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2020年3月23日月曜日

東京五輪「中止」は回避 安倍首相とIOCの利害一致 「延期」容認に入念にすりあわせ―【私の論評】今こそ、オリンピックを開催しても経済が悪化した英国の大失敗に学べ(゚д゚)!

東京五輪「中止」は回避 安倍首相とIOCの利害一致 「延期」容認に入念にすりあわせ

IOCバッハ会長(左)と安倍総理(右)

安倍晋三首相は23日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、7月の東京五輪の開催延期を容認する考えを初めて示した。首相が先進7カ国(G7)首脳による16日の緊急テレビ電話会議で、五輪を「完全な形で実施したい」と語ったことを受け、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が柔軟な姿勢に転じたとみられる。首相もIOCも「中止」の判断だけは避けたかったようで、22日には大会組織委員会の森喜朗会長を挟み、入念なすりあわせが行われた。

 「トランプ米大統領をはじめ、G7の首脳も私の判断を支持してくれると考えている。判断を行うのはIOCだが、中止が選択肢にない点はIOCも同様だ」

 首相は23日の参院予算委員会で、IOCが4週間以内に延期も含めて検討を進めることに理解を示しつつ、東京五輪そのものが「中止」とはならないことを強調した。

 中止となれば、これまでの準備の多くが水泡に帰すばかりでなく、日本経済に及ぼす悪影響は「延期」の比ではない。IOC側も五輪開催が1回分吹き飛べば、スポンサー料など収入面で甚大な被害を受ける。

 首相は、G7首脳に「人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証し」として、規模縮小や無観客ではなく「完全な形で実施したい」と根回しし、「中止」の選択肢を消すことに努めた。大会組織委幹部は「首相のG7での振る舞いを見て、利害の一致したIOCが延期を含めた検討を始めた」と解説する。

 「好都合だった」と森氏も振り返る。これまでは、感染がどう広がるか分からない現状で、早々と結論を決めるのは得策でないとして、決断を5月下旬頃まで先送りする案もあった。

 しかし、新型コロナウイルスの感染拡大は、世界中で日を追うごとに深刻化していた。連日のように各国・地域の国内オリンピック委員会(NOC)や競技団体、現役アスリートらが声を上げ、組織委への風当たりは強まっていた。

 森氏は23日の記者会見で「われわれもIOCと話を合わせたいと、月曜日(23日)から(電話会議を)やろうと思っていた。(開催が)早まり、よかった」と打ち明ける。組織委側がバッハ氏から「延期」という単語を聞いたのは22日が初めてというが、事実上、電話会議が決まった時点で延期の検討は決まっていたのかもしれない。

 森氏は22日、首相や東京都の小池百合子知事らと電話で対応を協議し、特に首相とは3回も連絡を取り合った。首相は、IOC側が延期を決断した際、受け入れる考えも示したという。首相は23日の参院予算委でこう強調した。

 「世界中のアスリートがしっかり練習でき、世界からしっかり参加していただき、アスリートや観客が安心できる形で開催したい」(森本利優、原川貴郎)

【私の論評】今こそ、五輪を開催しても経済が悪化した英国の大失敗に学べ(゚д゚)!

オリンピックの開催は、やはり延期にした方が良いです。たとえ、7月24日までに日本で武漢肺炎が終息したとしても、他国がどうなっているかはわかりません。

以下のグラフをご覧になって下さい。


これは、新型コロナウイルス 第1感染者確認後のグラフです。 3/22時点の感染者数累計は、 日本(1101)、韓国(8897)、イタリア(59138)、イラン(21638)、フランス(15810)、ドイツ(24806)、スペイン(28603)、アメリカ(32582)です。

このグラフでもわかるように、日本は、いまのところ感染の封じ込めに相対的に他国よりも成功しています。このグラフは単純に感染者数の比較をしていますが、日本の場合は人口が1億2千万人ですが、先進国では米国の人口は3億人ですが、その他の先進国は数千万人です。

人口10万人あたりの、感染者数などで比較すれば、韓国、イタリア、フランス、ドイツ、スペインなどは、さらに悲惨な状況であることがわかるでしょう。

これらの国々にすれば、現状ではオリンピックどころではなく、感染症対策で精一杯でしょう。

さらに、日本だって今までは、感染封じ込めに成功してきたようですが、これからはどうなるかはわかりません。

小池百合子東京都知事

新型コロナウイルス対策について東京都の小池百合子知事は、23日の記者会見で「感染の爆発的な増加を避けるためロックダウン(都市封鎖)など強力な措置を取らざるを得ない状況が出てくる可能性がある」と述べています。ネット上ではこれに反応し『東京封鎖』『ロックダウン』という言葉がツイッターのトレンド入りし、さまざな憶測や不安が飛び交いました。

小池知事は封鎖について「何としても避けなければならない」とイベント自粛継続などへ協力を呼び掛けました。ネット上では「封鎖するのは警察?自衛隊?」「山手線も止まるのか」「検問所どれだけ必要なの」「仕事は?給料は??」との声が相次ぎました。映画『踊る大捜査線 THE MOVIE 2』の主人公・織田裕二が発した「レインボーブリッジ封鎖できません!」のセリフを連想して「映画みたいなこと本当に起きるの?」と疑問を抱く人もいました。

