2022年11月24日木曜日

激安服「SHEIN」もヤバい?中国で1日50人の児童が失踪、奴隷労働に従事か―【私の論評】中国ブラック企業の日本進出を阻止せよ(゚д゚)!

激安服「SHEIN」もヤバい?中国で1日50人の児童が失踪、奴隷労働に従事か


街中至る所に監視カメラを設置し、人民を徹底監視する中国。そのような状況にある国で、年間20万人もの少年少女が行方不明になっているという不可解な事実をご存知でしょうか。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では台湾出身の評論家・黄文雄さんが、最近も頻発している失踪事件のニュース記事を引きつつ、その原因を推測。臓器売買や強制労働の疑いも捨てきれないとの見方を示しています。

※本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2022年11月23日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:黄文雄(こう・ぶんゆう)
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

 【中国】失踪児童と強制労働と中国企業躍進の関係

中國青少年失蹤頻傳 網友諷:説好的封控在哪裡?

中国では、少年少女が失踪する事件が数多く起こっています。その数は年間20万人、1日平均50件とも言われています。

年間20万人の児童が行方不明に! 中国マフィアの「誘拐イノベーション」

中国メディアやラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、湖北、江西、広東、河南で、ここ1カ月ほどで少なくとも十数件の小中学生が行方不明になっているとのことです。

九維新聞、暁星朝刊などのメディアが報じた最近の事件は、武漢市黄璧区に住む14歳の中学生、劉蒼成さんが今月12日午後8時半にゴミを捨てに階下に降りた後、行方不明になり、その後も消息が分からなくなったそうです。

このほか、11月5日に広東省汕頭市の中山路付近で15歳の少年が失踪した事件、10月23日に広州市番禺区大石街大興村で17歳の少女が失踪した事件、10月14日に江西省霊山県の高校1年生胡新宇さんが夜学に向かう途中で失踪した事件などが、類似の事件として挙げられています。

ご承知のとおり、中国には2億台もの監視カメラが街のあちこちに備え付けられており、徹底した監視社会となっています。中国のネットでも、交通違反や新型コロナの隔離違反者はすぐ捕まるのに、なぜ行方不明の少年少女たちは見つからないのかという疑問が噴出しています。

中国では、このような失踪事件は当局が公表しないことも少なくありません。そのため、その原因は推測するしかないのですが、これらの失踪者の多くが健康な10代の若者であるため、マフィアによる臓器売買や、強制労働が疑われています。一方、幼児の場合は、老後の不安がある農村の夫婦などに売られているケースがあるようです。

2007年には、中国山西省臨汾市の複数のレンガ工場で、誘拐された子どもたち1,000人以上が強制労働をさせられていたという事件が発覚したことがありました。子どもたちは国内各地で誘拐され、レンガ工場に500元(約8,000円)で売られ、1日14時間労働を強いられていたといいます。

中国:子ども100人以上が誘拐され、レンガ工場で強制労働

今年の9月28日、アメリカの労働省は、児童が強制労働に拠って生産された物品リストを更新しましたが、そこでは、中国で製造されるリチウムイオンバッテリーや、太陽電池セル・モジュールなども含まれており、とくに新疆ウイグル自治区での強制労働で生産されたポリシリコンが、企業のサプライチェーンに組み込まれるリスクを指摘しています。

米労働省、児童・強制労働によって生産された物品リストを更新

中国ではまだまだ強制労働や極めて低い賃金での劣悪な労働が横行しています。たとえば、中国発のファッションブランドSHEINは、非常な低価格戦略により世界中で売上を伸ばしており、先日原宿にショールームを出店し、日本の若者にも人気となっています。

しかし、イギリスのメディアによる潜入調査により、SHEINの中国にある製造工場では従業員が1日18時間労働を強いられ、1日少なくとも500着を製造するものの、報酬は1着につきわずか6円しか得ていないという実態が明らかになっています。

