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2016年12月6日火曜日

【スクープ最前線】トランプ氏「中国敵対」決断 台湾に急接近、習近平氏は大恥かかされ…―【私の論評】トランプ新大統領が中国を屈服させるのはこんなに簡単(゚д゚)!

【スクープ最前線】トランプ氏「中国敵対」決断 台湾に急接近、習近平氏は大恥かかされ…

台湾の蔡英文総統との電話会談で中国を牽制したトランプ次期米大統領
写真はブログ管理人挿入 以下同じ
ドナルド・トランプ次期米大統領が、中国への強烈な対抗姿勢を示した。台湾の蔡英文総統と電撃的な電話協議を行い、「経済、政治、安全保障面での緊密な結びつき」を確認したうえ、フィリピンのドゥテルテ大統領とも電話会談で意気投合したのだ。トランプ氏は「アンチ・チャイナ」の急先鋒(せんぽう)だっただけに、戦略的に行動した可能性が高い。習近平国家主席率いる中国は衝撃を受け、「対中激突」や「孤立化」を恐れている。

 「トランプ氏は間違いなく『対中強硬策』を決意した。一連の行動は、オバマ政権の救いがたい『対中弱腰外交』との決別宣言だ。違う言い方をすれば、中国に対する宣戦布告だ」

 米軍関係者は語った。

 中国に2日、超ド級の衝撃が走った。冒頭で触れたように、トランプ氏が、台湾独立志向が強く中国が目の敵にしている蔡氏と、通訳抜きで10分以上、電話協議を行ったからだ。トランプ氏は、蔡氏を「The President of Taiwan(台湾総統)と呼んだ」ことも堂々と公表した。

 米国は1979年の米中国交正常化以来、中国の主張する「1つの中国」政策を受け入れてきた。表向き、台湾を国として認めず、米大統領も次期米大統領も台湾総統とは接触しない-という慣例を厳守してきた。

 トランプ氏はこれを一方的に破ったのだ。まさに中国にケンカを売ったかたちといえる。「中台統一」をもくろむ中国からすれば、驚天動地の裏切り行為だ。

台湾の蔡英文総統
 中国の王毅外相は3日、「台湾側のくだらない小細工だ」「米国政府が堅持してきた『1つの中国』政策を変えることはできない」と、蔡氏を批判したという。香港フェニックステレビが伝えた。中国外務省も同日、米政府とトランプ氏に厳重抗議した。

 だが、旧知の外務省関係者は次のように語る。

 「トランプ氏は確信犯だ。オバマ氏率いるホワイトハウスにも一切知らせなかった。中国の抗議も無視して、ツイッターで『米国は台湾に何十億ドルもの兵器を売りながら、私がお祝いの電話を受けてはいけないとは興味深い』と開き直った。蔡氏を、独立国家の元首に使用する『President』と呼んだのもわざとだ。トランプ氏は米中関係悪化を恐れていない。いかに習氏を攻撃できるか、周到に計算して動いている。

 実は、中国がトランプ、蔡両氏の電話協議に激怒した3日、中国共産党の機関紙「人民日報」は1面で、習氏とキッシンジャー元米国務長官が笑顔で握手する写真を掲載した。記事は前日の会談を報じたもので、習氏は『(トランプ政権と)安定した発展を継続したい』と表明を出していた。世界各国が注視するなか、笑い物だ。大恥をかかされた。

握手した習近平(左)とキッシンジャー(右)
 トランプ氏が将来の「中国制圧」に向けて仕掛けた工作は、これだけではない。以下、複数の米軍、米情報関係者から得た情報だ。

 まず、英国のキム・ダロク駐米大使が1日、日本に派遣している英空軍最新鋭戦闘機「タイフーン」を近々、南シナ海での「航空の自由」作戦に参加させると、ワシントンで開かれたシンポジウムで明かした。ダロク氏はさらに、2020年に就役する空母2隻を太平洋に派遣する意向を発表し、「米政府と目標(対中政策)を共有する」と宣言したのだ。

