2014年6月15日日曜日

「何も決められない大統領」 イラク混迷、高まるオバマ批判―【私の論評】鳩山よりモア・ルーピーのオバマにより、戦後体制は大きく後退した。世界ではとっくに戦後体制は崩れつつあるのに、日本だけがその枠内に収まり続けようとしてもそれは不可能である(゚д゚)!




緊迫するイラク情勢をめぐるオバマ米大統領の対応の遅さと曖昧さに、米国内で批判が高まっており、11月の中間選挙をにらみ野党・共和党は攻撃を強めている。

大統領は13日、ホワイトハウスで、地上部隊を派遣しないこと以外、具体策を何ら示さず、決定まで「数日を要する」と言い残し、ヘリコプターで遊説先のノースダコタ州へ向かった。

共和党のベイナー下院議長は「下院と国防総省は、イラクの情勢悪化をホワイトハウスに警告してきた。だが、何もせず、イスラム過激組織が首都バグダッドへと迫っているときに、大統領は昼寝をしている」と痛烈に批判した。

マケオン下院議員(共和党)は大統領の言葉をとらえ「ホワイトハウスには、何も決められずに、『あらゆる選択肢を検討している』と言う歴史がある」と皮肉った。

マケイン上院議員

マケイン上院議員(同)に至っては、「大統領は国家安全保障チームを一新すべきだ」とし、ライス大統領補佐官(国家安全保障問題担当)や、デンプシー統合参謀本部議長らの辞任を要求。過激派組織の脅威増大は「イラクから米軍が撤退した代償であり、大統領はアフガニスタンでも同じ破滅的な過ちを犯そうとしている」と非難した。

一方、ウォールストリート・ジャーナル紙は「(大統領就任から)5年以上がたち、われわれはこの大統領に指導力、戦略的な望みを期待すべきではないということを知るようになった」と批判している。

【私の論評】鳩山よりモア・ルーピーのオバマにより、戦後体制は大きく後退した。世界ではとっくに戦後体制は崩れつつあるのに、日本だけがその枠内に収まり続けようとしてもそれは不可能である(゚д゚)!

鳩山は、オバマからルーピーと言われたが、オバマはモア・ルーピーだった(゚д゚)!

モア・ルーピー(ルーピーの比較級)オバマは、イラク情勢に対して何らの対策も打っていません。今から考えてみれば、あの普天間の問題もモア・ルーピー・オバマにもかなり責任があったものと思います。

普天間が日米間で問題となった当時は2010年のことであり、オバマは2009年に大統領になってからも日も浅く、たとえ失策をしたとしてもまだあまり目立たなかった頃です。

だから、今から思えば、鳩山のルーピーぶりが目立ってしまい、オバマのモア・ルーピーぶりは目立たなかっただけかもしれません。

あの時、もしモア・ルーピー・オバマがアメリカの意図をはっきりさせて、ルーピー鳩山に迫り、具体的な制裁措置でもちらつかせていたら、日本の当時の民主党政権も大騒ぎとなり、何らかのまともな回答をすることになったことでしょう。

考えてみれば、あの馬鹿民主党政権は、結局大きなことは何も決められず、官僚主導の事業仕分けなどやってみせただけで、3年間何もせずに漂流していたようなどうしようもない弱体政権でした。

オバマは、このような弱体政権に対して、沖縄の海兵隊の重要性を認識させて、普天間基地の沖縄県内移設などを承諾させることもできなかったということです。当時から、口で言うだけで、実効性のともなう行動などできていなかったのです。"Yes, we can."で世界は動きません。

オバマは、この問題に対しても、言葉だけの煮え切らない態度を示したため、結局は鳩山内閣の退陣ということで幕引きが行なわれ、未だに曖昧になったままです。この曖昧さは、鳩山だけの責任どころか、オバマに大きな責任があります。

ルーピー鳩山と、モア・ルーピーオバマ

オバマがうまいのは、リップサービスだけで、それも取り巻きがうまくやっていたのであり、結局まともな意思決定ができないか、先延ばしする癖が就任当初からあったのだと思います。それを危惧するような声もありましたが、当時はオバマのあの口のうまさ、初の黒人大統領等という新鮮さにのせられて、このような危惧の声は圧殺されました。

このままでは、イラク問題も相当複雑化するかもしれません。ここでは、詳細は述べませんが、シリアの問題も、ウクライナの問題もオバマの優柔不断な態度で複雑化しました。

そうして、これは、日本国内ではあまり関係ないように思われている、尖閣問題もそうです。このブログでも何度か論評したように、尖閣問題に関しては、オバマがはやい時期に、「尖閣は日本固有の領土であり、日中間に領土問題は存在しない」という見解を出していれば、尖閣における中国の示威行動はなかったかもしれません。

しかし、これを疎かにしたため、あの様です。中国にとっては、ソ連が崩壊して脅威が取り除かれ、アメリカもオバマにより実質的に弱体化したため、これは中国の覇権を拡大するための、絶好の機会であると捉えているに違いありません。

中国としては、東シナ海や、南シナ海などで、示威行動をいろいろやってみては、オバマの対応ぶりをみて、オバマには決断できないことを確認して、いろいろ実施しているのだと思います。

そうして、南シナ海では結局周りに弱小国しかないので、より過激な行動に出ているのだと思います。

尖閣に関しては、日本の海上自衛隊の実力を知っているだけに、未だ示威行動の範囲から逸脱することができないため、手を変え品を変え様々な示威行動を繰り返して本格的な衝突をさけているのだと思います。

これについては、このブログにも掲載したことがありますが、最近青山繁晴氏がこれについて述べている動画を発見しましたので、以下にそれを掲載します。



上の動画をご覧いただけば、ご理解いただけるように、中国海軍は海上自衛隊の敵ではありません。上の説明に一部捕捉しておくと、日本の自衛隊の対潜哨戒能力(敵潜水艦の位置を把握する能力)は、冷戦時代のソ連潜水艦に備えるためにその能力を向上させたため、世界一ともいわれています。

日本と、中国が地続きなっているとか、日本が中国本土に攻め込むということにでもなれば、いれ話は別ですが、海軍力が徹底的に劣っている中国が本格的に日本の海上自衛隊と対峙することにでもなれば、手も足も出ません。

あっという間に、中国艦船は海の藻屑として消えてしまいます。だから、中国としては日本と本格的に対峙するということはできません。だから、尖閣問題は今ところは、中国の示威行動の繰り返しの粋を超えないものと考えられます。

これは事実です。しかし、長期的・戦略的に物事を考えれば話は違ってきます。

何よりも、気になるのは、シリア、ウクライナを複雑化させ、イラク問題も複雑化させそうな状況にあるモア・ルーピー・オバマの煮え切らない態度です。

中国海軍は、お粗末で手も足も出ないとはいいながら、中国は核兵器を持っていて、中国の核弾頭は日本を狙っているということを忘れるべきではありません。

これに関しては、以下のツイートを御覧ください。
オバマの優柔不断は、ひよっとすれば、11月の中間選挙で、民主党が惨敗して、共和党の勢力が増せば一時的には何とかなるかもしれません。しかし、任期中にはオバマの優柔不断が、中国を始めとする妄想暴走集団を勢いづけるかもしれません。

