2014年9月27日土曜日

【日本人の座標軸(9)】利己欲、大衆迎合、ゆとり教育、欲望の肥大化…「日本の自殺」から学ぶ4つの教訓―【私の論評】日本は自殺しつつあるのか? 本当に自殺しつつあるのは中国ではないか?『中国の自殺』が相応しいタイトルではないか!!

【日本人の座標軸(9)】利己欲、大衆迎合、ゆとり教育、欲望の肥大化…「日本の自殺」から学ぶ4つの教訓

画像はブログ管理人挿入 以下同じ


神戸に単身赴任していた昭和50年頃のことである。帰宅途中にふらっと立ち寄った書店で、「グループ1984年」という匿名グループが執筆している「日本の自殺」と題した論文が掲載された『文藝春秋』に出会う幸せに恵まれた。以下はその要点である。

過去6千年間における21の文明について、栄枯盛衰の歴史のドラマを比較研究した。諸文明の没落の原因を探り求めて、われわれの到達した結論は、あらゆる文明が外からの攻撃によってではなく、内部からの社会的崩壊によって破滅するという基本的命題であった。

トインビーによれば、諸文明の没落は宿命的、決定論的なものでもなければ、天災や外敵の侵入などの災害によるものでもない。それは根本的には「魂の分裂」と「社会の崩壊」による「自己決定能力の喪失」こそにある。

第1の教訓は、国民が狭い利己的な欲の追求に没頭して、自らのエゴを自制することを忘れるとき、経済社会は自壊していく以外にないということである。

第2の教訓は、国際的にせよ、国内的にせよ、国民が自らのことは自らの力で解決するという自立の精神と気概を失うとき、その国家社会は滅亡するほかないということである。

福祉の代償の恐ろしさはまさにこの点にある。エリートが精神の貴族主義を失って大衆迎合主義に走るとき、その国は滅ぶということである。

およそ指導者は指導者たることの誇りと責任とをもって言うべきことは言い、なすべきことはなさねばならない。

第3の教訓は、年上の世代はいたずらに年下の世代にこびへつらってはならないということである。若い世代は、古い世代との厳しいたたかいと切磋琢磨のなかに初めて成長していくものである。

古い世代がやたらに物わかりよくなり過ぎ、若者にその厚い胸を貸し、鍛えてやることを忘れるとき、若者はひ弱な精神的「もやしっ子」になるほかない。

第4の教訓は、人間の幸福や不幸というものが、決して賃金の額や、年金の多少や、物質の豊富さなどによって計れるものではないという極当たり前のことである。

欲望は際限なく広がり、とどまる所を知らないものである。欲望の肥大化のサイクルから解放されて自由にならない限り、人間は常に不平不満の塊りとなり、欲求不満にさいなまされ続け、心の安らぎを得ることはないであろう。

足立勝美(あだち・かつみ)兵庫県立高校教諭、県立「但馬文教府」の長、豊岡高校長などを務め、平成10年に退職。24年、瑞宝小綬章受章。『教育の座標軸』など著書多数。個人通信「座標」をホームページで発信。養父市八鹿町在住。鳥取大農学部卒。76歳。

この記事は、要約記事です。詳細はこちらから。

【私の論評】日本は自殺しつつあるのか? 本当に自殺しつつあるのは中国ではないか?『中国の自殺』が相応しいタイトルではないか!!

この記事を書かれた、足立勝美氏の元記事では、「日本の自殺」に関して、要点と感想も書かれています。上の要約記事では、足立氏の感想はカットさせていただきました。

この「グループ1984年」という匿名グループが執筆している「日本の自殺」と題した論文が掲載された『文藝春秋』ですが、今は手に入りませんが、この論文そのものは、書籍かされていて、現在でも手に入るようです。

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Amazonで調べて見ましたが、やはり手に入るようですが、現在は品切れ状態のようです。ただし、また入荷するようです。

足立氏による元記事は、日本のことを事例として、たとえば数年前にミイラ化された死体が見つかり、親の死後も年金をもらい続けていた話、民主党政権の話などを事例として感想を述べています。

この書籍の内容は、読んではいないので、書籍そのものに関する論評はしませんが、足立氏の記事に関する論評をしようと思います。

この記事の元になっている論文では、21の文明を検証したとしています。その中には当然中華文明も含まれていることでしょう。

1970年代といえば、日本は上記で示すような様々な矛盾が出ている時代でした。しかし、中国では鄧小平のよる改革・開放路線が始まったばかりで、経済的にも軍事的にもとるにとらない存在でした。

しかし、後でわかったことですが、中国では2010年くらいまでは、毎年平均で暴動が他2万件ほど発生していました。だから、この当時も暴動がかなり発生していたのだと思います。

そうして、経済発展したことを除けば、今と変わらぬ日本などからは理解も及ばない、異質な世界であったと思います。

ただし、当時はインターネットもないですから、人々の伝聞による不確な情報しか得られず、中国の筆舌に尽くし型ほどの異質性はほとんど理解されていなかったのだと思います。

だから、この論文にも、その当時の中国の記載などもあまりなく、日本のことが中心になったのだと思います。

現代中国を念頭におきながら、『日本の自殺』の内容をみてみると、まさに、これは日本というより、現代中国により多く当てはまっているようです。

まず、第1の教訓については本当に現代中国に当てはまっています。

国民が狭い利己的な欲の追求に没頭して、自らのエゴを自制することを忘れるとき、経済社会は自壊していく以外にない。

これは、不動産バブルが崩壊した、現代中国そのものです。とにかく、現代中国人は自らのエゴを自制することもできず、経済社会が自壊しつつあります。これなど、裸官の話一つとっても明らかです。

中国の裸官を揶揄した漫画
中央政府や、地方政府の官僚がこの有り様ですから、一般人民も似たようなものです。とにかく、金になれば何でも良いということで、地溝油なる酷いものを人に平気で売りつけたり、安全でない食品を儲けのためなら平気で売るし、他商品のコピーなども平気で日常茶飯事のことです。


中国の地溝油の業者

日本でも似たようなこともありましたが、それにしても、中国のこれらの危険な食品の間口の広さと、奥行きの深さには、驚かされ、唖然として、怒りを通り越して絶望的になります。私は、今なら中国に行っても、中国のレストランの食事はしないと思います。

第2の教訓も良く当てはまっています。国民が自らのことは自らの力で解決するという自立の精神と気概を失うとき、その国家社会は滅亡するほかないのですが、中国では建国以来いわゆる選挙というものが一回も実施されたことがありません。

それも、国単位でもありませんし、地方レベルでもありません。

国民が自らのことは自らの力で解決しようにも、そもそも選挙権がないということでは、自分たちに関わる大きなことなど、ほとんど何もできません。

厳密な意味において、中国には政治家は一人も存在しません。なにしろ、選挙がないのですから、中国に存在するのは、官僚のみです。この第2の教訓も、ドンピシャで現代中国にあてはまります。

第3の教訓は、年上の世代はいたずらに年下の世代にこびへつらってはならないということですが、現代中国はご存知のように、一人っ子政策を実施してから随分たちますし、現在でも実施中です。

