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2023年6月11日日曜日

墜落事故から40日 子ども4人無事発見 アマゾン密林でどうやって生存?―【私の論評】ウイトト兄妹のサバイバルは、生存と回復力、そして家族の力の物語(゚д゚)!

 墜落事故から40日 子ども4人無事発見 アマゾン密林でどうやって生存?

アマゾンの熱帯雨林

 先月、コロンビアで起きた小型機の墜落事故で、1歳から13歳のきょうだい7人が行方不明となりました。

 しかし、約40日後にコロンビア軍が彼らを南米アマゾンのジャングルで発見し、救助しました。

 この奇跡的な救出劇では、子どもたちのうち4人が無事であることが確認されました。彼らは猛獣の生息するジャングルで40日間も生き延びたのです。

 コロンビア軍は救助犬や捜索隊を投入し、子どもたちの存在を示す足跡やシェルターを見つけました。

 この地域は危険な存在も潜んでおり、生存するために子どもたちは煙を上げるなどの方法で助けを求めました。

 40日以上の捜索活動の末、子どもたちは無事に見つかりました。彼らの生存は驚異的であり、彼らの祖父母やコロンビアのペトロ大統領も喜びと感謝の気持ちを表明しました。

 子どもたちは先住民のウイトト族の知識を活かして生き延び、果物などの自然の資源を利用したと報じられています。

 これは、元記事の要約です。詳細をご覧になりたい方は、元記事を御覧ください。

【私の論評】ウイトト兄妹のサバイバルは、生存と回復力、そして家族の力の物語(゚д゚)!

テレビで、コロンビアに何度も足を運び、現地の人たちとも交流しており、いわゆる現地通の人が、テレビでインタビューを受けていて、今回の子どもたちの発見に関して、答えていました。

食べものや、水の入手などに関して、様々な推論を述べていて、最後のほうにインタビューアーが「この子たちは、ウイトト族の子どもたちだそうです」というと、その人は、「ウイトト族の子どもですか。それなら大丈夫なわけです。水や食料の入手法も知っているし、乳児の面倒のみかたも知っているわけです」と力強く明るい顔で、答えていました。

最初にコロナワクチン接種を受けたとされるウイトト族の女性

やはり、今回の救出劇では、遭難したのがウイトト族であるということが大きなキーポイントであるあると考えられます。

では、ウイトト族とはどんな民族なのでしょうか。コロンビア南東部およびペルー北部の先住民族であるウイトト族。コロンビアに約6,000人、ペルーに約4,000人、合計約10,000人が住んでいると推定されています。ウイトト族は、南米の他の言語族とは無関係なウイトト語族の言語を話します。

ウイトト族は伝統的にアマゾン川とその支流に沿った小さな遊牧民の村に住んでいました。彼らは狩猟採集民であり、漁業や農業で食事を補っていました。また、ウイトト族は幻覚作用のある嗅ぎタバコを宗教的、薬事的な目的で使用していたことでも知られています。

19世紀後半から20世紀初頭にかけて、ウイトト族はヨーロッパからの入植者がもたらした病気(伝染病)によって壊滅状態に陥り、伝統的な生活様式を捨て、より定住的なライフスタイルを強いられることになりました。もともとウイトトト族は、定住民ではなかったのです。

現在、ウイトト族は、コロンビアやペルーの主流社会と同化し続ける中で、自分たちの文化やアイデンティティを維持するために奮闘しています。

ウイトト族は、何世紀にもわたって多くの困難に直面してきた魅力的で回復力のある人々です。彼らは、南米に存在する多様な文化の豊かさを思い起こさせる存在なのです。

ここでは、ウイトト族について、さらにいくつかの事実を紹介します。

彼らの、伝統的な衣服は樹皮の布から作られています。また、熟練した船大工であり、航海士でもあります。

ウイトト族の伝統的衣装

神話、伝説、歌など、豊かな口承伝承があります。精巧なボディペインティングと宝飾品で知られていますし、彼らは平和的な人々で、そのもてなしで知られています。

ウイトト族は、アマゾン地域の文化的・生物学的多様性の重要な一部です。彼らは、この地域の豊かな歴史と先住民の文化を保護することの重要性を、今に伝える存在なのです。

ウイトト族は、。アマゾンの熱帯雨林の天然資源をベースに、豊かで多様な食文化を持っています。

ウイトト族の食生活は、魚や鳥獣、野生の果物や野菜が主なものです。また、トウモロコシ、マニオク、プランテンなど、さまざまな作物も栽培しています。

魚はウイトトの主食で、ピラニア、ナマズ、カメなど、さまざまな種類の魚を捕ることができます。サル、シカ、バクなどの狩猟動物も重要なタンパク源です。

野生の果物や野菜もウイトトの食生活の重要な一部で、バナナ、プランテン、パパイヤ、アボカドなど、さまざまな種類のものを採取しています。また、トウモロコシ、マニオク、プランタンなど、さまざまな作物も栽培しています。

ウイトト族は、ロースト、ボイル、フライなど、さまざまな方法で食べ物を調理します。また、唐辛子、ニンニク、タマネギなど、さまざまなスパイスを使用します。

ウイトトの食文化は、アマゾンの熱帯雨林の豊かな自然資源を反映したものです。伝統的な知識と慣習に基づいた、健康的で持続可能な食事です。

ここでは、ウイトトの伝統的な食べ物の具体例をご紹介します。

ピカディージョ:魚や鳥獣、野菜などを使った煮込み料理で、唐辛子やニンニク、タマネギなどで味付けされることが多い。

カサベ:キャッサバの粉で作った平たいパンで、シチューやスープと一緒に食べることが多い。

チチャ:トウモロコシから作られる発酵飲料(酒)で、特別な日によく飲まれる。

チチャ

ウイトトの食文化は、彼らのアイデンティティと生活習慣の重要な一部です。自然界とのつながりや、伝統的な知識や習慣への依存を思い起こさせます。

子どもたちがウイトト族であったことが、彼らの生存に一役買っていた可能性は十分にあります。ウイトト族は、アマゾンの熱帯雨林で何世紀にもわたって暮らしてきた先住民族です。

熱帯雨林とその資源について深い知識を持ち、厳しい環境の中で生き抜く術を身につけています。子どもたちが40日間もジャングルで生き延びることができたのは、熱帯雨林に関する知識と、土地に根ざした生活を営む能力があったからだと思われます。

また、ウイトト族は、家族の絆が強いことで知られています。そのため、子どもたちは家族の絆に支えられながら、試練を乗り越えることができたのでしょう。

ここでは、ウイトト族が熱帯雨林を熟知し、その土地で生活する能力を備えていたことが、子どもたちの生存を助けたと考えられる理由をいくつかあげます。

彼らは、熱帯雨林のどこで食料や水が手に入るか知っていますし、狩猟や漁労に必要な道具や武器の作り方を知っています。

そうして、彼らは、毒のある植物や動物の見分け方を知っています。さらに、熱帯雨林を移動する方法を知っています。

さらに、これだけではなく、ウイトト族の強い家族の絆も、子どもたちが生き延びるための支えとなったかもしれません。子どもたちは、家族の支えによって力を得ることができ、愛する人と再会するために生き延びようとする意欲が高まったのかもしれません。

ウイトト兄妹の物語は、本当に驚くべきものです。それは、生存と回復力、そして家族の力の物語といえます。

彼らのサバイバルはこれから、徐々に明らかにされていくでしょう。私達も、真摯に彼らのサバイバル法を学ぶべきでしょう。

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2014年12月18日木曜日

「年収2000万円未満お断り」のローストビーフ シェフが「日本一高い」理由を激白!―【私の論評】アベノミクスが信任された今、この企画、これが成功するかしないかは、別にして新たな時代の先鞭をつけるものになるかもしれない(゚д゚)!

「年収2000万円未満お断り」のローストビーフ シェフが「日本一高い」理由を激白!