このことは、昨日も掲載したばかりです。昨日の記事を読んでいない方は、以下にURLを掲載していますので、是非ご覧になって下さい。


詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部分だけコピペさせていただきます。

まさに、中国は、上の記事で河添さんが語っている、「 欧米戦勝国が第2次世界大戦後に決めた世界地図やルールをリセットさせ、自国に都合のいい“オレ様流”に塗り替えていこうと必死」なのです。 
こんな横暴は許しておくわけにはいきません。ご存知のように、日本は戦後体制の中に組み込まれ、その体制はアメリカの属国といっても良い状態です。 
戦後体制や、属国であるという立場を認めたとしても、今のアメリカのオバマの煮え切らない態度は許容できるものではありません。確かに、自分の国を属国であると考えるのは嫌なことです。しかし、属国になるには、属国となるメリットがあるから属国になるわけです。 
それは最低限、属国の宗主国は、属国が他国の侵略を受けたら守るとか、侵略を受けそうになったら、毅然とした態度で侵略国家に対して臨むという義務を果たさなければなりません。 
しかし、オバマは戦後体制を破綻させようとする中国の妄想暴走に煮え切らない態度をとり続けています。オバマは、米国の戦後利得を守ろうという気がないのかもしれません。戦後体制を守らないというのなら、戦後体制に飲み込まれた日本も、戦後体制から離脱するしかありません。 
宗主国が義務を果たさないというのであれば、属国になっている意味がありません。
日本としては、いつまでもオバマが煮え切らない態度をとりつづけるというのなら、属国の地位から独立の道を勝ち取るしかありません。
また、アメリカ自体が長期的には凋落傾向にあります。そうなれば、アメリカを含む、第二次世界大戦後の戦勝国による枠組みである、戦後体制(戦後レジーム)は崩壊するかもしれません。この崩壊は、日本にとっては大きな危機です。なぜなら、日本は未だに戦後体制の枠組みから一歩も出られないとんでもない状態にあるからです。

戦後体制がいつまでも続き、日本はその体制内にあれば、安全と思いこむのは危険です。

これは、昨日も述べたことですが、この論評の内容をさらに裏付けるようなオバマのイラク情勢に対する優柔不断な態度が報道されたので、昨日の論評の結果をさらに強化する意味合いで、本日はこの話題を提供させていただきました。

日本はいつまでも戦後体制というぬるま湯には浸ってはいられなく(゚д゚)!

いずれにせよ、戦後体制からいつまでも脱却できない日本は、戦後体制が崩れたら、とてつもない危機に見舞われることははっきりしています。

戦後体制は、日本国内だけでは、強固で崩せないように見られているようです。しかし、モア・ルーピーのオバマにより、戦後体制は大きく後退させられました。

第二次世界大戦が終了してから70年近くにもなります。戦後体制がこれからも続くなどとはとても考えられません。あの頃から比べれば、多くの戦勝国が弱体化しています。弱体化した戦勝国の体制がいつまでも維持できると考えるのは間違いです。

未だに戦後体制下どっぷりと浸かっている日本は、この体制が崩れた後のことを考え今からしっかり準備を怠るべきでありません。安部総理はその準備を着々と進めています。白痴議員や、マスコミ、似非識者どもは準備をすすめるどころか、戦後体制は絶対に崩壊しないと思い込んでいます。

確かに、そうかもしれません。特に高齢の人たちにとっては・・・・・。しかし、これからの若い人々にとってはそうではありません。彼らの生きているうちには必ず崩壊するものと考えておくべきでしよう。日本でも幕藩体制は盤石であり、容易に崩れないと思われたものがあっさりと崩れました。

世界では戦後体制は崩れつつあるのに、日本だけがその体制に収まり続けようとしてもそれは不可能です。戦後体制がいずれ崩れるにも関わらず、日本国内だけが、その体制にあると思い込み、そのまま放置したとすれば、日本は崩壊します。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

【関連記事】


「オバマ政権は尖閣は日本領と表明せよ」 米紙ウォールストリート・ジャーナルが主張―【私の論評】オバマは尖閣日本領表明によって、自ら頭の中のお花畑の虚構に生きるルーピーではないことを証明せよ(゚д゚)!

日本へ脅迫、見過ごせず…米大統領が中国けん制―【私の論評】米中一体化は習近平の妄想にすぎない!!第二のニクソンショックはないのに日中一体化と騒ぐ日本のマスコミこれいかに(゚д゚)!





【関連図書】

リー・クアンユー、世界を語る1 中国の野心と戦略とは?
サンマーク出版 (2013-09-17)
売り上げランキング: 14,937



週刊ニューズウィーク日本版 2014年 3/4号 [雑誌]
阪急コミュニケーションズ (2014-02-25)
売り上げランキング: 216


嘘だらけの日米近現代史 (扶桑社新書)
扶桑社 (2012-11-02)
売り上げランキング: 5,808

2014年6月14日土曜日

【妄想暴走中国】“言うだけ”オバマ大統領に乗じ沖縄本土強奪を画策する中国―【私の論評】日本の国益を守る立場ではなく、戦勝国の戦後体制を守る立場からみても、中国の暴挙は許せないはずなのに・・・・・・(゚д゚)!

 
河添恵子さん
★(5)

「米国による日本への琉球返還(沖縄返還、1972年5月)は国際法的には根拠はない。日米2カ国間の授受であり、中国は承認しない」「明治政府が中国から琉球を強奪した」

中国共産党系メディアで最近、沖縄の領有に関する挑発的な論文が散見される。

李克強首相が昨年5月に訪独した際は、ブランデンブルク州にあるポツダム会談の会場跡地を見学し、「日本がポツダム宣言を受け入れ、無条件降伏したことを人々は忘れない」「ポツダム宣言第8条は、カイロ宣言の条項を履行すべきことを明確に指摘している。カイロ宣言は、日本が中国から盗み取った領土を中国に返還するよう規定している」などと発言している。

いつもの情報戦のほか、習近平政権はさまざまな手段を駆使しつつ、欧米戦勝国が第2次世界大戦後に決めた世界地図やルールをリセットさせ、自国に都合のいい“オレ様流”に塗り替えていこうと必死だ。

那覇市の首里城公。中国は沖縄全体の強奪を狙っている

そのため、中国政府が近年、とりわけ関係強化に腐心してきた国がロシア、そして、ドイツである。中国はEU(欧州連合)の原動力であるドイツ経済との緊密化、ロシアとの同盟関係の強化が、米国と日米同盟の牽制につながり、欧州を黙らせ、中国の立場を有利にすると考えている。


ウクライナ騒乱後、ロシアはウクライナ南部にあるクリミア半島を軍事的に制圧し、ロシア連邦に編入した…。冷戦終結後の秩序破壊が進むなか、習国家主席率いる中国は、欧州パワーの低下を見極め、オバマ大統領を“言うだけ番長”とせせら笑い、「地図や歴史の塗り替えには千載一遇のチャンス」と捉えているはずだ。



南シナ海や東シナ海で暴れてみせる中国は、台湾併合だけでなく、沖縄県・尖閣諸島を実効支配する機会をうかがい、沖縄本土の強奪まで視野に入れ始めている。しかし、「反米」「反基地」が売りの地元紙『沖縄タイムス』『琉球新報』は、中国の脅威をまともに報じようとしない。沖縄本土や尖閣諸島の歴史や領有権についても、政府見解と異なる、読者の混乱を招く内容ばかりを掲載している。



■河添恵子(かわそえ・けいこ) 

この記事は、要約記事です。詳細は、こちらから(゚д゚)!

【私の論評】日本の国益を守る立場ではなく、戦勝国の戦後体制を守る立場からみても、中国の暴挙は許せないはずなのに・・・・・・(゚д゚)!