そのため、多くの子どもがかなり甘やかされて育ち、自己主張が強くなっています。そのため、子どものことを小皇帝と呼ぶ有り様です。子どもの頃から甘やかされて育った子どもどうなるのか、想像にあまりあります。

子どもの頃から甘やかされて育った小皇帝

軍事評論家の、井上和彦氏は、「戦争になったら一人っ子の兵士は我先に後方へ逃げていく」としています。これに関しては、以下の動画をご覧になって下さい。



第4の教訓は、人間の幸福や不幸というものが、決して賃金の額や、年金の多少や、物質の豊富さなどによって計れるものではないというものですが、現代中国は、1907年代から始まった鄧小平主導による改革により、すっかり金銭的な尺度のみが定着し横行してしまいました。

鄧小平の改革のスローガンは、「富めるものから富め」というものですが、確かに富裕層ができたものの、貧困層も増える一方で、今の中国はとんでもない状況になっています。

現状では、「富めるものから富め」というスローガンがそのまま生き残り、富の偏在化がさらに拡大されているだけです。

こうみてくると、1970年代に発表された「日本の自殺」は、「現代中国の自殺」を言い当てているのではないかと思えてくるほどです。

足立氏は、民主党政権を例に出して、「鳩山、菅、野田と続いた民主党政権はこのとおりであった。いま振り返ってみると全く、ひどかった。何も決めないし、決められなかった。この様子を、かつての野田首相からとって“のだる”という流行語が若者の間で流行したものだ」としています。

私自身としては、あのトンデモない民主党政権を誕生させてしまいながらも、日本が内乱状態にもならず、日本という国体も崩さず、結局崩壊してしまったということを評価しています。

日本は、民主党政権という愚かな政権が政権の座についても、何とか統治された、まともな国だということです。

それが、間違いか正しいかは別にして、現中国で政権交代など絶対に起こりえません。体制が崩壊して、新しい体制になることは、あっても現体制の中で、民主的な手続きによって、それまでとは全く異なる政権が新しい体制を創りだすなどということはありません。

こうしたことを考えると、日本は素晴らしい国だと思います。

そうして、私達としては、確かに「日本の自殺」による教訓は、現代では日本よりは、「中国」のほうが当てはまるのですが、これを他山の石として、日本のことを考えていくべきと思います。

その意味では、『日本の自殺』は多いに参考になる論文であり、今なお読まれ続けているのだと思います。

私は、そう思います。皆さんはどう思われますか?

【関連記事】

絶望の中国不動産 バブル崩壊か 北京、上海含め主要都市の9割下落―【私の論評】天皇陛下の御心に思いをはせるなら、日本の安寧を願うなら、「とつくに」を構うな、捨て置け(゚д゚)!



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2014年9月26日金曜日

コラム:さらなる円安が景気回復を後押しする訳=村上尚己―【私の論評】長い間デフレ風呂に浸かった、ゆでガエルたちは、お湯が多少ぬるくなったことは良いことなのに、危険と騒ぎたてる始末で正しく認識できない(゚д゚)!


村上尚己 アライアンス・バーンスタイン マーケット・ストラテジスト

「ドル高円安」は、日米の金融政策の違いを踏まえれば予想されたことであり、「急激な円安」にみえるのは、これまでファンダメンタルズがドル円の価格形成に必ずしも影響せず、かつ、この3カ月余り、歴史的な低ボラティリティでのこう着状況が続いたからだろう。

米経済が年初に一時的に減速したことに加えて、ユーロ圏でのデフレリスクが大きなテーマとなり、ドル円はこう着状態に陥った。ただ、上述の要因は永続しないので、年初110円前後へのドル高円安のコンセンサスがようやく実現しつつあるだけだ。

にもかかわらず、最近では「これ以上の円安は日本経済にとってあまり良くない」という説も増えてきた。ガソリンなど身の回りのモノの価格上昇という、「ミクロ視点」でしか経済現象を考えられない結果だろう。

ガソリン価格などの上昇は「相対価格の変化」であり、一般物価の上昇つまり「インフレ」とは異なる経済現象であることを理解していないためと考えられる。

ガソリン価格などだけが上昇する相対価格の変化が起きても、名目所得が変わらなければ、それ以外の財サービスへの需要が減る。このため、ガソリン価格などが上がっても、経済全体つまり一般物価の上昇は必ずしも起きない。そして、金融緩和強化の目的は、一般物価を押し上げることである。

アベノミクスで景気回復が実現していた2013年も、同様の誤解に基づく批判をよく耳にした。ガソリンや原材料価格が大きく動くのは、「相対価格の変化」で説明できる事象だが、為替市場がドル高円安方向へ動くたびに同じ議論がまた繰り返されているのだろう。

<日本はいまだ脱デフレの途上>

結論を言えば、1ドル110円前後の円安が、日本経済全体に悪影響を及ぼすとは到底考えられない。円安が進み、価格転嫁が難しい一部企業において原材料高の負担が強まる面はあるにしても、通常、川中・川下まで価格転嫁が及ぶには時間がかかる。

2000年代半ばに、円安に加えて国際商品市況が大きく上昇した。この時も、企業の価格転嫁に時間がかかる中で、「交易条件悪化で企業利益が停滞し景気後退が起きる」との懸念が高まった。しかし、実際には輸出や個人消費などが堅調に推移し、景気回復は続いた。

2014年度については、性急な消費増税によって個人消費が失速していることが懸念されるが、輸出、設備投資が増えており景気回復は何とか保たれている。また足元で、交易条件は、商品価格が落ち着いているのでほぼ横ばいで推移している。さらに円安が進んでも、それをきっかけに景気が腰折れするわけはなく、現在も2000年代半ばと同様に、緩慢ながらも景気回復は続いているとみられる。

現在多くの企業が抱えている価格転嫁が難しい、あるいは時間がかかることの本質的な原因は、経済全体では需給ギャップが依然残っているからである。現状では未だ、日銀が掲げる物価安定目標の2%を実現できていない状況、つまりいまだに脱デフレの途上にあり、「(デフレへ舞い戻るリスクを抱えた)脆弱な状況」にあるからだ。

現在の日本経済は未だにデフレでデフレ・ギャップが存在している

今後、総需要が一段と増えて、インフレ期待がプラス2%で安定するようになると、多くの企業が原材料上昇を、販売製品に価格転嫁できるようになる。それがまだ十分起きていない現在の状況であれば、日本における望ましい政策対応は、金融・財政政策をフル活用して総需要を刺激することだ。現状では、2014年4月からは大型増税による緊縮財政政策のブレーキで、日銀による金融緩和頼みの状況である。

こうした中で、金融緩和が続き自国通貨安になることは、日本経済全体にとってはプラスの効果が大きい。さらに円安が進むことによって、企業の利益が増え、株高・外貨建て資産が増えて民間部門のバランスシートが強固になり、そして設備投資や雇用拡大をもたらすメカニズムが一段と強まる。

「これ以上の円安は日本人にとって望ましくない」という的外れな議論は、日本経済がいまだに物価安定の目標である2%を実現できていないことを忘れているか、世界標準である2%の物価目標を日本だけ実現できないと勘違いしているかのどちらかだろう。あるいは、インフレ率はまだ低すぎるのに「インフレ加速」を心配していた2012年以前の日銀と同じ思考体系にはまっているのかもしれない。

*村上尚己氏は、米大手運用会社アライアンス・バーンスタインのマーケット・ストラテジスト。1994年第一生命保険入社、BNPパリバ、ゴールドマン・サックス、マネックス証券などを経て、2014年5月より現職。

この記事は要約記事です、詳細はこちらから(゚д゚)!