「年収2000万円超の違いがわかる皆様へ」。熊本市のレストランがこんなキャッチフレーズで、「日本一高い」という「最高級ローストビーフ」の販売をネット上で始めた。

つまり「違いがわからない」お客様はお断りだということだ。一体どんな店なのだろうか。


「凡人には理解し難い超高級ローストビーフ」

販売サイトは、2014年12月10日にオープンした。カリフォルニア料理専門店「KAWAZOE」が運営しており、オーナーシェフの写真も出ている。

「貧乏人お断り」「No.1の自信あり」。サイトは、とにかくPRが派手だ。注意事項として、前もって次のような断り書きが書かれている。

「当サイトでは、凡人には理解し難い超高級ローストビーフを提供しているため、年収が2000万円以上あるような経済的・精神的に裕福な方を対象としています。それに満たない貧乏人の方や、当サイトの趣旨にご理解いただけない方は閲覧・ご利用をご遠慮くださいますようお願い致します」

ローストビーフには、熊本県・阿蘇産の赤牛を使っており、化学調味料や添加物を一切使わず、注文から24時間かけてじっくり作るという。値段の方は、サーロインローストビーフが、500グラムで3万3480円、1キロなら5万6160円、2キロなら9万9360円、と超高額だ。

貧乏人お断りの理由については、「化学調味料や添加物等で、舌の感覚が麻痺している」、「値段だけでしか物の価値をはかれず、作り手の情熱を軽視する」、「見当違いなクレームを言ってきそう」という3点を挙げた。そのうえで、「私は日本一命懸けで料理に向き合っています。その覚悟と情熱をご理解いただける方とのみ、お付き合いしていきたいと考えています」と言っている。

こうした派手なPR方法は、ネット上で話題になり、その意図について様々な憶測が出ている。

熊本・赤牛のPR狙ったものの、まだ売れず

「店にも客を選ぶ権利はあるわな」「これはうまい作戦だ」と、理解を示す声はある。しかし、「炎上商法かよ」「なんか商材売ってるサイトみたい」「企業イメージが悪くなるだけと思うんだけど」などと、疑問や批判の方が多い。

では、いったいどんな意図で、このようなPRをしたのだろうか。

この店のオーナーシェフをしている川添賀一さん(44)は、取材に対し、次のように告白した。

「熊本の赤牛は、生産が少ないので、宣伝して地元に貢献しようと思いました。そこで、値段はいくらにしようかと考え、『そうだ、神戸牛や松阪牛より高くしよう!』と思い付きました。とてもおいしい赤牛で、ローストビーフにぴったりと絶対的な自信があったからです。そして、その値段を付けましたが、まったく売れませんでした。おいしくなかったからではなく、値段が高かったからでしょう。では、これを食べられる人たちはどのくらいの年収かと考えて、2000万円なら余裕で食べられると考えて、宣伝する名目でサイトを作りました」

そうした狙いのため、2000万円以上でないとダメなわけではないという。そのよさが分かるなら、どんな所得階層の人にも食べてもらって構わないそうだ。店では、1000円のランチなどを出し、だれでも歓迎しており、ローストビーフは時間がかかって店では出せないため、ネットだけで売っているとしている。

サイトの宣伝効果については、12月12日昼過ぎまでにネット通販業者から試食用に1回注文があっただけで、まったく売れていないと明かした。電話やメールは、2日間で20件ほどあったが、「マイナス12個くれ」といったイタズラばかりだといい、「日本人の道徳観はこれだけ落ちたかと、不愉快でした」と漏らしていた。

【私の論評】アベノミクスが信任された今、この企画、これが成功するかしないかは、別にして新たな時代の先鞭をつけるものになるかもしれない(゚д゚)!

このサイト『Funny Restaurant 犬とレストランとイタリア料理』と銘打っていながら、ここ数年ほとんどレストランの話題など提供していませんでした。サイトの開設当時は、レストランの運営など担当していましたから、その話題も提供していましたが、最近でもっぱら時事問題ばかり掲載してきました。

本日は、久しぶりにレストランの話題を提供させていただこうと思います。そのなこともあり、上の記事を掲載させていただきました。

さて、実際に、上記の記事にある、サイトを訪問してみました。実際訪問してみたところ、この上の記事に掲載されていた写真は、以下のように変わっていました。

http://roastbeef-kawazoe.com/


「年収2000万超の違いのわかる皆へ」、「貧乏人お断り」という文言が消えていました。やはり、ここまで掲載すると露骨だし、さらに批判があったり、からかいもあったため、消したのだと思います。

そもそも、この販売の仕方には、二つ程疑問があります。

まず、第一に、やはりこのようなキャッチをつけるのは、誤りであったと思います。お店でも、通販でも、無論ターゲットは想定はしますが、だからといって、自分たちが提供したいターゲットをあからさまに、明示して、それ以外はお断りなどとするのは、販売する側の奢りであり、とんでもないことだと思います。

無論、ターゲットを設定して、そのターゲットに向けて、そのターゲットに対してベネフィットを想定ししてそれに対して、解決案(ソリューション)を提供するのは当然のことではありますが、こうした想定は、あたることもありますが、外れることもあります。外れたときには、修正しながら販売するというのが普通です。


そうして、経営学の大家のドラッカー氏は、予期せぬ顧客を見逃さないことや、購入しない顧客の動向にも目を配るべきと提唱しています。

私も、そうすべきものと思います。確かに、これだけ高い食料品であれば、顧客は高所得層に限られるかもしれません。しかし、そうではない顧客も存在するかもしれません。

たとえば、普段はこのような高価なものを口にしない人でも、肉食好きで本当に美味しいローストビーフを食べたいと思っている人が、病気を患って余命1年などと、宣告されたとしたら、まだ元気で味覚がおかしくならないうちに、食べてみようと思うかもしれません。

あるいは、食育などに興味のある人たちの集まりがあったとして、その人達が本当に美味しいローストビーフを自分や自分たちの子供に食育の一環として、このようなものを食べさせてみたいと考えるかもしれません。そうして、大勢の人々が集まって、一切れずつでも試食の機会をつくろうとするかもしれません。大勢で注文すれば、個々人の負担は少なくてもすみます。

上記は、思いつきで掲載してみたのですが、他にも予期せぬ顧客が存在するかもしれません。こうした顧客を発見した場合、そうした顧客層を開拓するなどということも十分考えられます。

それと、ドラッカーの提唱するように、購入しない顧客層についても十分目を配るべきです。ドラッカー氏は、デパートの衰退の原因の一つとして、デパートで購入しない顧客の動向を見なかったことをあげています。

デパートの多くは、デパートで購入する顧客にばかり注目して、それ以外の顧客をみることをしなかったため、多くの顧客が、ショッピングセンターや、モールで購入するようになった理由を知ることなく、ますます減少する顧客の情報ばかり集め、その人々に対する研究をして品揃えなどするようになったため衰退するに至ったと警告していました。

消費税見送りと、アベノミクスで日本のデフレからの脱却も近い?


このような高給ローストビーフも、購入する顧客以外の情報にを気を配るべきと思います。現状では、安倍総理が主張しておられたように、「アベノミクスの信任」を得るための選挙でもあり、ご存知のように与党は、衆議院選挙で大勝したため、これから景気が良くなる可能性は十分にあります。

これから、このような高いローストビーフを購入する顧客以外も、飲食にももっとお金をかけるようになる可能性が高いです。そうなると、いままではこのようなものを購入しなかった高所得層も抵抗なく購入するようになるかもしれません。

その意味では、今の時期にこのような商品を売り出すことは、少しタイミングが早かったかもしれませんが、かといって時代の趨勢から全く離れているということもなく、先鞭をつけるという意味で決して悪くないタイミングだったと思います。

しかし、このレストランのシェフは、そこまでは考えていなかったと思います。そこまで、考えを巡らせていれば、もっと良い販売方法を企画できたと思います。

ローストビーフ・サンドは欧米では保存食料の使い回し
それと、もう一つ疑問に感じたことがあります。それは、通信販売での提供ということです。このブログでも、ブログを創設したばかりの頃は、レストランの話題も掲載しており、ローストビーフのことも話題にあげていました。そのため、私自身もローストビーフという食べ物については、多少は知識があります。

