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2020年4月11日土曜日

【日本の解き方】カネ出し渋る「緊縮病」財務省に丸め込まれ…情けない議員たち あまりにみすぼらしい経済対策 「真水」はコロナ・ショックには力不足だ―【私の論評】緊急事態宣で暴露された、財務官僚とその取り巻きたちの日本をダメにする寄生虫ぶり(゚д゚)!

【日本の解き方】カネ出し渋る「緊縮病」財務省に丸め込まれ…情けない議員たち あまりにみすぼらしい経済対策 「真水」はコロナ・ショックには力不足だ


 政府は7日、新型コロナウイルス感染対策として7都府県を対象とする緊急事態宣言を発令した。

筆者の立場は、政府の緊急事態宣言が遅れたというものだ。改正された新型インフルエンザ等対策特別措置法(新型コロナ特措法)施行日の3月14日に、宣言していてもよかった。

16日には、政府は東京と大阪で感染者数急増となる兆候をつかんでいたが、14日には東京都心で桜の開花宣言が出され、花見気分で、20~22日の3連休前に自粛ムードが緩んでいた。その時に緊急事態宣言が出されていたら、緩みが締め直され、今のような感染者数急増にならなかった可能性もある。緊急事態宣言そのものは、法的根拠があるとはいえ、強制力が乏しいので、あえて発動を抑制することもなかったともいえる。

しかも、緊急事態宣言の遅れは経済対策の遅れともパラレルになっている。一部では、経済への悪影響を気にして緊急事態宣言が遅れたという見方もあるが、「緊縮病」にかかった財務省らが主導して政府の経済対策を渋り、休業補償などでカネのかかりうる緊急事態宣言を出し渋ったというのが実態だろう。

これは、今回の経済対策が、あまりに遅れたうえ、シャビー(みずぼらしい)であることからもうかがえる。

シャビー(みずぼらしい)=Shabby

まず、事業費108兆円といわれ、国内総生産(GDP)の2割に相当するというが、事業費とGDPは、売上高と利益ほどの概念の違いがあるので比率を計算すること自体、筆者に違和感がある。重要なのはGDPを押し上げる効果がある「真水」だ。

この真水について、おおよその数字すら、経済対策を検討た与党議員もよく知らない。財務省は補正予算の検討をしているはずなので、与党議員に積極的に知らせなかったのだろう。そんな状態で議論に応じる与党議員も情けない。重要情報を知らずに、意思決定しているからだ。

新聞報道によれば、財政支出は39兆円だという。このうち、昨年度の未執行分が10兆円であり、今年度補正予算で手当てされるのは29・2兆円だという。そのうち、財政投融資が12・5兆円とされ、真水は16・7兆円だ。これは、今年度補正予算で新たに発行される国債16・8兆円とほぼ見合っている。

そもそも年度当初の補正であれば、使い残りの資金はないはずなので、新規国債発行額がそのまま真水になるはずだ。正確な数字は、補正予算書が国会に提出されないとわからないが、この程度の真水であると、GDP比3%程度でしかなく、今回のコロナ・ショックには力不足になる。そもそも日本は、昨年10月の消費増税により、既に経済は痛めつけられている。それにコロナ・ショックの追い打ち、さらには東京五輪の1年延期も決まっている。

筆者は、消費増税の悪影響がGDP比で4%減、コロナ・五輪延期で4%減で、合わせて8%減程度とにらんでいる。となると、今回の経済対策では足りずに、いずれ追加措置が必要になるだろう。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】緊急事態宣で暴露された、財務官僚とその取り巻きたちの日本をダメにする寄生虫ぶり(゚д゚)!

