2024年11月8日金曜日

衆院選大敗で執行部批判相次ぐ 自民、2千万円支給を問題視―【私の論評】石破総理の辞任は避けられない!自民党の行く末を左右する党内不満と国会運営

衆院選大敗で執行部批判相次ぐ 自民、2千万円支給を問題視

まとめ
  • 自民党は衆院選の大敗を受け、両院議員懇談会で執行部の責任が問われ、特に2千万円の支給判断が批判された。
  • 首相は謝罪したが、即時退陣の要求はなかった。青山参院議員は辞任を促した。
  • 議員たちは執行部の判断について批判し、党の一体感の重要性を強調した。

 自民党は7日、衆院選の結果を総括する両院議員懇談会を開催し、大敗を受けて執行部の責任が問われた。特に、非公認候補が代表を務める政党支部に公認候補と同額の2千万円を支給した判断に対する批判が強まった。

首相は「深く反省し、おわびしなければならない」と謝罪したが、即時退陣の要求はなかった。青山参院議員は辞任を促し、稲田元防衛相は信を問う姿勢に疑問を呈した。柴山元文部科学相や小林元経済安全保障担当相も執行部の判断について批判し、党の一体感の重要性を強調した。

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【私の論評】石破総理の辞任は避けられない!自民党の行く末を左右する党内不満と国会運営

まとめ

  • 両院議員懇談会では、異例の事態として非公認候補が代表を務める政党支部に2000万円が支給されたことに対する批判、青山議員が首相に辞任を促す場面があった。
  • この「2000万円問題」は自民党の大敗の要因とされ、森山幹事長が責任を問われる中、自民党執行部は、国会運営のために森山氏を続投せざるを得ない状況に追い込まれた。
  • 自民党は予想外の選挙敗北を受け、高市早苗氏の幹事長起用の案もあたったようだが、結局森山氏の交渉力に頼らざるを得ない状況に追い込まれた。
  • 石破政権は国民民主党の協力によってかろうじて過半数を保とうとしているが、同党からの要求に対応する必要があり、内外からの圧力に直面している。
  • 次期参院選が迫る中で、石破総理の辞任と総裁選のへの要望が高まる可能性があり、石破政権は支持基盤を失い続け、ついには党内圧力によって総裁選が不可避のものとなるだろう。

7日開催された両院議員懇談会

両院議員懇談会は通常、衆議院と参議院の議員が一堂に会し、政策や党の方針について意見を交わす場である。一方、議員総会は、党の全議員が集まり、重要な決定事項を議論し、方針を定めるための会議だ。目的も参加者も異なるため、混同は禁物だ。しかし、この懇談会で異例の出来事が起こった。非公認候補が代表を務める政党支部に、正規の公認候補と同額の2000万円が支給されたことで批判が噴出さらに、青山議員は首相に辞任を促すという前代未聞の一幕もあったのだ。

この「2000万円問題」は自民党大敗の一因とされ、森山幹事長はその責任を追及されることとなった。党内からは幹事長交代の声が高まる一方、森山氏は反発を押し切り、続投を決意。なぜか?背景には与党が過半数を割り、国会運営に野党の協力が不可欠となった現実がある。

選挙戦では政治資金不記載問題が大きく響き、自民党は予想外の敗北を喫した。この厳しい結果を受け、高市早苗氏の幹事長起用も取り沙汰されたが、石破政権は大敗の直後に人事を揺るがせば政権の安定が危うくなると判断。現状維持が最善とみたのだ。党執行部は、不満が充満する中での人事異動が党内の混乱を招きかねないと冷静に見ているようだ。

森山幹事長

さらに、森山幹事長は国会運営や野党との交渉に長けており、その交渉力は政権維持に不可欠とされる。このため、高市氏の登用は見送られ、石破政権は今後も森山氏に頼らざるを得ない構図が浮き彫りとなった。

現在の自民党政権はかろうじて続いており、国民民主党の協力によってかろうじて過半数を保てる状態だ。しかし、国民民主党は「年収103万円の壁」や「トリガー条項凍結解除」といった条件を突きつけている。石破政権はこれらの要求に対応せねばならず、内外からの圧力に直面することが予想される。

次期参院選が迫るなかで、石破総理の辞任と総裁選挙が決議される可能性は高い。自民党内では、森山幹事長の交代を求める声が日増しに強まっている。「2000万円問題」に端を発した批判が渦巻く中で石破氏が続投することは、さらなる不満を増大させかねない。さらに、与党が過半数を割っているため、国民民主党の協力が得られなければ国会運営は立ち行かず、党内外の信任を損なうリスクもある。

国民民主党代表玉木氏

そして、選挙戦での敗北は党内の支持基盤を揺るがし、総裁選への道を切り開く要因となる。特に、党内の一体感が欠如した状態では、次期参院選の戦局に悪影響を及ぼしかねない。トランプ大統領の再選も影響を及ぼす可能性がある。再選か決まった現在、保守層が期待する保守的政策が一層注目を浴び、日本の自民党内でも保守色が強まることが予想される。この流れに応えられなければ、石破氏への不満はさらに膨れ上がるだろう。

こうした状況を踏まえると、石破総理の辞任と総裁選の決議は時間の問題であるといえる。党内の不満、国会運営の行き詰まり、次期選挙への影響、さらにはトランプ氏再選の影響が加われば、石破政権は支持基盤を失い続け、ついには党内圧力によって総裁選が不可避のものとなるだろう。

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