飲食店閉鎖などの措置が実施されている海外からは「友達とも自由に会えない状況だけど、みんな頑張ってる。私も頑張ろう!」との反応もありました。相次ぐ新型コロナ関連のニュースに「流行が早く終わったらいいな。明るく笑いながら、何気ない日常を過ごしたいな」と切望する声もありました。

無論、小池百合子知事の「ロックダウン」という言葉は、最悪のシナリオを想定したものですが、それにしても全くあり得ないとはいえません。

運悪く、東京がロックダウンされれば、当然のことながらオリンピックは開催できません。そうした可能性もあるのですから、やはりここは、延期すべきでしょう。

オリンピックを延期とか、中止などというとすぐに経済の落ち込みを心配する人もいますが、日本や米国などの経済規模がかなり大きな国では、オリンピックの経済効果は実はさほどでもありません。それよりも、個人消費を伸ばしたほうがはるかに、経済効果は高いです。

これに関しては、良い事例があります。それは、2012年のロンドンオリンピックです。英国は、オリンピックの直前に付加価値税(日本の消費税に相当)を大幅にあげ、大失敗しています。日本でも、オリンピックの前年である昨年に消費税を上げて大失敗しています。

英国は量的緩和政策で景気が回復基調に入ったにもかかわらず、「付加価値税」の引き上げで消費が落ち込み、再び景気を停滞させてしまいました。 その後、リーマン・ショック時の3.7倍の量的緩和を行っても、英国経済が浮上しなかった教訓を日本も学ぶべきです。

このようなことを主張すると、英国の財政は日本よりも良い状況だったからなどという人もいるかもしれませんが、日本の財政は負債のみでなく、資産にも注目すれば、さほどではないどころか、英国よりもはるかに良い状況にあります。

英国は、日本よりは経済規模が小さいですが、それでも経済対策を間違えば、オリンピックなど開催しても景気は落ちこんだのです。

オリンピックを開催すれば、経済効果は大きいですが、かといって経済対策の間違いを補えるほどかといえば、そうではないのです。英国よりも経済規模が大きい日本ではなおさらです。

私は、もともとさほど大きくはない経済効果を期待して、オリンピックを無理に開催する必要性などないと思います。そのようなことをするよりも、オリンピックは延期して、消費税減税、給付金対策、無論追加の金融緩和をするなどのことをして、経済を浮揚させてから、オリンピックを開催すべきです。

武漢肺炎で、経済が破壊されてとんでもないことになるのではないかと心配する人もいるようですが、まともな経済政策をしている国において、大規模な災害や、伝染病等で経済が一時かなり悪化しても、災害や伝染病が終息した後はかなりの勢いで消費等が伸びて、回復します。これについては、このブログでも香港の事例をあげたことがあります。

詳細は、当該記事をご覧になって下さい。以下にグラフだけ引用しておきます。


戦争の場合もいっとき景気は落ち込みまずか、それでもその後ものすごい勢いで経済が伸びることは、私達日本人が経験しているところです。これについても、当該記事に書きましたので是非ご覧になってください。

現状では、オリンピックは延期して、ロンドンオリンピックの失敗に学び、上げてしまった消費税を減税して、一人あたり10万円くらいの給付などを行い、日銀も異次元緩和のスタンに戻り、オリンピックが開催するときには、日本経済が大きく回復する状況ををつく出すのがベストです。

誰もが、先行きにあまり不安を感じない状態で、平和の祭典を開催するのが、日本にとっても世界にとってもベストだと思います。

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2020年3月3日火曜日

日本経済「コロナ恐慌」回避への“劇薬政策”投入あるか 日銀談話の影響は限定的 識者「10兆円補正」「消費減税」提案―【私の論評】コロナ対策で安倍総理がフリーハンドで経済対策に打ち込める状況が整いつつある(゚д゚)!


アベノミクスで長期政権を維持してきた安倍晋三首相の正念場だ

新型コロナウイルスの感染拡大による世界経済への打撃は深刻度を増している。発生源の中国では景気指標が過去最悪を記録、イベント自粛や一斉休校など非常態勢の日本も消費の大幅な落ち込みは避けられない。迫りくる「コロナ恐慌」を回避するためには、「消費税の事実上の減税」や「マイナス金利を活用した緊急融資」など劇薬政策を投入するしかない。


中国の2月の景況感を示す製造業購買担当者指数(PMI)は35・7と節目の50を大きく下回り、記録が確認できる2005年1月以降で過去最悪。リーマン・ショック直後の08年11月の38・8よりひどい水準だ。

韓国やイタリアでも大規模感染し、米国でも初の死者が出た。米調査会社ムーディーズ・アナリティクスは世界経済が今年前半に景気後退に入る可能性があるとみる。

日本も政府の要請で全国的なイベントの中止や延期を余儀なくされている。観光やサービス、小売が低迷、企業業績の下方修正も続出するとみられ、昨年10~12月期の実質国内総生産(GDP)はマイナス成長となったが、今年1~3月期も上向きの要因はない。