上の記事の河添さんの、「いつもの情報戦のほか、習近平政権はさまざまな手段を駆使しつつ、欧米戦勝国が第2次世界大戦後に決めた世界地図やルールをリセットさせ、自国に都合のいい“オレ様流”に塗り替えていこうと必死だ」という見解は、正しいです。

もともと、韓国や中国は第二次世界大戦後に、いわゆる戦勝国から第三国と呼ばれていました。この当時、第二次世界大戦の戦勝国は、戦争に参加した国、戦争が行われた国々などを分類する基準として以下を設定していました。
第一国、第二次世界大戦に参戦して勝利した国。 
第二国、第二次世界大戦に参戦して敗北した国。 
第三国,第二次世界大戦に参加しなかった当事国以外の国。戦争問題などに直接関係のない国。
中国人や、韓国人、朝鮮人などを第三国人と呼ぶと、差別用語のように考えている人もいますが、そんなことはありません。もともと、戦勝した連合国の分類用語にすぎません。

第二次世界大戦後直後においては、中華人民共和国はまだ成立していなかったことと、朝鮮半島は大戦中は日本に属していたことから、中国と南北朝鮮は、第三国と呼ばれていました。

中国に関しては、終戦直後には蒋介石率いる中華民国が中国であるという認識もありました。トルーマン大統領の時期には、新しく成立した中華人民共和国に対してアメリカは台湾防衛方針を明示、朝鮮戦争で米中対立は決定的になりました。

それでしばらくの間は国連の中国体表は中華民国(台湾)のままになってたのですが、米中和解に外交を転換したニクソン大統領の時期に、中華民国(台湾)から、中華人民共和国の方に、国連代表権と共に常任理事国も移りました。

第三国は、本来第二次世界大戦の当事国ではないわけです。だから、本来は、中国の領土は蒋介石の中華民国が主張していた中国領が戦勝国によってつくられた戦後体制の中での正しい版図となるはずです。

その中には、チベット、ウイグルなどは含まれていないのは当然のこととして、ましてや現在の東シナ海の尖閣列島や、南シナ海の島々など含まれているはずはないのです。

第二次世界大戦の戦勝国である戦勝国のための戦後体制の枠組みからしても、現在中国が行っている海洋進出など、相容れないものであるし、本来は中華人民共和国が戦勝国の機関である、国連の安全保障理事会の常任理事国になっていること自体も奇異なことです。

そうはいいながら、いまさら中華民国(台湾)が、中華人民共和国に成り代わるということも不可能ですから、常任理事国入りは認めたにしても(管理人注釈:本当は認めないほうが戦勝国にとっては良かった)、中国の版図としては、第二次世界大戦直後に中華民国が主張していた領土に限るべきです。

それ以上のことをすれば、第二次世界大戦の戦勝国は、中国の侵略行為とみなすべきです。そうして、現在の中国はすでにチベット、ウィグルなどに侵略してわが物にし、その次は海洋進出をして尖閣列島や、南シナ海の島々を侵略しようと狙っています。

こんなことは、戦勝国は絶対に許してはいけないことです。許してしまえば、戦後体制が崩れます。

戦勝国の筆頭は無論アメリカですが、この国の元首でもあるオバマ大統領の態度が煮えきりません。

これについては、以前のこのブログにも掲載したので、以下にその記事のURLを掲載します。

「オバマ政権は尖閣は日本領と表明せよ」 米紙ウォールストリート・ジャーナルが主張―【私の論評】オバマは尖閣日本領表明によって、自ら頭の中のお花畑の虚構に生きるルーピーではないことを証明せよ(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、米紙ウォール・ストリート紙が、「オバマ政権は尖閣は日本領と表明せよ」という記事を掲載したことを受け、
そうして、忘れてならないのは、アメリカの煮え切らない態度です。尖閣は、日本の固有の領土であることは、あまりにも明らかな事実なのに、アメリカはこの問題に関して煮え切らない態度をとり続けています。尖閣問題が起こってからこのかた、未だアメリカは尖閣は日本固有の領土であり、日本と中国の間で尖閣の領土問題はないと、はっきりとした公式見解は発表していません(管理人注:当時は全く発表されていなかった)。 
上の記事のように、WSJが指摘しているように、アメリカが、はっきりとした公式見解を発表すれば、中国が引き下がる可能性は多いにあります。 
無論、アメリカがそのような発表をすれば、中国は反発するでしょうが、それでも実質的に尖閣での領空・領海侵犯がかなり減るというようなことにはなる可能性は高いです。

カイロ宣言における中国代表は、国民党軍の蒋介石

そもそも、アメリカ側の立場にたっても、尖閣問題に関しては、戦後体勢を維持するという観点からも、中国の示威行動はやめさせるべぎです。ここで、アメリカが何もしなければ、中国は本来戦後体制の利得者ではないにもかかわらず、結果として戦後体制利得者であることを認めることになります。現在の中国共産党中央政府は、日本とは戦争をしていません。戦ったのは、蒋介石率いる国民党軍です。戦後の国々は、戦後体制によって三つに分類されました。第一国は、米英などの第二次世界大戦での戦勝国、第二国は、日独などの敗戦国、第三国は、そもそも戦争に参加して直接戦わなかった国々です。 
現在の中国、韓国、北朝鮮は、あくまで第三国であり、戦後体制の利得者ではありません。そもそも現代中国が独立したのは、戦後のことです。にもかかわらず、もし今後も尖閣について日本の領土であると、アメリカが表明しなければ、アメリカは中国の戦後体制の利得を認めることになります。 
それを許せば、中国は他の戦後体制の利得を次々と要求することになるのは必定です。そんなことは、少し考えれば理解できることです。中国は、明らかに戦後体制利得者になる道を模索しています。 
アメリカがこのように、煮え切らない態度をとり続けてきたのは、最近の中国の台頭をみて、今後中国国内が世界最大の消費市場になると見込んだ米国内親中・媚中派が、中国側の巧みな誘導にのって戦後体制の次の新しい世界の体制は、米中二極体制であると思い込みこみ、アメリカ国内でも、大きな影響力を発揮しているからです。

この記事には明示はしていませんが、現在の中国は戦後利得者になることを模索しており、それだけならまだしも、中華民国の戦後利得からさらに大きな利得を得ようとたくらんでいます。

まさに、中国は、上の記事で河添さんが語っている、「 欧米戦勝国が第2次世界大戦後に決めた世界地図やルールをリセットさせ、自国に都合のいい“オレ様流”に塗り替えていこうと必死」なのです。

こんな横暴は許しておくわけにはいきません。ご存知のように、日本は戦後体制の中に組み込まれ、その体制はアメリカの属国といっても良い状態です。

戦後体制や、属国であるという立場を認めたとしても、今のアメリカのオバマの煮え切らない態度は許容できるものではありません。確かに、自分の国を属国であると考えるのは嫌なことです。しかし、属国になるには、属国となるメリットがあるから属国になるわけです。

それは最低限、属国の宗主国は、属国が他国の侵略を受けたら守るとか、侵略を受けそうになったら、毅然とした態度で侵略国家に対して臨むという義務を果たさなければなりません。

しかし、オバマは戦後体制を破綻させようとする中国の妄想暴走に煮え切らない態度をとり続けています。オバマは、米国の戦後利得を守ろうという気がないのかもしれません。戦後体制を守らないというのなら、戦後体制に飲み込まれた日本も、戦後体制から離脱するしかありません。

宗主国が義務を果たさないというのであれば、属国になっている意味がありません。

日本としては、いつまでもオバマが煮え切らない態度をとりつづけるというのなら、属国の地位から独立の道を勝ち取るしかありません。

言うだけ番長とも、日本国内では揶揄されている、煮え切らない態度をとりつづけるオバマ


そのために、今からできることは進め、アメリカとの同盟関係は維持してもかまいはしませんが、それ以上でも以下でもない関係構築するべく準備を進めていくべきです。

最終的には、憲法改正も必要でしょうが、現行憲法内でもできることを模索して、備えていくしかありません。そのためには、集団的自衛権などが問題になるような、平和ボケではどうにもなりません。長期的にみれば、アメリカの凋落も明らかです。いつまでも、属国根性でいては、いずれ日本は中国領になってしまいかねないという危機感を日本国内で共有すべきです。

