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熾烈!米中“激突”へ台湾の防空識別圏に入った中国の戦闘機「スホーイ30」の同型機 |
台湾・国防部は9日、複数の中国軍機が同日午前、台湾の南西空域の警戒エリアで活動したと明らかにした。台湾の通信社「中央社」の日本語サイト「台湾フォーカス」が同日報じた。
国防部によると、侵入したのは、中国空軍の戦闘機「Su-30(スホーイ30)」や「殲10」など、複数の機種で多数という。さまざまな高度で、次々に侵入したとの報道もある。
中国軍は、アレックス・アザー米厚生長官が8月10日、台湾の蔡英文総統と台北市内の総統府で会談した際も、戦闘機「殲11」や「殲10」などを台湾海峡の中間線を超えて侵入させている。
同月26日には、中国本土から南シナ海に、グアムの米軍基地を射程に収める「東風(DF)26」(射程約4000キロ)と、「空母キラー」と呼ばれる対艦弾道ミサイル「DF21D」(同1500キロ以上)など4発を撃ち込んでいる。
現在、米国では大統領選(11月3日投開票)まで2カ月を切り、共和党のドナルド・トランプ大統領と、民主党のジョー・バイデン元副大統領が接戦を演じている。日本でも、自民党総裁選(14日投開票)の真っただ中で、日米の政治的空白が懸念されている。
今回の中国軍機侵入について、台湾国防部は「地域の平和や安定を破壊する中国共産党の一方的な行為を厳正に非難する」としている。
【私の論評】すでに米軍は、台湾海峡と南シナ海、東シナ海での中国軍との対峙には準備万端(゚д゚)!
台湾の蔡英文総統は8日、台北で行われたアジア太平洋地域の安全保障に関するフォーラムで演説し、中国が周辺地域で示している拡張主義に対し、民主主義諸国は立ち向かおうと呼び賭けました。9日の中国機の台湾侵入は、これに対する中国側の牽制とみられます。
台湾の蔡英文総統は8日、台北で行われたアジア太平洋地域の安全保障に関するフォーラムで演説し、中国が周辺地域で示している拡張主義に対し、民主主義諸国は立ち向かおうと呼び賭けました。9日の中国機の台湾侵入は、これに対する中国側の牽制とみられます。
蔡氏は名指しこそしなかったものの、中国を念頭に置いた発言であることは明らかです。その中で、台湾は「独裁主義による侵略から民主主義を守る最前線にいる」と蔡氏は述べ、民主主義国の同盟によって「自由と…人権そして民主主義」は守られるだろうと語りました。
また同じく中国の国名は挙げずに、南シナ海や台湾海峡における軍事行動や「他国や企業に対する強制外交」に触れた上で、「志を同じくする国々、そして民主主義の友好国が…一方的な侵略行動を抑止する戦略的秩序を維持するときだ」と述べ、一国だけでは地域の平和と安全を維持できないと強調。「それらの同盟こそが、われわれが最も重視する価値観、すなわち自由、安全、人権、民主主義を守ることができる」と主張しました。
さらに蔡氏は「われわれの価値観や信念を共有しない人々との短期的な解決策」を求めることは避け、経済統合を求めると述べました。
中国が台湾に対して様々な威嚇をしつつも、未だ台湾に侵攻しないことや、将来的にもかなり困難であるのには理由があります。
中国海軍が「遼寧」の威容を広くアピールしようとも、あるは他の艦艇を誇ったにせよ、それは政治的には一定の宣伝効果はあっても、軍事的には大きな標的に過ぎません。
その理由は、圧倒的な優位性を誇る米攻撃型原子力潜水艦ならびに中国をはるかに凌駕する対潜哨戒能力です。グアムを拠点とする米潜水艦は対潜哨戒能力が未だ脆弱な中国海軍に見つかることなく、自由に台湾海、東シナ海、黄海、南シナ海に出入りしていて、水中からひっそりと「遼寧」の機動部隊をいつでも魚雷で仕留められるポジションを維持しながら追尾しています。
