2008年8月27日水曜日

Invitaiton For Jazz-Azymuth

CROSSOVER ELEVEN 『クロスオーバーイレブン』


プロフィール
アジムス(Azymuth)はブラジルのリオ・デ・ジャネイロ出身のジャズ・ファンク/クロスオーバー/フュージョングループ。

代表曲にNHK-FM「クロスオーバーイレブン」のテーマ曲として有名な"Fly over the horizon"(Light as a feather収録)がある。

1960年代後半にジョゼ・ホベルト・ベルトラーミ(キーボード)、アレシャンデレ(アレックス)・マリェイロス(ベース)、イヴァン・コンチ(ドラム)の3人により結成。当時はAzimuthと綴っていた。尚、ポルトガル語読みすると「アジムチ」となる。1975年にセルフ・タイトルを発表、1977年に現在のAzymuthにスペルを変え、セカンド・アルバムAguia não come moscaを発表。ブラジル出身のアイアート・モレイラ、フローラ・プリム夫妻やサラ・ヴォーン等ジャズ・フュージョンのアーティストと3人個別に又は一緒に参加し海外でも名を上げていく。

1979年にアメリカのファンタジー・レコード傘下のマイルストーン・レコードとワールド・ワイドに契約。1980年にLight as a featherを発表、タイトルはベルトラミが敬愛するチック・コリア主宰のリターン・トゥ・フォーエヴァーの曲である。また、収録曲"Jazz Carnival"がヒットし、後にNHK-FMの番組「クロスオーバーイレブン(注)」に、同1980年発表のOctober (Octburo)のタイトル曲と共にテーマ曲として使用され、日本においても人気を博す。尚この2つのアルバムの版権はフランスのプロダクションに売却され、アメリカのブラック・サンが配給している。

1989年発表のCariocaを最後にベルトラーミが離れ、ジョタ・モライスに替わり、エニグマ・レコードに移り、2枚のアルバムを発表。1994年にベルトラーミが復帰する。

1990年代以降クラブ・シーンにおいて重宝され始め、イギリスロンドンのファー・アウトに移る。

アジムス、ラテン薫るジャズフュージョンです。とってもお洒落で最近のクラブジャズシーンで重宝されるのもわかります。



(注)クロスオーバーイレブン
クロスオーバー11(クロスオーバー イレブン)は、1978年11月~2001年3月29日にNHK-FM放送で放送されていた深夜番組。

番組の歴史

番組開始当初から1997年迄は実質的な深夜の最終番組として放送された。個性的な男性声優陣のナレーションと深夜のひと時にふさわしい比較的アダルティックな音楽を選曲し、一日の締めくくりにふさわしいムーディーな時間を演出した。中でも「もうすぐ、時計の針は12時を回ろうとしています。今日と明日が出会う時―クロスオーバー 11…」のナレーションは一日の締めくくりにふさわしいフレーズとして定着した。

また、1988年4 月からはFM放送の放送時間が1:00まで拡大されたことにより23:00~1:00の2時間の2部構成となり、前半(~23:50迄)は従来の体裁で、 23:50から10分間ラジオ第1同時放送でニュースをはさんだ後、後半の0:00~1:00のパートでは各界の著名人が一週間交代で軽いおしゃべりを展開していった。その後1998年4月にFM放送自体が24時間放送に移行してからは0:00からのパートがなくなり(日替わりの音楽番組に移行=現在の23:20~0:20の枠に当たる)、23時台のみの放送となったが、2001年3月で終了。「ポップスライブラリー」に後を譲った。

2005年8月15日~8月19日に、『よみがえる伝説~クロスオーバーイレブン2005』と題して、期間限定の復活を遂げている。期間中の放送時間は以前と同様の23:20~0:20。

本当に良い番組でしたね。この番組のテーマ曲を聴くと、当時を思い出して胸がキュンとしてしまいます。そんな人たちも多いのでは?私は、この番組はFMファンを手にしながら、気に入ったグループや、音楽があれば、カセット・デッキに録音していました。今、このような落ち着いた番組はなかなかありませんね。とにかく、この番組聴けるとき必ず聞いていました。懐かしいです。

