上の写真はミュージカル・ムービー『プロデューサーズ』宣伝用のピクチャーである。私はこの映画を封切りの時にシネマコンプレックスで見た。その後、DVDを購入して何回も見た。おそらく、トータルで10回以上は見たと思う。
この映画を見ていて思ったのは、この映画はひょっとして、ニューヨークボボズの感性に対する共感度の一つの尺度になるのではないかということである。
私は、ニューヨークに在住したことはない、海外生活も長くはない。せいぜいドイツに一月滞在したのが、最長だ。このときドイツを基点として、ヨーロッパの各国を旅した。このほかに今から思うと素晴らしい親に育てられ、小学校時代からリンガフォンなる高価な教材を与えられ、米語をたたきこまれ、今でも普通の高校の教師よりは英語ができると自負できるようになっている。親に感謝!
大学に入学して、米国人の英語の教師に君はアメリカのどこの高校を卒業したのか、ひょっとしてニュヨークのどこかを卒業したのか?と問われたぐらいだ。本当に親に感謝しなければならない。
おっと自慢話が長くなってしまった。ここで本題に入ろう。皆さんはこの映画をご覧になっただろうか。この映画について周りのひとに聴いてみるとさまざまな反応がある。面白くて面白くて笑い転げてしまったという人と、何が面白いのか良くわからない。私はぜんぜん面白くなかったという人と極端に評価が分かれてしまうということだ。
そこで私は考えた。私やこの映画を見て笑い転げてしまう人は、ちょっと変わっているのかもしれないと。全然面白くないという人の方が平均的なのかもしれないと。
私はこの映画を見ていて、無論日本語のテロップも見ていたが、英語もしっかり聞いていた。英語を聞いていて、ものすごい多量の差別用語のオンパレードである。セールスマンの凍死などの、ブロードウェイで上演されているミュージカルを見ているか、話題を知らないと理解できない内容が満載である。
同じ英語でもアイルランド訛りがある程度理解できないとわからない場面がある。ミュージカルの中ででてくる、CPA(サーティファイド・パブリックアカウンタント)とただのPAの違いが判らないと何のことかも良くわからない場面もある。
さらに、ヒトラーについてアメリカの中でどのような位置づけになっいるのか、さらには、エセルマーマンというアメリカのミュージカルスターの予備知識や、ライザ・ミネリ主演のミュージカル・キャバレーの内容がある程度わかっていないと理解できない内容もでてくる。
いやそれどころか、アメリカの歴史、MGMのミュージカルを見ていないと理解できない事柄、ニュヨークのことがある程度わかっていないと理解できないことが満載である。
しかしながら、私の妻は、アメリカに留学した経験もなく、これらの知識もなく、このムービーを見て笑い転げていた。その一方ニュヨークに留学などで、長い間滞在した人で全く面白くもなんともないなどという人もいる。
これは一体何なんだろうと考えたが、結局出した結論は、このムービーはひよっとして、ニュヨークのボボズ層の感性に共感できるか否かの判定に使えるのではないかということである。感性などというものは、知識、留学などとは全く関係なくして、人類共通のコミュニケーションである。BOBOsも所詮生身の人間なのである。
英語が判ろうが、判らなかろうが、ニューヨークに長く滞在するしないなども別にして、このムービーを見て笑い転げる人は、ニュヨーク・ボボズ層との共感度が高い。そうでない人は共感度が低い。
さて皆さんはどちらに属するのか、もし見たことのない人は是非ご覧になってください。それから、私自身のことだが、所得はどのくらいか、何に興味を持っているいるのかは別にして、気持ちはニュヨークボボズと同じだということである。少なくとも深く共感できる存在だということに気がついた。
それから、ちなみに私は父親に高校時代に三年分のリーダーを丸暗記することを強制された。その当時は大変だったが今では感謝している。英語のできる人は、高校時代に必ずといっていいくらいこれをやっている。もし、皆さんが中高生か、あるいは中高生の子供を持つ親なら、これを自ら実践するか、子供に実践させるべきだ。これをすることによって少なくとも英語の成績に不安を感じることはなくなる。わけのわからない英語塾にかよわせるよりははるかに効果的だ。