政府がとるべき対応策として上武大教授の田中秀臣氏は、「まず20年度の本予算をすぐ通し、3月末ないし来年度初めまでに最低でも6兆円、できれば10兆円の第2次補正予算を猛烈な勢いで通すべきだ」と主張する。

具体的手段として「クーポン券などの配布や社会保険料の減免、臨時で所得税の大幅減税などの案もある」と提案する。

「消費税の軽減税率を全品目に拡大すべきだ」と強調するのは元内閣参事官で嘉悦大教授の高橋洋一氏。昨年10月に消費税率が10%に引き上げられた際、酒類や外食を除く飲食料品は軽減税率の対象となり、税率は8%に据え置かれた。これを全品目に拡大すれば、事実上の2%減税となる。

大和総研は、個人消費が2~5月の4カ月間で3兆8000億円程度減ると試算している。

高橋氏は「全品目軽減税率を導入すれば年率換算で5兆円弱の可処分所得を増やすことができる。2~5月で3兆8000億円の消費減少は年率換算では1・3兆円程度相当なので十分カバーできる」と語る。

制度導入は「今ある制度の枠内なので、法改正も簡明だ。トイレットペーパーの買い占めなど、デマに伴う不合理な購買が収まった後に政策を発動すべきだが、国会開会中の5月に改正案を通して、キャッシュレス決済によるポイント還元事業が切れる6月30日からのスタートもありうる」と指摘する。

日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁は2日、「適切な金融市場調節や資産買い入れの実施を通じて、潤沢な資金供給と金融市場の安定確保に努めていく」とする緊急談話を出した。

黒田日銀総裁

株式市場は好反応だったが、前出の田中氏は「談話は国民向けではなく、短期金融市場でやり取りする銀行や証券など狭い市場向けだ。本来は臨時の金融政策決定会合を開き、早急に対応を決めるべきだ」と冷ややかだ。

高橋氏も「談話はさほど強い意味はない。できることも限られるだろう」とした上で、「この際、『マイナス金利緊急融資制度』を作るほうが、より効果的だ」と提言する。

日銀は14年から短期金利の目標をマイナス0・1%とする政策を導入している。

マイナス金利下で政府が国債を発行して資金調達する際、金融機関が額面価格と利払い比の合計よりも高い額で入札するケースが多く、浮いた分が国の“儲け”になっている。

高橋氏は「政府はマイナス金利で資金調達可能という利点を生かして、政府系金融機関を通じてマイナス金利で企業に融資することが可能だ。財政投融資の仕組みを生かせば、国に損はないので法改正がなくても導入できる」と解説する。

マイナス金利融資となると、利息を払うどころか、借金すればするだけ儲かるという前代未聞の状態となる。企業としてはいくらでも借りたいところだが、そんなうまい話があるのか。

「民間銀行は当然、民業圧迫だと反対するだろうし、財務省もやりたがらないはずだ。だが、新型コロナウイルスによる経済への打撃は深刻で、現状は非常時といえ、国の儲けを民間に還元しても問題はないはずだ。融資に上限を設けたり、ある程度業種を絞ることで、国民の理解を得られるのではないか」と高橋氏。

異次元の金融緩和を軸としたアベノミクスから約7年。新たな異次元政策が必要なときだ。

【私の論評】コロナ対策で安倍総理がフリーハンドで経済対策に打ち込める状況が整いつつある(゚д゚)!

安倍晋三首相は1月28日午前、衆院予算委員会で、玄葉光一郎委員(立国社)の質問に答えて、新型コロナウイルスの内外での感染拡大による日本経済への影響について、予備費もあり、直ちに予算が不足することはないとの認識を示し、事態の推移を注視する考えを示した。その上で、日本経済に大きな下振れリスクが生じないよう、「必要なら思い切った対策をしていきたい」と語りました。

まさに、今は危急存亡の時です。すぐにでも、できる経済対策を実行、さらに時間のかかるものもあわせて、2重、3重の構えで、できることは全部実行していただきたいものです。もしそれで景気が加熱したとしても、どうにでもできます。まずは、加熱させることが重要です。

安倍晋三首相は2月29日の夕方、緊急の記者会見を開き、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けた政府の取り組みなどを説明しました。



2月27日夕に、全国の小中高校に対して3月2日から春休みまで臨時休校するよう要請したことについて、
何よりも子供たちの健康、安全を第一に、多くの子供たちや教職員が日常的に長時間集まる、そして、同じ空間を共にすることによる感染リスクに備えなければならない。
とし、国民に理解を求めました。

この29日の会見で注目すべきは、「新型コロナ対策」を理由に、「何でもあり」の景気対策に道を開いたことです。

学校の一斉休校に伴って保護者が休職した場合の所得減に、「新しい助成金制度を創設」し、
正規・非正規を問わず、しっかりと手当てしてまいります。
と明言しています。また、
業種に限ることなく雇用調整助成金を活用し、特例的に1月まで遡って支援を実施します」
とも述べました。

さらに、中小・小規模事業者の強力な資金繰り支援なども行うとしました。政府が個人や企業に直接、所得補填するのは政策的には「禁じ手」で、平時ならば「ばら蒔き」との批判を受けかねないです。