 「トランプ陣営の仕掛けだ。主役は、国防長官に指名したジェームズ・マティス元中央軍司令官(退役海兵隊大将)と、安全保障担当補佐官に指名されたマイケル・フリン元国家情報局長(退役陸軍中将)の2人だろう。ともに『戦場の英雄』で『対中強硬派』、そして強烈な『反オバマ』だ。オバマ時代、南・東シナ海で中国に好き勝手させた屈辱の8年間を取り戻すつもりだ」

 そして、トランプ氏は2日、フィリピンのドゥテルテ大統領とも電話会談をしていたのである。

フィリピンのドゥテルテ大統領
 ドゥテルテ氏はこれまで、オバマ氏を「売春婦の息子」と罵倒し、米国との決別宣言までしていた。そのドゥテルテ氏が会談後、「(トランプ氏に)親密さを感じた。われわれと米国の絆は確かなものだと伝えた」と大喜びして、態度を一変させた。なぜか。

 「トランプ氏が、ドゥテルテ氏の麻薬犯罪対策について『成功を祈っている』と語ったことが大きい。ドゥテルテ氏は、CIA(米中央情報局)の失脚・暗殺工作におびえていた。次期米大統領が直接電話したことで、それがなくなった。南シナ海の対中戦勝利のために、米国はドゥテルテ氏をとり戻す」

 トランプ氏の大統領就任は来年1月20日だが、すでに経済問題や、外交・安保問題などで、激しく動いている。

 私(加賀)は、夕刊フジ(11月22日発行号)で、トランプ氏について《中国との『通貨戦争』『貿易戦争』『全面戦争』も辞さない、対中強硬政策を決断した》という最新情報を報告した。

 国際情勢が予想以上に緊迫化している。日本は総力を挙げて情報収集に努め、万全を期さなければならない。休んでいる暇などない。 

 ■加賀孝英(かが・こうえい)

【私の論評】トランプ新大統領が中国を屈服させるのはこんなに簡単(゚д゚)!

トランプ氏まだ大統領に就任していませんが、着々と対中国封じ込め戦略の準備をすすめています。上に掲載されているのはまさにその事実です。

トランプ氏は続々と反中派と連携を深める行動をしていますが、中国とは一切そのようなことはしていません。

これまでの、オバマや民主党の中国接近、宥和政策、二国間関係を重視する政策とは180度転換したため、中国政府は恐慌状態に陥っていることでしょう。

しかし、中国はさらにこれからとてつもない末路が待っていることにまだ気づいていないかもしれません。


超大国といわれるアメリカの一番の強さは、軍事力でもなく、イノベーション力でもありません。それは、米国による世界の金融支配にあります。現在の世界の金融体制は、ブレトン・ウッズ体制に端を発しています。これは、第二次世界大戦末期の1944年にアメリカのブレトン・ウッズで連合国通貨金融会議が開かれ、国際通貨基金(IMF)や国際復興開発銀行(IBRD)の設立が決定されたものです。

当時、世界の金の80%近くがアメリカに集中しており、アメリカは膨大な金保有国でした。その金と交換できるドルを基軸通貨とし、他国の通貨価値をドルと連動させるという仕組みで、金・ドル本位制ともいわれます。

世界各国、特に先進国の中で、食料や資源を100%自給できている国は少ないです。中国の食料自給率は85%以下といわれており、アメリカから穀物を買えない事態になれば、13億の人民は飢餓に苦しむことになります。

これに関しては、一昔前にある中国の高官が穀物の需要が増えたり、減ったりする中国の状況を「中国人の胃はゴムボールのようである」と語っていたことがあります。要するに、穀物需要がかなり減ったり、増えたりしても、中国は何とかなることを強調したかったのでしょう。

現実には、そんな馬鹿な話があるはずもなく、貧困層は穀物が手に入らず飢え死にしていたというのが実情でしょう。しかし、それは今から数十年も前のことで、今ではそのようなことはあり得ないでしょう。現状では、中国の貧困層でも何とか食欲を満たす穀物は手に入れられる状態になっていることでしょう。


実際最近では中国が突如、近年世界の穀物輸入国上位に躍り出てきました。2013年~14年期、中国の穀物輸入量は2,200万トンという膨大な量になりました。2006年の時点では、ま中国では穀物が余り、1,000万トンが輸出されていたというのに、何がこの激変をもたらしたのでしょうか?

