2012年8月22日水曜日

Huluが大きな問題に直面、放送局の新提案―【私の論評】Hulu独走状態は、いずれなくなる?

Huluが大きな問題に直面、放送局の新提案:
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毎日Huluにお世話になっている身として、なんとしてもHuluにはがんばりつづけて欲しい。
Huluが、大きな変更を求められるかもしれません。ネタ元のVarietyが手に入れた情報によると、主要株主である大手放送局が、ストリーミングサービスの一部変更を迫っているというのです。その内容が、ユーザー、そしてHuluにとっては痛手となるもの...。

Huluの株主は、NBC、FOX、ABC、Providence Equity Partners4社。Hulu創設に資金協力を行いました。Provindenceは買収されたことから、3つの大手放送局がHuluにおいて大きな力を持つことになります。NBCは契約内容に変更を加えることはできないという条件がついているので、つまりFOXとABCがHuluに大きな圧力をかけようとしているのです。

Varietyが入手したメモによると、以下の内容がFOXとABCがHuluに迫っている改善点。
・番組の最新シーズンにおけるHuluのみの特別配信をやめる。ライセンスをYouTubeのような第3者にもオープンにする。(これによって、市場でのHuluの有利な点がなくなってしまいます。)
・コンテンツの同等化をやめる。ABCとFOXの公式サイトはHuluとの差別化を測るため、一部のコンテンツの提供をやめ公式サイトオンリーのものとする。(かつては、公式サイトにあるコンテンツをHuluは全て使用することができました。)
・Huluのスペシャルコンテンツを、YahooやAOLのような第3者に提供する権利をHuluから、ABC、FOXに戻す。
・FOXは、Hulu.com上での1コマーシャル枠にいれるCMの数を4つに増やすことを要求。
Huluのみの特別配信コンテンツを無くすのは、ユーザーにとってはプラスでしょう。他サービス利用者でも見ることができるようにわけですから。しかし、HuluにとってはNetflixやAmazon Prime等との競合他社とやりあっていく上で不利になるのは絶対です。一部のコンテンツを公式サイト配信のみにしてHuluに渡さないというのは、ユーザーにとっては最悪です。もし、人気ドラマの最新シーズンがHuluでだけ見れないとしたら? なんのためにユーザーになっていることやら。コマーシャルの数を増やすのだって改悪です。

が、これらの変更は、Hulu Plusの大成功を踏まえて要求しているものだと、放送局側は主張しています。Hulu PlusはHuluの有料会員版。Plusならば、より多くのコンテンツを楽しむことができます。が、もし今回の要求によってコンテンツは制限を受けて、CMもガンガンはいってくるとしたら...。Plusは今現在は成功していても、本当に今回の要求でさらに先の成功へ行くことはできるのでしょうか?

今回の要求がユーザーにとって有利に働く可能性があるとしたら、1サービスに限らず広く多種多様なサービスに放送局がコンテンツの提供を始めることくらいですが、きっとそれは難しいでしょう。どちらにせよ、Huluには厳しい試練が訪れることとなりそうです。
この記事の詳細はこちらから!!

【私の論評】Hulu独走状態は、いずれなくなる?
Huluテレビ番組や、映画配信、独走状態です。私は、このブログにも以前書いたように、AppleTVをもっているので、Appleの動画配信に関して興味を持っいるので、いろいろ調べたりしていましたが、結局いつまでたっても、映画配信や、テレビ配信の内容など、増強されることもないので、ほとんど使わなくなってしまいました。そのため、AppleTVは、週に1回ほど、映画をみるだのガジエットになってしまっています。

ただし、アメリカでは、AppleTVでもHuluが見られるようになり、日本でも、いずれ見られるようになるというアナウンスもでていたので、そうなれば、Huluと契約して、AppleTVで、これを見ようと思っています。それにしても、以前から、Apple側では、AppleTVのコンテンツを増やすため、交渉中というようなアナウンスをしていたのですが、結局失敗して、Huluを導入することにしたのだと思います。

アメリカのAppleTVのサービス選択画面。huluplusが付加された。
そうなると、AppleTV配信の映画など誰も見なくなり、Apple側では、Huluを間接的に提供するだけで、手数料などのフィーも直接配信するよりはるかに、少なくなるのだと思います。今は、たまたま、Appleの例を出していますが、NetflixやAmazon Primだって似たようなところがあると思います。このようなことが続けば、Huluの一人勝ちになるだけで、このようなことは長続きしないのではないかと思いました。

それに、これって、どのようなからくりがあるにして、独占状態であり、いずれ独占禁止法が適用され、Huluだけの優先的配信は、できなくなると思います。そうして、そうなったほうが、多くのユーザーにとって、良いことであるには違いありません。

Huluのコンテンツ選択画面
私自身は、実は、Huluと本契約をしたことはありません。試用してみたことはあります。確か一月くらいは、無料でお試し期間があったので、最初は、映画や、24など、iPadなどで、見てみましたが、いくらコンテンツが豊富であったにしても、結局映画や、テレビの内容が見られるだけであって結局何の変哲もなく、無料のうちは良いにしても、有料になって後でも、見ることはないし、特にテレビ番組など見るようになれば、時間がいくらあっても足りないということになりかねず、主に映画を見るようなったので、頻度が少なければ、AppleTVでみるのと、何も変わりないと思い、価格も当時は、今の倍くらいということもあって、結局お試し期間だけで終わってしまいました。

最近iPadでもできるようになったGoogle hangout
このような動画配信業は、コンテンツだけ勝負する時代は、いずれ終わると思います。ただ、豊富なコンテンツから自由に映画や、テレビが見られという受動的なサービスは、廃れると思います。それに変わるサービスとしては、たとえば、Googleのハングアウトのようなプラットフォームなどがあげられると思います。ハングアウトは、ビデオチャットのようなものですが、動画を9人で、同時に見て、同時にチャットもできるようになっています。これを進化させれば、さらに面白いプラットフォームになると思います。そうして、Googleは、Google+を基軸として、文章、画像、動画を統合する全く新たなプラットフォームを目指しているのだと思います。

