自民総裁選、参院津島派は与謝野氏支持(すでにご存知の方は、この項は読み飛ばしてください)
自民党総裁選の告示から一夜明けた11日、5人の候補者は党所属国会議員に支持を呼びかけるなど選挙活動を本格化した。午後には都内で初の街頭演説に臨み、有権者に重点政策を訴える予定。優勢な麻生太郎幹事長を他の4候補が追いかける構図も鮮明になりつつある。一方、参院津島派は、与謝野馨経済財政担当相への支持を決めた。
麻生、与謝野両氏と石原伸晃元政調会長、小池百合子元防衛相は11日午前、衆院議員会館で出馬のあいさつ回りに追われた。
与謝野氏は都内で記者団に「麻生氏は4回目の立候補で知名度もあり地方には圧倒的な強みを持つ。主張が届くようにする努力を始めた」と強調。石原氏も記者団に「麻生氏に比べて出遅れている」と語った。(17:24) (NIKKEI NET)
総裁選の前にやることがあるのでは?さて、世の中総裁選で一色ですが、非常に重要なことがいろいろなことが忘れ去れているような気がします。その中でも、なぜ二代続いて総理大臣が続けて辞任したのかということが、ほとんど振り返られていないと思います。マスコミも評論家も、その他識者などもあまり意見を述べつくしていないと思います。
私も、福田総理大臣が辞任を明らかにした直後には、やはりどんなことがあろうと、総理大臣は最後までやりぬく覚悟で臨むべきだったとの趣旨でこのブログにもその話題をとりあげました。
しかし、それはそれとして、総理大臣が任期をまっとうせずに、どんな理由があるとしても二人が立て続けに辞任したということは重大事だと思います。
私は、現在自民党総裁という仕事と総理大臣の仕事が同一の人によって執行されることが、もうそろそろ無理になって着ているのではないかと思います。それに、ほとんど忘れさられたようになっていますが、民主党の小沢代表も結局辞めはしなかったものの、一度辞意を表明しています。小沢さんは総理大臣ではなかったのに、党内政治や駆け引きだけでも大変であったことの現われだと思います。
皆さんは、ドラッカーという経営学者をご存知でしょうか。この人は、マネジメントの創始者といわれるほど有名な人です。この人の著書の中に「マネジメント」というものがあります。これは、マネジメントを目指す人なら誰でも読むべき入門書だと思います。この中で、ドラッカーはマネジメントの職務設計に関して興味深いことが、記載されています。
「職務設計の間違い」(【エッセンシャル版】マネジメントP131)に関して以下のように述べています。無論、これは、企業などの組織のマネジメントの職務設計のことを書いてあるのでずか、政治の世界でも十分通用する内容だと思います。
①もっとも一般的な間違いは、職務を狭く設計し、優れた者であっても成長できなくすることである。②補佐役という職務、つまり仕事とはいえない職務はさらに有害である。③マネジメントとは一つの仕事である。しかしそれは、マネジメントが専念しなければならないほど時間を要する仕事ではない。マネジャーもマネジメント以外の重要な仕事を持つプレイング・マネジャーにすべきである。そうでないと部下の仕事をとることになる。
④マネジャーの仕事は、彼一人あるいは直接の部下を使うだけで遂行できるものにしなければならない。⑤マネジャーの仕事の不足をポストで補ってはならない。報奨をポストで補ってもならない。⑥「後家づくり」の仕事は設計しなおさなければならない。19世紀半ばの大帆船全盛のころ、船会社には「後家づくり」と呼ばれる船が現れることがあった。なぜかわからないが頻繁に事故死を起こした。分別のある船主は、そのような船を思い切って解体した。
今日の組織にも、理由はわからないが、その仕事についた優秀な者が次々に倒れる職務がある。仕事自体はよく構成され、こなせないはずはない。しかし、実際にはこなせない。通常そのような職務は偶然から生まれる。たまたま一人の人間のなかにみられない二つの資質を併せ持つ者が、結果としてそのような職務をつくりだし、しかもうまくこなしてしまったために、職務として確立されたのである。
特に、最後の⑥に関して、「首相=総裁」の職務に関して考えさせられるものがあります。
私が小学生のときの社会科の授業のときに、担任の先生が「同意語」をあげるさせることをしていました。そのなかで、たまたま「首相」という言葉でてきました。私以外の生徒が「総理」「総理大臣」という言葉をあげました。私はその後をついで、「総裁」という言葉をあげました。担任の先生は、「今は、総裁は確かに首相と同意語ですが、本当は違います。しかし、実質上そうなので、今の答えは間違えではない」と、論評したのを覚えています。
そうです。いまさらあげるほどのこともないのですが、「日本国総理大臣」≠「自民党総裁」なのです。日本国の総理大臣としての仕事と、自民党総裁としての仕事は本来同一ではなく、違うものです。これを一つにしてしまつているところに問題が生じてくるのではないかと思います。