2006年以来、中国の穀物消費量は年間1,700万トンの勢いで増大し続けている年間1,700万トンというと、大局的に見れば、オーストラリアの小麦年間収穫量2,400万トンに匹敵します。

人口増加は鈍化しているにもかかわらず、穀物の消費量がこれほど増加しているのは、主に、膨大な数の中国人の食生活レベルが向上し、より多くの穀物が飼料として必要な肉や牛乳、卵を消費しているからです。

2013年、世界全体で推定1億700万トンの豚肉が消費されました。そのうちの半分を消費したのが中国でした。人口14億人の中国は現在、米国全体で消費される豚肉の6倍を消費しています。

とはいえ、中国で近年、豚肉消費量が急増しているものの、中国人一人当たりの食肉全体の消費量は年間合計54キロ程度で、米国の約107キロの半分にすぎません。しかしながら、中国人も世界中の多くの人々と同じように、米国人のようなライフスタイルに憧れています。

中国江蘇省の豚肉売り場、価格は上昇し続けている
中国人が米国人と同量の肉を消費するには、食肉の供給量を年間約8,000万トンから1億6,000万トンへとほぼ倍増させる必要があります。1キロの豚肉を作るにはその3倍から4倍の穀物が必要なので、豚肉をさらに8,000万トン供給するとなると、少なくとも2億4,000万トンの飼料用穀物が必要になります。

それだけの穀物がどこから来るのでしょうか。中国では、帯水層が枯渇するにつれて、農業用の灌漑用水が失われつつあります。たとえば、中国の小麦生産量の半分とトウモロコシ生産量の1/3を産出する華北平原では、地下水の水位が急激に低下しており、年間約3メートル低下する地域もあるほどです。

その一方で水は農業以外の目的に利用されるようになり、農耕地は減少して住宅用地や工業用地に姿を変えています。穀物生産高はすでに世界有数レベルに達しており、中国が国内生産高をこれ以上増やす潜在能力は限られています。

2013年に中国のコングロマリットが世界最大の養豚・豚肉加工企業、米国のスミスフィールド・フーズ社を買収したのは、まさに豚肉を確保する手段の一つでした。

また、中国政府がトウモロコシと引き換えに30億ドル(約3,090億円)の融資契約をウクライナ政府と結んだのも、ウクライナ企業と土地利用の交渉を行ったのも、その一環です。こうした中国の動きは、私たち人類すべてに影響を与える食糧不足がもたらした新たな地政学を実証したものです。

このようなときに、米国に金融制裁を実施されたら、食料事情は逼迫するでしょうし、食料以外にも様々な物資の供給に支障をきたすことになります。

だからこそ、中国はドル支配体制からの脱却を目指し、人民元の国際化を進めていました。IMFの特別引出権(SDR)の構成通貨入りも、そういった流れの中で推し進められたものです。人民元はSDR入りしましたが、ドル決済を禁じられてしまえば中国経済は破綻に追い込まれることになります。

資源を買うことができなければ、軍艦を出動させることもできなくなり、これまでの「中国は今後も発展していく」という幻想は根底から覆されることになります。そして、その段階においても対立が終わらなければ、アメリカは金融制裁をさらに強めることになるだけです。

いわゆるバブルマネーによって、中国経済は本来の実力以上に大きく見られきましたが、バブルが崩壊し、同時にアメリカが前述のような金融制裁を強めたら、どうなることでしょう。当然、一気にこれまでの体制が瓦解し、中国は奈落の底に落ちることになります。

そうして頼みの綱の軍事力は、米軍と対峙できるような力はありません。このブログにも何度か掲載してきたように、日本の自衛隊が中国本土に侵略することにでもなれば、中国本土決戦ということになり、中国が勝つ見込みはあります。

