2009年11月13日金曜日

仕分け、スパコン補助金「限りなく見送りに近い」―事業仕分け結局は、巨大ブーメランとなって、民主党の命脈を絶つか?

仕分け、スパコン補助金「限りなく見送りに近い」(この内容すでに、ご存知の方は、この項は読み飛ばしてください)

仙谷大臣は、「事業仕分け=文化大革命」だと語っていたそうだが、
文化大革命は結局は何ももたらさず徒労に終わったどころか、中
国人民に大災厄をもたらした。事業仕分けもそうなるのだろうか?

 政府の行政刷新会議(議長・鳩山首相)は13日午前、東京・市ヶ谷の国立印刷局職員用体育館で、2010年度予算の概算要求から無駄を洗い出す「事業仕分け」の3日目の作業を始めた。

 独立行政法人理化学研究所などが行っている次世代スーパーコンピューター開発のための補助金(267億5900万円)が「効果が国民に見えない」などとして「限りなく予算計上見送りに近い削減」とされた。

 総務省関連では、国が財源不足の地方自治体に配分する地方交付税についも議論し、「制度の抜本的な改革を行う」と判定された。抜本的改革の中身について、仕分けチームの総括役である枝野幸男・民主党元政調会長は「客観性を高めて、政策誘導で交付税を使っていることを見直す」と説明した。

 議論では、地方交付税総額を抑制すべきだとの意見も相次いだ。「交付税総額を決める地方財政計画そのものを廃止すべきだ」との意見も出た。
 地方交付税は小泉政権の三位一体改革で約5・1兆円が削減され、「地方の疲弊につながった」との指摘がある。原口総務相は10年度予算の概算要求で今年度の交付税総額より約1兆1000億円増額するよう「事項要求」で求めている。

 一方、仕事と家庭の両立支援のため、厚生労働省が財団法人21世紀職業財団を通じて事業所を助成する「両立支援レベルアップ助成金」(30億4500万円)と「短時間労働者均衡待遇推進等助成金」(10億2700万円)について、いずれも同財団を通じて支給する仕組みを廃止するよう求めた。同財団が厚労省の天下り先となっていることや、管理費が高額になっていることが問題視され、「財団ありきで助成金が流れている」と指摘した。

 このほか、情報通信関連の新興企業に資金面から支援を行う「情報通信分野のベンチャー企業支援」(5000万円)、情報通信分野で専門知識を持つ人材を育成する「高度ICT人材育成支援事業」(7300万円)が、「民間に同種の取り組みがある」などとして廃止。遠隔医療や児童・高齢者の見守りなどに情報通信技術を活用するモデル事業に交付金を支給する「安全・安心i―City推進事業」(81億9900万円)、学校教育に電子黒板や無線小型端末を導入する「ICT利活用型教育の確立支援事業」(10億100万円)は、ともに予算計上見送りとなった。

事業仕分け結局は、巨大ブーメランとなって、民主党の命脈を絶つか?



行政刷新会議の作業グループが始めた予算の無駄を洗い出す「事業仕分け」では、事業の廃止、予算計上見送り、予算削減など、各省庁にとっては厳しい「判定」が相次いでいます。政府は2010年度予算案に結果を反映させる考えです。しかし、行刷会議自体には予算を削減する権限はなく「判定」が実現するかは、鳩山由紀夫首相の指導力にかかってきそうです。

「意思決定しているわけではない。権力行使ではなくスペシャリストの考え方を述べている」。平野博文官房長官は12日、事業仕分けの判定を下す作業グループの活動をこう表現しました。仙谷由人行政刷新相も記者団に「政治的な判断は入ってこざるを得ない」と語りました。

この事業仕分けの結末どうなることでしょうか?私は、ほとんど実効性はないと思います。現在実施してるいる事業仕分けなど、結局、民主党政権が何かをしていることを国民に分かりやすくするだけであって、実効性も何もない空虚なものだと思います。

テレビでも、事業仕分けの様子が報道されていて、ワールド・ビジネス・サテライトにも出ている、フェルドマン氏が参加している様子が写されていました。フェルドマンさん、気持ちよさそうに力を入れて話していましたが、確かに事業仕分け実行グループは「気持ちが良い」と思います。企業経営においても、打ち合わせなどで勇ましい発言をして「気持ち良く」なる人もいますが、自分だけが気持ち良くなっても仕方がないわけで、結局は、何かを変えて「成果」をあげなければ何も評価されないのです。

また、いろいろな社会問題に対処するにしても、善意だけとか、「こんな社会問題がある、この問題はこうすれば解決できるに違いない」と語り合っているだけでは何にもなりません。結局は成果をあげなければ意味がありません。