【私の論評】長い間デフレ風呂に浸かった、ゆでガエルたちは、お湯が多少ぬるくなったことは良いことなのに、危険と騒ぎたてる始末で正しく認識できない(゚д゚)!

昨年まで、「円高で大変だ」の大合唱のはずだったのに、今度は「円安で大変だ」と叫ぶ人たちが増えています。本当に困ったものです。

私自身は、村上氏の主張に概ね大賛成であり、何ら議論の余地はないものと思っています。

だから、上の村上氏の主張を論評するのではなく、なぜこのような的外れな議論がおこるのかを分析してみようと思います。

これは、いわゆる茹でガエル現象で十分に説明がつきます。

茹でガエル現象とは、『2匹のカエルを用意し、一方は熱湯に入れ、もう一方は緩やかに昇温する冷水に入れる。すると、前者は直ちに飛び跳ね脱出・生存するのに対し、後者は水温の上昇を知覚できずに死亡する』というものです。

この現象から、およそ人間は環境適応能力を持つがゆえに、暫時的な変化は万一それが致命的なものであっても、受け入れてしまう傾向が見られることのたとえに使われます。

例えば業績悪化が危機的レベルに迫りつつあるにもかかわらず、低すぎる営業目標達成を祝す経営幹部や、敗色濃厚にもかかわらず、なお好戦的な軍上層部などです。

経済政策に関する茹でガエル現象については、以前にもこのブログで掲載したことなので、その記事のURLを掲載します。
重要なのはアベノミクスの第1の矢だ:JBpress (日本ビジネスプレス)―【私の論評】第三の矢などずっと後回しで良い!そんなことよりも、デフレ脱却が最優先課題であり、そのために一番重要なのは金融緩和である!似非ケインジアンにだまされるな(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事ではデフレからの脱却には、金融緩和政策は効き目がないとか、それだけでは足りず、成長戦略や構造改革が必要だとする人々がなぜこのようになってしまうのかを解説しました。以下にその部分のみを掲載します。
このにような愚かな主張をする人々は、日本があまりにも長い間デフレスパイラルの泥沼に落ち込んでいるため、デフレが通常の状態だと思い込み、特に金融政策などまだ十分に効果をあげないうちから、あるいは金融緩和だけでは不十分として、成長戦略や構造改革が必須であると信じ込んでしまうのだと思います。この考えは全くの間違いです。デフレは経済の癌です。しかもインフレよりも始末が悪いです。インフレの場合は、とんでもないインフレで年率100%とか、とんでもないハイパーインフレになり、すぐに生活に大きな支障がでるため、誰もが度を超したインフレは大問題だといことがわかります。 
しかし、デフレは最大でも年率2%くらいのものにしかならず、ハイパー・デフレなどありません。2%くらいだと、1年くらいでは誰もその弊害に気づきませんが、3年、5年、10年となるとじわじわと雇用や消費に悪影響を及ぼします。そもそも、デフレは異常な経済であり、通常の経済循環の景気が良い、悪いという状況を逸脱したものです。これは、何をさておいても、デフレから脱却して、すくなくとも景気が悪いという状況にもどするのが王道中の王道です。特に変動相場制の国では、金融緩和が効き目が強いということもすでに、わかっていることです。 
しかも、その悪くなり方が少しずつのためであるため、まるで多くの人々が茹で蛙のようになり、悪化していること気づきません。現在の日本はまさに、その状況にあります。GDPデフレーターはここ20年右肩下がりに下がりっぱなしです。そうして、この状況を脱却するには、一番重要なのは、金融緩和です。アベノミクスの、三つの矢のうち、もっとも効果があるのは、金融緩和であり、その次は、財政政策であり、一番効果が薄いのは、成長戦略です。
デフレはゆでガエルを醸成する?
現在の日本では、デフレを脱却するだけで、かなりの経済成長が期待できます。
上の記事では、この当たり前の事実をもってわわって、グタグタと書いていますが、これは、マクロ経済学上の常識であり、当たり前のど真ん中です。
以上は、金融緩和策に関する、茹でガエル現象について説明したものですが、「円安が危険だー」と叫ぶ人たちも、この茹でガエル現象で十分説明がつきます。

こういう人たちは、あまりにも長い間デフレ風呂という風呂に浸かっていて、それがあたり前になった人たちなのだと思います。

デフレ風呂とは、お湯が緩慢にほんのすこしずつお湯が上がるようになっていて、お風呂にかなり長い開いた入っているので、温度もかなり上がっているにもかかわらず、このお風呂に入っている人は気付きません。本当は、すぐにでもお湯から上がったほうが良いのに、気持ちが良くてあがろうとはしません。

お風呂のお湯の温度が50度になっても、ゆっくりあがれば気づかない

ところが、この家の他の人が、お湯の温度があまりに高すぎなので、少し温度を低めに設定しようと、お湯の温度の変更をしました。設定変更をすると、当然お風呂場にもアラームが流れます。

「円安が大変だー」と叫ぶ人は、そのアラームを聴いただけで、お風呂場のバネルも見もせず、家の他の人がお湯を低めにしようとしていることも考慮にいれず、大騒ぎしているようなものです。

デフレ風呂に浸かった人は、本当は温度が高いのですぐにでもあがったほうが良いのにそうとは思わない。

結局自分が熱いお湯の中にいることも体感できずに、お湯の温度を下げるという本当は自分にとって良いことでも、アラームが鳴って危機を感じているのとほんど変わりありません。

結局、金融緩和策により、相対的には良い方向に向かている途上であるにもかかわらず、あまりにも長い間デフレで、円高・物価安に慣れきってしまい、一時的な円安や、相対価格の変化何も考えずに過敏に反応してしまうということなのだと思います。

過去20年近くも、日銀が金融引締め策を実施してきて、昨年ようやっと金融緩和に転じたわけです。今までとは、全く状況が違います。金融緩和による経済対策は、即効性はありません、そのためその途上ではいろいろなことが起こるのがあたり前です。

それに最近は、増税をしてしまったがために、金融緩和の効果が削がれ、良い方向への変化がかなり緩慢になっているため、ゆでガエルたちが、さらに勘違いをしやすい環境になっているのだと思います。

