2017年2月7日火曜日

支那とロシアが崩壊させる自由主義の世界秩序―【私の論評】世界は戦後レジームの崩壊に向かって動いている(゚д゚)!

支那とロシアが崩壊させる自由主義の世界秩序

孤立主義ではいられないトランプ政権

ロバート・ケーガン氏
 世界に国際秩序の崩壊と地域戦争の勃発という2つの重大な危機が迫っている。

 米国は、第2次大戦後の70余年で最大と言えるこれらの危機を招いた責任と指導力を問われている。米国民がドナルド・トランプ氏という異端の人物を大統領に選んだ背景には、こうした世界の危機への認識があった──。

 このような危機感に満ちた国際情勢の分析を米国の戦略専門家が発表し、ワシントンの政策担当者や研究者の間で論議の波紋を広げている。

 自由主義の世界秩序が崩壊へ向かう

 この警告を発したのは、ワシントンの民主党系の大手研究機関「ブルッキングス研究所」上級研究員のロバート・ケーガン氏である。

 ケーガン氏は米国学界でも有数の国際戦略研究の権威とされ、歴代政権の国務省や国家情報会議などに政策担当の高官として登用されてきた。従来は保守派の論客とされてきたが、近年ではオバマ政権でも政府の諮問機関に招かれ、国際戦略情勢に関する政策などを提言してきた。昨年の大統領選ではヒラリー・クリントン候補の政策顧問を務めている。

 ケーガン氏は1月24日に「自由主義的世界秩序の衰退」と題する同論文を発表した。同氏はこの論文で、第2次大戦以降の70余年の間、米国主導で構築し運営してきた自由主義の世界秩序は、崩壊に向かう最大の危機を迎えたと指摘する。

 危機の原因となっているのは、支那とロシアという反自由主義の二大国家の挑戦だ。1991年のソ連崩壊以後の米国の歴代政権が「唯一の超大国」の座に安住し、とくにオバマ政権が軍事力を縮小して「全世界から撤退」したことがその状況を招いたという。

 支那、ロシアの軍事力行使の危険性が高まる

 ケーガン氏の論文の要点をまとめると以下の通りである。

・世界は第2次世界大戦の終結から現在まで、基本的には「自由主義的世界秩序」に支えられてきた。この秩序は民主主義、自由、人権、法の統治、自由経済などを基盤とし、米国の主導で構築され運営されてきた。

・しかしこの世界秩序は、ソ連崩壊から25年経った今、支那とロシアという二大強国の挑戦により崩壊の危機を迎えるにいたった。

・支那は南シナ海、東シナ海へと膨張し、東アジア全体に覇権を確立して、同地域の他の諸国を隷属化しようしている。ロシアはクリミア併合に象徴されるように旧ソ連時代の版図の復活に向かっている。両国はその目的のために軍事力の行使を選択肢に入れている。

・支那とロシアの軍事的な脅威や攻撃を防いできたのは、米国と同盟諸国が一体化した強大な軍事力による抑止だった。

・だが、近年は米国の抑止力が弱くなってきた。とくにオバマ政権は対外的な力を行使しないと宣言し、国防費の大幅削減で米軍の規模や能力はすっかり縮小してしまった。

・その結果、いまの世界は支那やロシアが軍事力を行使する危険性がかつてなく高まってきた。武力行使による膨張や現状破壊を止めるには、軍事的対応で抑止することを事前に宣言するしかない。

 米国はリーダーシップを取り戻すべき

 ケーガン氏は論文で以上のように、いまの世界では支那とロシアの軍事行動による地域的な戦争の危機が高まっており、その結果、自由主義的な世界秩序の崩壊がありうると警告していた。

 トランプ政権は米軍の再増強や「力による平和」策を宣言しながらも、世界における超大国としての指導的立場や、安全保障面での中心的役割を復活させることには難色をみせている。

 だがケーガン氏は、世界の危機への対策としては、米国が世界におけるリーダーシップを再び発揮することだという。

 ケーガン氏は、今回の大統領選で米国民がトランプ氏を選んだのは、オバマ政権の消極的政策のために世界の危機が高まったという認識を抱き、オバマ路線とは異なる政治家を求めたからだとみる。トランプ大統領は、まさに非常事態だからこそ生まれた大統領だということだろうか。

【私の論評】世界は戦後レジームの崩壊に向かって動いている(゚д゚)!

世界の危機が高まっていると、警告するのは、ロバート・ケーガン氏だけではありません。たとえば、ジョセフ・ナイ氏も警告しています。ジョセフ・サミュエル・ナイ・ジュニア(Joseph Samuel Nye, Jr.、1937年1月19日 - )は、アメリカ合衆国の国際政治学者。ハーバード大学特別功労教授。アメリカ民主党政権でしばしば政府高官を務め、知日派としても知られます。

この、ジョセフ・ナイ氏が、「キンドルバーグの罠」という論文を先月9日に発表しています。この論文なかなかの優れものなので、以下にナイ氏の写真ととも、この記事の要約を掲載します。

ジョセフ・ナイ氏
キンドルバーグの罠 
トランプ次期大統領が対中政策の方針を準備するにあたって、歴史の教える注意すべき二つの大きな「罠」がある。 
一つ目は、習近平主席も引用した「ツキュディデスの罠」(Thucydides Trap)である。これは古代ギリシャの歴史家が発したとされる「既存の大国(例:米国)が台頭しつつある大国(例:支那)を恐れて破壊的な大戦争が起こる」という警告だ。 
ところがトランプ氏が気をつけなければならない、もう一つの警告がある。それは「キンドルバーガーの罠」(Kindleberger Trap)であり、これは支那が見た目よりも弱い場合に発生するものだ。 
チャールズ・キンドルバーガー
 チャールズ・キンドルバーガー(Charles Kindleberger)は「マーシャル・プラン」の知的貢献者の一人であり、後にマサチューセッツ工科大学で教えた人物だ。 
彼は破滅的な1930年代が発生した原因として、アメリカが世界大国の座をイギリスから譲り受けたにもかかわらず、グローバルな「公共財」(public goods)を提供する役割を担うことに失敗したことにあると指摘している。 
その結果が景気後退であり、民族虐殺であり、世界大戦へとつらなる、国際的なシステムの崩壊だというのだ。 
では力を台頭させている今日の支那は、グローバルな「公共財」を提供できるのだろうか? 
一般的な国内政治において、政府は国民全員の利益となる「公共財」、つまり警察による治安維持やクリーンな環境を生み出している。 
ところがグローバルなレベルになると、安定した気候や金融・財政、航行の自由のような「公共財」というのは、世界で最も強力な国が率いる同盟関係によって提供されるのだ。 
もちろん小国はそのようなグローバルな「公共財」のために貢献するインセンティブをほとんどもたない。彼らの小さな貢献は、そこから得られる利益の差を生むことはないため、彼らにとっても「タダ乗り」が合理的なものとなるからである。 
ところが最も強力な国は、小国たちの貢献の効果や差を感じることができる。だからこそ最も強力な国々にとって「自ら主導する」のは合理的なことになるのだ。もし彼らが貢献しないとなると「公共財」の生産は落ちてしまう。 
この一例がイギリスである。第一次世界大戦後に彼らがその役割を果たせないほど弱体化した後、孤立主義的なアメリカはそのまま「タダ乗り」を続けたために、破滅的な結果を生んだのだ。 
何人かの専門家は、支那は十分な力をつけても(自分たちが創設したわけではない)その国際秩序に貢献せずに、「タダ乗り」を続けると見ている。 
これまでの経過は微妙なところだ。支那は国連体制から利益を受けており、たとえば安保理では拒否権を持っている。平和維持軍では第二の勢力となっており、エボラ熱や気候変動の対処のような国連の計画にも参加している。 
また、支那は世界貿易機関(WTO)や世界銀行、そしてIMFのような多国的経済制度からも大きな恩恵を得ている。