過去のInvitationを以下に掲載します。反転文字列をクリックすれば、当該記事に飛びます。

■Fat Jon the Ample Physician-フアット・ジョン・ジ・アンプル・フィジィシャン
■Secret Garden-シークレット・ガーデン
■NICOLAS-ニコラス・ペイトン
■Charlie Haden―チャーリー・ヘーデン
■DANIEL SCANNAPIECO-ダニエル・スカナピエコ
■ANDREA SABATINO-アンドレア・サバチーノ
■DAVID BENOIT-デビッド・ベノア
■JOSE JAMES-ホセ・ジェイムス
■Lizz Wright―リズ・ライト
■MARICA HIRAGA-平賀マリカ
■SCOTT HAMILTON-スコット・ハミルトン
■ROY HARGROVE-ロイ・ハーグルーブ
■Taylor Eigsti-テイラー・アイグスティ
■Frank Sinatra-フランク・シナトラ
■TAIHEI ASAKAWA-淺川 太平
■NARUAKI KIKUCHI-菊地 成孔
■TOROPICAL JAZZ BIG BAND-熱帯ジャズ楽団
■Quincy Jones-クインシー・ジョーンズ
■DAVID SANBORN-デビッド・サンボーン
■JOHN PIZZARELLI-ジョン・ピザレリ
■BERARDI JAZZ CONNECTION-ベラルディ・ジャズ・コネクション
■HARVIE HANCOCK -ハービー・ハンコック
■TOKYO ZAWINUL BACH-東京ザビヌルバッハ
■SADAO WATANABE-渡辺 貞夫
■TOM SCOTT-トム・スコット
■LOIS ARMSTRONG-ルイ・アームストロング
■JOHN COLTRAIN-ジョン・コルトレーン
■THE JAZZ INVADERS-ザ・ジャズ・インベーダーズ
■KEITH JARRET-キース・ジャレット
■ELECTRO DELUXE-エレクトロ・デラックス
■TRIBAL TECH-トライバル・テック
■MARK MURPY-マーク・マーフィー
■NORMAN BROWN-ノーマン・ブラウン
■TONY MONACO-トニー・モナコ
■DAVE KOZ-デエィブ・コズ
■ROOM ELEVEN-ルーム・イレブン

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2008年8月26日火曜日

「バ-リンホー(80後)」中心に20代、30代はネット恋愛に理解-80後世代は中国市場拡大の起爆剤になるか?

「80後」中心に20代、30代はネット恋愛に理解

8月25日9時10分配信 サーチナ・中国情報局

2000年を過ぎた頃から、中国でもインターネットの普及が進み、人々の生活スタイル、さらに恋愛スタイルまでもが徐々に変化し始めた。インターネット上の、バーチャルの恋愛というものも当然のことながら登場しており、一部では話題になっている。

2000年を過ぎた頃から、中国でもインターネットの普及が進み、人々の生活スタイル、さらに恋愛スタイルまでもが徐々に変化し始めた。インターネット上の、バーチャルの恋愛というものも当然のことながら登場しており、一部では話題になっている。現代中国人はインターネット恋愛に関してどのような姿勢を持っているのだろうか。

上海サーチナ(サーチナ総合研究所)が出版した『中国消費者の生活実態2008-2009』の結果を見ると、モニターの69%がインターネット恋愛に対して「理解できる」と回答しており、中国人の思想観念が開放されてきていることがわかった。また年齢別で見ると、中国の経済成長の新興勢力ともいえる「80後」を中心とした20-39歳の理解度が最も高かった。(編集担当:加藤夕佳)

【調査概要】
1.調査企画:サーチナ、上海サーチナ
2.調査方法:上海サーチナ「新秦調査」上のインターネット・アンケート画面での回答
3.調査地域:中国全土
4.対象性別:男性1000人、女性1000人
5.回答者数:2000人
6.データ元:『中国消費者の生活実態2008-2009』上海サーチナ(サーチナ総合研究所)

80後世代は中国市場拡大の起爆剤になるか?
さて中国で、中国ではインターネットも相当普及していますから、中国版「電車男」があつてもおかしくはないくらいに名手いると思います。昔インターネットが普及していなかった頃でさえ、私の大学の先輩は、パソコン通信で女の子と知り合ってお付き合いをし最終的には結婚しました。

だから、「電車男」の映画を見ていると、今の話とも思えず、なんとなく気恥ずかしい気がします。中国の若者も今その真っ最中なのでしょうか? 中国では特に都市部では一人っ子政策が行き届いて、男性も女性も一人っ子が多いと思います。そんな、わがままで自己主張の強い子たちが、インターネットで知り合って、今度は仮想空間ではなく、実際につきあいはじめるというのはどんな感じなのでしょうか?

