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2022年8月17日水曜日

米共和「反トランプ」急先鋒のチェイニー氏、下院予備選でトランプ氏「刺客」に敗れる―【私の論評】24年の次期大統領選に向け、着実に道筋をつけつつあるトランプ氏(゚д゚)!

米共和「反トランプ」急先鋒のチェイニー氏、下院予備選でトランプ氏「刺客」に敗れる

破れたリズ・チェイニー氏

 米国の中間選挙(11月8日投開票)に向け、ワイオミング州で16日、連邦下院選の共和党候補を決める予備選が行われた。複数の米メディアによると、昨年の連邦議会占拠事件を巡ってトランプ前大統領への批判を強める現職のリズ・チェイニー氏(56)が、トランプ氏の推薦を受けた「刺客」候補に敗れることが確実になった。

 ワイオミング州は保守の牙城で、保守層に対するトランプ氏の影響力が依然として強固なことが示された。チェイニー氏は議会占拠事件を巡るトランプ氏の 弾劾だんがい 訴追決議に賛成した共和党議員10人の1人。事件を巡って下院が設置した特別調査委員会の副委員長としてトランプ氏の責任を追及するなど、党内の「反トランプ」の急 先鋒せんぽう だ。

 トランプ氏はチェイニー氏の対抗馬として弁護士のハリエット・ヘイグマン氏(59)を推薦した。

【私の論評】24年の次期大統領選に向け、着実に道筋をつけつつあるトランプ氏(゚д゚)!

エリザベス・リン・チェイニー(英語: Elizabeth Lynne Cheney, 1966年7月28日 - )は、アメリカ合衆国・ウィスコンシン州出身の政治家、共和党員。愛称のリズ・チェイニーとも称されています。

セカンドレディ・リン・チェイニーとディック・チェイニー副大統領の長女で、ジョージ・W・ブッシュ政権下で国務副次官補(近東担当)などの要職を歴任しました。

2017年からはワイオミング州選出のアメリカ合衆国下院議員を3期務めています。2019年からは下院共和党で3番目に高い地位である共和党会議議長に選出されました。

ネオコンの主導的な政治家の一人であり、他国への介入を避けるトランプ政権のモンロー主義的外交政策には批判的態度を取ってきました。共和党の指導者でありながら、トランプ大統領の弾劾決議に賛成票を投じたため、トランプ支持者や共和党右派によって批判を受けています。2021年5月には党内の内部対立が原因で党会議議長を解任されました。

ハリエット・ヘイグマン氏

今回勝利した、ヘイグマン氏は弁護士で、共和党全国委員会の元メンバーでした。ヘイグマン氏は2018年のワイオミング州知事選に立候補したが敗れていました。13年には上院選に出馬したチェイニー氏のアドバイザーを務めてもいました。

ヘイグマン氏は2021年9月9日の声明で「多くの州民と同様、私は国政を目指したリズ・チェイニー氏を支持した」「しかしその後、チェイニー氏はワイオミング州を裏切り、国を裏切った。そして私をも裏切った」と述べていました。

7月26日、トランプは昨年1月の米大統領退任後、初めて首都ワシントンに戻り、自身を支持する政治団体の会合で演説しました。

「この11月、わが国の破壊を止め、米国の未来を救うために投票しよう」

11月の中間選挙を控え、トランプが矛先を向けるのは与党民主党だけでなく、エスタブリッシュメント(支配層)派と呼ばれる既得権益を持つ共和党内の支配層に近い議員たちです。先日もこのブログに掲載したように、米国の富の大きな部分を握ってるわずか上位0.1%がエスタブリッシュメントです。

このエスタブリッシュメントは、過去においては、大統領は無論のこと、連邦議員や、地方議員などの選挙にも大きな影響力を発揮してきました。この状況から、米国では大統領もエスタブリッシュメントの操り人形だと揶揄されてきたのです。


しかし、トランプは違いました。
実業家のトランプ氏はエスタブリッシュメントの資金ではなく、自ら選挙キャンペーン費用を調達し、大統領になりました。

トランプ氏はエスタブリッシュメント派を「腐敗した組織」と切り捨て、急進的な改革を志向する党内の「草の根派」の支持者らに自身への忠誠を求めました。

ここで言葉を整理しておきます。エスタブリッシュメントとは、先にも示したように、米国の富の大きな部分を握ってるわずか上位0.1%の実質上の米国の支配層のことです。エスタブリッメント派とは、エスタブリッシュメントに親和的な議員、大統領のことです。

トランプ氏は、大統領在任中にも反エスタブリッシュメント色を深めました し、大統領を退いてからは地方選の予備選にも、「刺客」の候補者を次々に送り込み、地方政治に深く関与するエスタブリッシュメントに脅威を与えています。

その象徴となったのは、5月に行われたアイダホ州知事選の共和党予備選でした。トランプの支持を受ける草の根派の現職副知事ジャニス・マクギーチン(59)が、エスタブリッシュメント派と目される現職知事ブラッド・リトル(68)に挑みました。

マクギーチンは副知事在任中、知事のリトルと激しく対立。リトルが出張で州外に出た隙を狙い、知事代理の権限で新型コロナウイルス対策のマスク着用義務やワクチン接種義務を独断で取り消したこともありました。こうした仕事ぶりが災いし、予備選の結果はマクギーチンが得票率で20ポイントも差をつけられる大敗でした。

連邦議会上下両院の予備選ではトランプの推薦が強く作用しますが、有権者の生活に直結する地方政治の代表は実績や好感度で選ぶというところがあります。こうした傾向は各地の地方選予備選で顕著に表れ、ジョージア州でも大物知事として知られる現職ブライアン・ケンプが、トランプの「刺客」候補を大差で破りました。ただ、反トランプ派の勝利はこれくらいのものでした。

そうして、共和党内では草の根派が着実に力をつけています。かつてエスタブリッシュメント派一色だった共和党は、10年の保守派運動「ティーパーティー(茶会)」で政治に関心のなかった層を取り込み、16年大統領選で当選したトランプがさらに大きなうねりを生み出しました。今やアイダホ州共和党の要職は大半が草の根派です。

中間選挙で与党・民主党の苦戦を予想する見方が広がるなか、攻勢を強めてきたのが共和党のトランプ前大統領でした。

220人以上の候補者に推薦を出して勢力を広めつつ、共和党内の「反トランプ派」には「刺客候補」をぶつけて再選を阻んできました。近く、2年後の大統領選に向けた出馬宣言をするかどうかも注目されています。

昨年1月の議会襲撃事件を受け、民主党はトランプ氏の弾劾(だんがい)訴追を提案しました。これに共和党から賛成した下院議員が10人。これらの議員が「裏切り者」として狙い撃ちにされているのです。

10人のうち、予備選を勝ち抜いて11月の中間選挙に出馬できる議員は2人にとどまります。3人は予備選で「刺客」に敗れ、4人は不出馬を決めました。

そして最後の1人が、リズ・チェイニー下院議員でした。ブッシュ(子)政権の副大統領だったディック・チェイニー氏を父に持ち、自らも過去3回の選挙で圧勝してきました。

ところがトランプ氏を批判したことで状況は一変しました。16日に投開票されたワイオミング州予備選に向けて、世論調査では「刺客候補」にリードを許す苦しい展開となりました。

