2013年3月3日日曜日

人生はいつどこで何が起こるかわからない! あるアメリカ人青年の「人生を変える出会い」に世界中がほっこり―【私の論評】ポスト「ダメダメ」論の時代には「ほっこり」感が人々の心を打つ?本当に潮目が変わった!!

人生はいつどこで何が起こるかわからない! あるアメリカ人青年の「人生を変える出会い」に世界中がほっこり:


人生はいつどこで何が起こるかわからない! あるアメリカ人青年の「人生を変える出会い」に世界中がほっこり

人生はいつ、どこで、何が起こるかわからない……そんなことを実感させてくれるような出来事があるアメリカ人青年の身に起き、いま世界中から注目を浴びている。

米インディアナ州に住むジャキール・レーガンさん(18)はある日、仕事を得るためアルバイトの面接先へ向かって歩いていたときに、人生を変えるような出会いをすることとなった。この出来事がFacebook上で語られると、多くの人々が彼の出会いに感銘を受け、大きな反響を呼んでいるのだ。

その日は雪が降っていた。悪天候のなか、ジャキールさんは面接を受けるために自宅を出て歩き始めた。途中でたまたま通りがかった男性アート・ブーヴィエさんに、目的地まであとどれくらいの距離があるかを尋ねたところ、「10キロはある。雪も降っているからバスを使ったほうがいいよ」と言われたそうだ。しかし、彼はお礼だけ言って再び歩き始めた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

このニュースの続きはこちらから!!

参照元:YouTube AreYouinTheKnowMail Online(英文)

【私の論評】ポスト「ダメダメ」論の時代には「ほっこり」感が人々の心を打つ?本当に潮目が変わった!!




この話題良いです。ほんとうに「ほっこり」した気持ちに久々になれました。ほっこりしそうな話題としては伊達直人の話題もありますが、これは、施設などの恵まれない子供たちに寄付をするという話ですが、この話題ともまた違う「ほっこり感」があります。

特に、「最低賃金7.25ドル(約670円)のアルバイトに就くため、こんなにも頑張る青年にアートさんは心打たれた」というところが話の肝だと思います。とにかく、どんな困難にもめげずやろうと努力している青年のひたむきさが人の心を打ちます。この青年のひたむきさに、打たれたアートさんが、仕事を提供するという心意気も人の心を打ちます。

ほっこりは動物で表現するとこんな感じ?

この話は、普通の人が助けあっているということであり、彼らがどうなったからといって、国や政治が変わるわけではありませんが、貧乏でもなんとかしようと踏ん張っているガッツのある普通の人を、普通の人が助けているという話が人々の共感を読んでいます。このような話、普通はマスコミも関心をもちません。

だからこそ、この話はマスコミからではなく、facebookから広がっています。そうして、ジャキール・レーガンさんも、アートさんも、特に有名だとか、何かに優れているというのではなく、どちらかというとごく一般の人であり、違いといえば、片方は貧乏でもガッツを失わない青年、もう一方も大金持ちというほどではなくても、多少余裕があり、レストランを運営していて、人を雇うこもできるということだけです。

犬好きにはこんな「ほっこり」もありか?

そうして、この話が日本でも話題になり、ロケットニュースにも掲載されたということです。ということは、日本でも共感を呼ぶか、すでに呼んでいるという事だと思います。特に、ロケットニュースはいわゆる面白いニュースということで有名ですし、長い間の実績もあります。

そのロケットニュースがこのニュースは面白いと判断しているということです。つい最近までの日本であれば、「人生はいつ、どこで、何が起こるかわからない……」というフレーズで、話がはじまれば、たいていは「悪い話」だったのではないでしょうか?なにやら最近は潮目が変わっているように思います。

ほっこり感のある女の子?あまり痩せていてはほっこりしませんね?
これに関しては昨日も書いたばかりですが、昨日は、潮目がかわって「ダメダメ」論が、廃れることだけ書いて、たとえばどういう話題ということは掲載しましせんでしたが、この話など格好の事例なので、昨日の続きのようになってしまいましたが、敢えて掲載させていたてだきました。

この話、ごく普通の人だって、ガッツを出して本気で頑張れば、このような出会いだって生まれる可能性があるということで、日本ではこれからの時流にあっていると思います。なにやら、読んだ後に本当に「ほっこり」感があります。

羊毛小さなほっこりガール

そうして、潮目の変化ということでは、間違いなくいろいろなことが変わっています。たとえば、昨年は久しぶりに自殺者が減っているという事実もあります。これについては、以前にもこのブログに掲載しました。

日本銀行・白川方明総裁 辞任発表緊急会見 全文文字起こし(2013/2/5)―【私の論評】どこまでも日本を弱体化させたいマスコミ白川総裁の悪行を報道せず!!国民を塗炭の苦しみに陥れた白川への恨み忘れまじ!!