民主党の事業仕分けは、企業活動でいえば、マーケティングをせずに、プロモーション(販売促進)ばかりやっているようなものだと思います。民主党の幹部は、マーケティングと、プロモーションの違いも分からない経営者のようなことをしているだけで、実行部隊も本当に実りの少ないことをしているだけだと思います。まさしく、事業仕分けは、政権交代をした民主党が前政権がいかに大きな無駄をしており、その無駄(すべて無駄かどうかは別次元の話)を公表することにより、民主党が国民のために役に立っていることを示すための、ほとんど頭を使わなくても手っ取り早くでき、短期的に国民にアピールできるプロモーションに過ぎないと思います。

まず、企業活動でいうところのマーケティングとは何でしょぅか?マーケティングとプロモーションに関して多くの人が勘違いをしています。大企業の中にもマーケティング事業部という肩書きの人が、テレビのインタビューなどで発言していることがありますが、その内容は「マーケティング」ではなく、「プロモーション」であるというようなことが散見されます。何か、プロモーションの延長線上にマーケティングがあるだとか、マーケティングの考えを実行することがプロモーションであるかのような考えを持つ人もいます。両者は、またく違います、似てもいません。

経営学の大家ドラッカー氏は、マーケティングを以下のように定義しています。

 「本物のマーケティングというものは、顧客から、つまり顧客の人口統計、現実、欲求、価値観から出発する。「わが社が売りたいと思うのは何か」と問いはしない。「顧客が買いたいと思うのか何か」と問う。また、「これこそ、わが社の製品にできること」と、いいはしない。「これこそ、顧客が探し求め、価値を認め、必要としている満足感である」というのである」

 マーケティングの究極的な狙いは、「顧客というものをよく知って理解し、製品サービスが「顧客」に「ぴたりと合って」ひとりでに売れてしまうように」し、「販売を不要にしてしまうことである」

まさに、この「販売や、販売促進を不要にしてしまうこと」こそ、マーケティングの究極の目的です。

マーケティングをする際の技法の一つに、「ストア・コンパリゾン」というものがあります。ストア・コンパリゾンとは、日本語に直訳すると「店舗比較」です。小売業や、飲食業で自分の店を良くしようというときに、自分の店だけを見ていていてはなかなか実態が浮かんできません。だから、自分の店と同じような業態の他社の店舗、できれば、近くの店、近くに店がなければ、似たような環境にあるところの店を見に行き、自分の店と比較するのです。

さて、このストア・コンパリゾン、あまり経験のない人や、経験があっても、成果を上げられない人に実施させるというどういうことになるでしょうか?競争相手の店に行って、「あれが、駄目だった」「これが、駄目だった」「■の××が最悪だった」「○の△が駄目だった」が駄目だったなどという報告ばかりです。こういうストアコンパリゾンのやり方は、最低です。相手の欠点をみるだけであれば、はっきりいって小学生にもできることです。こういう報告をする経営コンサルタントがいたら、まずは、「最低級」のコンサルタントだと思って間違いありません。

しかし、良く考えてみてください。そこに、店があって、お客さまがいらしているということは、悪いことばかりではなく、良いことがあるから来ているのです。だから、本当に役に立つのは、良い点なのです。悪いことばかりではなく、良いこともあるのです。悪いことばかり目について、それを積み上げたとしても、良いことを探すことができなければ、その店が存在して、お客を獲得している理由がわかりません。それでは、何のために、ストア・コンパリゾンをしているのかわからなくなってしまいます。

それだけではありません。ストア・コンパリゾンをするにしても、いわゆる、マーケティング戦略がなければ、結局、成果の出せるコンパリゾンは、できなくなります。先ほど、マーケティングの本質は、「顧客というものをよく知って理解し、製品サービスが「顧客」に「ぴたりと合って」ひとりでに売れてしまうように」し、「販売を不要にしてしまうことである」と掲載させていただきましたが、これに関して、長期的なビジョンがなければ、結局、成果の出ない、月並みで何も役に立たない比較しかできなくなってしまいます。

さて、事業仕分けに話を戻します。民主党には、残念ながら、20年後、30年後の日本という国をどうしようというビジョンがないため、効果のある事業仕分けにはなっていないと思います。たとえば、スパコン関しても、将来IT産業をどの次元まで高めていくのかなどのビジョンがなければ、表面的に見える無駄遣いは減らせても、根本的な判断はつかないと思います。さらに、そもそも、なぜ、現場で無駄が発生するのか、その根本原因は、何なのか、それを許容するシステムは何なのか、それに対して、新たな法律が必要なのか、あるいは、あたらな仕組みが必要なのか、あるいは根本的にインフラを改める必要があるのかが、はっきりしていなければ、成果はあげられません。

さらに、ストア・コンパリゾンとの関係でいえば、民主党は、悪いことばかり見て、良いところは、みていません。これは、先にも述べたように、小学生でもできるようなことです。役人の中にも、どうしようもないような木っ端役人から、有能で善意あふれる人もいるはずです。さらに、日本の官僚システムのすべてが悪いわけではなく、成果をあげているとこもあれば、成果をあげられない場合もあるはずです。では、成果を挙げられている部分は、どこなのか、あるいは、過去に成果をあげられたのに、今は成果が挙げられないというのであれば、何が変化したのか、を見なければ、本質を見ることはできません。

