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2020年4月11日土曜日

【日本の解き方】カネ出し渋る「緊縮病」財務省に丸め込まれ…情けない議員たち あまりにみすぼらしい経済対策 「真水」はコロナ・ショックには力不足だ―【私の論評】緊急事態宣で暴露された、財務官僚とその取り巻きたちの日本をダメにする寄生虫ぶり(゚д゚)!

【日本の解き方】カネ出し渋る「緊縮病」財務省に丸め込まれ…情けない議員たち あまりにみすぼらしい経済対策 「真水」はコロナ・ショックには力不足だ


 政府は7日、新型コロナウイルス感染対策として7都府県を対象とする緊急事態宣言を発令した。

筆者の立場は、政府の緊急事態宣言が遅れたというものだ。改正された新型インフルエンザ等対策特別措置法(新型コロナ特措法)施行日の3月14日に、宣言していてもよかった。

16日には、政府は東京と大阪で感染者数急増となる兆候をつかんでいたが、14日には東京都心で桜の開花宣言が出され、花見気分で、20~22日の3連休前に自粛ムードが緩んでいた。その時に緊急事態宣言が出されていたら、緩みが締め直され、今のような感染者数急増にならなかった可能性もある。緊急事態宣言そのものは、法的根拠があるとはいえ、強制力が乏しいので、あえて発動を抑制することもなかったともいえる。

しかも、緊急事態宣言の遅れは経済対策の遅れともパラレルになっている。一部では、経済への悪影響を気にして緊急事態宣言が遅れたという見方もあるが、「緊縮病」にかかった財務省らが主導して政府の経済対策を渋り、休業補償などでカネのかかりうる緊急事態宣言を出し渋ったというのが実態だろう。

これは、今回の経済対策が、あまりに遅れたうえ、シャビー(みずぼらしい)であることからもうかがえる。

シャビー(みずぼらしい)=Shabby

まず、事業費108兆円といわれ、国内総生産(GDP)の2割に相当するというが、事業費とGDPは、売上高と利益ほどの概念の違いがあるので比率を計算すること自体、筆者に違和感がある。重要なのはGDPを押し上げる効果がある「真水」だ。

この真水について、おおよその数字すら、経済対策を検討た与党議員もよく知らない。財務省は補正予算の検討をしているはずなので、与党議員に積極的に知らせなかったのだろう。そんな状態で議論に応じる与党議員も情けない。重要情報を知らずに、意思決定しているからだ。

新聞報道によれば、財政支出は39兆円だという。このうち、昨年度の未執行分が10兆円であり、今年度補正予算で手当てされるのは29・2兆円だという。そのうち、財政投融資が12・5兆円とされ、真水は16・7兆円だ。これは、今年度補正予算で新たに発行される国債16・8兆円とほぼ見合っている。

そもそも年度当初の補正であれば、使い残りの資金はないはずなので、新規国債発行額がそのまま真水になるはずだ。正確な数字は、補正予算書が国会に提出されないとわからないが、この程度の真水であると、GDP比3%程度でしかなく、今回のコロナ・ショックには力不足になる。そもそも日本は、昨年10月の消費増税により、既に経済は痛めつけられている。それにコロナ・ショックの追い打ち、さらには東京五輪の1年延期も決まっている。

筆者は、消費増税の悪影響がGDP比で4%減、コロナ・五輪延期で4%減で、合わせて8%減程度とにらんでいる。となると、今回の経済対策では足りずに、いずれ追加措置が必要になるだろう。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】緊急事態宣で暴露された、財務官僚とその取り巻きたちの日本をダメにする寄生虫ぶり(゚д゚)!

早期に経済を立て直さないと国民の収入が増えず税収も増えないという当たり前のことがわからない財務省に呆然とします。そうして、多くの国民が、生活保護を受けざるを得ない立場に立たされた場合、財務省はどうするつもりなのでしょうか。それも緊縮で乗り越えるつもりなのでしょうか。本当に恐ろしいです。これでは、いずれ経済苦で死人がでるかもしれません。

そもそも特措法自体に大欠陥があります。知事に自粛要請させて、政府は金の責任は一切負わなくて済むのです。とはいいながら、調整の名の下に知事の行動に口を挟むことができるのです。口を出すなら金も出すべきです。

このような法律を作ったのはコロナ禍などでも、給料がびた一文減らない国会議員と官僚です。特措法の正体は、民間だけが苦しむ法律なのです。

日本国には日本銀行という中央銀行があるので非常事態に備える資金はいくらでも手当することができるはずです。その上で、実際の執行は都道府県知事に全権委任が緊急事態おける基本です。それと同時に憲法で非常事態条項がないと、背骨がないのと同じで、非常時には混乱をきたすので、憲法にも非常事態条項を盛り込むべきです。

財務省がなぜこんなときまで、緊縮にこだわっているのか、全く理解不能です。

大阪の吉村知事は以下のような、ツイートをしています。
吉村洋文(大阪府知事)

国には通貨発行権あります。国債の発行権もあります。ですから、お金を沢山刷ることもできます。今はデフレ気味なので、お金を沢山剃っても全く問題ありません。そうして、国債がマイナス金利の現状なら、100兆円くらいは国債を発行しても、損をするのではなく2兆円くらいも逆に儲かるので、簡単に用意できるはずです。

そうして、これだけ国債を発行しても、以前もこのブログに掲載したように、これは将来世代の付けになどなりません。無論財政破綻もしません。

にもかかわらず、資金を手当しないのは酷すぎます。私自身は、総力戦のような戦争や、今回のような世界的な感染爆発のような危急存亡のときは、さすがの財務省ですら、そのときだけは緊縮はやめるのではないかという淡い期待を持っていました。

