政府は与党協議の結果も踏まえた上で、外交・安全保障政策の長期指針「国家安全保障戦略」など安保関連3文書の改定に反映させる。
首相は報告書受け取りに続いて、自民党の麻生太郎副総裁や公明党の山口那津男代表ら与党幹部を交えた会議に出席。防衛費増額を巡り協議した。
報告書は、防衛力強化に継続的に取り組むには「安定した財源の確保」が基本との姿勢を示し、国民に負担増への理解を得る努力をするよう要請。「幅広い税目による負担が必要」としつつ、具体的な税目は明示しなかった。賃上げなどの企業努力に水を差さないようにすべきだと指摘した。
変則軌道や極超音速のミサイル開発を進める北朝鮮や中国を念頭に、インド太平洋のパワーバランスが大きく変化していると強調。敵基地攻撃能力の整備に向け、今後5年を念頭に十分な数の長射程ミサイルを装備するよう求めた。発動に際して「政治レベルの関与の在り方について議論が必要だ」とも指摘した。
研究開発や公共インフラなど防衛力強化に資する4分野の経費を合算した新たな予算の枠組み創設にも触れた。
有識者会議は佐々江氏や経済の専門家、元防衛事務次官ら10人がメンバーとなっている。
【私の論評】真摯さに欠る有識者会議、財務省、岸田総理(゚д゚)!
有識者会議の情報発信全くおかしいです。報告書には防衛力強化の中身が殆どなく国民に税負担をお願いするボリュームがやたら大きい報告書になっています。これでは国民から相当反発が来るでしょう。
防衛力強化に関する政府有識者会議座長の佐々江賢一郎元駐米大使 |
補正予算で景気対策、一方防衛力で増税では、これは理解はかなり得にくいです。
このブログでも過去の述べてきたので、ここで詳しくは述べませんが、日本は慢性的な需要不足に陥っていて、増税どころか減税しなければならない状態のはずです。にもかかわらず、有識者会議は防衛公債や防衛納税など一顧だにせず、国民が広く負担する税の増税を答申しています。一体何のための有識者会議なのか、意味がわかりません。
なぜこのような報告をするのでしょうか。有識者会議の報告書では、予想通りこのブログでも指摘した、為替特会などの埋蔵金は書いていません。政治家などが、防衛費は国債で賄うべき、防衛国債を創設すべきなどと語っていれば、財務省は換骨奪胎して「つなぎ国債」を発行などといいだすでしょう。つなぎ国債は、償還までの期間が短いので、これは増税と同じようなものです。
財務省は次の段階では、償還のために増税が必要として、増税することを狙うでしょう。そして特別会計を作って「防衛増税」をするでしょう。これは財務省の定番メニューです。背後には、こうした財務省の企みがあるからこそ、有識者会議の報告は多くの国民から理解を得にくいものになっているのでしょう。
政治家が国債という時にははっきりと「長期国債」と言うべきです。防衛費は、まずは埋蔵金40兆円で8年凌いでその後自然増収をあてるが筋というものです。
「増税なき防衛力の強化を」との国民の願いに背を向け、増税を明確化した有識者会議。自民党内には“これが強行されたら政権は吹っ飛ぶ”との声が充満しています。巨額の埋蔵金も活用せず、防衛国債も拒否して「幅広い税目による負担が必要」とは恐れ入ります。
ただ、これは見せかけに過ぎず。政治家が埋蔵金の利用などいわず、「防衛国債」とばかり主張することになることを財務省は、見越しており、それで「つなぎ国債」を発行し、償還財源を増税で賄うというのが、財務省の既定路線のようにみえます。
政治家は、この企みにまんまののせられないためにも「防衛国債」とはいわずに、「長期防衛国債」と語るとともに、埋蔵金の活用も主張すべきです。
岸田首相は、矛盾した発言もしています。何と今の時期に、低・中所得国に8.8兆円インフラ投資にあてると表明していたのです。
岸田文雄首相は今年の6 月26日午後、2027年までに650億ドル(約8兆8000億円)以上を低・中所得国のインフラ投融資にあてると表明しました。当時ドイツで開催中の主要7カ国首脳会議(G7サミット)の関連行事で明らかにしたのです。
今年ドイツで開催中の主要7カ国首脳会議(G7サミット)