この事業仕分け、現場で出てくる、現象をさらっただけで、その根本原因を探っているわけではありません。医者でいえば、根本原因をつきとめず、治療もせずに、患者が頭が痛いといえば、頭痛薬を投与して、腹が痛いといえば、胃腸薬を与えるだけの、対症療法だけしているようなものです。今のままでは、根本原因が取り除かれずに、実際に予算をつくってみたら、無駄がほとんど省かれていないという状況になると思います。

そうなると、どうなるのか?結局は、大きな掛け声をかけて行ったわりは、あまり、改善・改革など実現せず、かえって、国民の不満や、閉塞感など、増長することになると思います。今の事業仕分け、国民に錯覚、錯誤を生み出してしまいます。事業仕分けによって、簡単に無駄排除されたはずであるとの誤った観念を植え付けてしまいます。でも、現実は違います。このままでは、前政権がだしていた無駄は簡単に事業仕分けで省けたはずなのに、まだまだ、無駄かあるということになり、結局は、民主党に大きなブーメランとなって振り返ってくることになると思います。

民主党は、以前にもこのブログに掲載したように、他にも多くのブーメランを抱えています。それらに加えて、今回のさらに大きなブーメランに襲われたら、命脈を絶たれることになると思います。

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2009年11月12日木曜日

あえて「客単価↑」の狙いは-飲食業界客単価上昇の傾向をどう見るか?

あえて「客単価↑」の狙いは

2009.11.11


客単価上昇の傾向をどう見るか?
昨日ワールドビジネス・サテライトを見ていたら、外食産業での単価上昇のことが報道されていたので、前から、少し気になっていたので本日はこれに関して掲載します。

居酒屋チェーンのワタミは12日、東京・大田にファミリーレストランの1号店「ごちそう厨房(ちゅうぼう) 饗(きょう)の屋」を開業しました。客単価は2100円と、すかいらーくの「ガスト」の750円などと比べ高めに設定。普段使いよりも家族で記念日に食事する需要を開拓します。ただ強気の価格が受け入れられるかは不透明です。

1号店の店舗面積は約260平方メートルで、4人がけのテーブル席中心に129席と標準的なファミレス並み。メニューは定食を中心に約70種類を用意。定食の価格は1500~2500円前後に設定、豪州産牛肉を使った「霜降り牛の石焼ステーキ膳」(3129円)など高額の商品もそろえます。メニューに関しては、下のURLからご覧になることができます。

◇ファミレス衰退の原因は?
さて、この新しい業態、お客に受け入れられるどうか、注目です。飲食業界の雄である、マクドナルドは、低価格路線は維持してはいるというものの、一回り大きなハンバーガー「クォーター・パウンド」も人気です。また、以前このブログにも掲載したように、たとえば、2000円の商品(とても一人では食べきれない)を1000円に割り引くなど、個食の権化のようでもあったハンバーガーを「共食」にしようという試みを実施しています。

ファミリーレストランというと、その名のとおり、家族などでの「共食」を前提とした業態でもあります。最近、スカイラークのファミリーレストラン型業態の最後の店が店じまいしたばかりです。このファミリーレストランの単価は1000くらいだったと思います。

飲食業界は、ここ10年くらい叙々に売上が落ちていましたが、一般にはこれを単に不況のせいにしていました。しかし、実際には消費者が変わりつつあったとの証ではないかと思います。これに対応することが十分できていなかったのかもしれません。従来型の業態であるスカイラークの終焉は、それを示していたのかもしれません。

こちら函館には、以前このブログにも掲載したように、函館の独特の食文化のせいか、いわゆる、全国チェーンのファミレスは、ありませんでしたが、函館のローカルのファミリーレストランがありました。しかし、それも、2年くらい前から姿を消しています。ここのメニューもいわゆる、ごく当たり前の鉄板に載った、ハンバーグや、エビフライでした。客単価も1000円前後ではなかったと思います。

典型的な従来型のファミリーレストランのイメージは、以下のようなものだったと思います。

肯定的なイメージ特徴

  • 比較的綺麗で清潔な店舗、開放感のある広い店内にマイカーで行ける駐車場がある。
  • 料理の値段が全般的に値ごろ感があり利用しやすい。
  • メニューが幅広く、和・洋・中など多種多様な料理が楽しめる他、キッズメニューも多い。

否定的・マイナスイメージでの特徴

  • カジュアルレストランなど、ファミリーレストランより客単価の高い形態の店舗と比べると料理の味が劣ることが多い。これは大量生産・工場生産などの理由に起因する。
  • 子供が騒いでも周りが気にしない雰囲気である。
  • ドリンクバー設置店での若年層(これに限らず、低価格商品の注文で長時間居座る客)の溜まり場、客席放置。
  • 喫煙席と禁煙席が分かれてはいるものの仕切りがない店舗もある。