2015年にはAIIBを創設し、これを世銀の対抗馬にすると見る人もいたが、実際は世銀と協力しながら国際的なルールを遵守している。 
その一方で、去年の南シナ海の領土問題におけるハーグの判決の拒否は、支那に対する大きな疑問を投げかけることになった。 
それでもこれまでの支那の行動は、自らが恩恵を受けているリベラルな世界秩序をつくりかえようとするものではなく、むしろその中で影響力を増そうというものだ。 
ただしトランプ政権の政策によって追い込まれると、支那は世界を「キンドルバーガーの罠」に落とす、破滅的な「タダ乗り」をする国になる可能性が出てくる。 
同時に、トランプはより有名な「ツキュディデスの罠」にも警戒すべきである。つまり弱すぎる支那よりも、強すぎる支那である。 
もちろんこの「罠」は、不可避であるわけではないし、その効果も誇張されることが多い。 
たとえば、政治学者のグレアム・アリソン(Graham Allison)は、1500年以降の既存の大国が台頭する大国に直面した16のケースのうち、12回が大戦争につながったと論じている。 
グレアム・アリソン氏
ところがこの数は不正確である。なぜならどれがその「ケース」に該当するのかが不明確だからだ。 
その一例として、イギリスは19世紀なかばに世界大国であったが、それでもヨーロッパ大陸の中心部に新たなドイツ帝国が誕生するのを見逃している点などが挙げられる。 
当然ながら、イギリスはそのおよそ50年後となる1914年にドイツと戦うことになったのだが、これは一つのケース、もしくは二つのケースとしてカウントされるのか微妙なのだ。 
第一次世界大戦は、単に台頭するドイツに直面した既存の大国であるイギリスというケースではなく、それに加えてドイツ国内におけるロシアの台頭に対する恐怖が原因であるし、衰退しつつあったオーストリア=ハンガリーにおけるスラブ系のナショナリズムの盛り上がりに対する恐怖のように、古代ギリシャの例とは違う無数の要因によるものであった。 
現在のアナロジーに関していえば、今日の米中間のパワー・ギャップは、1914年当時におけるドイツとイギリスの間よりもはるかに大きい。注意を促すという点ではたしかに比喩というのは有用だが、歴史的に不可避なような感覚を醸し出しはじめると危険なものになってくる。 
さらに古代ギリシャのケースでも、ツキュディデスが解説したようなシンプルなものではない。 
彼は第二次ペロポネソス戦争の原因はアテナイの力の台頭がスパルタの恐怖を起こしたことにあると主張しているが、イエール大学の歴史家であるドナルド・ケーガン(ブログ管理人注:ブログ冒頭の記事にでてくるロバート・ケーガンの父)の研究によれば、アテナイの国力は実際は台頭しておらず、紀元前431年に戦争が勃発した時のバランス・オブ・パワーは安定化し始めていたのだ。 
ドナルド・ケーガン氏
むしろスパルタに「リスクを冒しても戦争をすべきだ」と思わせたのは、アテナイの政策面での間違いだった。 
アテネの台頭は同世紀初期の第一次ペロポネソス戦争のほうの原因となったのだが、その後の30年間は停戦が続いた。ケーガンによれば、より破壊的なものとなった第二次ペロポネソス戦争が発生するためには、まだ消えさっていない火種を再び点火する火花と、それをマズい政策の選択を選び続けることによって煽ることが必要だったのだ。 
これをいいかえれば、この戦争は「非人間的な力」ではなく、難しい状況におけるマズい決断によって発生したのだ。 
これこそが、支那の台頭に直面する現在のトランプにとっての課題だ。彼は「強すぎる支那」と「弱すぎる支那」に同時に対処しなければならないからだ。つまり彼は「キンドルバーガーの罠」と「ツキュディデスの罠」の両方を避けなければならないのである。 
究極的にいえば、彼が避けるべきなのは、人類の歴史をむしばんでいる「計算違い」や「思い違い」、そして「早とちりの判断」なのである。
結論をリーダーの失策というところに求めているのは実務経験のあるナイ氏だからでしょうか。

それにしても、最近もトランプ政権のカオスぶりが目立ちます。

ドナルド・トランプ(Donald Trump)次期米大統領が国防長官への起用を発表しているジェームズ・マティス(James Mattis)元中央軍司令官(66)は先月12日、上院軍事委員会で開かれた指名承認公聴会の場で、ロシアが北大西洋条約機構(NATO)を破壊しようとしていると非難し、米国はかつての敵国ロシアに立ち向かう必要があるとの考えを示しました。

狂犬との異名を持つジェームズ・マティス氏
元海兵隊大将のマティス氏によるこの痛烈なロシア批判は、近く上司となるトランプ氏の対ロシア観とは懸け離れています。トランプ氏はこれまで、「非常に頭が切れる」などとウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の指導者としての手腕を繰り返し称賛し、両国間の関係改善を訴えてきました。

公聴会でマティス氏は、現在の世界秩序が直面している緊迫した状態をどのように認識しているかという質問に対して、第2次世界大戦(World War II)以後で最も大きな攻撃にさらされていると回答。「(その攻撃は)ロシアやテロ集団によるものであり、南シナ海(South China Sea)で支那が行っていることもそうだ」と指摘しました。

さらにマティス氏は、トランプ氏同様、ロシアとの関わり合いを深めることは受け入れるとしながらも「プーチン氏との協力の範囲については、ごく控えめな期待」しか抱いていないと強調しました。

ということで、アメリカという超大国も、政権中枢が混乱すると余計で無駄な戦争を起こす可能性もなきにしもあらずです。

ただし、ジョセフ・ナイ氏は、もっぱらトランプ大統領が「計算違い」や「思い違い」、そして「早とちりの判断」をする可能性を述べていますが、私としては、習近平やプーチンのそれのほうが、可能性は大きいと思います。

習近平やプーチンは、オバマ政権が軍事力を縮小して「全世界から撤退」したことを受けて、支那は海洋進出し周辺諸国の隷属化する道を歩み、ロシアはクリミア併合に象徴されるように旧ソ連時代の版図の復活に向かっています。

そうして、支那はもともと、建国以来ウイグル、チベット、内蒙古、満州などに侵略して版図を広げました。旧ソ連は、建国から崩壊まで、毎年平均するとオランダと同程度版図を拡大してきました。

これを考えると、ロバート・ケーガンが主張するように、支那、ロシアの軍事力行使の危険性があることを前提に、自由主義的な世界秩序の崩壊を防ぐために、米国はリーダーシップを取り戻すべきです。

米国がリーダーシップを取り戻すことにより、支那・ロシアが今後軍事力の行使を諦めればそれで良いですが、もし行使すれば、米国としてもこれに対抗するため行使する他ないでしょう。

米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は先月25日、米当局者の話として、トランプ政権が国連などへの拠出金の削減や、一部の多国間条約からの離脱を目指す二つの大統領令署名を検討していると報じました。国連への関与を大幅に見直し、政権が掲げる「米国第一」主義を推進する狙いがあるとみられます。

ご存知のように、国連とは英語では"United Nations"であり、これは直訳すれば、「連合国」です。国連とは、第二次世界大戦の戦勝国のための組織です。米国がここへの関与を大幅に見直し、関与をあまりしないようにするということは、米国が戦後体制から離脱することを意味します。

トランプ氏は大統領選で、支那の対米輸出拡大を批判して「45%の関税をかける」と繰り返していました。また、支那が通貨安誘導によって輸出を促進していると訴えていました。

しかし、これは事実上WTO加盟国に対してはできない措置です。どうしても、米国が支那に対して「45%」の関税をかけるということになれば、WTOを脱退しなければなりません。これも、戦後体制からの脱却を意味します。

ここまでしないとしても、米国としては、支那に対して金融制裁措置をとることもあり得ます。

戦後体制を概要を決定したヤルタ会談(前列左よりチャーチル、ルーズベルト、スターリン)
日本の保守層は、「戦後レジーム」からの脱却ということを主張してきました。私も、当然のことながらこれには賛成です。

ただし、私たちは現在米支露が「戦後レジーム」を崩壊させるほうに動いていることを理解すべきです。そうして、最悪のシナリオでは米・支・露三つ巴の戦争が起こる可能性さえあり得るということを銘記すべきでしょう。さらに、このことは日本を含めた世界中の国々に大きな影響を与えます。日本は、遅ればせながら今からでもそれに備える必要があります。

戦後体制が崩れれば、そのときには、北朝鮮のミサイル発射にも、支那の海洋進出にも、あらゆる外交課題について日本はアメリカに全面的に頼ることはできないと考えて臨むべきです。

日本の後ろにもうどのような場合でも、アメリカが存在していて、必ず助けるてくれるとは限らないと、覚悟するよりないのです。もう与野党で馬鹿な議論、誹謗合戦をしている暇はないのです。

しかしこれは、当たり前のことなのです。自分の国のことを他国に憚らず自分で決め、自分で守るのは、トランプ(大統領)に言われることなく、自明の理屈なのである。無論その時に、米国との対等同盟関係を築くことも選択肢の一つです。

しかし、アメリカに頼りきって、アメリカに守られながら生きる日本の時代、日本にとっての「戦後レジーム」は、間もなく終了するとみなすべきなのです。そもそも、これは当然のことです。どんなに強固な体制であっても同じ体制が永遠に続くことなどあり得ないのです。時代の変化にあわせて変わっていくのが自明の理です。

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2017年2月6日月曜日

【東京新聞「深く反省」】 長谷川幸洋氏が同紙記事に反論 「言論の自由の侵害」「北朝鮮と同じになる」―【私の論評】「ニュース女子」臆することなく、これからも左翼の闇に切り込め(゚д゚)!

【東京新聞「深く反省」】 長谷川幸洋氏が同紙記事に反論 「言論の自由の侵害」「北朝鮮と同じになる」

長谷川幸洋氏 写真はブログ管理人挿入 以下同じ
沖縄の米軍基地反対運動を扱った東京MXテレビの番組「ニュース女子」で司会を務める東京新聞の長谷川幸洋論説副主幹は6日、ニッポン放送のラジオ番組「ザ・ボイス そこまで言うか!」に出演し、東京新聞が2日付朝刊で謝罪記事を掲載したことについて、「はっきり言って、とんでもない問題だ。私に対して処分をするということは、言論の自由の侵害になる」などと反論した。

 長谷川氏は、「東京新聞は(今回の問題と)何の関係もないし、私が社外で発言することが東京新聞の報道姿勢と違っていても、何の問題もない。それを保証すること自体が言論の自由を守ることだ」と語った。

 その上で、長谷川氏は「安全保障など、私の意見は論説主幹や他の論説委員と合わないことが多く、よく議論になる。ただ、多様な視点でものを見ることは健全なこと。論説主幹の意見を忖度(そんたく)し、他の意見を排除していたら、北朝鮮と同じになってしまう」と述べた。

 東京新聞の記事では、「とりわけ副主幹が出演していたことについては重く受け止め、対処します」と書かれていた。今後について、長谷川氏は「断言するが、私から(論説副主幹を)辞めるわけにはいかない」と話した。

 1月2日に東京MXテレビで放送された「ニュース女子」では、沖縄県東村高江の米軍高江ヘリパッド建設をめぐり先鋭化する反対運動を特集。反対派について「テロリストみたい」などと表現した。一部の市民団体などから抗議の声が上がり、東京新聞は2日付朝刊1面で、「事実に基づかない論評」が含まれていたとして、謝罪記事を掲載していた。

【私の論評】「ニュース女子」臆することなく、これからも左翼の闇に切り込め(゚д゚)!

