2015年10月22日木曜日

手に職ある韓国人 学歴差別の恐怖で大卒の肩書ほしがる傾向―【私の論評】日本よりも酷い大学格差社会の韓国ではノーベル賞受賞者も、真にイノベーティブな企業もでてこない(゚д゚)!

手に職ある韓国人 学歴差別の恐怖で大卒の肩書ほしがる傾向

韓国の強烈な大学格差社会の象徴であるソウル大学

大学進学率70%以上、大卒が当たり前という韓国では、よりレベルの高い大学を目指し、受験戦争も激化している。なぜ韓国は厳しい学歴社会なのか。そこには学歴のみによって一生が左右されてしまう特有の構造があるからだ。

「君たちはSKY(ソウル大学校、高麗大学校、延世大学校)に入れなかった。この先、生きていこうと思ったら死ぬほどの努力が必要だ」

ある韓国人大学生は入学早々、教員からこう叱咤された。新生活に胸を躍らせていたら、将来の道が閉ざされていると暗に宣告されたのだ。

大学進学率が世界トップクラスの韓国では、頂点に立つSKY→「InSeoul」(ソウル市内の大学)→地方大学という「学歴ピラミッド」が形成され、入学時の「序列」が人生の終わりまでついて回る。

韓国社会では初対面の相手でも「アナタはどこの大学出身か?」と聞かれることが多い。その後、前出の学歴によるピラミッドに基づく厳しい差別に晒される。

『「反日モンスター」はこうして作られた』(講談社+α新書)の著者で韓国人作家の崔碩栄氏が説明する。

「韓国では学閥とコネが何より重宝される。地方大学卒の有能な若者がサムスン、現代など財閥系の大企業に入っても学閥がなく孤立する。“何をしてきた”より“どこの大学を出たか”で評価される完全な学歴社会なのです」

韓国女性政策研究院の「韓国社会で最も深刻な差別は何か?」というアンケート調査によると、最も多かった回答は「学歴・学閥の差別がある」で3割にものぼった。

【私の論評】日本よりも酷い大学格差社会の韓国では今後ノーベル賞受賞者も、真にイノベーティブな企業もでてこない(゚д゚)!

上の記事で明らかな間違いがあります。それは、学歴差別ということです。韓国は、学歴差別が激しいというわけではありません。学歴差別あるいは、学歴社会であるといえるのは、日本や韓国ではなく、欧米です。

欧米は、まさしく学歴社会であり、学歴で区別されるところがあります。少なくとも修士課程を卒業していなければ、そもそも学歴がある者という認識はされません。欧米の大学卒は、日本や韓国でいえば、高卒に相当するかもしれません。

ハーバード大学院の入学式が行われるメモリアル・ホール

欧米では、大学院卒という学歴と、有名な大学院卒ということが、重要視されます。ハーバード大学を卒業したなどといっても、それでは高学歴であるとはみなされません。あくまで、ハーバードの大学院を卒業したということが、高学歴を意味するのです。

大学卒ということであれば、それこそ有名大学であれば、どこの大学を卒業していても、大学卒は大学卒であり、スタンフォード大学であろうが、州立のあまり有名でない大学を卒業しようが、大卒は大卒で、同程度の教育がなされていて、差異はあまりないという感覚です。

日本でいえば、高校の優秀校とそうではない学校との違いくらいの認識です。大卒は、どこの大学を卒業していても、あくまで大卒で、それ以上でも以下でもありません。こういうのを本来の学歴社会と呼ぶべきです。

ところが、日本ではそうではありませんで。あくまで、どこの大学を卒業したかということが重要です。特に、昔はそうでした。東大、京大などのいわゆる旧帝大といわれるところを卒業するということが重要でした。また、現在では実際に大学の教育にも結構格差があります。地方の三流以下となると、実際には大学教育を施しているのかどうかさえ、疑問に感じることもあります。

確かに、日本では東大や、早稲田、慶応と地方の三流大学とを比較すれば、施す教育自体にも大きな差異があります。だから、アメリカのように大学を卒業したからといって、同じような教育を施されたとみなすことには無理があります。

日本の大学格差社会の象徴である東京大学安田講堂

今では、様変わりしてきて、東大、京大などの旧帝大等に加えて、私立の、早稲田、慶応大学等の一流校を卒業していることが重要視されます。

これは、特に学問の世界や、役人や、法曹界では顕著で、この世界では東京大学を卒業していることが今でも重要というか、その後の運命をかなり左右します。学者を目指す場合は、別として、役人や法曹界で東大の大学院を卒業するというのは、全く意味がないどころか、わざわざ遠回りをするくらいの感覚で、この世界で出世したいと考える人は、わざわざ大学院になどいきませんでした。

現在では、法曹界は法科大学院に行かないと駄目なようですが、役人の世界はあいかわらずのようで、学者を目指す以外は、ほとんどの人が大学院など行かないで、東大を卒業した後すぐに、国家公務員試験を受験して、入省することを目指しているようです。

実際、法曹界であれば、東大に進学したという事実が重要であり、まかりまちがって、東大在学中に司法試験に合格してしまえば、大学を中退する人が多いです。大学院行くなどということより、さっさと法曹界に入って出世を目指そうという人がほとんどです。

役人の世界でも、役所の中の役所といわれる、大蔵省(現在の財務省)でも同じようなところがあって、東大大学院卒など滅多にいません、ほとんどが東大卒です。

現役で他の大学に合格して入学して卒業しながら、大学院ではなく東大を受験して、東京大学に行きその後卒業して、大蔵省に入省して、財務次官にまで上り詰めた人もいました。(勝栄二郎元財務次官)

結局日本は、有名大学の学歴が重要だったということです。こういう社会は、真の意味では、学歴社会とはいいません。正しくは、大学格差社会というのが正しいです。どの大学院を出たのかが重要であり、大卒を高学歴とはみなさない、欧米とは明らかに異なります。

さて、そうはいっても、日本の場合は、純然たる大学格差社会ともいえなくなっています。なぜなら、役人の世界では、未だ色濃く大学格差が残っていますが、民間ではそうではなくなっているからです。

とは、いいながら、確かに有名大学卒のほうが、出世している率が高いですが、有名大学卒でなくても、出生している人はいます。私は、これは決して大学格差によるものではないと思っています。

いわゆる、有名大学以外の2、3流以下の大学場合、基礎学力が劣っている人が多いのだと思います。基礎学力が劣っていると、やはり出世の階段を登っていくのは困難なのだと思います。

しかし、民間の場合だと、基礎学力が入社する前からあって、後は大学など関係なく、本人の努力と創意工夫で出世の階段を登っていくのだと思います。ただし、2、3流以下の大学だと、もともと基礎学力が低いため、出生の階段を登っていける人がもともと少ないというだけだと思います。だから、結果として有名大卒の人が出世する確率が高いというだけなのだと思います。

さて、このような日本の昔からある大学格差ですが、これを受け継いだのが韓国です。韓国で近代的な学校や、大学を設置したのは、日本です。韓国が、日本の伝統の影響を色濃く受けるのは当然のことだと思います。

