肉全体の消費量は年間合計54キロ程度で、米国の約107キロの半分にすぎません。しかしながら、中国人も世界中の多くの人々と同じように、米国人のようなライフスタイルに憧れています。

中国江蘇省の豚肉売り場、価格は上昇し続けている
中国人が米国人と同量の肉を消費するには、食肉の供給量を年間約8,000万トンから1億6,000万トンへとほぼ倍増させる必要があります。1キロの豚肉を作るにはその3倍から4倍の穀物が必要なので、豚肉をさらに8,000万トン供給するとなると、少なくとも2億4,000万トンの飼料用穀物が必要になります。

それだけの穀物がどこから来るのでしょうか。中国では、帯水層が枯渇するにつれて、農業用の灌漑用水が失われつつあります。たとえば、中国の小麦生産量の半分とトウモロコシ生産量の1/3を産出する華北平原では、地下水の水位が急激に低下しており、年間約3メートル低下する地域もあるほどです。

その一方で水は農業以外の目的に利用されるようになり、農耕地は減少して住宅用地や工業用地に姿を変えています。穀物生産高はすでに世界有数レベルに達しており、中国が国内生産高をこれ以上増やす潜在能力は限られています。

2013年に中国のコングロマリットが世界最大の養豚・豚肉加工企業、米国のスミスフィールド・フーズ社を買収したのは、まさに豚肉を確保する手段の一つでした。

また、中国政府がトウモロコシと引き換えに30億ドル(約3,090億円)の融資契約をウクライナ政府と結んだのも、ウクライナ企業と土地利用の交渉を行ったのも、その一環です。こうした中国の動きは、私たち人類すべてに影響を与える食糧不足がもたらした新たな地政学を実証したものです。

このようなときに、米国に金融制裁を実施されたら、食料事情は逼迫するでしょうし、食料以外にも様々な物資の供給に支障をきたすことになります。

だからこそ、中国はドル支配体制からの脱却を目指し、人民元の国際化を進めていました。IMFの特別引出権(SDR)の構成通貨入りも、そういった流れの中で推し進められたものです。人民元はSDR入りしましたが、ドル決済を禁じられてしまえば中国経済は破綻に追い込まれることになります。

資源を買うことができなければ、軍艦を出動させることもできなくなり、これまでの「中国は今後も発展していく」という幻想は根底から覆されることになります。そして、その段階においても対立が終わらなければ、アメリカは金融制裁をさらに強めることになるだけです。

いわゆるバブルマネーによって、中国経済は本来の実力以上に大きく見られきましたが、バブルが崩壊し、同時にアメリカが前述のような金融制裁を強めたら、どうなることでしょう。当然、一気にこれまでの体制が瓦解し、中国は奈落の底に落ちることになります。

そうして頼みの綱の軍事力は、米軍と対峙できるような力はありません。このブログにも何度か掲載してきたように、日本の自衛隊が中国本土に侵略することにでもなれば、中国本土決戦ということになり、中国が勝つ見込みはあります。

しかし、例えば尖閣諸島などのように、中国側が海軍力や空軍力を用いて尖閣のような他国の領土に侵略しようとした場合、軍事的には、中国が勝つ見込みは全くありません。そのなことは、中国政府の幹部らが一番良くわかっているので、尖閣で日本と本格的に対峙することはいまのところ避けているです。そうでなければ、今頃尖閣はとうに中国のものになっています。

かつて中国が、チベットやモンゴル、トルキスタン国などに侵略したときとは、全く事情が異なります。どの地域に侵攻しようとしても、必ず米国、日本とその他周辺諸国が、連携して中国を牽制してそのようなことはさせません。
支那建国当時の版図 満州、ウイグル、内蒙古、チベットも外国だった
軍事的にも勝つ見込みは全くなく、さらに強力な金融制裁などされてしまえば、現代中国の人民はかつの人民のように穀物需要が減っても、それを甘受するなどということはありません。

