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2020年5月15日金曜日

トランプ大統領、中国との“断交示唆”か!? 軍事的緊張も高まるなか習主席との対話を拒否… 識者「中国を外して大経済圏を作るのでは」 ―【私の論評】トランプ大統領の行動は、民意を反映したもの(゚д゚)!


中国発のコロナ禍に業を煮やしたトランプ米大統領は、習主席に鉄槌を下すのか

 中国発の新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)をめぐり、ドナルド・トランプ米大統領の怒りが、日に日に高まっている。中国の初動対応に不満を示し、習近平国家主席との対話を拒否したのだ。「中国との断交示唆」と報じたメディアもある。「死のウイルス」による世界全体での死者は30万人を超え、米国では最悪の約8万5000人もの犠牲者が出た(=米ジョンズ・ホプキンズ大学、14日集計)。米中の軍事的緊張も高まっているなか、トランプ氏は「対中貿易停止」といった過激策までチラつかせた。


 「今は(習氏と)話したいとは思わない」「中国には非常に失望している。そう断言できる」

 トランプ氏は14日放送の米FOXビジネステレビのインタビューで、こう言い切った。中国の初期対応の遅れが、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大につながったとする「対中批判」を一段と強めた。

 これまでも、トランプ氏は「中国に不満だ」「発生源で止めることができた」「これは世界が受けた損害だ」「(損害金請求も)検討している」などと記者会見で語ってきたが、この日はさらに踏み込んだ。

 「感染拡大の報復」として、トランプ氏は「多くの措置を講じることができる」と胸を張ったうえで、「中国との関係を完全に途絶えさせることもできる」と強調した。関係を遮断すれば「5000億ドル(約53兆6000億円)を節約できる」とまで指摘したのだ。

 米中両国は今年1月、「第1段階」の貿易協定に署名した。中国が数値目標をもとに米国から農産物などの輸入を大幅に拡大。米国は通商対立が激化した昨年夏以降、初めて対中制裁関税を一部軽減するものだ。


 だが、中国発の新型コロナウイルスで、米中関係は一変した。

 米政権は現在、「対中制裁関税の強化」などを検討しているとみられるが、トランプ氏は「貿易停止」までチラつかせた。

 これを受け、海外メディアは「トランプ氏、中国のコロナ対応に『心底失望』 断交の可能性も示唆」(ロイター)、「トランプ氏、中国との断交示唆」(AFP)などと報じた。

 11月の大統領選を控え、トランプ氏としては、中国の責任を追及し続けることで、「対応の遅れ」や「景気失速」への批判をかわそうとする思惑もありそうだ。

 ただ、米国民の「対中意識」も悪化している。

 米大手世論調査機関「ハリス・ポール」が4月に行った世論調査で、「新型コロナウイルスの蔓延(まんえん)について、中国政府に責任があると思いますか」と聞いたところ、「ある」は77%で、「ない」(23%)を大きく上回った。

 中国の軍事的挑発も、トランプ政権をイラつかせているようだ。

 中国海軍の空母「遼寧」を中心とする艦隊は4月11日と28日に初めて、沖縄本島と宮古島間を通過した。中国軍のミサイル駆逐艦や早期警戒機なども3月以降、沖縄や台湾周辺で挑発的行動を見せている。

遼寧

 さらに、中国軍が8月、同国南部・海南島沖の南シナ海で、台湾が実効支配する東沙諸島の奪取を想定した大規模な上陸演習を計画していると、共同通信がスクープした。台湾の蔡英文総統の2期目の就任式を来週20日に控え、中国がさらに挑発行動に出る危険性もある。

 米第7艦隊は13日、米海軍のミサイル駆逐艦「マッキャンベル」が同日、台湾と中国を隔てる台湾海峡を通過したと発表した。米海軍の駆逐艦は先月も2回にわたり台湾海峡を通過している。

 米海軍主催で2年に1回、米ハワイで行われる世界最大規模の多国間海上演習「リムパック(環太平洋合同演習)」は、新型コロナ禍で中止も検討されたが、日本政府の強い働きかけで、8月に実施される。

 貿易停止までチラつかせた、トランプ氏の怒りをどう見るか。

 国際政治学者の藤井厳喜氏は「中国が昨年12月時点で、医師から新型コロナウイルスの報告を受けながら、初動対応を誤り、情報を隠蔽し、国外への移動を制限しなかったことは事実だ。今年1月までに中国から40万人以上が米国に移動したという。明らかにウイルスを移された形で、怒らないほうがおかしい」と語った。

 緊張する米中関係は今後、どうなりそうか。

 藤井氏は「中国では『台湾への武力侵攻』を唱える声もあり、米国も抑止行動を求められるなど軍事的な緊張もある。米中は今年1月、第1段階の貿易協定に署名したが、中国はこれを守らないかもしれない。そうなると、米国も貿易上の相互依存を解き、中国をサプライチェーンから外して、先進国を集めた大きな経済グループをつくるのではないか。一方の中国は、一帯一路構想を中心とした比較的小さな経済グループづくりを迫られる」と分析した。

 新型コロナで、世界の枠組みが、大きく変わることになるのか。

【私の論評】トランプ大統領の行動は、民意を反映したもの(゚д゚)!