この記事、結局自殺者が年間三万人を超えていたのには、デフレも影響しているということをエビデンスを含めて掲載したものです。詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この記事では、昨年から自殺者が久しぶりに2万人台になったことも掲載しました。その事実を示すのが、下のグラフです。




このように自殺者が減ったということは本当に喜ばしいことです。これは、あまり発表されませんが、2004年以来日本の犯罪件数は、減り続けています。これも喜ばしいことです。

犯罪件数が減り続けているとか、昨年のように自殺者がひさしぶりに3万人台を割ったことは、確かに日本人のメンタリティーが変わってきたということではないかと思います。経済の好転もあるとは思いますが、それにしても、メンタリティーが変わってきたことには間違いがないし、明らかに潮目が変わってきているということです。


仲良しの犬と猫のなにやら、ほっこりする動画

一方アメリカとはいえば、どんなに厳しい時代でもこのような「ほっこり感」が大事にされていると思います。あの世界大恐慌のときにも、実際にアメリカ人がどのような生活を送っていたかといえば、意外と健全だったことがわかり、感銘を受けたことがあります。それに、リーマンショック直後のアメリカの酷い経済の落ち込みのときにも、あの「スペンド・シフト」というベストセラーを読んでいただればわかるように、アメリカ人は前向きです。

やはり、国の歴史が短く進取の気質が色濃く残っているせいでしょうか?]そういわれてみれば、このブログ記事の冒頭の「ほっこり」した話題もアメリカの話です。アメリカ人のこうした気質は見習いたいところです。

こんなことからも、確かに「ダメダメ」論などは、流行らない時代に移りつつあり潮目が変わってきていることが見て取れると思います。皆さんは、どう思われますか?

【関連記事】

日本銀行・白川方明総裁 辞任発表緊急会見 全文文字起こし(2013/2/5)―【私の論評】どこまでも日本を弱体化させたいマスコミ白川総裁の悪行を報道せず!!国民を塗炭の苦しみに陥れた白川への恨み忘れまじ!!





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2013年3月2日土曜日

政権批判ばかりのメディアや「ダメダメ」論の学者はもういらない! いま、国民が知りたいのは「どうしたら暮らしが良くなるのか」である!―【私の論評】これからは、「良くなる」「良くできる」論が幅を効かせて行く時代!!潮目の変化を見れない政治家やマスコミは没落していくのみだし、没落したほうが世のため人のため!!

政権批判ばかりのメディアや「ダメダメ」論の学者はもういらない! いま、国民が知りたいのは「どうしたら暮らしが良くなるのか」である!:
2013年03月01日(金)


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[ 長谷川幸洋「ニュースの深層」 ]
政権批判ばかりのメディアや「ダメダメ」論の学者はもういらない! いま、国民が知りたいのは「どうしたら暮らしが良くなるのか」である! 
[長谷川 幸洋]
首都圏で売れている夕刊紙の編集者と懇談していたら「最近は読者の関心が株一色。株の話を書かないと売れない」とぼやいていた。その夕刊紙は激しい政権批判が売り物で、民主党政権の時代は民主党を批判し、いま安倍晋三政権になったら安倍を「これでもか」という調子で批判している。

【私の論評】これからは、「良くなる」「良くできる」論が幅を効かせて行く時代!!潮目の変化を見れない政治家やマスコミは没落していくのみだし、没落したほうが世のため人のため!!


詳細は、上の記事をご覧いただくものとして、確かに「ダメダメ」論はもううけないです。上の記事の、要旨は以下のようなものです。
 読者は夕刊紙や週刊誌に立派な能書きや上から目線のご託宣を求めているわけではない。政権の打ち出す政策がピンぼけばかりで、生活が苦しくなる一方なら、激しい政権批判の紙面でも売れる。だが、ひと儲けできるチャンスが目の前にあるなら、能書きより「どうすれば儲かるのか」という話に関心が向かうのは当然だ。
斉藤誠一教授 何やらこの人の顔が「ダメダメ」に見えてくる

そうして、御託宣の事例として、斉藤誠一橋大学大学院教授の27日付朝日新聞オピニオン欄の以下の記事内容をあげています。
エネルギー、食料の価格が上昇しているところに円安が進めば、ガソリンや灯油、野菜の値段はさらに上がる。給与明細の額が増えても必需品価格がもっと上がれば、暮らし向きは悪くなる。・・・小泉構造改革で問題になった『格差』がもっと顕著になる可能性があります 。
 そうして、学生に向けての言葉として、以下のような内容もあげています。
斉藤教授は「デフレの要因は、日本経済の国際競争力が弱くなったからです」とも言う。それじゃ、どうしたらいいのかと言えば「日本がこれだけ高い生活水準 の経済を保とうと思ったら、それに見合う労働の質が必要。いつも学生に言っています」と指摘する。つまり「もっと勉強しろ」だ。
本当に、うんざりですね。この気持ち良くわかります。本当に日本のマスコミや、学者のとくに「ダメダメ」論にはあきれかえって、うんざりです。やれ、金融緩和をすれば、ハイパーインフレになるとか、金融緩和してもダメだとか、日本経済はダメだとか、日本はダメだとか、日本人はダメだとか、民主党はダメはわかるにしても、発足してから半年もたっていない安倍政権がダメだとか、「もう!!いい加減にせいや!」!といいたくなります。

これに似たような苛立ちについては、以前にもこのブログに掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。

【注目】BBC アベノミクスは正しい―【私の論評】犬HKは、BBCのように自国政府が成功しそうなことを賛美するどころか、4月4日に安倍総攻撃を企んでいるだと?!!

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、ようするに、BBCはイギリスの国営放送ですが、このBBCがアベノミクスは正しいと報道しており、特に日本に長期滞在しているBBCの特派員が、アベノミクスを賛美しているというのに、日本のNHKはそれどころか、4月4日にさらなる安倍総攻撃を企んでいるらしいという内部情報があるというものです。

オリンピックに出場するアスリートは、「ダメダメ」など言っている暇はない!!