最近、iPhoneでも、アンドロイドでもできるようになったhangout
さらに、8月21日、東京六本木にあるニコファーレで『niconico新サービス発表会』が行われた。その時に、発表された新サービス「ブロマガ」も有力なものになるかもしれません。

ニワンゴが運営している動画サービス「ニコニコチャンネル」に、8月21日より、ブログやメールマガジンを配信する課金型コンテンツ「ブロマガ」が登場しました。


ニコニコチャンネルは、動画の配信や生放送ができるプラットフォームとして、2008年よりサービスを開始しています。今回の新機能によりテキストベースでの発信も可能となりました。

「ブロマガ」はPCブラウザだけでなく、スマートフォンやタブレットなどの対応端末での閲覧も可能である。合わせて、課金システムも改定され、コンテンツごとに無料もしくは有料(月額/都度課金)の選択ができます。

今回『ブロマガ』第1弾の発行人として、65のチャンネルが開設され、合計76の著名人や会社がコンテンツを発信することも発表されました。

ブロマガの詳細については、以下の記事を御覧ください。

ニコニコがコンテンツプラットフォーム“ブロマガ”を開始 メルマガが初めて進化

いくら、コンテンツが多いといいながら、Huluのように、映画や、テレビ番組を配信するだけというのなら、旧来の仕組みをそのまま現在のデバイス用に焼き直しているだけでは、すぐに飽きられてしまいます。電子書籍だって、従来の書籍をただ、現在のデバイスである、kindleやiPadで見られるだけであれば、本当に必要ものを書籍として読むというだけで、すぐに飽きられてしまうことでしょう。

何か新しいプラットフォームの中に、動画も含まれているという全く既存のものとは異なる新いものが、開発されるべきであると思うのは、私だけでしょうか?




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2012年8月21日火曜日

複数の事を同時にしようとすると生産性はガクッと落ちる / マルチタスクの危険を表したインフォグラフィック―【私の論評】なぜ集中しなければならないのか?

複数の事を同時にしようとすると生産性はガクッと落ちる / マルチタスクの危険を表したインフォグラフィック:

複数の事を同時にしようとすると生産性はガクッと落ちる / マルチタスクの危険を表したインフォグラフィック

複数の仕事、すなわち「マルチタスク」をこなす行為。効率的に時間を使いたいビジネスマンにとって、マルチタスクをマストなスキルと考える人も多いだろう。生産性を高めるためのガジェットやスマートフォンのアプリも次々と開発されている。しかし、マルチタスク状態と気が散っている状態は表裏一体らしいのだ。


ある研究によると、同時に複数の事を効率よくこなせる人は全体のたったの2パーセントであり、その他の98パーセントの人は気が散ってしまって逆効果になっているという。そんな、マルチタスクに関する興味深い実態が表現されたインフォグラフィックが話題となっている。

このインフォグラフィックはOnlineCollege.orgというアメリカの情報サイトが制作したもの。いかに我々が複数のことを同時にしているか、そしてそれが害となっているかを表している。以下がその内容だ。

【職場の実態】
まずはマルチタスク信奉者が最も多いと思われる職場の実態について。
・89パーセントの人が職場でスマートフォンを使用している。
・アメリカ人の45パーセントが一度に多くのことを取り組まなければならないと考えている。
・職場でコンピューターを使う人は10.5分に一度、気が散っている

【学生の実態】
マルチタスクの害は社会人だけでなく、学生にも及んでいるようだ。
・授業中に学生が閲覧するウェブページの62パーセントが授業の内容と関係がないものである。
・平均して、学生は一つの講義あたり65もの新しいウェブページを開いている。



【テレビ視聴時】
仕事や勉強中だけじゃない。テレビを見ながらアメリカ人がついつい同時にやっちゃうことはこんなこと。
・42パーセントがネットサーフィンをする。
・29パーセントが電話で話す。
・26パーセントが携帯メールやチャットをしている

【ついつい見てしまうスマートフォン】
スマートフォンの登場によって、いつでもどこでもメールのチェックやネットの閲覧をすることが容易になった。その結果……
・67パーセントの人がデート中に
・45パーセントが映画館で
・33パーセントが協会でもスマートフォンでメールチェックまたはネットの閲覧をしているという。

【マルチタスクの副作用】
以上の通り、マルチタスクは日常で行われているわけだが、いくつかの研究で以下のようなマルチタスクの「副作用」が指摘されているという。
・複数のことを同時にしようとすると、生産性は40パーセント落ちる。
・仕事中に電話やメールで気が散ると、IQが10ポイント下がる。これは一晩眠らないことによる影響、またはマリワナを吸った際に生じる影響の二倍に匹敵するという。
・デスクワークの仕事をする人は平均して、気が散ることによって一日に2.1時間を無駄にしている。年間にすると546時間だ。
・勉強中にメールやチャットをすると学業成績が下がる。
・運転中に携帯を使うと反応力が鈍る。



このように、これでもかというほどにマルチタスクの負の側面が指摘されている。便利なガジェットが登場しても、それを上手に使いこなすことは実はとても難しいのかもしれない。マルチタスクができる2パーセントと逆効果になっている98パーセント。あなたはどちらだろうか?
(文=佐藤 ゆき

参照元:Mashable(英文)


【私の論評】なぜ集中しなければならないのか?
さて、上の記事では、マルチタスクの弊害、要するに集中しないことの弊害を掲載していました。ただし、なぜ集中しなければならないのかについては、掲載していません。そこで、今日は、集中することの意義など私の経験も含めて掲載させていただきます。