この問題、長谷川氏の主張が正しいと思います。「ニュース女子」に関しては、最近もこのブロクでとりあげました。その記事のリンクを以下に掲載します。
「ニュース女子」騒動と朝日社説 慰安婦の「大誤報」反省せず、現在進行形で海外にたれ流し―【私の論評】「ニュース女子」を巡って大公開討論をすべき(゚д゚)!

朝日新聞の社説
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、結論からいうと、問題となった「ニュース女子」の沖縄報道は、事実に基づいたものであり、全くの虚偽ということはありません。

この記事で、ケント・ギルバート氏は、この問題について公開討論をしようではないかと、朝日新聞に呼びかけています。

私の結論としては、ケント・ギルバート氏と朝日新聞の公開討論というだけではなく、朝日新聞も含めて、あの「ニュース女子」の報道を虚偽という人々と、そうではないとする人々の間で、大公開討論をすべきというものです。

こうすることにより、言論の自由が確保されるものと思います。ただ、一方的に主張し、長谷川氏の考えを全く受け入れないというのであれば、これは言論の封殺です。

さて、今回の事件とは直接関係ないのですが、長谷川幸洋氏は、過去に週刊ポストの連載をしていて、その最終回のときに以下のような意見を述べています。
長谷川幸洋氏「政権と戦うのがマスコミの使命とは思わない」

 東京新聞・中日新聞論説副主幹の長谷川幸洋氏による『週刊ポスト』連載、「長谷川幸洋の反主流派宣言」が最終回を迎えた。その最後のコラムから、本当の反主流派を貫く長谷川氏が、マスコミの姿勢について解説する部分を紹介する。

* * *

 多くのマスコミ関係者は「政権や権力と戦うのが使命」と思っている。私は政権と戦うのがマスコミの使命などとは、まったく思っていない。そんなことをいったら、マスコミはいつだって政権反対の立場に縛られてしまう。 
 自民党が政権をとったら自民党反対で、民主党政権になれば民主党反対ではないか。そうではなく、マスコミは政権がどうであろうと自分自身が自由に考え、意見を述べるべきなのだ。マスコミが単なる政権の逆反射に陥れば、自由に考えているのは政権の側で、マスコミは思考停止になってしまう。 
 権力監視は大事だが「権力は絶対的に悪だ」という話ではない。そんな極論を言い出せば、警察も自衛隊も国税庁もいらない話になってしまう。肝心なのはマスコミが時の政権や権力から自由にモノを考え取材し、意見を述べる。それに尽きる。 
 私が籍を置く東京新聞は、いまや日本でもっとも過激な左派の新聞である。デモがあれば、1面を大々的にデモの写真で埋め尽くした。 
 何を報じ、何を訴えようと自由だが、私が東京新聞とは正反対の発言をしたり書いたりするのも、もちろん私の自由だ。東京新聞の大勢が主流派であるとすれば、私がたった1人で反主流派を貫いているのは誇りに思う。ときどき「東京新聞から出て行け」という声も耳にするが、そういう輩は言論の自由の本質をまったく分かっていない。
確かに、とにかく何が何でも、何から何まで、反政府というのを絶対善であると、多くの左翼の方々は信奉されておられようです。 これでは、まさに全体主義です。

何しろ、左翼の方々は経済理論まで捻じ曲げてしまいます。たとえば、景気が悪くなれば、ましてやデフレになれば、金融緩和をすべきであるというのは日本以外の国では、自明の理であるとされているし、マクロ経済の標準的に教科書にはそう掲載されているにもかかわらず、金融緩和にほとんどの左翼の方々が大反対するか無視しています。

ということは、安倍政権が実施しているから、反対ということです。これでは、全く長谷川幸洋氏の主張そのままです。

これでは、財務省と同じです。多くの左翼の方々は、政府に反対することが絶対善であると、新報しているがゆえに、本来政府の一下部機関に過ぎないにもかかわらず、あたかも大きな政治集団のように行動する、財務省と同じような見解を持つに至っているということです。

東京新聞の記者が以下の様なツイートをしています。


「傷つき苦しむ人々」は誰なのか、この方は、わかっているのだろうか。傷ついているのは滅茶苦茶な反対運動活動家の好き勝手に困り果てている地元の普通の住民たちです。番組に対して騒ぎ立てている人間が“傷ついている”としたら、本当の事を暴露されたからなのではないでしょうか。

この記者は、長谷川氏が指摘するように、「権力に立ち向かう」のが記者の役割だと古臭いイデオロギーに酔っ払っているようです。 新聞記者は「悪・欺瞞・不正・横暴に立ち向かう」べきです。高江の騒動で支那の横暴・活動家の不正・欺瞞に向き合わない報道機関は社会には必要とされず消滅するのみです。

「権力に立ち向かい」と言いつつ、長谷川氏を吊し上げにする社内権力に迎合しているのは、この記者自身です。「権力監視」「反権力」「弱者擁護」とは、ジャーナリストがよく使う口癖ですが、要は、左翼偏向報道をする口実として使われているだけです。読者・視聴者が真に求めているのは正しい情報であって、プロパガンダではありません。ジャーナリストの本分を忘れた活動家モドキが、この種のお題目を使いたがるものです。

今回の事件は、とにかく沖縄の米軍基地に関しては何が何でも大反対、反対しない奴は許さない、自分たちの敵だというような具合で、「マスコミが単なる政権の逆反射に陥れば、自由に考えているのは政権の側で、マスコミは思考停止になってしまう」をそのまま地でいっているようです。

さて、「ニュース女子」の報道を偏向報道として、BPOに訴えた辛淑玉は、沖縄タイムスに本日以下のような記事を掲載しています。
ニュース女子:報道全体の信用失墜、副主幹の懲戒解雇を 「のりこえねっと」共同代表・辛淑玉さん 
 東京MXの番組「ニュース女子」で司会を務める東京新聞・中日新聞論説副主幹の長谷川幸洋氏の罪は深く重い。
 一番の問題は、副主幹という肩書を持つジャーナリストがデマを出したということだ。これは、企業の管理監督責任だけで収まらない。ジャーナリズム全体の信用を失墜させたという意味では、懲戒解雇しか考えられない。 
 東京新聞の謝罪記事については、ジャーナリズムの良心が一歩前進したのかなと思う。ただ、抗議文を送っている長谷川氏自身からは何の返答もない。 
 番組放送以降、ネット上では過激な言葉が止まらず、デマはすさまじい勢いで広がっている。あの番組は差別を扇動するものであり、出てしまったデマを国として社会として訂正していかないといけない。 
 これはデマなんだ。デマは社会的に裁かれるということを見せていかなければ。付いてしまった火をどうやって消すのか、本気で考えないといけない。
『ニュース女子』(にゅーすじょし)は、DHCシアターとBOY'S TV DIRECTION COMPANYで共同制作で、2015年4月12日から毎週金曜日の21:00 - 22:00に放送されているニュース&時事問題トークバラエティ番組。改題前のタイトルは、『女は悩まない 女の世直しニュース女子』。CSで放送されている番組です。

過去においては、この番組の存在を周りの人に聴いてみても、誰も知りませんでした。しかし、最近では「名前だけ知っている」とか「見てみたら分かりやすかった」という人が何人かでてきています。

左翼の方々が騒いでくれたおかで、この「ニュース女子」の知名度があがったと思います。左翼系の方々は、この手の間違いをよくするようです。有田芳生氏とか、香山リカ氏とか、保守系の書籍などに難癖をつけると、かなり売上が上がったりします。

ニュース女子出演者 左から杉原杏璃 、脊山麻理子 、重盛さと美
「ニュース女子」に関しては、別に女子でなくても見ていて面白いです。どうしても、報道番組というと、いわゆる年配の方々それも、男性が多くて、見ていると肩がこるし、面白みに欠るのですが、この番組では若い女性が多数出演するので、それだけでも雰囲気が華やかです。

それに、あまり前提知識のない若い女性たちにわかるように解説するので、非常にわかりやすいです。

「ニュース女子」は今回のことにたじろぐことなく、これからも左翼の闇にどんどん分け入って報道していただきたいです。

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2017年2月5日日曜日

在日支那人「反アパホテル」デモ 対抗団体も登場、休日の新宿が混乱―【私の論評】支那はコントロールしてはならないものをし続けやがて衰退する(゚д゚)!