今後、制度や法律を作る段階で、どこまでを新型コロナによる影響とするかなど、難題が出てくるでしょうが、それも「非常時」ということで、許容されるのでしょうか。

実のところ、新型コロナ対策を「理由」にできることは、深刻な景気減速に直面しつつあった安倍内閣にとっては、救いの船とも言えるかもしれません。

2019年10-12月期の実質GDP(国内総生産)の成長率は、年率換算でマイナス6.3%と大幅なマイナス成長になりました。前の消費増税直後である2014年4-6月期はマイナス7.1%、東日本大震災の影響が出た2011年1-3月期はマイナス6.9%だったので、これに次ぐ激震に見舞われたことになります。


もちろんこの段階では新型コロナの影響はあまり出ていません。2019年10月からの消費増税に伴う家計消費支出の大幅な減少が響いたのです。

そうでなくても弱い国内消費が、消費増税によって一気に悪化した格好になったのです。

そこに、さらに新型コロナによる経済停滞が加われば、国内消費は「底が抜ける」のは明らかです。消費を下支えする「唯一の期待」だったインバウンド消費が激減することは火を見るよりも明らかです。

たとえば、日本百貨店協会が発表した1月の全国百貨店売上高は、前年同月比3.1%の減少となりましたが、それでも春節による中国人訪日旅行客の増加で、免税売上高は20.9%も増加したのです。1月の全体の売上高は4703億円で、そのうち免税売上高が316億円なので、6.7%を占めたことになります。もちろん免税対象品以外も買われているので、インバウンド消費の効果は大きいです。

逆に言えば、免税売上高が2割も増える中で、全体は3.1%も減ったわけで、昨年10月の増税から4カ月たってもいかに国内消費が弱いかということが分かります。

また、春節期間(1月24日〜30日)の免税売上高は2ケタのマイナスだった百貨店が目立ったと報道されましたが、それでも1月全体のインバウンド依存は大きかったわけです。何しろ、1月の中国からの訪日旅行客は92万4800人と、前年同月に比べて22.6%も増えています。

ちなみに、春節後の2月1日まで、日本政府が武漢を含む湖北省などからの旅行者受け入れを停止せず、その後も中国からの旅行者を規制していないことにも批判が集中しています。

しかし、仮に春節前に中国からの旅行客をブロックしていたら、消費は目も当てられない悪化ぶりになっていたことは容易に想像が付きます。

なお、昨年は2月に春節があったので、対前年同月比では2月のインバウンド消費が落ち込むのはもちろん、これに新型コロナ問題が加わったことで激減することになりました。百貨店大手4社が3月2日に発表した2月の売上高速報は、大丸松坂屋百貨店が21.8%減、三越伊勢丹が15.3%減など、軒並み2ケタのマイナスになりました。

また、様々な行事が中止になっている3月は、訪日客が激減していることもあってさらに消費が落ち込む懸念が強いです。

インバウンド消費で最も影響が大きいのは、4月です。ここ数年、中国などアジア各国の人たちの間で、日本の桜を見るツアーが人気を博してきました。4月の訪日客は、実は春節の月よりも多いです。

たとえば2019年の場合、春節の2月は260万人だったが、4月は292万人。多くの国が夏休みの7月(2019年は299万人)に次いで、4月がインバウンドの稼ぎ時なのです。

現状では、4月の旅行計画を組むのは難しいでしょうし、今年の「桜の時期」は例年になく外国人観光客が少なくなるに違いないです。

2019年の訪日外国人旅行消費額は、観光庁の推計によると4兆8113億円。うち36.8%に当たる1兆7718億円が、中国からの旅行者です。まだ訪日客も増えてインバウンド効果もあった今年1月はともかく、2月以降の数値では、確実にインバウンド効果が減少しているはずです。

しかも、いまや訪日客減は中国からだけではなく世界傾向であるため、仮に全体の旅行消費が半減したとすると、2019年実績数値から単純計算すれば、2月からの3カ月間で6000億円の消費が消えることになります。

こうした消費の減少で中小企業の収入が激減し、資金繰りが悪化した場合、政府がそれを支援する、というのが今回の会見で安倍首相が示した方針です。これを融資で支援するのであれば通常の危機対応でもあるので、それほどの混乱はないかもしれないです。

しかし、収入の減少や雇用の確保に向けた人件費の負担を政府が行うことになれば、その財政負担は大きいです。それでも考えられる限りの支援を安倍首相は行うつもりに違いないです。そうして、それはこのブログで過去に主張してきたように可能です。

経済が猛烈な勢いで縮小しかねない時に政府が財政支出をするのは、伝統的な経済対策です。しかし、土木工事を中心とする公共事業では経済を底上げする力が弱くなってきていることは明らかです。政府の支出額以上に経済効果が大きくなる「乗数効果」、特に短期的な効果は下がっているのです。

経済全体のサービス化が進み、消費がGDPの55%近くを占める中で、土木や建築などの工事に従事する人の数も減り、全国的に消費を押し上げることが難しくなっているのです。

今回、「非常事態」ということで、消費産業や働く個人に直接、国の財政支援が行われる仕組みができれば、予想外に景気下支えの効果を引き出すことができるかもしれないです。