経営学大家であるドラッカー紙は、日本の明治維新を賞賛し、日本は全国的コンセンサスがとれた場合は一夜にして変わることができるとしていました。

今は、確かに戦後体制から脱却は絶望的に見えるかもしれません。しかし、江戸末期の幕藩体制は誰もが崩壊させることなど困難に見えたことでしょうが、崩壊しました。ある臨界的に達すれば、今の日本も、明治維新のように一夜にして変わることができるかもしれません。

ただし、それを実現するためには、それなりの準備が必要です。倒幕には桜田門外の変などの前触れがありました。明治維新を実現するにも、それなりの準備や、時宜を得るということが必要でした。

今の私たちも、まずは世論を形成するなどして、日本の戦後体制から離脱を準備していく必要があります。河添さんが指摘するように、あのような反日メディアニ紙がある沖縄でも、県民は徐々に意識しつつあるとしています。日本国内でも、そのような機運は徐々に醸成されつつあります。これを空気にまで高めていく必要があります。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

【関連記事】

「オバマ政権は尖閣は日本領と表明せよ」 米紙ウォールストリート・ジャーナルが主張―【私の論評】オバマは尖閣日本領表明によって、自ら頭の中のお花畑の虚構に生きるルーピーではないことを証明せよ(゚д゚)!

日本へ脅迫、見過ごせず…米大統領が中国けん制―【私の論評】米中一体化は習近平の妄想にすぎない!!第二のニクソンショックはないのに日中一体化と騒ぐ日本のマスコミこれいかに(゚д゚)!





【関連記事】

リー・クアンユー、世界を語る1 中国の野心と戦略とは?
サンマーク出版 (2013-09-17)
売り上げランキング: 14,937



週刊ニューズウィーク日本版 2014年 3/4号 [雑誌]
阪急コミュニケーションズ (2014-02-25)
売り上げランキング: 216


嘘だらけの日米近現代史 (扶桑社新書)
扶桑社 (2012-11-02)
売り上げランキング: 5,808


2014年6月13日金曜日

【村上尚己氏ツイート】 日銀の政策についてイミフな論評をする人って多い―【私の論評】またぞろ懲りないイミフレ(゚д゚)!?意味不明の経済論評をしてますた(゚д゚)!

【村上尚己氏ツイート】 日銀の政策についてイミフな論評をする人って多い

【私の論評】またぞろ懲りないイミフレ(゚д゚)!?意味不明の経済論評をしてますた(゚д゚)!

サプタイトルに、イミフレというわけのわからない言葉を掲載しましたが、これは意味不明と、インフレの両方の言葉からの合成語。私の独自の合成語です。

定義としては、日銀のインフレ政策について、意味不明なことを言う人自身および、その内容のことです。村上氏のイミフの後にレをつけてみたということです。

イミフレ。全く、村上氏の言う通りです。現状では、日銀の想定通りに、景気回復しつつありインフレ率も上昇しているから、日銀は、金融政策政策維持しているだけです。

これに対して、村上氏が語っているように、「緩和できないジレンマ」などと論評する人がいます。意味不明もはなはだしいです。これは、日銀は追加緩和するとか、年初に意味不明なことを言っていたエコノミストらの予想が外れただけで、彼らはその事実を糊塗するためにこのようなことを言っているのだと思います。




その代表的なもののURLを以下に掲載します。

日銀が追加緩和できないジレンマ

これは、金融アナリストの久保田 博幸氏が書いているものですが、もっともらしく書いていますが、確かにほとんど意味不明です。


久保田博幸氏 

これは、病気でいえば、医師が病気の原因がある程度特定できたため、それに対して医師が飲み薬や点滴を処方し、半年程度はこの治療を続けることにして治療を開始し、継続していたら、様々な検査結果は回復の状況を示しているにも関わらず、患者は1ヶ月目くらいで、病気が完治しないからといって、薬の量を増やせとか、この治療は効き目がないと言っているのと同じようなものです。

だから、村上氏も意味不明と言っているのです。私も、まったくそう思います。金融緩和政策も、短期間に成果が出るものではありません。たとえ今年増税しなかったとしても、デフレから緩やかなインフレになるまでは、最初から短くても2年とか、3年くらいはかかるであろうことがわかっています。

その間には、良い影響として株価が上がる、円安傾向になるなどのことは最初からわかっていたことです。これは、薬でいえばバイアグラのようなものです。バイアグラは最初は心臓の薬として開発されたものです。しかし、他の副作用として男性機能の回復などがありました。

悪い影響としては物価があがっても、しばらくは賃金は上がらないだとかの副作用があるのは最初からわかっていたことです。賃金が上がるにしても、パート・アルバイトから上がり、次に正社員、その後に幹部や役員などという順番で回復していくということは経済学上の常識といっても良い程の自明の理です。これが理解できなけば、最初から金融政策など語るべきではありません。というより、語る資格がありません。

もともと、株価を上げることが金融緩和の目的ではありません。株価の上昇は単なる副産物にすぎません。また、金融緩和は、物価が上がっても、賃金が上がらな状態することを目的としているわけでもありません。それは一時的に生じた悪影響であり、やがて賃金も追いつきます。

悪影響があるからといって、それが致命的にならなければ、金融緩和を続けるべぎてす。それは、先ほどの病気の例でいえば、薬や点滴などによる副作用があったとしても、それが致命的になったり、新たな病気を併発するというのでなければ、治療は継続すべきであるということです。

まさに、日銀の金融緩和はこのような状況にあるので、政策維持をしているだけなのです。

金融緩和に関しては、実際に実施する前から、その有効性に対して疑義を表明する人がいました。その代表的なものは、池田信夫氏です。その代表的なものを以下に掲載します。

超金融緩和のジレンマ

この記事は、昨年の3月時点の記事であり、日銀人事で黒田総裁などが決まったばかりで、まだ金融緩和は実施していない頃のものです。

池田信夫氏

ちなみに、この記事で、池田氏がデフレの原因について述べている部分を以下に掲載します。
最大の問題は「日本のデフレは貨幣的現象か」という点だが、著者の答は「最大の原因は賃下げや交易条件の悪化などの実物的現象だ」ということである。特に製造業の業績悪化で生じた余剰労働力がサービス業に移り、その大部分が非正規雇用に切り替えられたため、サービス業の平均賃金(特に医療・福祉)が2000年代で2割近く下がった。これに引っ張られて、製造業も含めて単純労働全体の賃金が下がる生産性格差デフレが起こっている。 
もう一つの原因は、輸出産業の国際競争力がなくなったことだ。スマートフォンのような付加価値の高い市場で負け続け、コモディタイズした半導体や液晶を赤字輸出したため、半導体・電子部品の交易条件はこの10年で40%も悪化した。つまり輸出品価格が輸入品に対して4割も下がったわけで、これは為替レートとは別問題である。「日銀がエルピーダをつぶした」などという老経済学者は、IT産業の激烈な国際競争を知らないのだ。
この池田氏の見解、まだ金融緩和をする前の段階のものですから、まだ上記の久保田氏の記事よりはましかもしれません。実際に金融緩和をする前に池田氏は、このようなことを述べているのですが、久保田氏は金融緩和して1年以上もたち、それらの効果がまだ多くの国民には広がっていないものの、明らかに数値上では予想通りの経過をたどっているのに、「緩和できないジレンマ」などと書いているからです。

ただし、池田氏も問題です。池田氏がこの記事を書いた時点では、15年間もデフレが継続しているにもかかわらず、本格的な金融緩和は一度も実施したことがなかったのですから、金融政策に問題ありと捉えるのが普通です。しかし、池田氏はどこまでも、金融緩和は効き目がないなどと主張していました。

