2022年11月20日日曜日

岸田首相、寺田総務相を更迭へ 終盤国会への影響を回避―【私の論評】昭和レトロ人事の大失敗は、岸田総理の自業自得(゚д゚)!

岸田首相、寺田総務相を更迭へ 終盤国会への影響を回避


 岸田文雄首相は20日、政治資金収支報告書の不適切な記載などが相次いで発覚した寺田稔総務相を更迭する意向を固めた。同日中に寺田氏が辞表を提出し、首相は後任の人選を急ぐ。今国会終盤は令和4年度第2次補正予算案や世界平和統一家庭連合(旧統一教会)などの高額献金による被害者救済に向けた新法などの重要審議を控えており、寺田氏を続投させれば審議への影響は避けられないと判断した。

 首相は20日、公邸で松野博一官房長官や木原誠二官房副長官、嶋田隆首相秘書官らと面会し、寺田氏の処遇について協議した。首相は自民党幹部らとも電話で話し合ったとみられる。

 昨年10月の岸田内閣発足後、閣僚の更迭は旧統一教会問題をめぐり辞任した山際大志郎前経済再生担当相や「法相は死刑のはんこを押す地味な役職」と発言した葉梨康弘前法相に続く3人目。首相の政権運営への打撃は必至だ。

 寺田氏をめぐっては、関係する政治団体「寺田稔竹原後援会」(広島県竹原市)が故人名で政治資金収支報告書を提出していたことが明らかになり、昨年の衆院選で選挙区の広島5区に在住する地方議員らに違法に報酬を払った疑惑なども浮上した。

 立憲民主党などの野党は政治資金規正法の所管閣僚として不適格だとして更迭を求めている。与党内からも補正予算案などへの影響を避けるため、寺田氏を更迭し、事態の沈静化を図るべきだとの意見が強まっていた。

 寺田氏は衆院広島5区選出で首相が率いる自民党岸田派(宏池会)に所属する。昨年10月の政権発足時から首相補佐官を務め、今年8月の内閣改造で初入閣した。首相は、同じ岸田派の葉梨氏に続いて身内を不祥事で更迭する事態となった。

【私の論評】昭和レトロ人事の大失敗は、岸田総理の自業自得(゚д゚)!

政治資金所管の寺田稔総務相は夫人が代表の政治団体を通したカネのからくりや2年間も故人の会計責任者が届出をしていた事など暴露されたうえ、また現職の大臣秘書官が文春に疑惑を認め、さらには寺田総務相による証拠隠滅の疑いが浮上しました。自民内からも辞任を求める声が強まっていたため、岸田首相も更迭の方針を固めました。山際前経済再生相、葉梨前法相に続く「辞任ドミノ」です。

寺田稔竹原後援会事務所

まともな保守派からみれば、最も辞めさせるべきは筋金入りの媚中派林外相ですが、野党もワイドショーテレビも体質が同じなので、そこは追及しません。岸田首相自身も、ワイドショー政治にのめり込み、結局重要閣僚以外の三閣僚の辞任という、三流政局を自ら招いてしまいました。

このブログでは、岸田首相による、内閣改造人事は完璧に失敗だったことを改造直後に批判しましたが、その批判は正しかったようです。三閣僚の辞任には、様々な理由がありましたが、共通するのは人事が大失敗であったことは明白だと思います。

発足直後の第二次岸田内閣

首相には様々なタイプがあって、政策があって人事をするタイプと、人事しかない人がいます。岸田総理は後者です。岸田総理は、参院選の後は改造人事で頭がいっぱいだったようで、すべてそこに結びつけて行動していました。

酷かったのは中国が日本のEEZ内に(ミサイルを)撃ち込んだ時、国家安全保障会議(NSC)を開くのが常識ですが、結局開催しませんでした。これは、人事で頭がいっぱいだったからだと考えられます。

それに、改造の前日には、人事はすべて明らかになっていましたが、これは各方面にしっかりとした根回しの結果です。このやりかたは、2001年の小泉政権以前にみられた、昭和の古き良き時代の流儀です。

昭和の大女優田中絹代 映画『人生のお荷物』(1935年)のスチル写真

このような昭和レトロのような人事は、小泉政権から、菅政権まではみられなかったやり方なので、これにも本当に驚きました。

生前の安倍氏との「閣僚達は通常国会と参院選で故郷にまだ錦を飾ってない。改造は“お盆の後”にして閣僚に故郷でお盆を過ごさせてやってくれ」との約束を反故にした岸田首相でしたが、統一教会利用しての「安倍派潰し」改造人事がここまでしっぺ返しを受けてしまいました。これは、岸田総理の自業自得といわざるをえません。

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