さらに新型コロナが終息した直後からの景気の立ち上げを力強くするためには、本格的な消費支援策を打ち出す必要が出てきます。

もっとも効果があるのは、「消費税の減税」でしょう。消費税だけではなく、所得税等他の税制の減税も充分に考えられます。そうなると、このブロクでも紹介してきたような、米国のトランプ減税のようなことも多いに考えられます。

このブログにも過去に掲載してきたような、減税などの一見「奇抜な案」は実現不可能とみられがちでしたが、「非常時」に乗じれば、安倍政権が実行に移すことも可能になるはずです。

平時であれば、財務省やその走狗達は、徒党を組んで、これらに大反対キャンペーンを展開し、財務省の官僚はご説明資料を持参して、マスコミ、財界、経済学者や民間エコノミストに日参して、緊縮の必要性をとき、増税を繰り返し、マスコミ、財界、エコノミストラがそれに追随しました。現状そのようなことをすれば、批判の的になるのは明らかです。

多くの国民、企業は、コロナ対策で実際に被った損失をなんとかしたいと思うはずで、それに対して財務省が国の借金がどうのこうの、国債は将来世代へのつけという嘘八百を並べ立てても、今回ばかりは共感は得られないでしょう。

まさに、安倍総理がフリーハンドで経済対策に打ち込める状況が整いつつあるのです。今後日本でも、様々な積極財政のあり方が模索されることになるかもしれません。そうして、日本でも機動的な財政政策が実行される契機となるかもしれません。

財務省とその走狗らで気をつけなければならないのは、コロナ対策で景気がコロナ直前の水準に戻った時です。緊縮脳の彼らは、もう戻ったから対策はやめるべきと主張するでしょう。そのとき、彼らの口車にのって経済対策をやめてしまうことです。

コロナ直前は決して良い状況ではなかったのですから、良い状況になるまで、経済対策を続けるべきなのです。

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2019年3月9日土曜日

景気後退…消費増税「回避」待ったなし!? 専門家「4月に判断しないと間に合わない」―【私の論評】ロンドンオリンピック直前に消費税増税した英国の大失敗に学べ(゚д゚)!

景気後退…消費増税「回避」待ったなし!? 専門家「4月に判断しないと間に合わない」

このまま増税すると大変なことになる。安倍総理の決断は?

内閣府7日、1月の景気動向指数(速報値)を発表した。景気の現状を示す一致指数は前月比2・7ポイント低下の97・9で、3カ月連続の悪化となった。世界経済の先行き不安も広がるなか、永田町では、今年10月の消費税率10%への引き上げへの慎重論が目立ってきた。専門家も「楽観視してはいけない。4月に増税回避の判断をしないと間に合わない」と力説した。 

 政府の基調判断は「足踏みを示している」から、数カ月前に景気後退入りした可能性が高いことを示す「下方への局面変化」に下方修正した。同様の表現は14年11月以来、4年2カ月ぶりという。

 やはり、中国経済の減速に伴う輸出不振の影響が大きいという。

 半導体大手のルネサスエレクトロニクスは今春以降、国内の主要6工場で2カ月間、生産を停止する。主な原因は車載半導体の中国向け需要の減少で、在庫調整の狙いがある。

 政府は、景気拡大期が1月で「戦後最長の6年2カ月に達した」との暫定的な見解を示してきたが、疑問符が付く結果となった。

 安倍晋三首相は10月の消費税増税について、「2008年のリーマン・ショックのようなことがない限り」との条件付きで実施する考えを示している。中国だけでなく、欧州経済の先行きにも不安があるなか、政府はどう判断するのか。

 「リフレ派の論客」として知られる上武大学の田中秀臣(ひでとみ)教授は「景気の現状を楽観視して、消費税を増税するシナリオは間違いだ。世界経済の不透明感が増しており、増税すれば日本経済の悪化が顕在化していくことになるだろう。引き上げ率が2%と前回より低く、さまざまな増税対策も取られているが、前回と比べて消費が盛り上がっていない。消費税増税の可能性は半々だろうが、自民党内にも慎重な判断を求める声がある。4月に決断をしなければ間に合わない。夏の参院選で(増税凍結の)信を問うことが手っ取り早いだろう」と語っている。

【私の論評】ロンドンオリンピック直前に消費税増税した英国の大失敗に学べ(゚д゚)!

金融緩和を実施している現在、増税をするということは、車の運転でいえば、アクセルを踏みながら(金融緩和しながら)、ブレーキを踏む(緊縮財政の一手法である増税)を実行するようなもので、非常に矛盾しています。

本来ならば、金融緩和と積極財政を実施し、景気が加熱しインフレ率が上昇した後に、金融引き締めをしたり、緊縮財政を実行して、景気を沈静化させるというのが王道です。

(金融緩和政策+積極財政)もしくは、(金融引き締め+緊縮財政)が、まともなマクロ経済政策であり、金融緩和しつつ緊縮財政であるとか、金融引き締めしつつ積極財政するなどは、邪道以外の何ものでもありません。

そうして、現在はデフレから完璧に脱却していないのですから、(金融緩和+積極財政)をすべきです。積極財政といえば、公共工事、減税、給付金などいくつか方法があります。