しかし、その期待は今回見事に裏切られました。財務省は、国民の命を守る義務を放棄しているとしか思えません。無論政府が悪いという部分はあります。それは、否定しません。しかし、平成年間のほとんどを緊縮で押し通しても、財務省は何らの咎めを受けることはありませんでした。


つけあがった財務官僚は始末に負えなくなってきた

それが、財務官僚らをつけあがらせたのです。そもそも、政府の金とは、税金が源泉です。それは、国民から徴収したものであり、彼らのものではありません。税金は、国民の安全、生命、財産を守るためにこそ使われるべきものです。この非常時のときにはなおさらそうです。しかし、財務省の官僚は平時のときのように、緊縮を続けようという腹です。

マスコミもこれらの事実を全く報道しようとしません。これでは、財務官僚やその取り巻き政治家たちと同様に「日本をダメにする寄生虫」といっていいでしょう。

彼らが肥え太れば、太るほど日本はダメになります。今回のコロナ禍を奇貨として、彼らを100年かかっても、1000年かかっても、日本から除去すべきです。

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2020年4月6日月曜日

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この国の中枢に蔓延する「緊縮病」


あまりに酷すぎる
 コロナショックは、もはやそう簡単に収まりそうにない。

 経済において、最も守るべきは雇用だ。しかし、すでに雇用が大変なことになっている。

 厚生労働省が3月31日に発表した2月の有効求人倍率は1.45倍(季節調整値)と、2年11ヵ月ぶりの低い水準になった。

 今年1月には1.49(前月比▲0.08)、2月は1.45(前月比▲0.04)だった。2ヵ月間の低下幅▲0.12は、ここ30年間では、リーマンショック後の2008年12月-2009年2月の▲0.14に次ぐ低下幅だ。

 厚労省は「この1月から、企業の出す求人票の記載項目を増やした影響」という。それもあるだろうが、今年1月と2月の低下は、昨年10月の消費増税により景気の先行きが危うくなったからだろう。コロナショックは基本的には含まれていないのに、このありさまだ。

 というわけで、2月の統計数字はまだ「序の口」だ。コロナショックの悪影響が出てくる3月、4月の統計では、どえらい数字になる予感がする。リーマンショックを超える悪影響があるのは確実だ。


 こうした雇用の悪化は、もちろんGDPの下落と大いに関係がある(オークンの法則)。雇用の悪化を防ぐ意味でも、減少するGDPを補うほどの有効需要を経済対策で作らなければいけない。

 そうした中、コロナショックの経済対策の骨格がようやく出てきたが、その内容があまりに酷すぎる。

話にならない
 事業費60兆円というが、GDPに影響を与える「真水」ベースでは20兆円程度以下になってしまうことは、先週の本コラムで書いた。しかし、対策の内容が明らかになるにつれて、はたして「真水20兆円」すら確保できるかどうか、心配になってきた。

 例えば、「現金給付を1世帯あたり30万円」と報道されているが、その中身は、「所得が減少している」という条件が付されている。その結果、給付金総額は3兆円程度に抑えられるという(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57651530T00C20A4EA3000/)。

 もしそうなら、これはGDPのわずか0.6%程度であり、GDP低下分を埋める有効需要を作るという政府の責務とはかけ離れたものとなり、話にならない。

 消費減税もなしで、直接家計消費に働きかける政策にはなっておらず、GDPへの影響でも一桁小さい。論外の政策だ。

 例えば、米国のセントルイス地区連邦準備銀行のブラード総裁は、米国の失業率が今後30%と大恐慌時を上回るとともに、第2四半期の国内総生産(GDP)が半減してもおかしくないと危機感を表している。日本でも雇用やGDPの急落があり得るので、万全の経済対策をとるべきなのに、政府はいったいどうしたのだろうか。

 しかも、「1世帯あたり30万円の現金給付」のやり方が、元官僚の筆者からみると、おそろしく稚拙で驚いてしまう。

稚拙な制度設計

 現金給付の前例は、麻生政権時、2009年の定額給付金だ。これを麻生財務相は「失敗例」としているが、効果がなかったのは給付金額が少なすぎたからだ。国民一人あたり1万2000円、総額2兆円弱なら、0.2%程度のGDP押し上げ効果しかないのは当然だ。当時は世界でも日本だけが金融緩和せず、円高になって外需が失われたことも大きい。

 さらに当時のマスコミは、「バラマキ」との批判を展開していた、国民への直接交付を毛嫌いする財務省のシナリオどおりに動いていたフシもある。

 その反省を生かすなら、給付額を上げると同時に金融緩和をセットすることだが、今回は事前の所得制限に走ってしまった。

 今年(2020年)の所得に基づいて「困っているかどうか」を判断しないといけないので、自己申告にしたというが、この制度設計をした者は、当局がいつ今年の所得を把握できるのかわかっているのだろうか。現時点で、昨年(2019年)の所得を当局は把握できていない。要するに、今年の所得が把握できるのは、少なくとも1年以上先だ。

 自己申告制には「虚偽申告が相次ぐのではないか」(与党幹部)との懸念があるので、政府は、証明書類の添付や不正申請に罰則を設ける案も含めて検討する方針だという。

 いつの段階で、当局が所得を把握できるかもわかっていないから、罰則を設けるという筋違いの対応が出てくる。しかも、給付金は非課税措置にするという。

 こういう危機の時には、思いつきの案ばかりが出てくる。原則は、既存の制度や海外の事例を参照することだ。原則を知らないと、今回のような稚拙な制度になる。

「マスク2枚」との関連性

 そもそも、今年の所得を当局が把握するのは1年以上先なので、事前の所得制限はできない。もし所得制限したければ、事後的にならざるを得ない。既存の制度で利用できるのは税制だ。つまり、給付金を非課税措置にしなければ、一時所得になって、事後的な所得制限が可能になる。