「ダメダメ」どころか、NHKは、あくまで日本を弱体化させる方向にしか動かないし、しかも、本社内に中国中央電子台の日本支局が収まっているという、公共放送としてしては、とち狂っているとしか思えない変態反日公共放送です。

しかも、社員の平均年間賃金が、1700万だとか?これが、まともな公共放送だったら、ある程度賃金が高いことも「うらやましい」ですみますが、カネはいっぱいとって、反日をやっているなどということでは、そのうち誰も受信料を払わなくなるのではないかと思います。こんな放送局はすぐにも解体して、まともな公共放送をできるようにすべきです。このブログにも掲載したように、Huffington Post(このインターネット新聞そのものは、リベラル派だが、立場を明確にしているので、ニュースソースとしては信用できる)のようインターネットを活用したより中立的な公共放送を日本にもつくるべぎです。犬HKはもういりません。


こんな傍若無人な犬HKがのうのうと存続できる日本ですから、「ダメダメ」論などまだましなほうで、まだまたはびこるかもしれません。

そういわれてみれば、先日も、玄葉元外務大臣の国会での質問をとりあげましたが、この質問には、安倍総理もあきれかえって、一蹴しましたが、本当に民主党のお家芸の「ブーメラン」になってしまいました。 泥を被るとか、被らないとかそんなことはどうでもいいです。 TPPに関して、文書化したことの意味もりかいせずに、わけのわからない不毛な論議ばかりしていました。これは、結局のところ玄葉氏の安倍自民党政権に対する「ダメダメ」論以外の何ものでもありません。なぜこんなことになったのか、このブログでは、その背景を掲載しました。その記事のURLを以下に掲載しておきます。

【政論】玄葉氏よ、お前もか ブーメランの「お家芸」継承―【私の論評】ポストモダン(脱近代)社会の七つ作法を知らなけれ、政治家はもとよりそもそも社会人にもなれない!!現代はそういう時代だ!!


詳細は、この記事を読んでいただくものとして、この記事では、なぜこんになに稚拙になってしまうのか、その背景をポスト・モダンという切り口で、とりあげました。

玄葉氏もダメ顔になっている?
しかし、このブログの冒頭の記事は、もう潮目がかわって、「ダメダメ」論は許容されなくなってきているということを示しています。確かに潮目は変わっています。

反リフレ派や財政破綻派は最近元気がありません。反リフレ派は、金融緩和などしたら、ハイパーインフレになるといい触れ回っていました。財政破綻派も、あたかも、すぐにも日本が財政破綻するように触れ回っていました。私は、反リフレ派や財政破綻派などただ「ダメダメ」と言っているだけではなく、日本経済が良くなる方向性を示すべきだと思っていました。

無論、それがすみやかな増税なんていう愚かなことを言われても困りますが・・・・・・・・。デフレの時期に増税すれば、ますます、経済が落ち込むのは明らかですらか、増税をしない前提で、経済を良くする方向性を示すべきと思います。

「ダメダメ」論など皆うんざりしていると思います。私も聴きたくありません。それくらいなら、経済でも、会社でも、個人でも、コミュニティーでも、社会でも「良くなる」「良くできる」論を論じるべきです。こんな時代には、政治でも、金融でも、社会でも、どのように努力すれば、「良くなる」、「良くできる」のかその方向性を論じることが時流にあっていると思います。私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

【関連記事】
 世界標準へのレジームチェンジを目指す安倍政権と、旧来レジームに取り込まれ続ける日本のメディア

朝日新聞 社長の年頭挨拶は消費税増税問題 暗に指摘された“体力のない新聞社”とは―【私の論評】反日新聞は、皆で購読をやめて、息の根を止めよう!!その果てに日本でもまともなメディアが生まれる!!



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2013年3月1日金曜日

【政論】玄葉氏よ、お前もか ブーメランの「お家芸」継承―【私の論評】ポストモダン(脱近代)社会の七つ作法を知らなけれ、政治家はもとよりそもそも社会人にもなれない!!現代はそういう時代だ!!

【政論】玄葉氏よ、お前もか ブーメランの「お家芸」継承


あまりに稚拙な、民主党元玄葉外務大臣の国会での答弁

民主党は以前から、放った言葉が必ず自分に戻ってきて突き刺さる「ブーメラン政党」といわれてきた。28日の衆院予算委員会での質疑を通し、党の次代を担う玄葉光一郎前外相もその「お家芸」をきちんと継承していることが得心できた。

玄葉氏は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)について、オバマ米大統領との会談で関税撤廃に事実上「例外」を認める共同声明を文書でまとめた安倍晋三首相にこう迫った。

「当たり前のことで国内向けのパフォーマンスだ。明示的に文書にしたわけではないが、すでに昨年4月に私と米通商代表部(USTR)のカーク代表との間で、関税は交渉の中で決まっていくと確認している」

これに対し、首相はあきれた様子でこう返した。

「だったら民主党政権時代に文書にすればよかったではないか。政治は結果だ。『そんなの俺たちだってできた』と言っても世の中に通らない」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・<中略>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

3代の首相と同様、玄葉氏もブーメラン投げの名手となる資質を十分備えているようだ。


【私の論評】ポストモダン(脱近代)社会の七つ作法を知らなけれ、政治家はもとよりそもそも社会人にもなれない!!現代はそういう時代だ!!

玄葉氏によれば、被災地に中国人を呼ぶことが復興になるそうだ?

