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2014年7月19日土曜日

【西村幸祐氏ツイート】素晴らしい。永住外国人の生活保護は認められないという最高裁の判―【私の論評】 国民の生活保護などの社会保障への関心は、まともな国民国家の再構築の一里塚となり得る(゚д゚)!



上のツイートにあるリンク先の記事を以下に掲載します。(比較的短い文書なので全文掲載しますょ
最高裁が初判断「外国人は生活保護法の対象外」 
日本に住む外国人が生活に困窮した場合、法的に生活保護の対象になるかどうかが争われた裁判で、最高裁判所は「法律が保護の対象とする『国民』に外国人は含まれない」とする初めての判断を示しました。 
生活に困窮した外国人への生活保護費の支給は、永住資格を持つ人や難民認定された人などを対象に、人道上の観点から自治体の裁量で行われています。 
これについて、永住資格を持つ大分市の中国国籍の女性が起こした裁判で、外国人が法的にも保護の対象になるかどうかが争いになり、2審の福岡高等裁判所が「法的な保護の対象だ」と判断したため、国が上告していました。 
18日の判決で最高裁判所第2小法廷の千葉勝美裁判長は「生活保護法が保護の対象とする『国民』に外国人は含まれない」とする初めての判断を示しました。 
そのうえで「法的保護の対象を拡大するような法改正もされておらず、外国人は自治体の裁量による事実上の保護の対象にとどまる」と指摘して、2審の判決を取り消しました。 
今回の最高裁判決はあくまで法律の解釈を示したもので、自治体が裁量で行っている外国人への生活保護には直ちに影響を及ぼさないものとみられます。 
原告弁護士が判決を批判 
判決について、原告の弁護士は会見で「法律の中の『国民』ということばだけを見て、実態に踏み込んでいない形式的な判断だ。外国人に生活保護を受給させるかどうかは行政の自由裁量だと最高裁がお墨付きを与えるもので問題だ」と批判しました。 
さらに「外国人は日本で生活してはいけないと言っているのと同じで、安倍内閣は成長戦略の一環として外国人の受け入れを拡大するとしながら、一方でセーフティネットは認めないというのなら日本にこようとする外国人はいないだろう。なんらかの形で外国人の受給について法律の改正をしなければならない」と指摘しました。
【私の論評】 国民の生活保護などの社会保障への関心は、まともな国民国家の再構築の一里塚となり得る(゚д゚)!

生活保護問題については、ここしばらく、このブロクではとりあげていませんでしたが、1年と数ヶ月ぶりで、掲載です。やはり、今回の最高裁の判決は、このブログでもとりあげないわけにはいかないと思い掲載させていただきました。

この判決は、法律に照らして当然の判決と思います。これを変えるには、法律そのものを変えざるを得ないでしょう。

ちなみに、世界には生活保護なるものがそもそもない国も多くありますが、先進国においては、日本と同様な生活保障制度があります。各国とも、失業者などに生活保障費を支給しています。

ただし、諸外国と日本を比較した場合、その受給額の水準は異なります。北欧も含めた福祉先進国という国々においても、普通に就労した中で得られる給与は、パートなど非正規労働者であっても、生活保護を受けるよりも賃金のほうが高いのが普通です。

ところが、日本の場合は、生活保護費の基準額を下げるより前に、デフレの長期化により所得水準が下がってしまい、生活保護費が下がらないままだったので、生活保護費のほうが、最低賃金を上回るという逆転現象が起きています。

デンマークなどの場合、就労しないで生活保障で生活を長年続けていると、減額されるということがありますが、これも国民は当たり前のことと甘受しているようです。

しかし、日本では、一般の給与水準が下がっているにもかかわらず、生活保護費の水準をあまり下げていません。そのため、日本の生活保護費は、世界最高水準になっています。

世界最高水準の生活保護を受ければ、まともに働くのが馬鹿らしくなる?