中国共産党は、世界に謝罪しない限り、米国等の怒りを買い、石器時代に戻ることになるかもしれないと、このブログに掲載したことがあります。

これについては、「そんなことはあり得ない」などと考えた人もいるかもしれませんが、以上の記事をご覧いただければ、あながち誇張ともいえないことがおわかりいただけたと思います。

ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、米国内の死者は11日に8万人を超えました。10年以上にわたった戦闘で、約6万人の米兵が亡くなったベトナム戦争の死者を大きく超え、世界的にも突出しています。もうすでに米中は順戦争状態に入ったと認識しても良いと思います。

米国民の中国に対する反発はかなり強まっています。ある米調査会社の調査結果では、新型コロナの感染拡大に対し中国に責任があると考える米国人が約8割に達したというものもあります。新型コロナの流行拡大には中国の隠蔽体質があるとする見方は米国では強いのです。

現状の米国は新型コロナの感染拡大に歯止めをかけるのに注力している段階ですが、仮に収束に向かえば中国に対して強硬姿勢を求める世論は一段と高まるでしょう。

コロナ禍以前から、米中両国は新時代の覇権を争う「新冷戦」の最中にありました。制裁関税をかけるなどトランプ政権の対中強硬姿勢については国内でも批判がありましたが、新型コロナ感染拡大に伴う反中世論の高まりは、こうした政策を正当化することになります。

中国に対して何らかの「償い」をさせようとする世論の高まりに応じて、収束が見えてくるであろう6月ごろからトランプ大統領も本格的な反中キャンペーンを張るようになるでしょう。現状のトランプ氏の上記の記事でみられる、言動などは、まさにそれを予感させるものです。

それは「新型コロナを『武漢ウイルス』と呼ぶな」と発言し、「中国寄り」というイメージを国民に与えた民主党の大統領候補バイデン氏にとっては打撃となることは目に見えています。

バイデン氏

YouGovの最新世論調査によると、米国人の3分の2以上が、中国政府に少なくとも部分的にパンデミックの責任があるとしています。

世論調査は、共産主義の犠牲者記念財団(The Victims of Communism Memorial Foundation:VOC)が委託したもので、米国人の69パーセントが、中国政府はコロナウイルス拡大に「ある程度」または「とても」責任があるという意見に賛成だということがわかりました。さらに回答者の51パーセントが、中国はウイルスの影響を受けた国に賠償すべきだと回答しており、そのような賠償に反対したのはわずか17パーセントでした。

また米国人は、コロナウイルスのパンデミックを踏まえると、中国に関して歴史的に否定的な意見も示しており、67パーセントは中国を競争相手か敵のどちらかとみなしています。

VOCのマリオン・スミス事務局長は、米国人が、冷戦時代にソビエト連邦に対して抱いていたのと全く同様に中国に対して好ましくない印象を持っていることを示す数字だと述べました。

「米国人は(中国に関する)この新しい現実に気づきつつある。我々は冷戦から教訓を得たはずだ。特に共産党の性質について」とスミス氏はワシントン・フリービーコン紙とのインタビューで語りました。

調査結果は、中国がパンデミックに対する対応に責任を取るべきだという意見に、米国人がますます賛成していることを示しています。ギャラップでは、1978年から中国に関する米国の態度を評価していますが、現在米国人は中国にこれまでで最も否定的な見方をしていることがわかりました。3月にピュー研究所が実施した別の世論調査でも、民主党・共和党両方の大多数で現在、中国に対する評価が最低となっていることがわかっています。

反中国政府で意見が一致する新たな状況から、政策立案者はさらに勢いを増して権威主義国家に対する攻撃的な姿勢を取っています。連邦議員は中国政府に対抗するため、ここ数カ月のうちに一連の法案を発表しており、その中でもトム・コットン上院議員(共和党、アーカンソー州)は、太平洋での米国と同盟国の軍事能力を強化する430億ドルの計画を推進しています。

YouGovの最新世論調査世論調査は5月6日から7日の間に1,382人の成人米国人に対して実施されました。調査はインターネットで行われました。

また調査によると、10人のうち7人の米国人は中国が「罰を受ける」べきだという考えに同意しています。米国人は厳しい罰に賛成ではないですが、およそ10人に4人は「国際的な制裁」を支持しており、33パーセントは中国製品に対する追加関税を支持しています。

また調査では、コロナウイルスが中国政権の否定的評価に大きく貢献したことも判明しており、44パーセントの米国人が、中国政府に対する自分たちの意見はパンデミックの結果としてさらに否定的になったとしています。

スミス氏は、コロナウイルスは永久に効果を持つ―米国の中国に対する意見はパンデミック終了後も回復しないと述べました。

スミス氏は、「米国人は、世界で起きていることが全てわかっていない場合もある。だが、これほど明白なことが我々の生活に全面的な影響を与えたことが判明した時、米国人は実際決然とした態度を取り得る。ある種の(中国との)分断が起こることになり、それは多くの人が起こり得ると考えるよりもっと全面的なものとなるだろう」としています。