しかしながら、当の日本は随分大学格差はなくなっていて、特に民間ではそのような傾向になっているのに、韓国はそうではありません。民間でも、激しい大学格差があるというのが現実です。

韓国では、反日運動が盛んですし、政府主導で反日活動を盛大行っいます。とはいいながら、大学格差社会ということでは、日本のそれを忠実に引き継ぎ、引き継ぐどころから、さらに拡大強化しています。反日というのなら、大学格差などとうに、是正すべき筋のものであると思います。

  日本のセンター入試試験にあたる「修能(スヌン)」を受けるの受験生
韓国社会は、何やらそもそも、どこか頭のネジを掛け違えているのではないかと思います。そもそも、日本で民間で強烈な大学間格差がなくなった大きな理由は、基礎学力があれば、その後は当人の努力や創意工夫次第で、出身大学は関係なく、企業に様々な貢献をができ、さらに企業全体のことを考えることができるようになれば、そういう人をトップ・マネジメントにまで出生させて、企業を発展させることができたからです。

だからこそ、日本では民間企業ではあまり大学格差はなくなったのだと思います。それに、最近で特に理系では、大学院卒を採用するのが当たり前になっています。ここでも、学歴というよりは、企業では、大学院で学んできたことの延長線上の仕事をさせていることが多いようです。

韓国の大学格差は、ますます酷くなったようです。日本の悪しき伝統を引き継ぐどころか、さらに拡大発展させた韓国、こんなことでは、そもそも優秀な人材を二、三流以下の大学卒ということで、最初から殺しているのではないかと思います。

韓国は、グローバル化を熱心に進めて、サムスンのようなグローバ企業を生み出したにもかかわらず、欧米に普通に見られる学歴社会にせずに、日本と同じというか、それよりもさらに過酷な大学格差社会にしてしまうというとんでもないことをしてしまいました。

思い出してください、あのスティーブ・ジョブズは大学を中退しています。基礎学力さえあれば、超学歴社会のあるはずのアメリカでさえ、あとは当人の努力と、創意工夫でイノベーティブな仕事で、台頭していくことも可能なのです。しかし、韓国にはそのようなことはほとんどあり得ないということです。

大学中退者のスティーブ・ジョブズ

そんな機会を大学格差社会という、とんでもな強固な社会規範で摘んでしまう韓国では、本当の意味でのイノベーティブな人材は育ちません。最近のサムスンが凋落したのは、無論ウォン高ということもあるとは思いますが、より根本的な原因は、韓国が日本よりも酷い大学格差社会であるということであると思います。

まずは、このような狭い了見の社会を是正することができなければ、今後韓国にはノーベル賞受賞者も、イノベーティブな企業もでてこないと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2015年10月21日水曜日

日中軍事衝突なら「退路ない」と中国軍上将、尖閣で論文 「極力戦争を回避」と訴える―【私の論評】習近平が最も嫌がるのは、安倍総理が軍事力を用いて尖閣付近から中国を排除することだ(゚д゚)!

日中軍事衝突なら「退路ない」と中国軍上将、尖閣で論文 「極力戦争を回避」と訴える

習近平の幼友達で太子党の仲間でもある劉亜州
上将。制服が板についてきた?=博訊報から
 中国軍の上将で、国防大学政治委員の劉亜州氏は21日までに、沖縄県・尖閣諸島をめぐる問題に関する論文を公表し、日本と中国が軍事衝突すれば「中国は勝つ以外に選択肢はなく、退路はない」と強調した。敗北すれば体制を揺るがす事態に発展しかねないとの危機感を示唆したものとみられ「極力戦争を回避」すべきだと訴えた。

今月公表された論文は共産党や国防省のウェブサイトにも掲載されており、習近平指導部の意向を反映している可能性が高い。中国は尖閣をめぐる問題を対日政策の重要課題と位置付けて強硬路線を堅持。「結果的に日本や米国との緊張がいたずらに高まった」(党関係者)との指摘もあり、外交方針を調整しているもようだ。

劉氏は軍事政策に影響力を持ち、習氏とも関係が近いとされる。論文で、尖閣問題を現在の日中関係の焦点とするのは「戦略的に誤った判断だ」と主張。「戦争を辞さないという覚悟」を持ちつつも平和に向け努力すべきだと強調した。

【私の論評】習近平が最も嫌がるのは、安倍総理が軍事力を用いて尖閣付近から中国を排除することだ(゚д゚)!

習近平の軍事理論を支える劉亜州は今年7月1日博訊報に、中共建政94周年に当たり日本と闘う決意を表したという記事を掲載しています。この記事で劉亜州「日本は謝罪しない。精神上は永遠の小人である」と言う“反日大論文”を公表しています。それにしても、習近平は対日戦に勝利したことがないことに気が付いているのでしょうか。

おめでたいです。対日戦を行ったのは、このブログでも何度か掲載したように、中華民国であり、現在の台湾です。現在の大陸中国である、中華人民共和国は、日本と戦火を交えたことは一度もありません。

ところで劉亜州の妻・李少林は対外友好協会会長で、たびたび来日しては親中派の「大物」らと会談しています。彼女は中国共産党の第3代中華人民共和国主席(国家主席)の李先念の娘です。


その支えで劉亜州は空軍上将にまで出世しましたが、本人には軍歴はなく、空軍ではいわば情報担当将校に過ぎませんでした。現地では“小説家”とも呼ばれていたそうです。

こんな人間が、習近平の軍事理論を支えているというのですから、お笑いぐさです。まあ、素人に毛が生えたような軍事理論で、ブログ冒頭記事のようなたわ言に過ぎない論文を書いているのだと思います。

はっきりいいます。現在の人民解放軍では、尖閣有事の際には、日本の自衛隊に対して全く歯がたちません。中国の艦船ならびに潜水艦は、日本の水準からすれば、数十年前のボロ船に過ぎません。

皆さん、尖閣付近の中国公船を見ていて気づくことはありませんか。察しの良い人なら、何も言わなくてももう気づいていると思います。そうです。武装した艦船はほとんどありません。私自身は、数年前にせいぜい、機銃を装備した公船のがあったのを覚えているくらいです。

武装した中国公船 中央は37ミリ機関砲 赤丸は23ミリ機関砲

もし、中国が軍事的に日本など敵ではないと考えているなら、もっと強力な武装をした艦船が来てしかるべきものと思います。

これが、中国の実情を物語っています。中国の今の技術水準では、せいぜい海上保安庁の船なら、太刀打ちできるかもしれませんが、海上自衛隊と対峙することにでもなれば、全く歯がたちません。

中国の海軍は、日本の自衛隊の潜水艦や、艦船などには未だに全く歯がたちません。空母「遼寧」もボロ船にすぎません。戦闘行為などすれば、何もできないうちに、あっという間に海の藻屑と化します。だからこそ、尖閣で領海侵犯するにしても、武装していない公船で侵犯するのです。

もし、何らかの武装をしていて、それで本格的な戦闘にでもなれば、全く勝ち目がないし、それこそ自殺行為だからです。

それは、航空戦力も同じことです。中国の最新鋭戦闘機「殲20 」ですら、アメリカのステルス戦闘機F22の外見を真似してつくりましたが、ステルス性能は異常に低く、これでは日本の自衛隊にとっては、ステルス機といえるシロモノではありません。軍事専門家の間では、「殲20」は第三世代戦闘機に属するものとされています。

