2009年西表島に入港した護衛艦に反対する市民団体 |
十数年前、石垣島に海上自衛隊の艦船が休養のため寄港した。当時の石垣市長はガリガリの反自衛隊で、島全体が冷たい雰囲気だったが、港に集まった記者たちも、のっけからけんか腰だった。
新人だった私がどう記事を書くか迷っていると、他社の先輩が「こう書けばいいよ」と、過去に自衛艦が寄港した際の新聞記事を渡してくれた。「武装した軍艦が平和な島に乱入し、住民を不安に陥れている」というような内容だ。親切な先輩には現在でも感謝しているが、沖縄の記者たちは、このように現場で「成長」していく。
そのころ学校の平和教育で、戦争の悲惨さを強調するだけの授業に疑問を感じた私は「他国の脅威についても教えるべきだ」と指摘する短いコラムを書いた。
すると上司は「戦争体験者たちの心を傷つける気か」と頭ごなしに怒鳴りつけ、原稿はボツ。当時、「中国が尖閣諸島を奪いに来る」などと口にしようものなら極右扱いされた。
そんな石垣島を一変させたのは、皮肉にも当の中国だ。近年、尖閣周辺で傍若無人な領海侵犯を繰り返しているため、石垣島は今や、高校生でさえ堂々と「中国は脅威だ」と発言する時代になった。メディアの「同調圧力」もほぼ消えた。
しかし、沖縄本島では時間が止まったままのようだ。「同調圧力」が怖いのは、長い間さらされ続けていると、他人に植え付けられた先入観で物事を見る癖がついてしまうことだ。沖縄メディアの反基地報道はまるで金太郎飴であり、思考停止に似た危うさを感じる。
本土には「同調圧力」など存在しないと思っていたが、最近の全国紙やテレビを見ると、特に憲法改正や加計学園問題で「反安倍政権」のヒステリックな論調が台頭している。
権力批判はいいのだが、言っていることがどれもそっくりなのが気になる。「安倍一強の緩み」などといった決まり文句の乱発など、自分の足で真剣に取材しているとはとても思えない。
「同調圧力」「沖縄メディア化」が全国的に進行しているように見えるのは、不気味な現象だ。時流に流されない冷静さを、メディアはどこまで堅持できるだろうか。=おわり
■仲新城誠(なかしんじょう・まこと)1973年、沖縄県石垣市生まれ。琉球大学卒業後、99年に地方紙「八重山日報社」に入社。2010年、同社編集長に就任。同県のメディアが、イデオロギー色の強い報道を続けるなか、現場主義の中立的な取材・報道を心がけている。著書に『「軍神」を忘れた沖縄』(閣文社)、『翁長知事と沖縄メディア 「反日・親中」タッグの暴走』(産経新聞出版)、『偏向の沖縄で「第三の新聞」を発行する』(同)など。
【私の論評】沖縄本島を笑えない!財務省の同調圧力(゚д゚)!
同調圧力(どうちょうあつりょく 英: Peer pressure)とは、地域共同体や職場などある特定のピアグループ(英: Peer group )において意思決定を行う際に、少数意見を有する者に対して暗黙のうちに多数意見に合わせることを強制することを指します。
人生船出の新入社員集合写真。同じ服装同じ頭髪「クローン?」「既製品?」 |
少数意見を有する者に対して態度変容を迫る手段にはさまざまな方法があります。少数意見を有する者に対して物理的に危害を加える旨を通告するような明確な脅迫から、多数意見に逆らうことに恥の意識を持たせる、ネガティブ・キャンペーンを行って少数意見者が一部の変わり者であるとの印象操作をする、「一部の足並みの乱れが全体に迷惑をかける」と主張する、少数意見のデメリットを必要以上に誇張する、同調圧力をかけた集団から社会的排除を行うなどです。
日本は、ブログ冒頭の記事のように沖縄だけではなく、社会そのものに、とにかく本音でモノを雰囲気が醸し出されることがあります。組織に属する会社員は誰もが、程度の差はあれある程度感じるところではないかと思います。
本当に必要なのは忍耐なのに、我慢を美徳とし、嫌いな仕事を続ける姿を美化する。みんなと足並みを揃えて、どこか違う雰囲気を持つ人間を排他的に扱う。このようなことが、日本のあらゆる組織に多かれ少なかれ存在します。
そうして、日本には違いを間違いとみなし、周囲をコントロールして支配するという悪しき構造が根付いているようです。
それは何かといえば、財務省です。
安倍総理が消費増税は、予定通り行うとの発言が、新聞に掲載されていました。しかし、同時に安倍総理は同時に「デフレマインドを払拭するには至っていない。デフレから脱却すれば税収が安定的に増えていく」と述べ、デフレ脱却が最優先であると重ねて主張していました。