世論調査からすると、トランプ氏の行動は、選挙対策もあるでしょうが、そんなことより、民意を重視した行動ということができると思います。

民意を重視しない大統領候補者は、当選が難しくなるのは当然です。トランプ大統領も、バイデン氏もこの民意をくみとり、どのような政策を打ち出すかが、最大のポイントとなってきたのは間違いないようです。

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2018年11月11日日曜日

【熱戦と日本の針路】エスカレートする米中の軍事的緊張… 安倍政権は中国封じに「財政出動」を― 【私の論評】日本が増税等の緊縮で「ぶったるみドイツ」のようになれば米は日本にも制裁を課す(゚д゚)!



 ドナルド・トランプ米政権は、経済分野でチャイナ(中国)を締め上げているだけではない。軍事的にも、その影響力を封じ込めるために積極的に行動している。

 米海軍のイージス駆逐艦「ディケーター」が9月30日、南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島周辺で「航行の自由作戦」を実行中、中国海軍の蘭州級駆逐艦が41メートルの距離まで異常接近する事件が発生した。米側の発表によると、警告にも関わらず、中国駆逐艦は攻撃的な動きを繰り返したという。

 米空軍は9月下旬、核兵器搭載可能なB52戦略爆撃機を南シナ海に派遣し、中国への圧力を強めた。ジェームズ・マティス米国防長官は、10月中旬に予定していた中国訪問を取りやめている。

 米海軍のイージス駆逐艦「カーティス・ウィルバー」と、イージス巡洋艦「アンティータム」は10月22日、台湾海峡を航行し、米国が台湾の独立を擁護する姿勢を明示した。米国防総省のロブ・マニング報道部長は「2隻の航行は、米国が掲げる『自由で開かれたインド太平洋』構想に基づく。今後も艦船や航空機の航行や飛行を続ける」と明言した。

 米国は8月9日、宇宙軍の創設を発表した。これはロシアではなく、中国の宇宙戦力拡張に対抗するためである。米国がロシアを警戒しながらも、敵対していないことは、米露両国が10月9日、合同で金星探査ロケットの打ち上げを2026年に計画していると発表したことでも分かる。

 トランプ氏が10月20日に発表した中距離核戦力(INF)全廃条約の破棄方針も、ターゲットは中国である。中国はINF条約に署名していないので、まったく制限を受けることなく中距離核ミサイルを拡充してきた。

 中国共産党は国内で、ウイグル人、チベット人への残酷な抑圧体制をますます強化している。在日ウイグル人のトゥール・ムハメット氏によれば、強制収容所に収監されているウイグル人は300万人を超えているという。在日チベット人学者のペマ・ギャルポ拓殖大学教授の推測では、過去10年間に、共産党政権に対して焼身抗議したチベット人の数は1000人を超えている。

 マイク・ペンス米副大統領による10月4日の演説は、こうした中国の人権抑圧体制との全面戦争を宣言したものだ。

 「米中熱戦」の最中に、日本企業が中国経済への協力を進めるのは、いかにも日本の国益に反した行為である。こうした人権抑圧体制に協力して、利益を上げること自体が非倫理的である。

 それを防ぐためにも、安倍晋三政権は消費増税を延期して、積極的な財政出動で国内市場の拡大を図るべきだ。そうすれば、日本企業が「一帯一路」などという、怪しげなビジネスに取り込まれなくても済む。

 国際通貨基金(IMF)は10月10日、日本政府の資産と債務はバランスがとれており、債務過剰ではないと発表した。今や自信をもって、安倍政権は財政出動を行うべきである。 =おわり

 ■藤井厳喜(ふじい・げんき) 国際政治学者。1952年、東京都生まれ。早大政経学部卒業後、米ハーバード大学大学院で政治学博士課程を修了。ハーバード大学国際問題研究所・日米関係プログラム研究員などを経て帰国。テレビやラジオなどで活躍する。著書に『国境ある経済の復活』(徳間書店)、『太平洋戦争の大嘘』(ダイレクト出版)など多数。