 あとは、給付を最速で行う方法さえ考えればいい。

 麻生政権時の定額給付金は地方事務であったために、給付に時間がかかったことは先週の本コラムで書いた。そのときも書いたように、最速の処理方法は政府小切手である。補正予算が通れば、2週間ほどで可能だ。

 これについて、安倍首相が「国民にマスクを2枚配布する」と発表したこととの関連を考えてみよう。

 米ブルームバーグは2日、「アベノミクスからアベノマスクへ マスク配布策が冷笑を買う」とし、「アベノマスク」が日本のツイッターでトレンド1位になったことを紹介した。米FOXニュースも、「エイプリルフールの冗談ではないかと受け止められている」と報道した。

 いずれもマスク配布について冷ややかに報じている。筆者も3日、「マスクと一緒に、10万円政府小切手を送ればいいのに」とツイート(https://twitter.com/YoichiTakahashi/status/1245858252400644096)し、4日の朝日放送「正義のミカタ」でも「2枚のマスクの間に、政府小切手があればよかったのに」と発言したところ、大いに受けた。

「財務省緊縮病」が蔓延している
 かつて危機の対策として、筆者は政府小切手の政策提言を出したことがある。実際に米国などで実施されていたからだ。ところが、ある政府関係者は「全国民に配布するのが実務上困難」と言っていた。

 そこで筆者は、第一次安倍政権のときに全国民へ送付する「ねんきん定期便」を企画して実施した。これは国民の住所確認の役割もある。すでに実施されてから10年もたつので、今なら国民の住所管理も十分にできており、政府小切手を配布できるはずと思っていたが、しかし今回もやはり政府は「全国民には無理」と言っていた。

 そうこうしているうちに、冒頭のように、突然安倍首相が「マスクを全国民に配布する」と言いだした。やはり全国民へ配布できるのだ。

 であれば、補正予算が成立した後に、政府小切手、正確にいえば、記名式政府振出小切手を送付すればいい。記名式政府振出小切手には受取人の名前があるので、誤配達や盗難にあっても記名人以外は銀行で換金できない。というわけで、郵送では危ないという人も心配無用だ。

 いずれにしても、今回の経済対策のシャビーさは、政府与党が財務省の「緊縮病」にかかったみたいだ。この「財務省緊縮病」には強力な感染力があり、財務官僚と話しただけで感染してしまう。政府与党、マスコミ、学者、財界人みんなが感染してしまったようだ。

 筆者は幸いにも抗体があったが、この病は政策を決める主要な人々の間に蔓延しているので、困ったものだ。コロナウイルスよりも財務省緊縮病のほうがこわいかもしれない。

100兆円基金を

 ここで、改めて筆者の経済対策案を述べておこう。いずれも既存の制度を利用したり、海外事例のあるものばかりだ。

 「○○兆円規模」などと数字の大きさを競うのは芸がない。数字は、コロナショックで予想されるGDP減少分を補う有効需要に合わせるので、現段階で正確に予測するのは困難だ。そこで、どんな数字にも対応できる仕組みを考えておくのがいい。

 もともと、筆者の経済対策には基本フレームがあり、そこから導出される具体的な対策を本コラムなどでも述べてきた。この基本フレームは、昨年9月9日の本コラム(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/67075)で披露したものの応用問題だ。

 筆者の提言は「100兆円基金」である。100兆円あれば、かなりの経済ショックに対応できる有効需要を作れる。これには予算総則の改正が必要であるが、そのとき同時に日銀引受も可能にしておけば、財政問題はなくなる。一方、100兆円程度であれば、酷いインフレを心配することもない。

 その中で、時限的な消費減税、現金給付、納税・社会保険料の減免を行えばいい。5%への消費減税なら、全品目軽減税率採用で有効需要15兆円。全国民へ20万円現金給付を政府小切手で行えば、有効需要20兆円。社会保険料の半年免除で、有効需要20兆円。こうした即効性のある対策を打ち出せばいい。

休業補償をケチっているのか?
 筆者には、経済対策のモタモタ感が、政府が「緊急事態宣言」をなかなか打ち出せないこととパラレルになっているように感じる。

 緊急事態宣言を出すと、法的根拠が伴うので、休業補償という話になるはずだ。それをケチって、なかなか緊急事態宣言が出されないように思えるのだ。各都道府県知事や医師会は緊急事態宣言を求めている。

 3月13日に改正された新型インフルエンザ等対策特別措置法の内容を整理しておこう。

 首相が行う緊急事態宣言の要件は、「新型コロナウイルスの全国的かつ急速なまん延により国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼし、又はそのおそれがあるものとして政令で定める要件に該当する事態が発生したと認めるとき」(特措法第32条)。その場合、検疫のための停留施設の使用、医療関係者への医療等の実施の要請等、不要不急の外出の自粛要請、学校、興行場等の使用等制限等の要請等、臨時の医療施設の開設のための土地等の使用、緊急物資の運送等、特定物資の売渡しの要請などの強力な措置ができる。

 首相は緊急事態宣言を行い、総合調整を担うが、実際の要請または指示を発出する権限は、緊急事態宣言が出された区域の都道府県知事にある。ただし、その結果に対するコストは、一定程度国が負担するだろう。

 政府行動計画によると、緊急事態とは「緊急事態措置を講じなければ、医療提供の限界を超えてしまい、国民の生命・健康を保護できず、社会混乱を招くおそれが生じる事態」を示すとされている。