民主党の元外務大臣の玄葉氏の答弁、上の動画や記事でも示されているようにあまりに稚拙です。玄葉氏にかぎらず、民主党の国会での質問かなり稚拙です。あまりに稚拙で、テレビなどて見るに耐えません。安倍首相が、上記のように返答するのも納得できます。本当に、ブーメランです。

それにしても、国壊議員(もちろんジョークです)に限らず、最近このような人たちが増えているような気がしてなりません。どうして、こんなことになってしまうのか、しばし考えてしまいました。

国壊議員をモチーフとしたTシャツのデザイン

そうして、いきあたったのが、昨日もこのブログに掲載したように現在は、ポスト・モダンの時代であるということです。こういう人たちは、ポスト・モダンの時代に乗り遅れているのだと思います。そうして、ポスト・モダンの時代をのりきるにはその作法があります。これを身につけなければ、玄葉さんは、いつまでたっても、幼稚な社会人から脱皮できません。それは、他の民主党議員も大同小異だと思います。

これに関しては、以下に、昨日の記事でも取り上げたのでへ、そのURLを掲載しておきます。

左脳がアナタに仕掛ける「5つの罠」―【私の論評】 あなたは分析麻痺に陥っていないか? ポスト・モダンの現在において最も重要なのは、知覚だ!!


詳細は、上の記事をご覧いただくものとして、玄葉氏のように、国会などの公の席で、あのような奇妙な質問する人たちには、この記事で掲載したポスト・モダン七つの作法を、そもそも知らないのだと思います。これは、七つの作法という形では、知らなくてもある程度経験を重ねたり、それこそ国会や、政府などのような、まともな公的な機関や、企業などでやりとりをしたり、そこで活躍されている先輩などから学びある程度、自然に身についていなければならないものです。そうして、日本人は、従来はこのようなことに西欧人などよりはるかに秀でていたはずです。

我々の先達の日本人はこうした能力に秀でていたからこそ、西欧近代主義の考え方を取り入れるにしても、こうした精神を失わず、すばやく、取り入れ役立てることが出来たのだと思います。しかし、最近では、西洋近代主義的な考えばかり重視され、日本の良さが失われたように思えてなりません。

これが、身についていない人は、どんなに聡明で頭が良くても、どの分野においても、高い地位や、人々をリードするような地位についてはいけませんし、させてもいけません。

ポスト・モダンの七つの作法については、詳細は、上の記事をご覧いただくものとして、柱だけ掲載すると以下のようなものです。
1.見る
2.わかったものを使う
3.基本と原則を使う 
4.欠けたものを探す 
5.自らを陳腐化させる
6.仕掛けをつくる
7.モダンの手法を使う
この中でも、重要なのは、まずは一番最初の「見る」ということです。見るといっても、ただ単純に見るということではなく、全体を「見る」ことです。全体を命あるものとして「見る」ことです。しかも緻密に「見る」ことです。しらみ潰しに見ていくことです。 そうして、「見る」ことに限らず、上記の七項目は、ことさら、ポスト・モダンといわなくても、程度の差はあれ、昔の武士道精神が息づいていた日本人の大人は、誰もが会得していたものと思います。

そして、見ることの補完として、「聞く」ことです。人は同時に2点に立つことはできません。他の者が「見る」ものを「聞か」なければなりません。自らの強みさえ、誰かに「聞か」なければわかりません。これも、昔の日本人の大人は十分に会得していたと思います。

レントゲン写真を見たからといって人体を「見た」ことにはならない。全体をみなければならない。

さて、玄葉さんは、本当に安倍総裁を含む、国際情勢や、国内情勢を徹底的に見ているでしょうか?そもそも、安倍総裁とのオバマ大統領の会談について、新聞などでは、本当の中身などわかりません。類推するしかありません。その類推も正しいかどうかなど確証などありません。

外交では、国どうしの約束ごとを単に口約束などや、官僚が確認したりした事柄においても、首脳同士が共同声明の文書にまとめることには、かなり重要な意義があります。このような文書にまとめたことを全く価値のないように発言したり、民主党政権がやっていたのと変わりがないと発言したのは、玄葉さんは、物事の背景を全く見ていないことの査証だと思います。それに比較すると、安倍総理は、よくものごとを見てから、話をしていると思います。玄葉さんとは、大違いです。

このように、よく「見る」ことをしてこなかったのが、民主党政権なのだと思います。こんなことでは、国会での答弁などもまともにならないどころか、そもそも高度な政治判断などできません。民主党には、もう先がないといわれていますが、なぜそのようなことなるのか、新聞などでは、選挙での大敗とか、その他もろもろの、目先のことばかり報道していますが、本当の原因はこういうことだと思います。

本日は、何やら、昨日のブログ記事の続きのような内容になってしまいましたが、玄葉さんの例は、ポストモダン(脱近代)社会の七つ作法を知らないとどいうことになるのか、格好の事例になると思いましたので、敢えて掲載させていただきました。

それにしても、最近の学校では大学を含めて、分析、論理が主体では、ポスト・モダン社会の七つ作法のようなことは全く教えていないようです。無論、現在教えているようなことも必要不可欠なのですが、やはり、これらの作法、その中でも、分析するだけではなく、物事全体を良く「見る」、徹底的に見るということを教えるべきと思います。特に、大学や、大学院などの高等教育ではそうするべきと思います。そうでなければ、私たちの社会は分析麻痺に陥るだけです。

そうして、まさに、日本では民主党はもとより、旧来の自民党も、全体を徹底的に「見る」ことを忘れ、日銀や財務省の官僚の分析や発言を信じて、過去において長きにわたるデフレを許容するどころか、長引かせることに協力してきたのだと思います。もう、私たちは、分析麻痺の呪縛から解き放たれるべき時期に来ていると思います。そうでなければ、経済だけではなく、文化や、社会も停滞し、閉塞感にさいなまされることになります。民主党政権の3年間は、こうした閉塞感にさら強くさいなまされた暗黒の時期だったのだと思います。皆さんは、どう思われますか?