しかも、1つのミスをすると日給の3分の2の罰金が科せられるというのですから、ほとんど「奴隷労働」状態でしょう。

SHEINの製品を作る労働者は1日18時間働き、報酬は1着わずか6円…英チャンネル4が潜入調査の動画公開

その他、SHEINには、商品に新疆ウイグル自治区の強制労働によって生産された綿が使用されている疑いも出ています。

SHEIN製品、新疆綿使用と検査結果が示す-米強制労働対策に抜け穴

児童誘拐には、中国社会で奴隷労働がまだまだ根絶されていないことにも、一因があるでしょう。そもそも中国においては人権や人命は非常に軽いものです。中国共産党自体が、国民主権どころか言論の自由や信教の自由を阻害しているのですから、個人が尊重されることなどありません。人を人と思わないわけですから、子供だからといって容赦などしません。

もっとも、これは現在のみならず、中国の特質として数千年も引き継がれてきたことでもあります。文豪の魯迅は、中国の歴史は「奴隷になりたくてもなれない時代」と「安全に奴隷になれる時代」の繰り返しだと述べました。いつでも奴隷主になり、また自らも奴隷になるというのが中国の風土なのです。

清末の政治家・梁啓超は、中国人を「戮民」と評しました。彼は『新民説』において、「中国の天の戮民たること久し。天これを戮し、人これを戮し、暴君これを戮し、汚吏これを戮し、異族これを戮す」と嘆いています。天からも、同胞からも、為政者からも、官僚からも、外国人からも虐げられる存在だということを喝破したわけです。

清末の中国で20年以上も布教活動を行ったアメリカの宣教師アーサー・スミスは、著書『中国人的性格』(邦訳は中央公論新社)で、中国人の相互不信を特筆しています。そのなかで、「一人で寺に入るな。二人で井戸を覗くな」という中国のことわざを紹介しているのですが、その理由を中国人から「一人で寺に入るとその機会を捉えて僧侶に殺されるから、二人で井戸を覗くと、物品を盗もうと考える相手によって突き落とされるから」と教えられて、大変驚いています。

ある意味で、超利己的で人間不信社会である中国だからこそ、他人を奴隷化することもいとわず、それが低価格戦略を可能にしているわけです。児童誘拐や人身売買にも、そうした背景が関係しているのです。

奴隷労働を強いる企業の製品を買うことは、明らかにSDGsとは真逆の方向性です。

地球温暖化にしても、環境保護団体などはなぜか西側諸国ばかり糾弾して中国にはだんまりを決め込むということがよく見られますが、それと同様、日頃、人権意識の高い人達や企業が、奴隷労働によって生まれる商品を嬉々として購入しているならば、そこにはなにか「別の力」が働いていると思わざるをえません。

【私の論評】中国ブラック企業の日本進出を阻止せよ(゚д゚)!

SHEINの協力工場がある広東省をはじめ、沿岸部の縫製工場の賃金がついに、日本の東北地方を上回り始めたそうです。平均7,000元〜10,000元(日本円: 14万〜20万円)。日本向け衣料を生産する大手工場の見積額も今や日本の工場より高い額を日本の商社へ要求しているそうです。

中国では昨年暮れ最低賃金を引き上げる動きが相次いでいました。経済規模が最大の広東省をはじめ、2021年に入り20の省・直轄市・自治区が実施していました。習近平(シー・ジンピン)指導部が掲げる「共同富裕(共に豊かになる)」のもと労働者の不満を抑える狙いですが、人件費の上昇は工場の国外移転を加速させる可能性もあります。


中国では、国際金融のトリレンマにより、金融緩和が自由にできない状況にあることは、このブログでも解説したことがあります。金融緩和せずに、機械的に賃金を上げるとどうなるでしょうか。それは、韓国の文在寅政権のときに実行された結果、申告な雇用状況の悪化を生み出しました。

中国でも同じことが行われています。その結果は深刻な雇用状況の悪化を生み出すことになるでしょう。

技能実習生が日本へ来なくなる日も現実味を帯びてきたと騒ぐ人もいます。そうして、これは多分に最近の円安によるところが多いです。

そうして、円安は本当に悪いことなのでしょうか。円安で日本人の賃金が安くなったと騒ぐ非人もいますが、それはドル建て比較しているからであって、ほとんどの人は日本国内で働き、日本で賃金を受け取っているので、円安の影響はあまりありません。