数年前に、札幌市内の生活保護の実態を報道している番組がありましたが、その中で、子どもが3人いる-母子家庭の女性の一月の生活保護費が、何と月々手取りで26万円ということがいわれていて、驚いたことがあります。

26万円というと、中にはそんなに高くもないという人もいるかもしれませんが、考えてみて下さい。まずは、仕事のために通勤をしなくても良いということがあります。それに、生活保護を受けていると、学費などは無料なります。その他にもいろいろと援助があります。これらをトータルで含めると、月々30万円は超えているのではないかと思います。

普通の主婦が、パートをして月々このくらいの金額を稼ぐことができると思いますか?なかにはそういう人もいるとは思いますが、長年勤めてある程度仕事を任されている人を別にして、そういう人は圧倒的に少ないと思います。

これでは、たとえば、母子家庭の場合、母親が働いて生計を立てるよりも、生活保護を受けるほうが、はるかに良いということになってしまいます。これは、どこか狂っています。

厳しい生活をしいられている母子家庭の現実


しかも、これが日本人ではない永住外国人などにも同じように適用されているということでは、現状のようにデフレで賃金水準が下がっている時期においては、このような状況は許容されるものではありません。

マスコミは、福祉先進国の北欧諸国を取り上げて、賛美していますが、こと生活保護費の水準そのものの額になると、ほとんど報道していません。これは異常です。

国民感情からすれば、外国人を保護するのだったら、まずは苦しんでいる自国民を最初に何とかしろというのが、本音だと思います。

日本人は、戦後このかた、主権国家という考え方が希薄になっていました。諸外国では、国民は国に税金を収めたり、その他の貢献をするのが当然であるが、そのかわり国家はいざというときに、国民を守るため安全保障や社会保障の義務があるというがあたり前になっています。

しかし、日本では、戦後においては安全保障などはアメリカに任せっきりという感覚で、多くの国民があまり意識してきませんでした。また、社会保障などについても、経済が伸びているときにはあまり意識はしてきませんでした。

バブル絶頂のときには、誰も年金のことや、生活保護のことなどに関しては、ほとんど関心はなかったと思います。そんなことは、話題にものぼらなかったと思います。

しかし、デフレが15年以上も続いた今日では、違います。特に、社会保障に対する関心が深まっています。国民感情としては、日本国国民を最優先すべきという意識が高まっています。

日本がデフレに完璧に突入してから、それまでは、年間自殺者数が2万人台だったのに、3万人台になったことを忘れるべきではありません。ただし、これは、最近は経済が上向いたこともあって、また2万人台に戻ってはいます。

しかし、自殺者増の大部分は、経済的困窮によるものだったと考えられます。しかも、諸外国と比較すると、若者の自殺者が多いという事実もあります。一方で自殺者が増え、他方では、永住外国人にも日本人と同様の手厚い生活保護がなされるということに、憤りを覚える人も多いと思います。



これは、良い悪いは別にして国民意識の高まりです。しかし、この国民意識の高まりは、西村氏のツイートの「日本人が日本という国家を取り戻す第一歩が始まった」ことの現れかもしれません。

「個人があって、国がある」、「国があって個人がある」これは、いずれも真実です。しかし、戦後の日本は、あまりにも「個人があって、国がある」という観念が助長され過ぎてきました。個人があったとしても、国がなくなれば、とんでもないことになります。国がなくなれば、安全保障も、社会保障もなくなります。「国があって個人がある」という認識も高めていくべぎてす。

今のところは、ごく一部の社会保障の生活保護に関してだけですが、今日のように中国の脅威が高まっている状況では、いずれ国民国家として、社会保障だけではなく、安全保障も重要であるというように多くの国民の意識も変わっていくものと思います。

国民国家がしっかりとしていなければ、個人の自由も財産も守ることはできません。諸国民の善意などを期待してもそんなものは理想にすぎません。理想は、理想です。現状では国家があるから、国民の財産・生命を守ることができるのです。

