2022年11月17日木曜日

暗号資産FTX経営破綻 米で12月に公聴会へ 債権者は100万人超か―【私の論評】トランプの大統領選を有利にする、民主党リベラルの大スポンサーFTXの経営破綻(゚д゚)!

暗号資産FTX経営破綻 米で12月に公聴会へ 債権者は100万人超か


暗号資産の交換業大手「FTXトレーディング」が経営破綻した問題で、アメリカ議会下院の金融サービス委員会は来月、公聴会を開くと発表しました。債権者は100万人を超える可能性があり顧客の資産を保全し、返還できるかどうかが焦点です。

暗号資産の交換業大手「FTXトレーディング」は自社と、日本法人を含むおよそ130のグループ会社について連邦破産法第11条の適用をアメリカの裁判所に申請し、11日、経営破綻しました。

これを受けてアメリカ議会下院の金融サービス委員会は16日、FTXの経営破綻と影響について来月、公聴会を開くと発表しました。

経営破綻するまでCEOを務めたバンクマンフリード氏など、関係者から話を聞く予定だとしています。

FTXは国際的に事業を展開し、これまでに裁判所に提出した資料によりますと、債権者は100万人を超える可能性があるということで、顧客の資産を保全し、返還できるかどうかが焦点となっています。

金融サービス委員会のウォーターズ委員長は「FTXの転落は100万人以上の利用者に甚大な被害をもたらした」と指摘し、再発を防ぐために議会がとるべき立法措置などを明らかにするとしていて、暗号資産業界への規制をめぐる議論が活発になりそうです。

米財務長官「暗号資産市場をより監視する必要性」

アメリカのイエレン財務長官は16日、声明を発表し、FTXの経営破綻の影響が暗号資産の保有者や投資家に広がったことについて「暗号資産の市場をより効果的に監視することの必要性を示している」と指摘しました。

また、暗号資産の市場の混乱が金融の安定に及ぼす影響は今のところ限定的となっているものの、金融業界と暗号資産業界のつながりが強まれば、金融の安定により大きな懸念が生じるおそれもあるとの認識を示しました。

そのうえで「消費者を保護し、金融の安定を促進するために行動することが重要だ」と述べ、政府や議会は迅速に動き、ほかの金融商品の投資家と同じように、暗号資産の投資家も保護することが重要だという考えを示しました。

大谷翔平や大坂なおみなど 広告塔務めたと提訴される

「FTXトレーディング」の経営破綻をめぐっては、事業の広告塔を務めていた大リーグ、エンジェルスの大谷翔平選手や、テニスの大坂なおみ選手など日本のトップアスリートも提訴される異例の事態となっています。

訴状では著名なスポーツ選手が事業の広告塔を務めていたことで、投資家の信頼を集めた責任があるとしていますが、請求額は明らかにしていません。

提訴されたのは元CEOのバンクマンフリード氏をはじめ、NFL=アメリカプロフットボールリーグのトム・ブレイディ選手やNBA=アメリカプロバスケットボールのステフィン・カリー選手などで、日本選手ではエンジェルスの大谷選手やテニスの大坂選手も含まれています。

FTXの経営破綻は、スポーツ界を代表するスター選手たちが数多く訴えられる異例の事態に発展し、アメリカのメディアも大きく報じています。

【私の論評】トランプの大統領選を有利にする、民主党リベラルの大スポンサーFTXの経営破綻(゚д゚)!

暗号資産については、私自身は利用したことはありません。ですから、今回のことで、損失を被ることはありませんでした。

FTXは世界中で期待されていました。たとえば「世界経済フォーラム」もサイトでFTXを推していました(下の「世界経済フォーラム」のサイトのキャプチャー画面)が、FTXが経営危機に陥ると、すぐにしれっと削除しています。


ニューヨーク・タイムズも擁護記事をだし共犯と言われ出しています。大谷翔平や大坂なおみなどより、「世界経済フォーラム」やNYTのほうがはるかに影響力が強いと思います。そのうち、さまざまなメディアや組織がその責任を追求されることになると思います。