これでは、日本はまだ第五世代戦闘機は導入していないものの、勝ち目はありません。

第5世代戦闘機とされる、ロシアのT50、中国の殲20、米国のF22

その他、搭載の兵器も、機器も日本の水準からすれば、かなり古いもので、これでは全く日本の航空機には歯がたちません。いざ本格的に戦争になった場合、すぐに撃ち落とされ、海の藻屑となることでしょう。

潜水艦にいたっては、日本の潜水艦は工作技術が優れていて、スクリュー音はほとんどしないので、中国のソナーでは検知できませんが、中国の潜水艦は、工作技術が日本に比較して数十年遅れているので、まるでドラム缶を「ドンドン」と叩きながら水中を進むようなもので、すぐに日本側に探知され、撃沈されてしまうことでしょう。

それに、対潜哨戒機に哨戒能力は、日本と中国とでは、天と地の差があります。日本は世界のトップクラスというより、実質上索敵能力では世界一です。これは、冷戦時代にソ連に対抗するために、訓練したことが大きく寄与しています。

こんな状況ですから、現状の中国の海軍は、日本と戦っても、すぐに負けてしまいます。おそらく、実際に戦争になったら、中国の艦船は、中国の港から一歩も出ることができなくなるでしょう。なぜなら、もし出れば、すぐに補足され、すぐに撃沈されてしまい、海の藻屑となってしまうからです。中国の艦船にとっては、港から出る事自体が自殺行為になるからです。

こんな事実を知ってか知らずか、軍事的素人の劉亜州が、ブログ冒頭の論文で日本と中国が軍事衝突すれば「中国は勝つ以外に選択肢はなく、退路はない」と強調したというのですから、全くお笑いぐさです。

これは、明らかな間違いでしょう。実体は、日本と中国が尖閣で軍事衝突すれば「中国は負ける以外に選択肢はなく、退路はない」というものでしょう。

いずれにしても、習近平は劉亜州を国内向けの広報に使っているのだと思います。まさか、本当に軍事理論をこの素人に頼っているということはないと思います。もし、そうだとしたら、愚かとしか言いようがありません。

先日も、アメリカは南シナ海に艦船を派遣するそうですが、日本も尖閣付近の領海内に、自衛隊の艦船を派遣すべきものと思います。

中国艦船があまり傍若無人な真似を繰り返すなら、きちんと国際ルールにのっとった上で何隻か撃沈すべきものと思います。領海内であれば、そんなことをすれば、中国は吠えまくりますが、他の国はそれを軍事行動ではなく当然の警察行動こととして、何も非難はしないでしょう。もし、非難したとすれば、自国が日本と同じような状況に至った場合、対抗する術がなくなります。

実は、習近平が一番恐れているのはこれです。安倍総理が、軍事力をもって尖閣付近から、中国の艦船や航空機を排除することです。

米国も南シナ海で、中国が不穏な動きをみせれば、国際ルールに沿った形で、攻撃を加えるなどのことをすべきです。そうなれば、習近平の面目は丸つぶれですし、それにせっかく日本を悪者にしたてても、中国国内の求心力を高めるということができなくなります。

そんな馬鹿なことなどとおっしゃる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際ロシアはそのような対応をしています。尖閣で中国の船が日本の海上保安庁の船が中国の漁船に体当たりされる前の年に、ロシアは中国の船を機関砲で銃撃しています。その結果数人の死者が出た模様ですが、日本国内では報道もされず、他の国からも一切非難されるようなことはありませんでした。無論、警告をするなどして、国際法にのっとった措置でした。

ロシアの振る舞いも傍若無人なところがありますが、こと対中国では、一切妥協しないということで一環しています。中国にはこのような対応が相応しいのだと思います。

無論、そのようなことで、中露が戦争になるとこともありませんでしたし、なるかもしれないと考えた人もいませんでした。尖閣周辺でも同じことです。きちんと国際ルールにのっとり撃沈すれば、何も問題になることはないし、ましてや戦争になることもありません。

日米も、最初からそのような態度で中国に接していれば、最近の中国の海洋での傍若無人な振る舞いはなかったものと思います。そもそも、中国の海洋進出など妄想に過ぎないと当の中国が悟っていたたことでしょう。彼らは、自ら現実を真摯にみつめるべきです。

もし、自らそれができないというのなら、日本がそれを彼らにつきつけなければなりません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2015年10月20日火曜日

【中国GDP発表】偽りのGDP異様に巨大化 乖離した“成長率”こそリスク―【私の論評】日本のリスクは中国の経済破綻よりも、増税リスクのほうがはるかに大きい(゚д゚)!


李克強指数ではかなりの下げが見られる中国経済

 中国政府は7~9月期の実質経済成長率を6・9%と発表した。経済教科書からすれば、この成長率水準は好景気そのものだが、経済実体を示す各種のデータはマイナス成長を指し示し、世界の専門家の大半が中国GDPを信用しない。米国に次ぐ経済規模を裏付けるはずの数値が偽装同然というのだ。

 実は、中国のGDP統計は党幹部ですら信用していなかった。李克強首相は遼寧省の党書記時代の2007年、米国の駐中国大使に向かって、「GDPは人為的操作が加えられるが、鉄道貨物輸送量は運賃収入を基にしているので、ごまかしがきかない」と打ち明けたことが、内部告発サイト「ウィキリークス」によって暴露されている。

 李氏は鉄道貨物のほか銀行融資、電力使用量も参考にしていると語ったことから、最近では英国のコンサルタント会社などがこれら3つの経済指標をもとに「李克強指数」を作成して、現実に近い成長率を推計している。

 グラフは鉄道貨物輸送量と輸入動向をGDP伸び率と対比した。12年後半以降、鉄道貨物と輸入はともに伸びが鈍化し続け、14年初めから急激に落ち込んでいる。

 中国GDPの伸び率は経済の実勢ではなく、党の政治意思で決まる。中国は毎年秋に党中央が翌年の経済成長率を決めて政府に提示し、その年の3月に開かれる全国人民代表大会が政府案を採択する。全国各地の党書記は目標値通りの成長率を党中央に報告する。達成できないと出世に関わるので、「人為的」な成長率が生まれやすい。

 もちろん、党中央は成長目標達成のプログラムを考える。手っ取り早いのはGDPの最大項目である固定資産投資で、08年9月のリーマン・ショック後は不動産開発投資に資金を集中投入させて2ケタ成長を実現したが、12年には不動産バブルが崩壊して、投資主導型成長モデルはついえた。投資がだめなら、個人消費を増やすしかない。そこで習近平政権は株価をつり上げ、株式ブームを演出したが、この6月に上海市場が暴落した。

 現実には需要が減退しているのに、国有企業などが党指令通り生産を増やすなら、過剰生産、過剰在庫が膨れ上がる。その多くは投棄され、燃やされる。大気や水の汚染、工場爆発と環境破壊が止まらないはずである。

 党中央が高い成長率を決め、需要を無視して投資、生産の増加を指令する。民間主導の市場経済とは似て非なる中国式経済が異様に巨大化する。世界の市場を混乱させ、地球環境問題を深刻化させている。経済実体から大きく乖離した虚偽の成長率が今や世界にとってのリスクなのだ。

【私の論評】日本のリスクは中国の経済破綻よりも、増税リスクのほうがはるかに大きい(゚д゚)!