しかし、例えば尖閣諸島などのように、中国側が海軍力や空軍力を用いて尖閣のような他国の領土に侵略しようとした場合、軍事的には、中国が勝つ見込みは全くありません。そのなことは、中国政府の幹部らが一番良くわかっているので、尖閣で日本と本格的に対峙することはいまのところ避けているです。そうでなければ、今頃尖閣はとうに中国のものになっています。

かつて中国が、チベットやモンゴル、トルキスタン国などに侵略したときとは、全く事情が異なります。どの地域に侵攻しようとしても、必ず米国、日本とその他周辺諸国が、連携して中国を牽制してそのようなことはさせません。
支那建国当時の版図 満州、ウイグル、内蒙古、チベットも外国だった
軍事的にも勝つ見込みは全くなく、さらに強力な金融制裁などされてしまえば、現代中国の人民はかつの人民のように穀物需要が減っても、それを甘受するなどということはありません。

ただでさえ、中国では建国以来毎年暴動が2万件あり、2010年あたりからは、平均10万件に達していといわれている国です。

その時には、暴動ではすまないでしょう。内乱になり、収拾がつかなくなり、いくつかの国に分裂するしかなくなります。

トランプ新大統領は、このようなことも視野に入れていると思います。まずは、軽い金融制裁により様子見をして、それでも中国の態度が改められなければ、さらに強化し、中国はとんでもない状況に追い込まれることになります。それでも、態度が改められなければらなる金融制裁の強化、最後の最後には軍事力に訴えることになります。

それも、段階を踏んてすこしずつ強化していくことでしょう。


中国は、早めにこのようなことを自覚して、南シナ海や東シナ海での暴挙をやめるべきです。そうでないと、本当にとんでもないことになります。

オバマと違って、トランプ大統領にとっては、中国を屈服させるのはこんなに簡単なのです。というより、米国の実力をもってすれば、元々かなり簡単なことなのですが、オバマ大統領がそれを実行してこなかったため、中国が増長したというのが現状です。ごく最近の中国を一言で表現すれば、「身の程知らず」だったということです。大統領就任中に、かなりのところまでこれを実施するというのがトランプ氏の腹です。

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2016年8月31日水曜日

【スクープ最前線】米軍、尖閣周辺に強襲揚陸艦投入で中国威嚇 習政権はG20で大恥も―【私の論評】次期大統領がクリントンなら優柔不断オバマと同じことの繰り返し(゚д゚)!

【スクープ最前線】米軍、尖閣周辺に強襲揚陸艦投入で中国威嚇 習政権はG20で大恥も

強襲揚陸艦『ボノム・リシャール』(右側) 、甲板手前に搭載して
いるのはオスプレイ10機。左は、ドック型揚陸艦『アシュランド』
   中国が焦燥感に駆られている。アジアでの軍事的覇権を強め、沖縄県・尖閣諸島の強奪もチラつかせていたが、先週の日中韓外相会談では一転、隣国との協調姿勢を演出したのだ。9月に中国・杭州で主催する、G20(20カ国・地域)首脳会議を成功させる思惑だけでなく、米軍が東シナ海などに展開させた強襲揚陸艦や攻撃型原子力潜水艦の存在も大きいようだ。ジャーナリストの加賀孝英氏が緊急リポートする。

   米国が「新たな軍事作戦」に踏み切った。これを受けて、習近平国家主席率いる中国は「米国が軍事衝突を決意した」と震え上がっている。

   中国共産党機関紙、人民日報の情報サイト「人民網」は17日、概略以下のように報じた。

  《米軍は、東シナ海の尖閣諸島(周辺海域)に、強襲揚陸艦『ボノム・リシャール』を投入した。最近、同海域に武装警備船や漁船を大挙して派遣している中国に、圧力をかけるのが狙いとみられる》

  《ボノム・リシャールは6日、母港の長崎県・米海軍佐世保基地を出航し、14日からパトロールに入った。日米両国は昨年、日米防衛協力のための指針(ガイドライン)を再改定し、尖閣などを防衛範囲に含めた》