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2013年2月28日木曜日

左脳がアナタに仕掛ける「5つの罠」―【私の論評】 あなたは分析麻痺に陥っていないか? ポスト・モダンの現在において最も重要なのは、知覚だ!!

左脳がアナタに仕掛ける「5つの罠」:



アナタの独創的なアイデアは、自分の左脳によって奪い取られているかもしれません。 たいていの人は、これまでの経験をもとにして、段階的にものごとに取り組むほうが安心できます。整然とコントロールされ、秩序立った状況、論理的な世界が好きなのです。そして、バラバラで統制がとれていないと不安になります。

「たしかな裏付けがある枠組み」の外へと踏み出すなんて、非生産的で時間の無駄だ、と思うわけです。自分はそういうタイプだというアナタは、これまで多くの場面で、そうした考え方が役に立ってきたのでしょう。ただし、そこには創造性という要素が抜け落ちています。 実際のところ、左脳型の直線的思考に慣れ親しんだアナタは、自分は創造的な人間ではないと信じ込んでいるのではないでしょうか? 左脳の仕掛ける罠についてお話しする前に、右脳vs左脳という理論について紹介しましょう。

この記事の続きはこちらから!!


【私の論評】 あなたは分析麻痺に陥っていないか? ポスト・モダンの現在において最も重要なのは、知覚だ!!



上の記事では、左脳、右脳の働きを軸にして、創造性に関して述べていました。そうして、創造性を妨げる左脳の罠について説明しています。詳細については、上の記事をご覧いただくものとして、その罠を以下に掲載します。
■ 左脳がアナタにしかける5つの罠
1.視野を狭める
2.直線的=安全
3.論理と直観
4.パーツと全体像
5.「クリエイティブな人間ではない」と信じさせる
そうして、最後はこのように締めくくっています。
左脳人間の皆さん、騙されてはいけません。右脳思考を呼び込んでくれる行動に、積極的に挑みましょう。左脳型思考パターンの長所にクリエイティブな右脳思考が加われば、鬼に金棒。今の社会で成功するための、なくてはならない秘密兵器になるはずです。
さて、この締めくくり確かに重要な示唆をしているとは思うのですが、私達は、右脳と左脳を自由自在に使い分けることなどできません。では、どのようにして右脳を使ったり、活性化させるかについては具体的な示唆はないと思います。

私は、これに対する具体的な示唆を試みようと思います。

これに対する具体的な示唆としては、やはりマネジメント的なアプローチが良いと思います。このブログでも、以前にも指摘したように、心理学や脳科学における最新発見のようなものに関しても、実は学問的には証明されていないことでも、実務的にそのようなことに注目して実務的な解決方法が編み出されている場合が多いです。

ポスト・モダンの建築物

そんなことから、昔からマネジメント上でいわれてきた、モダンとポスト・モダンの考え方を掲載します。

ポストモダン(英: Postmodern)とは、「モダン(近代)の次」という意味であり、モダニズム(近代主義)がその成立の条件を失った(と思われた)時代のことです。ポストモダニズム(Postmodernism)とは、そのような時代を背景として成立した、モダニズムを批判する文化上の運動のことです。主に哲学・思想・文学・建築の分野で用いられる言葉です。ポスト・モダンそのものについては、ここでは本題ではないので、詳細を知りたいかたは、下に参考図書をあげますので、それを購読されるか、ネットで調べていただきたいと思います。

さて、会社などで仕事をするにしても、モダニズム的な仕事の仕方、ポスト・モダニズム的な仕事の仕方があると思います。これは、まさに上記でいうところの、左脳による仕事の仕方、右脳による仕事の仕方に相当するものと思います。どちらが欠けても、仕事はうまくいきません。

ポストモダンのアート アンディ・ウォホール

モダニズム的仕事の仕方としては、仕事上で何かを改善・改革するときに、対象を見る場合に、分析を丹念に行うというアプローチです。分析とは、何かの対象を細かく分けて、仔細に調べて、最終的にそれを統合すれば、すべてを理解できるという考え方です。

たとえば、時計を持ってきて、それを細かく分解し、全部を調べてしまえば、その時計のすべてを理解できるということです。確かに、時計ならば、細かく分解して、どのような部品で成り立っているかを知ることができます。このような考え方がモダニズムであり、確かにこのアプローチはかなり成果をあげ、現在の西洋文明の礎になったと思います。

しかし、時計や物体の運動のような場合は、いくら複雑に見えてもこのようなアプローチでその本質を知ることはできますが、複雑な社会現象や、人体などの複雑で高度なシステムではそのようなわけにはいきません。たとえば、人がつくった半分のパンはなりたっても、そうではない半分のあかちゃんはなりたちません。

人体をいくら細かく分析しても本質はみえてこない

人体を細かく分解して、仔細に調べたとしても、複雑なシステム体系としての人体は理解できません。人体を解剖して、皮膚、欠陥、爪や、内蔵などを細かく調べただけでは、総体としての人体の本質を知ることはできません。爪や内蔵レベルではなくさらに細かく、分子レベルで調べる方法として、分子生物学なども現在はありますが、分子生物学だけで、人体の本質を知ることはできません。だからといって、さらに細かく、人体を構成している原子や量子を調べたとしても、人体の本質はみえてきません。ますます、わからなくなることでしょう。