現代のミサイル戦闘において空母は、軍事のプロの世界では超音速ミサイルや魚雷で容易に狙える脆弱な標的と評価されつつあります。私は、脆弱であると断定しています。現在の空母は、第2次世界大戦中の大型戦艦と同じようなものであると言っても過言ではありません。
アメリカ海軍最後の冷戦型攻撃原潜となったシーウルフ級は、ソ連海軍のアクラ型に対抗すべく、攻撃能力、静粛性、速力、潜航深度、氷海行動力など全ての面で世界最高の性能を持ち、「聖域」内への積極的攻勢すら可能な超高性能艦とするべく設計・開発されました。
当初は29隻を建造する計画でしたが、1隻21億ドルというあまりにも高価な建造費に加え、冷戦終結に伴い過剰性能であるとの判断から、これまでに計3隻のみが建造されています。
シーウルフ級を投入するまでもなく、オハイオ級などの潜水艦や他の攻撃型原潜が、緒戦で攻撃に出れば、中国軍は手も足も出ないです。同時に中国側としては、いくらミサイル戦力や海軍力、宇宙サイバー戦能力を充実させても、米海軍の虎の子の原子力潜水艦を発見し攻撃するASW対潜水艦戦能力が欠如している現状ではいかんとし難いです。
日本は22隻の潜水艦を所有しています。このすべての潜水艦が、中国側にはまったく探知できないか、探知がかなり困難です。これらの潜水艦が、東シナ海、南シナ海などを中国に発見されず自由に航行できるのです。
さらに、日本の対潜哨戒能力は、冷戦終了前までは世界一だったのが、最近では米軍には少し劣るようではありますが、それでも世界のトップクラスであり、中国のそれをかなり上回っています。
米中が台湾海峡や南シナ海で、衝突した場合、日本の潜水艦は戦闘そのものには加わらないかもしれませんが、偵察活動をなどで支援することは多いにありえることと思います。
軍事評論家やマスコミなどの危惧をよそに、日米ともに、尖閣、南シナ海、台湾海峡での中国軍との対峙への準備は十分整っているといえるのではないでしょうか。そうでなければ、台湾も尖閣もとうの昔に中国に蹂躙されていたはずです。
日米の潜水艦は、中国軍に気づかれずに今でも、東シナ海、台湾海峡、南シナ海を航行し、すでに遼寧などを含む複数の中国艦隊艦艇を何度も模擬訓練で撃沈していることでしょう。
潜水艦の行動は、世界中で昔から表に公表されません。それは、潜水艦の行動は隠密に行わなければ意味がないからです。これは世界中の海軍に認められていることです。そのようなこともあり、日米ともに自国の潜水艦の行動は発表しません。また、対艦哨戒能力の能力を図れることを嫌い、相手側の行動を察知してもそれを公表しないのが普通です。
その理由は、圧倒的な優位性を誇る米攻撃型原子力潜水艦ならびに中国をはるかに凌駕する対潜哨戒能力です。グアムを拠点とする米潜水艦は対潜哨戒能力が未だ脆弱な中国海軍に見つかることなく、自由に台湾海、東シナ海、黄海、南シナ海に出入りしていて、水中からひっそりと「遼寧」の機動部隊をいつでも魚雷で仕留められるポジションを維持しながら追尾しています。
現代のミサイル戦闘において空母は、軍事のプロの世界では超音速ミサイルや魚雷で容易に狙える脆弱な標的と評価されつつあります。私は、脆弱であると断定しています。現在の空母は、第2次世界大戦中の大型戦艦と同じようなものであると言っても過言ではありません。
特に米空母よりも防空能力に課題がある「遼寧」は、自国や周辺国の一般国民にその威容を通じてメッセージを送る政治的、外交的手段という要素が強いです。
もちろん、中国は空母を動員した派手な政治パーフォマンスだけに終始していたわけではないです。ひっそりと、しかし着実に課題を克服するための手を打っていました。
海上を監視する哨戒機は戦闘機と比べると一見、地味ですが、その配備には重要な軍事的意義と戦略的意図が込められています。空母による示威が「名」であるとすれば、哨戒機の展開は「実」だといって良いです。