在日支那人「反アパホテル」デモ 対抗団体も登場、休日の新宿が混乱

アパホテルに向けて行進する在日支那人の団体=5日午後、東京都新宿区
ホテルチェーンのアパホテルが「南京大虐殺」などを否定する書籍を客室に備えているとして、支那当局が猛反発している問題で、日本在住の支那人らが5日、東京都新宿区で同ホテルへの抗議デモを実施した。現場周辺にはデモに抗議する団体メンバーも多数詰めかけ、休日の新宿は混乱した。

 デモを行ったのは、このデモのために結成された日本で生活している支那人企業経営者、会社員らで作る「中日民間友好委員会」。約300人(主催者発表)の参加者が午後3時から、新宿中央公園から新宿御苑に近い同ホテル周辺まで行進した。「中日友好」「民族の尊厳を守る」などと書かれたプラカードや横断幕を掲げながら道路を歩いたが、シュプレヒコールを上げることはなかった。

 デモには抗議する右翼団体の構成員らが併走。「JAPANが好きだ」と書かれた横断幕を奪い取ろうとしたほか、デモに飛びかかろうとして、警戒に当たっていた警察官に静止される場面が何度も見られた。

 デモを主催した来日10年になるという支那人女性は「(周囲の)みなさんにはご迷惑をおかけした。今回声を上げたのは勇気ある支那人だ」などとコメント。年齢や名前などは明らかにしなかった。

【私の論評】支那はコントロールしてはならないものをし続けやがて衰退する(゚д゚)!

アパホテルに向けて行進する支那人団体
この在日支那人らによるデモは、あっけないほどに淡々としたものだったようです。このデモには支那政府が関与しているものと考えられますが、さすがに支那政府にも最近の世論調査の内容が影響しているものと考えられます。

内閣府が昨年3月12日付で発表した「外交に関する世論調査」によると、支那に「親しみを感じない」と答えた人が前年比0.1ポイント増の83.2%に達し、昭和53年以降で過去最高となりました。やはり、尖閣諸島(沖縄県石垣市)など東シナ海での高圧的な海洋進出、南シナ海での傍若無人な振る舞いなどを背景に支那への不信感は頂点に達しています。

主要国への親近感推移(「親しみを感じる」「どちらかというと親しみを感じる」の合計)
また、習近平が主席になって以来、支那国内では反日デモがほとんど起こらなくなりましたが、なぜそのようなことになったかといえば、反日デモを放置しておくとほとんどの場合いつの間にか反政府デモになってしまうという現象が続いたからです。

いわゆる支那の反日デモ多くは、官製デモであることが多かったのですが、官製デモにも多くの一般人民が参加して、加熱するといつの間にか反政府デモになってしまうという現象も続きました。そのため、政府がいわゆる反日デモ規制したため、反日デモが影を潜めてしまったのです。

2010年より以前には、支那国内にはかなり多くの反日サイトがありましたが、これも放置しおくと、いつの間にか反政府的書き込みが増え、反政府サイトのようになってしまうという現象が続いたにので、2010年以降から政府が規制するようになったので、現在支那にはいわゆる反日サイトがなくなってしまいしまた。

日本在住の支那人による北京オリンピックの聖火リレー応援
これは、国威発揚のため支那政府が行ったもの
支那政府としても、北京オリンピックの長野での聖火リレー応援のような、大量の人員を集合させ、支那の旗を大勢が振り回すようなことをすれば、日本国民の支那に対する感情がさらに悪化するおそれがあることと、日本国内でも大掛かりなデモをすれば、これがいつの間にか反支那政府デモになってしまうことも恐れたのだと思います。

日本などの外国で支那人が反政府デモを行えば、支那の威信にも大きく傷がつく可能性もあります。それを支那政府がおそれたため、あまり過激なものにはしなかったのでしょう。

しかし、たとえそうであったとしても、支那人による「アパホテル抗議デモ」を 容認した警察、法務省や関係各省を我々日本人は平然と見過ごしてはいけないです。 ここは「日本国」です。 反日プロパガンダによるデモを 公然と許すべきではないのです。 

今回このデモを主催した「中日民間友好委員会」なる団体は、デモの届けをして許可されているのです(下写真が許可書)。これは外国人主導による、一企業へのデモが許可されたということです。このような前例が出来たら、今後恐ろしいことになる可能性もあります。


それにしても、警察はなぜ許可したのでしょう。本来許可すべきではないのでしょうが、 今回の許可によって、国内に潜む危ない支那人、及びそのシンパの日本人をおびき寄せて顔写真付きのリスト化ができます。おそらく公安警察はこのチャンスを捉えてそのようなことを密かに行っているものと思います。それに、支那人の危険性を日本人に啓蒙する事にもなると思います。

1民間企業の経営者の書いた書籍がその経営者の経営しているホテルに置かれていることを問題だとして、仮に一国の政府が批判し、それに加えてこのようなデモも開催するというのですから、本当に支那は狂っています。

日本をはじめとする、まともな先進国ではさすがにここまでのことはしません。やはり、支那は常識が欠けているのです。本来外国の一民間企業の行動などコントロールすべきではないし、そもそもしようと思ってもできません。

支那政府はコントロールしてはならないものをコントロールしたことによって過去に何度も失敗しています。それについては、以前このブログにも掲載したことがあります。

その記事のリンクを以下に掲載します。
【お金は知っている】支那 止まらぬ資金流出、人民元の下落 習政権の慢心が自滅招く―【私の論評】行き着く先は超元安とハイパーインフレしかない支那経済(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事より以下に一部を引用します。
支那政府は、農民から収奪した土地を工業団地や商業地などに転換して不動産バブルを演出したにもかかわらず、供給が需要を大きく上回ってマンションやショッピングセンターが「鬼城(ゴーストタウン)」だらけになってしまいました。そこで習近平政権は投機の受け皿を不動産から株にシフトし、株投資を煽って株高に誘導しました。不動産の次は株の官製バブルを演出しました。
ところが、それは元々政府のやるべき仕事ではありません。株価は、将来得られるであろう企業収益の現在価値です。本来企業の業績が良くならない限り、株価は上がらないのです。その本質を支那政府は理解せず、株式市場にカネを突っ込んで、なりふり構わぬPKO(株価維持策)を続けました。しかし、支那企業の業績は伸びていないのですから、当然の結果として株価は2015年夏から下落し始めました。
すると今度は大量保有株主の株式売却を半年間禁止し、違法売買の摘発を強化しはじめました。しかし、株価が下がっている時に株を売れないことほど株主にとってストレスになることはありません。そのため、大量保有株主の株式売却解禁と同時に株価は大幅に下落しました。株価の急変時に取引を停止する「サーキットブレーカー」制度を新設後5日間で2回も発動したのですが、それがまた呼び水となって、さらに株価は下落するという悪循環に陥ってしまいました。
突然の株価下落で唖然とする上海市民
これら一連の動きから、世界中から支那政府は資本主義経済を全く理解してないという事実が露呈ししてしまったので、現在世界中がある種のパニック状態に陥っています。支那政府は欧洲がやっているような感じのつもりで上へ下へと支那経済をコントロールしようとしてきたつもりなのですが、いまやヨーヨーの紐が伸びきったように何をもってしてもコントロール不能になってしまったのです。
考えてみれば、そもそも、南シナ海を埋め立てて支那の軍事基地にするという発想も、領土問題など存在しないのに日本の固有の領土である尖閣諸島を自国の領土であると主張したりすることも、本来コントロールしてはならいないものをコントロールしようとしているということです。

アパホテルに対する批判もこれと同じです。しかし、懲りない支那です。これからも、コントロールしてはならないものをコントロールしようとして、何度も失敗して反省することもなく、やがて衰えて消えていくのでしょう。

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2017年2月4日土曜日

「ニュース女子」騒動と朝日社説 慰安婦の「大誤報」反省せず、現在進行形で海外にたれ流し―【私の論評】「ニュース女子」を巡って大公開討論をすべき(゚д゚)!


朝日新聞の社説
朝日新聞は1月28日の社説で、東京MXテレビで放送しているDHCシアター「ニュース女子」の沖縄取材を批判した。社説は冒頭から飛ばしている。

《事実に基づかず、特定の人々への差別と偏見を生むような番組をテレビでたれ流す。あってはならないことが起きた。》

朝日に、東京MXテレビやDHCシアターを批判する資格がないことは後ほど説明する。引き続き、社説を引用する。

《反対運動を支援してきた市民団体「のりこえねっと」の辛淑玉(シンスゴ)さんは、番組で「運動を職業的に行っている」などと中傷されたとして、放送倫理・番組向上機構(BPO)放送人権委員会に人権侵害を申し立てた。》

沖縄・高江のヘリパッド工事は、北部訓練場の7543ヘクタールのうち、4010ヘクタールを返還する目的で行われた。日米双方が希望する「基地の返還」に必要な工事だった。それを日米いずれの国籍も持たない人々が問題視していた。疑問を持つメディアがあることも理解できる。

動画サイト「ユーチューブ」にアップされた動画を見ると、辛氏は反対運動に在日朝鮮人らが含まれていることを認めていた。ヘリコプターで高江に物資を運ばれることに対し、「みんなで風船飛ばそう」「グライダー飛ばしたり」などと語っていた。ヘリが墜落したらどうするのか。

高江や辺野古に住む住民の中には、県外者による過激な反対運動を迷惑だと訴える人もいる。また、辛氏が共同代表を務める「のりこえねっと」が「市民特派員」を募集する際、往復の飛行機代相当の5万円を支給すると告知していたことは事実である。
さて、朝日社説の締めである。

《対立をあおり、人々の間に分断をもたらすことに放送を使う行いは、厳しく批判されなければならない。》

オーストラリアで慰安婦像設置を阻止した、住民組織AJCNの山岡鉄秀代表の調査を受けて、私も1月26日付の朝日の英字サイトを確認した。

朝日は、日本語では単に「慰安婦」と書く部分を、英語では「women who were forced to provide sex to Japanese troops」(日本兵にセックスを強制された女性)と表現していた。

慰安婦報道の「大誤報」を反省しておらず、「事実に基づかず、日本人への差別と偏見を生むような英語記事」を、現在進行形で海外にたれ流しているのではないか。私は、朝日こそが「あってはならない新聞」として、厳しく批判されなければならないと思う。

ケント・ギルバート

【私の論評】「ニュース女子」を巡って大公開討論をすべき(゚д゚)!