短期的な視点だけからみれば、金融緩和の途上で一見良くないことも発生します。しかし、だからといって、金融緩和をやめてしまえば、またデフレに戻るだけです。

熱すぎるデフレ風呂からは、はやくあがって、バス
ローブにでも着替えたほうが良いに決まっている

これは、企業に置き換えるとさらに良く理解できるかもしれません。

たとえば、ある大企業がいろいろな理由があって、業績がかなりおちたときに、本格的な変革に踏み切ったとします。本格的変革に踏み切った途端に会社がよくなるわけもありません。最低でも、三年から五年かかるのが普通でしょう。

変革の途上では、役員や社員の給料を下げたり、あるいは、当面雇用を打ち切ったり、それこそ、リストラをすることもあるかもしれません。それをしなければ、会社が倒産してしまうかもしれません。その一方で、様々な改革で、業績をあげられるように努力して、少しずつ業績があがりつつあったとします。

こうした改革の途中であるにもかかわらず、社員が目先のことばかりに注目して、やれ給料が下がったとか、人手が足りないとか騒いだとします。このような人を会社の他の人達はどのようにみることでしょうか。

まともな社員であれば、そういう人たちを「先も見えず、現状もわきまえない馬鹿な奴」と思うことでしょう。会社の上層部からみれば、そんな社員こそリストラ対象にするかもしれません。

まさに、今の日本で、「円安がー」と叫ぶ輩は、このように、このような会社の中で自己中心的に「給料が下がったとか、人手が足りない」と叫ぶ社員のようなものです。

いずれにしても、大局観がなく、目の前のほんの一時のことに左右されていることに変わりはありません。

このような連中に耳を傾ける必要はありません。まともに受ければ、幻惑されるだけです。

私達は、大局観を持って経済の問題を考えていくべきであって、短期の指標などで一喜一憂すべきではありません。ましてや、短期的な指標だけに惑わされている馬鹿どもの意見に振り回される必要などもうとうありません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思わまれますか?

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2014年9月25日木曜日

首相、増税の影響点検を前倒し 11月初旬に初会合― 【私の論評】増税論議で理解できる!残念ながら、日本は未だ政局やファンタジスタ抜きで、まともな経済対策を遂行できる国にはなっていないということを・・・・・・(゚д゚)!


訪米中の安倍晋三首相は23日夜(日本時間24日午前)、来年10月からの消費税率10%への引き上げの影響を点検する有識者らの会合を11月早々にも始める意向を表明した。景気回復の足取りがもたつく中、11月末から予定していた作業を前倒しし、増税の影響を慎重に見極める狙いだ。増税を決断する場合をにらみ、今年度補正予算案をセットで検討して景気に配慮する狙いもある。

消費増税判断に向けた 今後の政治・経済日程
9月29日臨時国会召集
下旬自民党税制調査会、与党税制協議会が税制改正論議に着手
10月1日日銀短観(9月調査)
16~
17日
アジア欧州会議(イタリア)
11月初旬消費増税に向けた点検会合が始動
10~
11日
APEC首脳会議(中国)
12~
13日
東アジア首脳会議など(ミャンマー)
15~
16日
G20首脳会議(豪州)
17日7~9月期GDP速報値
30日臨時国会会期末
12月8日7~9月期GDP確報値
首相が消費増税の是非 

有識者との点検会合は今年4月の消費税率の8%への引き上げを判断する際にも開いた。約60人のエコノミストや企業経営者、地方自治体首長らから約1週間かけて増税の影響などを聞いた。今回は「前回よりもじっくり聞くことになる」(政府高官)としており、有識者の人数や聴取期間が前回より増える可能性がある。

【私の論評】増税論議で理解できる!残念ながら、日本は未だ政局やファンタジスタ抜きで、まともな経済対策を遂行できる国にはなっていないということを・・・・・・(゚д゚)!

本日も増税関連のニュースをとりあげます。上記の記事にあるように、有識者らの会合をはやめに開催することが決まりました。

しかしながら、未だ日本経済はデフレから脱却しておらず、何を実施すべきか、それ自体は別に有識者の意見を聴かなくても、誰の目から見ても明らかです。

それは当然のことながら、増税見送りです。

増税を見送るということは、緊縮財政をやめて、積極財政をするということです。

増税以外の積極財政を具体的にどのようにするかという話を有識者から聴くというのならわかりますが、実際に増税して、これもともと最初からわかっていることでしたが、失敗したことが明らかになりつつある現在、増税を見送るべきか否かを専門家に聴く必要はないです。

このブログにも度々掲載する高橋洋一氏は、現状では増税を見送るどころか減税すべきことを提唱しています。これは、昨日のこのブログにも掲載したように、ノーベル経済学賞を受賞した経済学者であるポール・クルーグマン氏も提唱しています。

この高橋氏の記事のURLを以下に掲載します。
究極の景気対策は「消費減税」10%を見送り8%を5%に戻す
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に高橋氏の提唱の要旨を掲載します。
 4月の消費増税後、経済指標の悪化が著しくなっている。消費増税をやらない方がよかったのは明らかである。政治的な実現可能性を抜きにして、純粋に経済政策として考えてみよう。 
 消費増税が経済低迷の原因であるのは、消費動向をみればすぐわかる。所得階層別にみれば、消費増税で影響をうけると思われるところで消費低迷が起きている。 
 となれば、それに対する経済対策は4月の5%から8%への消費増税をなかったものにするだけだ。つまり、来年10月の消費税率10%への再引き上げを見送るのは当然として、現状の8%からただちに5%へ減税するのだ。あるいは、すべての品目に軽減税率を導入して5%にするのもいい。 
 消費減税ではなく、それに近い政策として所得税減税と給付金を組み合わせるというのもある。この場合でも、もちろん10%への再増税を見送るのは当然であるが、消費増税3%分に相当する所得減税・給付金を行う。 
 1997年の5%への消費増税の際、景気の落ち込みを考慮して先行して所得税が減税され、レベニューニュートラル(増減税同額)としたことがあるが、今度は事後的な所得税減税を行うというわけだ。 
 消費増税を相殺するのだから、減税政策が良い手になるが、次善、三善の策として、増税分をカバーする財政支出も考えられる。ただ、公共工事などは供給制約があり、有効需要を作りにくい。 
 それでは金融政策をさらに緩和するというのはどうだろうか。金融政策の効果は、タイムラグ(時間のずれ)が大きく財政政策ほどに即効性はない。このため、短期的な景気変動の対応策としては財政政策に比べて力不足になってしまう。金融政策だけでは無理だが、財政政策との併用は当然ながら望ましい。 
高橋氏は、1997年当時の5%増税の時について、景気の落ち込みを考慮して先行して所得税が減税されていたことを指摘しています。この当時は、残念ながら日銀が金融引締めを行っていたため、このような努力もむなしく、日本は1998年から本格的なデフレに陥ってしまいました。