米連邦下院選のワイオミング州共和党予備選に向けた集会で、トランプ前大統領(右)の支持を受け、握手するハリエット・ヘイグマン氏=米ワイオミング州キャスパーで2022年5月28日

そうして、今回ワイオミング州では、トランプ前大統領への批判を強める現職のリズ・チェイニー氏(56)が、トランプ氏の推薦を受けた「刺客」候補に敗れることが確実になったのです。

トランプ氏は6日にはテキサス州で開かれた保守系団体の集会で、「バイデン(大統領)をクビにする」と気勢を上げました

中間選挙で完全復権を果たし、24年の次期大統領選に向け道筋をつけるのかの、答えは3カ月後に出ます。ただ、今回リズ・チェイニーがトランプの刺客に敗北したことで、トランプ氏は、この道筋を着実につけつつあるといえます。

トランプ氏は、現在機密文書に関連して家宅捜査を受けたことなどが、報道されていますが、これに対して、私は米民主党はトランプ弾劾に続き、スパイ容疑でトランプ氏を貶めようとしたが、失敗に終わると断言しましたが、その見立ては正しかったと確信を深めました。

もし、これが本当だとすれば、今回のようにチェイニー氏がトランプ氏の刺客に敗北することなど考えられないからです。

日本のANNニュースも、このニュースを取り上げていました。そのニュースは以下のリンクからご覧いただけます。


このニュースでは、米CNNがコマーシャルを中断してまで、リズ・チェイニー氏が敗北したことを伝えていました。

そうして、最後のほうでは、アメリカを分断したトランプが共和党内でも、分断をはかっていると批判していました。

しかし、米国はもともと随分前から分断しており、オバマの頃から分断が激しくなり、それ故にトランプが登場したというのが現実です。実際オバマが大統領時代の米国を調べれば、分断が酷くなっていたことを確認できるはずです。

また、トランプが共和党を刺客を送ることにより、新たに分断したようなことを語っていますが、これも間違いです。

米国で最初の、反エスタブリッシュメントの大統領は、ケネディ大統領です。ですから、この頃から民主党はエスタブリッシュメント派とその反対派で分断していました。その頃から共和党も分断していました。

共和党にも、民主党にもエスタブリッシュメント派と反対派が存在し続けています。米国政治においては、共和党、民主党という党派の別があるとともに、エスタブリッシュメント派とその反対派が存在してきたのです。

その時々で、エスタブリッシュメント派が優勢であるとか、そうてもないときもありましたが、分断していたのは事実です。

ケネディ以後、はっきりと反エスタブリッシュメントを掲げた大統領は、民主党にも共和党にもいませんでしたが、トランプ大統領が反エンタブリュッシュメン派を掲げた大統領として登場したのです。これを理解しないと、メディアのネガティブな報道にも関わらず、トランプ人気がなぜここまで続くのか理解できません。

このあたりの事情も知らないで、トランプ氏が刺客を送ることにより、共和党内での分裂を招いたというのは、あまりにも浅薄な見方です。

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2010年10月27日水曜日

「無知」が選挙争点になっているアメリカ ティーパーティーに誰が金を払っているのか―日本も似たり寄ったり?(アメリカのシンクタンクのリスト掲載)

「無知」が選挙争点になっているアメリカ 誰がティーパーティーに金を払っているのか



今年、中間選挙を控える米国で、反オバマ運動が拡大している。同政権の医療保険改革や金融機関救済策などに反対する草の根運動が、昨年から全米の各地で発生。その多くが「ティーパーティー」(茶会)を名乗っています。

命名の由来は、米国独立の契機を作ったボストン茶会事件(Boston Tea Party)です。1773年に港湾都市のボストンで、英国議会の植民地政策(茶への課税や東インド会社に対する税の免除)に反対した急進派が停泊中だった東インド会社の船を襲い、積荷の紅茶を海に投げ入れた事件でした。この事件が英国の植民地政策をさらに強め、最終的には米国の独立運動につながりました。

反オバマ運動を展開する人々は、おそらく現在の政権を当時の英国と重ね合わせて見ています。オバマ政権が大規模な財政出動を行い「増税」を志向する姿が、当時の英国の姿に重なったのです。政治による過剰な介入を嫌う感覚は、米国の底流に流れる文化とも言えます。

Gooには、ニュースな英語というコラムがあります。今週は、この茶会運動に関して、『「無知」が選挙争点になっているアメリカ 誰が金を払っているのか』というタイトルで掲載されています。その要約を以下に掲載します。本文は以下のURLをご覧になってください。

http://news.goo.ne.jp/article/newsengm/world/newsengm-20101022-01.html
茶会運動や共和党の候補たちの全てが政教分離について無知なわけではありません。けれどもほぼ全員が等しく(世界の多数意見に抵抗して)否定している、科学知見があります。人為的な地球温暖化です。
『ニューヨーク・タイムズ』紙は社説で、今年の共和党候補たちはほとんどが、地球温暖化は人為的なものだという科学的知見を否定していると批判。「かつてディック・チェイニーが10年前に完成させた戦法を、繰り返しているのだ」と。たとえばネバダ州で民主党のハリー・リード上院院内総務と戦い、すさまじい中傷戦を展開しているシャロン・アングル候補は「温暖化が人為的だというのは、左翼のスローガンに過ぎない」と公言。カリフォルニア州から上院に出馬したヒューレット・パッカード元CEOのカーリー・フィオリーナ候補も「はっきりどちらとも言えない」と発言していると。
同紙社説は「共和党は今でもディック・チェイニーの物まねをしている」と批判しています。ピュリツァー賞受賞の『ワシントン・ポスト』紙連載をもとにした『策謀家チェイニー』によると、チェイニー前副大統領はブッシュ政権のエネルギー政策を掌握し、経済活動の効率化を最優先に掲げ、地球温暖化は人為的なものだという科学知見に懐疑の目を向け、排出規制を次々と緩和・撤廃していった中心人物とされています。
チェイニー氏自身は決して、政治と信仰をごちゃまぜにするような人ではありません。しかし、議員や有権者がごちゃまぜにするのを止めさせようとはしない。有権者が勝手に聖書を論拠に温暖化を否定するなら、それに反論もしない。他人の信仰や誤解や無知蒙昧を、自ら掲げる政策実現のために利用するのが、チェイニー流です。
チェイニー的な温暖化否定はあくまでも経済活動を最優先させてのものです。しかし茶会運動では、それがキリスト教原理主義と結びつき、私たち日本人には(というか世界のほとんどには)分かりにくいことになっている。たとえばインディアナ州で茶会運動グループを主催する男性は、『ニューヨーク・タイムズ』紙にこう答えています。
「(人為的な温暖化は)まったくの嘘っぱちだ。自分は聖書を読んでるから分かる。神様は、私たち人間が活用するためにこの世を作ったんだ」
確かに、6日間かけて世界を作って7日目にお休みになった神様と、その神様が作った世界ならそうかもしれませんが……。
○アメリカのアンチ知性
最後に。無知を善しとするこの一部のアメリカ保守派の価値観はどこから来るのだろうとずっと考えています。たとえば、彼らが強烈に信仰する、アメリカ的キリスト教の影響ではないだろうかと。アメリカに渡ったキリスト教は、欧州の大神学校や修道院と切り離されて、西部開拓と組み合わさり、独自の発展をしました。大雑把に言うと、聖書さえ読めばいい、あとは個人の霊験を重視するという新興宗派が多いと言えます。そういうキリスト教宗派では、学問や思索を軽視する風潮がセットになっている気がしてなりません。キリスト教を離れても、アメリカでは学問や思索で得る知識や洞察ではなく、体験的な直感をなにより重視する風潮が(主にキリスト教右派の間に)ある。1964年にピュリツァー賞を得た『Anti-intellectualism in American Life(アメリカの反知性主義)』の論考は、いまだに有効なのだと思います。
【私の論評】日本も似たり寄ったりか?
さて、アメリカの無知の系譜、象徴的なのは、ペイリンさんでしょう。ベイリンさんは、アメリカ合衆国アイダホ州生まれの保守派の政治家です。共和党所属。アラスカ州知事(第11代)、2008年アメリカ合衆国大統領選挙における共和党の副大統領候補です。最近はティーパーティー運動でも活躍しています。
アフリカを国だと思っていたベイリンさん
さて、彼女の無知ぶりを示す査証として、私がはっきり覚えていることとしては、以下のようなものがあります。