ファミリーレストランは、その誕生した時代の消費者にのニーズを満たす業態です。先月の、10月29日。ファミリーレストランの元祖とも呼べる「すかいらーく」は、川口新郷店(埼玉県)を最後に39年の歴史に幕を閉じました。この30年くらいて、消費者ニーズも相当変わっているのだと思います。

いまや、上記で示したファミレスの肯定的イメージも、当時とは違って肯定的ではなくなったのだと思います。

「比較的綺麗で清潔な店舗、開放感のある広い店内にマイカーで行ける駐車場がある」というのが、駐車場を備えていない店舗もたくさんあった当時としては斬新でもあったのでしょうが、現在では当たり前になり、画一的でなんの変哲もない面白みもない店になってしまったということだと思います。今では、綺麗・清潔なのが当たり前で、何の差別化にもならないし、開放感あふれるといっても、今では無機質にしか感じられないのだと思います。

料理の値段が全般的に値ごろ感があり利用しやすい」ものが、今では、「安いのはいいのだが、それだけで、何も訴えるものがない。家で自分で作ったほうが美味しいとか、レトルト食品や、冷凍モノとそう変わらない、デパ地価で買ってきたもののほうが美味しい」ということになってしまったのです。

それに、ファミレス設立当初は、確かに家族の人数も多く、家族みんなでということになると、5人以上もで行ったので、単価もファミリー全部で個々が1000円のものを頼んだとしても、5000円以上にもなったものが、今では、核家族化、少子化が進んだため、3000円~4000円ということになり、安すぎということになったこともあると思います。であれば、最近では個食化も進んでいて、家族全員がそろって食事をすること珍しいので、せっかくの家族の外食だから何か思い出に残るように、もっと高くても良いというように変わってきているのだと思います。

それこそ、今だと、新築の家であれば、おしゃれな開放的なダイニング・キッチンが主流でシステムキッチンも標準で備えられており、システムキッチンには使いこなしているかいないかは、別にしても、オーブンなども設置されています。そこでいつも食べているような、料理、たとえば鉄板プレートに載った安い冷凍ハンバーグを家族全員でわざわざファミレスで食べても白けるだけで何の感動どころか、味も素っ気もないのではないかと思います。

「メニューが幅広く、和・洋・中など多種多様な料理が楽しめる他、キッズメニューも多い」というのも、今となっては、幅が広すぎでちょっと突っ込むとすぐに奥行きがなくなってしまうのだと思います。たとえば、洋物メニューはあるものの、ハンバーグ、カレー、エビフライ、グラタンなど、画一的で、イタリアンの定番であるラビオリを食べたいとおもってもまずはないとか・・・・・。和食でも、天ぷら、刺身、焼き魚など、特に珍しくもないメニューの組み合わせしかありません。ファミレスに何回か行ってしまえば、画一的なメニューなので、食べたいものがなくなってしまうなどのこともあったと思います。

さて、以上の従来は肯定的なイメージだってものが、今の時代ではマイナスになり、さらに上にあげたマイナスイメージもそのまま残っています。これらを統合して考えてみると、最早、伝統的なファミレスの役割は日本では終焉したのだと思います。最近の外食チェーンの不況は、必ずしも、マクロ経済のせいばかりではなく、こうした変化に対応してこなかったということもあると思います。ファスト・フードなどの単価の安い業態は高くするとか、高い業態を創設する、高級レストランなどの業態は、単価を低くするとか、低い業態を創設することなしに、根本的には既存の業態のまま運営し、顧客のニーズに応えられなかったというのが実態だと思います。

◇新たな業態の可能性は?

さて、従来型のファミリーレストランがその役割を終えて、業績が悪くなって以来、飲食業界の動きは、低価格化でした。最初は、これで一見成功したようにもみえました。しかし、その先頭を走っていた、マクドナルドも、100円マックは、今も継続してはいますが、アイテムも少なく、従来のようなプロモーションも行っていません。このように、マックは今でも、低価格路線を維持はしていますが、積極的に維持しているわけではありません。これについては、以前もこのブログに掲載してありますので、そちらをご覧ください。牛丼、焼肉など他の低価格業態も今では、決して良いとはいえません。

日本の飲食業界、特にレストラン業界に限ってその特徴をアメリカなどとの比較であげてみると、いわゆる高級レストラン(客単価1万円前後以上)と、ファストフードを含める町の洋食屋さん、カレー屋さん、蕎麦屋さんなど廉価な業態は豊富にあるのですが、いわゆる客単価が3000円~10000円以下の業態は極端に少ないのではないと思います。本来、こうした業態がもっと生まれてきても良いはずです。あまり高くないところでかといって、本当に安いところには行きたくないと思ったとき、意外と行ける店がありません。それでも、東京都内なら、何とか探していけないこともないですが、ここ函館をはじめ地方都市では皆無といっても良い状況です。

しかし、ここ10年ほど、日本の景気はパットせず、景気が伸びいてた金融危機直前でも、「実感なき好景気」といわれていて、飲食業界もあまり思い切ったことはできなかったのだと思います。しかし、本当は、顧客のほうは変わっていて、もはや、ファミレスのような業態はごめんだし、かといつて、本当に高級なところには、ごくたまにしか行けないという意識になっていたのだと思います。