Y8-Qの任務は海中に潜む米海軍の原子力潜水艦を発見、探知、追尾し、命令があればいつでも攻撃、撃沈することです。8時間から12時間の哨戒時間があるとされるこの機体を、中国本土に隣接する海南島からファイアリー・クロス礁に進出させてきたことは、その哨戒のリーチを南シナ海のより奥深く、南シナ海全域を収めようとする中国の戦略的意図があります。
これまでリーチが及ばなかった南シナ海のより南方海域にも監視の目を張り巡らせ、米潜水艦が潜める聖域をなくしていく、という明確な意思がそこにはあります。無論台湾海峡にも中国軍はこのような行動をとりつつあるでしょう。
現在、海軍の艦艇数や運用可能な攻撃機の数といったハード面だけでなく、それらの運用を支える宇宙アセットやサイバー電子分野においても人民解放軍の追い上げは凄まじく、米軍は対中紛争における敗北を余儀なくされる、との見方すらワシントンでは出始めています。
そのような状況の中で、海中の領域、つまり潜水艦による水中の戦いは今でも米軍が絶対優位を維持している分野です。私は米軍は、まだ公にしていないものの、根本的に戦略を変えていると思います。緒戦において米軍は、潜水艦を多様するものと思います。
軍事評論家の中には、このことを無視して、米軍は南シナ海で負けるとする人もいますが、そのようなことはないと思います。かつて米軍は、日本が空母を建造して、優位性を発揮し、真珠湾で大敗を喫した後にすぐに海軍の戦術を変えて、空母を用いるようにしました。
日本軍が、多数の南太平洋の島々に迅速に上陸した有様を研究して、海兵隊の戦法をすぐにかえました。現在では米中は戦争に突入してはいないものの、中国海軍の様子をみて、戦略を変える時間はいままでも十分にありました。おそらく戦術上も戦略上も有利なほうに迅速にシフトするのは今でも変わりないでしょう。
かつて、朝鮮有事が懸念された2017年に、トランプ大統はFOXビジネスネットワークの番組、「モーニングス・ウィズ・マリア」で朝鮮半島付近への、自ら空母派遣について言及しました。
トランプ大統領は、この番組の中で対北朝鮮問題にふれ「我々は無敵艦隊(カール・ヴィンソン打撃群)を送りつつある。とても強力だ。我々は潜水艦も保有している。大変強力で空母よりももっと強力なものだ。それが私の言えることだ」と発言しています。これこそが、私は米国の戦略の転換を示していたと考えています。
しかし、米軍は未だに潜水艦を多様する戦術・戦略を発表していません。それは、もちろん極秘中の極秘だからでしょう。
トランプ大統領が具体的に何を言っていたのか断定はできませんが、たとえばアメリカ海軍は4隻、太平洋側と大西洋側に2隻ずつ改良型オハイオ級巡航ミサイル潜水艦を持っています。他の潜水かもあわせると70隻の潜水艦を所有しています。
当時オハイオ級のミシガンという潜水艦が横須賀に入りましたが、とにかく巨大です。この潜水艦は特殊部隊シールズを乗せることができるだけでなく、巡航ミサイルのトマホークを1隻で最大154発、水中から連射することができます。
2017年のシリアの攻撃の時に駆逐艦2隻で発射したトマホークの数が59発ですからその規模がとんでもないことがわかります。この潜水艦のトマホークは、水中のハッチが開いて7つある発射口からトマホークが高圧空気で押し出され発射されます。
これよりもさらに大きくて強力な潜水艦が米国にはあります。たとえば、下の写真のシーウルフ級原潜です。
もちろん、中国は空母を動員した派手な政治パーフォマンスだけに終始していたわけではないです。ひっそりと、しかし着実に課題を克服するための手を打っていました。
たとえば、地対空ミサイルに守られた人工島、ファイアリー・クロス礁にある軍事基地には、2機のKQ-200(Y8-Q)と呼ばれる海上哨戒機が配置されています。