安倍総理 |
なぜ、このような発言をしなければならないのか、といえば、財務省に配慮してのことだと思います。非常識な財務省は、デフレであろうが何であろうが、何かといえば増税しようとします。そのような、財務省をいたずらに刺激したくなかったのでしょう。8%増税で大失敗した安倍総理は、10%増税をしてしまえば、日本経済はとてつもないことになり、自分自身にとっても、自民党にとっても良くないことは百も承知だと思います。
残念ながら、今の日本は、総理大臣ですら、財務省に一定の配慮しなればならないという歪な構造になっているのです。
そうして、相変わらず、多くの人間は財務省の言いなりで、まともな経済理論からするとおかしくて噴飯物の議論が、平気で公共の電波を通じて撒き散らされています。無知な政治家ならともかく、いわゆる主流派といわれる経済学者や評論家、アナリストまでそうなのですから、財務省の「同調圧力」は凄まじいものがあります。この日本という国はどこまで「財務省支配」がいきわたっているのか、本当に末恐ろしいです。
10%増税は、初歩的な間違いです。消費税率が8%から10%にあげると、それに連動して、自動的に2.5兆円×2%=5兆円の税収が上がると本当に思っている人がいることです。いや、そうとしか思えない議論をしている人がいると言った方が正確かもしれません。
そうして、相変わらず、多くの人間は財務省の言いなりで、まともな経済理論からするとおかしくて噴飯物の議論が、平気で公共の電波を通じて撒き散らされています。無知な政治家ならともかく、いわゆる主流派といわれる経済学者や評論家、アナリストまでそうなのですから、財務省の「同調圧力」は凄まじいものがあります。この日本という国はどこまで「財務省支配」がいきわたっているのか、本当に末恐ろしいです。
10%増税は、初歩的な間違いです。消費税率が8%から10%にあげると、それに連動して、自動的に2.5兆円×2%=5兆円の税収が上がると本当に思っている人がいることです。いや、そうとしか思えない議論をしている人がいると言った方が正確かもしれません。
典型的な例が、「社会保障の財源確保のためには10%増税が必要」「財政再建のためには10%増税が必要」等々です。私自身は、景気が良くなりすぎて、明らかにインフレとなり、さらにそれが経済に悪影響を及ぼすようになったときは、増税した方が良い場合もあることは認めます。しかし、景気が悪い時に増税すれば逆に税収が落ちることは歴史が証明することでもあり、絶対に反対です。
97年に消費税を3%から5%に上げてから、国の税収が54兆円(97年)から40兆円前後(2010年)まで落ち込んだことは記憶に新しいです。未だデフレから完璧に脱却していないここ日本で、無理やり消費税を10%に上げてその分だけ税収が上がる経済状況ではありません。
財務省が主張する、巨額の財政赤字は虚偽であることは、このブロクでにも何度か掲載してきました。しかし、この虚偽を虚偽でないと仮定してみても、財務省の言い分は間違っています。
証財政再建は「経済成長」「増税」「歳出削減」のベストミクスで達成されものです。これすらわかっていない人が多いです。もし本当に、1000兆円の借金があったとして、増税だけで返すのは不可能です。何しろ、これは消費増税400%分相当です。
歳出削減は徹底的に行うにしても一般会計予算が90兆円台だから限界があります。この大借金を持続的に何年かかっても返していくためには、経済成長による税収増しかないです。
10%増税を先送りすれば、国債の信認が低下し、国債が暴落し金利が急上昇して財政が破たんするという議論もあります。ここに至っては「笑止千万」と言わなければならないです。
10%増税を先送りすれば、国債の信認が低下し、国債が暴落し金利が急上昇して財政が破たんするという議論もあります。ここに至っては「笑止千万」と言わなければならないです。
これは、20年以上前から、増税したい財務省(当時は大蔵省)が国民を脅すために、「狼少年」のように言い募ってきたことですが、8%増税の大失敗が明らかになった現在でさえ、「財務省御用達」の経済学者やコメンテーターがこれを真顔で語るのには、呆れ果てて二の句が告げません。
そもそも、「国債の信認」は「経済のファンダメンタルズ」で決まり、その「ファンダメンタルズ」は頗る良いというのが厳然たる「事実」です。