李克強指数を元にすると、中国のGDPの真の値はどの程度であるのかを以下に掲載しておきます。残念ながら、最新のものは手に入らなかったのですが、2001年〜2013年の推計値は入手できましたので、以下に掲載します。


これは、当時精華大学准教授のパトリック・ショバネック氏の推計です。赤の線が李克強指数で、青の線がいわゆる「本当の」成長率です。

これをご覧いただけるとおわかりのように、2013年当時の成長率は2%ということです。この推計が正しいものとすれば、13年当時と比較すると、本年はかなり経済が落ち込んでいますから、おそらくはマイナス成長になっていると考えるのが妥当でしょう。

実際、そのようになっているということをブログ冒頭の記事は主張しているわけです。これは、本当に妥当なものと思います。中国政府が発表した、6.9%はファンタジーに過ぎないです。

さて、このような中国の経済の落ち込み具合が話題になると、すぐにでてくるのが、日本経済危機論です。

実際、中国の7~9月期国内総生産(GDP)の発表を10月19日(月)が近づい今月16日には、ロイター通信が、金融市場の一部では中国発の「ブラックマンデー(暗黒の月曜日)」が警戒されているとの報道をしていました。28年前の10月19日は、米株式市場が20%超も急落し、世界的な株価暴落を引き起こしたブラックマンデーのまさにその日でした。

米国の景気が落ち込めば、日本も落ち込みリーマン・ショックの再来となるかもしれないと心配する人も大勢います。

しかし、実際には、本日に至るもアメリカの株価がブラック・マンデーのように下落したなどという報道はなされていません。

しかし、私の見方はたとえ中国の景気がかなり落ち込んだととしても、全く日本に影響はないということはないにしても、"本来"はその影響は軽微だということです。

そもそも、日本におけるリーマン・ショックなどファンタジーです。それに関しては、このブログにも以前掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
景気減速に中国政府は焦りと弱音 日中関係改善へ共産党幹部の姿勢に変化―【私の論評】日銀がまともになった今中国がどうなっても、日本には影響は少ない!そんなことより、日本は一刻もはやくデフレからの脱却を急げ(゚д゚)!
景気刺激策は取らないと強調する李克強首相

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、リーマン・ショックに関する記述のみ以下にコピペさせていただきます。
しかし、多くの人は大きな見逃しをしています。本当は、当時の経済財政担当相がリーマンショックを「蜂がさした程度」と表現したことは正しかったかもしれません。ただ一つ、ある一つの条件さえ満たしていれば・・・・・・・・・・。 
その条件とは、日本銀行による金融政策です。リーマン・ショック後直接影響を大きく受けた国などの中央銀行は、景気を素早く回復させるため大金融緩和を行いました。しかし、日本銀行は、日本国内がデフレ・円高傾向にありしかも他国が大金融緩和を行ったにも関わらず、頑なに金融引締め政策を行いました。 
本来はリーマン・ショックなど日本にとっては「蜂の一刺し」に過ぎなかったものを日銀が金融緩和政策をしなかったために、さらなる超円高、さらなるデフレの深刻化を真似いてしまい、結果として戦後の日本で最大級の経済危機になりました。
日銀はリーマン・ショック後も金融緩和をしなかった クリックすると拡大
リーマン・ショックはアメリカやEUにとって、サブプライムローンなどのつけを支払うという形で直接的に経済に悪影響を及ぼしました。しかし、日本の場合はサブプライムローンに関しては、ほんど関係がなかったにもかかわらず、他国中央銀行が大金融緩和をしたにもかかわらず、日本銀行が何もしなかったため、超円高・デフレの深刻化を招いてしまったというわけです。だから、日本においては、リーマンショックなどという呼び方は正しくありません。「日銀ショック」とでも呼ぶべきだったでしょう。

このように、私はリーマン・ショックそれも、こと日本におけるそれに関しては、本来サブプライムローンの影響など日本にはほんどとなく、本来は悪影響はあまりなかったはでした。日本においては、そんなことよりも、他国が大規模な金融緩和を行う中、日銀が何もしなかったことが、その後の日本経済に甚大な悪影響をおよばしました。

だから、日本経済は、酷い低迷からなかなか抜け出せなかったのです。まさに、「日銀大ショック」とも呼ぶべき、日銀の怠慢により、リーマン・ショックからの立ち直りが世界でも最も遅く、サブプライムローンの震源地であるアメリカや、それを大量に運用したEUよりも、被害が大きくなってしまったのです。

あのリーマン・ショックは、"本来"は日銀がまともな金融政策さえ行っていれば、あそこまで酷いことになるはずのないものでした。

これは、今回の中国の不況に関しても同じようなことがいえます。そもそも、このブログでも何度か掲載したように、日本から中国向けの輸出は、GDPの2%程度に過ぎません。そもそも、日本はGDPに占める輸出の割合は、15%程度に過ぎません。日本を貿易大国であるとのファンタジーを抱く人がいますが、それは明らかに間違いで、日本は内需大国です。

さらに、中国投資もかなり少なく、最近では中国投資は先細りですし、日本企業は中国投資は控えるどころか引きあげに転じています。撤退する企業も多いです。この程度ならば、 中国の経済の破綻は、"本来"はさほど影響はないと言って差し支えないです。

しかしながら、もしも中国不況が本格化し、今後も続くとなると、それなりの影響は必ずあります。それを克服するために、日本以外の他の多くの国々が積極財政や、金融緩和を実行することになったとします。

それでも、日銀はそのまま追加金融緩和を実施せず、財務省が10%増税を強行すれば、これはもう完璧に第二のリーマン・ショックになる可能性が大です。この場合"本来"中国の経済停滞は日本にとっては軽微であるにもかかわらず、日本の金融政策や、財政政策のまずさで本家本元の中国の景気が回復しない限り、なかなか回復できないことになります。

しかし日銀が追加金融緩和に転じ、財務省が増税をしないか、それどころか減税をした場合は、日本はデフレから完全脱却して、中国の経済停滞の影響は軽微どころか、中国の経済とは無関係に日本の経済は大成長します。

アメリカは、リーマン・ショックのときには、震源地であったにもかかわらず、すぐに大胆な金融緩和を踏み切ったため、日本よりはるかにはやく、リーマン・ショックから立ち直りました。EUもサブ・ブライム・ローンの影響をもろに受けたのですが、それでも日本よりははるかに立ち直りがはやかったでした。

現在の日銀は、少なくとも当時のように金融引き締め的な金融政策はとっていませんから、もし中国の経済停滞で日本が甚大な影響を被ることになるとすれば、それはほとんどが10%増税による国内需要の落ち込みによるものになることでしょう。