その多少の知識の範囲でも、ローストビーフはどのタイミングでいただくと最も美味しいかはわかります。そのタイミングとは、やはり焼きあがった直後、オーブンから取り出し、数十分程度も冷まして、ほんのりあたたかみが残っているものを切り分けた直後が最も美味しいです。

欧米などでは、家庭で、ローストビーフをつくると焼きあがって、冷ました直後のものをその夜に食べられる分だけ切って、より分けて、残りは冷蔵庫などに格納して、保存食料として使います。この保存食料としての、ローストビーフを出来たてのものと区別して、コールド・ローストビーフという場合もあります。

大体一週間程度で、使いきります。食べ方としては、いろいろあります。それこそ、薄く切って、フライパンでさっと火を通して、それこそビーフステーキのようにして食べるとか、あるいは、サンドイッチにするとか、いろいろ使い回しをします。ローストビーフ・サンドは、あくまでこのコールド・ローストビーフを用いるものであり、これをつくるためにロースト・ビーフを料理するということはありません。

コールド・ローストビーフと、ローストビーフでは、味に雲泥の差があります。やはり、出来たてのものが本当に美味しいです。日本の家庭では、ローストビーフを焼くという習慣はほとんどありません。結婚式の披露宴などの祝い事にも、コールド・ローストビーフが出されることもありますが、まずは出来たてのローストビーフが出されることはほとんどありません。スーパーなどで、販売されるのもコールド・ローストビーフです。

少し前置きが長くなってしまいましたが、通信販売で販売するとすれば、無論コールド・ローストビーフになると思います。しかし、これでは、本来のローストビーフの美味しさを提供することはできません。ここがもう一つの疑問なのです。

せっかく、最高の品質の材料を用い、時間もたっぷり使い、最高のロースト・ビーフを作っているにもかかわず、それを通販で販売するということに非常に疑問を感じるのです。先に、コールド・ローストビーフは、出来たてと比較すると格段に味が落ちるということを掲載しました。

このサイトを運営しているレストランのシェフもそのことは知っていると思います。おそらく、ある程度のグレードの肉を使ってローストビーフの焼きたてを提供すれば、さほど高い肉ではなくても、かなり高級な肉を使ったコールド・ローストビーフよりはるかに美味しいと思います。

このシェフは、コールド・ローストビーフでもかなり美味しいものを提供しているのでしょうか。それにしても、そのあたりはサイトを見ても、何も説明されていません。このあたりが非常に疑問です。

このロースト・ビーフが売れない理由はこのあたりにも原因があるのではないでしょうか。

おそらく、日本人はあまり出来たてのローストビーフを食べたことのある人は意外と少ないかもしれません。ただし、出来たての近い味を提供するレストランもあります。それは、保温装置のついたワゴンにローストビーフの固まりを入れて、焼きたて直後の状態を保存し、顧客のテーブルの近くまで行って、その場で顧客に切り分けて提供する方式です。

言葉で説明すると長くなってしまうので、下に写真を掲載します。下の写真は、保温装置のついたワゴンの上で、ローストビーフを切り分けている写真です。このワゴン、蓋をすることができます。中に保温装置がついており、オーブンで焼きあがったばかりのものをこのワゴンの中に格納し、お客様のテーブルの近くまで持って行き、その場で切り分けてお客様に提供します。


その場で切り分けるため、本当に焼きたてのものをすぐ食べるのと近い味を提供できます。ローストビーフは長時間ロースト(蒸し焼)してあるため、脂分がかなり落ちていますので、かなり食べやすく、細身の女性でも2キロくらいなら、楽に召し上がることができます。


私自身は、ローストビーフは、焼きたてを冷まして、食べごろになったのが最高に美味しいと思います。どんなに良い材料をかけて、手間暇かけて調理したとしても、コールド・ローストビーフでは、味の良さが半減してしまいます。

だから、通信販売には疑問符がつくのです。いくら美味しいものでも、コールド・ローストビーフの通信販売では、自宅で焼いたものよりは、格段に劣ると思うのです。

これからの季節、ローストビーフを調理したり、召し上がったりする機会も多いと思います。ある程度グレードの高い肉を用意し、自宅で焼けば、この通信販売のような高価のものと同等かそれ以上の味のものを召し上がることができると思います。

以下に、このブログに過去に掲載したローストビーフの作り方の記事のURLを掲載します。
簡単なローストビーフの作り方

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事で簡単にできるローストビーフのレシピを掲載しました。これからの季節、自宅でローストビーフを焼けば、経費も低く押さえられますし、何よりも良いご馳走になると思います。1~2回くらい、安い肉で実戦してみれば、要領がわかり、誰にでも簡単にできます。是非挑戦して見て下さい。

少し話が脱線しましたが、本日紹介した、超高価なローストビーフの通信販売、少し前まではデフレで景気が落ち込んでいたので、とても考えられないような企画でしたが、今回の選挙をでは与党が大勝利10%増税もスキップされ、おそらく8%:増税による経済対策もなされると思います。

そうなると、本格的に景気が良くなることもが十分予想できます。そうなれば、今回紹介したような、超高価なローストビーフの販売企画なども珍しいものではなくなるかもしれません。

そのようになる前から、もっと飲食にお金をかけるようになる人が大勢出てくるようになると思います。そうなれば、ここまで高価なローストビーフでなくとも、上で紹介したようなワゴンサービスをさらに拡張したようなサービスも成り立つようになるかもしれません。

欧米では、かなり大きなスチームオーブンがあり、一度に数十羽の鶏や、数十個もの牛肉をローストし、ローストした後は、スチームオーブンで、温蔵できるような巨大オーブンがあり、来店したお客様に、いつも出来たてのものを提供できるようにしているレストランなども存在します。

ものの値段など、原材料や、人件費を安く抑えることができれば、いくらでも安くできます。本日このブログで、紹介した高価なローストビーフも、現在の枠組みの中で考えているから高価でないと提供できないですが、その前提を、これと同じような品質の肉牛を大量に飼育できて、原材料として安価に提供できるようにしたり、調理も大量に一度にできるようにして、自動化すれば、かなり低価格にすることも可能になると思います。

10年もかけて、これに取り組めば、同品質のしかも出来たてのものをお客様に従来の半分とか、1/10で提供できるかもしれません.

そうなると、2000万以上の年収の人でなく、もっと多くの人々に保存食品のコールド・ローストビーフではなく、出来たてのローストビーフを提供できるようになるかもしれません。

最近では、熟成肉などいまさらのように人気ですが、欧米では高級レストランでは熟成肉を出すのがあたり前でした。そうして、コールドではないローストビーフ、無論熟成肉のローストビーフなど、味わった人は、日本では意外と少ないです。

日本でも美味しいローストビーフを手軽にいただける時代は来るか?

そのようなものを提供できるようになれば、全く新しい需要を呼び起こすことができるかもしれません。そうして、新たな市場を創りだすことができるかもしれません。

しかし、このようなことを実現するための、大きな条件があります。それは、少なくともデフレではない状況です。デフレであれば、人々は飲食に新しさを求めるのでなく、美味しさの中にも、節約を求めます。

そのような時代には、今回この記事の冒頭で紹介したような、超高価なローストビーフが売れて、事業になるということはなかなか考えられません。しかし、デフレから脱却できれば、このような超高価なものも売れるようになるでしょうし、上で私が述べたようなこともできるようになる可能性も高くなります。

そうして、今回の安倍総理の大勝利によって、アベノミクスは国民の信任を得ました、安倍総理が8%増税による経済の悪化に対して手を打ち、必要ならばさらに金融緩和を行うことなどによって、日本はデフレから脱却するどころか、成長軌道に乗る可能性も十分あります。

そうなれば、上で述べたような新たなチャレンジもまた可能になることでしょう。そんなときには、上の超高価なロースト・ビーフの企画なども、目立つものではなくなることになるでしょう。その意味では、この企画、これが成功するかしないかは、別にして新たな時代の先鞭をつけるものになるかもしれません。

それにしても、このような試みがなかなかてきなかったのが、デフレの時代です。デフレから脱却できれば、飲食の分野でも、このような新たな試みがどんどんなされるようになり、皆さんの選択肢も増え、財布の紐も緩むというものです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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若い頃は経験すべき?それとも貯金すべき?