数年前に、いわゆるファスト・カジュアルという業態が日本にもできかけたことがあり、マクドナルドでも、マックダイニングという業態をたちあげました。モスバーガーでも緑モスをたちあげたのですが、あまりパットしませんでした。いわゆる1000円ハンバーガーなども売り出したのですが、一時的な流行で終わってしまったようです。やはり、実感なき好景気などの状況さらには、金融危機などによってこの動きはいったん止まったかのようになっているのだと思います。

しかし、消費者の根底にある変化は変わらず、そのため、既存のファミレスも生き残ることができなかっだと思います。だとすれば、いわゆる客単価が3000円~10000円以下の業態は、まだまだ見込みがあるはすです。

ワタミは、いろいろな業態を持っています、また新しい業態を創設する力も十分あります。将来的には、客単価3000円以上のレストランを狙うにしても、今の景気の状況をみて、2000円程度の業態に最初にチャレンジし、様子を見ているのではないでしょうか?客単価が3000円であれば、サービスも一段上のいわゆるカジュアル業態のレストランにすることができます。だから、現状ではファミレスの業態として、価格は高めにして、ファスト・カジュアルのような業態としているのだと思います。それと、景気が回復したとしても、おそらく、2000円のファミレスなら残れると踏んでいるとおもいます。1000円では無理だと判断しているのだと思います。おそらく、1000円台のレストランは、ラーメン屋、カレー屋、洋食屋さん、その他個人経営のものなどで日本では十分事足りるし、個性が豊かであって、とても、チェーン店などは太刀打ちできないのだと思います。

私は、この不景気が終焉した後には、客単価が3000円~10000円以下のいわゆる、カジュアルの業態が日本にも根付く番ではないかと思います。現在は、少子高齢化の傾向にあります。子供の数は減っていますが、少ない子供によりお金をかけるという傾向があります。それに、若者ならまだしも、ある程度の年齢のいった高齢者が単価の安い外食ばかりしているというのも、あまりに侘しいと思います。子供の頃、その当時の日本では珍しくもなかった極貧生活を過ごし、現代日本人とは異質のメンタリティーの代表格でありその末期の層ともいえる、政治家の鈴木宗雄さん(61)は、幼少のころ父親とラーメン屋に行って、ラーメンを食べ終わって、お腹がいっぱいになって、スープを飲まないでいたら、「スープも御代に含まれているんだ!!全部飲み干せ」と怒られたそうです。

このような時代や、このような時代の痕跡が残っていたようなファミレスが創設されたばかりの頃は、ラーメン一杯でも、外食すれば、それなりに満足があったでしょうし、ファミレスなど家族で行ったら、それだけで特に子供などは有頂天になれたのでしょぅが、今はそうではありません。たまに家族で行く外食ですから、やはり、良いものを召し上がり、良いサービスを受けていただきたいものです。今まで熱心に働いてきた多くの日本人には、それだけの資格があると思います。高級レストランのほかに、ファストフードとか、1000内外のレストランという選択肢では、あまりにアンバランスです。やはり、ファストカジュアル、カジュアルの日本の飲食業界が提供すべきです。また、そうしたことが、外食業界を活気づけ、内需拡大にもつながります。

いずれ、アメリカやヨーロッパと比較して、数も少なく、貧弱な、カジュアル業態と、ファストカジュアル業態の店が日本にも興隆していくと思います。日本でも、アメリカ直輸入のような、ファストカジュアルの1000円ハンバーガーというようなものではなく、日本独自の和食やその他、創作料理などを含む、ファスト・カジュアルや、カジュアルレストランの新たな業態が開発されて、興隆していくと思います。

マクドナルドも、ワタミもそうした時代が来ることを予期しつつも、今の景気状況を踏まえ、現状にあわせた運営や、業態を創設して、着々と新たな時代に備えているのだと思います。


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2009年11月11日水曜日

Amazon、「Kindle for PC」とCacoo―顧客とのリレーションシップ(関係)を強化せよ!!(2)

Amazon、「Kindle for PC」とCacoo(この内容すでにご存知の方は、この項は読み飛ばしてください)
◇Amazon「Kindle for PC」
Windows PCでKindle向け電子書籍を購読できるソフトウェア「Kindle for PC」が公開された。カラーの書籍はカラーで読むことができる。

「Kindle for PC」のホーム画面

 Amazonの電子書籍リーダー「Kindle」を持っていなくても、36万冊に上る電子書籍や雑誌、新聞をPC上で購入し、読むことができる。利用するには米Amazonのアカウントが必要。AmazonのKindle Storeで「Available on your PC」と表示されている書籍であれば購入できる。Kindleはモノクロだが、PCではカラーの書籍はカラーで表示することができる。Windows 7の場合は、ピンチ操作による拡大・縮小と指でのページめくりが可能だ。Kindleを持っていれば、既に購入した電子書籍をKindleと共有でき、しおりやメモ機能などを同期することができる。