中国の経済の停滞は、構造的なものですから、現体制が崩壊しないかぎり、継続します。そうなると、日本は長期間にわたりとんでもない不況に見舞われることになり、失われた20年どころか、失われた40年にもなりかねません。

これは、私自身が、当時はリーマン・ショックの本当の原因は日銀ショックであったことを見抜けなかったことの反省の上にたった分析です。これが理解できたのは、リーマン・ショックの二三年後のことでした。今になって思い返すと、真にお恥ずかしい限りです。

日本のマスコミ、官僚、識者の中には媚中派が多いですから、以上のような見解を述べる人は、ほとんどいません。今後、財務省の10%増税によって、日本の景気が大規模落ち込んだ場合、こういう愚かな人々は「それみたことか、中国様が風邪をひくと、日本は肺炎になるんだ。日本はダメなんだ。中国様次第なんだ。思い知ったか!」というファンタジーを、したり顔で語り始めることになります。

そんな光景が、妙にリアルに頭に思い浮かびます。

そんなことにならないためにも、10%増税は絶対に阻止すべきです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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中国株また暴落 習政権の経済対策評価されず 中国経済へ不信感―【私の論評】今のままだと中国の社会経済活動は今後数百年何らの進展がないどころか、低迷し続ける(゚д゚)!




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いよいよ、中国経済の破綻は秒読み段階となりました。そうして、いよいよ中国自体の壊滅の序曲が始まりそうです。それを予感させる書籍三冊を以下に掲載させていただきました。

これから始まる中国の本当の悪夢: 習近平に迫る経済壊滅、政権分裂、国内大乱

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2015年10月19日月曜日

米艦艇、南シナ海へ派遣 フィリピンなど関係国に通達 中国は猛反発 ―【私の論評】米中双方の誤解が招いた結果だが、中国のほうがはるかにダメージが大きい(゚д゚)!


艦艇が派遣される南シナ海のスプラトリー
(中国名・南沙)諸島

オバマ米政権がついに腹を固めた。中国が南シナ海の岩礁を勝手に埋め立てて軍事基地化していることに対抗し、米海軍の艦艇を近く、中国が「領海」と主張する人工島の12カイリ(約22キロ)内に派遣する方針を、東南アジアの関係国に伝達していたのだ。中国は猛反発しており、南シナ海が緊迫化してきた。

米艦艇が派遣されるのは、南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島。共同通信が18日、複数の外交筋の話として配信した。具体的な派遣時期は不明。関係国には、フィリピンなどが含まれるとみられる。

派遣方針はすでに複数の米政府高官が示唆しているが、関係国に意向を伝えたことは、オバマ政権の強い決意を物語る。人工島を中国の領土と認めない米国の立場を行動で示し、海洋覇権を強める中国を牽制する狙いがある。

こうした動きに対し、中国は猛反発している。

習近平国家主席は英国訪問(19~23日)を前に、ロイター通信の取材を受け、「中国が行っている活動は、領土主権を守るための正当なものだ」と、一切妥協しない考えを表明。南シナ海の島々は「昔から中国の領土だ」と強調した。

中国共産党機関紙、人民日報系の「環球時報」は、さらに過激だ。15日の社説で、米艦艇が派遣された場合、「中国は海空軍の準備を整え、米軍の挑発の程度に応じて必ず報復する」「中国の核心的利益である地域に(米軍が)入った場合は、人民解放軍が必ず出撃する」と警告した。

「米中新冷戦」時代が指摘されるなか、この時期の米艦艇派遣の背景は何か? 中国はどう動くのか?

国際政治学者の藤井厳喜氏は「習氏の訪英はかなり前から決まっていた。英国は、習氏をバッキンガム宮殿に宿泊させるなど、経済的に中国に取り込まれつつある。もし、米艦艇が習氏の訪英に合わせて派遣されれば、単に中国へのけん制だけでなく、英国に対する『伝統的な米英関係を壊すつもりか』というメッセージもあるだろう。中国は強気の発言を続けているが、本音では米中衝突は避けたい。ただ、習氏不在時に、反習近平派が突発的衝突を演出する可能性もある。そうなれば一大事だ。習氏が急きょ帰国することもあり得る」と分析している。

【私の論評】米中双方の誤解が招いた結果だが、中国のほうがはるかにダメージが大きい(゚д゚)!

米国のスプラトリー諸島に米国が艦艇を派遣することは、前から決まっていました。それに関しては、このブログにも掲載しました。そのリンクを以下に掲載します。 
米海軍の艦艇、南シナ海の中国人工島に急派へ 英紙FT「大きな衝突に発展も」―【私の論評】衝突してもすぐ決着がつき中国軍の弱体ぶりが世界にむかって曝露されるだけ(゚д゚)!
米国が南シナ海に派遣するイージス艦
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では中国が、これには全く対抗できない旨を掲載しました。その部分のみ以下に抜粋します。 
イージス艦を数隻派遣すれば、中国は海洋進出の野望を諦めることになると思います。なぜなら、アメリカの最新鋭のイージス艦には、中国は何をもってしても全くかなわず、歯がたたないことを彼ら自身が知っているからです。 
そもそも、中国と米国の軍事技術には赤ん坊と、大学院生くらいの差異があます。中国の最新鋭の艦船でも、米国の数十年前の技術水準に過ぎません。最初から勝負にも何にもなりません。勝負をするというのなら、ある程度の水準になっていなければ、できません。 
しかし、中国の艦船の建造技術は、アメリカの数十年前の水準です。航空機も、アメリカが第五世代戦闘機を導入しつつあるというのに、中国の最新鋭戦闘機「殲20」は第三世代の技術水神のものです。その他、ミサイルやレーダーなどの技術もアメリカの数十年前の水準です。
 中国の最新鋭戦闘機「殲20」
中国が何らかの軍事行動を起こした場合、米国の思う壺です。ほとんど何もしないうちから、艦艇は即座に海の藻屑と消えます。航空機も、あっという間に撃ち落とされ、全く勝負にならないことでしょう。 
ブログ冒頭で、英紙FT「大きな衝突に発展も」と懸念を表明していますが、米軍と中国軍との軍事能力にはあまり開きが大きいため、中国はいくら頑張っても大きな衝突はできません。あっという間に、決着がつき中国軍の弱体ぶりが世界にむかって曝露されるだけです。 
そもそも、中国は最初から完膚なきまでに負けることがわかっている、戦いに挑むことはないでしょう。そんなことをすれば、弱い中国軍のイメージがついてしまい、他国に侮られそれこそ、中国の核心的利益に反することになります。何が何でも避けることでしょう。
私がこの記事を掲載したときには、英国のフィナンシャルタイムスの報道のみでしたので、実際にオバマ政権がそこまでするかどうかは、半信半疑でした。そもそも、オバマはいつも及び腰で、そんな決断などできるとは思えなかったからです。

これは、オバマの決断というよりは、アメリカ議会などの圧力によるものではないかと思います。オバマの任期は、1年以上もあります。その任期内に中国が増長して、やりたい放題をやられては、アメリカの利益に反するという考えがあったものと思います。

このような騒動になったのには、米中両国の誤算があります。中国の誤算としては、及び腰オバマは、中国が何をやっても、よもや軍事衝突の危険をおかして、艦艇など派遣するなどということはないだろうという判断をしたことです。