米FOXテレビは2008年11月6日、米大統領選で敗れた共和党マケイン上院議員の陣営関係者の話として、副大統領候補だったアラスカ州知事のサラ・ペイリン氏がアフリカを大陸ではなく国名だと思っていたと伝えていしまた。

マケイン陣営は「副大統領に不可欠な知識」の欠落に驚き、ペイリン氏の能力に強い懸念を抱いていました。

実は、ブッシュ元大統領も、アフリカという国という失言をしています。また、ペイリンは、北米自由貿易協定(NAFTA)の加盟3カ国(米国、カナダ、メキシコ)を知らなかったというが、ブッシュもソーシャル・セキュリティ(アメリカの公的年金)を知りせんでした。二人はよく似たところがあります。

まあ、元大統領や、大統領候補がこの有様ですから、ティーパーテーイーのメンバーがどの程度のものかさっしがつくというものです。

アメリカ、それも地方に行かれたかた、ご存じの方も多いと思いますが、本当に彼地の、住民は自分のまわりのことしか関心がなく、無知な人が多いです。それに、都市部でも、無知な人はかなり多いです。以前このブログでも紹介しましたが、「アメリカ人の半分はニューヨークを知らない」などというセンセーショナルなタイトルの書籍もあるくらいです。

上の、コラムの要約では、要約の都合でカットしてしまった部分もありますが、タイトルにでているように誰が金を払っているかが問題です。こうした、大衆の無知につけこんで、世論を形成し、自分たちの都合の良いように政治を動かそうとしているのです。無知なブッシュや、ペイリンも自分でもきがつかないうちにこうして動かされているということです。

私は、以前このブログで欧米諸国の国民の政治的成熟について語りました。しかし、こういう事例をみていると、混迷ぶりがうかがわれます。しかし、こうしたアメリカですら、日本のように頻繁にいわゆる国家元首(アメリカでは大統領、日本では総理大臣)が頻繁に変わるということはありません。

こう考えると、日本もやはり、似たり寄ったりのところがあるのかもしれません。

ただし、日本に比較すると、アメリカにはいわゆる政治に関する安全装置のようなものがあるのだと思います。これは、大きくいって二つあると思います。

まず、一つは二大政党制です。この二大政党制によって、政治の継続性が保たれるということがあります。アメリカでは、政権交代をしたからといって、日本のように政治の内容ががらりとかわるということはありません。6割~7割くらいは、共和党だろうと、民主党だと変わりはありません。その時々で違いますが、残りの4割から3割が変わるということです。国の根幹をなすようなことは、どちらの政党になっても変わりません。日本の場合は、そのような土壌が形成されていません。

それと、もう一つは有能なシンクタンクがあります。多くのシンクタンクが、アメリカの長期ビジョンを持って、政策提言を行っています。それも、多くのタイプがあります。それこそ、政党に属するもの、国の機関、あるいはNPOもあります。これらが、国政にかなり大きな影響を及ぼしています。アメリカの政治も日本と同じように、政府はそのときどきの思惑で、政策転換などに流されやすいということがあります。日本にも、自民党、民主党のシンクタンクがありますが、これらはシンポジュウムや、パネルディスカッションを行うだけで、実効的な活動はしていませんし、出来ないのだと思います。

日本でこのような本来の意味でシンクタンク的な役割をしていたのは、官僚だと思います。しかし、この官僚のシンクタンクでは、もう用をなさなくなっているのが実体なのだと思います。特に、現在はいろいろな意味で大変革の必要なときです。あまり変化のない時代であれば、官僚シンクタンクでもなんとかなったのでしょうが、やはり、今の時代にはあいません。官僚は、立場上官僚を中心にものを考えるのであって、日本国や、国民のことはあまり考えているわけではありません。

アメリカでも、日本でも、一般国民は目先のことや、自分の感覚だけでものを考え、選挙をしているのだと思います。だからこそ、小泉さんの郵政民営化選挙で、自民党が大勝したり、今度は、民主党の政権交代で民主党が圧勝してしまったり、極端から、極端に動くのだと思います。それは、ある意味仕方のない事だと思います。多くの人は、まずは、自分が自立できるように努力すること、企業であれば、まずは、企業が成り立つように努力することが、つとめだからです。それは、日米とも変わりがないと思います。

しかしながら、日本は、日本なりの日本の風土にあった安全装置を設置する必要があると思います。有権者は、自分の身の回りのことから選挙をするしかないし、政治家は有権者の意向に左右されるのはある程度しかたのないことです。だからこ、私はは、特に、民間のシンクタンクの役割はかなり大きいと思います。残念ながら、日本では、政策提言をできるような民間のシンクタンクはありません。日本でも、こうした政策提言のできる複数のNPOのシンクタンクを育てていく必要があると思います。

そうでないと、政治の混迷はこれからも続いていくと思います。まずは、日本の政治とはどうあるべきか、これを明らかにする必要があります。それに、長期ビジョンもとづき、現在は何に優先順位をつけるのかもはっきりさせる必要があります。私は、このブログでも掲載したように、日本の政治の緊急の課題はデフレの克服だとしてきました。しかし、これだって、私の知見が及ぶ限りの範囲内で語っいるだけて、まともなシンクタンクがいろいろ調査すれば、もっと重要なことがあるかもしれません。

そうして、最後に多くの皆様に、いや世界中の皆さんに言っておきたいことがあります。それは、世界のどんな政党が政権の座をいとめようとも、その国のすべての国民にとって大満足ということはあり得ないということです。それは、たとえば、家庭において、父親や母親が理想の父や母であってもらいたいのはやまやまですが、だからといって彼らだって普通の人間です。そんなことは、最初から不可能です。しかし、だからといって、父親や母親の役割をまっとうしなければなりません。それにも段階があります。でも、これだけはやらなければという線もあります。