いつも奇抜なファッションでファンを魅了するレディー・ガガ。すごくない?
普通ならとてもできないが、若ければできる。それが若さの特権だったはず。


「若い頃はお金を使ってでも経験しろ」なんてよく聞きますよね。でも正直お金がないのも若い頃。お金を使ってでも経験、それともコツコツ貯金貯金、どちらを優先すべきでしょうか?

「大人の方へ!!」

回答は「どちらも正解」、「出世したいなら経験、堅実に生きるなら貯金」、「やっぱり経験」という声が多め。その中でも、自分はどうすべきか考える時のポイントを3つご紹介します。

■どちらを選んでも「後悔」する

まず心得たいのは、「どちらを選んでも必ず後悔する」こと。

「どのみち後悔しますよ・笑。お金を使ったなら、ああー、あのお金をもっと有効なことに使うか貯金していたら今頃はーって思うし、お金をやたらじっとり貯めこんでいたら、ああーこんなつまらない人生なら何かぱあっと使えば良かったーと思うし」(erer4649さん)

後悔しないなんてあり得ないことを、わきまえておきましょう。

■どちらを選んでも失敗するケースも

一方でdemergerさんは、どちらを選んでも失敗するケースを紹介。

「『自分に投資』をやみくもに、目的も無く散漫に進学し資格収集し『学んでいるつもり』ならば、単なる自己満足。それは『死に金』(中略…)(コツコツ貯金も)『真面目』=『自分の頭で何も考えず、他人が言うがままに働く』などとはきちがえていると、それは『死に時間』」

「死に金」「死に時間」ゾッとする言葉ですが、つまり自分の意志が大切。

「『どのような自分になりたいか』が明確でないと、どちらであっても『死に金』『死に時間』だけが積み重なるだけです」

自分と向き合い、自分の興味や意志の対象を明確にしていくことも大切ですね。

■取り返しのきかない「若さ」

大事なのは、「若さ」という意見も。

「気にすべきとこはお金の使い道でなく、その若さ。若くしても老いてもお金は貯金できる。老いてから若かった自分に対して投資はできない。使いなさい。生き金死に金気にしちゃいけない。貯めなきゃならなくなってから貯めなさい」(sundaraさん)

「若いうちの失敗はいくらでもやり直しが効きますからね」(noname#197439さん)

「経験=挑戦・失敗・やり直し」。それ相応の、体力・知力・時間も必要です。年を重ねるほど老化するだけでなく、結婚・子育て・介護…と自分の時間も減るもの。「若気の至り」という言葉もある通り、失敗できるのも若いうちですよね。若さの意義も、しっかり考えておきましょう。

最後にta72さんが紹介した言葉も、参考になります。

「貯めれば金が残る。使えば経験が残る。貯めれば貯め方が分かる。使えば使い方が分かる。使い過ぎたら借金が残るが貯め過ぎても残るのは数字(中略)…貯めたければ、まず入れ物(器)を広げる事。貯めるのは大きく使う為、使うのは器を広げる為。どちらにしろ、金は使う物」

宮野茉莉子(Miyano Mariko)

【私の論評】ちょっと待ってくれ、貯金と経験がトレード・オフの関係になってしまったのはデフレのせいではないかい?若者はデフレ脳から脱却しもっと政治・経済に関心をもて、選挙に行け(゚д゚)!

上の記事では、大人たちが最もらしいことを書いていますが、この人達もデフレ脳に侵されているのではないかと思ってしまいます。

デフレ脳とは、デフレが所与の条件(変えることのできないもともと与えられている条件)となってしまっていて、それを前提に物事を考える思考のことをいいます。

エコノミストの村神尚己氏が良く遣う言葉です。デフレ脳になっているという査証として、貯金と経験がトレードオフの関係になってしまっているという事実があります。

最近の若者は堅実に貯金する人が増えているというが・・・・・・・・


今は、特に若者の貯金と、経験がトレードオフの関係になってしまっているようです。

トレードオフの関係にある事柄は、全体をみることと、長期・短期ともにみることが重要です。

全体では、良いことなのか、悪いことなのか、長期・短期的にみて良いことなのか、悪いことなのかをバランス良く考えて意思決定をする必要があります。このバランスが重要です。

トレードオフとは、経済学でも良く使われる言葉です。

トレードオフ(英: Trade-off)とは、一方を追求すれば他方を犠牲にせざるを得ないという状態・関係のことです。トレードオフのある状況では具体的な選択肢の長所と短所をすべて考慮したうえで決定を行うことが求められます。また、トレードオフ選択しなかったことによる損失を「機会費用」と呼びます。

これって、この定義だけでは良く理解できないと思いますので、経営学の大家ドラッカー氏があげた三つの例を以下に掲載します。



まずは、会社を経営していく上で、短期と長期のトレードオフをバランス良く考えていく必要があります。

目の前の短期のことだけ考えていれば、長期的には会社の将来は危うくなります。とはいいながら、会社の10年後、20年後のことばかり考えていれば、短期的なことが疎かになり、すぐにても会社は危うくなります。

これをバランス良く考えていく必要があります。場合によっては、短期的にみれば多少効率を落としてでも、長期に備え場合だってあり得ます。

第二に全体と個のトレードオフです。全体とは、たとえば会社全体と、その一部の課との関係などもトレードオフの関係にあります。ある課にとって非常に良いことが、実は会社全体にとっては良くないことなどはいくらでもあります。それとは、逆に会社全体にとっては非常に良いことが、いくつか課にとっては悪いことで、全体を良くしようと考えるあまり、複数の課を駄目にしてしまうこともあります。これもバランスをとって考えなければなりません。

第三に、特に民間営利企業では、利潤に関するトレードオフがあります。たとえば、販売促進費を際限なく、かけれは、確かに売上はあがります。しかし、利益はでません。適当なところでバランスをとらなければなりません。

そうしてこの長期デフレのせいで、企業でも個人でもトレード・オフになる事柄が非常に増えてきました。デフレでなければ、特に若い時の貯金と経験がトレードオフになるということはあまりありません。

今でもバイト学生は多いが、稼げる金額は・・・・・・・・


自分の経験でも、バブルではないものの少なくともデフレではなかった自分の学生時代には、随分と金を稼いだものです。毎月最高で、30万くらいは稼いでいました。家庭教師、その他もろもろ合わせるとそのくらい稼いでいる連中は他にも結構いました。何も珍しい存在ではありませんでした。今なら極めて珍しい部類にはいるのでしょうね。

私は、金を稼ぐなどということは、あまり上手ではなかったのですが、この時期にいろいな友人が稼ぎがたをいろいろと教えてくれました。楽なものから、厳しいものまで、いくつもありましたが、やはり厳しいほうが稼ぎが良かったのて、厳しいほうを選びました。とは、いっても主に頭を使うものだったので、時間をかなりかけるとか、体自体は酷使するものではありませんでした。

別の角度からみれば、楽といえば、楽でした。今でいえば、エクセルのまともな表を作れれば、それで結構金になる時代でした。ただし、まともという意味は、ただ表がつくれるということではなく、現場できちんと役に立つ表という意味です。

これに関しては、大学の先生をかなり活用させていただきました。現場で必要になる知識を統計学の先生やら、コンピュータ・サイエンスの先生に良く質問に行きました。どの先生も前もって予約しておけば、快く応じていただけました。これは、学校の勉強と、現場での仕事(平たくいうとお金)が結びついた素晴らしい好循環でした。

なにせ、金になるということで、勉強にも、先生への質問もかなり熱心になります。それが、相手に伝わって様々な知識というか、そこまではいかないようなノウハウなどもたくさん提供していただいて、大助かりでした。教授の側も、自分たちの学問が現場でどのように活用されるのか、興味津々だったようです。

こんな時に、貯金と経験をはかりにかける人など誰もいませんでした。親からの仕送りがないとか、少ない人でも、バイトをすれば、何とか学費くらい稼げたし、返却しなくても良い奨学金をもらってい人もいました。院生で本当に優秀な人は毎月7~8万程度もらっていて、それは返却しなくても良いそうで、その他バイトをあわせると楽々と学業に勤しむことができました。