さて、首相の仕事とはどんなものでしょうか
■ 内閣総理大臣のデータ
・平均年収 4165万円 就業者数 1人
・関連資格 特になし
・関連職業 国会議員、国務大臣
■ 内閣総理大臣の仕事内容
内閣総理大臣とは行政権をつかさどる内閣の首長のことで首相ともいわれます。内閣総理大臣の毎日は、分刻みのスケジュールで進み、プライベートな時間はマスコミにつけ回されるためひと時もなく、その責任の重さから熟睡できることがないというほど常に精神的にプレッシャーを感じています。
衆参両院による議決により国会から指名され、天皇に任命されて総理大臣になるわけですが、主な仕事内容としては以下のものがあります。
【組閣】...内閣を構成します。国務大臣の指名
【法案】...法案を国会に提出して新しい法律をつくります。
【外交】...国の代表として諸外国の大統領や首相に会って、国内外の問題についての意見交換や交渉にあたります。
内閣総理大臣の給料は特別職の職員の給与に関する法律(昭24法252)により定められており、月額207万1000円の給料と年2回のボーナス+各種手当てがつきます。
内閣総理大臣になるには国会議員、それも「衆議員」にならなくてはいけません。
そして、衆議院における最大勢力の政党の党首に指名されることを目指すことが。そのまま総理大臣の椅子に座ることと同義に今の日本ではなっています。
これに対して、自民党総裁としての仕事は、各派閥をまとめること、自民党として一つにまとめること。さらには、自民党批判などに対する対応などです。
両者の仕事は全くといって性格が違います。自民党総裁としては、主に調整能力が求められます。それどころか、様々な手を使って権力闘争に打ち勝つ必要があります。かなりの専門性を問われる首相の仕事とは全く性格が違います。
小泉さんは、いわゆる変人とも呼ばれていたことがあるくらいですから、この両方をうまくこなせたのかもしれません。自分の所属する政党である自民党に関して「自民党をぶっ潰してやる」など発言したくらいですから、内部の権力闘争などあまり気に留めなくても良かったのかもしれません。
さらに、もっと昔にさかのぼれば、以外と政治は簡単で、何をやればよいのかなどははっきりと見栄や巣かっ他のではないかと思います。それに、欧米に追いつけ追い越せなどと、目標もはっきり設定できたのかもしれません。これに関しては、どの党ということはなく、超党派で日本の一つの目標にもなりえた思います。それで、総理、総裁は同一人がやっても勤まったのかもしれません。
しかし、1980年の後半からはずいぶん変わってきたと思います。それまだ単純だった政治問題もかなり複雑化してきました。派閥抗争も複雑化してきて、だんだんと複雑になっています。これらを一人の人間が兼務することは困難な状況になって着ているのだし思います。他の政党など比較的簡単です。たとえば、民主党であれば、代表の小沢さんは、自民党であれば、総裁の仕事だけやっていれば良いわけで、国政に関しては一議員としての仕事しかありません。自民党総裁+総理大臣と比較すれば、はるかにらくだと思います。もし、両方を併せ持つことにでもなれば、心臓病の持病もあることから、死亡するか、長期入院ということになるかもれしれません。
総理大臣は国政に専念させる仕組みを構築すべき
この状況を打開するためには、なんらかの方法をとって、自民党総裁(他の政党の場合は、代表)と総理大臣は兼務させないようにすべきだと思います。
そうでないと、誰が総理大臣になっても、早期辞任するか、あるいは国政は全くおろそかにして、総裁の仕事に精を出すことになるか、国政ばかりやって、自民党内部の調整などは最初から投げてしまうことになるかいずれかです。
今のままでは、何も変わりません。やはり自民党などの組織も長年にわたって維持されてきているので、内部疲労をしているのだ思います。そろそろ、システム変更する時期だと思います。そうでないと、選挙には勝てないし、勝ったとしても、また早期辞任などの繰り返しになってしまうと思います。
それに、いくいくは総裁や代表が総理大臣を務めるという形もやめて、アメリカのように国民が選挙するなどの方式にしても良いのではないかと思います。そのようなときには、衆議院の多数は与党、総理大臣や野党からなどということもあり得るようになつていると良いと思います。
さて、このブログでは、国内政治問題はほとんど扱ったことがなかったので、福田首相関連のものなどないと思っていましたが、検索してみたらありました。それも「何で!」と思うような意外なものもありました。こちらのほうも是非ごらんになってください。
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