父親や、母親などそうした葛藤の中で努力しているということです。そうして、それを理解できるようになったら、そのとき始めて大人ということです。政治だって同じことです。

だからといって、外してはいけない線もあります。民主党は、日本国解体を推進しようとしていますが、これは、完全ある一定線を超えています。これだけは、やめていただきたいです。世界広しといえども、国民国家の解体を進める国は少し前までは存在しましたが、いまでは、全部失敗して消滅してしまいました。まあ、中国などは例外中の例外かもしれません。

以下にアメリカのシンクタンクのリストを掲載しておきます。なお、以下のリスト、中国問題を調べるときにピックアップしました。だから、中国の記述がありますが、特に他意はありません。ただし、これらのシンクタンクの出す中国関係の資料は役立つものが多いです。

アメリカのシンクタンク

A

B

  • 1916年にロバート・S・ブルッキングスによって政府活動研究所として創立した。その後経済研究所や公共政策研究所を統合して1927年に現在の体制となった。米 国では最大の影響力を持つシンクタンクと言われている。2005年4月、中国研究プロジェクトが設立され、中国研究の実力はかなりある。

C

  • カーネギー国際平和基金は国際相互理解と世界平和の推進を目的に,1910年 アンドリュー・カーネギーによって設立されたアメリカの事業財団で、米 国屈指のシンクタンクである。2003年、全米のシンクタンクの中で最大規模の“中国研究プロジェクト” が設立され、中国の内政や外交、発展についての概観および米中関係などの研究に力を発揮している。米 国シンクタンク初の中国語のウェブサイトを公開し、ネット上で中国語の月刊誌を発行している。
  • カーターセンターは、1982年に前アメリカ大統領カーターによって創立された、人類が健康かつ平和な生活を送ることができる世界の実現を目指す非営利、非 政府の組織である。エモリー大学(Emory University)と特に密接な関係にある。カーターセンターのプログラムはエモリー大学教員らによって運営されている。1998年に中国プログラムが設立された。
  • CATO研究所は1977年に設立されたワシントンD.C.に本部を置く非営利の公共政策研究機構で、アメリカ保守系シンクタンクである。
  • 海軍分析センターは米国の軍事安全問題を研究する専門のシンクタンクである。中国研究は主に戦略研究センターとアジアプロジェクト部で行っている。
  • 戦略国際問題研究所、かつてはジョージタウン大学に属した、米共和党に大きな影響をもつシンクタンクの一つである。中台関係や米日台関係の研究の拠点である。
  • アトランタ中国研究センターは2001年に設立され、非営利組織である。当センターと提携している大学は、アグネススコット、ドルトン州立、エモリー、ジ ョージア州立、ジョージア工科大学、Kennesaw州立、マーサー、オグルソープとジョージア大学などを含む。また、「China Currents」というジャーナルを出版している。
  • 米外交問題評議会は1921年にウォール・ストリートの財界人とニューヨークの弁護士が中心になって組織された非営利の外交シンクタンクで、米 市民の会員制組織である。中国との関係を一貫して重視し、かつて20世紀70年代には米中関係の雪解けに重要な役割を果たした。

E

F

  • ハーバード大学フェアバンク東アジア研究センターは1955年に設立され、米国での東アジア研究、近代中国研究の先駆であり、歴史を中心とした総合研究機構である。
  • フォード財団はヘンリー・フォードの一族とフォード社の関係者により1936年に設立され、当初はフォード社と深いかかわりをもっていた。1976年にヘンリー・フ ォード2世が責任者を辞任してからは、フォード社およびその一族とのかかわりはほとんどなくなったと言われている。1988年に北京事務所を開設した。
  • 外交政策研究所は1955年に創立され、当時はペンシルベニア大学に属していた。1971年大学から離れて独立した。しかし現在も大学と密接な関係を保っている。中 国の研究では国勢および歴史、伝統についての研究を中心としている。

H

  • ヘンリー・L.・スティムソンセンターは米国の無党派だが、国会や政府に密着したシンクタンクである。軍事背景の研究を中心としているのが特徴である。近年、東 アジア、特に中台問題の研究の人材を強化している。米国のシンクタンクの中ではわりに影響力を持つ若い機関の一つである。
  • ヘリテージ財団 は1973年に設立されたアメリカ合衆国ワシントンD.C.に本部を置く保守系シンクタンクで、米国政府、特 に共和党の政策決定に大きな影響力を持つ。中国については1982年より主としてアジア研究センターで研究している。
  • フーバー研究所はスタンフォード大学フーバー戦争および革命、平和研究所の略称であり、共産主義および共産主義国家の研究に独自のスタイルで取り組んでいる。

R

  • ランド研究所はアメリカ軍からの調査分析を請け負うことを目的として設立された総合シンクタンクである。アメリカ国内では、カリフォルニア州サンタモニカ(本部)の ほか、ワシントンD.C.(現在はヴァージニア州アーリントンにある)、ペンシルバニア州ピッツバーグ(カーネギーメロン大学の隣)に支部がある。ヨーロッパでは、オランダのライデン、ドイツのベルリン、イ ギリスのケンブリッジに支部がある。2003年、ドーハに RAND本部政策研究所をオープンした。

U

W

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2022年12月27日火曜日

騙されてはいけない、トランプは「これまで同様に強力」と有力世論調査員―【私の論評】日米のリベラルメディアの情報だけだと、日米の半分しかみえない(゚д゚)!

騙されてはいけない、トランプは「これまで同様に強力」と有力世論調査員

投稿日:2022年12月27日

トランプ大統領(現職当時)

<引用元:ワシントン・エグザミナー 2022.12.22>ポール・ベダード氏によるワシントン・シークレット論説
本コラムや他の場所で、ドナルド・トランプ前大統領に挑むロン・デサンティス知事などの浮上を大々的に宣伝する世論調査をご覧になっただろう。だが共和党では今のところ、2024年共和党大統領予備選挙への出馬を発表したのはトランプのみだ。

それらは、前大統領が多くの局面でやり玉に上げられながらも、倒れずにやり返している中で出た。

トランプと強いつながりを持つ2人の米国共和党トップ世論調査員は今、トランプが予備選挙に勝ってジョー・バイデン大統領を打ち負かすのに、引き続き「これまで同様に強力」なままである理由を説明している。

マクラフリン・アンド・アソシエイツを運営するジョン・マクラフリンとジム・マクラフリンは最近、前大統領がデサンティスに対して48パーセント対23パーセントで優位に立つことを示す世論調査を発表した。先月の選挙の時と同様の人気であり、バイデンには48パーセント対45パーセントでリードしている。

本コラムにおいて、世論調査のことは多く取り上げており、デサンティスの浮上について特に先月の知事再選の大勝後に多く強調してきた。最初の党員集会や予備選挙までまだ1年以上ある中、それらはみな、候補者が有権者の間でどのような状況であるかを提示しているが、決定的な言葉として受け取るべきではない。

マクラフリン世論調査について異なる点は、使用するサンプルについてもっと厳しいということだ。全く投票したことのない人を多く含む比較的大きなターゲットではなく、投票する可能性が最も高い人々にサンプルを絞ろうとしているのだ。