最近は若者の海外旅行離れも進んでいるという

ただし、私は貯金はあまりできませんでしたが、いろいろと経験はそれなりにつめたと思います。それが良いことだったどうかは、いまもってわかりませんが、その頃の経験も含めて、今の私がかたぢづくられているのは、間違いありません。

思い返してみれば、帝国ホテルであの、美味しい、ロースト・ビーフのワゴンサービスなど食したのもあの頃でした。これって、世界のどこよりも美味しいと思います。最近は、ほとんど行っていないなぁー。

国内旅行や海外旅行なんてもの結構やっていました。1年休学して、一年間海外旅行と金稼ぎなどという馬鹿真似もしでかしました。それは、それで良いことだったと思います。後で親にバレてこっぴどく叱られましたが・・・・・。

帝国ホテルのロースト・ビーフのワゴンサービス
目の前できりわけてくれる

それにしても、こんなことをしてるのは、自分だけかと思っていたら、海外に出かけると、そういう変な奴が一杯いました。

しかし、こんなことをしていても、就職の時期になれば、家に帰ると、その頃は印刷媒体が中心だったので、リクルートなどから山ほどいろいろな資料が山積みになっていて、就職も適当にやっていれば、何とかなるという雰囲気でした。

確かに、私自身も、周りをみていても、そうでした。第一志望が駄目でも、似たような業界の第二、第三志望くらいはどうにでもなるという感じでした。院生ならば、ほとんど何も就職活動をせず、教授の紹介で、自分が院生のときに実験していた事柄と同じような基礎研究ができる企業に就職している人もいました。

とにかく、よほどの事がない限り、就職に完璧に失敗するなどということはありませんでした。一部、変わり者が、大学や大学院を卒業しても、職に就かないというものもいましたが、そういう人も、それなりに自分の夢を叶えたり、中途入社して何とかなっていたというのが普通でした。

大学時代や、就職しても若いうちはなかなか貯金がたまらないというのは、普通のことでした。しかし、そうであっても、いずれ結婚し、結婚するとそれなりに貯金もするようになり、まあ何とかという状況でした。

そうです。当時は、中年以上ともなれば、失敗すれば、取り返しがつかないと思われていましたが、若ければ、特に長期完全失業とか、派遣などということは考えられませんでした。それが若さの特権と信じて疑いませんでした。

これは、おそらく現在の45歳以上の人の若いころはそうだったと思います。特に五十歳以上で、70歳以下であれば、完璧にこの範疇にはいると思います。これは、バブルの時代まっただ中での青春でなくてもそうでした。

しかしいつのまにやら、世の中はデフレに見舞われ、私の身の回りでも、新卒が明らかに変わってきたことがわかります。たとえば、札幌の大学に四年間いたというのに、薄野(すすきの)にほとんど行ったことがないとか、飲むとすれば、家飲みがほんどだったりとか、それに最近では、大学や大学院を卒業しても、奨学金数百万の借金があるということが珍しくはないようです。

であれば、最近の若者は、経験を後回しにして、貯金に励むのは当然のことと思います。貯金と、経験がトレードオフの関係になるのは当然のことと思います。

私の若い頃とは全く違うということです。それにしても、全くつまらない世の中になったと思います。

昔の若者だと、大学や大学院など卒業した新人など、たたくの何やらの埃がてできました。たとえば、学生時代にこんな変わったバイトをやっていましたとか、海外でこんな馬鹿真似をしていましたとか、いろいろでした。それなりに、面白い経験をしていきている人が多かったものです。

しかし、最近ではそのようなあまりなく、あったとしても、ありふれたバイトで、後は学生生活だけで、まるで無色透明のような学生生活を送ってきた人が多いようです。

そうして若者がそうなったことの原因としては、やはり、あまりにも長い間デフレが続いて、将来に希望が持てなくなっているということがあると思います。

だから、若いうちから、貯金と経験がトレードオフになってしまっているのです。

いつまでもデフレであり続けることはキモい 過度のデフレ脳もキモい


多くの人は、先にも述べたようにデフレ脳になってしまっているため、これが普通のように思っているようですが、それは完璧に間違いです。

デフレは、経済の癌ともいわれるように、異常状態です。これは、普通経済循環である、不景気、景気を繰り返すパターンから完璧に逸脱した、人でいえば癌ともいえる、異常な状況です。

しかし、日本では、デフレのことを不景気くらいに思っている人が多いてす。これは、完璧にデフレ脳です。

デフレ脳になってしまえば、このブログの冒頭の記事のように、若者の経験と貯金がトレードオフになるのが異常と思わず、あたり前に思ってしまうのです。

若者の経験と、貯金がトレードオフとなる世の中は、異常です。若ければ、貯金がなくても、後から頑張れば、何とでもなるのが普通です。就職して頑張れば、貯金もできて、様々な経験もできるのが若者の特権であったはずです。

この特権がなくなった社会は異常です。

これがない世の中は、進歩しません。若いうちは、なかなかオリジナルなことは考えられませんが、いわゆるリミックスということを実践していけば、いずれオリジナルなものもたくさん生まれてきます。れそがない世の中は、進歩がありません。

リミックスについては、このブログでも以前紹介したことがあるので、その記事のURLを以下掲載します。
『海賊のジレンマ』が教えてくれる「未来のアイデアを育てる」方法−【私の論評】単なる天才のひらめきで、イノベーションはできない体系的なRemixのみが社会を変える!!
レディガガのアルバム、The Remix

詳細は、この記事をごらんいただくものとして、リミックスについて説明した部分のみを以下に掲載させていただきます。
新しいものが、全くの無から生まれてくることはありません。バッハも、同時代の先輩格のビバルディやコレルリの曲を何曲も編曲して新しい楽曲を生み出しています。特に、バロック時代にはそのようなことは、日常茶飯事に行われていました。今のように著作権法などはありませんでした。このようなことを行っていくうちに、バッハも自分独自の素晴らしい楽曲を作成するに至りました。アインシュタインだってそうです。彼自身が、自分がやったことは、過去の人がやったことに1%を付け加えたに過ぎないと言っています。その1%が素晴らしいことだったのです。彼でさえ、99%は、リミックスだったのです。
特に、社会変革に関する企画に関してはそういうことがいえます。今まで社会でどの時代のものであれ、うまくいったことは、すべて手本にすべきです。近江商人など昔の商人のやったことだって、多いに役立ちます。だから、過去に行われたこと、現在多くの人が行っていることは、徹底的に調べて、まずは、著作権法、商標法などに違反しないかたちで、複写・変形・結合することによって、新しいものを生み出すべきです。
複写・変形は、すぐに著作権侵害をしてしまう恐れがあります。ただし、誰が最初にやったのかわからない形で、世の中に広まってものは、そのようなことはありません。複数のものを結合して新しいものをつくってしまえば、それは最早、複写・変形の域を超えています。だからこそ、結合が重要なのです。そうして、努力を重ねて、さらに運がよければ、アインシュタインのように、1%の全く新しいものを付け加えられるかもしれないです。そのとき私たちは天才と呼ばれるのかもしれません。しかし、天才と呼ばれることがなくても、商売や事業は十分やっていけます。だから、凡人は、まずは、リミックスすべきなのです。
リミックスは、若かった頃の、スティーブ・ジョブズも、ビル・ゲイツだってやっています。今のアップルだって、マイクロソフトだって行っています。アートの世界もそうです。

特に、若者は、若い内に徹底的に先人の業績を研究し、真似して、リミックスを実践すべぎです。

そんな時に貯金だけしていては、将来の芽をつんでしまいます。ただし、残念ながら、今は貯金と経験がトレードオフの関係にあることも事実です。

であれば、今の若者には、倹約して貯金もしつつ、経験もたくさん踏んでいただきたいものです。お金をかけなくても、経験をつむことはいくらでもできます。たとえば、恋愛とか。これも、最近の若者はあまり経験していないようです。