ImageSat Internationalは、南シナ海のFiery Cross Reefに配備された中国のKQ-200海上哨戒機2機を発見しました。画像は4月10日に撮影されたものです。海上を監視する哨戒機は戦闘機と比べると一見、地味ですが、その配備には重要な軍事的意義と戦略的意図が込められています。空母による示威が「名」であるとすれば、哨戒機の展開は「実」だといって良いです。
Y8-Qの任務は海中に潜む米海軍の原子力潜水艦を発見、探知、追尾し、命令があればいつでも攻撃、撃沈することです。8時間から12時間の哨戒時間があるとされるこの機体を、中国本土に隣接する海南島からファイアリー・クロス礁に進出させてきたことは、その哨戒のリーチを南シナ海のより奥深く、南シナ海全域を収めようとする中国の戦略的意図があります。
これまでリーチが及ばなかった南シナ海のより南方海域にも監視の目を張り巡らせ、米潜水艦が潜める聖域をなくしていく、という明確な意思がそこにはあります。無論台湾海峡にも中国軍はこのような行動をとりつつあるでしょう。
現在、海軍の艦艇数や運用可能な攻撃機の数といったハード面だけでなく、それらの運用を支える宇宙アセットやサイバー電子分野においても人民解放軍の追い上げは凄まじく、米軍は対中紛争における敗北を余儀なくされる、との見方すらワシントンでは出始めています。
そのような状況の中で、海中の領域、つまり潜水艦による水中の戦いは今でも米軍が絶対優位を維持している分野です。私は米軍は、まだ公にしていないものの、根本的に戦略を変えていると思います。緒戦において米軍は、潜水艦を多様するものと思います。
軍事評論家の中には、このことを無視して、米軍は南シナ海で負けるとする人もいますが、そのようなことはないと思います。かつて米軍は、日本が空母を建造して、優位性を発揮し、真珠湾で大敗を喫した後にすぐに海軍の戦術を変えて、空母を用いるようにしました。
日本軍が、多数の南太平洋の島々に迅速に上陸した有様を研究して、海兵隊の戦法をすぐにかえました。現在では米中は戦争に突入してはいないものの、中国海軍の様子をみて、戦略を変える時間はいままでも十分にありました。おそらく戦術上も戦略上も有利なほうに迅速にシフトするのは今でも変わりないでしょう。
かつて、朝鮮有事が懸念された2017年に、トランプ大統はFOXビジネスネットワークの番組、「モーニングス・ウィズ・マリア」で朝鮮半島付近への、自ら空母派遣について言及しました。
トランプ大統領は、この番組の中で対北朝鮮問題にふれ「我々は無敵艦隊(カール・ヴィンソン打撃群)を送りつつある。とても強力だ。我々は潜水艦も保有している。大変強力で空母よりももっと強力なものだ。それが私の言えることだ」と発言しています。これこそが、私は米国の戦略の転換を示していたと考えています。
しかし、米軍は未だに潜水艦を多様する戦術・戦略を発表していません。それは、もちろん極秘中の極秘だからでしょう。
トランプ大統領が具体的に何を言っていたのか断定はできませんが、たとえばアメリカ海軍は4隻、太平洋側と大西洋側に2隻ずつ改良型オハイオ級巡航ミサイル潜水艦を持っています。他の潜水かもあわせると70隻の潜水艦を所有しています。
当時オハイオ級のミシガンという潜水艦が横須賀に入りましたが、とにかく巨大です。この潜水艦は特殊部隊シールズを乗せることができるだけでなく、巡航ミサイルのトマホークを1隻で最大154発、水中から連射することができます。
2017年のシリアの攻撃の時に駆逐艦2隻で発射したトマホークの数が59発ですからその規模がとんでもないことがわかります。この潜水艦のトマホークは、水中のハッチが開いて7つある発射口からトマホークが高圧空気で押し出され発射されます。