マクラフリンは、多くのメディアの世論調査における反トランプ偏向を避けようとしている。そして最後に、より最近の選挙の民主党・共和党比を再現している。

それは結果に違いを生じさせることがあると、マクラフリンは述べた。

「まず世論調査と発信元の品質に目を向けなければなりません。発表された世論調査のほとんどはリベラルの、反トランプメディアからのものであり、彼らはトランプへの投票者や献金者を抑え込むための偏向した調査を作り出すために、態度を急変させます。偏向メディアの世論調査の多くは投票しない人々で薄められており、選挙様相調査で行うような、実際に投票する人々を反映しません。また反トランプ的な質問をしてサンプルに偏見を抱かせます」とジョン・マクラフリンは述べた。

2016年と2020年の両方でも明らかだったように、世論調査はトランプの支持を少なく見積もることが多く、民主党を推進する。「有権者が2016年の『ヒラリー・ロック』」や2020年の『バイデン・ブルー・ウェイブ』の事を有権者が忘れたと彼らは思っているのでしょうか?」と2人はブログ投稿で問いかけた

「我々にとってはデジャヴの繰り返しです。2016年と2020年で学んだかもしれないことを別にして」と彼らは述べた。

Newsmaxのブログ投稿でも、次のようにいくつかのサンプル基準についてこの説明をしている。
「またもメディアがトランプ前大統領の支持者と献金者を落胆させ、抑え込むために世論調査を利用しています。なぜか?それは共和党エスタブリッシュメント、ワシントンD.C.エスタブリッシュメント、そしてメディアエスタブリッシュメントが、トランプを再び大統領にさせたくないからであるのは非常に明白です」

「サンプルを希釈したり、サンプルの25パーセントまで共和党を少なくしたり(2020年出口調査は共和党が36パーセントでした)、投票について質問する前に反トランプ的な主要な質問をしたりするこうしたメディアの世論調査と異なり、我々の調査は全体的にトランプ前大統領にとって朗報でした」
ジョン・マクラフリンは本コラムにこう付け加えた。「バイデン大統領と議会のリベラル派によるトランプに対する継続的な攻撃は、トランプの保守派支持基盤を活性化させています。結論として―トランプは依然として勝てる共和党候補であり、実際の代議員選挙への投票は1年以上先のことです」

彼らの最新調査では、トランプが依然として対立候補として有力であるだけでなく、先月の選挙以来、デサンティスへの支持が全米で4ポイント低下する一方で、トランプの支持が1ポイント上昇している。

他に追随を許していない。マイク・ペンス前副大統領は5パーセントと一桁に留まっており、最新調査では3位だ。

【私の論評】日米のリベラルメディアの情報だけだと、日米の半分しかみえない(゚д゚)!

上の記事をうらずけるような出来事もあります。米ドナルド・トランプ前大統領は、自身をモチーフにした公式NFT(非代替性トークン)デジタルトレーディングカード「CollectTrumpCards」を発売しました。

カードの価格は、「1枚たったの99ドル(約1万4千円)!」と宣伝していました。トランプ氏とゴルフができる権利などが当たる抽選付きで、45枚購入すれば同氏との夕食会に加われるそうです。

CollectTrumpCardsは15日にリリースされ、投機的な買いも集めてわずか数時間で完売しました。トランプ人気が衰えていれば、これだけ売れるはずもないと思います。

詳細は、以下の記事をご覧になってください。


イーロン・マスク氏

ご存知のように、米国ではイーロン・マスク氏がツイッターファイルとして、ツイッターが政府や官僚、メディアと連携して、トランプの不利になるような情報操作を行っていた証拠を次々暴露しました。ネット界隈では以前から言われていたことなので、今更驚くことではありませが、実際の証拠としてデータが開示されたのは重要なことです。それまで、関係者は、知らぬ存ぜぬで、事実を否定、隠蔽していました。

http://totalnewsjp.com/2022/12/11/musk-180/

この事実は、年明けから下院は共和党が握っている議会が動き出して、バイデン親子はもちろん、ペロシやヒラリーも糾弾され、2020選挙の不正が暴かれることにもなるかもしれません。

そうなると、2024の大統領選挙はトランプが返り咲く可能性も十分にあります。その場合、長年、世界統一政府を目指してたグローバリスト、民主党が、またトランプに足を引っ張られることになって、なりふり構わず動き出すかもしれません。

今後米国がどのような事になるのか、わかりませんが、このまま民主党が不正を働き続けると、ほんとに米国は腐り果てて、自由も民主主義も失われ、完全に崩壊し、それは現在の世界秩序の終焉になるかもしれません。

ただし、隠蔽されてた悪事が暴露されたということは、そう言った隠蔽工作が、できなくなるので、エスタブリッシュメント(米国支配層)にとっては動きづらくなるでしょう。

2022年12月15日15時(米国時間)にトランプ氏は、重大な発表をしました。先にあげたトレカの発売も発表しましたが、それと同時に重大な発表もしています。

トランプ氏は、「今日、私は左翼の検閲体制を打ち砕き、全ての米国人のために言論の自由の権利を取り戻す計画を発表する」と宣言し、「堕落した報道機関の邪悪な集団が、米国民を操り黙らせるために共謀していたことが、衝撃的な報道で確認されている。彼らは選挙から公衆衛生に至るまで、あらゆる重要な情報を抑圧するために協力してきた。検閲カルテルは解体され、破壊されなければならない」と述べています。

これはイーロン・マスク氏がTwitter社を買収し、2020年当時の大統領選挙で何が起きていたか、Twitter社の経営陣がトランプ氏の自由な発言の場をTwitterのプラットフォームから締め出した犯罪的行為の証拠の数々を、先にもあげたように、マスク氏が最近公にした事実を指していると思われます。

そしてトランプ氏は、次の大統領選挙で勝利した時には、「私の就任後数時間以内に、私は大統領令に署名し、連邦省庁がいかなる組織、企業、個人と共謀して、米国市民の合法的な言論を検閲、制限、分類、または妨害することを禁止する。そして私は、国内の言論に誤報や偽情報のレッテルを貼るために連邦政府の資金が使われることを禁止する。そして、国内検閲に直接的、間接的に関与した連邦官僚を、国土安全保障省、保健福祉省、FBI(連邦捜査局)、司法省、誰であろうと特定し、解雇するプロセスを開始する」と宣言しています。

さらに、「私は司法省に対し、絶対的に破壊的で恐ろしい新しいオンライン検閲体制に関わる全ての関係者を調査し、特定されたあらゆる犯罪を積極的に起訴するよう命じる」と述べ、「これには、連邦市民権法、選挙資金法、連邦選挙法、証券法、反トラスト法、ハッチ法、その他多くの潜在的な刑事、民事、規制、憲法違反の可能性がある」と指摘しています。

他にも多く語っていますが、こういうトランプ氏の発言内容を見ますと、米国は2020年の大統領選挙において、完全に言論の自由を失っていた可能性があるということであり、検閲活動、情報統制によって、全体主義国家と変わらない不公平さと差別性によって、誤報や偽情報の方がまかりとおる犯罪的な国家に陥っていたかもしれないのです。

言論の自由を失えば、もはや、健全な民主主義国家は成立しません。そのような意味で、現在、米国は民主主義国家とは言えない状態であり、専制的、統制的、抑圧的な全体主義の国家に近づいている可能性があるのです。