早期に経済を立て直さないと国民の収入が増えず税収も増えないという当たり前のことがわからない財務省に呆然とします。そうして、多くの国民が、生活保護を受けざるを得ない立場に立たされた場合、財務省はどうするつもりなのでしょうか。それも緊縮で乗り越えるつもりなのでしょうか。本当に恐ろしいです。これでは、いずれ経済苦で死人がでるかもしれません。

そもそも特措法自体に大欠陥があります。知事に自粛要請させて、政府は金の責任は一切負わなくて済むのです。とはいいながら、調整の名の下に知事の行動に口を挟むことができるのです。口を出すなら金も出すべきです。

このような法律を作ったのはコロナ禍などでも、給料がびた一文減らない国会議員と官僚です。特措法の正体は、民間だけが苦しむ法律なのです。

日本国には日本銀行という中央銀行があるので非常事態に備える資金はいくらでも手当することができるはずです。その上で、実際の執行は都道府県知事に全権委任が緊急事態おける基本です。それと同時に憲法で非常事態条項がないと、背骨がないのと同じで、非常時には混乱をきたすので、憲法にも非常事態条項を盛り込むべきです。

財務省がなぜこんなときまで、緊縮にこだわっているのか、全く理解不能です。

大阪の吉村知事は以下のような、ツイートをしています。
吉村洋文(大阪府知事)

国には通貨発行権あります。国債の発行権もあります。ですから、お金を沢山刷ることもできます。今はデフレ気味なので、お金を沢山剃っても全く問題ありません。そうして、国債がマイナス金利の現状なら、100兆円くらいは国債を発行しても、損をするのではなく2兆円くらいも逆に儲かるので、簡単に用意できるはずです。

そうして、これだけ国債を発行しても、以前もこのブログに掲載したように、これは将来世代の付けになどなりません。無論財政破綻もしません。

にもかかわらず、資金を手当しないのは酷すぎます。私自身は、総力戦のような戦争や、今回のような世界的な感染爆発のような危急存亡のときは、さすがの財務省ですら、そのときだけは緊縮はやめるのではないかという淡い期待を持っていました。

しかし、その期待は今回見事に裏切られました。財務省は、国民の命を守る義務を放棄しているとしか思えません。無論政府が悪いという部分はあります。それは、否定しません。しかし、平成年間のほとんどを緊縮で押し通しても、財務省は何らの咎めを受けることはありませんでした。


つけあがった財務官僚は始末に負えなくなってきた

それが、財務官僚らをつけあがらせたのです。そもそも、政府の金とは、税金が源泉です。それは、国民から徴収したものであり、彼らのものではありません。税金は、国民の安全、生命、財産を守るためにこそ使われるべきものです。この非常時のときにはなおさらそうです。しかし、財務省の官僚は平時のときのように、緊縮を続けようという腹です。

マスコミもこれらの事実を全く報道しようとしません。これでは、財務官僚やその取り巻き政治家たちと同様に「日本をダメにする寄生虫」といっていいでしょう。

彼らが肥え太れば、太るほど日本はダメになります。今回のコロナ禍を奇貨として、彼らを100年かかっても、1000年かかっても、日本から除去すべきです。

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2017年9月27日水曜日

日銀総裁の財政発言は不適切 片岡氏の「反対」に納得、現状の金融緩和では力不足 ―【私の論評】マネジメントの原則からも片岡氏の行動は正しい(゚д゚)!

日銀総裁の財政発言は不適切 片岡氏の「反対」に納得、現状の金融緩和では力不足 

片岡剛司氏
日銀は審議委員に片岡剛士氏らが入り、新体制となった。9月20、21日に開いた金融政策決定会合ではさっそく金融政策の現状維持に「不十分」として反対した。

 片岡氏は「資本・労働市場に過大な供給余力が残存しているため、現在のイールドカーブのもとでの金融緩和効果は2019年度ごろに2%の物価上昇率を達成するには不十分」と指摘した。この行動に、金融関係者からは驚きの声が上がったというが、筆者には片岡氏が言いたいことがよくわかる。

 筆者は、本コラムにおいて、これ以上下げられない構造失業率を「2%台半ば」と指摘してきた。実は、片岡氏も似たような推計をしていると聞いたことがある。金融政策のセオリーは、実際の失業率が構造失業率に低下するまで金融緩和を実施するというものだ。