そもそも、インフレは日本語では、通貨膨張、デフレは日本語訳では、通貨収縮です。インフレ、デフレは、純然たる貨幣現象であり、それ以外の意味はありません。デフレは、貨幣現象です。にもかかわらず、池田氏は「日本のデフレは貨幣的現象」ではないとしています。

ここに根本的な誤りがあります。賃下げや交易条件の悪化は、大部分はデフレが原因であって、賃下げや交易条件の悪化したからデフレになったのではありません。順番が逆です。デフレになれば、雇用情勢が悪化して賃金が下がるのはあたり前です。

デフレ(通貨収縮)であれば、日本でいえば、円が足りない状況ですから、当然国内でも海外でも縁は不足がちなので、円高傾向になるのがあたり前のど真ん中です。円が高くなれば、交易条件が悪化するのはあたり前です。交易条件が悪くなったからデフレになったのではありません。

結局、池田氏は、原因と結果を取り違えています。久保田氏に関しては、意味不明です。

さて、今年は4月に増税をしました。その影響はまだあまり出ていようには見えません。しかし、だからといって、増税には影響なしとすぐには言い切れません。それは、前回の増税でもそうでした。増税直後は、さほど影響がないようにも見えましたが、1年後から景気がかなり落ち込み、完璧にデフレになりました。

今後、数ヶ月間、多くのイミフレ連中は、増税の影響はないと言い触れ回り、来年の10%増税も影響はあまりないと言い触れ回ることでしよう。白痴議員から、マスコミから、イミフレどもが大合唱して、10%増税の空気を醸成しようとするでしよう。しかし、それはイミフレの虚言にすぎません。増税すれば、景気は落ち込みます。病気でいえば、血圧が高いから、低くなるような薬を点滴しているのに、同時に昇圧剤(血圧をあげる薬)を点滴しているようなものです。このような有り様では、患者の血圧はなかなか下がりません。

このような、虚言には騙されないようにすべきです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

【関連記事】



安倍晋三氏の無責任な経済政策 - 池田 信夫氏−【私の論評】安倍総裁を無能呼ばわりしたつもりでしょうが、矛盾点が露呈してますが?!


インフレのある暮らし - 15年ぶりの1ドル80円時代に思うこと―【私の論評】「インフレっていいものですよ!!」は、本当だ!!


【五輪閉会式】景気後退、将来への懸念は消えず 政争の予感も―【私の論評】イギリスの今日の姿は、明日の日本の姿である!!


【関連図書】


増税と政局・暗闘50年史 (イースト新書)
倉山満 
イースト・プレス 
売り上げランキング: 23,754

消費増税でどうなる? 日本経済の真相 【2014年度版】
高橋 洋一
KADOKAWA/中経出版
売り上げランキング: 23,530


消費増税の黒いシナリオ デフレ脱却はなぜ挫折するのか (幻冬舎ルネッサンス新書 た-8-1)
田村 秀男 
幻冬舎ルネッサンス 
売り上げランキング: 17,103



2014年6月12日木曜日

財務次官に香川氏、主計局長には田中主税局長―【私の論評】とうとう10%増税の地ならしがはじまった。黙っていれば、奴らに増税の空気を醸成され今年中に決定されてしまう! そんなことで本当に皆さん良いのですか?

財務次官に香川氏、主計局長には田中主税局長

政府は11日、財務省の幹部人事を固めた。

木下康司次官は退任し、香川俊介主計局長が後任に昇格する。

予算編成を担う主計局長には、税制を担当している田中一穂主税局長が就く。主税局長が主計局長に回るのは異例だ。田中氏の後任には主税局経験が長い佐藤慎一官房長を起用し、2015年10月に予定する消費税率の10%への引き上げを見据えた布陣を敷く。7月上旬に発令される見通しだ。

木下氏、香川氏、田中氏はいずれも1979年入省で、同期が続けて財務次官に就任するのは2009年に杉本和行氏から丹呉泰健やすたけ氏に交代して以来となる。

▽財務次官

香川俊介氏(かがわ・しゅんすけ)79年東大法。主計局長。東京都出身。57歳。

木下康司氏(左)と、香川俊介氏(右)


▽主計局長

田中一穂氏(たなか・かずほ)79年東大法。主税局長。東京都出身。58歳。


▽主税局長

佐藤慎一氏(さとう・しんいち)80年東大経。官房長。大阪府出身。57歳。

【私の論評】とうとう10%増税の地ならしがはじまった。黙っていれば、奴らに増税の空気を醸成され今年中に決定されてしまう! そんなことで本当に皆さん良いのですか?

倉山満氏

上記の人事に関して、憲政史研究科の倉山氏は以下のように本日、プログに書かれていました。
 財務省人事、内示。 偉大なる民族の太陽、百戦百勝の鋼鉄の霊将、史上最強の事務次官、木下康司様、予定通り退官。 ジーク!カイザー!木下康司!P> 後任は予定通り、香川俊介主計局長。 ジーク!木下!
 週刊現代だけは報じていたけど、まさかの人事。 後任の主計局長には、田中一穂主税局長 背中に、汗、汗、汗
 この意味、わかるか? 昭和54年組から、木下、香川、田中と三人の次官を出すことになる。 史上初。 『増税と政局』は、木下康司が史上最強の財務次官である、という本だが、まさかここまでとは。 あの本を出した後も、年末恒例道路工事をやらせないとかすぎことあったけど、まさかここまでやるとは。。。 では国民にとって一番関係があることを言うと? この人事は、 
 消費税10%なんか決まったことなんだよ! 安倍内閣が支持率高くて続くうちに、 消費税15%やらしてもらうから!!!です。 去年の10月1日以来、この流れをつくられたね。 私がなぜあの時にあそこまで狂ったように戦ったか、これから思い知ることになる。 

日本では、日米開戦のときも、いわゆる開戦すべきという空気が醸成されて、その空気によって、本当に開戦してしまったということを倉山氏はその著書で述べていました。

そうして、それは現在も変わっていません。まともな識者、経済学者などにいわせれば、デフレ時期の増税はどの方向から検討してみても、間違いです。世界中のまともな経済学者、識者に聴けば、デフレの最中に増税せよなどという馬鹿なことは誰もいいません。

しかし、日本では、財務省摺動のキャンペーンにより、増税の空気が見事に醸成されて、新聞社も、政治家もこの空気に浸り、ひたすら増税への道を突っ走り、本当に今年4月に増税されてしまいました。

本当は、今からでも、8%増税を中止にする方法はあります。しかし、まともな議論もされず、空気に流された政治家は、今更そんなことはできないし、増税は決まったことだからと、思考停止ないしは認知症に至り、やってはならない増税に踏み切ってしまいました。

そうして、上の人事はまさに、10%増税に向けての布石です。今回も、昨年のように財務省は死に物狂いで、増税キャンペーンを盛り上げ、10%増税は致し方なしという空気を醸成しようとしています。

前回の増税では、増税してから本格的に経済が落ち込むまで、1年くらいかかっています。今年も、増税してからすぐに景気は落ち込まないという可能性が大です。

そうなると、財務省の悪たちは、増税しても影響なしというキャンペーンをはって、また、白痴政治家たちをたぶらかし、増税の空気を醸成すると思います。

上の記事で、倉山氏は述べてはいませんが、やはり、今回の増税だけは阻止しなければなりません。来年増税することを決めた場合、来年の4月あたりに、今年の増税の悪影響がはっきりしてきます。

そうして、来年4月の増税の影響は、1年後の平成16年ありたりに顕著になり、その悪影響は計り知れないほどの甚大なものとなることでしょう。

自殺者がまた増え、若者の就職先はなくなり、ブラック企業が跋扈するようになることでしょう。

生贄の羊

皆さん、こんなことで本当に良いのでしょうか。私は真っ平ご免です。増税反対派は、力を結集し、何が何でも10%増税は阻止すべきです。子羊のように何もせず、黙っておとなしく殺されるのを待つのはご免です。これは、イスラエル人の合言葉にもなっています。ヘブライ語の発音では、カッツオンレテバです。この精神で何が何でも阻止です。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

【関連記事】


対外純資産、過去最大の296兆円 2位中国の2倍、22年連続「世界一の債権国」―【私の論評】対外金融資産が世界一の国日本が、財政破綻すると思い込むのは狂気の沙汰、そんなことをいい触れ回る輩は大馬鹿かスパイに決まり(゚д゚)!