ただでさえ、中国では建国以来毎年暴動が2万件あり、2010年あたりからは、平均10万件に達していといわれている国です。

その時には、暴動ではすまないでしょう。内乱になり、収拾がつかなくなり、いくつかの国に分裂するしかなくなります。

トランプ新大統領は、このようなことも視野に入れていると思います。まずは、軽い金融制裁により様子見をして、それでも中国の態度が改められなければ、さらに強化し、中国はとんでもない状況に追い込まれることになります。それでも、態度が改められなければらなる金融制裁の強化、最後の最後には軍事力に訴えることになります。

それも、段階を踏んてすこしずつ強化していくことでしょう。


中国は、早めにこのようなことを自覚して、南シナ海や東シナ海での暴挙をやめるべきです。そうでないと、本当にとんでもないことになります。

オバマと違って、トランプ大統領にとっては、中国を屈服させるのはこんなに簡単なのです。というより、米国の実力をもってすれば、元々かなり簡単なことなのですが、オバマ大統領がそれを実行してこなかったため、中国が増長したというのが現状です。ごく最近の中国を一言で表現すれば、「身の程知らず」だったということです。大統領就任中に、かなりのところまでこれを実施するというのがトランプ氏の腹です。

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2016年12月5日月曜日

安倍晋三首相、26、27両日に米ハワイ訪問へ 真珠湾で慰霊も―【私の論評】日米関係を邪悪なルーズベルトと近衛文麿の以前に戻せ(゚д゚)!


安倍晋三首相は5日、今月26、27両日に米ハワイでオバマ大統領と首脳会談を行うことを明らかにした。また、オバマ氏とともに真珠湾を訪問し、旧日本軍による真珠湾攻撃の犠牲者を慰霊する。今年は昭和16(1941)年12月8日(米国ハワイ時間12月7日)の真珠湾攻撃から75年目。現職首相の真珠湾訪問は初めてとなる。

安倍首相は同日夕、官邸で記者団に対し「ハワイでの会談はこの4年間を総括し、さらなる同盟の強化の意義を世界に発信する機会としたい」と述べた。その上で、オバマ氏は来年1月に退任することから「集大成となる最後の首脳会談となる」と強調した。

今年5月にはオバマ氏が原爆を投下した米国の大統領として初めて被爆地である広島市を訪れたことから、安倍首相が真珠湾を訪問する案も浮上していた。

【私の論評】日米関係を邪悪なルーズベルトと近衛文麿の以前に戻せ(゚д゚)!

オバマ大統領をはじめとするリベラル・左派の連中にとっては、オバマ大統領が広島を訪問したり、安倍総理がハワイを訪問したりすることは、単に平和を願う心からなどというのが一般でしょう。しかし、日米両国の保守派からすれば、これは違った見方ができます。

