(日刊ゲンダイ2012/6/6)
野田政権の宣伝部隊に成り果てた大マスコミが、連日、飽きもせず消費増税キャンペーンを続けている。そんな中、朝日新聞がまたトンチンカンな記事で財政危機を煽(あお)り、大増税を後押ししているからア然だ。きのう(5日)の朝刊で、こんな記事を掲載したのだ。
〈日本国債が「安全」とみられるのは、消費税率が5%と低く、増税で財政を立て直す余地がまだ大きいと思われていることが理由のひとつ〉
〈イタリアやスペインでは春以降、国債が値下がり(金利は上昇)するだけでなく、株価も欧州通貨ユーロも値下がりする「トリプル安」が進んでいる。消費増税が頓挫すれば、日本でも同じような事態が起きかねない〉
消費増税をしなければ、国債が暴落する、大変だ、というのである。
朝日は定期的にこの手の記事を載せている。今年2月には、国債の急落に備えて三菱東京UFJ銀が作成した“危機シナリオ”を1面トップで掲載。危機管理はいつもどの銀行でもやっているのだが、ことさら大げさにして消費増税が必要だと煽っていた。醜悪だ。
専門家に言わせれば、日本国債の暴落なんてウソも大ウソ。現実には絶対に起こり得ない絵空事なのだ。「日本は破産しない!」などの著書がある経済評論家の上念司氏がこう指摘する。
三菱UFJ銀行の経営者は、経済を理解しないのか? |
中国に職を求める人はいるだろうが、それが一体何人、増減はどうなっているのか? |
米格付け会社フィッチが先月、日本国債の格付けを1段階引き下げたというニュースもあったが、格付け会社の多くは、リーマン・ショック前まで、原因となったサブプライムローンに最高評価「AAA」をつけていたいい加減な連中だ。米格付け会社フィッチが先月、日本国債の格付けを1段階引き下げたというニュースもあったが、格付け会社の多くは、リーマン・ショック前まで、原因となったサブプライムローンに最高評価「AAA」をつけていたいい加減な連中だ。
国債に依存することは悪いことなのか? |
ChannelAJERに出演する上念氏 |
【私の論評】日本の大手新聞は、この論調。新聞だけ消費税をまぬがれるためにこうした記事を掲載するというのなら、立派な裏切り者!!
さて、国債の金利すなわち、利回りは、どうなっているかといえば、下のグラフを見ていただければ、良くお分かりになると思います。その時々でデコボコがあるものの、直近では、右肩下がりであることがわかります。
では、長期でみるとどうなるかといえば、72年から、91年あたりまでは、多少デコボコがあるものの、91年以降は、一環して下がり続けています。
どんどん下がっていますね。アメリカの投資銀行など、今から数年前までは、日本国政府の財政破綻や、国債の暴落などまことしやかに喧伝していましたが、あれから、何年たっても、日本の国債の利回りは減少を続ける一方ですし、それに何といっても、円高です。もう、すでに煽るのをやめています。とにかく、こうしたことを見ていれば、国際為替市場や国際株式市場などは、日本が財政破綻したり、そのあおりで、国債が暴落するなどということは考えていません。そんなことを言い出せば、「狼少年」の謗りは免れず、顧客からの信頼を失ってしまうことでしょう。
日本の場合は、日本の新聞はおろか、テレビや、雑誌などでも、「狼少年」のように、今でも、財政破綻するとか、国債が暴落するなどという悪質なデマを飛ばしています。いや、それどころか、財務省の安住財務大臣から、野田総理大臣まで、同じことを言っています。これは、由々しきことです。他にたとえると、そうですね、大手スーパーの社長や役員が「うちの商品は、不良品ですよ」と公にしながら良品を売っているのと何も変わりません。こうなると、日本の場合、大方の政治家から、マスコミまで異常といっても差し支えないと思います。
雑誌でも酷いものが横行しています。エコノミストなる雑誌、エコノミストなるタイトルから、多くの人が、経済に関しては十分研究してまともなことを書いていると考えているようですが、それは、大きな間違いです。この雑誌、上の画像をご覧いただければ、お分かりになると思いますが、「日本国債暴落」という特集を組んだかと思うと、それから、わずか4ヶ月後には、「国債暴落のウソ」という特集を出し、それが、1年少したったら、今度は、「国債暴落へのカウントダウン」なる、特集を出しています。こうなると、もう、完璧にこの雑誌の編集者は、変質者か異常者としか思えません。このようなことを言う私は、頭がおかしいでしょうか?
上の動画などご覧いただくと、中野剛志氏の、「新聞の経済記事は読まない」という怒りの発言から、いかに、日本の新聞記事が狂っているか良くおわかりになると思います。
下の動画は、藤井聡氏の「日本でまかり通っている虚事」という国会での証言内容の動画です。この虚事とは、無論私が指摘したような事実です。そうして、それ以外にも説明されています。
下の動画は、藤井聡氏の「日本でまかり通っている虚事」という国会での証言内容の動画です。この虚事とは、無論私が指摘したような事実です。そうして、それ以外にも説明されています。
上念氏は、twitterでは、相互フォローさせていただいています。また、facebookでは、友だちです。facebookで、今週の月曜日に、「TVタックル」に出演されたことが掲載されていましたので、そこに、以下のようなコメントをさせていただきました。
「TVタックルは、いつも中途半端で、終わってしまってつまらないです。上念さんも、まだまだ言い足りなかったことでしょう」
そうすると、上念氏からすすめていただいたのが、以下の動画です。
是非ご覧になってください。それにしても、日本のマスコミの壊れ具合酷いです。統計資料などみれば、すぐにわかるような大嘘を平気で書いています。
日銀などに関しては、上念さんは、前から、円高、デフレであまりにも中国や、アメリカなどの海外に都合の良い政策をとるので、「海外から指令」が来ているのではないかと指摘しているほどです。
それに、これは前にも、このブログに掲載しましたが、大手新聞は、消費税増税されると、新聞代が、5000円超えするので、そうなると、購読者がかなり減ることが予想されるため、一般に消費税課税されても、自分の新聞だけは、課税されないように、財務省に働きかけているという話もあります。もし、そうなら、自分の利益のためだけに、政府や、財務省のいいなりなって、インチキキャンペーンをはっているということになります。もう、こんな新聞は先がないです。皆さんも購読はやめるべきです。
それから、上念氏、「日本の新聞の経済欄を見るときには、それを鵜呑みにするのではなく、こうしたことを書く裏には何があるのかを、読み解くつもり読むべきである」と指摘しています。
私もそう思います。私自身は、ウソを書いている新聞を見てもしょうがないどころか、惑わされるだけなので、最近は、新聞を購読していません。会社でも日経新聞など読まないようにしています。もっぱいら、サイトで批判的に読むようにしています。
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