【関連記事】

増税と政局・暗闘50年史 (イースト新書)
倉山満 
イースト・プレス 
売り上げランキング: 23,754

消費増税でどうなる? 日本経済の真相 【2014年度版】
高橋 洋一
KADOKAWA/中経出版
売り上げランキング: 23,530


消費増税の黒いシナリオ デフレ脱却はなぜ挫折するのか (幻冬舎ルネッサンス新書 た-8-1)
田村 秀男
幻冬舎ルネッサンス
売り上げランキング: 17,103




2014年6月11日水曜日

世界最大の債権国から転落か、経常赤字の影-ブルームバーグ調査(1)―【私の論評】読む価値もない馬鹿記事、馬鹿かスパイたちが無意味でミスリーディングな記事書いてますた(゚д゚)!

世界最大の債権国から転落か、経常赤字の影-ブルームバーグ調査(1)




6月10日(ブルームバーグ):日本は2020年の東京五輪を境に経常赤字国に転落し、世界最大の対外純資産国の地位も中国に奪われる可能性がある--。ブルームバーグ・ニュースが実施したエコノミスト調査で、こうした見方が示された。貯蓄減少に伴い、膨らむ公的債務を国内の資金で消化できなくなることが背景にある。

5月にまとめたエコノミスト16人を対象にしたブルームバーグの調査によると、10人は10年以内に日本が常態的な経常赤字国に転じると予想。そのうち9人は20年までの経常赤字化を予想した。日本は1991年に世界最大の対外純資産国となり、13年末時点で325兆円の対外純資産を抱える。2位は中国で208兆円。

高齢化などを理由に国内の貯蓄率は低下傾向に転じており、日本は公的債務を賄うために海外資金への依存度を強めている。経常赤字に転じた場合、長期金利に上昇圧力が強まり投資家が日本に対する評価を見直す結果、世界最大の対外純資産国の地位も中国に譲り渡す可能性が出てくる。

SMBC日興証券の末沢豪謙金融財政アナリストはこれまでのトレンドが続けば、「対外純資産の規模で中国は早ければ20年あたりに日本を追い抜く可能性がある」と指摘。米国のように経常赤字を埋めるための資金を海外から調達できるかどうかが重要で、「できなければ日本は自国の対外資産を取り崩さなければならず、国力を失うことを意味する」と話す。

この続きは、読まなくて良いです。どうしても読みたいかたはこちらから(゚д゚)!

【私の論評】読む価値もない馬鹿記事、馬鹿かスパイたちが無意味でミスリーディングな記事書いてますた(゚д゚)!

なにやら、上の記事など見ていると、本当にゲンナリしてきます。もっともらしいことを書いていますが、まったく的外れです。こんな記事、一体何を目的に、掲載しているのかほとほと理解に苦しみます。

村上尚己氏は、この記事に対して以下のようなツイートをしています。


私も、全く村上氏の言うとおりだと思います。

私は、このブログでも過去に日本は世界一の対外純金融資産が世界一ということを掲載してきました。なぜ、こんなことをしたかといえば、日本は借金国などという間違った概念を払拭するためでした。その記事の最新のもののURLを以下に掲載します。
対外純資産、過去最大の296兆円 2位中国の2倍、22年連続「世界一の債権国」―【私の論評】対外金融資産が世界一の国日本が、財政破綻すると思い込むのは狂気の沙汰、そんなことをいい触れ回る輩は大馬鹿かスパイに決まり(゚д゚)!
日本は世界最大の債権国

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、私自身としては日本が世界一の債権国であることを主張してきたのは、野田前総理や、多くの政治家も信じ込んでいた日本という国が借金漬けであるかのような誤った考えを払拭するためでした。

ほとんどの、マスコミなどが報道しない、政府の借金=日本国の借金ではないことを多くの人々に知っていただくためでした。

世界一外国にお金を貸し付けている国が、借金塗れなどということはありようはずがありません。政府=国ではありません。国には、政府以外にも家計、金融機関、民間企業の経済主体があり、それらの総体が日本国経済であり、政府は日本国経済の総体ではありません。

ギリシャなどの借金塗れの国々のほとんどは、政府もそうですし国そのものが外国から借金をして、真っ赤になっているのです。正真正銘の借金塗れです。

日本は、政府が借金をしているものの、国全体では外国に世界で一番お金を貸し付けている国であるということです。この違いを理解できなければ、そもそも日本経済や世界経済を語る資格はありません。

私は、こんな小学生にも理解できるような理屈が、野田総理大をはじめとする、白痴政治家を含む多くの人々が理解しておらず、マスコミもほとんど報道していなかったため、憤りを感じたので、このようなことを何度かこのブログに掲載させていただきました。

だから、上記のような記事をみていると本当にゲンナリしてくるのです。まだ、こんな愚かことを掲載するメディアがあることに、憤りを通り越してゲンナリしてくるのです。

それと、私自身は、日本が世界一の債権大国であるという事自体は、良いことであるとなどとは思っていません。

なぜ、そんなことになるかといえば、日本の銀行や、民間企業などは長期にわたるデフレで内需が冷え込み、日本国内で投資先がないから外国に対して投資をし、その結果として日本が世界一の債権国になってしまったのです。

国民は、デフレのため、消費をすることなく、貯蓄を増やす結果となったということです。

対外債権や貯蓄が増えるということは、良いようにもみえますが、それは状況によって変わります。現状で、貯蓄が減っているということは、消費にまわっているということとでもあります。日本が世界一債権国の座から降りたとしても、それ自体が完璧に悪いことというわけでもありません。

デフレが収束して、日本国内に投資先が増えれば、日本の民間企業や銀行も、国内の投資を増やすことになります。そうなれば、世界一の債権国の座から降りることになる場合もあるでしょう。だからといって、それが悪いことかといえば、そうとは言い切れません。

デフレが収束して、穏やかなインフレになり、経済化が活発化している兆候かもしれません。それは、間違いなく日本にとって良いことです。

このように、経済は全体のバランスを見なければ、判断はできないはずです。貿易赤字や経常収支だって、赤になったからといって即駄目、黒になったから即良いとも限りません。これらは、家計などの赤字・黒字とは根本的に意味が異なります。

景気が良くなって、内需がかなり増えれば、貿易赤字になったり、経常収支が赤になることもあります。しかし、だからといって、赤がすべて悪いというわけではありまん。そのときは、日本経済が力強く復活しているときかもしれません。

対外債権だけをみたり、貿易収支、経常収支だけをみて、それが赤になった黒になったなどと言ったり、世界一の座からおちるかもしれないなどと語ってみても、何も意味はありません。

こんな、基本をわきまえない、読む価値のない馬鹿記事を書いたり、掲載させたりする人は、余程の馬鹿か、何らかの目的のあるスパイのいずれかであるとしか思えません。

仮にスパイの仕業として、日本国内を撹乱して、日本を弱体化させる目的で書いているとしても、お粗末です。とはいいながら、この程度の与太話がまかり通り、大勢の白痴政治家どもが信じこみ、増税の空気が醸成され、平生14年度4月からの増税が実施されたことも事実です。

これによって、本格的に景気が落ち込むのは、来年からかもしれません。実際、前回の増税のときもそうでした。増税直後はそうでもなかったものが、1年後からガクンと景気が悪くなりました。

私たちは、このような馬鹿記事に騙されるべきではありません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

【関連記事】


世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第5回 デフォルトは「しない」ではなく「できない」―【私の論評】デフレの今日、財政破綻だの国債が暴落すると騒ぐ人は単なる詐欺師?