   米軍がついに、わが国固有の領土・尖閣諸島を防衛するために、最強艦船を投入した。安倍晋三首相が実現させた、日米同盟強化の証だろう。

  世界最大級の強襲揚陸艦であるボノム・リシャールは、全長257メートル、全幅34メートル、排水量約4万トン。「動きまわる軍事基地」の異名で恐れられている。

  強襲輸送ヘリCH-46や、直離着陸戦闘機AV-8BハリアーII、新型輸送機オスプレイ、LCAC(エア・クッション型揚陸艇)などを搭載する。約2000人の海兵隊員を収納可能で、ヘリコプターとLCACなどを使って、兵員と戦車などを一気に揚陸させることができる。

 自衛隊関係者は「斬り込み隊長役を務める強襲揚陸艦の中で、ボノム・リシャールは最強だ。万が一の場合、尖閣にも瞬時に海兵隊を展開できる。すさまじい戦闘力で敵を制圧する。中国の空母『遼寧』などハリボテで話にならない」と語る。

 中国は今月に入って、尖閣周辺の接続水域や領海に、公船や海上民兵が乗り込んでいるという約300隻もの漁船を侵入させた。東シナ海は開戦前夜の緊張状態となり、「8月15日、尖閣上陸」情報まで流れた。

 ところが、ボノム・リシャールが14日に尖閣周辺に展開する直前(=12日ごろ)、漁船の大半が姿を消した。防衛省幹部は「強襲揚陸艦の出動を知り、逃げ出したという情報がある」という。

 米軍の軍事作戦はこれだけではない。以下、複数の米情報当局、米軍関係者から得た衝撃情報だ。

 「朝鮮日報は27日、『米軍の攻撃型原潜が、北朝鮮の潜水艦基地に近い公海まで隠密裏に潜入し、北朝鮮の潜水艦を監視・追跡作戦を展開していた』と報じた。実は米軍は、中国の潜水艦にも同様の作戦を行っていた。百戦百勝。相手にならない。中国の潜水艦は籠(かご)の中の哀れな鳥だ」

 ご承知の通り、中国は9月初旬、国家の威信をかけて、浙江省杭州で初の議長国としてG20首脳会議を開催する。失敗すれば、習氏の失脚は免れない。G20成功のため、中国は参加国に「テーマは経済問題に絞る」といい、中国が袋だたきになる南シナ海と東シナ海の問題は取り上げないように、必死で根回ししている。実態は土下座外交に近い。

 岸田文雄外相は24日、都内で中国の王毅外相と個別会談を行った。谷内正太郎国家安全保障局長は25日、北京で中国の楊潔●(=簾の广を厂に、兼を虎に)国務委員と、李克強首相と連続会談した。いずれも中国は協調姿勢を演出したが、G20で前出の議題を回避したかったからだ。

 だが、米国は強気だ。外務省関係者がいう。

 「米国とフランスはG20で、南シナ海と東シナ海の問題を取り上げる意向だ。米仏は、南シナ海で『航行の自由』作戦を決行することでも合意している。習氏は大恥をかく。『親中政策』の見直しを進めているテリーザ・メイ首相率いる英国が、米仏に同調し始めている」

 中国は孤立している。習氏は崖っぷちに立たされている。

 言わせていただく。日本は中国と取引などしてはならない。毅然たる態度で、東シナ海や南シナ海の問題を議論すべきだ。それなくしてG20の存在意義などない。

 加賀孝英(かが・こうえい)

【私の論評】次期大統領がクリントンなら優柔不断オバマと同じことの繰り返し(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事にあるような、米軍の中国に対する牽制は、今にはじまったことではありません。実は2ヶ月以上前から、その動きは見られました。その動きについて以下に掲載します。

米海軍は、6月2日強襲揚陸艦「ボノム・リシャール」(LHD6)と「エセックス」(LHD2)をすでに、それぞれ東シナ海と香港水域に派遣していしまた。うち、ワスプ級強襲揚陸艦「エセックス」は香港に停泊し休息に入いっていました。「ボノム・リシャール」とドック型揚陸艦「アシュランド」(LSD48)は東中国海を航行し、第7艦隊巡航任務を実施しました。この両艦は、両方ともワスプ級強襲揚陸艦です。