まず、私の経験としては、上の記事をみていて、私が学生のときに、家庭教師をやっていたときのことを思い出しました。私は、家庭教師をするにあたってまずは、対象の子供が普段どのように勉強をしているかをチエックすることからはじめました。いくつも、チェックするのですが、たとえば、英語など明日リーダーの授業がある前の日に、英語の予習を実際に目の前でやってもらいチエックをしていました。予習のやり方をみると、集中力のある子とそうではない子との間にはかなり相違があります。

集中力のある子は、予習の手順がはっきり決まっています。たとえば、まずは、リーダーを読んで、意味のわからない単語を調べます。単語が分かった段階で、黙読、音読をします。2度読んでみてもわからない場合は、再度単語の意味を調べたり、場合によっては、参考書を引っ張りだして、調べます。そうして、最後にどうしてもわからないところは、ピックアップして、授業で質問することにします。子供によって、順番が違ったり、少し異なることを付加したりする場合もありまずか、たいていはこんな具合です。それも、毎回手順が決まっており、よどみなく終了して、だいたい、30分くらいで終わります。長くても1時間以内です。



そうして、このような子は得てして、成績も良く、成績が悪かったとしても、多少手直ししてやれば、すぐに、成績があがります。

一方集中力の欠く子供は、手順が決まっておらず、読んだかと思うと、単語を調べたり、参考書を調べたり、また、読んでみたり、途中で鉛筆を削ってみたりと、手順が一定していません。それも、毎回順序が違ったりします。そうして、予習が終わった後でも、自分がわからない箇所がはっきりしません。そうして、時間も、1時間近くかかるのが普通です。そうして、何回か、予習をチェックすると、毎回順序が違ったりします。こういう子は得てして、成績も悪く、このような子には、最初から教えたりせず、まずは、予習のやり方をその子の特性を把握しつつ教え、毎回そのとおりにさせることから始めます。しかし毎回同じやり方が身につくと、その後は、成績が徐々にあがっていきますし、本人も勉強の仕方が身についてかなり楽になったようです。


やはり、集中して、一度に一つのことを実行することは効果があるようです。

さて、では、どうすれば、集中できるようになるかについて掲載したいと思いますが、それに関しては、私の拙い経験を披瀝するよりも、ネットを見ていただければ種々様々な方法が掲載されています。これは、人によっても異なるので、自分で自分にあった方法を探していただければ良いと思います。


最後に、なぜ集中しなければならないのかを、以下に掲載させていただきます。なお、下の文章は、ほとんどがドラッカーの言葉によるものですが、私自身の頭に入っていることを掲載しますので、特に、ドラッカーのどの書籍のものであるかは、特に掲載しません。

なぜ集中しなければならないかといえば、それは、成果をあげるためです。上の例のように、何かを学ぶというのであれば、短時間に正確にものごとを身につけることです。営利企業であれば、最終的に経済的な利益に結びつく、成果をあげるということです。


成果をあげる秘訣を一つだけあげるとすれば、それは集中です。成果をあげる人は最も重要なことから始め、しかも一度に一つのことしかしません。

行なうべき貢献を分析すれと、驚くほど多くの重要な仕事が出てくるものです。時間を分析すれば、真の貢献をもたらす仕事に割ける時間は、あまりに少ないことが理解できます。多くの人にとって、どのように時間を管理したとしても、時間の半分以上は依然として自分の時間ではありません。

多くの人にとって、時間の収支は常に赤字であるのが普通です。真に生産的な半日あるいは2週間を手に入れるには、厳しい自己管理とノーと言うだけの不動の決意を必要とします。


人には驚くほど多様な能力があります。人はよろず屋です。しかし、その多様性を生産的に使うには、それらの多様な能力を一つの仕事に集中することが不可欠です。あらゆる能力を一つの成果に向けるには集中するしかないのです。

時間と、労力と、資源を集中するほど、実際にやれる仕事の数と種類が多くなります。これこそ、困難な仕事をいくつも行なう人の秘訣です。上の集中力のない子どもの例のように、成果を上げられない人のほうが成果を上げている人よりね長く働いているのが普通です。

 成果をあげる人は、多くのことをなさなければならないこと、しかも成果をあげなければならないことを知っています。したがって自らの時間とエネルギー、組織の時間とエネルギーを一つのことに集中します。最も重要なことを最初に行うべく集中するのです。

だかこそ、集中しなければならないのです。

こんなことをブログに書いておきながら、本日は、このブログマルチタスクの一環として書いてしまいました。やっぱり駄目ですね、普段なら小一時間で書いてしまうのに、本日は、余計な他のタスクと一緒にやらざるをえなかったので、ものすごく時間がかかってしまいました。やはり、マルチタスクはダメだということを痛烈に反省することになりました(笑)。




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2012年8月20日月曜日

“竹島問題の背景にある日本の「経済力」の衰退。日韓企業の競争力の差を生む「円高」「ウォン安」の構造を変えよ  | 高橋洋一「ニュースの深層」 | 現代ビジネス [講談社]−【私の論評】韓国の異常な経済は、米国金融界による日本の富収奪システムか?

