福祉大国・スウェーデンの看護師の募集要項が話題だ。なんと応募条件に「セクシーさ」を求めているのである。何!? セクシーナースだらけの病院だと!
話題の求人広告を出しているのはスウェーデンのストックホルム南区にある総合病院。夏の期間雇用の看護師募集広告だ。
募集要項には「積極性、専門性、ユーモアがある人を募集!もちろんドラマに出てくるナースのようなセクシーさもね」と書かれている。む! セクシーナースのいる病院だと! そんな病院なら行ってみたいが一体どのように選考するのだろうか。そもそもセクシーの基準って何だ?
看護師長のヨルゲン・アンダーソンさんによるとこのような求人をかけた理由は、求職者の注意を引きたかったためだそうだ。本当にセクシーさを求めているわけではないらしい。
ヨルゲンさんは「求職者の好奇心を刺激したいと思いました。応募に関しては履歴だけで結構です。写真や学歴証明をつける必要はありません」とコメント。なんだセクシーさが採用基準ではないのか。
しかし、この募集に興味を持つ人なら少なくとも積極性とユーモアは兼ね備えているだろう。少しがっかりしたが、話題にもなり募集広告としては成功だ。優秀な人材が集まるに違いない。
オリジナル記事: スウェーデンの病院の看護師募集広告がユニークだと話題に / 応募条件「セクシーであること」
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【私の論評】広告は手段を問わず目的を達成できなければ意味がない!?
この広告は、意表をついていてなかなか面白いと思います。それに、広告の目的を達成できていると思います。最近では、広告の手段として、従来の新聞、雑誌はもとより、様々なネットの広告があります。しかし、これは、手段が多様化しただけで、広告の本質ではありません。この募集広告の案を考えた人、当の病院の人なのか、あるいは広告会社の人なのかは、わかりませんが、いずれにしても、目的をはっきりさせたからこそ、このような柔軟な発想がでてきたものと思います。
広告もそうですが、仕事をするときには、何のためにそれをするのかという目的がしっかりしていなければ、とんでもないことになる場合もあるようです。この広告では、あくまでも、優秀な看護師を獲得するという目的にそったものであったので、それなりに十分効果を出すことができたのだと思います。ただし、何回もこのような広告の出し方をすれば、当初の目的は達成できないので、広告の内容を変えなければならなくなると思います。
これに関する逸話で、二つほど思い出すことがあります。
最初は、結構前のことであったので、うろ覚えなのですが、あるプロジェクトにおいて、一時的にユーザーの位置の全体像がわかれば良いという状況が発生したそうです。このプロジェクトのメンバーの一人のSEは、いまでいうところ、地図情報システムの簡単なものを作成しようとしました。ところが、このチームのチームのプロジェクトリーダーは、そんな意見には、耳をかさず、「地図とピンを用意してくれ」という指示をだし、壁に地図をはり、該当ユーザーがいるところにピンを刺していきました。そうして、この方式でやれば、十分用が足りたそうです。地図システムまでは、必要もなく、目的を達することができたそうです。地図情報システムなど作成していれば、時間と経費がかかり、納期に間に合わず、さらには、赤字倒れに終わったかもしれません。なにしろ、この時代は、現在のようにクラウドで豊富な地図情報システムなど提供されていませんでした。
それから、このブログでもずいぶん前に状況した、「予告in」というサイト。これは、秋葉原大量殺人事件が発生した直後に国で対策委員会を開催したときに、出席していた国会議員が、総務省の官僚に、「あらゆるサイトで殺人予告などがあったときに、それを警察に通報するシステムが必要と考えられるが、そのようなものを作成する期間と資金はいかほどのものか」と訪ねたそうです。そのときの総務官僚の答えが、「3億で、半年」というものでした。
ところが、この話を聞いた矢野さとるさん(上写真)という方が、なんと、直接かかる費用としては、ゼロ円、時間としては、2時間ほどで、殺人予告を通報するシステムを作成してしまいました。それが、予告inというサイトです。このサイトなにやら、もともとあるクラウドを用いるSNSサイト作成サイトなど転用して作成したようにみえます。実際そうだと思います。無論デザインとか、いくつかある機能を使ったり制限するようなことはしていると思います。しかし、よく考えてみれば、このようなものでも十分だと思います。
なぜなら、もともと、サイトというものは、人に見られるために、つくられています。さらに、犯行予告をするような連中は、その犯行をするしないは、別にして、なるべく多くの人に見てもらいたいと思って犯行予告をサイトに書き込むわけです。だから、これでも、十分に予告の書き込みなど補足できわけです。確かに、予告しない連中もいるでしょうが、そのような連中は最初からサイトに書き込むことはなく、最初から全く圏外です。であれは、これで、十分すぎるほどてきるわけです。しかも、サイトに作成のための知識もほんどといならないわけです。しかし、このようなつくり方をするということを思いつくこと自体が当時であれば、画期的だったと思います。
なぜなら、その当時は、まだまだ、クラウドという考え方が希薄だったらかです。先に、国会の委員会で、「3億、半年」と答えた総務官僚には、クラウドなどという考えはなかったのだとと思います。おそらく、旧態依然として、クライアントサーバーシステムで組むことを考え、しかも総務省傘下の、「犯罪予告通報センター」なる組織まで考えていたに違いありません。ここで、AIなど用いて、全国のありとあらゆるサイトから、犯罪予告を探しだし、センターの所員が、判断し、その内容を警察に通報するような大掛かりで鈍重なシステムを考えていたにに違いありません。しかも、このセンター長は、総務省の天下りで、そのほか、著名人や、その道の権威と呼ばれる人を理事、理事長などにするなど、既存の考え方でつくろうとしたに違いありません。
しかし、もともと、そんなもの全く必要がなかったということを、この予告inサイトは、十分証明してみたと思います。頭が、19世紀のままの総務官僚と、異なり矢野さんは、現代社会の住人であったということだと思います。
少し、先の広告の話とは、ずれてるようにも思われるかもしれませんが、広告であろうが、プロジェクトであろうが、犯罪予告システムであろうが、そもそも、最初の目的が何であるかをはっきりさせれば、余計な時間も、経費もあまり使わなくてもすむのに、目的がはっきりしていなければ、極端に効果のできない仕事になってしまうことの典型例だと思います。
それにしても、今回の事例はなかなかわかりやすいと思います、看護婦さん募集で「セクシー」という言葉を意図的にいれることにより、多くの人々の耳目を集め、さらには、積極性があり、ユーモアの感受性も備えている優秀な看護婦さんを獲得できる可能性が高まったと思います。ところで、この応募の結果どうなったのでしょう。本当に期待通りの看護婦さんを雇用することができたのでしょうか?ご存知の方ぜひ教えてください!!
それから、この記事には、いくつか看護婦さんの写真を掲載してみましたが、このような、ナースキャップをかぶっている看護婦さんはもう世界中探してもどこにもいません。セクシーな看護婦さんといわれて、こういう姿を真っ先に思い浮かべる方は、先の総務官僚のように、頭が、が19世紀のままなのかもしれません。それにいまでは、看護婦という言葉も正式ではありません。正確には、看護師です。こういう看護婦さんが今の世の中かで、存在するとすれは、コスプレの中だけです。十分にお気をつけ下さい!!