古いタイプの政治家は経済対策=公共工事と考える政治家もいるようですが、オリンピックにあわせて公共工事が増えている現状では、公共工事を増やしたとしても、公共工事の供給制約になるだけで、まともな経済対策にならないのは明らかです。

であれば、減税、給付金等の経済対策を実施すべきです。マクロ経済対策の観点からは、増税などとんでもないと言わざるを得ません。

ロンドンオリンピックのビーチバレーの試合

日本では、東京オリンピックの直前に10%の消費税増税を予定していますが、これと似たようなことは以前英国で実施されており見事に失敗しています。

英国でもオリンピック直前に、アクセルを吹かしながらブレーキを同時に踏み込こんだことがありましたが、当然ながら大失敗しました。

英国は2008年9月のリーマン・ショック後、中央銀行であるイングランド銀行が米国を上回る速度でお札を大量に刷り続け、量的緩和政策によって、ポンド安に成功。2010年秋までに景気が回復基調にありました。

ところが、個人の消費意欲を示す「消費者信頼度指数」は、2010年後半から急速に悪化し、皮肉にも五輪聖火リレーが始まるころから再び下落します。

ロンドン五輪の経済効果が出なかった理由は、キャメロン政権が「緊縮財政路線」を決め、「付加価値税率(日本の消費税にあたる)」を17.5%から20%へ引き上げたからです。

2010年5月に発足したキャメロン保守党・自由民主党連立政権は、さっそく付加価値税率17.5%を11年1月から20%に引き上げる緊縮財政政策を決定しました。他にも銀行税を導入するほか、株式などの売却利益税の引き上げ、子供手当など社会福祉関連の予算削減にも踏み切った。他方で法人税率を引き下げ、所得税控除額も12万円程度引き上げ、成長にも多少配慮しました。

こうして国内総生産(GDP)の10%まで膨らんだ財政赤字を15年度までに1.1%まで圧縮する計画でしたが、結果は無残でした。

これは以下のグラフをご覧いたたげれば、ご理解いただけると思います。付加価値税収は11年から激減し、2012年5月までの1年間でも前年同期比でマイナス8.4%減です。個人消費動向を示す消費者信頼指数は09年9月のリーマン・ショック時よりもっと冷え込んでいました。景気の悪化を受けて、所得税収、法人税収とも前年同期比マイナスに落ち込みました。だ政府債務残高のGDP比は11年末で85.7%(10年末79.6%)と増え続けました。


窮余の一策が、中央銀行であるイングランド銀行(BOE)による継続的かつ大量の紙幣の増刷(量的緩和)政策でした。BOEといえば、世界で初めて金(きん)の裏付けのない紙幣を発行し、フランスなどとの戦争費用を政府に提供した中央銀行であり、その大胆さは世界でもずぬけています。

BOEは11年秋から英国債を大量に買い上げ、ポンド札を金融市場に流し込んでいました。BOEはリーマン・ショック後、米連邦準備制度理事会(FRB)に呼応して量的緩和第1弾に踏み切ったのですが、インフレ率が上昇したのでいったんは中断していました。

インフレ率は5%前後まで上昇しましたが、そんなことにかまっていられず、12年5月にはリーマン前の3.7倍にまでマネタリーベース(MB)を増やしました。幸い、インフレ率は需要減退とともに同年5月には2.8%まで下がりました。国債の大量購入政策により、国債利回りも急速に下がっています。ポンドの対米ドル、ユーロ相場も高くならずに推移し、ユーロ危機に伴う輸出産業の競争力低下を防いでいます。

英国のインフレ率

英国のお札大量発行は増税に伴う経済災害を最小限に食い止める大実験なのですが、財政政策面ではブレーキをかけたまま、金融政策でアクセルを踏むわけで、効果ははかばかしくありませんでした。

量的緩和政策を渋る日銀が、今後仮に英国のように政策転換したとしても、脱デフレや景気てこ入れ効果は限られるかもしれません。

自動車など主要企業は国内生産に見切りをつけることになるでしょう。若者の雇用機会は失われ、慢性デフレで細った勤労者の家計はジリ貧になります。税収は減り、財政悪化に加速がかかることになります。

英国は量的緩和政策で景気が回復基調に入ったにもかかわらず、「付加価値税」の引き上げで消費が落ち込み、再び景気を停滞させてしまいました。

その後、リーマン・ショック時の3.7倍の量的緩和を行っても、英国経済が浮上しなかった教訓を日本も学ぶべきです。

このようなことを主張すると、英国の財政は日本よりも良い状況だったからなどという人もいるかもしれませんが、日本の財政は負債のみでなく、資産にも注目すれば、さほどではないどころか、英国よりもはるかに良い状況にあります。

それについては、昨年のIMFのレポートでも裏付けられています。このレポートの内容を掲載した記事を以下の【関連記事】の一番最初に掲載しておきます。

これを知れば、増税など絶対にすべきでないことは明らかです。

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2014年1月7日火曜日

南スーダンPKO、韓国政府はウソの説明していた 韓国軍、物資補給途切れ、弾薬返却も無理―【私の論評】ファンタジーでは危機を回避できないことに、気がつかない韓国!このままでは、政権崩壊、経済崩壊は必定(゚д゚)!