しかし、今回は日銀は、金融緩和に転じていますから、もしこれを実現すれば、景気は上向き、いずれデフレからの脱却も可能になります。

いずれにしても、増税は問題外のわけです。

ただし、もう一つ方法もないではないです。

10%増税をしても、5%から8%にした3%、8%から10%にした2%、この合計の5%増税分を所得税減税、給付金によってカパーして骨抜きにしてしまうことです。

これに、さらなる金融緩和をすれば完璧です。

しかし、こんなことを考えるなんて、私もどうかしています。

こんなことをやって、一体誰が特をするというのでしようか。そうです。増税して、減税して、給付金も出すという作業は一体誰がやるのでしょうか。結局それは、役人です。

こんなことをすれば、役人にわざわざ、しなくても良い仕事を与えて、金と時間を無駄にするだけです。

そもそも10%増税など最初からしないで、何らかの減税、給付金対策を速やかにすことが、最も良いということになります。

これが、高橋氏のいう、政治的な実現可能性を抜きにして、純粋に経済政策というものです。

これが、本来すべき経済対策であり、これを妨げているのが政治ということです。

これに関しては、以前にも高橋氏の記事を紹介したブログ記事がありますので、その記事のURLを以下に掲載します。
消費増税スキップしても実体経済に影響なし!リスクは「増税利権に群がる人々」のみ―【私の論評】まともな企業なら日々直面するトレードオフという考え方ができない官僚の単細胞頭が国民を苦しめる(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、高橋氏による元記事は、以下のように締めくくられています。
こう考えてみると、増税をスキップするリスクは、実体経済の話ではなく、増税利権に群がる人々を激怒させるという政治的なものだけになる。さあ、安倍政権はどうするのか。
高橋氏の言わんとするところは、増税利権に群がる人々が激怒すから、増税を見送ることができないということです。

安部総理が増税見送りを決めた場合、自民党内にも大勢いる増税利権に群がる政治家が激怒することになります。そうなると、どうなるのか。激怒した自民党政治家はいっせいに、増税利権を確かなものにしてくれる、人間を総裁にしようということで、安倍総裁おろしに走るわけです。

そうして、ここではっきり言っておきますが、安倍総理とその側近は自民党内では圧倒的に小数派です。前回の総裁選は、石原伸晃氏に圧倒的に有利であり、何もなければ、石原氏になっていた可能性がかなり高いです。

しかし、あの見事なまでのファンタジスタ的発言で、番狂わせが生じて、自民党内の派閥の均衡により、ようやっと安倍総裁が誕生したのです。

安部総理には、このような強力な助っ人であるファンタジスタが二人が味方しています。

これについては、以前のこのブログにも掲載したことがあるので、その記事のURLを以下に掲載します。
民主が社会保障「3党協議」離脱へ―【私の論評】安倍総理には、自分では意図せずに、協力にサポートする二人のファンタジスタがついている!これで鬼に金棒だぁ-(゚д゚)!

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、もう一人のファンタジスタは海江田民主党代表なのですが、民主党も議員の中にはまともな経済対策を主張する人もいるのですが、そういう議員は一部で、海江田氏をはじめ民主党の幹部はまともな経済対策を立案できる人間はいません。

こういうことが幸いして、安部総裁・総理が誕生して、日銀の金融政策を根本的に変更し、金融緩和に踏みきれたのですが、その後がよろしくなかったです。

やはり、自民党の増税利権に群がる議員たちが、増税見送りということにでもなれば、怒りだし、安倍おろしの嵐が吹き荒れることが予測されたので、安部総理は4月から増税に踏み切ったわけです。

そうして、次の10%増税も、増税利権に群がる議員たちにより、踏み切られてしまう可能性が大です。

しかし、そんなことになれば、経済が低迷し、日本はさらにデフレ・スパイラルの底に沈むことになります。そうなると、またぞろ、前の安倍政権の時のように、安倍おろしの嵐が吹き荒れることになります。

それにしても、一度このどうどう巡りはどこかで断ち切らなけれはなりません。

デフレからの脱却と、長期政権の樹立は本当に難しいです。

やはり、これを両立させるためには、10%増税を実施しつつ、これを大規模な所得税減税と、給付金対策で骨抜きにするしか道はないのでしょうか。

石原氏や、海江田氏を凌ぐファンタジスタはでてくるのか・・・・

こうなると、石原伸晃さんや、海江田さんを凌ぐような、素晴らしいファンタジスタが出てきて、政局を塗り替えような華麗なプレーをして、また安倍政権を強力にサポートしていただきたいと思います。

本当は、政局もファンタジスタなしでも、まともな経済対策ができる国にならなければならないと思います。

このようなことは、以前もありました。そうです、大東亜戦争です。その中でも、特に米国との戦争です。米国との戦争など、日米戦争の10年前までは、誰も予想しなかったものであり、全く必然性のないものでした。それは、米国側から見ても同じであり、全く必然性がありません。

それがいつのまにやら、日米両国で、日米開戦の空気が醸成されて、本当に戦争に突入してしまいました。これに関しては、ここで詳細は説明しませんが、倉山満氏の最近の書籍など読んでいただければご理解いただけるものと思います。下の、関連図書のところに、その書籍を掲載しておきます。

増税に関しても、するべきではないことは明らかなのに、財務省や増税利権に群がる人たちによって、増税すべきであるかのような空気がいつの間にやらできてしまい、このままでは、増税してしまいそうです。

これについて、少なくとも今のアメリカの経済対策に関してはそうではないようです。本日もそのようなことを示すニュースが入っています。
米FRB、利上げに非常に辛抱強くあるべき=シカゴ連銀総裁
米シカゴ地区連銀のエバンズ総裁

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、今週は、ハト寄りのメンバーのコメントが続いています。標準的な経済学の知見をもったメンバーが金融政策に携わっていることが、米国経済の強さを支えているようです。

ちなみに、アメリカはここしばらく、デフレに陥ったことはありません。というより、これだけデフレが続いているのは、日本だけです。未だデフレから脱却しきっていないの日本とは真逆です。

これは、増税論議とは直接関係はないのですが、まともな経済学的知見を持った人々が、論議をして経済対策を決定しているという意味で日本とは対照的であるので掲載させていただきました。

それにしても、経済対策といえば、安全保障にも関係が深く、かなり重要な国策なのですが、これが未だに政局に左右されるというのは本当に問題です。もう、15年も日本はデフレに苦しんでいるというのに、これをいつまでも放置し続けるような政治システムはどこか狂っています。

はやく、日本でも標準的な経済学の知見を持ったメンバーによる、政局やファンタジスタ抜きでもまともな国策を遂行できる国になってもらいたいものです。

いろいろな人が、くだらないことで、日本が駄目、日本人が駄目などという批判をしていますが、私は日本が最も駄目な部分は、上で示したような部分だと思います。これが、改善されれば、日本は世界に範を示すことのできる超一流国になることができると思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか(゚д゚)!

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消費税再増税には海外からも懸念が示されることが増えている―【私の論評】増税DQNも、従軍慰安婦問題と同じ!初めに増税ありきで、あらかじめ準備したストーリーに合わせて事実をねじ伏せるような歪んだ記事を書いたり発言し続け、いずれ事実に復讐される(゚д゚)!