これよりもさらに大きくて強力な潜水艦が米国にはあります。たとえば、下の写真のシーウルフ級原潜です。
1997年から就役するアメリカ海軍有する世界最強の攻撃型原子力潜水艦シーウルフ級 |
アメリカ海軍最後の冷戦型攻撃原潜となったシーウルフ級は、ソ連海軍のアクラ型に対抗すべく、攻撃能力、静粛性、速力、潜航深度、氷海行動力など全ての面で世界最高の性能を持ち、「聖域」内への積極的攻勢すら可能な超高性能艦とするべく設計・開発されました。
当初は29隻を建造する計画でしたが、1隻21億ドルというあまりにも高価な建造費に加え、冷戦終結に伴い過剰性能であるとの判断から、これまでに計3隻のみが建造されています。
シーウルフ級を投入するまでもなく、オハイオ級などの潜水艦や他の攻撃型原潜が、緒戦で攻撃に出れば、中国軍は手も足も出ないです。同時に中国側としては、いくらミサイル戦力や海軍力、宇宙サイバー戦能力を充実させても、米海軍の虎の子の原子力潜水艦を発見し攻撃するASW対潜水艦戦能力が欠如している現状ではいかんとし難いです。
シーウルフ級などは、もし中国が核などを用いた場合に、それに報復するためいまでも、深く沈んでいることでしょう。
深海に留まり続け、中国の動きを偵察し、人工島と本土を結ぶ補給線を脅かす米潜水艦の存在は中国にとっては、脅威そのものです。米潜水艦が、緒戦で中国軍の艦艇ミサイル基地などを破壊し尽くした後に、空母打撃群の波状攻撃にあえば、勝ち目は全くありません。そこに、強襲揚陸艦で米海兵隊員が多数乗り込んできた場合どうなるでしょうか。
そこまでしなくても、米潜水艦が南シナ海を包囲して、中国艦艇を近づけないようにすれば、南シナ海の中国軍基地には水・食糧その他を補充できなくなってお手上げになります。台湾海峡では、台湾に中国の強襲揚陸艦を含む艦艇や航空機が近づいた場合、それらのほとんどを米軍が撃破し、後の追撃戦は台湾に任せれば良いのです。
中国軍側からみると、何の前触れもなくある日突然、多くの艦艇、潜水艦、環礁上の基地が、どこから攻撃されたかもわからないうちに、撃沈、撃破され、無力の状態になったところに、さらに空母打撃群によるミサイル、航空機の波状攻撃を受けることになります。
さらに、日本の潜水艦も、米国の原潜よりも、静寂性に優れています。元々原子力潜水艦は、先日もこのブログでも掲載したように、通常型よりも静寂性が劣るのですが、日本の潜水艦は静寂性は世界一です。特に、最近燃料としてリチュウム電池を使用するようになりましたが、これは静寂性というより無音です。これは、中国側には発見不能です。いや、米軍ですら発見できないでしょう。
深海に留まり続け、中国の動きを偵察し、人工島と本土を結ぶ補給線を脅かす米潜水艦の存在は中国にとっては、脅威そのものです。米潜水艦が、緒戦で中国軍の艦艇ミサイル基地などを破壊し尽くした後に、空母打撃群の波状攻撃にあえば、勝ち目は全くありません。そこに、強襲揚陸艦で米海兵隊員が多数乗り込んできた場合どうなるでしょうか。
そこまでしなくても、米潜水艦が南シナ海を包囲して、中国艦艇を近づけないようにすれば、南シナ海の中国軍基地には水・食糧その他を補充できなくなってお手上げになります。台湾海峡では、台湾に中国の強襲揚陸艦を含む艦艇や航空機が近づいた場合、それらのほとんどを米軍が撃破し、後の追撃戦は台湾に任せれば良いのです。
中国軍側からみると、何の前触れもなくある日突然、多くの艦艇、潜水艦、環礁上の基地が、どこから攻撃されたかもわからないうちに、撃沈、撃破され、無力の状態になったところに、さらに空母打撃群によるミサイル、航空機の波状攻撃を受けることになります。
さらに、日本の潜水艦も、米国の原潜よりも、静寂性に優れています。元々原子力潜水艦は、先日もこのブログでも掲載したように、通常型よりも静寂性が劣るのですが、日本の潜水艦は静寂性は世界一です。特に、最近燃料としてリチュウム電池を使用するようになりましたが、これは静寂性というより無音です。これは、中国側には発見不能です。いや、米軍ですら発見できないでしょう。