竹島問題の背景にある日本の「経済力」の衰退。日韓企業の競争力の差を生む「円高」「ウォン安」の構造を変えよ  | 高橋洋一「ニュースの深層」 | 現代ビジネス [講談社]


米国シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)は、15日、アーミテージ元米国務副長官、ナイ・ハーバード大教授など超党派の米有力者グループによる日米同盟に関する第3弾目の報告書を公表した。その中で、一流国の定義として「顕著な経済力」、「有力な軍事力」、「地球規模のビジョン」、「世界的問題解決におけるリーダーシップ」の4条件を挙げている。米国は一流国と同盟するといっているので、もし日本が一流でなかったら日米同盟はなくなる。そうなってからでは遅い。一刻も早く平和ボケから脱して、真の一流国にならなければいけない。

日本の場合、この中で何がもっとも重要かといえば、「経済力」だ。経済力があれば、防衛費は何とかなる。もし90年代からの失われた20年がなければ、今頃名目GDPはゆうに1000兆円を超えていたはずであり、そうであれば防衛費は10兆円以上になっていただろう。田母神俊夫さんにこの話をしたら10兆円あれば、アジアの安定に十分すぎるといっていた。

韓国企業の強さの秘密はウォン安

私はプリンストン大に国際関係論で留学したが、その時に習ったことは、「ビジョン」も「リーダーシップ」も「経済力」=カネがあればある程度何とかなるというものだった。特に日本に世界が期待しているのは「経済力」だとはっきり言われた。「経済力」なしの日本は存在感がないのだ。

日本の経済力を復活させるに一番簡単で確実な方法は為替の円安誘導だ。ここ20年間、小泉・安倍政権以外はことごとく失敗している。本コラムで何回も紹介しているが、それができない政権は情けない。特に、リーマンショック以降が酷い。

下図をみていただきたい。リーマンショック前から現在までの、円の対ドルレート、韓国ウォンの対ドルレートの推移を示したものだ。韓国はリーマンショック以降猛烈に金融緩和してウォン安にした。その後、ドルも金融緩和してじりじりとウォン安は修正されている。一方、日本は金融緩和せずに、円高になり、それが最近さらに加速している。

この結果、リーマンショック以降、割安な韓国ウォンを武器に大きく輸出を伸ばした。特に、ライバル日本との海外市場での勝負は韓国の勝ちだ。象徴的なのは半導体で、エルピーダはどんなにリストラしても技術がよくても価格競争力で圧倒的に負けた。今でも、韓国ウォンはリーマンショック前から2割安、一方円は4割高なので、韓国企業に対して6割の価格ハンディが日本企業にはある。
こうした話はビジネスマンからあまりでない。為替という外部・マクロ環境のせいにするのが潔いと思わないのか、内部・ミクロ環境に原因を求めがちだ。またマスコミもそのような当事者から話を聞くために為替が原因とはっきり書かない傾向だ。

「経済力」がなければ日本は草刈り場になる
ところで、韓国の話に戻ると、最近では韓国ウォン安がドンドン修正されているので、輸出が急減している。特に欧州危機もこれに関係している。韓国の輸出額はGDP対比で50%を超えているので、輸出の減少が経済全体の不振に直結する。

経済が得意とされていた李明博大統領が任期最後で経済運営に失敗したことが、今回の竹島上陸の背景になっている。ただ、これは逆に言えば、リーマンショック後、韓国がうまく経済運営したので、「経済力」がつき「一流国の仲間入り」と過信したということだ。たしかに、李明博大統領は「日本はもうたいしたことない国」といっていた。

この「経済力」というワードに今回の竹島や尖閣諸島の深層があると思う。日本に「経済力」さえあれば、日本が韓国や中国に軽んじられることはない。防衛費を何とできるというのは一例であるが、各種の政府間協定でも、日本抜きには事実上ワークしなくなるので、韓国や中国は日本を怒らせるような愚挙はやるまい。


 その「経済力」は為替一つで何とかできるのだ。

為替がどう決まるかは、毎度本コラムでおなじみであるが、両国のマネタリーベースの比だ(円ドルでは、2011年8月1日付け本コラム http://gendai.ismedia.jp/articles/-/14190?page=2 )。通貨を刷って金融緩和したほうが相対的に多くなり希少性が少なくなって、割安になる。円と韓国ウォンとの間でも、この関係は成り立つ。つまり、円を刷れば円安になって、韓国との相対的な価格競争力は有利になるし、為替の10%安はGDPを0.2~0.6%程度増加させる。

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【私の論評】韓国の異常な経済は、米国金融界による日本の富収奪システムか?

上の記事、日本の金融政策のまずさを訴えていますが、では、当の韓国は、どうなのかといえば、決してほめられたものではなく、イ・ミョンバク氏は、失政続きで、最早レーム・ダック状態です。



レームダック(英語:lame duck、原義は足の不自由なアヒル)とは、役立たずの政治家を指す政治用語です。レイムダックとも表記されます。選挙後まだ任期の残っている落選議員や大統領を揶揄的に指すのに用いられます。転じて、米国では「役立たず」などと特定の人物を揶揄する慣用表現としても用いられています。日本語では、「死に体」というところでしょうか?あの元菅総理も、末期には、そう呼ばれていました。

というのも、イ・ミョンバク氏は、失政続で韓国民の怒りを買い、間近に控える次の選挙では、落選確実といわれています。だからこそ、今更もう手遅れなのですが、虚勢をはって、竹島に上陸してみたり、天皇陛下に対する無礼な物言いをしたりして、起死回生をはかろうとしているのです。そうして、韓国では、恒例のことですが、大統領が任期を終えるのではなく、選挙で敗北ということにでもなれば、なぜか旧悪が露見され、下手をすると財産を没収され刑務所入りということになりかねません。

ノ・テウ
これに関しては、イ・ミョンバク氏の前の韓国大統領ノ・テウ氏が、崖から飛び降り自殺をしたとされていますが、これは、おそらく、旧悪露見のため、刑務所に入れられることを嫌い自殺したなどと、いわれています。イ・ミョンバク氏もそうなりそうな勢いです。なぜ、そうなるかといえば、やはり、失政がはっきりして、国民はおろか、韓国の有力筋からかなりの恨みをかっているからです。