ワスプ級強襲揚陸艦(英語: Wasp-class amphibious assault ship)は、アメリカ海軍の強襲揚陸艦の艦級のことです。前任のタラワ級の拡大強化型として開発されたことから4万tを越える大型艦となり、主機関を中心に改良された最終8番艦は後継のアメリカ級のベースともなっています。

エセックス搭載の機動揚陸艇(LCM)
以下に、ワスプ級強襲揚陸艦の航空運用能力と、輸送揚陸機能を掲載します。

航空運用機能

航空機としてははAH-1W スーパーコブラ攻撃ヘリコプターUH-1N ツインヒューイ汎用ヘリコプターCH-46 シーナイトCH-53E スーパースタリオンなど大型輸送ヘリコプターを最大42機か、ヘリコプター最大30機およびAV-8B ハリアーIIV/STOL攻撃機6-8機を搭載。

なお、制海艦任務にあたる場合は、ハリアーを最大20機とMH-60R シーホーク哨戒ヘリコプター6機を組み合わせて搭載することができます。
艦載機構成例
標準的混成空中強襲制海艦
AV-8B ハリアーII6機20機
CH-46 シーナイト
MV-22 オスプレイ
12機42機
CH-53E スーパースタリオン9機
AH-1W スーパーコブラ4機
UH-1N ツインヒューイ4機
MH-60R シーホーク6機

輸送揚陸機能

本級は、1個海兵遠征部隊(MEU)を丸ごと収容することができます。艦内には1,858m²の車両甲板と2,860m²の貨物収容スペースが確保されており、標準的には下記のような構成で搭載されます。 
収容能力
海兵隊員1,894名
M1A1 エイブラムス戦車5両
AAV7LAV-25歩兵戦闘車25両
トラックなど支援車両80両
M198 155mm榴弾砲8門
船体内後部にウェルドック(長さ81m×幅15.2m)を備えており、上陸用舟艇として、LCAC-1級エア・クッション型揚陸艇3隻、あるいは機動揚陸艇(LCM)12隻を収容・運用することができる。タラワ級ではドック内の形状を改良し、貨物積載用ベルトコンベアを撤去したことで、LCACの搭載数が3隻に増加したが、これは本級でも踏襲された。

なお、本級は、医療設備として病床60床(うち集中治療室14床)、手術室4室を備えている。また、医療区画に隣接した海兵隊居住区を一般病床として転用した場合、さらに200床を確保することができる。

今回、この「ボノム・リシャール」を14日から、尖閣付近の水域に派遣されていたことが、米軍によつて正式に公開されたということです。

これは、まさに中国にとっては不意打ちのようなものだったことでしょう。何しろ、6月の時点では強襲揚陸艦「エセックス」が、香港で休息しているわけですから、中国としては、自国の港で休息をとっている米国の揚陸強襲感と同型の「ボノム・リシャール」をよもや米軍が尖閣沖の水域に派遣するなど思っもみなかったことでしょう。

アメリカとしては、南シナ海では中国には「まさか」との思いで、結局のところ出し抜かれた形なので、尖閣においては大いに中国を慌てふためかせたということで、さぞ溜飲を下げたことでしょう。

それにしても、尖閣で中国漁船が、海上保安庁の船に体当たりして、その後中国公船が尖閣あたりに姿を表わようになったころの、当時の民主党政権がもっと中国に対して毅然とした態度をとって厳しい措置をとっていたり、オバマももっと厳しく、それこそあの時あたりに、尖閣は日本固有の領土と声明をだし、それだけでなく強襲揚陸艦を尖閣付近に派遣するなどのことをしておけば、尖閣問題も今日のようなことにはなっていなかったことでしょう。

しかし、今から振り返ると、鳩山よりもお粗末で、頭がお花畑で、及び腰のオバマでは、そのようなことはできなかったのでしょう。

優柔不断なオバマのせいで、米国の地位は低下した
「優柔不断」といわれるオバマ外交によって、アメリカはウクライナ危機でプーチンに対抗できず、シリアの混乱を収めることができませんでした。中国に対しても、経済効果を重視し、中国との友好関係を強調し、迎合的な姿勢を保ってきました。中国の南シナ海で建設した人工島なども黙認するような姿勢が見えました。  