昨年11月6日に進水したそうりゅう型12番艦「とうりゅう」。リチュウム電池で駆動 |
日本は22隻の潜水艦を所有しています。このすべての潜水艦が、中国側にはまったく探知できないか、探知がかなり困難です。これらの潜水艦が、東シナ海、南シナ海などを中国に発見されず自由に航行できるのです。
さらに、日本の対潜哨戒能力は、冷戦終了前までは世界一だったのが、最近では米軍には少し劣るようではありますが、それでも世界のトップクラスであり、中国のそれをかなり上回っています。
米中が台湾海峡や南シナ海で、衝突した場合、日本の潜水艦は戦闘そのものには加わらないかもしれませんが、偵察活動をなどで支援することは多いにありえることと思います。
軍事評論家やマスコミなどの危惧をよそに、日米ともに、尖閣、南シナ海、台湾海峡での中国軍との対峙への準備は十分整っているといえるのではないでしょうか。そうでなければ、台湾も尖閣もとうの昔に中国に蹂躙されていたはずです。
日米の潜水艦は、中国軍に気づかれずに今でも、東シナ海、台湾海峡、南シナ海を航行し、すでに遼寧などを含む複数の中国艦隊艦艇を何度も模擬訓練で撃沈していることでしょう。
潜水艦の行動は、世界中で昔から表に公表されません。それは、潜水艦の行動は隠密に行わなければ意味がないからです。これは世界中の海軍に認められていることです。そのようなこともあり、日米ともに自国の潜水艦の行動は発表しません。また、対艦哨戒能力の能力を図れることを嫌い、相手側の行動を察知してもそれを公表しないのが普通です。
今年の6月に、日本が中国のおそらく静音性が高いとみられる通常型潜水艦が奄美沖の接続水域を航行したことを公表したのは例外的なものです。これは、日本としては中国に対する牽制の意味で発表したのでしょうが、中国と日本の対潜哨戒能力の段違いの差があることを見せつけるという意味もあったことと思います。
そうして、尖閣諸島が未だに中国に奪取されないのは、日本の潜水艦の能力と、対戦哨戒能力が段違いであるからでしょう。これからも、これは大きな抑止力となります。この優位性だけは失うべきではありません。
中国の潜水艦の行動は、日米ともに詳細を把握しており、音紋という個々の潜水艦固有の音を特定しており、中国のどの潜水艦がどのような行動をしているのかまで知っているでしょう。それに比較して、対潜哨戒能力の低い中国は、日本の潜水艦の音紋すら一部を除いて特定していない可能性が大です。
米中で軍事衝突があれば、中国の潜水艦は、すぐに日米に探知され、米軍によって撃沈されてしまうことでしょう。さらに、米潜水艦は、中国の艦艇や、港、空港などを攻撃して。無力化するでしょう。
米中で軍事衝突があれば、中国の潜水艦は、すぐに日米に探知され、米軍によって撃沈されてしまうことでしょう。さらに、米潜水艦は、中国の艦艇や、港、空港などを攻撃して。無力化するでしょう。
これでは、最初から全く勝ち目がありません。軍人であれば、誰もが敵と対峙するときには、自らが最も得意な戦術と戦略で対応すると思います。であれば、米軍は中国と本格的に対峙するときには潜水艦を多用するのは当然の成り行きと思います。中国側もすでにそのことは、気づいているでしよう。
そうして、戦略・戦術の転換は極秘中の極秘であり、発表する必要などありません。発表すれば、敵に自らの手の内を読まれるだけです。
今後日米ともさらに潜水艦を多様して、中国と対峙する道を選ぶべきです。
今後日米ともさらに潜水艦を多様して、中国と対峙する道を選ぶべきです。
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