在任中の失政にも、様々なものがありますが、その中でも、最大のものは、米韓FTA批准です。日本でも、TPPのことが問題になっていますが、これに対しては、私は、これが本当に自由貿易になるというのなら、にやるべきと思いまずか、どう考えてもそうではないようなので、大反対です。このFTAに関しては、私が下手な解説をするよりも、下の動画で経済評論家の三橋貴明さんが、余すところなく、解説していますので、以下の動画をご覧になってください。



 この動画、韓国でも物議を醸したとみえ、ハングルの翻訳までついて、韓国人によって再アップロードされています。この動画は、韓国人のアップロードしたものです。

さて、上の動画で、韓国は、米国の経済植民地になったと解説していましたが、これは、まさにそのとおりです。そうして、韓国の米国経済植民地化は、実は、以前からいわれていたもので、FTAは、まさに、その最後の総仕上げをするものです。

では、FTA以前の韓国経済植民地とはどのようなものかを以下に掲載します。これは、以前のブログにも掲載したものなので、それをコピペしておきます。

【参院選公示】石原都知事が激怒、演説中の「白真勲コール」に「日本人ならルールを守れ!!」 -経済植民地韓国の現状から最悪のシナリオを考えてみた?

韓国には脱南者という言葉もあるくらいで、韓国人は、日本などとは全く異なる環境に置かれていることは確かなようです。私は、上記の出来事を単に、うわっつらをなぜるだけでは嫌なので、この出来事の背景を掲載するために、自ら持っている知識の他にも、いろいろと調べてみました。以下に「自分の知識+上の出来事に触発されていろいろ調べたこと」などコンパクトにまとめて掲載しておきます。 
「脱南者」というと、多くの人には、聞き慣れない言葉ですが、「脱北者」に対するものです。北朝鮮から逃げ出した人を「脱北者」と言うのはほとんどの人はお分かりになるでしょう。これに対して「脱南者」とは韓国を捨て海外に逃げる人のことだといいます。
その数が年間8万人。多くの日本人のほとんどはこのような状況に気がついていません。ですが、これは韓国政府も発表している事実なのです。日本でも、人口統計などみれば、この数字を見ることができますが、これにはとうてい及びません。 


この事実に限らず、韓国の経済・社会は何かが変です。韓国の国際収支は経常収支が赤字にも関わらず、資本収支(外国からの借り入れなど)の黒字によるウォン安が止まらないという不思議な構造になっています。 
IMF管理下で、韓国の銀行はほとんどが外資の傘下に入ったということは、よく知られていますが、その度合いとなると詳しく知る人は少ないでしょう。実は、韓国の主要銀行7行のうち6行が外資比率は50%以上となっているのです。ゴールドマンサックス、ローン・スター、シティグループといった投資ファンドや銀行が大株主としてズラリと並んでいるのです。 
また、通貨危機以降、韓国の大手企業は外資系銀行や、外資ファンドの資本の支配の元にあり、毎年莫大な配当金をこれら外国人に貢ぎ続けているというのが実情です。06年12月決算の韓国上場企業204社が支払った配当総額は8兆5000億円。このうち、外国人に払われた配当金は4兆4000億円。つまり、半分以上が韓国人ではなく外国人に支払われています。これでは、まるで、韓国は、アメリカの経済植民地のようではありませんか。これに関しては、このブログでも以前掲載したことがあります。 
韓国がIMFの管理下に入ったのは、アジア通貨危機のときです。このとき、東南アジアの国々は、日本に助けをこうたので、日本も積極的に支援したため、IMFの管理下に入ることはありませんでした。さらに、現在東南アジアの国々が日本の経済植民地になったなどのことはありません。このときに、日本に支援をあまりこわなかった韓国は、IMFの管理下に入り、さらに、国内銀行も実質上外資系(ほとんどすべてが、米国金融機関)にとられてしまったということです。 
韓国の音楽市場は、日本の1/10、だか
らこそ、K-popは日本に進出してくる
韓国を代表する現代自動車の価格も変です。現代の主力車、グレンジャー3・8は、米国での価格は約305万円、これが韓国国内では487万円で売られているのです。ソナタ2・4という車種では、米国価格193万円に対し、韓国国内での価格は308万円といいます。 
あまりにも酷い内外価格差です。韓国企業は国内の韓国国民から利益を搾取し、海外で極端なダンピングを行いシェアを拡大している図式を端的に示しています。
そして、衝撃的なのが、冒頭の「脱南者」。北朝鮮から韓国に入国した「脱北者」の数昨年9月末には1万7134でした。ところが、「脱南者」の数はその比ではありません。2002年に1万3000人だった脱南者は2005年には8万1000人、それ以降毎年8万人を上回っています。しかも、韓国統計庁の調査ではその85%が30歳未満の若者といいます。 
年間に8万人も若者が消えていく社会など戦争中の国でしかあり得ない現象です。この理由は若者の就職先不足や格差問題のようです。韓国の大卒の有効求人倍率は最近では0・25に過ぎません。4人に1人しか就職できない状況です。 
しかも、韓国の大企業の初任給は、日本の大企業の初任給を超えるところも多いです。しかし、それは極一部の人に過ぎません。大多数は、就職すらできないのです。さらに、韓国社会は格差が日本のそれを数段上回ります。日本の大企業なみの高収入を得る人と時給300円、月給5万円で働く人々の2つ階級の分化が極端に進んでいます。 
毎年繰り返される韓国の入試騒ぎは、尋常ではない
それに、韓国では、「あなたはどこの大学を卒業したのですか」という日本的な感覚で人に聴くことは非常に失礼なこととされています。なぜなら、韓国では、完全に学歴だけで、その後の大企業にはいれるかどうかが決まってしまい、その後這い上がる道はほとんどないからです。だからこそ、毎年のように日本のテレビなどでも、韓国の大学入試の加熱ぶりが報道されるのです。 
こんな韓国社会に絶望した若者たちは脱南者となってアメリカなどに続々移民しているのです。それに、一昔前、韓国人は一般に日本人なみに英語が不得意でした。しかし、最近はかなり英語のできる人、特に若年層にそのような人が増えているといいます。そうです。韓国の上記のようなことに絶望し、親が子供に早期に英語教育などを施すようにして、さらには、海外に留学させたりしているのです。 
06年アメリカ連邦人口統計局が発表した韓国人の合法的移民者数は、ついに100万人に迫りました。アメリカにはほぼ同数の韓国人不法滞在者が居住しているといいます。かくして、脱南者はアメリカ以外にもカナダ、オーストラリア、欧州へと合法、不合法を問わず続々と増え続けていいます。
このように、すでに韓国は、米国の経済植民地と化していたのです。韓国の銀行の多くに、アメリカの金融機関の資本がかなり入り込んだため、韓国人が一生懸命に働いて、銀行にお金をいれると、そのお金が、配当金としてアメリカの金融機関に送金されるということです。これでは、働けど、働けど、韓国人は、儲かることがなく、多くが、アメリカに簒奪されているという構図です。

