プロフィール
インストウルメンタルという表現手法に言葉をも超越する深いメッセージを紡ぎ込む不世出の天才クリエイター。
1975年アメリカはシンシナティーに生まれる。もともと親がtSOUL/FUNK/JAZZ/BLUESなどの熱心なレコードコレクターだったことで常に音楽に囲まれた生活を送っていた彼は6才の頃に見たブレイクダンスをきっかけにHip Hopカルチャーへ足を踏み入れた。
幼少時代、ピアノ/フルートなど楽器を習っていたこともあり半ば必然的に自分の身を音楽人生へ捧げる決意をした彼は、その後1987年頃に制作機材を購入、トラックメイキングを中心にそのキャリアを本格的にスタートする。ハイスクール時代、彼は今のFive DeezのメンバーであるPase Rock/Kyle DavidとHip Hopを通じて運命的な出会いを果たしすぐさまHip Hopグループ"Five Deez"を結成、当時全くと言っていいほど Hip Hopが根付いていなかった地元シンシナティーにおいて同僚とも言うべきMr.Dibbs / J-Rawls / Dose Oneなど共に精力的な活動を行った。
2001年にここ日本でもリリースされたFive Deez幻の1st Album "Slow children playing"がfat jonのトラックメイカーとしての事実上のデビュー作となるが、実質的には1999年に同僚Dose Oneも運営に参加するレーベル"Mush Records"のコンピレーション・アルバム「roperadder 12」へPase Rockと共に参加したことが初の作品としてのリリースになる。
膨大なリリースキャリアを誇る彼の作品の中でも未だ最高傑作との呼び声高いオリジナル楽曲 "rain dance"を提供した彼はこのことがきっかけになり一躍、要注目プロデューサーとしてシーンで話題となる。その後、アンダーグラウンドHip Hopシーン最高のコンピレーションアルバムとして歴史に名を刻んだ「Tags of the times ver.2.0」への参加を経て、Five Deez名義で「DOPE/B.E.A.T」を始めとする3枚のシングル(リミキサーにPrefuse 73を起用したことも賞賛に値する。)を立て続けにリリースしアルバムへの期待が高まる中、2001年には1st Album 「Kool Motor」を遂にリリース。
シーン有数のトッププロデューサーとしての絶対的地位を揺るぎなきモノとした。その後、Five Deezは「Kool Motor」の爆発的ヒットを携え、クロスオーバーシーンの先駆けとして今や世界的レーベルとなった"K7! Records"へ電撃移籍、ビッグアーティストへの階段を着実に上りはじめた。そして2003年にはすぐさまFive Deezとしての2nd Albumとなる「Kinky Nasty」をリリース。よりフロアライクでダンスミュージックに傾倒したそれは更なる新たなリスナーを獲得し、全世界にて20,000枚以上ものセールスを記録した。
また、同時に彼は自身名義でのインスウトルメンタル・ソロ・プロジェクトも並行して行い、「WAVE MOTION」、「HUMANOID EROTICA」、「Lightweight Heavy」の計3枚のクゥオリティーアルバムをリリース。 Five Deez名義では聴く事の決して出来ない彼のプロデューサー/ミュージシャンとしてのポジティヴなエゴイズムが大々的に反映されたこれらは、彼の多種多様な側面/ポテンシャルが如実に表現された音楽的振り幅の大きなアヴァンギャルド作品としてHip Hopはもちろん、Break Beats /House/Jazz/Soulなど様々なシーンで絶賛の声を浴びた。
Five Deezと自身名義の諸作品によりEl - P(Company Flow)やmadlibらと共に世界のビートトレンドセッターとなった彼は、盟友J-Rawlsとの3582プロジェクトやスタジオメイトである Super Soulなど数多くのアーティストとのコラボレートを果たしており、特に2003年にScapeからリリースされその哲学的リリックでエレクトロニカリスナーをも驚かせたPoleとの共作「90/90」では今回のアルバムを示唆するような積極的な課外活動を見せ、未だに彼が現状に満足せず常に刺激的な音楽 /環境を求道していることを証明した。
一時期、限界説さえ唱えられたサンプリングという手法の更なる進化を模索し、愛機MPC2000を使った独自のテクニックに裏付けられた信じられないサンプリング・ソースの再構築センスと卓越したビートシークウェンス、ドラムプログラミングに自らが演奏するピアノ/フルート等の生楽器を導入したビートはまさに「fat jonサウンド」という音楽的固有名称を名付けられるほどの独自多様性を持つオリジナリティーと輝きを放っている。ドイツへの移住に伴い、PC環境での制作を本格的に導入した彼のビートはもはや誰も辿り着くことの出来ない未到の境地にまで到達していると言っても過言では無いであろう。
クリエイティヴミュージックシーンにおいてはもはや狭き器となったアメリカから、クラフトワークを生み出したエレクトロニックミュージックの総本山ドイツへとHip Hopクリエイティヴィティーの牽引者は次の更なる境地を求めて、今まさに再びまた飛び立とうとしている...
HIP HoPなのに、ジャジーで、安らぎさえ覚える彼の音楽。次のステージではどんな音楽を私たちに聞かせてくれるのか?楽しみです。
過去のInvitationを以下に掲載します。反転文字列をクリックすれば、当該記事に飛びます。
■Secret Garden-シークレット・ガーデン
■NICOLAS-ニコラス・ペイトン
■Charlie Haden―チャーリー・ヘーデン
■DANIEL SCANNAPIECO-ダニエル・スカナピエコ
■ANDREA SABATINO-アンドレア・サバチーノ
■DAVID BENOIT-デビッド・ベノア
■JOSE JAMES-ホセ・ジェイムス
■Lizz Wright―リズ・ライト
■MARICA HIRAGA-平賀マリカ
■SCOTT HAMILTON-スコット・ハミルトン
■ROY HARGROVE-ロイ・ハーグルーブ
■Taylor Eigsti-テイラー・アイグスティ
■Frank Sinatra-フランク・シナトラ
■TAIHEI ASAKAWA-淺川 太平
■NARUAKI KIKUCHI-菊地 成孔
■TOROPICAL JAZZ BIG BAND-熱帯ジャズ楽団
■Quincy Jones-クインシー・ジョーンズ
■DAVID SANBORN-デビッド・サンボーン
■JOHN PIZZARELLI-ジョン・ピザレリ
■BERARDI JAZZ CONNECTION-ベラルディ・ジャズ・コネクション
■HARVIE HANCOCK -ハービー・ハンコック
■TOKYO ZAWINUL BACH-東京ザビヌルバッハ
■SADAO WATANABE-渡辺 貞夫
■TOM SCOTT-トム・スコット
■LOIS ARMSTRONG-ルイ・アームストロング
■JOHN COLTRAIN-ジョン・コルトレーン
■THE JAZZ INVADERS-ザ・ジャズ・インベーダーズ
■KEITH JARRET-キース・ジャレット
■ELECTRO DELUXE-エレクトロ・デラックス
■TRIBAL TECH-トライバル・テック
■MARK MURPY-マーク・マーフィー
■NORMAN BROWN-ノーマン・ブラウン
■TONY MONACO-トニー・モナコ
■DAVE KOZ-デエィブ・コズ
■ROOM ELEVEN-ルーム・イレブン
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