【私の論評】日本が増税等の緊縮で「ぶったるみドイツ」のようになれば米は日本にも制裁を課す(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事にもあるように、日本は一帯一路に参加するべきではありません。それは今後の対米関係を考えれば当然そういうことになります。それ以外にも理由があります
それは、一帯一路の前途が暗く、失敗の可能性が高いことです。日本は中国の覇権主義的拡張政策から距離を取ったほうが良いです。その理由を以下に述べます
第1に、一帯一路に対し他の地域大国が必ずしも支持を表明していないことです。6月10日に中国の青島で開かれた上海協力機構(SCO)首脳会議で、習近平国家主席は加盟国のリーダーたちから支持表明を獲得して結束を演じようと腐心しました。ところがかねて反対姿勢を崩さなかったインドは支持を表明しませんでした。
ロシアはどうでしょうか。中国が外国元首に初めて与えた「友誼勲章」を胸にSCO会議を後にしたプーチン大統領。その翌日に開催したのが、ユーラシア経済同盟に加わる旧ソ連5カ国の代表による集団安全保障会議だったのが象徴的です。
同盟には旧ソ連圏の権益を守り、中国の進出を防ごうとの共通した狙いがあます。特にプーチンがロシアの裏庭と見なす中央アジアにおいて、一帯一路の伸長と各国への食い込みに神経をとがらせています。
時を同じくして、ロシアは中国のミネラルウオーター企業が極東の水がめ、バイカル湖から飲料水を採取するのを禁じる措置を取りました。ロシア人の流出が進むシベリアに大挙して進出してくる中国系企業は、環境を破壊するだけでなく政治的な脅威と化しつつもあります。
歴史的に中国は「シベリアから樺太までの広大な領土を帝政ロシアに奪われた」と思い込んできました。いつかは「失地回復」しようという野心にロシアは気付いています。
第2に、日本は東シナ海の自国領を守り、中東産石油の安定供給を確保するため、インドやアメリカ、オーストラリアなどを加えた「自由で開かれたインド太平洋戦略」を唱えています。日本が一帯一路に反対するインドと戦略的に組もうとしながら、裏では中国に笑顔を見せれば、国際社会から批判されることになるでしょう。そうした日本の無節操は、民主主義や人権尊重の思想を共有する国との関係を強化しようという、従来の「価値観外交」から逸脱することになります。
第3に、日本は自らの積極的な関与によって、一帯一路の不透明な部分を改善できる、と過信しているところがあります。中国は既に海でも陸でも、一帯一路に巻き込まれた小国を借金漬けにし、中国政府の呪縛から離脱できないようにしてきました。
港湾整備に巨額の融資が投入され、返済のめどが立たなくなったスリランカは仕方なく港湾権益を中国に99年間の契約で譲渡しました。ラオスやタジキスタン、モンゴルなど陸の沿線国も多額の借金を抱え、中国の息が掛かった商人が政治に介入し始めました。
パキスタンでは中国の支援によって、アラビア海と中国西部を陸路で結ぶグワダル港開発が進行。その結果、国際社会が進めるテロ封じ込めにまで支障を来しています。実際、パキスタンはイスラム原理主義勢力タリバンよりも、中国が「分離独立主義者」と敵視する亡命ウイグル人に対する弾圧を強めているほどです。

日本はこうした中国の反人道的行為に加担するのか、良識が問われています。日本は70年代から戦時賠償金の代わりに円借款を超低金利で提供し、中国の近代化に大きく貢献しました。だが日本がいくら真摯に過去の反省を示しても、中国政府が扇動する反日の炎は消えませんでした。機会さえあれば、「打倒小日本(ちんぴら日本をつぶせ)」という官製の反日ナショナリズムが再燃しました。

一帯一路に協力し、日本が供与したハイテク技術が中国軍の空母や武器と化すことになります。将来、日本の政治家や財界が後悔してももう間に合わないのです。

 次に、上の記事では、安倍政権は、日本企業が「一帯一路」などという、怪しげなビジネスに取り込まれないように財政出動をすべきとしていますが、それ以外にも理由はありませす。

それは、このブログにも過去に何度か経済してきたように、日本が「ぶったるみドイツ」のようにならないためにも、財政出動が必要です。

緊縮に緊縮を重ねてきたドイツがどのようになっているか、特の安全保障面でどのようにひどいことになったのかは、このブログでも掲載したことがあります。その記事のリンクを掲載します。


詳細は、この記事をご覧いただくものとして、ドイツの緊縮財政により安全保障に悪影響をおよぼしている状況を記載している部分を以下に引用します。
ドイツ空軍(ルフトヴァッフェ)の主力戦闘機「ユーロ・ファイター」のほぼ全機に“深刻な問題”が発生し、戦闘任務に投入できない事態となっています。現地メディアによれば全128機のうち戦闘行動が可能なのはわずか4機とも。原因は絶望的な予算不足にあり、独メルケル政権は防衛費の増額を約束したが、その有効性は疑問視されるばかりです。 
ドイツは“緊縮予算”を続けており、その煽りを受けてドイツの防衛費不足は切迫しています。空軍だけではなくドイツ陸軍においても244輌あるレオパルト2戦車のうち、戦闘行動可能なのは95輌などといった実態も報告されています。 
こうした状況に追い込まれた原因の一つとして、ドイツを含む欧州連合(EU)には、財政赤字が対GDP比で3%、債務残高が対GDPで60%を超えないこととする「マーストリヒト基準」があり、財政健全化を重視しすぎるとの声が経済専門家の間にはあります。
ドイツの主力戦車「レオパルド2」
昨年10月15日、ドイツ潜水艦U-35がノルウェー沖で潜航しようとしたところ、x字形の潜航舵が岩礁とぶつかり、損傷が甚大で単独帰港できなくなったのです。 
ドイツ国防軍広報官ヨハネス・ドゥムレセ大佐 Capt. Johannes Dumrese はドイツ国内誌でU-35事故で異例の結果が生まれたと語っています。
ドイツ海軍の通常動力型潜水艦212型。ドイツが設計 建造しドイツの優れた造艦技術と
最先端科学の集大成であり、世界で初めて燃料電池を採用したAIP搭載潜水艦である。
紙の上ではドイツ海軍に高性能大気非依存型推進式212A型潜水艦6隻が在籍し、各艦は二週間以上超静粛潜航を継続できることになっています。ところがドイツ海軍には、この事故で作戦投入可能な潜水艦が一隻もなくなってしまったというのです。 
Uボートの大量投入による潜水艦作戦を初めて実用化したのがドイツ海軍で、連合国を二回の大戦で苦しめました。今日のUボート部隊はバルト海の防衛任務が主で規模的にもに小さいです。 
212A型は水素燃料電池で二週間潜航でき、ディーゼル艦の数日間から飛躍的に伸びました。理論上はドイツ潜水艦はステルス短距離制海任務や情報収集に最適な装備で、コストは米原子力潜水艦の四分の一程度です。 
ただし、同型初号艦U-31は2014年から稼働不能のままで修理は2017年12月に完了予定ですかが再配備に公試数か月が必要だとされています。
ドイツ軍が、緊縮財政でこのような様になっているのです。日本の自衛隊はこれほど酷くはないですが、それにしても以前から緊縮で自衛隊員の工夫でなんとかしてきましたが、 来年10 月から緊縮財政の一手法でもある、消費税の10% への増税をしてしまえば、一時税収が増えたにしても、その後は再度デフレに舞い戻り、税収が大幅に減ることが十分予想されます。