◇Cacoo


http://journal.mycom.co.jp/news/2009/11/10/008/index.html

顧客とのリレーションシップを強化せよ!!(2)
わずか、数日前にこれと似たような記事を書きましたが、たまたまそうなっただけで、意図して意識したわけではありません。アマゾンがまた新しいサービスを始めたこと、さらに、日本国内でも面白いサービスができましたので、皆さんにお知らせするという意味あいで掲載しました。

私は、アマゾンの「Kindle for PC」をダウンロードしました。これで、いつでもダウンロードできるのですが、まだ書籍は選んでいません。今晩でも、ダウンロードしてみようと思います。

Cacooにも登録しました。こちらは、さっそくお絵かきを少ししてみましたが、操作はかなり簡単そうです。皆さんも、是非使われてはいかがでしようか。

ところで、前にこれと似たような記事を書いたときには、Amzon BasicとGoogle Dashboardについて掲載しました。そうして、これらは、他社との差別化をしているのであり、差別化の中でも、特に現在は「顧客とのリレーションシップ(関係)」を強化することが重要である旨を述べました。今回も結論としては、同じことです。

まず、アマゾンに関しては、計画的に戦略的に素晴らしい差別化をしていると思います。「Kindle」を最初にリーリース(1年以上前)してから、「for PC」をリーリースしたことには、深い考えがあると思います。おそらく、技術的にはいつでもリーリースできた「for PC」をもし、「Kindle」より先、あるいは「同時」にリーリースしていたら、おそらく、「Kindle」はなかなか売れなかったし、ユーザーに認知されなかったと思います。

まずは、Kindleのほうを先にリリースして、ユーザーに実際に買ってもらい、体験してもらう。特にこのユーザーはオピニオンリーダーのようなタイプの人々で、新しいものを受け入れやすく、大事に扱えば、商品そのものを多くの人たちに口コミで伝えてもらえます。今なら、ツィッターやブログなどにもユーザーズ・エクスペリエンスを掲載してもらえます。

1年くらいたてば、大体オピニオンリーダー的な人々の大部分は、顧客になってもらえたと思います。今回の措置この時点で、「for PC」を導入することで、新しいものを受け入れやすいが、そのために新たな機器(Kindle)を購入するまではなかなかしないという、次の層を取り込もうという戦略だと思います。この層の人たち、新しいものが好きですが、どうしようか迷っているところに、「For PC」がでてきたので、待ってましたとばかり、ダウンロードしているに違いありません。「Kindle」と同時期に「For PC」もリーリースしていたら、実際にダウンロードする人の数は減っていたかもしれません。

こうすることによって、少なくとも、アマゾンは、当面の売上げを良くするとともに、この特定の新規サービスに関して、オピニオンリーダー的な人々を実際に把握し、さらに、次の層の人々も把握したわけです。アマゾンには、これらの人々の以前の購買履歴も残っていることでしょうから、さらに分析がやりやすいと思います。おそらく、アマゾンでこうして、データなど分析して、新しいサービスには保守的なより多くの人たちに新サービスを根付けるための手がかりを得ているに違いありません。いや、あるいは、私が考えたよりももっと深いシナリオがあり、そのシナリオのための準備を進めているかもしれません。

私は、以前のブログでも、差別化のため顧客との「リレーションシップ(関係)」を構築すべきであるとの意見をのべました。しかし、無意味に無作為に新たな「関係」を構築したとしても、あまり意味がありませんし、効果もありません。やはり、アマゾンのこの事例のように周到に準備をして、戦略的に構築すべきです。アマゾンが、何も考えずに、最初から「Kindle PC」をリリースしていたとしたら、確かに顧客と新たな関係を築くことができたかもしれませんが、ただ、関係が増えただけで、あまり上記のように実りの大きいものにはならかったと思います。

さて、ほぼ同じ日にgoogleニュースに掲載されたということだけで、Cacooも掲載しました。Cacooを提供している会社は、ヌーラボという会社で、資本金1,200万、従業員は10人の会社です。この会社どういう会社なのか私にはわかりません。しかし、こうしたサービスを構築することにより、多くの人にヌーラボを知ってもらう機会が増えるに違いありません。

この図形ソフトは、かなり良くできていると思います。特にブログを書いていると、ブログに図形など掲載したいと思うこともありましたが、そのような欲求を満たすにはまさに、ピッタリのサービスです。これまで、mindmap関連や、もっと簡単なお絵かきソフトなどの無料のサービスがあったとは思いますが、このようなサービスは初めてのことだと思います。また、このサービスでマインドマップなど書いてみても面白いような気がします。

残念ながら、私は、この会社がどのような経緯で設立されたのかとか、実際にどのような仕事をしてきたのか知りませんので、ヌーラボがどのような戦略や戦術を持っていて、それが、このCacooと、同結びつくのかまでは、考え付きません。どなたか、ご存知の方いらっしゃったら是非教えてください。

ただし、なかなか使い勝手が良いので、確かにユーザーや潜在顧客と「関係」を構築するには良さそうです。

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2009年11月10日火曜日

またシー・シェパードにやられっ放し? 捕鯨妨害対策の新法“難航”―民主党自らひき起こした社会不安によるブーメランで壊滅か!?