言論の自由を取り戻そうとするトランプ氏の真摯(しんし)な挑戦は、真の民主主義を打ち立てるための戦いであると言えますし、米国には今なお、それを信じている国民も多いのです。

このブログでは、以前から主張しているように、米国のメデイアのうち、大手新聞はすべてリベラル系であり、大手テレビ局は、FOXTVを除くすべてがリベラル系です。リベラル系メデイアがトランプ氏を悪く言うのは当然のことです。

メディア・バイアス・チャート クリックすると拡大します

大手メデイアがリベラル系であるということは、無論世論はリベラル系の価値観でかたちづくられることになります。この価値観は米国では、社会のありとあらゆるところで、幅を効かせ、職場や学校、地域社会でも当然のこととされ、この価値観に反する保守派は、変わり者か、物の道理をわきまえない人とみられてしまいます。

そのような社会において生まれた、GAFAやtwitterもリベラル系の価値観を有するようになったのは、無理からぬところもあると思います。ただし、twitterが、トランプの不利になるような情報操作を行うようなことは、許されることではありません。しかし、現実にはそれが行われていたのです。GAFAにもその疑いがあることは、否定できません。

そうなると、保守派は心の中で思っていることを公言できず、口を閉ざしてしまいます。世論調査などでも、自分の考えを正直には出さないようになってしまうでしょう。そのため、世論調査ではこのようなバイアスを取り除かなければあまり意味がなくなってしまうのです。しかし、米国の少なくとも半分は保守派であり、だからこそ、トランプ氏をはじめ共和党の大統領も誕生しています。

しかし、日本のメディアはこうした米国リベラル系メデイアの報道をほとんどそのまま日本国内で垂れ流しているだけです。こうした報道だけを見聞きするということは、日本でいえば、産経新聞は一切読まず、朝日・毎日・読売のようなリベラル系新聞の情報だけを読んで、日本を判断しているようなものです。日本でもリベラルメディアだけの情報を見ているのは、日本の一部だけをみているようなものであり、偏るのは当然です。

そのような姿勢では、米国の人口のおそらく半分は存在する保守系は無視するということになります。それでは、米国の半分しかみていないことになります。

日米ともにリベラルメディアだけをみていれば、日米の半分しかわからない

どんな人物にだって、毀誉褒貶があります。トランプ氏にだって、良いところと悪いところがあるのは当たり前です。しかし、米主要メディアと日本主要メデイアだけをみていると、トランプ氏の良いところはみえてきません。

その状態だと米国の真の姿は見えてきません。時には、米国の保守メディアの情報も見聞きして、正しい姿をみるべきと思います。

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2019年1月26日土曜日

韓国「救助」主張の北漁船は『特殊部隊用』か レーダー問題で軍事専門家が衝撃解析 ―【私の論評】なぜ米国はレーダー照射問題に無関心なのか、その背後に何が?

韓国「救助」主張の北漁船は『特殊部隊用』か レーダー問題で軍事専門家が衝撃解析 

韓国“暴挙”海自機にレーダー照射

軍事アナリストの西村金一氏

 韓国による「理不尽な言いがかり」の背景として、韓国海軍の駆逐艦による火器管制用レーダー照射問題の「論点ずらし」を狙っている可能性が高い。こうしたなか、韓国側が救助活動をしていたという“北朝鮮漁船”への疑問が強まっている。アンテナの形状などから、軍事専門家は「軍や特殊部隊が使用する船舶」との疑いを強める。日米情報当局も「北朝鮮工作船と酷似している」と分析。文在寅(ムン・ジェイン)政権は、一体何を隠しているのか。

 衝撃の解析をしたのは、元防衛省の情報分析官だった軍事アナリストの西村金一氏。夕刊フジで「北朝鮮漁船は、朝鮮人民軍や工作機関所属の可能性がある」と語っていた(10日発行)が、さらに解析を進めて、新たな事実を発見した。

 北朝鮮船には、前方と後方にそれぞれ3~4メートルのマストがあり、イカ釣り用とみられる電球が並んでブラ下がっていた。実は、その上に「モールス通信用とみられるケーブル」が架かっていたのだ。漁船の装備を偽装した“特殊アンテナ”といえる。

TV番組で「モールス通信用とみられるケーブル」を指摘する西村氏のボールペンのペン先

 西村氏は「こうしたアンテナは、普通の北朝鮮漁船には見られない。一般の音声通信だと50~70キロ先までしか届かないが、『トントン、ツーツー』と長さが違う符号を組み合わせたモールス通信を使えば、少なくとも1000キロ先まで届く。北朝鮮船が、軍や特殊部隊が使用する工作船の可能性がさらに高まった」と語った。

 北朝鮮は2001年12月、鹿児島県・奄美大島沖の日本の排他的経済水域(EEZ)内に、中国漁船を偽装した不審船を侵入させ、海上保安庁の巡視船に発見された。銃撃戦の末、不審船は自爆沈没した。日本が船を引き揚げて調べたところ、「北朝鮮の工作船」と判明した。

 西村氏は「あの事件以来、北朝鮮はより本物の漁船のように偽装した工作船を出してきている。今回が、まさにそうだろう。工作機関の司令部がある、北朝鮮北東部の清津(チョンジン)か、東部の元山(ウォンサン)の所属ではないか」と語った。

 救難信号(SOS)の疑問もある。

 日本のEEZ内でありながら、自衛隊も海保も北朝鮮船のSOSを受信していない。それなのに、北朝鮮や韓国から約500キロも離れた現場海域に、韓国海洋警察の警備艇と、韓国海軍駆逐艦が集合していた。

 西村氏は「普通の漁船なら、SOSに音声や有線通信を使うはずだが、使用した形跡がない。加えて、あれだけ広い海域で、レーダーにも映らない北朝鮮船の位置がピンポイントで分かり、所属が異なる海洋警察と海軍の船が同時に集まったのも尋常ではない。北朝鮮船が、暗号化されたモールス通信で本国に救助要請し、ハイレベルのルートから韓国側に救助依頼した可能性が高いのではないか」と分析した。

 工作船とみられる北朝鮮船は、日本のEEZ内で何をしていたのか。韓国がもし、北朝鮮の工作船をひそかに救助したとすれば、同盟国・米国や、国際社会に対する説明責任を果たさなければならない。


【私の論評】なぜ米国はレーダー照射問題に無関心なのか、その背後に何が?