政権末期になって、ようやっと重い腰をあげ、南シナ海の人工島の12カイリ内でアメリカ軍が巡視活動を始めるなど行動を起こしています。ASEAN関連の首脳会合でも、オバマ大統領は、ASEAN各国に巡視活動への支持を直接働きかけ、中国への外交圧力を強めました。

オバマ大統領も徐々ではありましたが、強硬姿勢に変わりました。しかし、中国が南シナ海に万里の長城を築いた現在では、遅きに失しました。これを元に戻すのは至難の業です。

民主党の最有力候補、そうして現在の情勢では初の女性大統領と目されているヒラリー・クリントン前国務長官は、2014年に『ハード・チョイス』(厳しい選択)という書籍を出版していました。同書で、ヒラリー氏は生い立ちと政治信条を記していますが、はっきりうかがえるのは、日本は米国にとってアジアで最も重要な戦略的友好国と考えてはいないということです。

ヒラリー・クリントンの著書
ヒラリー氏は中国が米国にとって対立的国家であることを認め、中国を牽制するため、「米国はアジアのいくつかの国々と軍事協力体制を強化しなければならない」と主張しています。また、ASEAN(東南アジア諸国連合)などアジアとの地域協定を強化して、「中国を押さえつけるために協力しあわなければならない」とも述べています。

ヒラリー氏のこうした主張は、共和党政権を中心に冷戦を戦ってきた米国の基本戦略から大きく逸脱しています。「日本が米国の安全保障政策にとって重要ではない」という考え方を明らかにした米国の大統領候補は、ヒラリー氏が初めてです。

ヒラリー氏はあれからの2年間、大統領選を展開するにあたり、あらゆる機会に、この主張を繰り広げてきました。オバマ政権は事実上、中国を友好国扱いし、中国との対立を極力、避けてきました。

2016年にヒラリー氏が大統領に当選すれば、米国の政策は大きく変わることでしょう。

ヒラリー氏の考え方は、日本の基本的な国際戦略や安全保障に大きく関わってくることでしょう。安倍晋三政権やその周辺の保守的な評論家や古手外交官らは、相も変わらず日本を最も重要な同盟国とする米国の対中国基本戦略は変わっていないと信じ込んでいるようです。このため、日米安全保障条約を主軸に、集団的自衛権に基づく防衛政策を進めています。

ところが、ヒラリー氏は著書で、「日本はもはや米国にとって昔ながらの味方ではない」と示唆しています。イェール大学のポール・ケネディ教授が『大国の興亡』を書いて以来、米国の人々は日本に対して恐れと不安を持つようになり、「信頼できる友好国ではないと思うようになった」と述べています。

ポール・ケネディ氏の著書
しかしながら、ヒラリー氏こそ、オバマ大統領とともに、この5年間の外交で、過去の政権と比べると、考えられないほどの大失敗を繰り返してきた張本人です。

ヒラリー氏は、そうした失敗について釈明を試みているのですが、結局、米国が国際的指導者としての力をなくしてしまったことを自白しているに過ぎません。そうした心情が日本に対する不信というかたちで、現れたとみるべきです。

いずれにしても、ヒラリー・クリントンは日本との関係をもはや重要な戦略的基盤とは思わなくなっています。日本は、これを考慮し、彼女が大統領になったときの安全保障を考えていく必要があります。

もし、彼女が大統領になれば、尖閣沖に強襲揚陸艦を派遣などということもしなくなる可能性が高いです。オバマよりは一見強硬に見えながら、本質的にはさほどオバマと変わらないということも十分に考えられます。

日本は、中国と対峙するために、米国をあまりあてにできなくなるかもしれません。その時に備えて、安倍総理の安全保障のダイヤモンドをより強固にしていく必要があります。特に、米国以外との国々との連携を強めていくべきです。

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