しかし、私達日本人も、韓国人を憐れんでいるわけにはいきません。韓国GDPの50%が輸出によるものです。その輸出先は、どこかといえば、無論日本も含まれていますし、韓国にとっては、大きな稼ぎ先であることには違いありません。

そうして、異常なウォン安で、たとえば、日本の家電メーカーなどサムスンの後塵を廃するようになています。半導体産業などもかなりやられています。これらの、産業は、異常なウォン安、異常な円高では、とうてい太刀打ちできません。皆さんの身の周りにも、韓国製品が溢れていると思います。

そうして、こうして、日本への輸出で儲けた韓国の利益は、銀行に入り、その銀行から配当金として、米国にかなりの部分が送られるという構図です。なんのことはない、韓国の異常な経済は、米国金融界による日本の富収奪システムでもあるということです。

円高・デフレ大魔王
こんなことを考えれば、上の記事で、高橋洋一氏が訴えていたことは正しく、日銀の円高、デフレ政策は、まさに、韓国に奉仕し、その背後に控える米国金融界に奉仕するものであるということです。

韓国では、失政の当事者である、イ・ミョンバク氏に、国民の怒りの矛先が向いていますが、日本では、日銀のデフレ・円高政策に対して、なぜか、怒りの矛先を向ける人はいません。全く不思議なことです。

このような、事実に日本人は、目覚めるべきです。米国金融界に奉仕するだけではなく、中国人民銀行の東京支店といわれても、仕方ないような金融政策ばかりとる日銀の日本経済を落ち込ませる超特急電車は、一日でもはやくとめさせるべきだと思うのは、私だけでしょうか?





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2012年8月19日日曜日

他人の行動をしっかり評価できない人は、心理学的なマジックにとらわれている―【私の論評】マネジメントは、根本的な帰属の誤りをどう防いできたか!!

他人の行動をしっかり評価できない人は、心理学的なマジックにとらわれている:


鍵が見つからないとき、あなたは「ツイてない」と思うでしょう。でも、あなたの友人は「不注意な人だな」と思うかもしれません。これを心理学用語でいうと「根本的な帰属の誤り(fundamental attribution error)」と呼びます。つまり、ある人の行動について、誤った部分に原因を当てはめる傾向のことです。イギリス「BBC」では、次のように説明しています。Photo by Thinkstock/Getty Images.

この記事の詳細はこちらから!!

【私の論評】マネジメントは、根本的な帰属の誤りをどう防いできたか!!

人間というものは上の記事のような、「根本的な帰属の誤り」をするのが普通です。これは、特に職場においては良くあることです。特に、仕事ができない人に対しては、こうした見かたをしがちです。愚かなマネジメントは、こうした人を「仕事ができない人」と決めつけ、アメリカなどでは、解雇したり、日本の職場であれば、人事などに誤った情報を流し続けることになります。


これに関しては、駄目な職場ということになると思いますが、こんな職場ばかりであれば、アメリカでも、日本でも、組織そのものが、駄目になり、組織は存続できなくなくなります。しかし、優秀なマネジメントは、このような見方をせず、組織を存続させ、さらに高めていきます。


では、マネジメントは、根本的な帰属の誤りをどう防いできたかきたのでしょうか?それには、いくつか原則がありますが、もっとも重要な原則を下に掲載します。


マネジメントが、成果をあげるには、人の強みを生かさなければなりません。弱みを気にすべきではありません。利用できるかぎりのあらゆる強み、すなわち同僚の強み、上司の強み、自らの強み、部下の強みを総動員しなければなりません。強みを生かすことは組織特有の機能です。組織における権力の正統性の基盤も、この人の強みを生かすという組織の機能に置くべきです。


組織といえども、人それぞれが持つ弱みを克服することはできません。しかし、組織は人の弱みを意味のないものにすることができます。成果をあげるには、強みを中心に据えて異動を行ない、昇進させなければなりません。人事には、人の弱みを最小限に抑えるよりも、人の強みを最大限に発揮させなければならないのです。


リンカーンは、グラント将軍の同僚の将軍たちから、「グラント将軍は酒好きだ」という話聞いたとき、即座に「だが奴は仕事ができる」と言ったという逸話が残っており、その後も、リンカーンは、グラント将軍を重要なところに配置し続け、結局は南北戦争で勝利を収めました。

人のできることではなく、できないことに気をとられ、弱みを避ける者は弱い人間です。しかし部下が強みを持ち、成果をあげることによって苦労させられた者など、一人もいません。

アメリカの鉄鋼王アンドリュー・カーネギーが自らの墓碑に刻ませた『おのれよりも優れた者に働いてもらう方法を知る男、ここに眠る』との言葉ほど大きな自慢はないと思います。これこそが成果をあげる処方であり、「根本的帰属の誤り」に陥ることを防ぐ処方箋だと思います。