それとか、最近では、電子書籍などでも無料のものが結構提供されています。確か福沢諭吉の『学問の進め』など、AmazonのKindleで無料で提供されていました。その他、多少お金はかかるものの、安いKindle本や、文庫本などもたくさんあります。

それに、大学生や院生であれば、自分の担当教官だけでなく、大学中の先生から知識やノウハウをいただくこともできます。

それに今の時代、インターネット、スマホ、タブレットなどありますし、若者はこれを多様しているはずですから、LINEなどの内輪の話だけではなく、いろいろ自分なりに勉強した上で、世界中の人からいろいろなことを聴いて回ることもできますから、これを利用しない手はないと思います。

とは、いいながら、これだけだと実体験はなかなか積めないですから、やはり、これから世の中を変えてまともにしていかなければなりません。

デフレ脳に陥っている人はマインド・コントロールされているようなもの


十五年以上も、デフレが続いている国など世界広しといえども、日本しかありません。この状況は打破しなければなりません。

であれば、若者も政治・経済に興味と関心を持ち、選挙にも行って、デフレ脳で完璧に腐った頭の政治家に票は入れずまともな政治家に投票すべきです。そのためにも、ある程度勉強しなければならないと思います。

そうして、様々な経験が積めるような世の中にして、楽しいことも、大変なことも経験すべきです。それか、次世代を進歩させます。貯金と経験がトレードオフになる世の中は、進歩しません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思いますか?

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2013年12月21日土曜日

社員が一緒にランチを食べると生産性が上がるという実験結果―【私の論評】テンフォー(オーディンフーズ)の社食ランチは300円でかなりリーズナブル、コミュニケーションの円滑化にもかなり役立っている、ありがとう佐々木シェフ(゚д゚)!

Life Hackerより


大きな会社で働いていると、一緒に働いている人のことを忘れてしまうことがあります。そんな時は、たとえ話し合うような仕事がなくても、他の人たちと一緒にランチを食べることで、生産性が高まりやすくなります。とりあえず大きなテーブルでランチをしましょう。

生産性を分析するSociometric Solutions社によると、社員がみんなで一緒にランチを食べると、コミュニケーションはより活発になります。より寛げるような席にしたところ、その効果は特に顕著でした。

究極のランチ交流において、テーブルのサイズは重要です。Sociometric Solutionsは、オンラインの旅行会社で会社のIDパスにセンサーを埋め込み、職場での行動を追跡しました。休憩スペースには、4人がけのテーブルと、12人が座れる長テーブルがありました。長テーブルに座った社員は、その日のランチ後に、36%多く他の人とコミュニケーションをしました。また、長テーブルに座った人同士の結びつきも強くなりました。この会社でリストラが起こった時、長テーブルに座っていた人は30%多く抵抗しました。

この結果は特に驚くべきことではありません。結局、人間は社会的な生き物です。会社が時差ランチを導入していたり、単純に同僚と一緒に食事をすることはそんなに重要ではないと思っている場合は、会社の仲間と一緒に食事をすることについて、考え直してみる価値がありそうです(必要であれば、上司とも一緒に)。

【私の論評】テンフォー(オーディンフーズ)の社食ランチは300円でかなりリーズナブル、コミュニケーションの円滑化にもかなり役立っている、ありがとう佐々木シェフ(゚д゚)!

上の記事に出ていたようなランチは、もううちの会社では随分前から実施しています。昼ごはんは、業務の都合で外食する人は別として、社内の会議や打ち合わせスペースで皆で一緒に食べるようにしています。

当社社屋は、三階建てですが、3階の役員会議室、その他2階、1階の打ち合わせスペースを用いて食事をします。三階は、役員会議室で、ぎゅうぎゅう詰めにすると、25人くらいは食事ができます。2階の打ち合わせスペースでは9人、1階のスペースでも、6人くらい、テーブルを増やせば、もっと大人数で食事ができます。このどのスペースで食事をするかは各人の自由ということにしています。

そうして、昼食は外から購入たり、お弁当だけではなく、当社内でつくっています。もともとは、レストランも運営していましたから、そのレストランのシェフが毎日ランチをつくります。手の空いている人は、お手伝いをします。ランチ代は、一食300円となっており、後でランチの写真をおみせしますが、かなりリーズナブルです。それから、お弁当を持参した人や、外部で購入した人も、原則としてこれらのスペースで食事をすることにしています。特に強制はしていないので、必ず社食でなくても、お弁当や場合によっては外食も可です。

ただし、社内で食事をするときは、自分の机ではなく、必ず役員会議室か、打ち合わせスペースでいただくようにしています。これによって、社内の人とは、すくなくとも週に1~2回くらいは、誰とでも話しができるという貴重な機会になっています。

また3階では、日々創業者でもある会長が食事をされますので、創業者の話しを直接聴いたり、質問できるようになっています。だから、何か創業者の話しを聴きたいと思えば、3階で食事をすれば、その機会は誰にでも公平にあるということです。私などは、いつも3階なので、今では、会長の隣は会長秘書、その隣は私という具合に定例化されてしまい、少し遅れて行っても、他の席は満杯でも、そこの席だけは空いているという状況になっています。       

下の写真は、日々料理を作っていただいている、佐々木シェフです。

佐々木シェフ リストランテ・ル・ブォンにて

この佐々木シェフ、このブログを長い間ご覧の方々は、ご存知でしょうが、以前当社が運営していた、イタリアンレストラン、リストランテ・ル・ボンのシェフです。

リストランテ・ル・ブォンはこのブログにも掲載したように、閉店しましたが、佐々木シェフは、現在では、ピザ・テンフォーの商品開発ならびに、社食をつくるので大忙しです。

社食といえば、カレーライス、カツどん、親子丼などシンプルなものを思い浮かべがちでしょうが、そうではありません。これは、言葉で説明するよりは、現物をご覧いただいたほうがご理解いただけると思いますので、下に写真を掲載させていただきます。

昨日の社食
上の三皿は、左から鶏肉(下はコロッケ)、真ん中は牛肉,右はなぜか熊肉はちみつ漬けです。なにやら、佐々木シェフがどこからいただいたものです。

12月6日の社食
カルボラーナと、右の皿は鶏肉グラタンです。

12月3日の社食
右下の汁物は、若鶏半身の濃厚スープです。

11月26日の社食
右下汁物は、鮭三平汁です。

11月23日の社食
寒い日だったので、一番左下は、おかゆです。

11月22日の社食
この日のメイン・ディッシュは左上の皿のロースト・チキンです。

11月17日の社食
いくら丼です。上の真ん中の鉢に入っている、いくらを左下のどんぶりに入っているご飯にかけて食べました。これは、ちなみに、たまたま社長が釣ってきた、鮭のお腹に入っていたものです。社食ですから、このようなことが時々あります。

11月16日の社食
鮭ステーキです。これは、上の写真のいくらと同様、社長が釣ってきたものです。ごちそうさまです。社食では良く、うちでとれた米だとか、野菜だとか、イカだとかとか、社員などがもってきたものが、食卓にのぼったりします。

11月10日の社食
右上の皿は、鶏肉のシチューです。黒いお椀は、デザートがわりの、お汁粉です。この日は、茶碗蒸しもついています。

10月22日の社食です
カレーライズです。カレー以外にもいろいろついているのが嬉しいです。

10月12日の社食
ステーキのワンプレート・ランチです。

10月6日の社食
いろいろなものが少しづつついた、ワンプレート・ランチです。いろいろついていますが、アップルパイや、アスパラの下は、スペアリブです。

9月6日の社食
たまには、幕の内弁当なんてのもあります。

さて、上記は適当にピックアップしたもので、特に美味しそうなものを選んだわけではありません。それにしても、昼に毎日このような昼食をとれる、それもかなりリーズナブルなお値段で食べられるということは本当に幸せなことだと思います。

それに、多数のおかずを少しづつ盛り付けるために、ワン・プレートにしたり、場合によってはお弁当形式にすることもありますが、日々ほとんどが、一つのおかずは一つの鉢というように、手間のかかる和食の基本を踏襲しています。