ただ、中国沿岸部の工場の賃金が、日本の東北地方を上回り始めたのであれば、日本の東北地方で生産したほうが良いということになります。日本向け衣料を生産する中国の大手工場の見積額が日本の工場より高い額を商社にするというなら、日本の商社は日本国内の工場に縫製を頼めば良いということになります。

技能実習生が日本に来なくなれば、日本人が働けば良いといことです。無論、日本人が働くということであれば、技能実習生のような縛りがないため、もし雇用先がブラック体質であれば、就業しても辞めるとか、最初から就業しないといことで、技能実習生を使いブラック体質の事業を行っていた企業は存続の危機を迎えることになるでしょう。

これは、中国の縫製工場の例ですが、他の産業でも、中国以外の国においてもこのようなことが大規模に起こっているのです。通貨安によって海外に進出した企業の大規模な国内回帰につながるのです。無論、すぐには回帰できない企業もあるでしょうが、それにしても円安が続けばその傾向は定着することになります。

ただ、気をつけなければならないことはあります。日本の賃金が安いということになれば、今度は中国企業が日本に進出してきて、日本で大量に日本人雇い、様々な製品を製造することになるかもしれません。


そうなると、日本国内に中国企業が増えることになり、さらにその中国企業は日本の法令を守らず、中国国内と同じくブラック体質まる出しで操業をはじめるかもしれません。そうなると、日本人は逃げ出すか、最初から中国企業に就業しなくなるかもしれません。

しかし、日本には、日本人だけではなく、中国人や他国の人も存在します。日本に進出した中国企業がこれらの人々を使ってブラック体質の操業を始めるかもしれません。

私自身は、SHEINもそのようなことを狙っているのかもしれないと思っています。実際SHEINは、日本の原宿に店舗を出したばかりです。この店舗への商品を日本国内で製造することになるかもしれません。そうして、それがうまくいけば、日本国内での製造を拡大するかもしれません。

何しろ、渋谷・原宿が世界的に見ても、ファッション先進地です。お洒落な衣料品の激戦区です。様々なお店が立ち並ぶ中で、様々なファッションに出会うことができます。

SHEIENの原宿店は、ファッションを売るだけではなくそうした情報をキャッチする役目も担っている可能性が大きいです。私は、SHEIENの商品を最初にサイトでみたとき、これは米国のメーカーなのかと思ったくらいです。今考えてみると、何のことはない単なる欧米のパクリだったのだと思います。

そのためか、かなり露出が多かったり、明らかに大きな体格に合わせたと思われる商品が多かったですし、色使いやデザインも日本のものなどに比較すれば、大雑把であったり大胆すぎなどで、なんというかちぐはぐ感は免れないものでした。なんというか、ブランドの統一感が感じられなかったのです。

SHEINのサイトより クリックすると拡大します

これは、当然のことながら、同じブランドであっても、他の複数のブランドのパクリであれば、理解できることです。

原宿・渋谷のフアッション先進地でフアッションを盗み、中国の工場で安い賃金で、すばやくそれを真似た商品をつくり、それを世界中で販売するという企みなのかもしれません。

ただ、中国で製造ということになれば、それだけ時間がかかるし、きめ細かなコミュニケーションができないので、日本で製造ということになるかもしれません。

今後円安で、そのようなことを中国の様々な産業が実施することになるかもしれません。

しかしそのようなことは、国益の観点から野放図に許すわけにはいきません。今後円安を背景に、パンデミックや米中貿易摩擦で断続的にサプライチェーンが寸断された近年の経験を踏まえれば、コストの問題は脇に置いても国内で製造した方が安全という考え方の企業も出てくるでしょう。

今後「円安+経済安全保障」まで包括的に考えた時に、製造業の国内回帰の可能性が高まることになるでしょう。 ただ、その動きとともにSHEINのような中国企業が日本国内でブラック的な事業を展開する可能性も高まるということです。

今後日本企業が、経済安全保障の観点から中国などから、日本へ拠点を移したら、今度は日本国内の中国企業に脅かされるということになれば、本末転倒ということになります。

日本政府は経済安全保障の観点から、このような動きを規制すべきですし、また公的補助により、海外から日本に回帰する企業を助け、さらに円安で不利益を被る中小企業を助けるということもすべきと思います。 

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