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2014年9月24日水曜日

消費税再増税には海外からも懸念が示されることが増えている―【私の論評】増税DQNも、従軍慰安婦問題と同じ!初めに増税ありきで、あらかじめ準備したストーリーに合わせて事実をねじ伏せるような歪んだ記事を書いたり発言し続け、いずれ事実に復讐される(゚д゚)!

消費税再増税には海外からも懸念が示されることが増えている

消費税再増税の判断時期が12月に迫っており、消費税増税積極派は消費税の増税は「国際公約」でありこれを実行しなければ国際的な信頼が失われるという決まり文句がよく使われる。

ポール・クルーグマン氏

しかし、消費税増税後の日本経済の実態が明らかになるにつれ、海外からも消費税の再引き上げに懸念を示す意見が増えてきた。

例えば、アベノミクスを支持してきた米国のノーベル賞経済学者クルーグマン氏は「日本経済は消費税10%で完全に終わる」とし、逆に消費税は5%に戻して国民の期待インフレ率を引き上げるべきと述べている。

また、米国のルー財務長官は消費税率を4月に引き上げて以降、個人消費と投資が落ち込んでおり「経済活動の縮小による困難に直面している」と懸念を示し、日本に対して内需拡大を維持するための政策を要請した。

世界的には日本の財政再建の信頼性に対する関心よりも、消費税増税後に勢いを失っている日本経済がさらに増税によって景気が後退し、世界経済の足を引っ張る懸念のほうが即影響が出ることもあり関心が高いのではないか。《YU》

【私の論評】増税DQNも、従軍慰安婦問題と同じ!初めに増税ありきで、あらかじめ準備したストーリーに合わせて事実をねじ伏せるような歪んだ記事を書いたり発言し続け、いずれ事実に復讐される(゚д゚)!

上と似たような記事、昨日も掲載したばかりです。昨日は、米国ルー財務長官に関する記事を掲載しました。

米国ルー財務長官

最近では、増税関係の記事を掲載しても、あまり反応は良くなく、ブログへのアクセス数を増すためには、掲載しないほうが良いくらいなのですが、そんなことにはお構いなく、これは本当に重要なニユースですから、本日も取り上げることにしました。

上の記事で、クルーグマン氏は、「日本経済は消費税10%で完全に終わる」とし、逆に消費税は5%に戻して国民の期待インフレ率を引き上げるべき」と述べていることが掲載されています。

これは、当然のことであり、あたり前のど真ん中です。

デフレからなるべくはやく脱却するためには、"日銀の金融政策(無論金融緩和策)+政府による積極財政(減税、給付金、公共工事など)"が必要不可欠です。

デフレであった、昭和恐慌(日本国内で世界恐慌の呼称)も高橋是清はこれと同じ手段の経済対策を行い、世界で一番はやく世界恐慌から脱却しています。

このあたり前のど真ん中のデフレ脱却策をとることなく、今年4月からは8%増税がなされ、明らかに景気が落ち込んでいます。

一部には以下のような全くミスリーディングな報道もあります。
個人消費の格差鮮明 都市復調、地方は低迷  
 消費増税後の個人消費を巡って、復調する都市と低迷する地方の格差が鮮明になってきた。22日発表の食品スーパーの8月の販売統計では、首都圏を含む関東が4%超伸びた一方、中四国や近畿は減少が続いた。大都市部では高額品も売れ始めた。ボーナス増などが消費増につながっている都市部と、ガソリン高が家計を圧迫する地方の違いが、消費の二極化を引き起こしている。
詳細は、この日経新聞の記事をご覧いただくものとして、この記事は明らかにミスリーディングです。こんなことは、最初からわかっていることなのに、この記事では消費増税の逆進性が大きく影響してるのに記事ではそのことに関する説明が全くありません。

消費税の逆進性とは、消費税率が上がると低所得者ほど収入に対する食料品などの生活必需品購入費の割合が高くなり、高所得者よりも税負担率が大きくなるということです。

都市部では、統計上も明らかなことですが、地方よりも所得が高く、消費税増税をすれば、こうなることははっきりしています。

それから、以下の記事は上の記事よりは、まともなのですが、都市部の消費の復活を外国人の消費ということだけで説明しており、そういう側面は否めはしないものの、逆進性については全く触れてないということでは、ミスリーディングです。百貨店の売上向上は、消費税の逆進性によってかなり説明できると思います。
大都市では消費増税後初の前年同月比プラス・・・8月の百貨店売り上げデータをどう読むべきか?
上の2つは、ミス・リーディンクということですが、もっと酷いのもあります。
公明代表、消費税10%「引き上げなければアベノミクス失敗の烙印」
もうこうなると、完璧に意味不明です。増税DQNのレベルです。公明代表は、支持者に創価学会など多くの貧困層を抱えているはずです。本来であれば、消費税の逆進性に着目して、増税反対の立場をとるのがあたり前たと思うのですが、そうはならないのが本当に不思議です。

一方増税に関するまともな記事は、ここ最近では以下くらいのものです。
巻頭特集 第2部 日本経済に大異変!景気急降下、再びデフレへ ブレーンが決意の告白!本田悦郎・内閣官房参与「総理と刺し違えても、『消費税10%』は阻止します」
本田悦朗氏にはどこまでも頑張っていただきたいものです。

とにかく、増税に関しては、一部の例外をのぞいて、テレビも、新聞もDQN報道があまりにも大好きです。

阿比留瑠比氏

ところで、従軍慰安婦に関するDQN報道を続けてきた、朝日ですが、結局は間違いを認めざるをえなくなりました。それに関する、阿比留瑠比氏のFBのコメントがあります。それを以下に掲載させていただきます。


増税DQN報道、発言もこれと同じことです。

もう、経済政策の次元ではありません。経済理論でもありません。初めに増税結論ありきで、あらかじめ準備したストーリーに合わせて事実をねじ伏せるような歪んだ記事を書いたり、発言し続け、いずれ、事実に復讐されることになるのです。

阿比留氏は、いかのようなコメントもしています。


私も、この記事の初めのほうに掲載したように、最近では増税関連の記事を掲載しても、反応が少なく、徒労感を覚えることもあります。

それにしても、日本がデフレに陥ってから15年以上もたちます。朝日新聞の慰安婦DQN報道のように、30年も経ってから、ようやっと消費税増税DQNの報道や、発言が間違いであったという事実が明らかにされるということにでもなれば、あと15年もたたないと日本経済はまともにならないということにもなりかねません。

それだけは、避けたいものです。そうして、阿比留氏が語っているように、ネットにより状況は変わりつつあります。単なる、新聞などの部数などを超えて、事実は伝播し、影響は広がっていきます。時代は、変わったのです。私はそう思います。

皆さんは、どう思われますか?

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2014年9月23日火曜日

消費増税 米もダメ出し 財務長官が「失望」表明―【私の論評】日本のマスコミが伝えない真実!ルー米財務長官吠える!日本の増税DQNどもをそのまま放置するな(゚д゚)!