厚労相「年金に大変な運用益」 アベノミクス効果―【私の論評】デフレを前提としてものごとを考えることはもうやめにしませんか?!!もうルールが変わっていますよ!!インフレルールで動かなければ、おいてきぼり喰いますよ!!

国の借金983兆円=国民1人771万円―9月末―【私の論評】財務省の陳腐なキャンペーン、マスコミスルーに惑わされることなく、正しい世論形成を!!

ゴールドマン・サックス ギリシャ危機を10年前に予測していた―【私の論評】ゴールドマン・サックなどしょせん金融馬鹿、賭博師に過ぎない!!

【関連図書】


増税と政局・暗闘50年史 (イースト新書)
倉山満
イースト・プレス
売り上げランキング: 23,754

消費増税でどうなる? 日本経済の真相 【2014年度版】
高橋 洋一
KADOKAWA/中経出版
売り上げランキング: 23,530


盛り上がる 相続増税ビジネス (週刊ダイヤモンド 特集BOOKS(Vol.53))
ダイヤモンド社 (2014-06-02)
売り上げランキング: 812



2014年6月10日火曜日

朝日の吉田調書報道「なぜここまで日本人貶めるのか」と作家―【私の論評】恥知らず朝日新聞は本社を北京に移し、中韓のメディアになりなさい(゚д゚)!

朝日の吉田調書報道「なぜここまで日本人貶めるのか」と作家



海外メディアは朝日新聞について、「日本のクオリティ・ペーパー」といった形容をよく用いる。しかし、その“高級紙”が、国家国民の尊厳や矜恃を毀損しかねない「虚報」を重ねているとしたら、日本人にとって“悪い冗談”では済まされないだろう。

2011年3月15日、福島第一原発。吉田昌郎所長と所員たちは、日本の運命を左右する“際”にいた。その彼らについて、朝日は「所長命令に違反 原発撤退」「福島第一 所員の9割」と書いた。生前の吉田所長に唯一インタビューしたジャーナリスト・門田隆将氏は、週刊ポスト誌上で朝日報道を子細に検証した。その冒頭部分を紹介する。

* * *

〈2011年、命令にも関わらず、パニックに陥った作業員たちは福島原発から逃げ去っていた〉(米・ニューヨークタイムズ)

〈福島原発の作業員は危機のさなかに逃げ去った〉(英・BBC)

〈福島原発事故は“日本版 セウォル号”だった! “職員90%が無断脱出…初期対応できず”〉(韓国・エコノミックレビュー)

〈日本版セウォル号…福島事故時に職員ら命令無視して原発から脱出〉(韓国・国民日報)……

今、世界中で「実は、日本人は福島第一原発から逃げ出していた」という記事が掲載されているのをご存じだろうか。

韓国のフェリー「セウォル号」の船長が真っ先に逃げ出していたことに驚愕した世界のメディアが、今度はあの福島第一原発事故の時、日本人も「逃げ出していた」という報道をおこなっているのだ。

それは、朝日新聞が5月20日から始めた「吉田調書」キャンペーン記事による。朝日新聞が、政府事故調が28時間にわたって聴き取りをおこなった「吉田調書」なるものを入手し、

「福島第一原発(1F)の現場の人間の9割が所長命令に違反して撤退した」

という大キャンペーンを始め、この記事の中身を世界中が報じているのである。

5月20日付朝日朝刊の1面トップは「吉田調書」スクープ

しかし、肝心の当の朝日新聞の記事には、調書の中で「自分の命令」に違反して「職員の9割」が「福島第二原発に逃げた」という吉田氏の発言はどこにも存在しない。つまり、〈日本版セウォル号…福島事故時に職員ら命令無視して原発から脱出〉という“根拠”がないのである。

「なぜここまで日本人を貶めなければならないのか」

私は、朝日新聞の「吉田調書」キャンペーン記事を目の当たりにして、ただただ溜息をついている。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

この記事の続きは、こちらから(゚д゚)!

【私の論評】恥知らず朝日新聞は本社を北京に移し、中韓のメディアになりなさい(゚д゚)!

上の記事にでてきた、朝日新聞の報道に関して、青山繁晴氏(事故後初めて福島原発に入った民間人)が以下の動画でコメントしています。


この動画では吉田所長や原子力発電所職員のとった行動について、青山繁晴氏は、朝日新聞のによる、福島原発事故発生直後の状況について間違いを指摘しています。吉田所長の構内にとどまるようにという命令に反して福島第二原発に避難していたされるのは間違いであることを指摘しています。

福島第二原発に避難した人が悪者のように報道していることに腹立ちを覚えたとしています。現実には、吉田所長を含めて、70人以上(アメリカでは福島50人と報道され賞賛された)の人たちが福島第一原発に踏みとどまっていたという事実があります。それに福島第二原発に退避した人たちも、逃げたというということではなく、すぐ戻れる第二原発にとどまったということです。

吉田所員をはじめ、さまざまな人々の努力で最悪な事態を乗り越えた事実など、公平な立場で­の報道が望まれるとしています。

とにかく、朝日新聞は、日本を貶めるような材料を鵜の目鷹の目で探していて、利用できるものは何でも利用しようとする姿勢でいるから、吉田調書に関しても、自分たちの都合のよい良いようにして、報道するのです。

福島50人については、このブログでも掲載したことがあります。その記事を以下に掲載します。
東京電力社員にボーナス支給決定で国民が大激怒「これで税金投入なんて言ったら絶対払わないからな」―【私の論評】東電叩きは魔女狩りの一種か?


 この記事では、Fukushima50についても掲載しました。其の定義を以下にコピペしておきます。

011年3月11日、東北地方太平洋沖地震の後に発生した津波によって福島第一原子力発電所の原子炉の冷却機能が停止し、それらの復旧作業や応急処置の為に同発電所には社員を含め約800人の従業員が従事していた。 
しかし、懸命の復旧作業にも関わらず、原子炉1号機の水素爆発など度重なる原子炉爆発事故が発生し、遂に3月15日には、原子炉4号機の爆発と火災が発生。 
この4号機の爆発は使用済み核燃料プールに保管していた「使用済み核燃料」が建屋(たてや)上層にあり、爆発によってそれが露出した可能性があることと、放射線が飛散した可能性がある為、これらの危険回避の為に人員約750人は東京電力の指示によって避難した。 
しかし、約50人が現地にとどまり、福島第一原子力発電所の被害を食い止めることに尽力した。これを外国メディアが彼らを地名と人数を合わせた「Fukushima 50」の呼称で呼び始めた。
朝日新聞は、福島50(正確には70)については触れず、一時第二原発に退避していて人々を逃亡したとして非難しているのです。当時の現場など、情報が錯綜していたりして、何が正確な情報なのかわからないものも多くあります。それに、吉田所長はどう考えても、第二原発に一時退避した人々を逃亡したなどと非難したということは全くないと思います。

こういう報道をして、日本の新聞に何のメリットがあるというのでしょうか? こんな内容を掲載するメディアはなくなっても良いと思います。日本を貶めるだけです。日本を貶める報道をすべきなのはどこのメディフでしょうか?それは、無論、日本のメディアではありません。中韓のメディアです。

恥知らず朝日新聞は本社を北京に移し、中韓のメディアになりなさい。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

【関連記事】



朝日新聞が刺殺未遂事件容疑者を日本人のように書く 朝日だけ「韓国籍」なしの通名表記―【私の論評】通名も問題だが、日本国籍取得も簡単すぎる日本は隙だらけ(゚д゚)!