では、複雑な社会現象を理解したり、人体を理解したりするには、どうしたら良いのでしょうか?それは、知覚です。ポスト・モダニズムでは分析ではなく、この知覚が重要視されるようになったのです。

では、知覚とは何かといえば、動物が外界からの刺激を感じ取り、意味づけすることです。 視覚、聴覚、嗅覚、味覚、体性感覚、平衡感覚などの感覚情報をもとに、「熱い」「重い」「固い」などという自覚的な体験として再構成する処理です。人間の場合だと、さらに、文脈を構成するとか、さらに高度な概念を構成する処理をすることです。

それでは、マネジメトでは知覚に関してどのようなことがいわれているのか、マネジメントの大家ドラッカー氏論考を以下に紹介させていただきます。

ポストモダン(脱近代)社会の七つ作法・論理ですべてが分かるわけではない

ドラッカー氏は彼の著書『変貌する産業社会』において、モダンからポストモダンへの重心の移行を宣言したとき、「新たなポストモダンが、手段と道具を持ち合わせることなく、われわれの行動を事実上支配している」と語っています。

しかし、多少なりとも丁寧に見ていくならば、その後のドラッカー氏の著作の多くが、われわれにこのポストモダンのための手段と道具を与えるための作業だったことがわかります。

実に、3分の2世紀以上にわたって書かれた全著作において、折に触れドラッカー氏が教えてくれたポストモダンのための方法論をまとめてみるならば、次の七つの作法ということになるでしょう。これは、以前のブログにも掲載したことなのですが、本日は再び装いを新たに掲載させていただきます。

1.見る 
第一に、「見る」ことです。全体を「見る」ことです。全体を命あるものとして「見る」ことです。しかも緻密に「見る」ことです。しらみ潰しに見ていくことです。 
イノベーションの種としての機会を探るべく、ドラッカーは1000件を越える成功事例を調べたといいます。それは、ニューヨーク大学大学院の夜のセミナーで行われました。しらみ潰しのローラー作戦でした。 
そして、見ることの補完として、「聞く」ことです。人は同時に2点に立つことはできません。他の者が「見る」ものを「聞か」なければなりません。自らの強みさえ、誰かに「聞か」なければわかりません。アウトサイド・インサイダーとしてのコンサルタントとしての値打ちも、ここにあります。
2.わかったものを使う 
第二に、「わかったものを使う」ことです。とくに、当初予期せずにわかったことを使うことです。原因や理由はわからないままでもよいのです。学者に付き合って原因の解明を待っている暇はありません。いずれにせよ、理論を体系化したとしても創造することはできません。重要なことは、わかったことを使って行動することです。 
「何が起こりそうか」を考えて行動してはならないのです。「すでにわかったこと、すなわち起こったことをもとに行動せよ」ということなのです。「そのわかった事に自らの強みを合わせよ」ということです。ということは、「トレンドを使え」ということでもあります。 
さらにもっと重要なこととして、「すでに起こった未来を使え」ということです。何事にも、インパクトをもたらすにはリードタイム、あるいはタイムラグがあります。このリードタイムが未来を教えてくれるのです。
3.基本と原則を使う  
第三に、基本あるいは原則となるものを知って使うことである。 
ただし、それらのものを一律に適用すべき万能の原理としてではなく、補助線として使うことである。あらゆる事業に、「世のため人のため」という補助線を引いてみることである。あらゆる意思決定に「世のため人のため」という補助線を引くことである。組織構造についても、透明さ、平板さという補助線を引いてみることである。
4.欠けたものを探す  
第四に、欠けたものを探すことです。キャップを探し、ニーズを見つけることです。「宇宙には何らかの秩序があるはず」との確信をもつことです。「すべては目的が規定する」と楽観することなのです。 
元素の周期律表を発見したメンデレーエフは、見えないものの存在とその位置づけを明らかにしただけでなく、そこから、すでに見えているものの位置づけを明らかにしました。すなわち、全体の形態を明らかにしました。 
未知なるものは無数にあります。解決が喫緊であるにもかかわらず、その全容が知られていない問題はたくさんあります。大事なものの多くは目に見えません。現実は目に見えない大事なものによって支えられています。それらのものを、いま見えるものとの関係のもとに明らかにしていくことが、「未知なるものの体系化」です。 
それは、見えないものを明らかにするのみならず、見えるものの意味を示します。ドラッカーのイノベーション論の根底にあるのは、この方法にほかなりません。そして、ドラッカーによる最初にして最大のイノベーションがマネジメントの発見でした。 
加えて、ドラッカーのマーケティング論の根底にあるものも、この方法にほかなりません。ドラッカーが事業の先を見るうえでカスタマー(顧客)よりも大事だといっているノンカスタマー(非顧客)こそ、そもそも体系化すべき未知なるものだったのではないでしょうか。
5.自らを陳腐化させる 
第五に、あらゆるものが陳腐化するがゆえに、自らが陳腐化の主導権を握ることです。とくに乱気流の時代にあっては、自らがチェンジ・リーダーとなることです。 
デュポンは品質、用途、価格において、自らの製品を陳腐化していくことにより、業界リーダーの地位を不動にしてきました。 
この自らを陳腐化させるという努力を怠ったために、他社によって陳腐化させられてしまった企業や事業は枚挙にいとまがありません。しかも、他社を陳腐化させることに成功した企業が、その成功に自ら学ぶことをせず、今度は第三の企業によって陳腐化させられつつあります。
6.仕掛けをつくる 
第六に、「仕掛け」をつくっておくことです。しかも成功に焦点を合わせ、成功を慣習化してしまうことです。今日一般に目にする失敗と不調についての報告に加えて、成功と好調についての報告をまとめ、それらについて検討することです。 
あるいは、「あらゆる事業活動について目標を定め、結果と参照する」というフィードバック分析を習慣化することです。
さらには、理想を現実化するために、「何をもって憶えられたいか」を考えることを日常化することです。 
ドラッカーは「ぜひともアクションプランをつくれ」といいます。「緻密にアクションプランをつくり、状況の変化に一歩先駆けて修正していけ」といいます。歴史上、ナポレオンのアクションプランほど緻密な作戦計画はなく、ナポレオンのアクションプランほど修正されたものはありませんでした。 
ただし、この「仕掛けをつくる」という作法には、「拘束衣や足枷になりかねない仕掛けはつくらない」という心得が付随します。アメリカ建国の父たちは、当初、憲法の草案に人権条項を入れていませんでした。それは、人権条項を抜きでは批准せずとの各植民地からの要求があって、仕方なく入れたものでした。ただひとえに後世を縛りたくないからでした。 
ドラッカーは『産業人の未来』において、「アメリカはこの戦争に参戦するだろう。そして勝つだろう。しかし、勝つためだからといって国家統制的なことは何もしてはならない。それは戦後も続くから」と書いていました。 
「戦争が終わる日とは、一つの旅が終わる日でも、一つの旅がはじまる日でもないのだから」といっていました。「それは馬を替える日にすぎないから」といっていました。日本では戦争が終わって半世紀もたってから、戦争中にはじめたものの見直しを行っています。
7.モダンの手法を使う
チャップリンのモダンタイムズより
そして第七に、限界をわきまえつつ、モダンの方法を使うことです。論理と分析を使うことです。何しろ350年間磨きをかけてきた方法です。それも単に think するだけではありません。 Think through すること、つまり徹底して考えることです。ドラッカーの口癖が、この think throughです。 
これらがポストモダンの作法です。しかし当然のこととして、このポストモダンの作法も人それぞれのものです。人それぞれにドラッカー直伝のものです。しかもそれぞれに発見、発展、蓄積していくべきものです。
七つにまとめる人もいれば、九つの人もいるでしょう。それぞれがそれぞれの作法を武器に、「世のため人のため」に行動することが、組織社会における新しい慣習の形成をもたらすことになります。
ポストモダンの作法は手間暇のかかるものばかりです。そもそも、ポストモダン自体を論ずることが困難です。ポストモダンが意識されて50年、あるいは70年にすぎないからか、それとも本質的に論じにくいものなのかはわかりません。