オバマが及び腰であっても、アメリカ議会はそうではありません。もう、限界点まで達していたものと思います。

習近平はかつて「太平洋は米中の両国が共生するのを受け入れるだけの広さがある」と言いましたが、その見方こそ中国の誤算です。これは、胡錦濤時代の末期に解放軍将校が、米国防長官に対し、米中はハワイを起点にして、太平洋の東側を米国が、西側を中国が分割して管理してはどうか、と述べたことと軌を一にしています。この途方もない、虚妄に習近平は取り憑かれてしまったようです。
 
中国が「新型の大国関係」という時、何よりも、それは米国が中国の「勢力範囲」を容認することを狙っていると見るべきです。例えば、まず第一に、東シナ海、南シナ海、さらには自らが規定する「第一列島線」内を自らの内海のように扱うことを意図しているに違いありません。しかし、そもそも、これが誤算です。

もともと、太平洋は、日米が死闘を繰り返し、米国がなんとか勝利したので、米国を主体とした秩序ができあがっていました。この秩序を中国が一方的に乱すのは、米国としては全く容認できるはずがありません。 

さらに重要なことは、中国が自称する「核心的利益」の対象である台湾、チベット、ウイグルについては米国がそれらを中国の内政問題として干渉しないことを意図しているものと思われます。この三者の中では、実質的に中国の統治下にない台湾の扱いは格段に重要です。 

外交能力が極端に低い及び腰のオバマ政権が過去の米中首脳会談で、「新型の大国間関係」論を全面的に拒否しなかったことは、米中関係に中国のスローガンを持ち込む余地を与え、大きな失敗でした。しかし、だからといって、中国が南シナ海や、東シナ海で傍若無人な振る舞いをしても、及び腰オバマでは、何もできないだろうと考えたのが、中国の大誤算です。

しかし、そのオバマが今年の一般教書演説で、「世界で最も繁栄しているアジアにおいて、中国にルールを決めさせてよいのか」と述べています。中国が力をもって新しい国際規範を構築しようとすればするほど、現状維持勢力として米国は強い態度で臨むべきであると、オバマですら考えるようになっていたのです。

この現実を見抜けなかった中国、今頃大慌てでしょう。これによって、習近平はさらなる窮地に立たされることになりました。

米国側の誤算としては、中国幻想がその最たるものです。中国がいずれ米国の経済を追い抜くかもしれないなどという、途方も無い幻想が支配し、米国内に多数の親中派・媚中派を生み出しました。

しかし、これは、中国の経済の構造を知ってしまえば、幻想に過ぎないことが理解できます。中国のこれまでの経済発展のほとんどは、国内のインフラ投資によるよるものでした。とにかく、国内外の巨額の資金を集め、それでインフラ投資をするということで、経済が発展してきました。

インフラがほとんど整備されていない国で、インフラを整備すれば、そのインフラを活用して、様々な経済活動がおこり、それで経済発展をすることが可能になります。

しかし、インフラ整備だけで国の経済が伸び続けることは不可能です。その次の段階では、個人消費が経済を牽引します。

しかし、このブログで何度か掲載してきましたが、中国のGDPに占める個人消費の割合は35%にすぎません。これでは、大規模なインフラ整備が一巡してしまえば、中国の経済は伸びるどころか、縮小することになります。

では、個人消費を伸ばせば良いということになりますが、そのためには、経済的な中間層を増やし、その中間層が活発な社会・経済活動をできるようにしなければなりません。

しかし、中国はそのようなことは全く不可能です。なぜなら、中間層を増やし、それらが活発に社会・経済活動ができるようにするためには、民主化、政治と経済の分離、法治国家が必要不可欠だからです。

しかし、現中国の共産党中央政府はそのような考えは全くありません。そもそも、中国には憲法がありますが、それは中国共産党の下に位置しています。そうです、今でも、中国は中国共産党一党独裁国家なのです。この体制が崩れない限り、中間層を増やし、それらに活発な社会・経済活動などさせることはできません。

であれば、現体制が崩壊しない限り、中国の経済は破滅するだけです。こんな中国の構造を知っていれば、中国がアメリカのGDPをいずれ越すなどという途方も無い妄想はでてくるはずもありません。

さて、オバマの評判はアメリカでは地に堕ちましたが、習近平の評判も中国内で地に堕ちることになります。なぜなら、今回の艦艇派遣により、中国がこれに対抗すれば、完膚なきまでに負かされて、習近平の評判は地に堕ちます、かといって、逃げても国内の評判が地に堕ちます。いずれにしても、習近平の評判は必ず地に堕ちるわけです。

習近平にとっては、思いもよらなかったこでしょぅ。この習近平の蹉跌は、中国内でとんでもない混乱を生み出すことになります。

そうして、この混乱は、中国の現体制の壊滅につながる可能性は十分にあります。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2015年10月18日日曜日

フザけるな!公務員だけが「幸福」になっている~下流社会化が進む中、「上流役人」が急増中だと!?―【私の論評】怨嗟の声をあげる先を間違えるな!その先はまずは財務省・日銀の高級官僚だ(゚д゚)!



自分たちは上流だ

「正直なところ、ここまで日本の下流社会化が進行しているとは思ってもみませんでした。

'05年に『下流社会新たな階層集団の出現』という本を書いたときに、一億総中流といわれていた日本社会の均質性はもはや存在しないということを指摘しました。それから10年経って、日本社会の格差が拡大し、下流意識を持つ人がさらに増え続けているのです」

こう語るのは、社会デザイン研究家の三浦展氏だ。今回、三浦氏は三菱総合研究所の「生活者市場予測システム」という毎年3万人を対象に行われる調査をベースに、日本人の階層意識について調査を行った。

その結果を読み解くと、ある事実が明らかになったという。

「一見すると、日本社会全体で下流化が起こっていると思われるかもしれません。しかし驚くべきことに、このような一億総下流化に見える状況において、『自分の階層が上がった』という意識を持つ人たちがいることがわかりました。

それが公務員です」

世間全体が暮らしぶりが悪くなっていると感じる中で、公務員だけが「自分たちは上流だ」と思えるような幸福な暮らしをしているというのだ。

一体どういうことなのか。今回の調査結果をまとめた、三浦氏の著書『格差固定』(光文社)を詳しく見ていこう。

自分が「下流」だと考える日本人は全体の43%で、上流の14%と中流の36%を大きく上回った(残りの7%は「わからない」と回答)。

さらに、職業別に見てみると「会社員(正社員)・団体職員」の階層意識は「上」が16%、「中」が41%、「下」が38%だが、一方で「公務員」の意識は、「上」が29%もおり、「中」が46%、「下」は25%しかいなかった。

現代の日本社会においては、一部の会社経営者、役員、医師などを除けば、一番強く上流階層意識を持っているのが公務員ということだ。

とりわけ30代男性に限ってみると、正社員の45%が「下」の意識を持っているのに対して、公務員では21%と、その差は歴然としている。

「たとえば、六大学を出て新卒採用で東京都庁に入ったような男性なら、35歳くらいでパナソニックのような大企業並みの給料がもらえます。同じ庁内の女性と結婚すれば、安定した高収入が2つになり、都内にマンションを持つことだってできるでしょう。