それはさておき、私のブログでは、「中国分裂」などという物騒な話を何回も掲載しています。しかし、私はは、国家の分裂や滅亡、崩壊と、経済とはまったく別物だと思っています。

国が滅亡しようと、分裂しようと、崩壊しようと、そこには12億8,000万の人民が住んでいるわけです。今の中国政府が崩壊したとしても、この人民は、日々の糧を得て、生活していかなければなりません。国が滅びても、国の機能は必ず必要であり、それこそ、自力か、国連などの力で、とにかくどんな形であり臨時政府のようなものはすぐにできると思います。

そこには、人民の社会や、経済がすぐに成立します。そうして、いずれ人民の望む国が出来上がるものと思います。だから、中国の巨大な市場が政府の崩壊とともに雲散霧消するわけではありません。

むしろ、現政権が倒れて、たとえ国が分裂したとしても、民主化、政治と経済の分離化、法治国化された複数の国家が出来上がったほうが、経済活動は今よりも活発になると思います。特に、今の政権では政治と経済の分離化がなされていません。はっきりいって、現政権の幹部は、資本主義経済の本質をわかっていません。だから、もし国が崩壊しても、一時は停滞しても大きな市場は維持されるか、拡大します。これは、旧ソ連が崩壊してロシアになったときも同様でした。

中国では、年収100万円以上を超えた人口が1000万人に達しています。日本などに来る大富豪はまだまだ少数派です。だから、高級品など中国でそうおいそれと簡単に売れるとは限りませんが、きちんマーケティングして売り出せば、高級品でも売れると思います。

大連の資生堂の売り場、今のところはパイロット店舗のようではあるが・・・・

日本の資生堂などは、こうした市場を当て込んで、中国に進出して、マーケティングをしてターゲットを絞り込んで、しかも、ニーズに応える中国独自の化粧品を開発・販売しています。

「80後」世代は、化粧品を始め、中国で未だ大きな市場になっていない、化粧品、高級腕時計、高級乗用車、高級住宅の大きな市場を作り出す可能性が大です。ただ、私はかねてから主張しているように、「80後」世代は、中国全土で2億人もいます。これらの、人々を十把ひとからげに考えても、無理です。


やはり資生堂のように地道なマーケティングをしながら、特定の人々のニーズに応えていく姿勢が必要だと思います。


中国では上の写真のようにバッチリ化粧をしている人は、街中探してもいません。北京オリンピックで中国のコンパニオンは、皆さんパッチリ化粧していましたが、一歩オリンピック会場から出れば、そんな姿はみることができないと思います。バッチリどころか、スッピン。肌つるつるのスッピン小姐ばかりで健康的です。でも、化粧っ気がないので、華やかな感じがしないのが残念なところです。化粧品は、使わない主義なんでしょうか・・?というより、中国人の平均月収が1万5千円といわれていますし、化粧品に手は届かないというのが実態なのでしょうか。百貨店の化粧品売り場も、人はまばらです。

でも、これって逆に言えばチャンスだと思います。先に化粧品でブランドを構築しておけば、信頼されてずっと喜んで使えるブランドになるかもしれません。

それから、北京オリンピックの閉会式の時に、女性美人コンパニオンの人が手を前に組むときに、全部右手が上に統一されていたという方がいたので、気になってあちこち調べてみましたが、どうやら完全に統一はされていないようです。ただし、私自身は閉会式のときは見過ごししまったので、どなたかご存知の方がいらっしゃれば、教えていただきたいです。もし、これが本当なら、こんな些細なことも何かマーケティングに役立つかもしれません。

私のブログでは、過去にバーリンホー(80後)を三つに分類しています。まだまだ、粗い分類ですが、まったくないよりははるかにましです。この分類が、これから中国で事業を起こそうという人の参考になれば幸いだと思っています。下に過去記事のURLも掲載してあります。その中に三つの分類も含まれています。是非ご覧になってください。