その時、日本は戦後体制から脱却ができる準備が整うと思います。

話が前後しますが、生活保護においては、その時々経済状況で給付の水準が容易に変更できるようにすべきと思います。パートで働く賃金水準より、生活保護のほうが良いというのは、完璧に狂っています。それに、生活保護が話題になるのは、やはりデフレが続いているからです。まずは、デフレから脱却することが、国民にとっては、最優先課題であると思います。

安倍政権の評価は、国民国家の再構築すなわち「戦後体制から脱却」を実施するにあたり、まずはデフレからの脱却を目論んで、異次元の包括的金融緩和を実施したことです。これは、大正解でした。しかし、今年の増税では、やはり5月にかなりの落ち込みがありました。

安倍総理には、来年の増税は絶対に阻止して、公共工事の供給制約のにある現在において、減税・給付による積極財政を実施して、デフレ脱却の道筋を再度はっきりとつけていただきたいものです。

デフレから脱却して、生活保護受給者数を減らし、永住外国人に対しては別立てのセーフティーネットを構築し、日本国民よりは給付水準を下げ、その時々の経済情勢によって、自治体などの判断で減額、カットなどができるようにすべきです。地方の財政が苦しいのであれば、外国人にまで手厚い保護を続ける理由はありません。どうしても、日本人と変わらない保護を受けたいというのなら、帰化すれば良いではありませんか。

いずれにせよ、安倍政権には、せっかくの国民国家意識の高まりを無為にすることなく、「戦後体制」への脱却に邁進していただきたいものです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2012年9月18日火曜日

働けども独女の暮らし楽にならず!?:―【私の論評】そろそろ真実に目覚めても良いのでは?

働けども独女の暮らし楽にならず!?:

完全失業率の推移。日本では、3.0未満の場合ほぼ完全雇用が実現されている状態だ!!
20歳から64歳の単身者の3人に1人は貧困状態だというニュースは当通信「独女でいると貧困に!」でもお伝えしたが、20歳から39歳の若年層の生活保護の受給率が急速に上昇。生活保護全体の9.7%を占めているという。(2010年7月1日現在)


なぜ働く世代がこのような状況に陥っているのか?

「ナマホが簡単にもらえるからじゃないんですか?」と口を突き出すのはユリさん(28歳・エステティシャン)。ナマホとは生活保護のこと。

「うちに来ているお客さんで、病気で働けないという理由でナマホをもらっている人がいるんです。以前はホステスをやっていたそうですが、外にでて働くよりナマホをもらっていたほうがいろいろお得だというんです。家賃やNHKの受信料、住民税、医療費は全額無料、光熱費も減額らしいです。で、浮いたお金でうちのエステにきているんですから」

不正受給は様々な問題になっているが、受給資格の調査をもっとしっかりやってほしいとユリさん。


「そりゃあ派遣やパート、フリーターで働く人が増えたからでしょ」

若年層の受給が急増した理由を知子さん(35歳・会社員)は雇用形態にあると指摘する。

「仕事で知り合った30代のライターさんから『取材に行きたいけど交通費がでないから電車賃を貸してくれ』と言われてびっくりしたことがあります。その額が1,000円なんです。彼女は仕事が全くない月もあり、家賃も滞納しているみたいだしフリーで生活していくのはきついでしょうね」

都内で一人暮らしをしている由美さん(37歳・会社員)は、将来に備えて貯金をしているという。

「親は年金暮らしだし自分たちの生活で精一杯。兄が結婚して近くに住んでいるので両親に何かあっても安心です。私は親には学生時代に仕送りをしてもらったので、社会人になってからは親に迷惑をかけないようにと心がけてきました。これからもそのつもりです」

自立している独女に生活保護の心配など余計なお世話だったようだが、今後、独女の数は益々増えていく。現況の社会保障制度は専業主婦世帯が一般的として構築されているものだ。既女も独女も暮らしやすい世の中にするようには社会保障制度をどうすればいいのか? 不正受給に策ずるより国民みんなで悪知恵ではない知恵を絞りたい。(オフィスエムツー/佐枝せつこ)

この記事の詳細は、こちらから!!