この見方をご理解いただくために、以下に日米の歴史を振り返っておきます。これについては、最近もこのブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
日米中国経済包囲網 日本、関税「特恵」から除外 米は「市場経済国」認めず―【私の論評】中国の現体制を完膚なきまでに崩壊させ、ルーズベルト以前の世界にもどせ(゚д゚)!
中国経済への強硬策で足並みをそろえる安倍首相(左)とトランプ氏
米国の保守派は、ニューディール連合がアメリカをのっとって以来アメリカは変質してしまったとしています。ニューディール連合(ニューディールれんごう、New Deal coalition)とは、1932年から1960年代末のアメリカ合衆国において、ニューディール政策および民主党大統領候補を支持した利益集団や選挙母体の連合体を指します。1952年と1956年の各大統領選挙でドワイト・アイゼンハワーに敗北を喫するも、この時代に民主党は主要政党にまで上り詰めてゆきました。 
フランクリン・ルーズベルトが党組織やマシーン、労働組合、ブルーカラー労働者、マイノリティ、農場経営者、南部出身者の他知識人から成る連合体を構築。1968年の大統領選挙の時期に崩壊しましたが、党活動家が復権を目指し枠組みを維持することになり、現在に至っています。そうして、これがアメリカのリベラル・左派の基盤をなし、今でもアメリカの政界、メディア界、学界、司法界でも大きな勢力となっています。
ソ連スパイに浸透され判断を誤ったフランクリン・ルーズベルト
特に、メディア界においては、メディアの90%がリベラル・左派であり、保守は10%程度に過ぎず、保守派が何かを主張しても、かき消されてしまいます。そうして、このようなアメリカの実体を知らず、米国のリベラル・左派の報道をそのまま垂れ流す日本のメデイアによって、日本人の多くが、アメリカの半分を全く知らない状態にあることは、このブロクでも何度か掲載してきました。 
しかし、このような実体は、今回の大統領選により、トランプ氏の当選を予測できないどころか、全く見込みなしで、ヒラリー・クリントンが優勢と報道し続けたことにより、暴露されました。 
米国の真性保守は、ソ連スパイに浸透されルーズベルトがソ連と手を組んだことが間違いであり、また反共の砦であった当時の日本と戦争をしたのは全くの間違いだった、この間違いから米国は間違った方向に行ってしまったのであり、米国はこの時点から遡って方向転換しなければならないと主張しています。 
あのマッカーサも同じような主張をしています。米国が朝鮮戦争を実施して、実際にマッカーサーが朝鮮に赴き、現地をつぶさに調査し、なぜ日本が朝鮮を併合したり、満州国を設置したりしたのが良く理解できた、結局日本はソ連の浸透に対峙していたのが理解でき、彼ら(日本)の戦争は防衛戦争だと、後に公聴会で証言しています。
ダグラス・マッカーサー
しかし、その日本も、近衛内閣のときにソ連スパイに浸透され、ソ連スパイに操られ、対米英強硬論が主張され、米英と戦争をするという愚かな決断をしてしまいました。無論、その決断の背後には、ルーズベルトによる画策もあり、戦争せざるを得ない状況に追い込まれたのも事実です。 
そうして、現在はソ連は崩壊しロシアは軍事的にも経済的にもとるに足りない存在となりましたが、かわつて中国が世界の安定と繁栄にとって邪魔な存在になっています。 
このような日米双方の、リベラル・保守が全く語らない日米の真の歴史を知っていれば、オバマ大統領の広島訪問や、安倍総理の真珠湾訪問なども、全く別の角度から見ることができます。オバマ大統領は、無論のことこのような見方はできず、自分の広島訪問が今後の歴史にどのような意味を持つのかもほとんど理解できなかったでしょう。哀れです。

広島を訪問した際被爆者の森重昭さんを抱き寄せるオバマ氏
さて、安倍総理が訪れることになっているハワイの真珠湾ですが、中国や韓国のように歴史を修正して、日本を貶めるようなことはしていません。