以下にこのブログに掲載した中国関連の記事を提示します。反転文字をクリックすれば、当該記事に飛ぶことができます。私の説明不足から、以上の論考、以下の記事を読んでいないと理解できない部分もあるかもしれません。まだ、読んでいない方は是非ご覧になってください。


■北京オリンピック開催中にもう一つの中国で-金門島砲撃50年 文革発動の導火線に

■ベルリンオリンピックの後にナチス第三帝国は滅亡-北京オリンピックは、共産中国の壮大なレクイエムの序曲か?
■北京五輪体操選手の年齢詐称疑惑-ストリート・ビューも偽装か?
■景気 強まる「中国頼み」 日本最大の輸出先に-リスク分散のためにも、他のアジア諸国にも注目すべき!
■北京オリンピックがいよいよ開幕!!快進撃を続ける中国IT企業-快進撃はもう続かない?
■四川大地震、6万9225人の死者が確認-オリンピック開催後に大異変が起こる?!
■中国新人類「80後(バーリン・ホー)研究会」発足-2億人を一緒に語ることはできない?
■Lenovoの4月~6月期は65%増益-華やかな五輪の裏でインドの下請けになる道をひたすら走る中国?(面子を重んじる中国人が読むと必ず激怒する人気記事です(笑)!中国の現在の経済の停滞要因に迫っています!!)

■「IOCは中国のネット・アクセス規制を断じて容認しない」とロゲ会長が断言-北京は欧米の陰謀にはまったか?
■IOC、中国は環境問題の約束を果たせると確信-人民の煮えたぎるマグマはどうするのか?
■北京オリンピック開催に向け警戒感高まる-終了後の方が、テロ、暴動が頻発する?
■中国:五輪の祭典が北京市民の生活を圧迫-オリンピック開催後を予感させる連続爆破事件?

■「ちゃいな.COM」中国総局長 伊藤正 「80後」は中国を変えるかは正しくない-正確には「80後」の一部、それも少数派が中国を変える。(この中に80後を三つに分類した内容を掲載してあります)

■中国で暴動は日常茶飯事-この事態改善されない限り中国はまともにならない!

■貴州省の暴動に見る壊れた中国の実態

■燃えろアタック-排球女将

■中国海軍の日本に対する傍若無人な態度は何を意味するのか?-中国の軍隊は脆弱?

■<北京五輪>空からのテロに備え、地対空ミサイルを配備か-異常行動の中国?

■厳戒のラサで聖火リレー-チベット暴動から3ヶ月-中国の五重苦をどう解消するつもりなのか?

■「おから工事」批判で国家政権転覆罪-確定した中国分裂の筋書き?
■「80後」は車を買うべきか?-世代をひとくくりにする愚かさ?
■中国核爆発か-高まる情報開示の圧力
■自衛隊機の中国派遣見送り、アジア安全保障会議でも話題に―結果的には日本外交の勝利か?


■自衛隊機派遣を見送り、世論配慮の中国側が受け入れ難色-幻の日本軍支援は歴史上の転換点?
■四川大地震:自衛隊機、中国派遣へ・・・政府要請受け入れ―歴史上の転換点になるか?
■自主的に救援活動をする中国の若者たち-80後世代と一つにくくるのは間違い?!

■不可解な中国の報道二題-やらせ義捐金とノーベル平和賞
■中国携帯電話事情-80後世代分類のツールともなるか?

■中国四川省大地震―核施設、ダムは大丈夫か?
■現代史は語る―大地震から始まった中国崩壊の道筋
■中国「イチゴ族」-中国の未来は彼らのもの
■胡錦濤主席の来日-その真の目的は?
■China Fashion week 開催さる-中国ゼリー層にも押し寄せる情報洪水
■ゼリー世代のミーイズム-体制から身を守る知恵か?
■中国ゼリー層-明日の中国を牽引する原動力となるか?
■チャイナ・アート・バブルにも冷めた見方のできる中国ゼリー世代?
■中国分裂の筋書き-(その10)パクスマリーナが拓く世界の平和と大繁栄
■中国分裂の筋書き-(その9)日本の対応は?
■中国分裂の筋書き-(その8)迫られる中国の選択
■中国分裂の筋書き-(その7)忘れてはいけない中国の不良債権
■中国分裂の筋書き-(その6)現代中国の混乱ぶりを現す動画の数々
■中国分裂の筋書き-(その5)他の人達はどう思っているのか?
■中国分裂の筋書き-(その4)毛沢東を統合の象徴にすることができない中国中央政府の苦悩
■中国分裂の筋書き-(その3)中国バブルの真実
■中国分裂の筋書-(その2)革命でもなければ現代中国は変わらない
■中国分裂の筋書-(その1)繰り返される歴史
■中国"義歯"から鉛「安全に問題」
■中国産原料を使ったヘパリン製剤で自主回収へ・・・・米国では死者21名
■世界一人当たりのGDP(国内総生産)と、一人当たり資産−これでも中国は経済大国か?
■南京虐殺記念館に対する日本政府の申し入れに関して考えた、中国のお家事情