【関連図書】

すべては朝日新聞から始まった「慰安婦問題」 (WAC BUNKO)
山際澄夫
ワック
売り上げランキング: 18,808


ヘッテルとフエーテルのみにくいアサヒるの子
マネー・ヘッタ・チャン
幻冬舎
売り上げランキング: 12,184

反日メディアの正体 「戦時体制(ガラパゴス)」に残る病理
古谷 経衡
ベストセラーズ
売り上げランキング: 53,727


2014年6月9日月曜日

「成長戦略」には、幻想を抱くな―【私の論評】政府主導の成長戦略は必ず失敗する。もし成功するというのなら、共産主義も成功していたはず! 経済成長はバストの成長を参照すべし、余計なことはするな(゚д゚)!

【私の論評】政府主導の成長戦略は必ず失敗する。もし成功するというのなら、共産主義も成功していたはず! 経済成長はバストの成長を参照すべし、余計なことはするな(゚д゚)!

株の相場観などについては、村上氏の上の記事をご覧いただくものとして、タイトルに「成長戦略」には、幻想を抱くべきではないということ、このブログでも過去に何度か掲載しているので、本日はこれについて掲載しようと思います。



これは、ひとりの少女のバストがおとなのバストになるまでをアニメーションにしたもの­です。
バストは3つのステップで"かたち"と"かたさ"が変化し、約4年間で大人のバストへ成長します。そして、その変化の順序はみんな同じだったのです。

そうして、なぜここにこのような動画を掲載したかといえば、経済成長をバストの成長たとえるためです。まさに、バスト自体に何をするというわけでなく、バストの持ち主の少女が、きちんと栄養をとったり、運動をして健康な体を保っていれば(経済でいえばインフラ整備のようなもの)、本人は何もしなくても、ある時期がくると4年くらいで、自然に成長して大人のバストになるということで、これは経済成長も同じようなものであるということです。

経済も、政府などが政府主導で、成長戦略を実施せずとも、政府がインフラを整備すれば、それも良いインフラを整備すれば、あとは民間企業などがそのインフラの上で成長を続けやがて大きくなるということです。ここに、政府が直接介入する必要などありません。直接介入ししまえば、必ず失敗します。

官僚や、政治家など官主導「成長戦略」の成長戦略が経済をけん引すると本気で考えている人たちがいることには驚かされます。民間エコのミスでもそのような人が少なからず存在します。

結論から言うと、官主導の「成長戦略」は、成功したことはありません。2000年代初頭に出版された、ドラッカーの「ネクスト・ソサエティ」にもそのことが記載されていました。それも、日本の官僚の例で説明されていました。

その当時、日本の官僚主導で成功した戦略は二つのみと掲載されていました。しかも、この戦略は先送り戦略というものです。成功した二つの事例を以下に掲載します。
1. 農業政策
日本の農政は失敗の連続で、膨大な補助金を使いながら、食糧自給率をあげることができないでいます。しかし、結果的に先送り戦略(なにもしないこと)より、戦後から現在にかけて、どの先進国よりも農村人口を都市に集中することに成功しました。 
2. 小売り、流通の効率化
かつて日本の流通業界は暗黒大陸ともいわれ、世界中で最も非効率でコストの高い流通システムでしたが、官僚は大型店出店の規制を続けましたが、特に小型店に関しては先送り戦略で何もせず、先送りし、これが結果として家族経営の商店をコンビニという新しい形で存続させることになり、社会のセーフティネットの役割を果たすことになりました。今日では日本は、世界で最も洗練された流通システムを持つ国となりました。 
一方で先送りの戦術以外では、官僚は重大な失敗をしました。その例として、プラザ合意での円高により、景気減速を嫌った、他国では不景気といわれるような水準でもないにかかわらず、官僚は積極的な財政支出・金融緩和を行いました。その結果、有り余るお金がバブル景気を誘発し、その果てに多大な借金が政府に残りました。 
このように、官僚主導で実行した経済政策など、例外的「先送り戦略」だけは成功していますが、その他はことごとく失敗しています。

そんな官僚が、成長戦略を考えても、うまくいくはずはありません。

そもそも、政府が経済対策で行うべきは、インフラの整備です。法律・規制その他の整備、規制緩和。金融緩和、財政出動(現状では公共工事の提供制約があるので、減税・給付など)などでインフラを整備するのが政府の役割です。

このインフラの上で、実際に活動するのは、政府ではなくて、民間営利・非営利企業であるべきであり、ここに政府が直接関与した場合は失敗します。

こんなことがうまくいけば、共産主義下における官僚の計画経済も成功していたはずです。現実には、皆さんもご存知のように共産主義体制はことごとく滅びました。

上の事例は、ドラッカー氏のものであり良い事例なのですが、少し年代が古いので特に若い人にはピンとこないと思いす。そのため、以下に比較的新しい事例をあげておきます。
【日本の解き方】あまりにヒドい政府の“日本再生戦略”―【私の論評】今の政府や政治家は、自分の頭の上のハエを追えない人が、他人の世話を焼いているようなもの、自分がやるべきことに専念せよ!!
詳細は、このブログをご覧いただくものとして、ここではノキアの例をあげました。ノキアは、アップルがiPhone,iPadと同じようなものを、アップルが市場に導入する数年前からプロトタイプを作成していました。


しかし、市場投入時期を間違えて、アップルに先を越されてしまいました。今は、市場でも劣勢です。しかし、ノキアがアップルよりも早めに、これらを市場に導入していたら、今の市場はどうなっていたかわかりません。

市場を見極めるということは、かなり難しいことなのです。おそらく、これを予測してできる企業など滅多にいないと思います。多くの企業が凌ぎを削って、いろいろなことをやっていて、後からみて、その中のある企業が大成功を収めたということであり、最初から計画して市場を形成するなどかなり難しいです。

激しい競争を生き残ってきた企業ですら、難しいことなのに、これを官僚がやってもうまくいくはずはありません。

以上のようなことは、何も私が最初に述べたことではありません。古くは、シュムペータなどが語っいますし、多くの事例もあります。

しかし、市場関係者や、政治家、民間エコノミストですら、これを知らない人も多いようです。まさに、愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶということを地でいくような愚かなことだと思います。

上の村上氏の「成長戦略への幻想」とはこのことです。成長戦略とは、星の数程の民間企業が互いに競争しあって実施するから意義あるものになるのです。政府がやるべきものでありません。これを政府にやらせるというこは、共産主義と同じであり、必ず失敗します。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

【関連記事】


ねじれ解消後の今国会は与党内の「産業政策」派vs.「規制緩和」派を反映する産業競争力強化法案と国家戦略特区法案の行方に注目せよ―【私の論評】官僚主導の産業政策で成功したためしは、一度もない成功したのは引き伸ばし戦略のみ\(◎o◎)/!



M&A成長戦略の教科書 現場のプロが教える全ノウハウ
湊 雄二
日本経済新聞出版社
売り上げランキング: 104,019


自分が変わるための15の成長戦略: 人は何のために生きるのか、働くのか (単行本)
ジョン・C. マクスウェル
三笠書房
売り上げランキング: 66,269


ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件 (Hitotsubashi Business Review Books)
楠木 建
東洋経済新報社
売り上げランキング: 733

セキュリティー・クリアランス創設 国際ビジネス機会の拡大へ―【私の論評】日本セキュリティー・クリアランス制度の欠陥とその国際的影響

セキュリティー・クリアランス創設 国際ビジネス機会の拡大へ まとめ 経済安全保障上の機密情報アクセスを制限する「セキュリティー・クリアランス制度」導入法が成立 - 対象者限定、事前確認、漏えい罰則 政府は情報保全強化と日本企業の国際ビジネス機会拡大を制度の意義として強調  経済安...