「ニュース女子」に関する自分自身の論評をこのブログにもいずれ掲載しなければならないとは思っていたのですが、そもそも私からすると、辛淑玉らの訴えは底が見えていて、あまりに下らなく、これについて論評すること自体が考えただけで疲れをもよおすので、今日まで掲載しませんでした。しかし、本日はケント・ギルバート氏もブログ冒頭のような記事を掲載していることから、このブログでも紹介することにしました。

ブログ冒頭に掲載されている、「ニュース女子」の沖縄取材番組の動画を以下に掲載します。


この番組は、タテマエや綺麗ごとは一切なし!本音だらけのニュースショー!!今話題のニュースを女性とともに考え、面白くわかりやすく解説します。大人の社交界型ニューストーク番組です。

この動画は以下の様な構成になっています。
①「沖縄基地反対派はいま」
②「2017年日本の政治・経済はどう動くのか」
③「ニュース女子反省会」
MC:長谷川幸洋(東京中日新聞論説副主幹)
吉木りさ(グラビアアイドル)
武田邦彦(中部大学教授)
藤井厳喜(国際政治学者)
須田慎一郎(経済ジャーナリスト)
井上和彦(軍事ジャーナリスト)
岸博幸(元経済産業相官僚)
上念司(経済評論家)
杉原杏璃(グラビアアイドル)
脊山麻理子(フリーアナウンサー)
八田亜矢子(タレント)
REINA(タレント)

私が視聴した限りにおいては、特に酷い内容とは思えません。これを批判するというのなら、報道どころか、朝日新聞が「事実に基づかず、特定の人々への差別と偏見を生むような番組」と報道するのは、言論の自由への挑戦としかいえません。

さて、先月27日、東京・永田町の衆院第2議員会館で記者会見した辛淑玉(シンスゴ)はこの番組による米軍ヘリパッド建設に関する放送内容を「うそと妄想とデマで固められている」と断罪しました。自らとともに侮蔑(ぶべつ)された沖縄県民の思いをおもんぱかり、悔しさと憤りをにじませたそうです。代理人の弁護士は法務省の人権擁護機関への救済申し立てを予定していることも明らかにしました。

その模様の動画を以下に掲載します。



しかし、この訴え、かなりの部分が不当であることが以下の動画をご覧いただくと良くご理解いただけるものと思います。私は、自身でこれを記述しようとも思ったのですが、あまりにくだらなくて、その元気が出ないので、この動画を掲載することにしました。



ちなみに、辛淑玉さんは「ニュース女子」報道が偏向しているとして、BPO に訴えたのですが、BPO 側から返事がかえってきたとし、以下のようにツイートしています。

BPOには、いっとき香山リカさんが放送倫理検証委員会をしていたこともあり、偏りがあるのではないかと危惧していました。意外とまともな対応をしています。あの程度の番組であれば、何も辛淑玉さんのいうように、酷い内容でもありませんし、どこまでも努力を強いられるなどということもないです。
ちなみに、私はなぜか辛淑玉さんには、ツイートでブロックされています。この記事を書くために、辛淑玉さんのツイートを閲覧しようとしたのですが、ブロックされていることを今日はじめて知りました。私自身は、辛淑玉に対してTwitterや、その他のメディアでも一切批判したことなどありません。

したことといえば、辛淑玉さんに批判的なツイートをリツイートしたことはあったかもしれません。ただし、それも記憶に定かではありません。

にもかかわらず、ブロックされたのはなぜかと考えてみたところ、以下のような記事をブログに掲載したことがあったことを思い出しました。
【中国の本性】翁長知事の危険な中国接近 左翼活動家や沖縄メディアが触れない南シナ海問題 ―【私の論評】沖縄左翼のゴネ得を間近で見た私の結論は、結局奴らへの対処は毅然として絶対に妥協はしないこと(゚д゚)!
米ワシントンを訪問した翁長知事
詳細は、この記事をご覧いただくもとして、この記事では東京から沖縄へ活動家として赴いていると思しき人の、ゴネ得体質を説明しました。やはり、このような記事をブログに掲載したり、日当に関することなども他の記事で掲載したので、ブロックされたのだと思います。

さて、朝日新聞が1月28日に社説で「ニュース女子」を厳しく批判する社説を掲載したことについて、ケント・ギルバート氏がTwitterで公開討論を求めています。
ケント・ギルバート氏は1月2日の「ニュース女子」について1月下旬にzakzak誌上で取り上げ、同番組に対し相次いでいる反論に疑問を呈し「私自身が現地で見たり、沖縄に住む友人たちから聞いた話とは食い違う」などと語るとともに沖縄の米軍基地を「排除したい国はどこなのか。聞く方が野暮である」と背後の勢力について匂わせるコメントでコラムを締めていました。

氏のTwitterには数多くの応援メッセージが寄せられており、朝日新聞に対して自社の社説に関する公開討論を受けるべきだとの声が相次いでいます。

この件では、この「ニュース女子」の番組で東京新聞の論説副主幹でもある長谷川幸洋氏がMCをしていたことを、東京新聞が問題だったとして、謝罪の社説を掲載しています。

以下に、その東京新聞の紙面を掲載します。


私自身は、長谷川氏のこの行動は何も問題はなかったと思います。長谷川氏も一切謝罪していません。これを謝罪する東京新聞はやはり、かなり偏向していると言わざるを得ません。

そうして、最後に、上の記事でケント・ギルパート氏は"日本語では単に「慰安婦」と書く部分を、英語では「women who were forced to provide sex to Japanese troops」(日本兵にセックスを強制された女性)と表現していた"と掲載しています。

それで、実際に朝日新聞の英文サイト "The Asahi Sinbun"で、" women who were forced to provide sex to Japanese troops"で検索をしてみたところ、12もの記事がヒットしました。

以下が、検索結果の一部です。



このような恥知らずのことをしておきながら、一方では"対立をあおり、人々の間に分断をもたらすことに放送"などと「ニュース女子」を批判するなど、あり得ないです。

やはり、ここは、朝日新聞も含めて、あの「ニュース女子」の報道を虚偽という人々と、そうではないとする人々の間で、大公開討論をすべきです。

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【朝まで生テレビ】ケント・ギルバート氏、沖縄基地反対のデモ隊の日当を中国共産党が間接的ではありますけども、払ってますと発言―【私の論評】公然の秘密ともいえる日当の資金源はここだ(゚д゚)!


2017年2月3日金曜日

【痛快!テキサス親父】偏向メディアに騙されるな トランプ氏は公約を実行してるだけだゼ―【私の論評】日米保守はニューディール連合から政治の主導権を取り戻せ(゚д゚)!

【痛快!テキサス親父】偏向メディアに騙されるな トランプ氏は公約を実行してるだけだゼ

 トニー・マラーノ氏(中央)
 ハ~イ! みなさん。

19日間の日本訪問を終えて、地元・テキサスに帰ってきたぜ。今回も、たくさんの出会いがあった。67歳になって、世界で最も文化的な国である日本で、多くの新しい友人ができたことに幸せを感じる。講演会に来てくれたみなさん、運営を手伝ってくれたスタッフのみなさんに心から感謝したい。

途中で、伝統的なイルカ漁で知られる和歌山県太地町にも立ち寄った。反捕鯨団体「シー・シェパード」の連中が生放送中だったので、彼らの異常性について大声で論理的に抗議してきたぜ。

さて、日本では、ドナルド・トランプ米大統領のことが話題のようだな。大統領令や発言、突然の人事などで、米国の主要メディアも右往左往しているようだ。

トランプ氏が、中東・アフリカ7カ国からの入国を90日間禁止したことに、米国のリベラルな地域では抗議デモが行われている。

だが、考えてほしい。トランプ氏は大統領選で「米国民の安全を第一に考える」として、何度もこの措置を口にしていた。つまり公約だ。トランプ氏が大統領に当選したのだから、選挙民がこの政策を支持したことになる。彼はそれを淡々と実行しているだけだぜ。

そもそも、オバマ前大統領は2011年、イラク難民へのビザ発給を6カ月間も禁止にしたぜ。そのとき、主要メディアは無視していた。トランプ氏がその半分の暫定措置を出したら、この騒ぎだ。だれが騒いでいるのか明確だよな。

「合法性に確信が持てない」として司法省に大統領令を擁護しないよう求めたサリー・イエーツ司法長官代行が解任された。これも当然だ。国民の投票で当選した大統領による大統領令に異議を唱えたわけだから、民意に反することになる。

日本では「トランプ氏が暴走している」「米国中が反対している」と報じられているようだが、違うぜ。日本メディアの支局があるニューヨークやロサンゼルスには民主党支持者が多く、リベラルな地域だから大騒ぎだろうが、他は静かだ。そして、米国の主要メディアもほぼリベラルだ。

こうしたなか、トランプ氏は欠員があった連邦最高裁判事に、保守派として知られる連邦高裁判事のニール・ゴーサッチ氏を指名した。

いよいよ、リベラルやポリティカル・コレクトネス(過度な政治的公平性)にメチャクチャにされた、「米国のリハビリ」が始まったってことだ。型破りの方法に、民主党やマスコミは動揺しているが、トランプ氏が掲げる「米国民のための政治」に、米国のサイレントマジョリティーは大いに期待しているぜ。

親愛なるみなさんと、日本と米国に神のご加護がありますように。米国民はマスコミの偏向報道にうんざりしている。国民にツイッターで直接語りかけるトランプ氏への期待は大きいんだ。

では、また会おう!