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2008年8月25日月曜日

北京オリンピック開催中にもう一つの中国で-金門島砲撃50年 文革発動の導火線に

【金門砲撃50年】文革発動の導火線
2008.8.25 20:56

北京オリンピック昨日閉会しました。さて、オリンピックや、グルジア問題の影にかくれて、ほとんど報道されていませんが、もう一つの中国である台湾では、金門砲撃50年の式典が行われました。

1958年8月23日夕、中国沿 岸部から約340門の火砲が一斉に火を噴き、台湾が支配する金門島に砲弾の雨を降らせた。中国共産党の毛沢東主席が台湾に逃れた中国国民党の蒋介石軍に仕 掛けたこの局地戦は、米国とソ連を巻き込んだ第2次台湾海峡危機へと発展し、やがて「プロレタリア文化大革命」の導火線となる。あれから半世紀。かつて米 国が「反共のとりで」と位置付けた軍事最前線の地は、「両岸和平の懸け橋」に生まれ変わろうとしている。


大きな地図で見る
上は、金門島のグーグル・マッブです。地図上Aが金門島です。私も再確認しました。こんなに中国本土から近いですから当時でも大砲を撃てば届くはずだと納得できます。

「両岸は同じ過ちを繰り返すことなく、平和な未来を築いていかなければならない」。「中華民国」(台湾)の7人目の総統に5月に就任した馬英九氏は、「金門砲撃」の50周年式典でこう切り出した。

大小12の島嶼(とうしよ)で構成される金門県は、行政区分上は中国の福建省に属する。「大陸反攻」を夢見た初代総統の蒋介石にとり、金門の統治は中国唯 一の正統政権を主張する根拠でもあった。国民党の馬総統が、この地から中国に和平を呼びかけたこと自体、中台両岸の時代の変化を物語っている。
 
式典の会場となったのは、蒋介石が花崗岩をくり抜いて建設した地下講堂「●天廳(けいてんちょう)」である。蒋介石の揮毫による深紅の文字の下で、台湾支 援の任務についた米軍の退役軍人とその家族ら30人余りに、馬総統は両手を広げ「アイ・ラブ・ユー」と歓迎した。退役軍人の一人はしっかりとした中国語で 「中華民国万歳」と応じ、歴史に根ざす米台の軍事協力の絆(きずな)を確認するかのように、固い握手を交わした。

(●は「敬」の下に「手」)
















蒋介石(左)と毛沢東(右)


金門砲撃の直前、アイゼンハワー政権は、中国による台湾制圧を阻止しようと中国への戦術核兵器投下を計画していた。米統合参謀本部は、台湾砲撃の前線都市アモイとしていた目標を、戦況しだいで上海などにも広げることも検討していた。この計画はしかし、最終局面で大統領の決断により見送られる。

金門砲撃を受け米国は第7艦隊を急派し、補給路の確保や台湾艦艇の護衛など強力な支援に動き、ソ連の支援を受けた中国と対峙した。

「おまえ、こんなに多くの砲弾を浴びせて、米国人を殺すことにはならないか?」。毛沢東は砲撃開始2日前の8月21日、共産党幹部の夏の保養地として知られる河北省北戴河に、金門砲撃を指揮する福州軍区の葉飛政治委員を呼んで問いただしたと、香港紙・文匯報などは伝えている。

 毛沢東にとり米国は「祖国統一」の障壁であるのだが、全面対決は避けたい。米国は53年の朝鮮戦争休戦協定締結の後、台湾を「反共のとりで」にしようと蒋介石政権と「米華相互防衛条約」を結んでいる。だが、金門・馬祖地域は条約の対象に含まれてはいない。金門島をたたいてみれば、台湾をどこまで防衛しようとするのか米国の出方と真意を探ることができる。ソ連とは反米路線で共闘し、核開発での協力を引き出したい-。