 もちろん、半年から1年後の失業率を想定しながら、実際のオペレーションを考えるわけだが、今のままの金融緩和では、あと1年で構造失業率にまで達しそうにない。インフレ率の上昇は、失業率が構造失業率に達した後、賃金上昇とともに起こるので、2年後のインフレ目標2%は難しいということになる。

 米連邦準備制度理事会(FRB)が資産縮小に動き出したので、日銀は今の緩和ペースでも円安になる可能性はあるが、本来の目標である雇用やインフレ率の改善のためには、それで満足してはいけない。

 先日の本コラムで、構造失業率2%台半ば、インフレ目標2%を達成するためには、過去のGDPギャップから推計して、有効需要で25兆円必要だと書いた。当面は補正予算もなく、2年後の19年10月には消費増税が確実視されている中、財政の観点からも有効需要の押し上げがないと思われるため、とても今の金融緩和だけでは力不足であろう。こうした標準的な経済分析からみれば、片岡氏の反対は納得できるものだ。

 日銀はもっと失業率の話をしないと、世界標準からずれてしまう。片岡氏には、日銀は労働環境を重視すべきだと主張してもらいたい。

 そうした意味で、黒田東彦(はるひこ)総裁が、「財政規律は非常に重要だ」と強調し、暗に積極財政を否定していることは理解できない。

 本コラムの読者であれば、日銀を含めた統合政府で考えると、日本には財政問題がほとんどないということを理解しているだろう。しかし、財務省出身の黒田氏は頑として認めようとしない。その一方で消費増税をすべきだと、日銀総裁としては越権ともいえる発言をしたこともある。

 今回の財政規律発言では、「十分関心を持って見ている」との表現で、かろうじて越権発言になっていないが、財政に関する発言は日銀総裁としては注意すべきだろう。むしろ、政府と日銀が共有しているインフレ目標の達成の観点から、財政政策と金融政策は同時発動すべきである。

 金融緩和しつつ、財政緊縮というのは、現在のマクロ経済政策としては適切ではない。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】マネジメントの原則からも片岡氏の行動は正しい(゚д゚)!

本日は、まずはブログ冒頭の記事にもあるイールドカーブについて説明します。これについては、このブログでは過去においては、一度も解説していませんでしので、本日解説することにしました。

イールドカーブとは縦軸を「債券の利回り」、横軸を「債券の残存期間(満期日までの期間)」として、長期・短期債券の金利を結んだ曲線のことで、ある時点の市場における平均的な債券利回りと残存期間の関係を表していると言えます。通常は「流動性プレミアム仮説」に基づき残存期間が長くなればなるほど金利が高くなるため、右上がりの曲線になります(順イールド)。

逆に、イールドカーブが右下がりの曲線になる場合(逆イールド)は、投資家が将来において景気が減退することに連動して金利が低下すると予測していることを意味し、景気が減退していく傾向があると考えられます。


また、イールドカーブの急な傾き(イールドカーブのスティーブ化)は、将来の景気が上昇していく傾向があると考えられ、市場の投資家が将来において金利が上昇していくと予測していることを意味します。

逆に、イールドカーブの曲線がなだらか(緩やかな傾斜)の場合(イールドカーブのフラット化)、将来の景気が減退していく傾向があると考えられ、市場の投資家が将来において金利が低下していくと予測していることを意味します。

イールドカーブにより将来の景気動向、金融政策などがある程度予測できると言われています。まず景気動向についてですが、一般的には景気が将来的に上昇していくような状況では、イールドカーブのスティーブ化の現象、つまりイールドカーブの傾きが急になることが多いと言われています。