入社以来、長い不景気を経験し、将来への不安を抱えてきた民間の会社員と比べれば、公務員がいかに安定し、恵まれた立場なのかがわかります」

雇用形態の変化により、この10年で正社員は大きく減り、非正規雇用の数が増えた。新たに下流意識を持つようになった人の中には、リストラに遭って職を失った人や、出世競争に敗北して年収が大きくダウンした人もいるだろう。

だが、公務員ではそういう経験をする人が少ない。そんな環境だからか、この10年で暮らしぶりが良くなったと感じる公務員も少なくないという。

「『階層意識がこの10年でどう変化したか』ということをみてみると、男性正社員は『上』が5ポイント減り、『下』が3ポイント増加。その一方で、男性公務員は『上』が19ポイントも増えて、『下』が10ポイント減少しました。

また、10年前に『上』の意識を持っていた公務員で現在も『上』の意識を持ち続けている人はなんと100%。正社員ではたった41%の人しかいなかったことを考えると驚くべき数字です。

公務員は自分たちの給料が民間企業に比べて下がっていないために、社会全体での格差が拡大しているという意識が少ない。実際、所得に関して格差が拡大したと感じる公務員の割合は学生と並ぶ低さでした」

三浦氏によると、民間企業サラリーマンの平均年間給与は、'97年の467万円から'08年以降は410万円前後に落ち込んでいる。しかし、例えば国家公務員の平均給与は月額約41万円(平均年齢43・3歳)で、年収でほぼ500万円と、かなり高水準だ。加えて、公務員は確実に年金をもらえるし、リストラもない。

「こんなにオイシイ条件がそろっているのですから、公務員が時代劇に登場する不遜な『お代官様』のように上流意識を持つのも当然のことかもしれません。

今回の調査を通して、公務員の上流化があまりに顕著だったため、初めはこの著書のタイトルを『役人天国』としようかと思ったほどです」

世間とずれた金銭感覚

消費に関するデータにおいても、公務員は「お代官」を通り越して「お大尽」になっている。

「最近消費を減らした項目」について見てみると、「家での食費」「外食」「普段着」「家電」「映画、音楽、演劇」など、ほとんどの項目で、公務員は正社員より消費を減らしていなかった。

たとえば、公務員は1回の飲み会での平均費用が5000円程度と答えた人が6割にも及び、正社員の約2倍。昼食代も800円程度かける人が正社員よりも8%も多い。

加えて、安定した生活と高収入のため、結婚している数も公務員が多い。公務員の既婚率は70・6%で正社員の60・4%を10ポイントも引き離し、同様に持ち家率も公務員が9ポイント上回っている。

また、旅行に行く頻度も、公務員は会社・団体の役員に次いで多いという。

「結婚、マイホーム、家族旅行といった従来型の幸せな暮らしを実現しようと思ったら、公務員になるのがいいということになります」

だが、三浦氏はこの状況に対して疑問を投げかける。

「公務員の経済的ゆとりは明らかですが、これは由々しき問題だと私は考えています。公務員というのは、基本的に経済活動によって付加価値を生み出す仕事ではありません。

そういう人たちが上流化していき、新しいビジネスや価値観を創造する民間企業の社員が下流化していくような社会に発展性があるとは思えないからです。

優秀な人材が安定を求めて公務員ばかりを目指すようになっては、日本の未来は暗いものになるに違いありません」

役人ばかりが良い思いをしているような国は、やがて崩壊する。これは歴史が証明している。

【私の論評】怨嗟の声をあげる先を間違えるな!その先はまずは財務省・日銀の高級官僚だ(゚д゚)!

このような記事を読むと、頭にくる人は大勢いると思います。そもそも、公務員とは公僕であり、そいつらが自分たちよりも優雅な生活をするなんて許せないというのが本音というものです。

公務員の給与はなぜ民間より高いのか

公務員の給与水準は、100人以上の資本金10億円規模の会社を基準にしています。これでは、民間の平均よりももともと高くなってしまうのが当たり前です。

公務員の給与がこのように高くなってしまったのは田中角栄が総理大臣のときに、公立の教職員給与を一般公務員より引き上げる「人材確保法案」を施行してしまったことがきっかけとなっています。その当時教員の給与が基本給で12%、諸手当を含めれば一気に約25%引き上げられました。

田中角栄氏

地方公務員給与も、田中角栄時代に、国家公務員連動に変更しました。国家公務員は主要な民間企業の平均給与との比較で決まります。つまりは、地方公務員の給与は地元の経済環境と連動してない(同程度規模の他自治体とは比較するが)ので、非正規雇用も拡大する昨今、高給取りになるのは当然の構造になっています。

これは、田中角栄の時代には、デフレではなく、インフレ傾向だったし、その後のバブルの時代も含めて、民間の給料が良かった時代には、あまり反発をくらうこともありませんでしたし、当時はデモシカ教師といわれて、教師にでもなるか、教師にしかなれないような人が教師になっていたものを、優秀な人材も教師になるようになったこと、さらには、教員組合の組織率がかなり減ったということで、一定の効果はありました。

しかし、過去20年近く、デフレが継続したため、民間よりも公務員のほうが給料が良いという状況になりました。田舎などでは学校教師が高給取りなどというなにやら、少しおかしな状況になっていました。もう、田中角栄の頃とは、時代が違います。

とはいいなが、2013年は日銀が金融緩和策に転じてから、経済指標がどんどん良くなり、いずれデフレは完璧に解消されるはずでしたが、平成14年度4月から8%増税を実施し、せっかくの金融緩和が腰折れになり、経済が停滞してしまいました。

そのため、結局のところ、今でも公務員の給料のほうが良いという異常な常態が続いています。

公務員の給与を単純にカットすれば良いというものではない

まだまだ、現実は厳しいです。今の日本は、デフレから脱却していないので、公務員が民間よりも優雅な生活をしているからといって、公務員の賃金を機械的に大幅カットすると、政府支出が減って、さらにデフレ脱却を妨げることになります。

公務員の大幅賃金カットは、増税と同じことで、緊縮財政の一貫です。デフレからぬけ出す最中に、緊縮財政は絶対にすべきではありません。実施すべきは、積極財政です。

そんなことはわかっているのですが、さすがにこのような記事を読むと私もかなり憤りを感じます。しかし、このような現実をみれば、新卒の人たちが民間よりも公務員志望をするようになるのは当然のことです。そうして、優秀な学生の多くが公務員を目指すようになり、現実にも優秀な人材が公務員になる率も高まっていると思います。

都道府県別、地方公務員(都道府県)の給料と賞与金額トップ10(単位:円)。
地方公務員の1年間の給料、手当と賞与相当(期末手当、勤勉手当)の総額より
上位10を抜き出したもの/総務省 「平成25年 地方公務員給与の実態」より筆者編集
これをまともにするには、公務員の賃金をただ機械的に下げるだけでは、何の解決にもなりません。これを正すには、まずは何が何でも、デフレを克服する必要があります。それだけではなく、よほどのことがない限り、デフレが長期間継続するようなことをなくす必要があります。