 実は、特措法が改正される直前に、筆者はあるネット番組で「ヒゲの隊長」こと佐藤正久参院議員と対談したが、一刻も早く緊急事態宣言をすべきとの意見で一致した。筆者は特措法が施行された3月14日か、厚労省情報が大阪などに伝えられた16日か、コロナ専門家会合があった19日のどこかで緊急事態宣言を出すべきだったと考えている。

感染爆発してからでは遅い

 政府では、感染症予測モデルの予測結果はどこまで共有されているのだろうか。政府高官は現状を「ギリギリ」と表現するが、そうであれば予測が上振れしたらオーバーシュートすると考えられるので、緊急事態宣言を出しておかないといけない。法律では、「おそれ」と書いているが、現実にそうなってからでは遅い。


 筆者が本コラムで毎週出している上の図のようなデータは、トランプ大統領の会見のときにも出されていた。これを虚心坦懐に読めば、上振れしたら、もうオーバーシュートになる。今でさえ緊急事態宣言は遅すぎるという状況だ。

髙橋 洋一(経済学者)

【私の論評】緊縮病が亢進し、認知症になった財務官僚に日本経済は救えず破壊するだけ(゚д゚)!

このブログでも何度か紹介したように、各種統計によれば、コロナ禍以前に、昨年10月の消費増税が日本経済を悪化させていることが明らかでした。結局、昨年10-12月の日本経済は「かなり悪かった」という結果でした。

2019年10-12月期のGDP(1次速報)の公表は2月17日でしたが、案の定2019 年 10-12 月期のGDP成長率(季節調整済前期比)は、実質は▲1.6%(年率▲6.3%)と 5 四半期ぶりのマイナス成長となりました。 名目は▲1.2%(年率▲4.9%)となりました。

2次速報値では、さらに下方修正されて、実質GDP成長率は前期比年率▲7.1%に第1次速報値同▲6.3%から下方修正されました。民間設備投資は法人企業統計を受け前期比▲4.6%に同▲3.7%から下方修正。個人消費は前期比で0.1ポイント上方修正、公共投資は0.4ポイント下方修正されました。

10月の消費増税は、ボイント還元なる制度等を導入したりしましたが、これらは全く効果はなく、大失敗という結果でした。

その前に補正予算は成立しているので、政府としても手を打っていたとはいえました。しかし、本来であれば昨年の臨時国会で補正予算を成立させておくべきでした。これは与党だけでなく、「桜を見る会」などに国会の議論を費やした野党の責任もあります。

消費増税は8%から10%に上がったので、おおよそ5.6兆円の有効需要を奪う計算になりました。軽減税率で1兆円、ポイント還元で0.3兆円程度戻すので、ネットでみれば4兆円強です。補正予算はそれと同規模なので、マクロ的には増税分を吐き出したともいえますが、タイミングが遅れたため、それだけでは不十分でした。

しかも昨年の消費増税は、世界経済が(1)米中貿易戦争、(2)ブレグジット、(3)ホルムズ海峡リスク、(4)日韓問題の要因で地合の悪いなか行われたので、2%増税でも3%増税した2014年と同程度の悪影響が予め予想されていました。となれば、東京五輪が終わった後、秋口に再び補正予算が必要になる可能性がかなり大きい状況でした。

この状況だと、財務省の「緊縮病」が気になるところでした。それは、1月17日に公表されたばかりの、内閣府「中長期の経済財政試算」にも垣間見えていました(https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2020/0117/shiryo_03-3.pdf)。

政府は国・地方の基礎的財政収支(PB)を2025年度に黒字転換する目標を掲げましたが、この資料では、実現がさらに厳しくなったと強調されていまし。試算の成長実現ケースで、2025年度のPBは3.6兆円の赤字。昨年7月時点の試算(2.3兆円の赤字)より悪化したとし、麻生太郎財務相も、17日の閣議後の記者会見で「歳出改革の取り組みをさらに進めなければならない」と語りました。

しかしそもそも、なぜPBを黒字化させなければいけないのか、目標を決めた政府もその理由がわかっているとは思えません。

日本政府のバランスシートをご覧になれば、債務だけを気にするのではなく、資産も考慮すべきであることをこのブログでは何度か主張してきました。そうすると、日本政府の財政状況は悪くはなく、欧米よりも良いくらいです。

それどころか、日銀も含む日本政府のバランスシート、でみれば、2018年度あたりに、黒字になっており、日本政府の財政は、世界でもトップクラスの良さです。

日本政府は世界でも有数の資産を持っています。ただし、それが財務省が特別予算などの複雑怪奇な方法を用いて、隠匿しているのです。統計資料では、どのような隠蔽の仕方をしているか細部まではわかりませんが、資産が計上されているので、それらは確かに存在していることがわかります。

この状況が、今年のはじめの状況で、そこに日本にコロナ禍が襲ったわけです。消費税の大失敗と、コロナ禍のダブルパンチで、日本経済は坂道を転がり落ちるように悪化するのは目に見えています。

ところが、財務省自身が、日本の財政状況は危機的状況にないことを公表しています。

下記引用は、財務省が過去に発表した外国の格付け会社への意見書です。現在も、財務省のホームページで見ることができます。

下記は財務省のホームページからの引用です。
外国格付け会社宛意見書要旨 
 貴社による日本国債の格付けについては、当方としては日本経済の強固なファンダメンタルズを考えると既に低過ぎ、更なる格下げは根拠を欠くと考えている。
貴社の格付け判定は、従来より定性的な説明が大宗である一方、客観的な基準を欠き、これは、格付けの信頼性にも関わる大きな問題と考えている。
 従って、以下の諸点に関し、貴社の考え方を具体的・定量的に明らかにされたい。
  