逆に、景気が将来的に減退していくような状況又は先行きが不透明な状況では、イールドカーブのフラット化の現象、つまりイールドカーブの曲線が緩やかな傾斜となることが多いと言われています。また、逆イールドは、景気減退の予兆と見ることもできます。
次に、金融政策との関係ですが、一般的に中央銀行の金融政策が引き締めの傾向にあるときには、逆イールドになる可能性が高いと言われています。この様なことからイールドカーブは景気動向や金融政策を予測するための指標としても利用されることがあります。
次に、イールドカーブ・コントロールについて解説します。
イールドカーブ・コントロール(長短金利操作)は、2016年9月の日銀金融政策決定会合で日銀が新たに導入した政策枠組み「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の柱のひとつです。
2016年1月から始めた短期金利のマイナス金利政策に加え、10年物国債の金利が概ねゼロ%程度で推移するように買入れを行うことで短期から長期までの金利全体の動きをコントロールすることです。
日銀は指定する利回りで国債買入れを行う指値オペレーションを新たに導入するとともに、固定金利の資金供給オペレーションの期間を1年から10年に延長することによりイールドカーブ・コントロールを推進しています。

以下に日本国債の7月時点(7月31日)でのイールドカーブを掲載します。これは、財務省の金利データから作成したものです。

250日営業日前と比べるとイールドカーブが立ってきています。ただ、直近数か月は落ち着いているようです。10年物金利は概ね0から0.1%程度の間で収まっているようです。日銀のイールドカーブコントロールが効いてはいると思われます。

250営業日前と比べると明らかに水準が変わっていることがわかります。特に長期金利が上がっています。もっとも上がったといってもその差は1%にも満たない数字です。ただ、250営業日前は20年以上先の金利がほぼ同じでフラット化しており、何やら異常な感じがしますね。それから比べると現在はだいぶ正常な形に近づいているのかもしれません。あくまで形だけで、金利水準は大幅に低いのでしょう。

内閣府の資料によると日本の潜在成長率は0.8%とのこと。このままインフレが進まないと仮定すると、低成長の経済では資金需要が増えるとは考えられず、必然的に金利は高くならず、日本は低金利のままです。

いずれにせよ、イールドカーブはフラット化の傾向がみられ、特に250営業日前に関してはかなりフラット化しています。ということは、将来の景気が減退していく傾向があると考えられ、市場の投資家が将来において金利が低下していくと予測している可能性があることを意味します。

このようなイールドカーブをもとに、片岡剛司氏は「資本・労働市場に過大な供給余力が残存しているため、現在のイールドカーブのもとでの金融緩和効果は2019年度ごろに2%の物価上昇率を達成するには不十分」と指摘したのです。

この状況では、やはり片岡氏の指摘するように、構造失業率を「2%台半ば」になるまで、追加の金融緩和を続ける必要がありそうです。

この必要性に関しては、高橋洋一氏の記事をもとに、このブログでも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
安倍内閣内閣が問われる「20兆円財政出動」で物価目標2%達成―【私の論評】今国債を刷らずして、一体いつ刷るというのか?

この記事では、高橋洋一氏の記事をもとに、日銀は追加金融緩和を行い、構造的失業率が安定的に2.7%程度にすべきであることを掲載しました。

さらには、日銀の大規模な国債買い入れによる金融緩和が続く中、今後は国債需要が強まる四半期末ごとにレポ市場での需給逼迫(ひっぱく)が強まる可能性があります。日銀は短国の買い入れを減らして流通量を増やしていますが、それでも国債が足りなかったことも掲載しました。

そうしてて、このような状況では、本来は国がこの状況に対応するため、国債を刷り増すべきであると主張しました。政府(財務省)が本来すべき仕事をしなかったため、日銀の金融緩和に支障がでてくる可能性がでてきたのは間違いないです。

以上のように、「資本・労働市場に過大な供給余力が残存しているため、現在のイールドカーブのもとでの金融緩和効果は2019年度ごろに2%の物価上昇率を達成するには不十分」と指摘したことは十分根拠があり、正しいものと思います。