一般的に、暗号資産(仮想通貨)は、ブロックチェーンという技術によって記録・管理されています。ブロックチェーンは、データの破壊・改ざんが極めて困難な仕組みであることから、暗号資産(仮想通貨)がシステム障害やハッキング等によって消失する可能性はほとんどありません。

しかし、暗号資産(仮想通貨)の保有者は暗号資産(仮想通貨)の所有を示す鍵を安全に管理する必要があり、鍵を無くしたり、ハッキングされた際には、暗号資産(仮想通貨)を失うことになります。(詳細は、「ブロックチェーンって何?」も併せてお読みください。)

ただ、運営元が経営破綻してしまえば、現状ではどうしようもないです。

FTXのサム・バンクマンフリード前最高経営責任者(CEO)は、FTXのレバレッジ水準について間違えていたとツイートしました。実際は130億ドル(約1兆8100億円)だったが、約50億ドルだと考えていたといいます。

サム・バンクマンフリード前最高経営責任者(CEO)

「今週は流動性を高めるためにできる限りのことをします」と、バンクマンフリードは説明している。「ユーザーにとって正しい対応をするために、いまある資産の最後の1セントまですべてをユーザーにまっすぐに返します」とも語っています。

資金を取引所から引き出せない人にとって慰めにはならないでしょうが、バンクマンフリード自身も多額の損失を被っています。ブルームバーグの報道によると、バンクマンフリードの個人資産は先週まで160億ドル(約2兆2,000億円)の価値があったのですが、FTXの破綻で1ドル残らず完全に消し飛んだそうです。ブルームバーグはこれを「史上最大級の富の消失のひとつ」と表現しています。

さて、日本でも損をした人もいますが、一番損をした、あるいはそうなりそうなのは誰でしょうか。

それは、米国民主党等のリベラル派かもしれません。破綻したFTXのバンクフリードマン氏は、 民主党No2の巨額献金をしている選挙スポンサーであり、気候変動対策の取り組みやリベラルメディアの巨額スポンサーの一人です。 民主党とリベラル派は、自由に金が引き出せた巨大なスポンサーも失いました。

バンクマンフリード氏は進歩派の主張に賛同し、文字通りリベラルに(気前良く、またリベラル派的に)資金を出すことで、暗号資産業界のセレブでスポークスマンとなったのです。FTXは昨年、取引プラットフォームを「カーボンニュートラル(二酸化炭素排出量実質ゼロ)」にする方針を示し、何百万ドルもの資金を気候変動対策の取り組みに提供することを約束していました。

これは、民主党にとって痛手でしょう。ダメージは金が引き出せなくなったことだけではありません。広告塔の人間が批判され、提訴されたというのですから、多額の寄付を受けていた、民主党やリベラル派も、FTXに政治利用されたということで、大きな批判にさらされることになるでしょう。

米財務長官「暗号資産市場をより監視する必要性」と語っていますが、民主党自体がFTXの広告塔になっていたともいえるわけですから、今更何を言っているのでしょうか。

ただ、米国のリベラルメディアはこれを問題をあまり大きくならないように、印象操作し沈静化しようとするでしょうが、共和党支持者やトランプ支持者は黙っていないでしょう。また、トランプ自身も黙ってはいないでしょう。

これは、共和党にとって有利に働くのは間違いありません。そうして、2024年の大統領選手場を宣言したトランプ氏にも有利に働くでしょう。


トランプ氏の次期大統領選出馬表明について日米のメディアは強く批判ばかりしています。その最大の根拠は「中間選挙で共和党が惨敗」したという見方です。

しかし上院で今回選挙戦が争われたのは35選挙区です。民主党の改選議席数は14(非改選36)、共和党の改選議席数は21(非改選29)下院は共和217、民主207。これでは、共和党が惨敗とはいえません。むしろ、選挙戦そのものでは共和党のほうが勝っているともいえます。

そうして、トランプが支持した候補は予備選等も含めて235人当選し、敗北は22人です。これもトランプが敗北したとはいえません。

そうでなけば、2024年の大統領選に出馬することを表明したりはできなかったでしょう。

日本のメディアは、米国のリベラルメディアの報道を垂れ流すのみで、以上のようなことを報道しません。


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