(1)日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない。デフォルトとして如何なる事態を想定しているのか。
 
(2)格付けは財政状態のみならず、広い経済全体の文脈、特に経済のファンダメンタルズを考慮し、総合的に判断されるべきである。
 例えば、以下の要素をどのように評価しているのか。
・マクロ的に見れば、日本は世界最大の貯蓄超過国
・その結果、国債はほとんど国内で極めて低金利で安定的に消化されている
・日本は世界最大の経常黒字国、債権国であり、外貨準備も世界最高
にもかかわらず、財務省は緊縮路線を崩そうとしません。もう30年以上も緊縮を貫いてきたので、彼らは緊縮病が亢進し、認知症になったとしか思えません。

それにしても、財務省だけではなく緊縮といえば日本人の大部分は大好きなようです「もったいない」の精神です。これらが、多くの政治家や、マスコミや識者まで、財務省の緊縮路線に迎合する理由なのかもしれません。

緊縮した脳(右)は正常な脳に比べ「隙間」が多い(MRI画像)

ところが、一個人の財産と国家の財政とはまるで違います。本来政府に借金が全くない状態というのは、決して良い状態ではありません。それは、政府が何もしていないことを意味するからです。

日本政府の資産状況をバランスシートでみると、借金などあまりないことがはっきりします。それは、過去の政府があまりにも仕事をしてこなかったことの証左であり、実際ここ30年で、日本のインフラはかなり老朽化し、政府が有効需要を作り出す政策をとってこなかったので、日本のGDPの伸び率は今でも韓国よりも低い有様です。

せっかくの低金利(国債はマイナス金利傾向)なのですから、上の記事で高橋洋一氏が主張するように、マイナス金利の国債を大量発行し100兆基金を儲けて、政府は発行益で儲けて消費税減税や、コロナ対策、さらには昨年も発生した自然災害への対応や、古くなったインフラ整備に用いれば良いのです。

もう財務省は、日本経済を良くするどころか、破滅させるだけです。安倍政権としては、次の選挙で、消費税減税、新たなコロナウイルス対策を公約に掲げて勝利していただきたいものです。大勝利すれば、財務省の緊縮脳官僚も従わざるを得ないでしょう。

それと、安倍政権ならびにその後継政権は、すでに日本にとって必要のない財務省を破壊していただきたものです。100年かけても、日本のために破壊すべきです。本当に今回のコロナ対応のお粗末さで、愛想がつきました。

2020年3月12日木曜日

「特措法」改正で野党の微妙な立場 緊急事態宣言に「改憲」への懸念も 民主党時代の法律否定もできず ―【私の論評】安倍総理が主張するように、いますぐ「緊急事態宣言」を出す必要はない(゚д゚)!

高橋洋一 日本の解き方

左から立憲民主党・枝野幸男代表、福山哲郎幹事長
新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正案は最速で13日にも成立する見通しとなっている。今回の新型コロナウイルスを対象に加える法改正によって、何ができるのか。「緊急事態宣言」について懸念する声もあるが、どのような問題があるのだろうか。

 新型インフル特措法は、民主党政権下の2012年に制定された。同法32条により、内閣総理大臣は「新型インフルエンザ等緊急事態宣言」を行うものとしている。

 今回の場合でも、安倍晋三首相は「新型コロナウイルス緊急事態宣言」を行うことができるようになる。また、現在、事実上政府より行われている外出自粛要請や興行場、催物等の制限等の要請・指示についても法的根拠となる。生活関連物資等の価格の安定(国民生活安定緊急措置法等の的確な運用)も規定されており、マスクに関する政府措置の法的根拠にもなる。

 さらに、政府関係金融機関等による融資が規定され、国や都道府県による費用の負担のほか、損失補償や損害補償等の財政負担についても規定されている。これらは今回の新型コロナウイルスの場合にも適用される。

 ただし、財政措置については、現行法は医療関係に限定されているので、改正法案では学校休校などに伴う補償措置なども盛り込まれるだろう。

 新型インフル特措法は民主党政権で成立したものだが、個人の自由や権利の制限につながる恐れもあることから、日本弁護士連合会や日本ペンクラブは反対していた。当時、野党だった自民党ですら、恣意的な緊急事態宣言への懸念を表していた。

 ところが、今回は攻守所を変えて、与党の自民党が攻めている。興味深いのが、自民党は憲法改正において緊急事態条項を掲げていることだ。緊急事態宣言と緊急事態条項は名称は似ているが、前者は法律事項、後者は憲法事項という違いがある。

 ほとんどの国の憲法には、緊急事態条項がある。ワイマール憲法での緊急事態条項がナチス政権の暴走を招いたとされるドイツでも、戦後ナチス再来を防ぐために、緊急命令権をなしとするなど工夫して緊急事態条項をドイツ連邦共和国基本法(憲法)中に規定した。しかし、今の日本国憲法にはそもそも緊急事態条項がないため、自民党では憲法改正によって盛り込もうとしている。

 もっとも、憲法の範囲内で国民の権利制限が可能となる例として、災害対策基本法、国民生活安定緊急措置法、新型インフルエンザ等対策特別措置法などがある。

 そこで自民党は、憲法の範囲内で緊急事態宣言を行おうとして、新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正という「変化球」を投げ込んできた。

 しかし、これは、野党にとっては憲法改正への一里塚に見える。野党としては、憲法改正への機運が盛り上がると困る。かといって、民主党時代の法律を否定もできないという微妙な立場になる。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】安倍総理が主張するように、いますぐ「緊急事態宣言」を出す必要はない(゚д゚)!