トニー・マラーノ

【私の論評】日米保守はニューディール連合から政治の主導権を取り戻せ(゚д゚)!

トニー・マラーノ氏の考え、アメリカの保守層の代表的な意見であると考えられます。では、アメリカの保守層とはどのような人たちなのでしょうか。そもそも、私たちは、従来彼らの声をほとんど聴いてきませんでした。

それを考える上で非常に参考になる動画を以下に掲載します。


上の動画の要旨を以下に掲載します。

【ニューディール連合とは (3:00頃~)】
フランクリン・ルーズベルトが社会主義政策を大規模に推し進め、労働組合・バラマキ利権者・リベラル派官僚から成る選挙機関を作り政界を乗っ取りました。これをニューディール連合といいます。このニューディール連合から政治の主導権を取り戻すのがアメリカの保守の課題なのです。 
ニューディール連合を日本的に言うと「戦後レジーム」となります。ニューディーラーの中でも極めて落ちこぼれで、アメリカ本国で通用しないので極東アジアに左遷されたGHQなる組織によって作られたのが戦後の日本国憲法であり日本的左翼なのです。
【ポピュリズムとは(5:55頃~)】
日本で一般的に認知されているポピュリズムは「大衆迎合主義」と訳され批判の対象とされます。しかしこの解釈はアメリカの左翼によって作られたものであり、保守派の定義ではもともとは中産階級の代弁者という意味です。 
「ポピュリズム」の対義語は「エスタブリッシュメント」です。 
エスタブリッシュメントは支配階級・上流階級の意味ですが、分かりやすく日本で例えるなら朝日新聞のような自称インテリ、朝日岩波文化人を指します。 
これに対してまともな国民の意見を代弁する少数の政治家を、左翼が「ポピュリスト」とレッテル貼りをしたのです。
以上のようなことが、日本では全く知られていません。さて、この動画の中でも紹介されていた、『現代アメリカ保守主義運動小史』にはこのあたりのことについて詳細に記されています。表紙の写真を以下に掲載します。



リー・エドワーズ氏(1932年生まれ、イリノイ州シカゴ生まれ)は、ヘリテージ財団のアメリカ研究のためのB.ケネス・サイモン・センターの保守派の著名な研究員です。
ブログなどでは、どうしても体系的にアメリカの保守について解決することはできません。米国の保守派の考え方の概要を知りたい方は、是非お読みになって下さい。

今のところ、アメリカの保守を正しく知るためには、この書籍が最高のものであると考えられます。残念ながら、日本で手に入るアメリカ保守に関する書籍は、翻訳したもの、そうではないものも含めて、すべてリベラル・左派等の色眼鏡を介して書かれたものばかりです。

今回なぜトランプ大統領がなぜ、誕生したのかを知るには、これらの知識は欠かすことができません。

しかし、日本のメディアはこのようなことを理解していないので、トランプ大統領の誕生を全く予測できないばかりか、米国のリベラル・左派のメデイアの報道をそのまま日本でも垂れ流しているだけです。

そもそも、日本では多くの人が、米国のリベラル・左派の考えを、米国の大勢を占める考え方であると捉えています。そうして、その中には当然のことながら、保守層の考えも含まれているものと捉えています。

しかし、それは完璧な間違いです。 おそらく、米国には人口の半分くらいの保守層が存在するものと考えられます。しかし、その声は、リベラル・左派のメディアや学界などにより、かき消され、ニュースなどを見ている限りでは、リベラル・左派の意見が世の中の大勢を占めているかのように見えたです。

アメリカ国内がこの有様ですから、アメリカ以外の他の国もこれに引きずられて、ハチャメチャになっていたというのが、今までの世界でした。

しかし、トランプ大統領登場によって、その偏向や歪みが正される可能性がでてきました。それが、上の記事でトニー・マラーノ氏が述べている「リベラルやポリティカル・コレクトネス(過度な政治的公平性)にメチャクチャにされた、「米国のリハビリ」が始まった」ということなのです。
まさに、ニューディール連合から政治の主導権を取り戻すのがアメリカの保守の課題であり、これは日本でいえば、「戦後レジーム」からの脱却なのです。

日本の「戦後レジーム」は、上にもあるように、ニューディーラーの中でも極めて落ちこぼれの連中によってもたらされたものです。

その意味では、ニューディール連合は、まさしく日米保守の敵なのです。日米の保守は、これに勝利するために、手を携えて行く必要があるのです。まさに、ニューディール連合から政治の主導権を取り戻すことこそが、日米保守の最大の課題なのです。

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2017年2月2日木曜日

トランプ氏、豪首相に暴言連発=電話会談、険悪な雰囲気―【私の論評】豪政府の尻拭い?オバマの旧悪露見(゚д゚)!


ホワイトハウス執務室でオーストラリアターンブル首相と電話会談するトランプ米大統領=1月28日
米紙ワシントン・ポスト(電子版)は1日、トランプ米大統領が1月28日にオーストラリアのターンブル首相と電話会談した際、難民引き受けに関する米豪合意をめぐり激しい言葉を首相に投げつけ、険悪な雰囲気に陥ったと報じた。政敵やメディアだけでなく、意見が合わなければ同盟国の首脳にも攻撃的態度に出るトランプ氏の姿勢が表れたと言えそうだ。

 豪政府はオバマ前米政権との間で、難民認定を求め豪州へ密航後、国外の施設に収容された人々について、一部を米国へ移住させる一時的措置で合意している。同紙によると、ターンブル氏が電話会談で、トランプ政権もこの合意を守ることを確認しようとしたところ、トランプ氏は「これまでで最悪の取引だ」とこき下ろした。

 トランプ氏はさらに、豪州が「次のボストン(マラソン大会)爆弾テロ犯」を輸出しようとしていると非難。同じ28日に安倍晋三首相やプーチン・ロシア大統領らとも電話で話したことを挙げ、「この(豪首相との)電話が飛び抜けて最悪だ」と吐き捨てるように言った。1時間を予定していた電話は、25分で切り上げられたという。
 
 米政府高官はポスト紙に、豪首相とのやりとりが険悪だったと認めた上で、安倍首相らとの協議は生産的で心地良いものだったと強調した。

 ターンブル氏は30日の記者会見で、トランプ氏との電話会談で難民移送に関する合意が引き継がれることを確認したと述べた。一方、トランプ氏は1日、ツイッターに「オバマ前政権は、何千人もの不法移民を豪州から引き受けると約束した。なぜだ? このばかな取引について調べる」と投稿した。

【私の論評】豪政府の尻拭い?オバマの旧悪露見(゚д゚)!

トランプ米大統領は2日、ツイッターで、イラクやイランなどからオーストラリアに亡命を希望して密航した数百人を米国へ移住させるという米豪間の取り決めを「ばかげた合意」と評し、再検討する意向を示しました。

米紙ワシントン・ポスト(WP)はこれより先、ブログ冒頭の記事にもあるとおり、トランプ大統領が1月28日に行われたターンブル豪首相との電話会談で首相を激しく非難し、1時間の予定だった会談を25分で切り上げたと報じました。

ターンブル首相は会談について記者団に、率直かつ腹を割った話し合いだったと述べましたが、「プライベート」な会話の詳細については明らかにしませんでした。

WP紙は米国に最も近い同盟国の1つである豪の指導者との会談についてトランプ大統領が「これまでの中で最悪」と評したとも報じました。

密航者の米国への移住合意は、豪政府とオバマ前政権との間で昨年11月に結ばれたもののです。

これに関しトランプ大統領はツイッターに「これが信じられるか。オバマ政権は豪から何千人もの不法移民を引き取ることに合意した。なぜか。このばかげた合意を調査する」と投稿しました。

合意の一環として、米政府は豪政府がパプアニューギニア・マヌス島とナウルの施設に収容している最大1250人の密航者を米国に移住させ、引き換えにエルサルバドル、グァテマラ、ホンジュラスからの難民を豪に移住させることになっています。

パプアニューギニア・マヌス島にあった難民収容施設内の2段ベッド(2014年2月18日)
さて、豪政府による移民に扱いは以前から国際的な問題になっていました。

オーストラリアへの定住を求める難民認定申請者が、同国本土から遠く離れたパプアニューギニアや、太平洋の島国ナウルなどで隔離される形で収容生活を送っている現実は、15年前からオーストラリアの国内外で大きな議論となってきました。

昨年の8月、英紙ガーディアンが、以前から入手していたナウルの収容所における劣悪な環境を記した文書を公開しました。子供に対する性的虐待が日常化している現状などを報じたことによって、オーストラリア政府が難民認定申請者を自国内に入れようとしないどころか、経済援助という名目で近隣の貧しい国に難民認定申請者の収容を肩代わりさせている実態が再び議論になっていました。

ガーディアン紙が10日に報じたナウルにある難民認定者収容施設の劣悪な環境。同紙は8000ページ以上に及ぶ文書を入手し、その中で2013年5月から2015年10月までの間に施設内で2100件以上のトラブルや事件が発生していたと伝えています。


太平洋に浮かぶ島国ナウル共和国は世界で3番目に小さな国家で、約1万人が暮らしています。この小さな島国に、オーストラリアでの定住を希望する難民認定申請者が送られ、島に作られた収容施設で生活をしています。