日本の経済政策に失望を表明したルー米財務長官

日本の消費増税に米国からノーが突き付けられた。4月以降の成長鈍化について、ルー米財務長官が「期待外れとなった」と表明したのだ。増税推進派は「消費増税は国際公約」というのだが、再増税を強行すれば世界に迷惑をかけることになりかねない。

ルー財務長官は21日、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の閉幕後の記者会見で、日本とユーロ圏を名指しして、最近の成長鈍化を指摘した。日本については、消費税率を4月に8%に引き上げて以降、個人消費と投資が落ち込んでおり、「経済活動の縮小による困難に直面している」と懸念を示した。

G20初日の世界経済についての討議で、麻生太郎財務相は、議長に求められる形で、日本経済の現状や成長戦略などを説明。麻生財務相は「日本に対する期待の高さを実感した」と胸を張る一方、「日本経済は緩やかな回復が続いている」と各国の懸念解消に躍起だった。

アベノミクスで長年のデフレから脱却しつつあったが、消費増税をきっかけに変調がみられる日本経済。その先行きに米国が警戒しているのは明らかだ。

このところ急速に進んでいる円安についても、本来なら米国の自動車産業などにとって打撃となるはずだが、ルー長官はクギを刺すどころか、17日の講演会で「強いドルは良いことだ」と述べ、円安ドル高を事実上容認した。G20でも「為替の議論はなかった」(会議筋)という。

ルー長官は、19日には麻生財務相に「内需拡大を維持するための政策」を要請。政策を総動員して景気の底割れを回避すべきだと迫った。

麻生財務相は再増税に備えた補正予算を検討するとしているが、当然ながら税金が使われる。「なんのために消費増税するのか、本末転倒」(エコノミスト)という状況だ。再増税をやめれば済む話ではないのか。

【私の論評】日本のマスコミが伝えない真実!ルー米財務長官吠える!日本の増税DQNどもをそのまま放置するな(゚д゚)!

麻生財務大新(左)とルー財務長官(右) にこやかに対話しているがその腹の中は・・・
上の記事、他のメディアではほとんど報道されていないため、敢えて全文掲載させていただきました。

4月からの増税でも、経済に悪影響が出ているのは明らかなのに、ここでまた日本が再増税をして、また経済が落ち込んでしまえば、日本国内がデフレ・スパイラルの底に再度沈むだけではなく、世界にも迷惑をかける可能性があります。

その懸念を、ルー財務長官が表明したということです。というよりも、アメリカにとっても日本の経済の落ち込みは、大きな懸念事項あるということです。

日本の増税に関しては、アメリカやオバマ大統領自身の利益にもならないことはこのブログでは随分前にも掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。
消費増税で日本国家を殺し給う勿れ―【私の論評】日本のデフレに終止符を打つのは、オバマか?
詳細は、この記事をご覧いただものとして、この記事は2011年7月のものです。この頃は、日銀は金融引締めを継続し、政府も緊縮財政を繰り返し、しかも大震災に見舞われた直後とあって、国内ではデフレスパイラルの泥沼に落ち込み、対外的には、かなりの円高で苦しんでいたときでした。

この記事は、オバマ大統領の二度目目の大統領選挙の前の年に掲載したものであり、オバマは米国の製造業の強化を目論んでいるときでもありました。

日本の経済が良くならなければ、オバマにも影響が出るという意味あいで、この記事を掲載しました。現実には、日本経済は良くはなりませんでしたが、それでもオバマは何とか大統領選に勝利し、現在でも大統領であるわけです。

それにしても、日本経済が悪化すれば、中国経済がここしばらく完璧に低迷することが明らかな現在、世界にかなり悪い影響を与えるのは必至です。

ルー財務長官は、G20で以下のような声明も発表しています。
アメリカ財務長官、経済成長に向けた努力を要請
ルー財務長官は19日金曜、20日土曜からオーストラリア北部のケアンズで開催されたG20・20カ国・地域財務相・中央銀行総裁会議の開幕に際しての表明で、雇用創出を促進するため、投資とインフラに対して、よりいっそう集中的な措置を行うよう要請しました。 
ルー長官はまた、「全体的に、世界経済は伸び悩んでおり、特にユーロ圏や日本はこれに当てはまる。また経済新興国の経済成長も鈍化している」と語りました。
さらに、「より急速でバランスの取れた経済成長のために、需要拡大と雇用の促進が必要だ」と述べました。
多くの先進国ではここ数年、債務の問題に直面しており、予算不足対策のために、本来は経済成長を優先させるべきにも関わらず、経済的な緊縮政策を採らざるを得ないと思い込み、実際それを実施した国々では大失敗しています。

また、アメリカの世論は緊縮政策の実施に強く反対しています。

世論調査では、現在、多くのアメリカ人が現行の予算バランスを支持していますが、ほとんどの人々は緊縮政策に反対している、ということが明らかになっています。

緊縮政策とは、公共工事などの削減、給付金などの削減、増税など、政府の支出を減らす政策です。これを実行すれば、大雑把にいうと、雇用が削減し、賃金も減ります。

アメリカでは、多くの国民も、財務長官自身も、緊縮財政ではなく、積極財政を実施することを望んでいるのです。

現状のアメリカ経済は、回復気味であり、もともとデフレではありません。そんな国でも、ほとんどの国民が積極財政を望んでいるのです。

にもかかわらず、日本は一体どうしたというのでしょうか。

何やら、増税などの緊縮財政が正しいものと信じているようで、すでに増税して、失敗しつつあるにも関わらず、再度増税しようなんて馬鹿真似をしようとしています。

本日も、増税ポチのとんでも報道がなされています。
岩田元日銀副総裁:円安は「自国窮乏化」-08年と類似
この記事読む価値もないトンデモ記事です。岩田は、岩田でも、現日銀副総裁の岩田規久男の記事ではなく、元日銀副総裁の岩田一政の記事です。紛らわしいです。

この記事読む価値もないトンデモ記事です。これに対しては、厳しい批判がツイートされています。

以下にその代表的なものをあげます。
岩田一政のいう、08年といえば、リーマン・ショック直後であり、この時には、欧米、中国その他多くの国々が、景気低迷のためかなりの金融緩和を実行したにも関わらず、世界で日銀だけが、何もせず、そのおかげて、日本はさらなるデフレ・スパイラルのどん底に沈み込み、超円高になったというのが、当時の日本経済の低迷の真の理由です。

日銀がまともな金融政策をしなかったため、リーマン・ショックの震源地であるアメリカや、リーマン・ショックにかなり影響を受けたEUなどが、比較的すみやかに経済を建て治すことができたにもかかわらず、日本だけが世界で一人負けの状態に陥りました。

だから、私はこのブログでは、日本におけるリーマン・ショックを日銀ショックと呼んでいます。

今のところ、アメリカはルー財務長官が、ダメ出しをしているだけです。それは、中国に対しても、ロシアに対しても、ウクライナ問題、シリア問題にしても、及び腰のオバマでは、結局何もできず、日本に対して強くダメ出しを出来ないのだと思います。

オバマの経済対策は批判を浴びている(゚д゚)!