ドイツの場合は、中国からは距離的になかり離れています。直接の脅威はロシアですが、そのロシアは現状ではGDPが韓国より若干少ない程度です。韓国のGDPは東京都と同程度です。ロシアというと大国扱いされることがありますが、それはソ連時代の核を継承しているのと、軍事技術が進んでいるからであり、実際には大国ではありません。また、人口も1億4千万人であり、日本より2千万多い程度です。

そのロシアは現状では、NATOと直接対峙する力はないです。だからドイツの軍事力が現状のように緊縮でとんでもないことになったにしても、EUはドイツ以外にも大国があるのでなんとかなります。

しかし、アジアにおける中国はロシアとは違います。中国の国民一人当たりのGDP は日米には及ばないですが、それにしても中国は人口が多く13 億人以上であり、国全体のGDPは世界第2位であり、やはり日本がしっかりと中国に対峙しないと、とんでもないことになります。

日本は、少なくとも日本の領土は日本が守る体制を整え、米国が中国と対峙しているときには、少なくとも米国を支援できる体制を整えなければなりません。

そのような時に、緊縮財政をして、安全保障にかける資金が逼迫すれば、日本も「ぶったるみドイツ」のような状況になりかねません。そうなれば、アジアの安全保障の状況はかなりかわり、中国にとって都合の良い状況になるのはいうまでもありません。

そんな状況をトランプ政権が許容するはずもありません。一帯一路が原因で、日本がこのような状況に陥れば、米国は日本に対しても制裁を課すことになるでしょう。

日中友好などに浮かれて、一帯一路に浮かれて、協力をした企業など、真っ先に米国の制裁対象となるでしょう。一対一路は儲けにならず、米国から制裁を受け、日本企業は半殺しの目にあうかもしれません。

また、消費税増税などの緊縮財政を実行して、それが故に安全保証が疎かになり結果として日本が「ぶったるみドイツ」のようになれば、これも制裁の対象になるでしょう。

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2018年7月18日水曜日

衝突も?「米中貿易戦争」拡大で軍事的緊張避けられず 米露首脳会談で中国を牽制 ―【私の論評】米中貿易戦争は、国際秩序の天下分け目の大戦の始まり(゚д゚)!

衝突も?「米中貿易戦争」拡大で軍事的緊張避けられず 米露首脳会談で中国を牽制 

スクープ最前線 加賀孝英

トランプ米大統領は16日、フィンランドの首都ヘルシンキで、ロシアのプーチン大統領と会談
写真はブログ管理人挿入 以下同じ

ドナルド・トランプ米大統領は16日、フィンランドの首都ヘルシンキで、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と会談した。米露関係を改善して、核軍縮や中東問題、テロ対策で協力するとともに、「中国の覇権拡大阻止」という隠れた狙いもありそうだ。過熱する「米中貿易戦争」は今後、南シナ海や東シナ海での、軍事的緊張を高めることは間違いない。ジャーナリストの加賀孝英氏が最新情勢に迫った。

 「トランプ氏は、中国に史上最大の貿易戦争を仕掛けた。中国の習近平国家主席は報復を宣言した。それどころか、習氏がキレて、南・東シナ海での、米国との軍事衝突まで想定した『極秘指令を軍に出した』という情報がある」

 旧知の米軍関係者は緊張した声でそういった。

 ご承知の通り、米国は6日の340億ドル(約3兆7600億円)に続き、10日、2000億ドル(約22兆円)の中国製品に対し、追加制裁を発表した。中国も同等の報復を宣言。全世界に衝撃が走った。