しかし、この世界とは、もともとがそのようなものと覚悟すべきであると思います。因果の太い線だけをさぐるというモダンの方法が、そもそも無精者のする仕事だったのかもしれません。解析幾何学で普遍学を開拓しようとすることに無理がありました。世の中、捨象してよいものはありません。大雑把にくくってよしとすることのできるものはありません。


とにかく、論理の世界だけで、分析だけを重視していたのでは、分析麻痺に陥るだけです。たとえば、あなたが清涼飲料水を売る会社に勤めていたとして、過去に売れたものだけを分析することは簡単ですが、それだけではオロナミンCや、ポカリスエットや、最近売れているエネジー系ドリンクもトクホ系のコーラも、生まれてこなかったでしょう。分析も大事ですが、分析だけではイノベーションは生まれてこないのです。やはり、知覚が重要なのです。分析と知覚は、イノベーションの両輪であり、どちらが欠けても満足なイノベーションはできないということです。


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2013年2月27日水曜日

中国、60歳以上が2億人突破へ 総人口の14・8%:―【私の論評】社会の変革を後回しにしたつけが効いてきた中国、習近平はラストエンペラーになる!!【2】

中国、60歳以上が2億人突破へ 総人口の14・8%:

北京日報号外

27日付の中国紙、北京日報によると、政府系シンクタンクの中国社会科学院は、中国の60歳以上の高齢者人口が今年中に2億200万人に達し、総人口に占める割合は14・8%になるとの予測を発表した。今年版の「中国老齢事業発展報告」で明らかにした。

・・・・・・・・・・・・・・<中略>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

報告によると、中国の2012年の高齢者人口は1億9400万人で、総人口に占める割合は14・3%。80歳以上は毎年約100万人増加しており、今年中に2200万人に。生活習慣病を患う高齢者は今年1億人を突破するとの見通しを示した。また、子どもがいない高齢者の家庭は昨年で少なくとも100万世帯に上った。

【私の論評】社会の変革を後回しにしたつけが効いてきた中国、習近平はラストエンペラーになる!!<2>

中国の人口は60歳以上が、2億人を突破することが確実になってきました。中国の老齢化に関しては、このブログにも過去に何回か掲載してきました。日本の場合は、社会がある程度高度化してから、老齢化したので、老齢化は確かに大変なのですが、さらならる生産性の向上などにより何とか出来る見込みはあります。それに、随分前に調べたのですが、65歳の高齢者のうち、介護が必要な人は5%ということで、これは思いのほか少ないです。