新型コロナウイルスの感染拡大に備え「緊急事態宣言」を可能にする新型インフルエンザ等対策特別措置法改正案は12日、衆院本会議で賛成多数で可決され、衆院を通過しました。自民、公明の与党に加え、立憲民主党、国民民主党などの野党も賛成した。13日の参院本会議で成立する見通しです。

緊急事態宣言といえば、すでに北海道ではだされています。しかし、留意すべきは、北海道の緊急事態宣言には法的根拠がないことです。あくまでも自主的な呼びかけに過ぎず、国民(北海道民)や企業に対する強制力はありません。

一方、法整備が検討されている新型インフルエンザ対策特別措置法の改正案に基づく緊急事態宣言には、強制力があり、その前提の違いを正しく認識する必要があります。すなわち、法律に基づく「緊急事態宣言」では、自粛ではなく強制的な企業活動の縮小・停止、外出の禁止といった事象が発生する可能性があるということになります。

緊急事態宣言の流れを以下に掲載します。


立憲民主党の山尾志桜里衆院議員は12日、同党などでつくる野党統一会派の会合で、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、首相による「緊急事態宣言」を可能とする改正案の採決で反対することを表明しました。同日の衆院本会議で同党は賛成する方針で、山尾氏が造反を宣言した形です。

「緊急事態宣言」をめぐって、野党は、権限行使に一定のハードルを設ける必要があるとして、改正案に「国会による事前承認」(緊急時は事後承認)を明記する修正を求めていました。

ところが、与野党の断続的な協議を経て、立憲や国民民主党は改正案の付帯決議に「国会に事前に報告する」という文言を盛り込むことで妥協。党としては、賛成に回ることを決めました。

 立憲執行部の内実を暴露する山尾議員。指摘された安住国対委員長は背後からニラミつけた。
 =12日12時45分頃、衆院第4控室
この、「緊急事態宣言」を可能にする新型インフルエンザ等対策特別措置法改正案は明日にも成立しそうですが、成立したからといってすぐに「緊急事態宣言」が出されることはないでしょう。

なぜなら、このブログでも昨日示したように、日本はどう考えてみても現時点で深刻な感染国とはいえないからです。

その記事のリンクを以下に掲載します。
イタリア 感染者が1万人超える 新型コロナウイルス―【私の論評】日本は感染国ではない!見通しを示さず客観性に欠けたマスコミ報道が日本の悪いイメージをつくった(゚д゚)!
この記事から一部と、グラフを引用します。
各国の感染者数は、5日現在で、中国本土8万272人▽韓国5621人▽イタリア3089人▽イラン2922人▽その他(クルーズ船)706人▽日本331人▽フランス285人▽ドイツ262人▽スペイン222人▽米国153人▽シンガポール110人▽香港105人なです。 
ワイドショーなどでは、感染者数だけ報道し、結局脅威を煽るようなことになっていますが、これは以前のこのブログの記事でも示したように、もっと客観的に見るべきです。人口の多い国が、感染者が多くなるのは当然のことで、人口の多い国も少ない国も、感染者数だけでみたり、比較するのはあまり意味がありません。 
公衆衛生学では、感染者数を人口10万人あたりでみるのが普通(感染者数➗人口✖10万人)です。そうすると、韓国11・0人▽中国本土5・6人▽イタリア5・1人▽イラン3・6人▽シンガポール1・9人▽香港1・4人▽スペイン0・5人▽フランス0・4人▽ドイツ0・3人▽日本0・3人▽米国0・1人です。 
どちらのデータを見ても、日本が感染国とはいえないです。乱暴ですが、あえてクルーズ船の感染者数を日本に含めたとしても0・8人であり、感染国とはいえないという結論に変わりはないです。はっきりいえば、政府が手をこまねいているうちに、マスコミ報道で日本の悪いイメージができあがったというだけなのです。以下にグラフを掲載します。(以下のグラフの日本には、クルーズ船の感染者は含まれていません)


上で示した数値は、5日現在、グラフは8日現在のものです。少し古いので、日本だけ本日の最新の数値で計算してみます。本日は、日本の感染者数は649人ですから、10万人あたりでは、0.6人です。これでは、どう考えてみても現状で「緊急事態宣言」を出すような状況ではありません。これが、1人、2人と増えた場合、もしくはそこまでいかなくても、急速に増えた場合には「緊急事態宣言」を出すべきでしょう。

実際、国会で、新型コロナウイルスをめぐる現状について、安倍首相は、自治体による外出自粛の指示などが可能となる「緊急事態宣言」を出すような状況ではない、との見解を示していました。

政府は今後、新型コロナウイルスの感染が急速に拡大し、重大な影響が出そうになった場合、「緊急事態宣言」を出して政府や自治体が、外出自粛の指示などの強い措置をとれるようにするため、『新型インフルエンザ等特別措置法』の改正を目指しているのです。

こうした中、参議院予算委員会で野党議員は「すでに緊急事態ではないか」と安倍首相を追及しました。

日本維新の会・松沢成文議員「世界的な蔓延、つまり、パンデミック宣言、もうせざるをえないっていうところまで来てるんですよ。緊急事態だということを、なぜ言えないんですか」

安倍首相「(現状は)緊急にさまざまな対応をしなければいけない事態ではありますが、法的に『緊急事態』であるかどうかということについては、感染のスピードが急速に拡大しているということではまだないわけでございまして」と説明していました。

10万人あたり感染者数から判断すると、まさに安倍総理の考えは正しく、野党の追求は頓珍漢です。野党は、追求しようとするなら、明確なエビデンスにもとづき追求すべきです。過去の「もりかけ桜」も、明確なエビデンスではないもので、追求していましたが、野党はこのようなことばかりを繰り返してきたので、国会でまともに追求することもできないようです。

日本のマスコミも頓珍漢なのですが、政府のほうも10万人あたりの感染者数を開示するなどして、国民に対して客観的な正しい情報を伝えていくべきと思います。

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2020年2月28日金曜日

北海道知事 道民に「緊急事態宣言」 外出控えるよう呼びかけ―【私の論評】デマにまどわされず、不要不急の外出は避け、うがい、手洗い等を励行しよう(゚д゚)!