さて、上の記事では、「長テーブルに座った社員は、その日のランチ後に、36%多く他の人とコミュニケーションをしました。また、長テーブルに座った人同士の結びつきも強くなりました。この会社でリストラが起こった時、長テーブルに座っていた人は30%多く抵抗しました」としていますが、当社の場合はどうなのでしょうか。

当社の場合、長い間このような習慣を続けていますから、前の状態がどうだったのか、あまり覚えていないですが、確かにコミュニケーションは良くなったと思います。それに、同じ釜の飯を食うという諺どおりに、連帯感も生まれると思います。これを、普通の会社のように元に戻してしまえば、コミュニケーションも低下し、生産性も落ちると思います。他の会社での、社員のコミュニケーション不足をなげく酷い内容の記事など、サイトでも良くみますが、当社にはそれほど酷い事例はありません。

当社の人事では、社食について、採用が本決まりになった状態では教えてはいるようですが、応募したばかりの学生さんに教えていないようです。これだけのことをしているということで、知らせるべきと思います。食に携わる会社である当社が、日々昼食に注力を注いでいるということは、おそらく多くの学生さんに好感をもっていただけるものと思います。

300円で、日々これだけ食べられるということになれば、魅力を感じる学生さんもいらっしゃるかもしれません。それに、実際会社に入って、ひとり暮らしなどすれば、日々この昼食を食べていれば、夜などあまり食べなくても、栄養不足になるということはないと思います。実際、当社の若手社員で、には栄養不足と思われるような人はいません。

それにしても、日々こうしたメニューを提供している佐々木シェフには、本当に有難うございますといいたいです。いくら同じ釜の飯を食うとはいっても、あまり美味しくないものでは、良い効果がでるとは思えません。しかし、当社の社食は、美味しくないものどころか、これだけ日々手間をかけて作っていただけるのです。彼は、あまりスピーチ能力等が長けた人ではありませんが、それを補って余りあるほどの愛情を感じます。

いくらもともと、プロだとはいえ、食べる人たちに対する愛情がなれければ、日々これほどのことができるはずがありません。そうして、これは何にも増して、素晴らしいコミュニケーションです。コミュニケーションというと、スピーチ能力が長けているとか、説得力があるとかなどを思い浮かべがちですが、これはコミュニケーション能力のほんの一部でしかありません。話がうまくても、実はコミュニケーション能力がない人など大勢います。話を聴いた、感動しただけでは何も変りありません。

話術は、情報の伝達方式の巧拙をいうだけであって、必ずしもコミュニケーション能力の巧拙をいうわけではありません。コミュニケーションとは、情報の伝達ではなく、その結果として、人々の行動や心の持ちようそのものを変えることです。コミュニケーションがどうのこうのと言っている会社が多いようですが、このコミュニケーションほど誤解されているものはありません。

コミュニケーションは、いわゆる報告・連絡・相談をまめにやれば、良くなるということはありません。コミュニケーションが成り立っていなければ、いくら報告・連絡・相談をまめにやっても、人々の行動を変えたり、心を変えたりすることはできません。そもそも、コミュニケーションとは、一人の人間から、他の人間に一方的に伝わるものではありません。それは、私たちの中の一人から、私たちの中のもう一人に伝わるものです。

コミュニケーションを深めるためには、何よりも経験の共有が不可欠です。そうして、その経験の共有として、もっとも身近でわかりやすいのは、やはり、同じ釜の飯を食うということだと思います。コミュニケーションを小難しく捉えるのではなく、深めたかったら、一緒にお酒を飲むとか、それが難しければ食事をするとか、それも難しければ、一緒にお茶でも飲めば良いのです。そうして、それ一回こっきりすませるのでなく、出来うる限り何回も一緒にするのです。これで、コミュニケーションが深まらないはずがありません。そうして、どんな話しでも、くだらない話でもして、そうはいいながら、自分や相手の主義・主張、考え方を理解し、理解したならば、それだけではなく、行動や心のありようを変えることが本当にコミュニケーションが成立したということです。

本日は、番外編もあります。

以下の写真は、今夜のうちの食事です。


これは、親戚が送ってもらった、牡蠣と北寄貝を料理したものです。牡蠣は酒蒸しにしました。北寄貝は、サラダにしました。サラダのドレッシングは、自宅で作ったもので、バルサミコ・バター・ソースです。このほかにも、お酒も少々いただきました。牡蠣と日本酒の相性は抜群です。無論、酒蒸しにする前の、生牡蠣もいただきました。

とても美味しかったです。人間の幸せなんて、意外とこのようなところにあるのかもしれません。日々特に、コミュニケーショを通じるべき人々と一緒に食事をして、たまには、美味しいものを食べて、それもなるべく大人数で食べられるということが、人間にとって最も幸福なことではないかと思います。

私は、日本の人々が、日々このような食事ができるように、日々努力するのが私たち飲食業にあるものの責務であり、使命だと考えています。自分が本当に幸せな食事をしていなければ、本当の意味でお客様の気持ちなど理解できるものではありません。意図して、意識して、なるべくこうした機会を多くするのが、飲食業に従事するものの努めであると思います。

これからも、当社ではこのような昼食をさらに、より大きな実りのあるものへと日々繰り返していこうと思います。

そうして、一人でも多くのお客様に、飲食を通じて幸福感を味わっていただきたいものです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2013年3月26日火曜日

「マルチタスク習慣」は日常生活にどう影響するか―【私の論評】レストランはマルチタスクの一大決戦場だ!!これなしに成り立たない!!

「マルチタスク習慣」は日常生活にどう影響するか:



心理学の研究ではこれまで、マルチタスク人間を肯定する結果が出ていませんでした。ほとんどどんな場合でも、2つのことを同時にやろうとすればパフォーマンスが低下します。例外とされているのは、音楽を聴きながら別のタスクをするケースですが、その人の性格や音楽の種類によっては、やはりほかのタスクの妨げになるようです。ところが最新の研究で、場合によってはマルチタスク派が実生活で有利になる可能性が浮上しました。

この記事の続きはこちらから!!



【私の論評】日本のレストランはマルチタスクの一大決戦場だ!!これなしに成り立たないし、心理学のマネジメントへの適用は弊害のあることもある!!


上の記事、結びに「例えば、書類作成の最中などであっても、音に気がつきやすい傾向のある人がいたとしましょう。この人は、騒がしいオフィス環境であっても、メールの受信音を聞き逃す可能性が低いでしょう。また、運転中に、警察車両のサイレンやランプに気づきやすいのではないでしょうか。このような仮説は成り立つものの、筆者の知る限りでは、それを検証した実験はまだ行われていません」とありますが、検証した実験はないというのは本当でしょうか?これは、実験で実証されていないというだけで実は世の中にゴマンとあるのではないかと思います。

上の記事ある意味、はっきり言ってつまらないです。マルチタスクについては、以前からライフハックにはいろいろな形で掲載されてきました。そのたびに思ったのですが、本当のマルチタスクは百害あって一利なしです。しかし、実質上のマルチタスクが効果をあげている場合もあるし、マルチタスクなしには、競争に勝てない現場もあります。心理学者はもとより、こんな当たり前のことになぜ多くの人々が気づかないのかとかねてから思ったので、本日はそのことについて掲載させていただきます。

ものを考えるときは、一度に二つ以上のことを考えるのは不可能です。考えているように思っても、そうてはありません。しかし、ものを考える以外の事柄、特に作業については複数を並列して行うことは十分可能です。それをマルチタスクと呼ぶことができるなら、その典型事例は、レストランです。

リストランテ・ル・ブォンの厨房

以前、私は100席以上もあるレストランを担当していたときもあります。このブログの昔からの読者の皆様であれば、イタリアン・レストランである、リストランテ・ル・ブォンのことは覚えていらっしゃると思います。そのレストランを担当していたときの経験から、レストランはマルチタスクで動いているということができます。というより、マルチタスクでなければ、成り立ちません。競争に負けてしまいます。

昔、タイに長期滞在していた同僚が、その頃のタイのマクドナルドのことを語っていたことがあります。それは、タイのマクドナルドの従業員はそれこそ、完璧にシングルタスクをしていたということです。たとえば、コーラなど清涼飲料水を注ぐ係りの人は、そればかりやっていて、レジ係はレジ係で、常に同じ行動を繰り返していたというものです。その同僚も当時レストランを担当していましたが、その光景は実にコミカルに見えたことを語っていました。