しかし、次の大統領のときには、その時もまだ、日本において馬鹿な経済政策を継続していれば、ダメ出しどころか、内政干渉ギリギリのところまで、強く言ってくることになると思います。それよりも、何よりも増税がはっきり間違いだったことが、大勢の日本国民も理解することになると思います。

日本の経済が低迷すれば、世界への影響は甚大です。アメリカにとっては、経済低迷だけではなく、安全保証上の問題にもつながる重要で見逃せない問題です。

いつまでも、日本の増税DQNをアメリカも日本の国民もそのまま放置しておくとは思えません。いずれ、増税DQN一掃の動きが始まると思います。そのときは、財務省も解体されるのでしょうか・・・・・。

できれば、次期アメリカ大統領になどダメ出しを押させて、日本の経済をまともにするというのではなく、国民自らの手でそれを実現したいものです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2014年9月22日月曜日

経産相「原発なしは難しい判断だ」―【私の論評】あたり前のど真ん中!ある程度安全であることが確認された原発に関しては、稼働しつつ、次世代エネルギーの開発をすすめるというのが最も良い選択(゚д゚)!


小渕経産相 写真はブログ管理人挿入 以下同じ


小渕経済産業大臣はNHKの日曜討論で、原子力発電所の再稼働に関連して「資源の乏しい日本はエネルギーのバランスが大事だ。原子力発電所を持たない選択をするということは難しい判断だ」と述べ、安全性を最優先にして原子力規制委員会の審査に合格した原発は再稼働させていく考えを示しました。

この中で小渕大臣は、日本のエネルギーの現状について「原発がなくてもわれわれの生活は回っているという話を聞くが、古くなった火力発電所をフルに使っていて、安心できる状況ではない」と述べました。

そして「化石燃料の輸入額は東日本大震災の前と比べ1日に換算して100億円増えている。電力コストは家庭が2割、企業は3割増え、中小企業や零細業者にとって経営問題になっている」と述べ、火力発電への依存が家計や企業に重荷になっている現状を説明しました。

そのうえで小渕大臣は、太陽光や風力などの再生可能エネルギーによる電力だけでは供給が不安定だとしたうえで、原子力発電所の再稼働に関連して「資源の乏しい日本はエネルギーのバランスが大事だ。原子力発電所を持たない選択をするということは、将来を視野に入れたエネルギー政策を考えたとき難しい判断だ」と述べ、安全性を最優先にして原子力規制委員会の審査に合格した原発は再稼働させていく考えを示しました。

【私の論評】あたり前のど真ん中!ある程度安全であることが確認された原発に関しては、稼働しつつ、次世代エネルギーの開発をすすめるというのが最も良い選択(゚д゚)!

このブログの管理人である私は、現在北海道は札幌に住んでいますが、北海道では全国に先駆けて、北海道電力が電気料金の再値上げを申請しています。

北海道電力側からすると、北海道は原子力発電に頼るところが、最も高い地域なので、値上げもやむなしということのようです。

これに関しての詳細は、以下の北電HPをご覧になって下さい。
電気料金の値上げ申請について
北海道電力社長川合克彦氏

ご存知のように、北海道は酪農王国でもありますが、現在の酪農は自動化が進んでいて、かなり電力を用いますので、電力料金が上がると大ピンチです。

現在では、農業や水産加工でも電力を用いることが多いので、農水産業の盛んな北海道では大変なことです。

というより、今や私達の身の回りでは、電気で成り立っていて、電気料が値上がりするということは、すべての人に影響が出ます。

酪農農家で子牛の世話をする南沢奈央

これに関しては、以下の様なニュースもあります。
原発再稼働なら料金下げ=北海道電再値上げに条件-経産省
 経済産業省は5日、有識者でつくる電気料金審査専門小委員会を開き、北海道電力が申請した家庭向け料金の再値上げを認可する際、泊原発が再稼働した場合、速やかに値下げを行うよう条件を付けることを確認した。北海道電は同委で、早ければ運転再開から2カ月以内に料金を引き下げる方針を表明した。
 北海道電は、2015年11月から16年3月の間に泊原発の全3基が順次再稼働することを想定して再値上げを申請した。経産省は、1基が運転を再開すれば、残りの2基の再稼働が不透明な状況でも値下げを求める考えだ。今後、他の電力会社が再値上げを申請した場合も同様に対応する。
経産省は、泊原発が稼働すれば、元に戻すという条件で、北電に電力料金の値上げを認めたということです。このあたりの判断はどうかと思います。本当は、原発が稼働していて時の料金に戻すようにすべきではないかと思います。

こういうところに、電力会社の古い体質が現れていると思いますし、それを認めてしまう経産省もいかがなものかと思います。純然たる民間企業であれば、原発稼働時の料金に戻すまではいかなくても、現行料金よりは下げるのが当然と思います。

それは、それとして、私としては、原発の稼働を止めている現在でも、原発には核燃料が保存されていて危険であることには変わりはないということですし、廃炉にするには、とてつもない経費が発生するということなどを考えると、やはりある程度安全(何事にも完璧などあり得ない)であることが確認された原発に関しては、稼働しつつ、次世代エネルギーの開発をすすめるというのが、最も良い選択だと思います。

たとえ、新たな油田が発見されても、それを実際に掘り出し供給できるようにするまでには、10年くらいの年月を要します。発見されたからといって、すぐに市場に出回るわけではありません。シェールガス・オイル景気で沸いているアメリカですが、あまり掘りすぎると、環境汚染や、地震を誘発するという問題があります。

もう、原発問題に関しては、かなり議論がされてきていますが、現実を考えるとこのような結論になるのが妥当だと思います。

もし原発を即時廃炉にするなどのことをすれば、本当にとんでもないことになりそうです。

コスト・プッシュインフレなどになり、大変なことになりそうです。経済的にみても何も良いことはありません。節電のために、停電が恒常的に行なわれるようになるかもしれません。そうなると、そのために死人が出るということにもなりそです。

日本が経済的にも、社会的にも破壊されることは明らかです。

日本が経済的に落ち込めば、中国が喜ぶだけです。

原発反対運動をするウクライナの女性

吉田調書などで、すっかり有名になってしまった吉田氏。そもそも、彼はなぜ原発を管理する人になったのか、あの原発事故で彼が守りぬこうとしたのは何だったのか、原発反対派は、そのあたりを理解していないと思います。

このようなことを考えると、小渕経産相が上の記事で述べていることは、あたり前のど真ん中であると思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思わますか?

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「ミサイルを前線へデリバリー」アメリカ海軍 洋上航行中の軍艦で史上初の“再装填”を実施―【私の論評】潜水艦とミサイル巡洋艦の海上補填能力:日本の海自が抱える課題と未来への展望

「ミサイルを前線へデリバリー」アメリカ海軍 洋上航行中の軍艦で史上初の“再装填”を実施 まとめ アメリカ海軍が初めて洋上でミサイル巡洋艦「チョーシン」の垂直発射システムへの再装填を実施。 TRAM(海上移転再装填)装置を用いて、輸送艦「ワシントン・チェンバーズ」からミサイルを再装...