 外務省関係者は「トランプ政権は、中国が軍事を含む米国のハイテク技術を盗みまくり、『覇権国家を目指している』と激怒している。中国のハイテク産業の息の根を止めるつもりだ。これに対し、習氏は6月下旬、北京で開かれた外交政策の中央外事工作会議で、『中国中心の新たな国際秩序を構築していく』と宣言した。『米国を潰す』と言ったに等しい。このままでは、貿易戦争だけでは終わらない」と解説した。

6月下旬、北京で開かれた中央外事工作会議で、『中国中心の
新たな国際秩序を構築していく』と宣言した習近平

 米中が、軍事的に対峙(たいじ)する最前線は、南シナ海と台湾周辺、沖縄県・尖閣諸島を含む東シナ海だ。中でも、最も警戒すべきは南シナ海だ。

 ご承知の通り、中国は国際法を無視して、南シナ海で岩礁を埋め立て、複数の人工島を軍事基地化し、電波妨害装置や対艦巡航ミサイル、地対空ミサイルなどを配備した。戦略爆撃機の離着陸訓練まで実施している。

 「ふざけるな!」だ。中国は、世界屈指のシーレーンである南シナ海を、自国の内海として支配するつもりだ。

環太平洋合同演習(リムパック、RIMPAC)2018(VOA)

 米国防総省は5月末、世界最大規模の多国間海軍演習「環太平洋合同演習」(リムパック=6月下旬~8月初旬実施、20カ国以上参加)に「中国の招待を取り消す(=排除する)」と発表した。

 中国が周辺国を軍事力で恫喝(どうかつ)し、シーレーンの一方的支配を画策していることへの、米国の強烈な抗議表明だ。米国防総省は、対艦巡航ミサイルなど、軍事施設の即時撤去を求めている。当たり前だ。

 ところが、どうだ。習氏は6月27日、ジェームズ・マティス米国防長官と会談した際、南シナ海の軍事拠点化について、「祖先から受け継いだ領土は一寸たりとも失うことはできない」と一蹴。米国の要求を拒絶した。

 その南シナ海で、中国は仰天行動に出ている。以下、複数の中国人民解放軍、中国政府関係者から入手した情報だ。

 「中国海軍は5月下旬、南シナ海で、56基の無人小型ボートによる『群れ攻撃』の訓練を実施し、映像を公開した。米艦船が『航行の自由』作戦で、人工島周辺に侵入すれば、無人小型ボートに爆薬を積んで『特攻自爆攻撃をする』という米国への警告だ」

 「兵士が漁民に偽装してゲリラ工作をしている。米国が海中に設置したパッシブ・ソナー(=潜水艦の音などを監視する水中聴音機)を撤去し、米軍の監視網を破壊している。2~3人乗りの小型潜水艦で、米艦艇のスクリューを破壊する訓練も行っている」

 中国国内で「反米デモを日常化させ、人民の反米感情を扇動し、対米軍事衝突への世論工作」も検討されているという。

 驚かないでいただきたい。日本にも危機が迫っている。

 日米情報当局関係者は「中国は、台湾への武力侵攻を本気で計画している。その際、日本の尖閣諸島への同時侵攻計画がある。中国は今後、ロシアやシリア、イラン、北朝鮮、韓国などと『反米反日包囲網』を構築するつもりだ。安倍晋三首相潰しの世論工作、日本への恫喝が激しくなる危険がある」と語った。

 トランプ氏が16日、プーチン氏と米露首脳会談を行い、中国を牽制(けんせい)した意味は大きい。

 日本は断じて屈してはならない。あえていう。国難が迫っている。こうしたなか、一部の左派野党は、多数の犠牲者を出した「平成30年7月豪雨」まで、政争の具にして騒いでいる。いい加減にしろ!

 ■加賀孝英(かが・こうえい) ジャーナリスト。1957年生まれ。週刊文春、新潮社を経て独立。95年、第1回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム大賞受賞。週刊誌、月刊誌を舞台に幅広く活躍し、数々のスクープで知られている。

【私の論評】米中貿易戦争は、国際秩序の天下分け目の大戦の始まり(゚д゚)!

2018年環太平洋合同演習(RIMPAC、リムパック)が6月下旬から8月初めまで、太平洋の米領ハワイ諸島で行わています。社会主義政権であるベトナムは、このたび演習に初参加しました。専門家は、アジア太平洋地域における中国の軍事プレゼンスが拡大するなか、米国が対抗手段として、アジア太平洋諸国と堅く協調していることを示す狙いがあるとみています。

今年の軍事演習には26カ国から2万5000人の兵力、戦艦や潜水艦など52隻、航空機200機ほどが参加しています。参加国は〇ブラジル、カナダ、チリ、コロンビア、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、〇イスラエル、日本、マレーシア、メキシコ、オランダ、ニュージーランド、ペルー、韓国、フィリピン、シンガポール、〇スリランカ、タイ、トンガ、英国、米国、〇ベトナム(〇は初参加国)。