これによって、気候変動や情報通信などの分野でアジアやアフリカの低・中所得国のインフラ整備を支えるとしたのです。
一方で、防衛費は増税で賄うといのですから、首をかしげてしまいます。外国には、9兆円ものインフラ投資をするといいながら、一方国内では、防衛という国の根幹に関わることで増税しようとするのですから、全く辻褄があいません。
それどころか、不正な外国人生活保護や医療費に何兆円も注ぎ込むようなこともしていいます。
防衛費を増税で賄わなければならないほどに、財政が逼迫しているというのなら、外国にインフラ投資や、生活保護や医療費にする金で、まずは防衛費にあてるべきです。
「抑止力とは戦争する力ではありません。戦争を“止める力”なんです。子供達の未来をこれで守っていくんです」と生前の安倍元首相は語っていました。しかし、お花畑のドリーマーにはこれが分らないようです。
有識者会議も同じす。増税で防衛費を賄ってどうするのでしょうか。財務省及び有識者会議の目的は“日本弱体化”なのでしようか。1997年以来の失政を未だ続ける阿呆としか言いようがありません。安倍元首相、最後の演説内容 神戸市三の宮 暗殺の前日7月7日
岸田総理が嬉々としてこれを遂行すれば、富国強兵ではなく貧国弱兵の道を突き進み、日本の地獄行は確定です。平成年間の大部分がそうだったように、経済は伸びず賃金も上がりません。
やはり党内政局はこれが引き金になるでしょう。これがいずれ激烈な岸田おろしに結びつくことになるでしょう。
次の総理が誰になるかわかりませんが、贅沢はいいません。頭が悪くても、ルックスが悪くても、態度が悪くても、滑舌が悪くても、頼りなくても良いですから、任期中には何があっても増税しない、金融引締しない、中国とは対峙するという方針を貫く人に総理大臣になっていただきたいです。あるいは、岸田総理にこのように変わっていただきたいものです。
そうして、ドラッカー氏のいうところの真摯な人物になっていただきたいです。経営学の大家ドラッカー氏は真摯さについて以下のように語っています。
(マネジャーには)根本的な素質が必要である。真摯さである。
うまくいっている組織には、必ず1人は、手を取って助けもせず、人づきあいもよくないボスがいる。この種のボスは、取っつきにくく気難しく、わがままなくせに、しばしば誰よりも多くの人を育てる。好かれている者よりも尊敬を集める。
一流の仕事を要求し、自らにも要求する。基準を高く定め、それを守ることを期待する。何が正しいかだけを考え、誰が正しいかを考えない。真摯さよりも知的な能力を評価したりはしない。
このような素質を欠く者は、いかに愛想がよく、助けになり、人づきあいがよかろうと、またいかに有能であって聡明(そうめい)であろうと危険である。そのような者は、マネジャーとしても、紳士としても失格である。
真摯さを絶対視して、初めてまともな組織といえる。それはまず、人事に関する決定において象徴的に表れる。真摯さは、取って付けるわけにはいかない。既に身に付けていなければならない。ごまかしがきかない。
ともに働く者、特に部下に対しては、真摯であるかどうかは2、3週間で分かる。無知や無能、態度の悪さや頼りなさには、寛大たりうる。だが、真摯さの欠如は許さない。決して許さない。彼らはそのような者をマネジャーに選ぶことを許さない。
「真摯さ」は、原本では、「integrity」と書かれており、「誠実、高潔」という意味があります。 これは、ドラッカーの「マネジメント」のなかで最も多く出てくる言葉でもあります。そうして、欧米では経営者等に求められる唯一の資質とされ、マネジメント関連の書籍に良く使われる言葉です。 ただ一生懸命にということではなく、「不変の正直さと誠実さで、強い信念を持って仕事に取り組む姿勢」だと思います。
残念ながら、現在の有識者会議にも、財務省にも、そうして残念ながら岸田総理にもこのような姿勢に欠けているようです。特に岸田総理の統一教会問題を利用した、安倍派外しの人事においては、そうした傾向が強く見られたように思います。
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