それに、中国の60歳台と、日本など先進国の60歳台とには根本的な違いがあります。日本の60歳台で現在最も人口が多いのは、いわゆる団塊の世代と呼ばれる人たちです。

団塊の世代とは、日本において、第一次ベビーブームが起きた時期に生まれた世代、または第二次世界大戦直後に生まれた文化的思想的に共通している世代のことです。第一次ベビーブーム世代とも呼ばれます。第二次世界大戦後の日本の歩み特に経済成長を共にしており、またその突出した人口構成ゆえに良くも悪くも日本社会のありように多大な影響を及ぼしている世代です。

人口論による厳密な定義としては、第一次ベビーブーム時代の1947年から1949年までの3年間に出生した世代を指します。この世代の年間出生数は250万人を超え、3年間の合計は約806万人にのぼります(厚生労働省の統計)。人口面からの分類法であり、堺屋太一によるノジュールの訳語による語源の由来と密接に関係しています。

この層の人たちは、それ以前の人々から比較すると、ライフスタイルもものの考え方も現代人にかなり近く、若いころに、はじめてヤングと呼ばれた世代でもあります。高度経済成長とともに歩み、それまでの日本人から比較すれば、かなり豊かになった時代に育っています。現役時代には、パソコンなども使う時代にあたっており、その意味でも現代の若い世代ともライフ・スタイルも考え方にもあまり違いはなく、相互理解もしやすいです。

iPadを使う日本の高齢者

しかし、中国の60歳台の場合は、日本の団塊の世代とはかなり異なります。若い頃は、日本の団塊の世代などとは異なり、大部分の人が、食事にも窮したような、貧乏な時代を過ごしています。経済的にある程度良くなったのは、中年を過ぎてからなので、考え方、ライフスタイルも今の若い世代とは相当異なります。また、パソコンなども特殊な人を除きつかつたことのない人が大多数です。

このようなことから、日本の60歳台は、知識労働にも馴染んだ人が多いですが、中国ではそうではありません。ほとんどの人が、肉体労働で収入を得た人たちが多く、知識労働などに従事できる人はほんの一握りです。

それに、中国が高齢化で不安なのは、日本のように社会保障がほとんどないことです。生活に窮したとしても、生活保護などあるわけでもなく、医療費も高額ですし、日本人と比較すると、かなり利己的な社会となっていますから、かなり深刻です。日本も決して良い環境とはいえませんが、中国に比較すれば、老人にとっては、別天地です。

にもかかわらず、中国では経済発展のみを優先して、こうした高齢化への対策を怠ってきました。これから、高齢化が進展するにつれて、日本では考えられないほどの社会不安がおこるのは必定です。

そうして、中国では、このような問題に対して対処する気は毛頭ないようです。このような問題を放置しておけば、経済もうまくはいかなくなります。とにかく、貧富の差が大きすぎることを放置しておいて、官僚と一部の企業家だけが、私服を肥やしますます社会不安をつのらせる一方です。

中国は最早若者の国ではない。急速に高齢化が進んでいる。

こうした、高齢化にともない中国では中国独自の特殊事情で最近さらに深刻な問題がおこっています。

中国では、大事に育てた一人っ子に先立たれた家庭(中国語で「失独家庭」)が増え続けており、近い将来に1000万世帯を超える見通しだというのです。夫婦のほとんどは50歳を超えており、失意の中で過ごすという精神面の問題だけでなく、これらの老齢家族の面倒を今後、誰が見るかという新たな問題が浮上しています。これらの人々が、さらに高齢化すれば、中国の高齢化問題はよりいっそう深刻なものになります。

中国が一人っ子政策に踏み切ったのは1979年でした。前年末に天津のある女性労働者(女児1人を持つ)が「もう男の子は欲しがりません」と宣言。これをきっかけに一人っ子政策が国策となり、1980年には「晩婚」「晩生」などを盛り込んだ婚姻法も成立しました。

中国の老夫婦

それから30年余り、多少の緩和策は取られたものの、都市部ではいまだに厳しい一人っ子政策が継続されています。総人口を抑制するにはやむを得ない政策ではあったことも事実ですが、半面でいくつかの重要な問題も引き起こしてきました。

最大の問題は中絶の増加などにより、男女比が極端にアンバランスになってしまったことです。そのほか、戸籍のない子供が多く生まれたり、一人っ子を甘やかした結果、社会常識の欠落した協調性のない人間が増えたりするなどの問題点も指摘されています。

そこに新たに一人っ子に先立たれた家庭の問題が登場してきたわけです。当局によると、こうした家庭は毎年7万6000世帯ずつ増え続けており、近い将来には1000万を超えるといいます。夫婦ともに健在ならば、一人っ子に先立たれた人は2000万人以上になるのです。

高齢化や、人口構成の歪さ、それに経済でバブルが弾けた中国、当面経済発展だけで、なんとか社会を維持させるということにも限界があります。

ラスト・エンペラー習近平

さて、このままでは、中国はまったなしです。このまま社会を放置しておけば、いずれ内乱が起こり、中国共産党中央政府の明日はないでしょう。社会変革をすれば、中国共産党中央政府が、そのまま存続することはなく、まったく別物になるしかありません。そうして、習近平は、時間稼ぎのために、これからも、人民の目をそらすため、反日政策を更に強化せざるをえません。日本側がどうしようにも、中国のこの体制が変わらない限り、日中間系は悪化する一方です。いずれにせよ、10年以内に結論を出さざるをえない状況に中国共産党中央政府が追い込まれていることは間違いありません。そう思うのは、私だけでしょうか? 皆さんは、どう思われますか?

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