工作船とみられる北朝鮮船が、日本のEEZ内で不穏な動きをみせ、それに韓国海軍が何らかの関わりを持っているかもしれないこと自体については、十分にあり得ることだと思います。

最近のなりふり構わない韓国の北朝鮮への擦り寄り姿勢をみていれば、何らかの形で韓国が北に恒常的に支援をしていて、それが今回たまたま露見しそうになったのでレーダー照射という事態になったことは十分にあり得ることです。

それよりも、私が気になるのは、これだけ徴用工問題やレーダー照射で日韓関係がかなり悪いのに、それに対していまのところ米国が何の動きも見せていないことです。

過去においては日韓関係が大きくこじれると、米国が調停役として振る舞ってきました。記憶に新しいところでは2014年。歴史問題をめぐる軋轢から両国首脳が1年以上も会談していないことを見かねたオバマ政権が仲介し、安倍晋三首相と朴槿恵(パク・クネ)大統領の会談を実現させました。翌15年末には、いわゆる慰安婦問題をめぐり深刻化した日韓対立の仲裁に入り、慰安婦合意を締結させました。

安倍晋三首相と朴槿恵(パク・クネ)大統領の会談を実現させた米国オバマ大統領

米国が日韓の外交問題に介入してきたのは北朝鮮問題があったからです。中国(とロシア)を支援国とする北朝鮮と対峙するために、米国は日韓とスクラムを組む必要があったのです。91年にアジアを外遊したベーカー国務長官は、チェイニー国防長官に宛てた外電で「対北朝鮮政策において米国と同じ方向性を維持させるために、日本と韓国を仲介するという重要な役割がある」と述べています。

ところが、トランプ政権が従来の外交路線を一転させてから潮目が変わりました。北朝鮮の金正恩党(キム・ジョンウン)委員長と直接対話するなど自己流の外交を進めるトランプは、かつての米政権ほど日米韓の同盟を重要視していないようです。特に韓国は、重要視していないようです。

実際、徴用工やレーダー照射問題で日韓対立が深まってもトランプ政権から表立って懸念の声は聴かれていません。歴史問題ならまだしも、軍事問題でもだんまりを決め込むあたり、無関心ぶりは本物かもしれないです。

この無関心ぶりは一体どこから来ているのでしょうか。私は、やはり最近の米国の対中国冷戦に関係していると思います。

米国からすれば、北朝鮮問題など中国との対峙と比較すれば、小さなものであり、大きな枠組みでの問題を解決するにおいては小さな従属関数にすぎないのでしょう。

中国との対峙に勝利を収めれば、北朝鮮問題などすぐに解決すると踏んでいるのでしょう。さらに、日韓の問題などとるに足りない些細な出来事と見ているのでしょう。

それと、以前からこのブログに掲載しているように、トランプ政権自体が北朝鮮や韓国の見方を変えたのだと思います。

かねてから、中国に従属しよう、北朝鮮に擦り寄ろうとする韓国については、トランプ政権は最早米韓同盟は形骸化したとみなしているのでしょう。

一方北朝鮮に関しては、従来は核で米国を脅かす存在と考えていたのでしょうが、ある事実に気づいたのでしょう。

それは、以前からこのブログに掲載してきたように、北の核が中国の朝鮮半島への浸透を防いできたという事実です。このブログにも掲載してきましたが、韓国とは異なり北は反中もしくは嫌中であり、中国から完全独立することを希求しています。

韓国は日米にとって安全保障上は空地としてか意味をなさなくなった

もし、北が核開発をしていなければ、いくら反中嫌中であったにしても、ずいぶん前に完璧に中国に浸透され、金ファミリーは中国のいいなりなっていたか、最悪滅ぼされて中国の傀儡政権が権力を握っていたかもしれません。

この傀儡政権は、やがて韓国を飲み込んだかもしれません。そうなると、半島全体が中国の覇権の及ぶ地域となり、半島全体が日本や台湾などの周辺地域に浸透するための前進基地になったかもしれません。

ところが、この事態を北朝鮮が事実上回避しているのです。北朝鮮の核は、中国にとっても大きな脅威なのです。中国が北に本格的に侵攻する構えを見せたり、北に本格的に傀儡政権を作ろうという動きをみせれば、北は核兵器によって中国に報復することができます。

ただし、北が中国に報復ということにでもなれば、北は確実に中国によって葬り去られることになるでしょうから、北としては、ありったけの核を中国に打ち込むことになるでしょう。中国の主要都市である重慶市、上海市、北京市、成都市、天津市、広州市、保定市、、蘇州市、深セン市などは標的になるでしょう。北京は火の海になるでしょう。中国はこれを恐れているため、北は中国から独立していられるのです。

この事実に気づいたトランプ政権は、現状の半島の状況を中国に対峙するには、ベストであるという考えに変わったのでしょう。

米国にとっては、韓国については何も期待していませんが、ただ中国に対峙するためには、朝鮮半島の南半分が中国にかなり浸透されているとはいえ、それでも一応独立国として安全保障上の空き地のような状態になっていることは望ましいです。

そうして、その空き地のすぐ北には、北朝鮮が控えているわけです。これでは、韓国があからさまに完璧に中国に従属しようと望んでも、中国はなかなかそれを実行に移すことは難しいでしょう。

そもそも、軍隊を送り込もうにも、陸続きではないので、軍隊は船で送らなければなりません。そうなると、遅れた現在の中国海軍は、米国などに簡単に駆逐されてしまいます。

トランプ政権がこのような見方をしているとすれば、韓国が北に制裁破りをするような行為は、余程のことがなければ、それは大局からみれば、どうでも良い些細なことに過ぎないのでしょう。

北は、韓国のように中国に従属することはしません。その意味では、現在の韓国は北の都合の良いように利用されているだけです。韓国がかなり大掛かりな支援をしない限り、米国はこれを放置するかもしれません。

ただし、北の核は米国も狙っていることは事実ですし、北は拉致問題や人権問題もあるのは事実です。また、金正恩は、叔父や血のつながった兄を殺した、人物でもあります。だからこそ、米国も未だ表立っては、北朝鮮を認めるようなことはできないのです。だからこそ、現在でも制裁を継続しているのです。

おそらく、次の米朝会談で、米国がどのような条件で北を認めるのかはっきりさせることでしょう。核の扱いについても、北の望む通りにはさせないでしょう。かといってすぐに核廃棄といえば、中国が喜ぶだけです。このあたりのバランスが難しいところです。

下手をすると、朝鮮半島は中国のものになってしまいます。中国を睨みつつ、核の廃棄方法や時期を明確にするでしょう。その内容により、トランプ政権はどのくらいの期間でどの程度中国を叩くつもりなのか、知ることができるかもしれません。その意味でも、次の米朝会談に注目です。

ただし、日本としては、将来的に空地の韓国が中国にそそのかされて、対馬に侵攻するなどということもあり得るかもしれないと覚悟すべきです。韓国が対馬奪取に成功することでもあれば、中国は尖閣や沖縄などに侵攻可能とみて、これらを本格的に奪取しにやってくるかもしれません。これらは、日本が独自に迅速に阻止しなければなりません。

そうでなければ、米国は日本も韓国と同じく安全保障上の空地とみなすようになるかもしれません。

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2022年11月22日火曜日

ハーバード世論調査:トランプがデサンティスに18ポイント差で勝利、仮定上の2024年共和党予備選挙で―【私の論評】 中間選挙でトランプの共和党内での立場は盤石になり、現状で大統領選の最有力候補に(゚д゚)!