【私の論評】そろそろ真実に目覚めても良いのでは?

上の記事はもとより、他の雇用関係の記事など読んでいると、現在の雇用に関する閉塞状況がなぜかくも深刻になっているか、ほとんどの人が理解していないと思ってしまいます。ものごとには、必ず因果関係があります。こと雇用に関しては、その因果関係をつきつめる人はあまりいないようです。本日は、その因果関係を明らかにしていきます。本日はいわゆる独女(年齢30歳以上で結婚していな女性)と言われる女性たちの写真も掲載させていただきます。



他国は別として、かくも雇用問題が悪化している原因は、はっきりしています。というより、あまりにもはっきりしていて疑う余地は全くありません。では、それは何かって?

はい、日銀の金融政策のまずさです。しかし、日本ではなぜか、一国の金融政策と雇用の関係が全く理解されていないようなので、少し、金融政策と雇用の関係について説明させていただきます。これに関しては、以前にもこのブログに掲載させていだたいたことがあるので、詳細は、以下のURLをご覧いただくものとして、そこから、一部をコピペさせていただきます。


若者雇用戦略のウソ―【私の論評】雇用と中央銀行の金融政策の間には密接な関係があることを知らない日本人?!
このブログでも、前に掲載したと思いますが、一国の雇用の趨勢を決めるのは、何をさておいても、まずは中央銀行による金融政策です。たとえば、中央銀行が、インフレ率を2〜3%現状より、高めたとしたら、他に何をせずとも、日本やアメリカのような国であれば、一夜にして、数百万の雇用が生まれます。これに関しては、まともなマクロ経済学者であれば、これを否定する人は誰もいないでしょう。無論、日本に存在するマクロ経済学と全く無関係な学者とか、マルクス経済学の学者には、否定する人もいるかもしれませんが、そんなものは、ごく少数であり、グローバルな視点からすれば、無視しても良いです。 
日銀が、やるつもりもないインフレ目処1%など無視して、インフレ率を本当に2〜3%上昇させたとします。そうすれば、日本でも、一夜にして、数百万の雇用が生まれます。これは、マクロ経済学上で昔から知られているし、経験則としても成り立っている法則です。
無論、雇用対策のため、のべつまくなく、インフレにするというわけにはいきません。ある程度以上、インフレになれば、ハイパーインフレとなり大変なことになる場合もあります。そういうときは、中央銀行は、すぐにはインフレ率を高めるわけにはいきませんから、これは、打ち出の小槌のようにいつもできるというわけではありません。雇用枠が増えても、ハイパーインフレということにでもなれば、雇用が増えたという経済に対するブラス要因が、ハイパーインフレというマイナス要因によってかき消されるどころか、経済が悪化してしまいます。 
それに、経済のその時々の状況で、インフレ率を高める方法もいろいろあります。いろいろある方策のうち、雇用に悪影響を及ぼす方策もあります。同じ二つ三つの金融政策を実施するにしても、順番があります。順番を間違えると、かえって、雇用に悪影響を与える場合もあります。こうしたことを認識しながら、雇用調整を行うことは、本当に難しいことです。だからこそ、アメリカではFRBの金融政策の専門家が専門家的立場から、これを調整して、雇用対策を行います。 
雇用を直接生み出すのは、日本でも、本来日銀であるはずです。しかし、日本では雇用対策といえば、厚生労働省の管轄とかたく信じて疑わない人が多いようです。しかし、厚生労働省は、雇用枠を増やすことはできません。一定の雇用枠の中で、雇用対策ができるのみです。できることは限られていて、雇用のミスマッチを改善することくらいのものです。

特に平成10年に日銀法が改正(というより改悪)されてから、酷いというより暴走を続けはじめました。その暴走は今でも続いています。結局どういうことかといえば、頑なに金融引き締め政策を行い、少しでもインフレになりそうになれば、すぐに金融緩和をやめてしまうということを繰り返してきました。