 毛沢東が金門砲撃を決意した背景には、こうした狙いがあったと多くの専門家はみる。台湾当局直属の中央研究院欧美研究所の林正義研究員は「台湾海峡有事により、中共が進めていた『三面紅旗』(社会主義建設総路線、大躍進、人民公社)への大陸内部の不満を転換させる狙いもあった」と指摘する。人民の目を外に向けさせ、国内の団結を図ろうとしたのだ。

 米国の台湾への武器供与で金門攻略は失敗するが、「全民武装」によって再び求心力を高めていく毛沢東は8年後の66年、プロレタリア文化大革命ののろしを上げることになる。 
(金門島 長谷川周人)



 金門砲撃 

1958年8月23日、中国(共産党)軍が台湾(国民党)軍に加えた攻撃で、激しい砲撃が44日間続いた。撃ち込まれた砲弾は計47万発におよんだが、台湾に米国が供与した8インチりゅう弾砲が投入されると戦況は一転。砲撃は徐々に収束に向かい79年1月、中国側が一方的に停戦を発表し約20年におよぶ戦闘は終結した。台湾では砲撃開始日をとり「8・23砲戦」と呼ばれる。

中台関係は、中国の動向を見つめる上で重要?
最近では、北京オリンピック一色でしたが、昨日のブログにも書いたように、中国国内の諸問題は根本的には解決されないままになっているというのが実態です。

大きくいうと、オリンピック開催により特「民族問題の矛盾、地方政府の腐敗、経済の未曾有の危機」が明確になってきました。

昨日のブログでは、中国の分裂は必至であること、これを防ぐためには「民主化、政治と経済の分離、法治国家化」の三点セットの導入しかないことをお伝えしました。しかし、この導入はうまくいかないこと、そのため、中国には革命が起こるしかないことをお伝えしました。そうして、何か異変があれば、このブログでもお伝えする旨をお知らせしました。

中国には、いろいろな問題や見方がありますが、私は中台関係がいま最も今後の中国の動向を見つめる上で重要だと思います。

それは、金門島砲撃を推進した毛沢東の意図にもあったように、台湾に対して何らかの行動をした場合、その反応を確かめることができるからです。無論、アメリカ、ロシア、韓国、日本などの反応を確かめられるからです。

これは、昔から変わらず、今も当てはまる真理だと思います。それと、崩壊寸前の中国共産党は、破れかぶれの行動にでるかもしれません。そうしたときに、台湾は、格好の標的になるかもしれません。人民の目を国外に向ける、しかも、軍事行動などもできうる範囲内にもある。これが、日本や、韓国だと、背後にアメリカの影がはっきりしています。台湾の場合、いまでも背後にアメリカの影があるのは間違いないですが、それも最近は薄れつつあります。どの程度薄れているのかを確かめるためにも、台湾は格好の標的です。

最近は、台湾のことなどほとんど報道されないですが、中国の動向を占うためにも、これからも台湾ウォッチングをしていくことは重要だと思います。

以下にこのブログに掲載した中国関連の記事を提示します。反転文字をクリックすれば、当該記事に飛ぶことができます。私の説明不足から、以上の論考、以下の記事を読んでいないと理解できない部分もあるかもしれません。まだ、読んでいない方は是非ご覧になってください。

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■「IOCは中国のネット・アクセス規制を断じて容認しない」とロゲ会長が断言-北京は欧米の陰謀にはまったか?
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西側諸国、北朝鮮を甘く見るなら我が身の危険を覚悟すべし――ギデオン・ラックマン―【私の論評】北朝鮮のウクライナ派兵とロシア連携がもたらす脅威 - 日本が取るべき対策とは

西側諸国、北朝鮮を甘く見るなら我が身の危険を覚悟すべし――ギデオン・ラックマン (英フィナンシャル・タイムズ紙 2024年10月29日付) まとめ ウクライナのゼレンスキー大統領は、北朝鮮兵士がロシア・ウクライナ紛争に参加する可能性を懸念している。 西側諸国は、ロシア、北朝鮮、イ...