わこの行動に、金融関係者からは驚きの声が上がったといいいますが、片岡氏の行動は正しかったと思います。

このブログでは、最近政治や経済の話でも、意図して、意識して、マネジメントの原理原則にからめてお話をするようにしています。

このマネジメントの原理原則からしても、今回の片岡氏の行動は正しいです。

経営学の大家ドラッカー氏は、意思決定について以下のように述べています。
マネジメントの行なう意思決定は全会一致によってなしうるものではない。対立する意見が衝突し、異なる見解が対話し、いくつかの判断のなかから選択が行われて初めてなしうる。したがって意思決定における第一の原則は、意見の対立を見ないときには決定を行わないことである。(『エッセンシャル版マネジメント』)
20世紀最高の経営者GMのアルフレッド・スローンは、反対意見が出ない案については、検討不十分として結論を出させなかったといいます。

意見の対立を促すには理由があります。一見もっともらしいが間違っている案や、不完全な案にだまされなくするためです。頭脳と感性を刺激し、すばらしい案を生み出すためです。

常に代案を手にするためでもあります。行なった意思決定が実行の段階で間違いであることや、不完全であることが明らかになったとき、途方に暮れたりしないためです。

そもそも戦略にかかわる問題については、ある案だけが正しく、ほかの案は間違っているなどと考えてはならないのです。そのようなことは、ありえないとすべきです。もちろん自分が正しく、他人が間違っていると考えてもならなのです。なぜ意見が違うのかを常に考えなければならないのです。さらには、誰が正しい、誰が間違いという観点で論議をしても、不毛です。何が正しい、何が正しいを問わなければならないのです。
明らかに間違った結論に達している者がいても、それは、なにか自分と違う現実を見、自分と違う問題に関心を持っているからに違いないと考えなければならない。(『マネジメント』)
ドラッカー氏は以下のようなことも語っています。
決定においては何が正しいかを考えなければならない。やがては妥協が必要になるからこそ、最初から誰が正しいか、何が受け入れられやすいかという観点からスタートしてはならない。(『経営者の条件』)
片岡氏1人だけが、 金融政策の現状維持に「不十分」として反対することは、確かに何が受け入れられやすいかという観点からは、一見あまり良いことのようにはみえません。

しかし、最初から全員に受け入れられやすい意見など述べていては、いずれ妥協するにしても、まともな妥協ができる可能性は薄くなります。

ドラッカーは次のようにも述べています。
頭のよい人、しかも責任感のある人は、せっかくの意思決定も実行されなければ意味がないと思う。そのため、最初から落としどころとしての妥協を考える。(『経営者の条件』)
片岡氏以外の日銀審議員は、最初から落としどころとしての妥協を考えた結果、金融緩和の現状維持の道を選んだのだと思います。

そうして、ドラッカーは、妥協について以下のように述べています。
妥協には2つの種類がある。1つは古い諺の「半切れのパンでも、ないよりはまし」、1つはソロモンの裁きの「半分の赤ん坊は、いないより悪い」との認識に基づく。前者では半分は必要条件を満足させる。パンの目的は食用であり、半切れのパンは食用となる。半分の赤ん坊では妥協にもならない。(『経営者の条件』)
最初から落としどころとしての妥協を考えていては、それこそ妥協するにしても、半分の赤ん坊しか得られないような妥協になってしまうおそれがあります。片岡氏はこのようなことは避けたかったのでしょう。

ドラッカーは、次のようにも語っています。
何が受け入れられやすいかからスタートしても得るところはない。それどころか、妥協の過程において大切なことを犠牲にし、正しい答えはもちろん、成果に結びつく可能性のある答を得る望みさえ失う。(『経営者の条件』)
片岡氏が反対しなければ、日銀の金融政策はこのようなことに陥る可能性が非常に高くなってしまったことでしょう。

様々な妥協を重ねていけば、いずれ日銀も、白川日銀総裁以前の日銀に戻ってしまい、何ら成果あげられない組織になってしまうかもしれません。

そのようなことは絶対に防がなければなりません。だかこそ、今回の片岡氏の行動は、賞賛に値するものだと思います。

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