日銀は、今年の2月には、インフレ目度1%を打ち出しました。この1%は、かなり低い数字です。これだけデフレ続きの日本であれば、当面4%にしたとしても、何ら悪影響はないはずです。ただし、いくら目処が低くても、一応は打ち出した目標です。しかし、日銀は、この1%目処ですら、実行しようとしません。実際、少しでもでもインフレになりかけると、すぐに追加緩和措置をやめてしまうというのが実態でした。


これじゃ、どうしようもありませんね。雇用といえば、もちろん、賃金もかかわってきます。過去20年日本は、失われた20年といわれ、経済は停滞し、賃金はあがるどころか、下がってしまいました。同じ時期に、他の先進国は、日本のようなデフレ政策をせず、程度の差はあれ、緩やかなインフレ政策を続けてきたために、経済も緩やかながら発展し、賃金も倍近くあがっています。ただし、毎年緩やかなインフレが続いたため、実質的には、1.5倍くらいです。

この間日本では、日銀が経済の癌ともいわれる、デフレを放置するどころか、デフレの守護神となり、積極的にデフレを推進してきたため、現在のような状態になってしまいました。そのしわ寄せが、独女の方にもかなり及んできているというのが事実です。マクロ的にみれば、そういうことです。無論、ミクロ的な見方もあり、上記のように雇用形態の問題もあるかとは、思います。


しかし、日銀の金融政策によって、雇用枠そのものを広げない限り、同じ雇用枠の中で、いくら厚生労働省あたりが、雇用のミスマッチを減らすよう努力しても焼石に水ですし、もぐら叩きに終わるだけです。ある独女の方が、職をみつけたり、賃金が上昇すれば、別の独女が職を失ったり、賃金が下がるということになるだけです。

雇用問題には、このような背景があるということが理解されていないため、多くの人が、日銀の金融政策に対して苦言を呈する人はいません。あくまで、厚生労働省や、自分達の責任であるかのように錯覚して、堂々巡りりを繰り返し、閉塞感にさいなまされています。水道の蛇口から、水が多量にもれているときに、漏れた水を汲み出して、頑張ったとしても全く意味がありません。水道の蛇口をとめるべきです。現在の雇用問題の水道の蛇口は日銀の金融引き締め政策です。これを止めない限り根本的な解決にはなりません。


もうこのようなことには、終止符を打つべきです。独女の方々も、最近では、SNSなどのコミュニケーション・チャネルを持っていらっしゃると思います。実際、私も、facebookで、多くの独女の方とお友達になっていただいています。独女の方々も、機会あるごとに、日銀の金融政策のまずさを理解し、訴えていくべきものと思います。それから、政治にも関心を持っていただきたいものです。

独女の方々をはじめとして、日銀のおバカな金融政策による無用な犠牲など、もう十分はらってきたと思います。今の民主党政権では、全く無理だし、それにもう次のない政権に期待してもしかたないですから、これから、政権を担いそうな、政党などがどのような金融政策をとるつもりなのか、特に、暴走する日銀に対して日銀法改正などで、対処していくつもりがあるのかどうか、関心を持つべきです。

ちなみに、自民党の総裁選が近いですが、各総裁候補が金融政策について、どのような考えを持っているかなど、以下の記事をご覧いただければ良くわかります。ぜひご覧になってください。
金融政策のイロハも知らない自称「金融財政のスペシャリスト」も登場!「経済政策」から見た自民党総裁選5氏の「通信簿」
2012年09月17日(月) 高橋 洋一
高橋洋一「ニュースの深層」
次の政権の金融政策は、独女の皆様の生活にもこれから、おおいに関わっていくことです。ゆるがせにはできません。今の失われた20年が、30年にならないように、注意深く見守っていく必要があります。そうして、次の選挙では、まともな金融政策を実行するような政党や、候補者を応援すべきです。

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急にクローズアップされた生活保護問題デフレ脱却と「負の所得税」が合理的な解決策 - 高橋洋一の俗論を撃つ!―【私の論評】日銀がお札を増刷すれば、生活保護問題はなくなる?!