またシー・シェパードにやられっ放し? 捕鯨妨害対策の新法“難航” (この内容をご存知の方は、この項は読み飛ばしてください)

薬入り瓶などを投げつけるシーシェパード

 暴力的な調査捕鯨妨害を繰り返している米国の環境保護団体「シー・シェパード」(SS)を取り締まる新法の法案提出・制定が、困難な情勢となっている。今シーズンの南極海での調査捕鯨開始が月内に迫っているにもかかわらず、政府内で異論が出ており、意見統一ができていないためだ。このままでは、法的な対策が講じられないまま、捕鯨船団は出港することになり、捕鯨関係者は「犯罪行為をしているのはSSなのに、われわれは今シーズンも逃げることしかできないのか」とあきらめ顔だ。

 政府関係者によると、新法では、公海上でSS抗議船から暴力的な妨害を受けた際、抗議船への捜査権のある海上保安官の乗り込みや、活動家の逮捕を可能にするほか、「正当防衛」の範囲内で武器使用も認めることが検討されている。

 SS抗議船はオランダ船籍で、現行法制では日本側から乗り込んで取り締まることはできないと解釈されてきたが、国連海洋法条約でも、公海上の外国船籍の海賊行為に対して逮捕などが認められていることなどから、内閣官房や外務省、水産庁、海上保安庁などで協議を進め、水面下で法案の骨子も作成した。

 しかし、ここにきて外務省などから「捕鯨妨害は『海賊』とはいえない」といった強い慎重論が出たため、結論は先延ばしにされる見通しになった。

 政府は今年3月、今シーズンの調査捕鯨までにSS対策の法整備について結論を出す方針だったが、政権が交代。臨時国会の審議状況などを考慮しても、新法制定は極めて難しい状況だ。
 SSは昨シーズンも捕鯨船に衝突するなど、暴力的な妨害を繰り返したが、日本側の捕鯨船に乗り込んでこなかったため、取り締まることができなかった。

 法整備をめぐる議論については、水面下で行われており、対策をとりまとめている内閣官房は「政治決定する内容なので、官僚がお話しすべきではない」と、民主党政権の方針を理由に説明を拒んでいる。

 捕鯨船団側は、抗議船の妨害から回避するための装備強化なども進めているが、関係者は「法的な対策には期待できないとすれば、また、同じことが繰り返され、逃げるしかない。おかしな話だ」と話している。

民主党自らひき起こした社会不安によるブーメランで壊滅か!?
これに先立つ、先月31日産経新聞は、鳩山由紀夫首相がクジラ肉を嫌いだと発言したと伝えました。産経新聞によれば、鳩山首相は26日、首相官邸でオランダのヤンペーター・バルケネンデ(Jan Peter Balkenende)首相と会談した際に「わたしはクジラ肉は大嫌いだ」と発言したといいます。欧米各国の捕鯨批判に反対する立場をとる日本の首相としては異例の発言です。政府高官によると、鳩山首相はクジラ肉を嫌いと言ったものの、バルケネンデ首相に対し、南極での日本の調査捕鯨船へのシー・シェパードの攻撃に対処するよう要請したといいます。

鳩山さんの矛盾した発言が続くことと、この程度の法案すら提出するのに躊躇する民主党を見ているとは、以前このブログで書いたように、民主党はやはりブーメラン効果で壊滅するのではないかという気がします。明らかな違法行為に、断固たる処置を取ろうとしない政府に国民は、どう評価するというのでしょうか?もし、次回に南氷洋でけが人など出たら、大変なことになります。

考えてみれば、民主党、野党の時代には、政権奪取のために、自民党に対して重箱の隅をつつくように、あれこれ糾弾していました。その糾弾の中には、自民党をつつくだけではなく、日本という国そのものに対する糾弾もあったと思います。それによって、民主党は、日本国内で社会不安を煽ったという面は否定できないと思います。

たとえば、年金問題に関しても、不安を煽りに煽って、社会不安を増長しました。この年金問題アメリカでは、年に3万件ほど年金に関する事務手続きの誤りが発生しているそうです。アメリカでは、これに対処するため、誤りが発生したときにどうすべきか決めて、これによる混乱を回避しています。簡単にいうと、経理に詳しい方ならわかるでしょうが、いわゆる経理の損金勘定のようなものを定めています。人間がやることですから、誤りはつきものです。それが発生したとしても、それを回避するシステムを構築しておけば、混乱することもないと思います。これに関しては、自民党も対応を誤ったと思います。最後の一人まで、誤りを是正するなどという考えは愚の骨頂といわざるをえません。そのために人件費をかけていたら、本末転倒です。