こういった精神を組織のものとした、組織においては、「根本的帰属の誤り」などが付け入る隙はなくなります。なぜなら、人を見るときに、その人の弱いところを見るのではなく、強みを中心に据えるからです。しかし、これは、簡単なことのように見えて、そんなに易しいことではありません。人の弱みについては、小学生でも、いくつもあげることができます。しかし、人の強みについては、なかなか指摘するのは難しいです。それどころか、自分自身で、自分の強みをあげられる人も少ないです。しかし、あげられるようにする方法はあります。ただし、これは、本日の本題ではないので、ここで、詳細をあげることはしません。いずれ機会を設けて掲載するものとします。しかし、難しいからといって、手をこまねいているようでは、いつまでたっても、大きなな成果をあげることはできないし、いつも「根本的帰属の誤り」につきまとわれることになります。

上の記事では、「根本的帰属の誤り」について解説していますが、その解消法までは掲載していません。しかし、このようなことは、まともな組織では、「人の強み」に着目するということで、解消してきており、成功しています。そうして、この原則は、何も民間営利企業だけに当てはまるものではありません。学校でも、研究所でも、官庁でも、非営利組織などおおよそほぼすべての組織においてもあてはまることです。

このような原則を当てはめている組織は、これからも、「根本的帰属の誤り」に影響されることなく、発展し続けていくし、そうではない企業は淘汰されると思うのは、私だけでしょうか?


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2012年8月18日土曜日

「原発事故でチョウに遺伝的異常」 准教授論文に異論相次ぐ (2/2) : J-CASTニュース −【私の論評】衒学(げんがく)的言動には惑わされることのないように気をつけよう!!

「原発事故でチョウに遺伝的異常」 准教授論文に異論相次ぐ (2/2) : J-CASTニュース

大瀧丈二准教授
「原発事故の影響で、福島県内などのチョウ1種に遺伝的な異常が見られた」。琉球大学の大瀧丈二准教授(分子生理学)の研究チームが英科学誌サイトでこう発表したことに、科学者から異論が相次いでいる。

大瀧丈二准教授らの論文は、著名な英科学誌「ネイチャー」の出版社が2011年6月にサイト上で始めた「Scientific Reports」に掲載された。

英BBCも取り上げ、国際的に注目

2012年8月9日に載った論文によると、原発事故から2か月経った11年5月に、福島県や茨城県、東京都など10地域で、身近に見られるチョウのヤマトシジミについて突然変異による異常を調べた。成虫144匹を採取したところ、7地域の12%で羽が小さかったり、目が陥没していたりする異常が見られた。子の世代では、18%に異常がみられ、孫世代ではそれが34%にも達した。


こうした異常は、放射線量が高い地域ほど多く、死ぬケースも目立ち、福島県内は特に死ぬ確率が高かった。

さらに、その4か月後の9月に成虫240匹を採取すると、28%で異常が見られた。放射線に晒され続けた影響とみられ、子の世代では、52%にも達した。これは、5月時点より3倍近くにも率が高まっている。

ヤマトシジミ
事故の影響がない沖縄のヤマトシジミに放射線を当てる実験を行ったところ、同じような異常が確かめられたため、福島などのチョウに生じた異常は、原発事故の影響だと結論づけている。

大瀧丈二准教授らの発表は、日本の通信社各社が報じ、事故を巡る異例の発表だけに、ネット上で話題になった。さらに、英BBCなど海外主要メディアも相次いで取り上げ、国際的な注目を集めている。

これに対し、日本の研究者などからは、論文の内容について、次々に異論が唱えられた。

この記事の詳細はこちらから!!

【私の論評】衒学(げんがく)的言動には惑わされることのないように気をつけよう!!


本日の話題は、蝶々に関することなので、私の大好きなビクトリアズ・シークレッツの蝶々の写真を多数掲載しつつ、お話をさせていただきます(笑)。


上の記事の学者さん、わずか二年前には、以下のようなことを言っていました。

気温低下チョウ紋変化 大瀧准教授、ヤマトシジミで確認 
 県内にも広く生息するチョウ・ヤマトシジミが温暖化に伴い秋田県から青森県へと生息圏を拡大する中で起きた羽の模様変化に着目し、環境の変化が生物進化を促す鍵になり得ることを、琉球大学理学部の大瀧丈二准教授(分子生理学)らの研究チームが突き止めた。ランダムに異常が現れた中で環境に適応したものが残るという従来の常識から踏み込み、遺伝子の中に進化の基盤がある可能性を示した。 大瀧准教授は「環境の変化による生物進化をリアルタイムで研究した世界でもまれな事例」と話している。 8月19日に英学術誌「BMC… [記事全文]
2010/09/05 10:28 【琉球新報】

この記事「47NEWS」に掲載されていたものですが、[記事全文]をクリックすると琉球新報に飛びはするのですが、元記事はすでに削除されています。これは、古い記事なので削除されているのだと思います。上のの「45NEWS」のほうも時間がたてば、削除されてしまうかもしれないと思いコピペさせていただきました。