日銀総裁いいたい放題!円高にしてくれといわんばかり−【私の論評】締めっぱなしでは、日銀DNAを存分に発揮できる場はつくれない!!



2012年5月31日木曜日

急にクローズアップされた生活保護問題デフレ脱却と「負の所得税」が合理的な解決策 - 高橋洋一の俗論を撃つ!―【私の論評】日銀がお札を増刷すれば、生活保護問題はなくなる?!

急にクローズアップされた生活保護問題デフレ脱却と「負の所得税」が合理的な解決策 - 高橋洋一の俗論を撃つ!:

母親の生活保護に関して、釈明会見をする河本純一さん
 生活保護問題が急にクローズアップされた。生活保護の増加の背景に不正受給があると思われているからだ。だが、増加の主な要因は不正受給だけではない。金融政策によるデフレ脱却と「負の所得税」の導入、この両輪で生活保護問題は合理的に解決できるだろう。

生活保護問題に金融政策が関わっていることに違和感を持つ人もいるだろう。しかし、米国の金融政策は雇用の確保が法的に義務づけられている。バーナンキFRB議長に対する記者会見でも、話題はもっぱら失業率の話だ。

金融政策で失業率を低下させることができるので、生活保護問題の解決には有効だ。日本では、雇用・労働問題を構造問題としてとらえる経済学者、社会学者、法学者ばかりだ。雇用、労働問題をマクロの金融政策で対処しようとしないのは、筆者から見れば奇妙なことに思える。

マクロにおける金融政策によるデフレ脱却と、ミクロにおける縦割り行政の打破になる「負の所得税」(歳入庁と番号制を含む)の導入、この両輪で生活保護問題は合理的に解決できるだろう。


釈明会見をする梶原雄太さん


【私の論評】日銀がお札を増刷すれば、生活保護問題はなくなる?!

上の記事の結論は、「マクロにおける金融政策によるデフレ脱却と、ミクロにおける縦割り行政の打破になる「負の所得税」(歳入庁と番号制を含む)の導入、この両輪で生活保護問題は合理的に解決できるだろう」ということです。そうして、このマクロと、ミクロの政策、どちらが優先順位が高いかといえば、当然マクロ政策です。これ抜きにミクロ政策だけやっても根本解決にはなりません。今の政府、まともなマクロ政策はせずに、目先のミクロ政策だけやって、結局モグラ叩きに終始しています。

上の記事を見て、高橋洋一氏も指摘していたように、金融政策と、生活保護の問題との関連性を奇異に感じる人もいるかもしれません。しかし、これは、本当です。どこの国でも、その時点で2%程度のインフレになれば、その後どうなるかは別にして、それだけで、一夜にして大きな雇用が創出されます。

日本や、アメリカなどであれば、一夜にして、数百万の雇用が創出されます。また、その逆も真であり、デフレになれば、それだけで、一夜にして、数百万人の雇用が失われます。これを否定する人は、経済を語る資格がありません。

そうして、これは、マクロ経済学上の常識であり、これを否定することはできません。そうして、何もこれは、いわゆる教条主義ということではなくて、古今東西の事実が示す真理です。まずは、これを否定するまともな経済学者いないでしょう。そうして、米国では、金融政策が雇用の確保に法的に義務付けられているということです。

アメリカで大恐慌時にパンを求めて行列する人の像
そんなに簡単なら、雇用問題などすぐに解決できるではないか、という方もいらっしゃるかもしれません。確かにそうです。無論、雇用問題のすべてが、金融政策だけで解決できるとは限りません。たとえば、雇用のミスマッチの問題もあります。金融政策が雇用と密接に結びついていると認識されているアメリカでさえ、雇用問題はあります。しかし、アメリカでは、日本などと比較すると、比較的短期間に雇用問題を解決できています。今まで、アメリカでも深刻な雇用問題に直面しても、少なくとも日本よりは、早く解決できています。これは、金融政策を雇用問題解消の大きなツールであることを認識し、このツールを活用してきたからにほかなりません。雇用問題の根底には、金融政策が不可欠であるということです。