また、赤字国債を発行すれば、子々孫々まで借金を残してしまうというようなものもありました。発行高にもよりますが、100兆円くらいなら発効しても、子々孫々まで借金を残すなどということは、日本ではあり得ないことです。もし、この程度で財政破綻をするなら、アメリカなどとっくに破綻しています。何か、日本という国があっという間に財政破綻をおこすように、糾弾していたのを思い出します。これだけ、国内に金余りの国はないというのに・・・・・・。糾弾するのであれば、日本国内にこれだけ余剰の金がギッシリと詰まっているのに、それが市場に出回らない状況を糾弾するべきでした。

脱官僚政治も大きなブーメランの一つだと思います。日銀の総裁を決定するときにあれほど、官僚出身者を忌避したというのに、日本郵政株式会社の社長をはじめとする取締役の中に3人もの元官僚が含まれていたということは、民主党にもどうにも、説明のつけられないことだと思います。

官僚のなかにもいろいろ種類があって、無能でどうしようもない官僚もいれば、有能で誠実な人もいます。私は、天下りなどの問題は、官僚という人自体の問題ではなく、システムの問題だと思います。民主党のいう「脱官僚」は、どちらかというと、官僚という人に問題の重きを置いているのだと思います。しかし、現実にはやはり、人ではなくシステムが問題なので、このような矛盾が生じたのだと思います。

9月3日には、米国のカート・キャンベル(Kurt Campbell)国務次官補(東アジア・太平洋担当)は2日、日本の官僚に対する風当たりが民主党(Democratic Party of Japan、DPJ)の衆院選圧勝で高まっている風潮について、「衆院選後、最も懸念している問題の1つ」だと述べています。

キャンベル氏はワシントンのシンクタンク「戦略国際問題研究所(Center for Strategic and International Studies、CSIS)で行った講演で、米政府の政策ではなく個人的意見だと強調。その上で、「個人的経験から助言すると、わたしが日本でともに仕事をした中で最も素晴らしかった専門家の何人かは官僚だった」「官僚たちが敵視され追いやられる様は見たくない」などと語りました。

また、あの経営学大家ドラッカー氏も、彼の最後の著作「ネクスト・ソサエティー(2002年刊行)」で特に日本の官僚に関して、以下のような仮説を掲載しています。
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第一が、日本の官僚の優位性はほとんどあらゆる先進国で見られるとの仮説である。アメリカといくつかのあまり人口の多くない英語圏の国、すなわち、オーストラリア、ニュージーランド、カナダのほうが例外である。日本の官僚の優位性は、他の先進国、特にフランスに比べるならまだまだ劣っている。

第二が、日本の官僚は、われわれが考えるよりもはるかに耐久力があるというものである。日本の官僚は、長年の不祥事と無能の暴露にもかかわらず権力を維持してきた。

第三が、先進国では、アメリカを別として、社会の維持にはエリートの指導力が必要されているというものである。後を継ぐべき者が現れないかぎり、既存の指導層に頼らざるを得ない。今日の日本には、官僚の後を継ぐものは現れそうにない。

第四が、日本では先送り戦略が有効であるというものである。日本は、この40年間、解決不能とされていた社会的な問題を、問題の解決よりもむしろ先送りによって二度までも解決してきた。もちろん今日の金融システムにおける構造上の脆弱さと資金的な余力を考えれば、今度ばかりは先送り戦略はうまくいかない。しかし経験的には、日本の先送り戦略には一概に不合理とはいえないものがある。

第五が、日本の政治家、官僚、経済界などの政策形成者にとっては、大事なのは経済よりも社会であって、先送りこそ合理的な戦略であるというものである。
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これに限らず、民主党は、政権交代を実現するためだけに、いろいろな社会不安を引き起こすような糾弾を平気で行っていました。それをさらに、拡大拡張して、煽ったのがマスコミです。今年の8月の選挙戦にいたるまでの1~2年、そうして選挙まで、民主党が先頭にたちこうした社会不安をあおってきましたが、国民の中にはなんとかなかるもしれないという意識がありました。なぜなら、社会不安は、自民党がひきおこしているのであり、政権交代だけさえすればすぐに収まり、薔薇色の世界がすぐそこに待っていると、民主党は主張し続けてきたからです。

しかし、来年の春の高卒の新卒は、まともに就職できないとか、さまざまな社会不安が現実に存在します。さらに、民主党が過去に精力的に意図して、意識して煽ってきた社会不安が渦巻いています。現在、日本は、こうした社会不安などにより、多くの人々が焦燥感、閉塞感にさいなまされています。民主党がこれを本当に、解消できたり、すぐに解消できないまでも、解消の目鼻をつけることができなければ、民主党は壊滅します。今回の些細なとでもいえるような捕鯨妨害対策問題にも、迅速に対処できないこの有様では、早晩そうなってしまいます。私たちとしては、ポスト鳩山、ポスト民主党を考えておいたほうが良いのではないかと思います。



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