さて、これに似たことはこのブログの過去の記事においても掲載したことがあります。それは、以下のようなものです。

私が環境問題に興味を持ったきっかけ-マスコミの危険性を教えていただいた恩師の想い出

詳細は上のURLをご覧いただくものとして、この出来事の内容を以下に簡単に掲載しておきます。
今からもう随分前の話ですが、当時日本国内の猿に異変がありました。前脚のない猿が各地で多く生まれれたのです。テレビであどけない顔をした小さな前脚のない小猿の痛々しい様子が、連日のように放映されていました。テレビや週刊誌などのマスコミは「環境問題が猿に影響を与えたのだ」という内容のものを日々流していました。この猿の事例は今に人間もでてくるのではないか、自然の人間に対する仕返しではないかとの憶測が飛び交っていました。しかも、京都大学霊長類研究所にその当時在籍されていた北海道大学出身の方(名前は失念しました)が、そのための論拠のようなものを発表されていて、この説を後押ししていました。
しかし、青戸教授は、最後の講義でこの説をキッパリと否定しました。先生は、霊長類研究所の君達の先輩が後押しをしているが、「あまり勉強しないからあのようなことになってしまうのだ。マスコミに関して、君達は十分気をつけたもらいたい」と語っていました。もう、詳しいことは忘れてしまいましたが、青戸教授は当時発生学の立場から、前脚のない猿のこどもが多く生まれてくることに関して、国から調査を依頼されていました。青戸教授は調査を続け最終的に、その当時猿に対してえさを与えていたが、そのえさが「大量の大豆」(ブログ管理人注:正確には、大豆に含まれている化学物質)であったことが、今回の事変の原因であるとの結論に達しました。

この検証結果は、正しかったものと見えて、その直後から、あれだけテレビや、新聞などで、毎日報道されていた前脚のないニホンザルに関する報道は、ピタリと影をひそめました。そうして、日本各地で、さるに与える餌を大豆だけというものから、いくつか混ぜたものに変えました。その結果、現在に至るまで前脚のないニホンザルのことは報告くも、報道もされなくなりました。


自然科学の世界でもこのようなことがあるのです。その後、私は、地球温暖化二酸化炭素説や、地球温暖化災厄説に遭遇しましたが、このときの経験により、マスコミで報道することに関しては、全く信用しませんでした。そうして、地球温暖化二酸化炭素説説などの有力な決めてとなるといわれている論文などいくつか読んでみましたが、全く確証が得られなかったため、今でも、全く信用していません。それに、これに対して反証となる論文も読みましたが、こちらのほうが、信用できたので、私自身は、地球温暖化二酸化炭素説は、虚偽だと断定しています。


それにしても、自然科学においても、このようなことがあるわけですから、社会科学などでは、当然このようなことはでてきます。特に、社会科学の分野などでは、 人間や、自然や、その他様々なファクターが絡まり、この説が正しく、別の説が絶対に間違いであると決めつけることはできないところがあります。


だから、経済や金融などの事柄では、何が絶対に正しいとか、何が絶対に間違いとはいえはないこともあります。しかしながら、私は先のような経験があったため、経済や金融に関わるものだって、新聞に書かれていることや、テレビで報道されていることなど鵜呑みにしたことはありません。


その結果、日本が財政破綻するとか、日本国債が暴落するとか、増税することによって、財政赤字を立て直せるなどの話が新聞にまことしやかに、報道されていても、それをそのまますぐに受け入れるなどということはしませんでした。


最初は、何やら腑に落ちないということでしたが、長い時間をかけて、これに反対派の人の論考を読んでみたり、自分で、統計資料にあたってみたりしているうちに、これらは、ほとんと間違いであるという確証を得るまでにいたりました。それどころか、いまや、日本の大手新聞に掲載されている、マクロ経済・金融記事など、その95%くらいは、真偽が定かではなく、残りの5%は、たまに正しい意見など掲載して、公正であるようにみせかけているだけであることに気づきました。


このような態度は絶対に必要だと思います。新聞報道など鵜呑みにすれば、物事を本質を見失いないがちです。皆さんも、何から何まで、自分で調べるということになれば、確かに、時間も手間もとられて、大変だとは思いますが、本当に自分にとって重要と思われるようなことは、マスコミ報道に流されることなく、実際に自分で調べてみるという態度が必要だと思います。

衒学という言葉があります。これは、学を衒(てら)うことです。ある事項/事象に関して知識があることを、必要以上に見せびらかすこと又はその物言いのことです。特に内容のない事項について、さも重要であるかのように見せ、さらに発言者自身が重要性を有するように見せる技法の一つです。


上の学者さん同じ事象をあるときは、温暖化によるものとし、あるときは、原発の放射能によるものとしています。いまのところ、この人のものいいは、衒学的なのかどうかは、まだはっきりしませんが、いずれにせよ、いまの段階においても、鵜呑みにはできないことは、はっきりしていると思います。

社会科学の分野では、このような衒学的なこといくらでもあります。これは、学者がどうのこうのというより、社会科学の分野では、ある有力な学説があれば、それに相対する学説も必ずあります。実際、アメリカでは、最近の不況を乗り切る手立てとして、従来は、反主流派といわれた、ハイマン・ミンスキーの学説が見直されいるというよなこともあります。

であれば、新聞でも、テレビでも、自分たちが何かを報道するにしても、自分たち報道内容にあった学者さんの意見を報道すれば良いわけで、これで新聞の購読者や、テレビの視聴者に自分たちの報道内容が正しいことを印象付けることができます。こんなことは、特にマクロ経済に関する議論においては日常茶飯事で行われていることです。マクロ経済と全く関係ない、経済学者といわれる人たちの珍説が頻繁に新聞紙面を賑わせています。彼らの話は、マクロ経済など少しでも理解すれば、マスコミはもとより、財務省、日銀の発表など、かなり滅茶苦茶・出鱈目・頓珍漢であることがすぐに理解できます。


ここはやはり、本当に重要なことは私たち自身が、自分の頭で考え方、自分で情報を集め、自分で判断する必要がありそうです。このようなこと、場合によっては、数年かけてゆっくりと調べても良いと思います。そのくらいの気持ちでやれば、そんなに難しくなく誰にでもできます。そうして、自分が正しいと、それも、理屈・道理・歴史などさかのぼって信じられる事実に巡りあうことができます。そういうことが増えてくると、何事にも確信を持って、自分の意見を持つことができます。

皆さんは、どう思いますか?

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