ハーバード世論調査:トランプがデサンティスに18ポイント差で勝利、仮定上の2024年共和党予備選挙で


<引用元:ブライトバート・ニュース 2022.11.18
最新のハーバードCAPS・ハリス世論調査で、共和党の2024年大統領予備選挙を仮定した場合にドナルド・トランプ前大統領がフロリダ州のロン・デサンティス知事に18ポイントリードし、明らかな最有力候補者であることがわかった。

世論調査では、共和党有権者の46パーセントがトランプを支持していることがわかった。一方デサンティスの支持者は28パーセントだった。

2024年に大統領選挙に出馬するとの憶測が多いマイク・ペンス前副大統領は、わずか7パーセントの支持率だった。テッド・クルーズが3パーセントで4位に着け、ニッキー・ヘイリー、マイク・ポンペオ、そしてティム・スコットはいずれも2パーセントだった。

ハーバード世論調査は、先週の中間選挙後、そしてトランプの2024年大統領選挙出馬の発表後に実施された。

「アメリカを再び偉大で輝かしくするために、私は今夜合衆国大統領に立候補することを発表します」とトランプは、15日にマーアラゴの私有地で支持者の聴衆に語った。

また世論調査では、デサンティスならジョー・バイデン大統領と同点となるが、トランプであれば2024年のリターンマッチを仮定した場合にバイデンに勝利することもわかった。

仮定上のリターンマッチでは、有権者の42パーセントがバイデンを支持するのに対し44パーセントはトランプを支持する。調査ではまた、仮定上の選挙でトランプがカマラ・ハリス副大統領を7ポイント差で破ることもわかった。

一方デサンティスとバイデンは調査では43パーセントで同点となった。

調査ではほとんどの有権者がバイデンの精神面の健康状態に疑問を持っており、2期目の出馬を行うべきでないと考えていることもわかった。

ハーバードCAPS・ハリス世論調査は2,212人の登録済み有権者に対して11月16日から17日まで実施された。

【私の論評】 中間選挙でトランプの共和党内での立場は盤石になり、現状で大統領選の最有力候補に(゚д゚)!

上の記事にでてくる、フロリダ州のロン・デサンティス知事、州知事選で、民主党の対立候補に圧勝して知事再選を果たし、2024年の次期大統領選に向けた共和党の「新星一番手」という地位を確保したとみられる人物です。

ロン・デサンティスフロリダ州知事

トランプ前大統領が15日に次期大統領選への再出馬を正式表明すると予測される中で、デサンティス氏は、自らの政治生命を賭けてトランプ氏と共和党大統領候補の座を争う覚悟があるのかどうか決断を求められることになります。

日本では、ほとんどのメディアは中間選挙は、共和党の完璧な敗北であり、その責任の一旦はトランプにあり、トランプの大統領復帰など、あり得ないという論調です。

しかしこれは一方的な見方にすぎないことをこのブログでは、主張しました。その記事のリンクを以下に掲載します。
暗号資産FTX経営破綻 米で12月に公聴会へ 債権者は100万人超か―【私の論評】トランプの大統領選を有利にする、民主党リベラルの大スポンサーFTXの経営破綻(゚д゚)!
サム・バンクマンフリードFTX前最高経営責任者(CEO)

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にこの記事より一部を引用します。
トランプ氏の次期大統領選出馬表明について日米のメディアは強く批判ばかりしています。その最大の根拠は「中間選挙で共和党が惨敗」したという見方です。

しかし上院で今回選挙戦が争われたのは35選挙区です。民主党の改選議席数は14(非改選36)、共和党の改選議席数は21(非改選29)下院は共和217、民主207。これでは、共和党が惨敗とはいえません。むしろ、選挙戦そのものでは共和党のほうが勝っているともいえます。

そうして、トランプが支持した候補は予備選等も含めて235人当選し、敗北は22人です。これもトランプが敗北したとはいえません。

そうでなけば、2024年の大統領選に出馬することを表明したりはできなかったでしょう。

日本のメディアは、米国のリベラルメディアの報道を垂れ流すのみで、以上のようなことを報道しません。
無論、共和党は中間選挙で旋風を起こせなかったのは事実です。ただ、それを全部トランプのせいにするのは、あまりに無責任といわざるをえません。

この記事で主張したように、共和党は「トランプ党」なのか「反トランプ党」なのかを明確にしないまま、選挙戦に突入したのに対して、民主党はインフレなど不利な面があったので、より結束を強めて選挙戦に突入することができました。

そのため、共和党は中間選挙では旋風を起こすことができなかったのです。しかしながら、朝日新聞は以下のように伝えています。
 トランプ氏は選挙後、米FOXニュースに対し、推薦した候補の大半が当選したとして「我々はとてつもない成功を収めた」と語った。米紙ワシントン・ポストによると、トランプ氏は上院で21人、下院で156人の計177人を推薦した。米CNNによると21日時点で、上院では15人、下院では148人が当選を確実にしている。「トランプ派」の推薦候補のうち9割超が当選したことになる。

 ただ、朝日新聞は、続けて、中間選挙の選挙区を「共和党有利」「接戦区」「民主党有利」の三つに分類すると、トランプ氏が推薦した先は「共和党有利」の候補ばかりだとしています。

ただ、トランプ氏がなぜ推薦を行ったかといえば、トランプ派の議員をなるべく増やすためです。この目的を成就するためには、共和党が有利な選挙区で、トランプ派の議員が立候補していれば、その議員を推薦し、反トランプ派の議員が立候補している場合は、刺客を送り、反トランプ派の議員を落選させることが、最も効率的ですし、効果的です。

これは、このブログでも以前述べましたが、ワイオミング州で8月16日、連邦下院選の共和党候補を決める予備選が行われた結果、昨年の連邦議会占拠事件を巡ってトランプ前大統領への批判を強める現職のリズ・チェイニー氏(56)が、トランプ氏の推薦を受けた「刺客」候補に敗れたことをみても明らかです。


トランプ氏の推薦候補は、上下両院の共和党の当選候補のうち7割近くを占めています。今後の米議会でも、トランプ派が共和党内で存在感を保つことは確かです。私自身、今回の中間選挙でトランプ氏の共和党内での立場は強くなったとみています。

確かに共和党の大統領候補指名レースに限れば、トランプ氏はデサンティス氏を含む他のどの政治家に対しても優位に立つとみられます。党の支持層の間では高い人気を維持し、手元にある潤沢な選挙資金はこれからさらに増えていく一方でしょう。

それを見越している人が多いからこそ、最新のハーバードCAPS・ハリス世論調査で、共和党の2024年大統領予備選挙を仮定した場合にドナルド・トランプ前大統領がフロリダ州のロン・デサンティス知事に18ポイントリードし、明らかな最有力候補者であることがわかったのだと考えられます。

トランプ氏が2024年の大統領選挙における有力な候補であることは間違いないです。ただ、一つトランプ氏にとって不安材料があります。それは、今回の中間選挙で共和党が「共和党旋風」を起こせなかった原因となった、共和党が「トランプ党」でいくか、「反トランプ党」でいくかをはっきりさせないことです。

これが、はっきりしなければ、トランプ氏も、共和党も「勝てる選挙」でも勝てなくなってしまう可能性があります。

共和党としては、どちらの道を行くにしても、早い時期に決めて、決まった以上は一致団結して、選挙戦に望み、次の選挙では、共和党旋風を巻き起こすべきと思います。

過去をみると、共和党政権にとっては、日本にとって良いことが多く、民主党政権のときはあまり良くなかったと思います。


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