収容所はオーストラリア移民国境警備省の委託を受けた民間企業が管理・運営を行っており、2014年に1200人を超えた収容者は、昨年の時点では460人程度にまで減少していました。

オーストラリアでは1970年代初頭まで、白人以外の移民流入を認めない、いわゆる「白豪主義」で知られていましたが、1972年に発足したホイットラム政権によって白豪主義は廃止され、オーストラリアは多文化主義を国策として掲げ、アジアからの移民にも門戸を開きました。

1990年代前半、ボートでオーストラリアに入国した難民認定申請者は年間数百人レベルだったのですが、密航業者によってインドネシアといった地域からのルートが開拓されたことで、90年代後半からボートを使った入国が急増。2001年には5500人超がオーストラリアに入国しました。

難民認定を求める申請者の急増にオーストラリア政府が対応しきれなくなり始めたことや、海上ルートでオーストラリアにやってくる難民認定申請者が事故などで命を落とす危険性、密航業者の台頭を抑える必要性など、「ボートピープル」への早急な対応を迫られた中道右派のハワード政権は2001年秋に「パシフィック・ソリューション」という対ボートピープル政策を開始しました。

この政策は難民認定申請者を乗せた船を海上で拿捕し、彼らをオーストラリア本土に立ち寄らせないまま、他国に作られた施設に収容し、そこで難民として生活させる仕組みです。

前述のナウルや、パプアニューギニアのマヌス島、オーストラリア本土から2000キロ以上離れたクリスマス島(オーストラリア領)に収容施設が作られ、難民認定申請者はオーストラリアから遠く離れたこれらの場所で新たな生活を始めることになりました。

収容施設の暴動で亡くなった青年を追悼するオーストラリアの人たち
アムネスティは2013年末にパプアニューギニアのマヌス島にある収容施設を訪問しました。収容されている人びとは口々に「まるで刑務所のようだ」と話したそうです。鍵のかかったフェンスに囲まれ、出入口には守衛が立っていました。

居住施設は過密状態で、仕切りはなく、プライバシーはまったくありませんでした。一番ひどい所では、50畳ほどの広さに61の2段ベッドが並でいました。ベッドの間隔はわずか20センチ。112人が毎日を過ごすこの建物は、まるで戦時中の格納庫のようなかまぼこ型のトタンづくりで、風は通らず、窓もありませんでした。

蒸し暑いマヌス島では極めて不快でした。トイレとシャワーの数は限られ、しかもよく壊れるそうです。当然、列をつくって並ぶはめになるのですが、待つのは炎天下です。そして着替えの支給はわずかだそうです。

こうした肉体的にも精神的にも不衛生な環境では病人が出ても不思議ではないのですが、医療の設備もスタッフも不足しています。

職員による暴力や人種差別的な中傷も起きています。2014 年2月には、あまりの劣悪さに一部が脱走を試みたことがきっかけで暴動になり、死者まで出ました。

ただし、オーストラリア政府は毎年一定数の難民受け入れを行っており、毎年1万人を超える難民にオーストラリアでの定住許可が与えられています。2015年から2016年にかけて、オーストラリア政府は当初約1万3000人の難民受け入れを予定していたのですが、シリア内戦の激化とそれが原因となった難民の増加に対応するため、難民受け入れ数を2万5000人にまで増やしています。

多くの難民船がオーストラリアに向かう途中で沈没
(2010年12月、クリスマス島沖)
オーストラリア政府がパシフィック・ソリューションの対象としているのは、船を使ってオーストラリア入国を試みる難民認定申請者で、空路でオーストラリアに入国した者は対象外となっています。

ヨーロッパのケースとは異なり、オーストラリアに陸路で入国することは物理的に不可能で、空路か海路のどちらかになります。オーストラリア政府はヨーロッパ諸国よりも入国を試みる難民認定申請者の数をより把握できており、空路でやってきた多くが審査を経て在住資格を得ていると主張しています。しかし、難民認定を受けているか否かに関係なく、船で入国を試みた者は基本的にオーストラリア本土に住むことはでません。

海上で拿捕された船に乗っている難民認定申請者は、そのままパプアニューギニアのマヌス島かナウル共和国に連行され、そこに作られた収容所に入れられるという話は先に述べた。収容所に入った難民認定申請者には、収容所で暮らすか、出港した国に戻るか、定住先を第三国に求めるかの選択肢しかありません。

 2007年12月に労働党政権が誕生すると、翌年に当時のラッド首相はパシフィック・ソリューションの廃止を発表したが、与党のエバンス移民・市民権大臣は「馬鹿げており、社会により負担がかかり、成功する見込みすらない試みだ」と批判した。

廃止後、海上ルートでオーストラリアを目指す難民認定申請者は急増。対応に頭を抱えたオーストラリアは、ギラード政権誕生後の2012年8月にマヌス 島とナウルの難民収容施設の再開を発表。ギラードの辞任を受けて再び首相に就任したラッドは、以前に示した方針を180度転換する形で、「ビザを持たずに船でオーストラリア入国を試みる難民認定申請者をオーストラリアに住まわせることは決してない」と発言していました。

ナウルの地元住民から攻撃を受けた難民。
(アムネスティ・インターナショナル提供)
マヌス島とナウルの収容施設は、それぞれ2004年と2008年に閉鎖されましたが、オーストラリア政府は緊急事態に備えて、両施設の取り壊しは行ないませんでした。ギラード政権下で2012年に収容施設が再開されると、オーストラリア政府は2012年からの4年間で両施設の維持費として約2400億円を使っており、パプアニューギニアとナウルにとっては貴重な収入源となっていました。

これに加えて、オーストラリアから両国への経済援助も行われており、それらの見返りとしてこれまで両国は難民収容の“アウトソーシング”を引き受けてきた経緯があります。

ナウルの人口は1万人足らずですが、リン鉱石の採掘事業が成功し、リン鉱石の輸出によってナウル経済は繁栄を続け、20世紀には世界で最も豊かな国の1つとして知られていました。税金も存在せず、世界でもトップクラスの社会福祉制度を設けていたナウルですが、20世紀末に国家収入の大部分を占めていたリン鉱石が枯渇すると、国内経済に混乱が発生するようになりました。

かつてはナウル国民全員をオーストラリアが受け入れする案も出されたほど、国内の景気低迷は出口の見えない状態となっており、他国からの経済援助なしでは国家が崩壊しかねない状態にあります。ナウルにとっては、収容所運営はまさに渡りに船なのです。

オーストラリア政府が現在も実施しているボートピープル収容のアウトソーシング化には人権・倫理上の問題から批判が多く、パプアニューギニアの最高裁判所は昨年4月に「マヌス島の収容施設では収容者の人権が侵害されており、非合法と判断する」との判決を下しました。

ナウルの収容所での
以上のことを知った上では、トランプ大統領がターンブル首相に苦言を呈したのはもっとなことだと考えられます。

結局のところ、オバマ前大統領は何のことはない、オーストラリア政府の不手際の尻拭いをしようとしたいうことです。

オーストラリア政府は、難民の数が増え過ぎて、国内では受け入れ不可能な程になったのですが、難民を受け入れなければ国際社会から非難されることを恐れてパシフィック・ソリューションなる姑息な手段を講じたのです。とにかく、キレイ事、事なかれ主義で体裁を繕おうとしたのです。全く無責任です。


そうして、頭のネジの緩んだオバマは、こうしたオーストラリア政府の言い分を聞いて、難民認定を求め豪州へ密航後、国外の施設に収容された人々について、一部を米国へ移住させる一時的措置で合意したのです。

そうして、これに関して、トランプ大統領は、「オバマ前政権は、何千人もの不法移民を豪州から引き受けると約束した。なぜだ? このばかな取引について調べる」とTwitterに投稿したのです。

まさに、オバマの旧悪が露見した形です。どうしてこのようなことになってしまったのか、トランプ大統領はこれを詳しく調査して公表していただきたものです。そうして、無論のことオバマの責任を追求すべきです。

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2017年2月1日水曜日

「日本は円安誘導」=トランプ氏、為替政策批判-日銀緩和も不満?―【私の論評】変動相場制国間の通貨戦争は単なる幻想に過ぎない(゚д゚)!


大統領令にサインしたトランプ大統領
トランプ米大統領は31日、ホワイトハウスでの医薬品大手トップらとの会談で「他国は通貨安誘導に依存している。支那は行っているし、日本は何年も行ってきた」と語り、日中の為替政策を批判した。大統領就任後に日本の為替政策に言及したのは初めて。2月10日の日米首脳会談を前に日本をけん制する意図があるもようだ。

 31日の欧米外国為替市場では、トランプ氏の発言直後、1ドル=113円台だった円相場が2カ月ぶりの高値となる112円付近まで急伸した。

 トランプ氏は「他国は通貨安を享受し、米国がばかを見ている」「他国は通貨安や通貨供給量で有利な立場を取っている」と主張し、円安・ドル高基調を批判。日銀などが量的金融緩和を実施し、市場に大量の資金を供給していることにも不満をにじませた。

 先進7カ国(G7)や20カ国・地域(G20)の首脳会議などは、通貨安誘導の回避の原則を確認。一方で、通貨安をもたらす日銀などの金融緩和は、自国経済の安定が目的だとして、容認してきた。トランプ氏が他国の金融政策を批判し続ければ、G7、G20会議の議論にも波紋を広げそうだ。

 「米国第一」を掲げるトランプ氏は貿易赤字の削減に向け、自国製品の輸出に不利なドル高の進行を抑制したい考え。日米首脳会談では、トランプ氏の関心が強い自動車貿易に加え、円安・ドル高も議題に上る可能性がある。日本は2011年以降、円売り介入を避けてきたことを説明し、理解を求める構えだ。
 
 一方、英紙フィナンシャル・タイムズは31日、トランプ政権高官がユーロ安・ドル高を批判したと伝えた。報道によると、国家通商会議トップのナバロ氏は米国と欧州連合(EU)間の環大西洋貿易投資連携協定(TTIP)交渉について、ドイツに対する巨額の貿易赤字が「障害になる」と述べ、ユーロ安をけん制した。

【私の論評】変動相場制国間の通貨戦争は単なる幻想に過ぎない(゚д゚)!