北海道知事 道民に「緊急事態宣言」 外出控えるよう呼びかけ

北海道の鈴木知事は28日夕方、新型コロナウイルスの感染が道内で広がっているとして、28日から3週間の間、「緊急事態宣言」を出し、道民に向けて、特にこの週末の外出を控えるよう呼びかけました。



道は午後5時半から新型コロナウイルスに関する対策会議を開き、新型コロナウイルスの道内での感染拡大は深刻さを増しているとして「緊急事態宣言」を出しました。

期間は28日から3月19日までの3週間で、特にこの週末は道民に外出を控えるよう呼びかけました。

緊急事態宣言の内容

鈴木知事の名前で公表された緊急事態宣言は、次のような内容になっています。

「新型コロナウイルスの感染を防ぐため、オール北海道で取り組んできましたが、状況はより深刻さを増しています。早期の終息、そして皆さんご自身と大切な人の命と健康を守るため、お願いしたいことがあります。感染の拡大防止のため、この週末は、外出を控えてください。皆様のご理解とご協力を、よろしくお願いします」としています。


知事「まさに今が山場 この週末外出控えて」

鈴木知事は新型コロナウイルスに関する対策本部の会合で「北海道では現在までに63件の感染者が確認されており、感染拡大のスピードを抑える対策が必要になっている。まさに今が山場であり、1日も早く終息させる必要がある」と述べました。

また、「飲食店やスポーツジムなどでの接触の可能性が出てきいるので、週末については基本的には外出を控えてもらいたい」、「子どもたちには外出を控えてもらっており、大人も同じようにすることで、道民一丸となってこの週末、取り組みを進めていきたい。極めて深刻な状況であると認識し、行動してもらうようご協力をお願いしたい」と述べました。

知事「地域間での感染拡大のおそれ」

鈴木知事は対策本部の会合の後、臨時の記者会見を開き、北海道内の住民にこの週末の外出を控えるよう呼びかける「緊急事態宣言」を出したことを改めて説明しました。

そのうえで「きのう、集団感染の疑いがある6人が北見市で開催された展示会に参加していたことが判明し、札幌市からの参加者も確認されている。地域間での感染拡大のおそれが出てきている」と述べました。

また「緊急事態宣言を出したことを受けて、安倍総理大臣に日本で感染者が最も多い北海道の実情を直接伝える緊急の要望をしたい」と述べました。

さらに「北海道は全国で最も感染者が多く、今後は感染拡大防止のモデルを作り、国と一緒になって取り組んでいく」と述べました。

知事「観光客も行程変更を」

また道内を訪れる観光客に対しては「人がたくさんいる場所について行程を変更するなど、適切に判断してもらいたい」と述べました。

そのうえで「北海道は世界からすばらしいところだと認識され、観光客も多い。だからこそ早く終息させたい。あらゆる資源を投入し、全力で感染拡大の防止に取り組まなければならない」と述べました。

主な交通機関は通常どおり運行の見通し

北海道の主な交通機関は今のところ通常どおり運行される見通しです。

このうちJR北海道は「列車はビジネスなど様々な理由で利用する人がいて外出せざるを得ない人もいる。公共交通機関として列車を間引き運転するなどの対応は今のところ考えていない」として、週末も通常どおりのダイヤで運転する予定だとしています。

また全日空と日本航空も、週末に北海道を発着する便について、今のところ通常どおり運航する予定だということです。

4人感染確認の旭川市では…

旭川市では28日までに飲食店の経営者や保育士など4人が新型コロナウイルスに感染しているのが確認されています。

鈴木知事が「緊急事態宣言」を出したことについてJR旭川駅前を歩いていた、60代のアルバイト従業員の女性は「感染が広がっているので、緊急事態宣言を出すことはいいと思う。ただ、宣言を出すだけでなく、しっかりサポートもしてほしい」と話していました。

小売店 営業時間短縮の動きも

北海道の小売り各社の中には営業時間を短縮する動きがある一方で、通常どおり営業するところもあります。

このうち札幌市中央区のデパート「さっぽろ東急百貨店」は3月1日から18日までの間、開店を朝10時半と30分遅くするほか、閉店も午後7時半と30分早める方針です。

一方、「イオン北海道」は「道民の食生活を支える」として、週末は通常どおり営業する予定だとしています。

専門家「一定の効果 外出は必要最小限に」

感染症の予防対策に詳しい東北医科薬科大学の賀来満夫 特任教授は「今は非常に大事な時期なので、娯楽などで人の動きが活発になる週末に外出を控えることは、感染を抑制する観点から一定の効果があると考えられる。買い物や薬の補充などやむにやまれぬ理由で外出しなければならない場合は、外に出る人を1人に絞り、短時間ですますなど外出の機会、時間を必要最小限にしてほしい」と話しています。

【私の論評】デマにまどわされず、不要不急の外出は避け、うがい、手洗い等を励行しよう(゚д゚)!