南スーダンPKO、韓国政府はウソの説明していた 韓国軍、物資補給途切れ、弾薬返却も無理

   南スーダンのPKO(国連平和維持活動)で日本の自衛隊から銃弾1万発の無償提供を受けた韓国軍が、およそ1週間にわたって孤立状態に陥っていることが明らかになった。支援された銃弾は、韓国本国からの物資が届き次第返却する方針だったが、それもままならない状態だ。

   また、韓国政府は「追加防御の意味で国連に弾薬の支援を要請」したとして、日本側に直接支援要請したことを否定していたが、これも軌道修正した。韓国政府が、国内世論に配慮する形で事実とは異なる説明をしていたことが裏付けられた形だ。

日本側に直接支援要請したことを認める


趙泰永(チョ・テヨン)韓国外交部報道
   今回の弾薬支援をめぐっては、
「追加防御の意味で国連に弾薬の支援を要請し、国連を通じて支援を受けたというのがすべて」(2013年12月24日、趙泰永(チョ・テヨン)韓国外交部報道官)

「現地で韓国隊隊長から日本隊隊長に対して、弾薬が不足しているとして弾薬の提供について要請があり、その数時間後に国連司令部から日本隊隊長に同趣旨の要請があった」(12月25日、菅義偉官房長官)

といった具合に、日韓の説明が全く食い違っていた。

   この時点でも韓国側の「追加防御」という説明は、かなり無理があったようだ。現地時間12月24日には、韓国軍の駐屯地に迫撃砲2発が着弾。隊員280人にけがはなかったが、一刻も早い物資の補給が必要な状況には変わりない。

   聯合ニュースが12月30日に報じたところによると、韓国国防部のユ・ムボン国際政策次長が、現地の部隊が本国に事前に報告しないままに国連に支援要請していたことを明らかにしている。

「当時、部隊長が状況があまりにも緊迫していると判断したため」
というのがその理由だ。支援要請の具体的な経緯についても、

「状況が急速に悪化し、国連側に問い合わせ、(国連側から)日本と米軍が(支援)可能との回答を受けて日本に先に問い合わせた」
と説明している。事態が切迫していたことと、日本側に直接支援要請したことを認める説明で、説明を軌道修正したといえる。

南スーダンに派兵されたハンビット部隊将兵

   また、尹炳世(ユン・ビョンセ)外相は12月30日の国会答弁で、弾薬は早ければ同日中に現地に到着する見通しを明らかにしていた。日本から支援を受けた弾薬は、国連経由で返却する意向も示していた。速やかに弾薬を返却することで、国内世論の沈静化を図る狙いもあったとみられる。

反政府派が東部の都市を再び制圧

   だが、この見通しは大きく外れることになった。聯合ニュースやSBSによると、弾薬など韓国政府の支援物資は12月27日には南スーダンの首都・ジュバの空港に到着したが、200キロ離れた東部ジョングレイ州の州都ボルにある現地部隊には輸送されないままで、14年1月3日時点では国連に保管されている状態だという。

   朝鮮日報は、韓国軍の合同参謀本部の話として、1月4日になっても物資を輸送するヘリの離陸許可が得られていないことを伝えている。

   ロイター通信が14年1月1日に伝えたところによると、マシャール前副大統領が率いる反政府勢力がボルを再度制圧している。ヘリが飛べないのは、これが原因だ。

   朝鮮日報によると、ヘリには弾薬数万発、医薬品、食糧などが積まれているという。現地には数ヶ月分の食糧は備蓄されており、「隊員は基地内で安全に活動している」というが、危機的な状況が続いていることには変わりはない。

【私の論評】ファンタジーでは危機を回避できないことに、気がつかない韓国!このままでは、政権崩壊、経済崩壊は必定(゚д゚)!

銃弾1万発の無償提供のニュースは、昨年年度末に飛び込んできたニュースですが、その後、韓国側はそんな要請はしていないとか、いろいろな行き違い、特に韓国側が原因とみられる行き違いがみられました。これは、行き違いというよりは、韓国の一方的な事実捻じ曲げが原因だったようです。

結局のところ、韓国国防部のユ・ムボン国際政策次長が、現地の部隊が本国に事前に報告しないままに国連に支援要請していたことを明らかにしているというあたりが事実なのでしょう。

それにしても、現場の軍隊が危急存亡の事態に見舞われているなら、韓国政府としては、どんな事情があるにしても、現場が日本からの支援でも受けたいというなら、それを認めて、支援を受けたのではあれば、どんな理由があったとしても、日本に対して礼はすべきです。

それが、できない韓国政府は、やはり、ファンタジーに基づいて動いているに違いありません。韓国のファンタジーに関しては、以前のこのブログに掲載したことがありますので、その記事のURLを以下に掲載します。
倉山満「朝鮮人を人間扱いしたから大日本帝国は滅びた」―【私の論評】歴史を歪めても劣等感はさらにつのるばかり、今の韓国には正しい歴史観を持ち呪縛から解き放たれ、新たな社会構造を構築するしか道はない!
倉山満氏 
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では憲政学者の倉山満氏の【韓国の三原則】を掲載しました。その三原則を以下に掲載します。
【韓国の三法則】
一、頭の中身がファンタジー
ニ、軍国主義でないと正気が保てない
三、反日を言ってないと親日になってしまう
頭の中身がファンタジーというところは、要するに韓国の歴史観がほとんどが、現実とは無関係で、ファンタジーにもとづいてつくられているということです。史実とは無関係に、自分たちにとって都合の良いファンタジーによって、歴史がつくられているということです。