上の記事の内容からは、トランプ氏は、金融政策を正確に理解していないとろがあります。そうそも、通貨戦争なるものは存在しません。それについては、以前もこのブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
米中通貨戦争、敗者は支那―【私の論評】支那を敗者に追い込んだのは、米国だけではない!寧ろ日本のほうが大きな役割を果たした!!
米中通貨戦争の勝者はアメリカ?
 この記事は、2013年11月3日のものです。この時期は、アメリカの金融緩和政策(QE)が続いていました。

詳細はこの記事をご覧いただくものとして、そもそも金融緩和による通貨戦争など成り立ち得ないことを示した部分をこの記事から引用します。
そもそも、通貨戦争など本来あまり成り立ちにくいものです。ある国がどこまでも金融緩和を続ければ、確かに当面の通貨戦争には勝つかもしれませんが、そのまま続けていれば、国内がインフレになってしまいます。それでも続けていれば、ハイパーインフレになってしまいます。そうなれば、金融緩和策はやめざるを得なくなります。こういうことから、通貨戦争をやり続けることは現実には無理です。
日本の場合、2013年4月からそれまで頑なに緩和をしてこなかった日銀が金融緩和に転じました。それによって、確かに円安状況にはなりましたが、その後2014年4月から、経済的には悪手である、消費税増税8%にするというとんでもないことを実施してしまいました。

金融緩和は継続してはいるものの、この増税によって、消費が落ち込み、またデフレにもどってもおかしくない状況になってしまいました。雇用はかなり良くはなったものの、日銀が金融緩和を実施する前に定めた物価目標2%はいまだに達成できない状況です。

それとこのブログにも掲載したように、日本の構造的失業率は過去の統計数値などから2.7%程度と考えられるにもかかわらず、現在の失業率は3%台であり、本来は追加の量的緩和をする必要性があると考えられるのですが、日銀はそれに踏み切らないため、実質賃金なども上昇しつつはあるのですが、目立って上がっている状況にはありません。

そのため、トランプ氏の語る「他国は通貨安誘導に依存している。支那は行っているし、日本は何年も行ってきた」という発言はこと日本に関しては間違いです。

日本は、通貨誘導のために何年も金融緩和政策を続けてきたわけではありません。あくまで、デフレから脱却するために実行してきたものであり、その結果として円安傾向になったものです。

これは、過去のアメリカも実施してきたことです。以下に、アメリカの金融緩和を示すグラフを掲載します。


2014年10月末に、米国連邦準備制度理事会(FRB)は量的金融緩和(quantitative easing : QE)による金融機関等からの資産追加購入を停止することを発表しました。その意味や今後の影響に関してはすでに沢山の解説や論評が出ていますので、ここでは長く続けられた量的金融緩和の実績と結果について、FRBのデータからマネタリーベース(Monetary Base)の推移を現したグラフを掲載しました。

リーマン・ショックのあたりから、かなり大規模な金融緩和を行ってきたことがわかります。それも、現在の日銀と同じように、資産の購入によって実行してきました。そうして、米国の場合は、雇用の改善度合いを目標値として、それを達成したので、QEをやめたのです。これをいつまでも続けていれば、いずれはインフレ、それでもまだ続けていれば、ハイパー・インフレになったことでしょう。

この間、日本の日銀は、金融緩和を行わなかったため、日本は超円高となり、国内では深刻なデフレスパイラルの深みに陥りました。

米国に限らず、他国の中央銀行が大規模な金融緩和を行ったにもかかわらず、当時の日銀はそれを実行しなかったため、こうした事態を招いてしまったのです。

2013年4月以降の日本も、円安誘導をするために、金融緩和政策を実行してきたわけではありません。しかし、2%の物価目標では、インフレになる可能性はありませんが、それでも量的追加金融緩和を拡大し続ければ、いずれインフレになり、それでもさらに続ければハイパー・インフレに陥り、とんでもないことになります。

そのため、金融緩和はいずれかの時点で、取りやめることになります。そうして、普通の国ならば、ハイパー・インフレにならないため、金融緩和政策をいつまでも続けるなどということはあり得ません。

2010年日本は為替介入を実施したが、その後はほとんど行っていない
通貨安誘導には、為替介入(外国為替市場介入)という方式もありますが、これは通貨当局が為替相場に影響を与えるために、外国為替市場で通貨間の売買を行うことで、正式名称は「外国為替平衡操作」といいます。為替介入の目的は、為替相場の急激な変動を抑え、その安定化を図ることです。

わが国では、為替介入は財務大臣の権限において実施することとされており、実施の決断のほか、タイミングや金額等の決定は財務大臣が行います。日本銀行は、外国為替資金特別会計法および日本銀行法に基づき、財務大臣の代理人として、その指示に基づいて為替介入の実務を遂行しています。

この為替介入についても、いつまでも続けるわけにはいきません。たとえば、円安を誘導するのであれば、ドルを売って円を買うということで確かにできますが、これも長期にわたって継続することは困難です。いつまでも、続けていればドルが枯渇してしまいます。これもいずれ収束することになります。

そのため、為替介入の目的は為替相場の急激な変動を抑え、その安定化を図ることであると認識すべきです。

しかし、これは無論のこと、変動相場制をとっている国の通貨にあてはまることです。


支那は、そうではありません。支那の人民元は変動相場制に対応していません。ですから、通貨の需要と供給の関係によって相場が決定されるという市場メカニズムが働いていません。

厳密に言えば、人民元は確かに完璧な固定相場制ではありません。ただ、現状では自由に売買できる通貨でもありません。うまい表現ではないかもしれませんが、「ちょっと上下する固定相場制」と言った方が良いのかもしれません。

支那は元々、資本主義国ではありませんから、自由貿易と言うものを行ってきませんでした。ですから我々のように、貿易をするのにあたって互いの国の通貨が必要となり、売買したりする必要がありませんでした。

東西冷戦が崩壊し、支那が国際舞台に再び登場してくると、加工貿易を基礎とした急速な経済発展が続きました。すると、外貨と人民元の需給バランスを考えなければならなくなります。そこで登場したのが管理フロート制の採用です。これによって、まったくの固定相場ではなくなりましたが、未だ固定相場に近いのです。

こうした特殊事情から、支那の場合は、元を不当に低くして、為替操作をすることもできます。だから、支那の場合は完璧に変動相場制に移行していないため、為替操作国の謗りを免れないかも知れません。

しかし、日本をはじめとする、変動相場制に移行している国々を、為替操作しているなどというのはトランプ氏の言いがかり以外の何ものでもありません。

貿易赤字に関しても、貿易赤字そのものを家計の赤字と同じようにそれだけで悪いと思い込むのは間違いです。それについては、以下の記事を御覧ください、ここでは解説しません。
支那:1月の貿易黒字は過去最高-内需の弱さ浮き彫りに―【私の論評】安倍政権批判のためには何でもする日本の敵マスコミ諸氏! 支那は貿易黒字で大躍進ではないのですか! 嘘つき日本マスコミの実体が良く理解できる記事(゚д゚)!
貿易統計や、国際収支のみでものを語る愚かな人々?
さて、日本を為替操作しているなどとみる、トランプ大統領にはやはり、その間違いをはっきりと指摘しなければなりません。

トランプ米大統領が日本の為替政策を批判したことを受け、日本政府は反論しました。菅義偉官房長官は1日午前の記者会見で、トランプ氏の発言について「全く当たらない。金融緩和は国内の物価安定目標のためで、円安誘導を目的としたものではない」と強調しました。

菅氏は為替について(1)市場で決定される(2)通貨の競争的な切り下げを回避する(3)為替レートを目標にしない――など主要7カ国(G7)をはじめとする過去の国際的な合意に基づいて政策を進めていると説明。今後もその方針に変わりはないと強調しました。

浅川雅嗣財務官も財務省内で記者団に「日本の金融政策はデフレ脱却という国内政策目的のためにやっている。為替を念頭に置いたものでは全くない」と指摘。「(為替)介入を日本は最近していない」と説明しました。「為替相場はマーケットで動いている。操作しているわけではない。もう少し説明がないと分からない」とも述べました。

いずれにせよ、自国の経済や雇用を良くするために、金融緩和をすれば自国通貨流通量が増えるので、通貨安になるのは当然のことです。しかし、上にも述べたように、金融緩和は限度超えていつまでも実行できるものでありません。為替操作も長期間継続できるものでもありません。

その意味では、変動相場制の国々の間での通貨戦争は単なる幻想です。これをトランプ大統領に理解させないと、日本に限らず、いずれの変動相場制の国でも、金融政策に齟齬を生じる危険性さえあります。

安倍総理は、トランプ大統領と会談するときにこれをわかりやすく説明して、納得してもらうべきです。



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