アメリカ国防総省は、原子力潜水艦キーウエストが先月21日、インド太平洋地域への配置計画に従って釜山港に到着したと明らかにし、その様子を写した写真を公開しました。
キーウエストについてアメリカ国防総省は、世界で最も優れたステルス性能を有する潜水艦の一つであり、潜水艦に対する攻撃や、監視・偵察などの任務を遂行できると紹介しました。
1987年に就役したキーウエストは、潜航時の水中排水量が6900トンあまりで、射程距離が2500キロメートルに達する巡航ミサイル「トマホーク」などを搭載できます。
アメリカが、最新ステルス戦闘機に続いて、高度な隠密性が要となる潜水艦を公開したのは異例のことです。
アメリカの空中・海上戦略資産の相次ぐ韓半島展開が公開されたことで、韓米首脳が合意した「戦略資産の適時展開」を実現するとともに、核実験の可能性を示唆している北韓に強力な警告のメッセージを発信したものとみられます。
これに先立ち、アメリカ海兵隊の「F-35B」4機も、先月31日から5日間実施される韓米合同演習「ビジラント・ストーム」に参加するため、韓国の群山(グンサン)基地に初めて展開されました。
これを受け北韓は、分断後初めて南北の軍事境界線にあたるNLL=北方限界線の南側に短距離弾道ミサイルを発射し、強く反発しています。
【私の論評】米戦略資産の朝鮮半島展開で恐怖におののく北朝鮮(゚д゚)!
この日、米国防総省はロサンゼルス(LA)級攻撃型原子力潜水艦「キーウエスト」(SSN722)が前日午前、海軍釜山作戦基地に入港したと伝え、関連写真5枚を公開しました。写真には「キーウエスト」が基地に入る中、両側に並んだ海軍将兵が歓迎プラカードを持つ姿などがありました。
ロサンゼルス型攻撃原潜 |
ロサンゼルス級原子力潜水艦は、1976(昭和51)年から1996(平成8)年までの20年間で62隻就役しており、2020年4月現在も半数の約30隻が現役運用されています。世界で最も多く建造された原潜です。
韓国軍の関係者は「今回の原子力潜水艦の入港は連合訓練などを目的に入ってきたのではない」とし「原子力潜水艦のような米国の戦略資産移動については米側との協議なく我々が別に公開することはない」と述べました。
これに先立ち米第7艦隊所属の原子力空母「ロナルド・レーガン」(CVN76)など空母打撃群が、日本海公海上で韓米連合訓練と韓日米対潜水艦前訓練をするため9月23日に釜山に入港しました。
これに先立ち米第7艦隊所属の原子力空母「ロナルド・レーガン」(CVN76)など空母打撃群が、日本海公海上で韓米連合訓練と韓日米対潜水艦前訓練をするため9月23日に釜山に入港しました。
米原子力空母「レーガン」 |
当時の訓練には「キーウエスト」と同じLA級原子力潜水艦「アナポリス」(SSN760)も参加しました。軍情報筋は「アナポリスは訓練前に入港しなかったが、訓練を終えた後に釜山にしばらく留まった」と話しました。1カ月余りの間に米海軍の原子力潜水艦2隻が相次いで韓国に入ったということです。
原子力潜水艦は隠密に動く戦略資産であり、移動経路を露出しないのが一般的です。それでも米国防総省が公開したことをめぐり「強力な対北朝鮮警告」という分析が出ています。「アナポリス」と「キーウエスト」はトマホーク巡航ミサイルを発射できる12門の垂直発射管(VLS)を備えていますが、朝鮮半島周辺海域からは北朝鮮全域が射程圏に入ります。
原子力潜水艦は隠密に動く戦略資産であり、移動経路を露出しないのが一般的です。それでも米国防総省が公開したことをめぐり「強力な対北朝鮮警告」という分析が出ています。「アナポリス」と「キーウエスト」はトマホーク巡航ミサイルを発射できる12門の垂直発射管(VLS)を備えていますが、朝鮮半島周辺海域からは北朝鮮全域が射程圏に入ります。
特に「キーウエスト」の今回の入港について軍内外では「行事や連合訓練が予定されていない状況で国内に入ってきたのは特別な任務を帯びているはず」という見方が出ています。
峨山政策研究院のヤン・ウク副研究委員は「米国の攻撃型原子力潜水艦は有事の際トマホークミサイルで地上攻撃をするのはもちろん、敵陣に潜入して情報を収集し、特殊作戦などにも投入される」とし「グアムに前進配備された原子力潜水艦を韓半島(朝鮮半島)に送ってこれを公開したのは、米国が北を引き続き監視していることを強調するため」と話しました。
一方、在韓米第7空軍司令部は韓米連合空中訓練「ビジラントストーム」(Vigilant Storm)に参加するため、先月31日に在日米海兵隊のF-35Bステルス戦闘機4機が群山(クンサン)基地に入ったと明らかにしました。
峨山政策研究院のヤン・ウク副研究委員は「米国の攻撃型原子力潜水艦は有事の際トマホークミサイルで地上攻撃をするのはもちろん、敵陣に潜入して情報を収集し、特殊作戦などにも投入される」とし「グアムに前進配備された原子力潜水艦を韓半島(朝鮮半島)に送ってこれを公開したのは、米国が北を引き続き監視していることを強調するため」と話しました。
一方、在韓米第7空軍司令部は韓米連合空中訓練「ビジラントストーム」(Vigilant Storm)に参加するため、先月31日に在日米海兵隊のF-35Bステルス戦闘機4機が群山(クンサン)基地に入ったと明らかにしました。
F-35Bが国内基地に来たのは今回が初めてです。今回の訓練にはF-35Bをはじめとする米国の軍用機100機と空軍F-35Aステルス戦闘機など韓国軍軍用機140機など計240余機が動員されます。
F35B |
これに対し北朝鮮は外務省の談話と対外宣伝メディアを通じて「北侵略戦争演習がいつよりも発狂的に行われている」と激しく非難しました。
韓米軍当局は今回の訓練期間中、北朝鮮が新しい挑発をする可能性があるとみて注視しています。米国が原子力潜水艦の入港を公開したのはこうした北朝鮮の挑発を事前抑止するためという分析もあります。
それをわかっているので、米韓の演習に大反発するのです。米国のB35が北朝鮮の付近を飛ぶだけでもかなり脅威を感じているはずです。この戦闘機に搭載されているミサイルは、北朝鮮のどこにでも届くからです。空母打撃群による演習もにもかなり神経を尖らせていることでしょう。
これにさらに、潜水艦の行動は隠密にするという通例を破り、攻撃型原潜「キーウエスト」まで、はっきりと北朝鮮にわかるように、わざわざ写真まで公開しているのですから、北朝鮮としては、気が気でないというのが正直なところでしょう。
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