米シンクタンクのCNA海軍解析センターの上級研究員ロジャー・クリフ氏は米政府系VOAの取材で、米軍の目的は「志を共にする」国と訓練を実施し、アジア太平洋地域における中国の影響力を抑制することだと語りました。特に、中国不在のなかで、最も中国に近いベトナムが参加することは意義深いとしました。

ベトナム国防省によると、ベトナムは8人の海軍職員を派遣しました。船舶は参加していません。

米軍紙スター・&・ストライプスもまた、米国はベトナムは潜在的なアジア太平洋地域の均衡をとる力があると見なしていると報じました。

2016年以来、米国とベトナムの関係は強化しています。2016年、米国はベトナムへの殺傷力ある武器の販売禁止を解きました。2018年3月、米国空母は40年ぶりにベトナム港に寄港しました。日本官製の外交専門誌「外交」 によると、ベトナムは日本の提唱する「自由で開かれたインド太平洋戦略」の重要なパートナーだといいます。

軍事演習には、災害救援、水陸両用作戦、海賊対策、ミサイル射撃、地雷除去、海上保安、対潜水艦戦、防空作戦などがあります。米軍は専門特殊部隊がリムパックに初めて参加します。

実弾演習では、特殊部隊が海上の船舶を沈める「海軍打撃ミサイル」を発射します。上空では「長距離対艦ミサイル」を発射する予定です。

米紙ポピュラー・マシーナリーによると、ますます軍事力を強化させる中国海軍に対抗して、米空軍B-1B爆撃機は、新しい「長距離対艦ミサイル」を発射する可能性が高いです。同紙は、日本が「島に配備された対艦ミサイルが、日本の排他的経済水域を頻繁に通過する中国艦隊に圧力をかけることができる」ことを証明したいと望んでいる、と報じました。

陸軍の「海軍打撃ミサイル」は、地上の海岸線または島に配備を想定し、数千平方キロメートル離れた洋上の敵艦隊を排除できる能力があります。

中国共産党メディア・環球時報は、中国専門家の話として、リムパックのプログラムのかなりの割合は、中国を対象と想定しているとの分析を報じました。

5月23日、米国防総省は、リムパックに参加するための中国への招待をキャンセルすることを決めました。米国防総省の関係者は、中国の南シナ海における人工島の軍事拠点化に対する予備対応だと語りました。

中国は以前、2014年と2016年のリムパックに参加したことがあります。米国防総省は14日までに、中国のスパイ船がハワイ沖で実施中の環太平洋合同演習(リムパック)を偵察していることを明らかにしました。

米太平洋艦隊のチャールズ・ブラウン報道官は声明で、「ハワイ周辺の米領海外で中国の偵察船が活動しているのを監視中だ」と説明。この船は今後も米領海外にとどまる見通しだとし、リムパックを妨害する動きは取らないものとみていると述べました。

国防総省は5月に中国の招待取り消しを発表した際、南シナ海の係争水域での「軍事化の継続」を理由に挙げ、対艦ミサイルや地対空ミサイルシステム、電子妨害装置の配備などに言及していました。

米軍当局者がCNNに明かしたところによると、スパイ船がハワイ沖の海域に到着したのは今月11日。これまでのところ米国の領海には進入していないといいます。

演習参加国で作る合同部隊の海上部門司令官も、中国船の出没を批判。「非参加国の艦船の出没により演習が妨害される可能性があるというのは非常に残念」と述べました。

私自身は以前からこのブログで述べているように、米中が軍事力で直接対決するのは現実的ではないと考えています。

中国が軍事大国になった背景に、経済的な発展があります。言い換えれば、中国の経済発展をスローダウンさせれば中国軍の力は落ちます。そこで通商、金融、軍事、外交を組み合わせて中国の軍事的台頭を抑制しようという対中政策を提唱しているのが、『米中もし戦わば』(文芸春秋)の著者で経済学者のピーター・ナバロ氏です。

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ピーター・ナバロ氏

トランプ大統領は就任当初、米国の通商政策の司令塔として新設した「国家通商会議」のトップに、このナバロ氏を据えました。

ところが、トランプ大統領が当選した直後、北朝鮮による弾道ミサイルと核開発問題が浮上しました。実はオバマ政権の間に軍事費が大幅に削られたため米軍が弱体化してきており、すぐ北朝鮮に対して軍事行動を起こせる状況ではありませんでした。

ゆえに時間稼ぎの必要もあり、トランプ政権は中国の習氏と組んで北朝鮮に圧力を加える方策を採用し、対中強硬策を控えてきたのですが、はかばかしい成果は見られませんでした。

そこでトランプ大統領は昨年12月、安全保障政策の基本方針を示す「国家安全保障戦略」の中で、中国とロシアを力による「現状変更勢力」、すなわち「米国の価値や利益とは正反対の世界への転換を図る勢力」として名指しで非難しました。このトランプ政権の「反中」戦略を真っ向から批判したのが、パンダ・ハガー(対中融和派)たちでした。