これについても、以前このブログで掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
真珠湾で特攻隊遺品展 米戦艦記念館、異例の紹介―【私の論評】現在の米国は中韓朝の反日プロパガンダに簡単にのせられなくなりつつある(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、 以下に一部を掲載します。
(真珠湾に記念艦として係留してある)この戦艦ミズーリといえば、1945年の9月2日に、このミズーリの甲板で、日本が降伏文書に調印したと、いうことだけが有名です。しかし、この艦には、それ以前に日本の特攻機が突入しました。それは、記録映画にも残っています。その映画のキャプチャ画像が以下の写真です。
この特攻機は、突入成功して、戦艦ミズーリにへこみを作りました。へこみは、作り火災は起こしましたが、それ以上の大きな被害はありませんでした。この特攻した零戦も、タイヤが上向きになってこのあたりに転がりました。 
そうして、ゼロ戦を操縦していたパイロットの上半身が、顔も、顔もよく分かる状態で、そこに転がりました。それをミズーリの水兵や士官たちが、自分たちを殺しに来たゼロ戦のパイロットということで、ののしりながら蹴っていたところ、そこの上から、キャラハン艦長が、やめろと声をかけたそうです。 
「その若者は俺たちと同じじゃないか。この弾をかいくぐって立派に突入を果たした、祖国を守るために戦ってる若者だから、ちゃんと弔おう」と語りかけたそうです。
そうすると、皆が納得して、艦内で、白い布と、赤い布を探して、日本の旭日旗を作って、その旭日旗で、ご遺体をくるんで、アメリカ海軍の正式な海軍葬が執り行われたそうです。、この特攻隊員の名前は、石野節雄という方で、享年19歳でした。岡山出身の、元は鉄道員だったそうです。 
さて、ハワイには、World War the Second Valor in the Pacific National Monumentという。真珠湾の戦いの記念館があります。この一体は、大きな国立公園として存在しています。下の写真が、その記念館です。
受付がこうあって、そしてこの記念館に入っていきますね、2つ建物があって、その一番最初の、入り口のところにある展示なんですよ。説明なんですよ。だからこれが、この記念館全体を説明してるわけですが、さあ、そこに何て書いてあるかというと、以下の様なものです。
このタイトルは、A Gathering Storm、迫り来る嵐という意味です。Conflict is brewing in Asia. その、アジアで紛争が起きましたと続いています。そして、古い世界が変わりつつあってと続いていて、、そしてここその下に、Two new powers, the United States and Japan, are rising to take leading roles on the world stage. つまりこれアメリカと日本を全く対等に考えていて、その、世界の舞台で、新しい主導的な役割を果たそうと、アメリカと日本が勃興してきたと書いてあります。 
そうして、当時の海軍力において日本が最先端で、アメリカより上で、特に、大きな軍艦ではなくて、飛行機こそ、大事だということを教えてくれたとかいてあります。教えられたのが真珠湾攻撃であって、真珠湾で徹底的にやられたので、アメリカは日本の方が正しいと反省をして、そして航空戦力を強くして、翌年の1942年6月のミッドウェー海戦でやり返して祖国を守ったと書いてあります、非常にフェアな、展示がしてあります。 
空母赤城やその艦載機の展示もある
この記念館の展示や、先のミズーリの記念館では、戦後70年の節目に特攻隊の隊員の遺品を今年陳列することなどを考えると、日米は大戦争を互いに敵として戦ったのですが、記念館などでは、このようなフェアな扱いをしています。
そうして、アジアでは最後の最後まで戦い抜いたのは、日米です。死傷者の数も、日米双方が群を抜いて多いです。 
そうして、今日旧敵国であった米国はこのようなフェアな態度で戦後七十周年を迎えています。
皆さんは、どう思われますか。中国や韓国、北朝鮮とは全く異なるとは思いませんか。このような真珠湾に安倍総理が訪問するということは、本当に意義深いものがあります。

日米は過去のこのような戦いなどのわだかまりを超え、それだけではなく、当時のソ連に両国とも操られて、本来すべきでなかった日米戦争をしてしまったことを反省し、日米の新たな協力関係を構築しより強固にすべきです。

そうして、日米関係を邪悪なルーズベルト以前に戻すべきです。邪悪なルーズベルトや近衛文麿の犯した過ちを二度と繰り返すべきではありません。日米双方とも、馬鹿で愚鈍なリベラル・左派を粉砕し、まともになるべきです。トランプ氏を選んだ米国民、安倍総理を選んた日本国民はそれができるはずです。
ルーズベルト(左)と近衛文麿
そのためには、先日もこのブログに掲載したように、たとえ時間がかかろうがロシアの中のソ連を叩き潰す、中国の現体制を叩き潰すことが、何よりも重要です。

そのための最初の一里塚が、安倍総理大臣のハワイ訪問になれば、日米関係にとって非常に良いことです。

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