バーナンキFRB議長
とにかく、雇用と金融政策が密接な関係にあるということが、日本では、ほとんど認識されていません。これが、一般の人であれば、そこまで考える必要はないのかもしれませんが、それにしても、ある程度社会的に高い地位にある人は、どのような分野で働いていたとしても、常識として知っておくべき重要な事柄だと思います。


そうして、生活保護は、雇用と密接に関係しています。雇用が増えれば、生活保護受給者数は減ります。雇用が減少すれば、生活保護は増えます。これも当然のことです。

だから、上記の記事のように、生活保護の問題を考える際には、金融政策が不可欠であり、これを変えずに、この問題を考えていても、根本的な解決にはなりません。そうして、個人のモラルなどのことばかり考えていても、何の解決にもならないわけです。金融政策を抜きにこの問題を考え、対策を打ったとしても、結局は何の解決にもなりりません。モグラ叩きになるだけです。


無論個人のモラルの問題もあると思います。しかし、それは、金融政策などで、十分雇用が確保されるような状態になっているときに、論じられるべきであって、そうではないときに、論じても仕方のないことです。まずは、デフレを解消しなければどうにもなりません。

それに雇用の問題は、生活保護だけの問題ではありません。これは、学生の就職にも密接に連なる問題です。最近、就活の問題もクローズアップされていますが、この場合も、多くの人が、デフレのことは問題にせずに、ミクロ的な問題である企業サイドの問題、学生サイドの問題にばかり集中しています。これでは、なんら根本的解決にはなりません。デフレで雇用が減少している最中に、企業や学生のことだけ考えていても、これもモグラ叩きになるだけです。


ところで、総務省が25日発表した4月の全国消費者物価指数(CPI、2010年=100、生鮮食品を除く)は、前年同月比0・2%増となり、3カ月連続でプラスになった。ただし、食料(酒類を除く)とエネルギーを除く総合指数は前年同月比は0・3%の下落となりました。

この数字は変動の大きい食料とエネルギーを除く米国型コア指数で、基本的な物価動向を示すものとされているが、09年1月から3年4カ月マイナスのままです。

このようにデフレは若干緩和しつつあるものの、依然として継続中です。5月23日には日銀が追加緩和を見送ったことで、円高と株安が進みましたが、現状の金融政策のスタンスでは、リーマン・ショック時のような日本の独り負け状態になってしまうのでのではないでしょうか?とにかく、日銀は、自ら提示した、1%インフレ目処も実行するつもりはないようです。

スペイン中央銀行
中央銀行の独立性は、政府の金融政策の指示に従って、その金融政策を実施する際の手法を専門家の立場から選ぶ自由があるというのが本来の姿であり、これが、世界の常識です。ところが、日銀法が平成10年に改正されて、日銀がやってきたことは、金融政策まで独自で決定して、実行するというスタンスをとってきました。そうして、ことあるごとに、結局は、デフレを促進する金融政策である金融引き締めばかりを実行してきました。

日銀白川総裁

このデフレのままでは、雇用問題も解消せず、生活保護問題も解消しないということです。さて、本日は、生活保護、雇用の側面を中心に掲載してきましたが、このような問題に対しても、生活保護の受給者のモラルの問題など、生活保護の制度自体とか、いわゆる、ミクロの見方だけでは、この問題の根本的解決にはならないということてず。金融政策などの、マクロな見方ができなければ、解決になりません。


そうして、ミクロ的な見方による解決方法は、私たち個人や、企業でも、直接介入して解消することもできます。しかし、マクロ的な事柄に関しては、直接はできません。しかし、間接的にでも、できる方法があります。

そうです。それは、国をマクロ的な見方で、見てそれに対策を打つべき主体であるべき、政治家を選挙で選ぶという行為です。そうして、失われた20年を30年にしないためには、日銀法を改正して、本来の中央銀行の役割にもどすことを主張する政治家を選ぶべきです。


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