すなわち、日本は最大の貯蓄超過国であり、国債はほとんど国内(96%)で極めて低金利(0.5%以下)で安定的に消化されています。日本は世界最大の債権国であり外貨準備も世界最高です。日本はまさに「強固なファンダメンタルズ」を有しています。さらに、日本の国債のほとんどは、自国通貨建てであり、とてもデフォルトするなどということはあり得ません。
すなわち、日本は最大の貯蓄超過国であり、国債はほとんど国内(96%)で極めて低金利(0.5%以下)で安定的に消化されています。日本は世界最大の債権国であり外貨準備も世界最高です。日本はまさに「強固なファンダメンタルズ」を有しています。さらに、日本の国債のほとんどは、自国通貨建てであり、とてもデフォルトするなどということはあり得ません。
たかだか10%増税を先送りしたところで「国債が暴落し長期金利が急上昇」することはありえない。そうして、上述したロジックは、財務省が2002年、日本国債の格付けが下げられた時、まさにその格付け会社に反論した、その通りのことを私が敷衍しているだけです。信じられない人は財務省のHPを見てほしい。今でも堂々とこのロジックはアップされています。財務省は、国内向けと対外向けと説明を変えているのです。完全な「二枚舌」を使っているのです。
よく日本の借金は1000兆円を超える。財政状況は最悪だ。だからこそ消費増税は必要だとも言われます。しかし、借金だけ取り出して「大変だ!大変だ!」と騒いでいる国は日本にはありません。日本には、資産も多数あります。
こういうと、資産とはいっても、土地や建物などすぐ売れないから、資産があるからといって、安心ではないなどとドヤ顔で言う人もいますが、日本の場合は純金融資産がとてつもない巨額であり、これを考慮にいれると、そもそも日本の借金はさほどではありません。
さらには、政府と日銀まで含めた総体を統合政府といいますが、統合政府ベースでは、もう日本は、借金など存在せず、黒字になっています。政府の借金だけ、統合政府ベースではみないというのでは、現実が見えなくなります。
これは、民間会社でも同じことです。あの超優良企業のトヨタですら、貸借対照表上の「借金」(負債)だけ取り出せば20兆円にのぼります。誰がそれでトヨタは破たん寸前だと評することができようか。財務省の「国の借金1000兆円」はまさにこの論理です。
統合ベースでの政府の借金の推移 |
かつて、麻生財務大臣は、消費増税は「国際公約」だと主張していたことがあります。これも財務省の振り付けです。日本人は「舶来」に弱い。しかし、国際社会の真意は、一国の税制に細かく注文をつけることより、「日本が経済成長して世界経済をけん引してほしいというのが、本音です。
そのためには「財政破綻してもらっては困るから増税も」という程度のことです。何が何でも予定通り増税して逆に日本経済が腰折れ、悪化したら、世界経済のけん引役も果たせず、それは困るというのが国際社会の真意でしょう。だからこそ、オバマ政権時代から、米財務長官や海外エコノミスト、メディアから「増税延期」という声が出ているのです。財務省のプロパガンダに惑わされてはいけないです。
事ほど左様に、本当に経済学的に財政学的におかしな議論がまかり通っているというのが今の日本の現状です。財務官僚が執拗に、オピニオンリーダーの所を回って、こうした「経済の非常識」「財政の非常識」を振れ回っているのです。財務省も財務省ですが、それにだまされるか、だまされたふりをしているのか、わかりませんが、したり顔でメディアでしゃべる御用学者やコメンテータの情けなさといったらありません。
事ほど左様に、本当に経済学的に財政学的におかしな議論がまかり通っているというのが今の日本の現状です。財務官僚が執拗に、オピニオンリーダーの所を回って、こうした「経済の非常識」「財政の非常識」を振れ回っているのです。財務省も財務省ですが、それにだまされるか、だまされたふりをしているのか、わかりませんが、したり顔でメディアでしゃべる御用学者やコメンテータの情けなさといったらありません。
彼らは、完璧に財務省の「同調圧力」に屈服しているのです。
「同調圧力」は沖縄だけの問題ではないのです。日本には様々な「同調圧力」がありとあらゆる組織に根付いているのです。
私たちは、それに屈服するわけにはいかないのです。いずれ、わが国の社会に深く根付いた「同調圧力」を払拭しなければならないのです。そうでなければ、まともな社会は構築できません。
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