タイのマクドナルド
その頃のタイは、人件費も安かったので、そのようなことができたのだと思います。現在では、そのようなことはないと思います。そうして、その同僚が語っていたことの背景には、昔から日本のレストランの厨房はマルチタスクであったことがあったと思います。

私自身もレストランを担当したときに、厨房の中を点検したときなど、まさにマルチタスクができなければ、レストランは成り立たないことを身を持って知りました。そんなこと当然ですね。1人や、1卓だけのお客様のためにだけコックが料理を作っていたら非効率この上ないことになります。

注!!リストランテ・ル・ブォンにはこんなセクシーなウエイトレスはいませんでした(笑)!!以下同じ

複数の卓の料理を数人で一度につくることはいうまでもありません。厨房では、仕込み作業がありますが、それを開店前に実施して、とにかくお客様がきたらすぐに、料理ができる状態にしておきます。ローストビーフなど、早いうちに大量に焼成しておいて、保温器に入れるなどのこともします。それに、スープのもととなる、フォンド・ボーなど一日中に煮込んでいます。そうして厨房にも役割分担がありますが、洗い場などは別にして、役割分担をしていても、注文が立てこんでくれば、全員が複数の作業を並行して行うのは当たり前になります。

こんなことは、家庭でも同じだと思います。たとえば、ご飯を炊いたり、オーブンで何かを焼きながら、フライパンで他の付け合せなどを調理したり、サラダを作ったりと同時並行でマルチタスクで料理をするのは全く当たり前のことと思います。


レストランで、こうしたマルチタスクを行わなければ、レストランそのものが成り立ちません。これは、厨房のことなのですが、ホール係だって同じことです。余程の最高級レストランの個室でのお客様などは別にして、普通のレストランなら、複数の卓を担当します。コースメニューの場合は、複数の卓の水を出したり、ワインを出したり、皿を下げたり、新たな料理を出したり、最後にはデザートを出したりと、複数の卓の複数のお客様の様子をうかがいながら、肉の焼き加減などのお客様の要望を厨房に伝えなければなりません。これって、立派なマルチタスクではありませんか?

このようなマルチタスクは、別レストランでなくても、宅配ビザでも同じことです。店舗のチーフは、作業しつつも、現在の宅配車がもどってくる時間も計算にいれながら、各方面の注文をまとめます。同じ方向の注文をいくつかまとめて、車両に搭載できるようにすれば効率的です。しかし、それにも限界があります。その限界を計算しながら、注文をまとめて作成します。そうして、2件、3件とまとめてドライバーが配達します。こうすることによって、効率の良い宅配が可能になります。

リストランテ・ル・ブォンのロースト・ビーフ調理教室の一コマ
また、うちのビザ宅配テンフォーでは、ピザを作る人、配達する人、受注をする人(ただし、受注は現在は、コールセンターがすべて行なっています、コールセンターから店に伝票が発信される仕組みになっています)というような役割分担はしていません。誰もがどの作業もできるように教育訓練しています。だから、手が少しでも手が空いていれば、何かの作業をします。そう考えると、ピザ宅配だってマルチタスクです。

ライフハック系の、心理学関係の記事はつまらないことも多いです。最近心理学で、発見されたことなどが発表されたりしますが、わざわざ実験しなくても、常識的に判ることが多いです。それに実証されていなくても、マネジメントでは、大昔から経験上知られていることも多々あります。場合によっては、マネジメント上悪い心理学の応用もあります。


心理学とマネジメントというと、有名なのが、「X理論」と「Y理論」です。これは、ダラス・マクレガーという人が、提唱したものです。これについては、詳細は、以下のURLをご覧になってください。

ダグラス・マグレガーX理論とY理論


この理論の詳細は、上のURLをご覧いただくものとして、以下に簡単に説明します。
X理論では、人間は本来仕事をするのが嫌いであり、強制や命令がないと働かないと捉える。Y理論では、仕事をするのは人間の本性であり、自ら設定した目標に対しては、その報酬により積極的に働くと捉える。

現実的には、この2種類のどちらかにすべての人を明確に分類することは難しく、この両極端のX-Yを結ぶ範囲のどこかに、すべての人が位置していると考えるべきである。

自己尊厳欲求の強い部下組織に対しては、リーダーの部下に対する認知や信頼、つまり、Y理論に基づく意識や行動が大きな魅力となる。

リーダーとしては、部下組織の自己尊厳欲求に対応して、意識的にY理論型行動を実践することが、X理論・Y理論の現実的な活用法となる。 
 ドラッカーは、この理論をマネジメント的な側面から否定しています。
X理論は人を未熟な存在とし、Y理論は人を成熟することを欲する存在であるとする。 エターナルコレクション版『マネジメント』(1973年) P.286
X理論は、人は怠惰で仕事を嫌い、自らの責任を負うことのできない存在だとします。したがって仕事を強制させるためにアメとムチによるコントロールが必要だとします。これに対してY理論は、人を働く欲求を持ち、仕事を通じて自己実現と責任を欲する存在だとします。そのために必要なものは、主として動機づけです。

以下非常に理解しやすいので、「ドラッカー図解」というサイトから引用させていただきます。
ドラッカーは、ダグラス・マグレガーのX理論とY理論はどちらもマネジメントではなく、「支配」が基礎になっていると言います。

X理論とY理論とはどんなものか、それから、それらに代わるものは何なのか、図解してみます。

図39: 人と労働のマネジメント

ドラッカー「マネジメント」図解39

ドラッカーはY理論は「心理操作による支配」だと言っています。
極端かもしれませんが、Y理論は「人は意欲的」と定義することで、人を心理的に追いつめます。「機会」を与えたのだから、それを活かせないのは君の問題だよ、と。
たとえば、ある人に権限や予算を与えたなら、あとは良い方向に進めてくれるはずだ、悪い方向に進むとすればそれはその人に欠陥がある、マネジメントは悪くない、と思えるのがY理論で、ドラッカーはY理論の見方は「根本において人をばかにしている」と表現しています。
X理論も同様で、「人は怠惰」と定義し、人を「ばか」にしています。
そこでドラッカーは人を「ばか」にするのではなく、「尊敬」を基礎とすべきだと述べています。
仕事のうえの人間関係は、尊敬に基礎を置かなければならない。

図40: 尊敬に基礎を置いたマネジメント

ドラッカー「マネジメント」図解40
Y理論との違いは、「尊敬」と「責任の組織化」です。
上の図から「尊敬」が抜けたり、「責任の組織化」ではなく「権限の組織化」を目指したのであれば、「Y理論」よりも不完全なものとなります。
 そもそも、ドラッカーは、X理論、Y理論は、心理的先制であり、病理心理学の応用であり、マネジメントの対象である健康な労働者を最初から弱者として扱っているとして否定しています。

確かにそうだと思います。労働者をすべからく最初から精神的弱者であるという論理は成り立ちません。そのように見る経営者は尊大だと思います。X理論、Y理論という考え方ではなくても、性悪説、性善説を語る経営者もいます。これも、同じ間違いを犯していると思います。

フーターズのウエイトレス

これに対して、性弱説をとる経営者もいます。要するに、人間は、悪くも良くもないが、弱い存在であるという見方です。しかし、これも間違いです。そもそも、最初から自分は強い存在であり、労働者を弱い存在とみているからです。 やはり、「仕事のうえの人間関係は、尊敬に基礎を置かなければならない」のです。責任にもとづき、現場に職務を編成させることにより、マネジメントが成り立つのです。

それをしないで、X理論、Y理論や性悪説にもとづきマネジメントをしても、マネジメントが育たないか、混乱をもたらすだけです。

以上のように、心理学の適用が間違うと、かえって現場に混乱を招く場合もあります。心理学関係の記事を読むときには、このことを念頭に置き、取り入れるものは取り入れれば良いですし、そうでなければ、取り入れないようにすべきです。私は、そう思います。皆さんは、どう思いますか?

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