私が現在住んでいるのは、札幌市です。北海道の感染状況は深刻です。愛別町で感染者が出たのは、私自身もショックでした。あの町、随分前に訪れたことがありますが、本当にのどかな田舎なのに、「なぜ?」と思ってしまいました。

あの町で感染者がでたのですから、いつどこで感染してもおかしくない状況だと思いました。この状況をみて、私は、行動を変えました。それまでは、外出時にマスクはしていたのですが、それ以外に医療用のゴーグルをつけるようにしました。

マスクに関しては、新型コロナウイルスが流行る前から、冬には外出時にいつもしていました。特に冬は、うがい、手洗いも励行していたので、そのおかげでしょうか20年近く風邪やインフルエンザにかかったことはありません。

少し前に、町内会の集まりがあるとされていて、それは明日土曜日に予定されていましたが、町内会長に中止を具申しました。これを中止しの運びとりました。

2月19日、北海道では道内3番目の感染者となる40代男性(Dさん)が「市中感染の疑いが高い」と発表されました。いつどこで感染したか把握できない状況を、「市中感染」と呼びます。

北海道と札幌市は28日、10歳未満の男児を含む計12人が新たに新型コロナウイルスに感染していたと発表しました。北海道で感染が確認されたのは66人となりましたた。(2月28日現在)。

このうち6人は、オホーツク海側の北見市で、今月中旬、生活関連用品の展示会に参加していました。6人のうち3人は食事をともにしていたとされています。北海道は感染者の集団「クラスター」が発生したものとみています。

生活関連用品の展示会があった「北見綜合卸センター」

釧路、旭川、苫小牧、そして札幌。ただでさえ広い道内で、まったく接点の見出せない感染者が増加しており、『調べようがない』と、北海道庁は頭を抱えています。ただ、札幌の『雪まつり』で、北海道内外に感染が広がったのは事実です。

1月31日から2月11日まで開催されていた雪まつりには、大勢の中国人が来ていました。湖北省の団体旅行客も入国していたことがわかり、このなかに感染者がいた可能性は否定できません。(札幌市役所関係者)

2月21日、中富良野町に住む小学生兄弟の感染が確認されました。北海道庁の聞き取り調査によると、二人は父母とともに会期後半の雪まつりを訪れていたといいます。

市中感染が疑われるDさんは、大手広告代理店の系列会社に勤め、雪まつり期間中は本部ブースにも詰めていました。

このブースで接触していたと見られる人は約130人。とはいえ、不特定多数が集まる会場ですので、全員と連絡が取れるかはわかりません。

雪まつりを訪れた道外の感染者も増えてきて、いくら調べてもキリがないです。実は、調査自体も徐々に難しくなってきています。

行動履歴を詳細に教えてくれない濃厚接触者がいますし、雪まつりの実行委員会もマイナスイメージになることを恐れています。

それでも、北海道内で本格的な流行を避けるためには調べ続けるしかないのです。

北海道の感染率が高いのは、北海道の特殊事情によるところが大きいとみられてます。観光庁の2018年調査によると、中国人旅行者の道内での宿泊者数は1~2月、延べ約60万人で、首位の東京都(約70万人)に肉薄しています。今年1~2月に開かれ、202万人が訪れた「さっぽろ雪まつり」では、スタッフ2人が感染したほか、道内外の複数の感染者が発症前に訪れたとされています。

会場は屋外のため感染リスクは高くないはずですが、札幌医大の横田伸一教授(微生物学)は「ホテルやレストラン、観光施設で感染が広がった可能性は否定できない」と語っています。寒さの厳しい北海道では、建物の気密性が高く、地下道が張り巡らされていることが感染リスクを高めたとの指摘もあります。

政府の専門家会議のメンバーで東北大の押谷仁教授は「当初は中国人中心だったが、現在は日本人の間で『クラスター』と呼ばれる患者の集団発生が複数起きていると考えられる。感染拡大を食い止めるには疫学調査を徹底し、クラスターを封じ込めるしかない」と話しています。

さて、今週週末は北海道の方々は、不要不急の外出はやめるべきです。北海道以外の方々もそうすべきだと思います。

それと、もう一つ気をつけなければならないのはデマです。石狩管内の50代女性は2月下旬、無料通信アプリ「LINE(ライン)」で複数の知人から、ほぼ同じ内容のメッセージが届いたそうです。

文面は、中国湖北省武漢市で活動した医療関係者の情報とした上で「武漢ウイルスは耐熱性がなく、26―27度の温度で死にます。そのため、お湯をたくさん飲む、お湯を飲ませれば予防できる」などと書かれていました。

北大人獣共通感染症リサーチセンターの高田礼人(あやと)教授(ウイルス学)は「全く根拠がありません。人間の体温は通常、36度前後。仮にウイルスが27度で死滅するなら、症状が出ることはありません。お湯を飲んだとしてもウイルスは鼻の奥や肺でも増えるため、意味はありません」と否定しました。


LINEの文面には「冷たい水、特に氷水を飲まないでください」との呼び掛けもありました。高田教授は「冷たい飲み物が体温を下げてしまうことはありますが、飲むことでウイルスが増えることはありません」と説明。その上で、「喉には体内に入ったウイルスを押し出す機能があり、乾燥するとその機能が弱まります。風邪などの一般的な感染症と同じく、喉を潤したり室内の適度な湿度を保つことは一定の予防効果があります」と助言しました。

この類のデマはこれからも出回る可能性もあります。テレビなどでも、煽り報道もあります。このようなデマや煽りに惑わされることなく、手洗い、マスク、うがいなどを励行して、感染を防ぎましょう。

終息宣言が出るその時まで、ウイルスとの闘いは終わりません。

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