しかしその後、中国共産党自らが「長期独裁を目指す」と主張しました。ドラゴン・スレイヤー(対中国強硬派)とすれば、「やはりトランプ政権の反中戦略は正しい」となります。長期独裁を目指す習氏のおかげで米国では、ドラゴン・スレイヤーの力がますます増していくことでしょう。

そうして、7月6日、米中貿易戦争が開戦しました。中国内外の多くのメディアが「開戦」の文字を使いました。つまり、これはもはや貿易摩擦とか不均衡是正といったレベルのものではなく、どちらかが勝って、どちらかが負けるまでの決着をつける「戦争」という認識です。

この戦いは、たとえば中国が貿易黒字をこれだけ減らせば終わり、だとか、米大統領選中間選挙までといった期限付きのものではなく、どちらかが音を上げるまで長引くであろう、というのが多くのアナリストたちの予測です。

やはり、これは、ピーター・ナバロ氏の通商、金融、軍事、外交を組み合わせて中国の軍事的台頭を抑制しようとする戦略の最初の発動と捉えるべきです。この戦争は、中国がある程度の民主化、政治と経済の分離、法治国家化を実現するか、現体制のまま経済的に相当弱体化するまで継続されることになるでしょう。

こういう事態を招いた、責任の一端は習近平の対米戦略を見誤ったことにあるといえます。オバマ政権の初期が中国に対して非常に融和的であったことから、習近平政権が米国をみくびった結果、鄧小平が続けてきた「韜光養晦(とうこうようかい:「才能を隠して、内に力を蓄える)」という中国の外交・安保の方針)」戦略を捨て、今世紀半ばには一流の軍隊を持つ中国の特色ある現代社会主義強国として米国と並び立ち、しのぐ国家になるとの野望を隠さなくなりました。

「韜光養晦」という中国の外交・安保の方針を提唱した鄧小平

このことが米国の対中警戒感を一気に上昇させ、トランプ政権の対中強硬路線を勢いづけることになりました。

今、北戴河会議(8月、避暑地の北戴河で行われる共産党中央幹部・長老らによる非公式会議)を前に、米中貿易戦争の責任を王滬寧が取らされて失脚するといった説や長老らによる政治局拡大会議招集要求(習近平路線の誤りを修正させ、集団指導体制に戻すため)が出ているといった噂が出ているのは、その噂の真偽はともかく、党内でも習近平路線の過ちを追及し、修正を求める声が潜在的に少なくない、政権の足元は習近平の独裁化まい進とは裏腹に揺らいでいるようです。

この貿易戦争がどういう決着にいたるかによっては、独裁者習近平が率いる中国の特色ある現代社会主義強国なる戦後世界秩序とは全く異なる世界が世界の半分を支配する世の中になるかもしれないですし、世界最大の社会主義国家の終焉の引き金になるかもしれないです。

これは、間違いなく国際秩序の天下分け目の大戦なのです。我が国としては経済の悪影響を懸念したり漁夫の利を期待するだけでは足りないです。別の視点で補いながら、その行方と対処法を探る必要があります。

トランプ政権の対中国貿易戦争を単に自由貿易体制への脅威とみなす人もいるようですが、そのような見方は物事の裏表のうちの、片面しか見ていないと思います。

米中のこの大戦においては、北朝鮮の問題は、大戦を有利に戦うための、駒のようなものです。北朝鮮だけみていては、その真の姿はみえてきません。私は、トランプ政権は金正恩が米国の対中戦略駒として動き、役に立つというのなら、北の存続を許容するでしょうが、そうでなければ、見限ると思います。

場合によっては、中国への見せしめのため、軍事攻撃をするかもしれません。それは、中国も同じことです。米中のどちらにつくかによって、金正恩の未来は大きく変わることでしょう。

そして、ドラゴン・スレイヤーが期待しているのが、日本です。彼らは、「インド太平洋戦略」と称して東南アジア諸国連合(ASEAN)や台湾などと経済、安全保障、外交の3つの分野で関係を強化しようとしている安倍政権を高く評価しています。

期待が高いだけに実際に軍事紛争が勃発した際、日本が軍事的に貢献できなければ、日米同盟は致命的な傷を負いかねないです。何よりもさらに独裁体制を強化した習政権はますます日本に対して牙をむくことになるでしょう。特に尖閣諸島は極めて危険な状態です。

この危機に対応するためには、日本自身の防衛体制の強化、つまり防衛大綱の全面見直しと防衛費の増額、そして憲法改正を進めるべきです。そうして、日本も通商、金融、軍事、外交を組み合わせて中国の軍事的台頭を抑制する日本独自の方法を模索し実行すべきです。

特に金融に関しては、我が国は物価目標2%を達成するまで、量的緩和を実行し続けるべきです。実は、これが中国に対してかなりの圧力になることを忘れるべきではありません。中途半端でやめてしまえば、我が国の経済の回復が中途半端になるばかりか、中国を利することになることを忘れるべきではありません。

そうして、日本が金融緩和をやりきることが、中国の現体制の崩壊にむけて最大の貢献になるかもしれません。このあたりは、掲載すると長くなってしまうので、いずれまた改めて掲載しようと思います。

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