これに関しては、ありもしない慰安婦強制連行などの歴史を捏造していることからも明らかです。そのような虚構をただ語るだけではなく、アメリカなどの外国にまで慰安婦像をたてるなど、完璧に精神的構造に問題があるのは明らかです。

さて、歴史捏造問題、慰安婦強制連行問題で、韓国のファンタジーは暴露されたのですが、それ以外にも暴露事例があります。たとえば、以下の例です。
戦争なら「北朝鮮に負ける」 韓国軍幹部、弁明も混乱 
 韓国軍幹部が、北朝鮮と戦争になれば「韓国が負ける」と発言し、騒ぎになっている。火消しに乗り出した金寛鎮国防相は「戦争すれば北は滅亡する」と豪語したが、国会での追及に韓国は戦力で北朝鮮に劣るとの矛盾した言葉も口にし、混乱が続いている。 
 5日の国会でチョ・ボグン国防省国防情報本部長(中将)は、南北のどちらが勝つかと問われ「米韓同盟を背に戦えばわれわれが圧勝するが、米軍を除き南北が一対一でやれば負ける」と明言した。 
 米韓は有事作戦統制権を米軍主導の米韓連合軍から韓国軍に2015年末に移管する計画だが、韓国は今年になって移管時期を延期するよう米に要請した。 
 韓国は「米軍なしには北を抑止できないとの不安を抱いている」(外交筋)のが現実で、チョ氏の発言は分析を背景にした“本音”の可能性もある。(共同)
私は、軍事の専門家ではないので、詳しいことはわかりませんが、韓国対北朝鮮となれば、北朝鮮が優位なのではないかと思います。なにしろ、北朝鮮は経済的には、さしたる存在でも何でもありませんが、今では核とミサイルも持っています。本気で戦えば、北朝鮮が通常兵器で負けたにしても、核という最後の切り札があります。この事実は、曲げられません。

いくら、韓国が北朝鮮よりも軍事で勝っていると言い張ったにしても、この現実は変えることができません。しかし、韓国流ファンタジーであれば、この事実は消えてしまうようです。実際、上の記事では、核について、一言も触れられていません。上記の記事のような不毛な論議をしていても仕方ないと思います。北朝鮮の核を前提として、それをどうするのかという論点で話をすべきです。そうして、韓国はロケット打ち上げにも失敗しているという事実を前提として、ではどうするのかというまともな論議が必要です。

韓国ファンタジーを象徴するような話はほかにもあります。その記事のURLを以下に掲載します。
「軍備」もパクリと偽造の韓国 完成しない戦車、沈没する装甲車…
これも、詳細はこの記事をご覧いただくものとして、韓国では、軍備もファンタジーのようです。いつまでたっても、完成しない、自称国産戦車「K2」、沈没する装甲車、首都ソウルを守る対空機関砲72門のうち、49門が偽物とか、あげるときりがないです。

いつまでも完成しない韓国国産K2戦車
このパクリと、偽造がはびこるのも、ファンタジーが原因です。自国の軍備は、自国の技術でまかないたいと思うのは、どこの国でも同じです。他国から輸入した軍備では、ブラックボックス的な部分が必ずあるし、それに国際情勢が変れば、軍備そのものを輸入できないとか、修理ができないとか、付属品や、消耗品の供給がなくなるということも十分考えられるからです。

しかし、軍備に関する技術力のない国は、外国から輸入するしかありません。しかし、韓国も本当はその技術がないのに、あたかもあるかのようなファンタジーを抱いているようです。

このファンタジー気質が、南スーダンにおける、韓国軍の銃弾無償提供問題にもつながっているようです。現場は、切迫しているからこそ、日本に支援を依頼したのでしょうが、韓国政府はそうは思っていないか、そう思っていても、日本に対する面子から、現場はなんともないというファンタジーが生じてしまったようです。


それにしても、自国の軍隊が危急存亡の危機にあるときに、ファンタジーにより現実に対応するようでは、とんでもないことになりかねません。今回は、人命に関する被害などはでていないようですが、このままでは出ても不思議はありません。まあ、韓国政府としては、たとえ甚大な人的被害が出たしても、それをなかったことにするか、軽微な被害であったというファンタジーにつくり変えてしまえば良いので、どうでも良いのかもしれません。後世の歴史にもファンタジーを残せばそれで良いということでしょう。

それにしても、韓国、根源的な安全保障に関する事柄まで、ファンタジーですませようとしているようにも見えます。こんなことで良いのでしょうか?良いはずがありません。いくらファンタジーで物事を解決しようとしても、できないものはできません。

ファンタジーでは、北朝鮮の脅威、経済の崩壊危機を回避できないことに、韓国政府は気づいていないようです。こののままでは、政権崩壊、経済崩壊は必定だと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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