そのために、何が必要かといえば、まずは旧日銀が金融政策を誤り、本来金融緩和をすべきときに、金融引き締めを繰り返し、日本をデフレ・スパイラルのどん底に沈めて、超円高にしたということを肝に銘ずるべきです。今の日銀は、金融緩和策に転じていますが、今のままでは、いつ金融引き締めにもどらないとも限りません。

これを正すには、日銀法の改正が必要不可欠です。日銀の独立性を見直す必要があります。日銀法における、現在の日銀法では、日銀の独立性とは、日本の金融政策を日銀の政策決定員会が定めるということになっていますが、これがそもそも間違いです。

世界の常識では、一国の金融政策は、その国の政府が定めるのが当然のことであり、中央銀行は、政府が定めた金融政策に従い、専門家的立場から、その手段を選択できるというのが、中央銀行の独立性の意味であり、日本のように、日銀の政策決定委員会のような組織が定めるものではありません。

中央銀行は、日本国の金融政策の方向性を考え、それを政府に提案することはできますが、方向性を最終決定するのは政府の役割です。そんなことは、当たり前のことです、なぜなら、日銀や、日銀の政策決定委員会のメンバーは選挙という手続きで選ばれたメンバーではありません。やはり、選挙で選ばれた議員による政府がこれを最終的に定めるというのが、正しいあり方です。

日銀法を改正して、政府が金融政策を責任をとることとし、その最終責任は選挙において国民に信を問うというのが、自然な姿であり、民主的です。

そうして、何かといえば、増税ということで、過去三回にわたる増税が全部大失敗しているにもかかわらず、さらに10%増税を強力に推進する財務省に関しても、なんとかしなければなりません。

この財務省なる組織は、もともとは大蔵省で、大蔵省から日銀が分離独立して、今の財務省になりました。この組織は、 分割すると10年くらいかけて植民地を拡大する手段に使うので、まずは1)公的金融部門の廃止(第一次安倍政権の挫折の原因)、2)財務省官僚が目下においてる官庁の下部組織に財務省を分割の上で編入するなどのことをすれば、大蔵省や財務省が過去に行ってきたような、デフレの時に増税するなどというバカ真似はできなくなります。

このようにして、長期デフレに至ることがない状況をつくりだせば、民間よりも公務員のほうがはるかに給料が良いという状況は打開されるはずです。その後に、公務員の給料の改革をすべきです。

公務員の給料の改革

適正な財政をするということから、民間の給料が良すぎて、加熱気味のときには、財政制作の一貫として、公務員の給料少なめにする、逆に民間の給料が低くなれば、これは財政政策の一環として高めにする、ただし、どちらも極端に高い、低いということではなく、大体民間全体の中間くらいを少し上下する程度にすれば良いと思います。

無論、賃金の水準は100人以上の資本金10億円規模の会社を水準とするのではなく、もっと民間全体の平均に近い水準に近づけるべきと思います。ただし、ブラック企業とか、零細企業の水準まで加味すべきではないことはいうまでもありません。

こうするこにより、何が期待できるかといえば、公務員の給料は民間給料次第だということで、現状のように民間の給料が著しく下がった状態では、公務員の給与水準も著しくさがるため、それを回避しなけれぱならないということになり、官僚もそちらに向けて、必死に努力することになるからです。

今のまま、民間が悪くなっても、公務員はあまり関係ないということでは、役人も全く努力しないのが当たり前です。ただし、現状のまま、ただ公務員の賃金を下げても、何も良い結果はうみません。まずは、日銀法改正、財務省解体を視野にいれるべきです。

それも、加味せずに、ただただ公務員の給料を減らすというのであれば、とんでもないことになります。これは、デフレ傾向に拍車をかけることになります。

役人ばかりが良い思いをすれば果ては中国のようになる

ブログ冒頭の記事では、著者が「役人ばかりが良い思いをしているような国は、やがて崩壊する。これは歴史が証明している」と結論を述べています。

これはまさに正鵠を射ています。ただし、歴史だけではなく現実も証明しています。それは、今の中国を見ていれば良くわかります。

財務省の省益という自分たちの都合で国民生活や経済におかまいなしに何度も増税されたり、旧日銀のように何がなんでも、金融引き締めというように、自分たちの都合や趣味で、長期デフレ・超円高状況を好き勝手にできるような状況を放置しておけば、日本もいずれ中国のようになります。

中国のGDPはデタラメ、電力消費量からみれば
すでにマイナス成長に入っているという観測も・・・

中国は、幹部たちの都合で政治・経済が運営されています。そのため、ここしばらくブログで、批判してきたように、個人消費がGDPのわずか35%しかないというとんでもない状況になっており、これでは、インフラ投資が一巡して、めぼしい大規模投資がなくなってしまえば、経済はどん底まで落ち込んでしまいます。

というより、そもそも中国の経済はいびつで、インフラ投資で、官僚や官僚につながる民間業者などが、富裕層になり一般人民は、全く関係なく、いつまでも賃金が低く、地べたを這いずりまわるような生活しかできないというのが実情です。

日本もここまで酷くなるとは考えられませんが、それでも、財務省をこのまま放置しておき、10%増税が実行されたり、日銀がとち狂ってまた金融引き締め一辺倒になれば、日本経済は坂道を転がり落ちるように崩壊して、中国のように抜き差しならぬ状況に追い込まれることも十分考えらます。

だからこそ、公務員の賃金が割高なこの異常な状況に怨嗟の声をあげるなら、まずは財務省や日銀に対してあげるべきですし、怨嗟の声をあげるだけではなく、実際に来年参院選挙などで、増税阻止、日銀法改正を主張する候補者に票を投じるべきです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2015年10月17日土曜日

【米韓首脳会談】韓国トホホ… TPP参加にオバマ大統領から言及なし 朴氏は「緊密協力」―【私の論評】中韓は、個人消費をないがしろにする愚かな経済劣等生、TPP加入は全く無理(゚д゚)!


16日、ホワイトハウスで記者会見する韓国の朴槿恵大統領(左)とオバマ米大統領

韓国の朴槿恵大統領は16日、オバマ米大統領との首脳会談後の記者会見で、交渉が大筋合意した環太平洋連携協定(TPP)への韓国の参加問題について「(米韓は)今後緊密に協力していくことにした」と述べた。ただ、オバマ氏は記者会見で韓国の参加問題には言及しなかった。

韓国では日本との輸出競争上の危機感から、5日の大筋合意直後から参加を急ぐべきだとの論調が目立ち、政府も積極姿勢を示してきた。一方で韓国メディアは、議会での批准手続きが残っていることを理由に、米国がすぐには韓国と本格的な論議に入れないとの姿勢を見せていると報じている。

朴氏は米韓が「既に高い水準の自由貿易協定(FTA)を締結している」と述べ、TPPでも米韓が「自然にパートナーになれる」と主張した。

【私の論評】中韓は、個人消費をないがしろにする愚かな経済劣等生、TPP加入は全く無理(゚д゚)!

米国は、韓国だけではなく、中国に関してもTPPに加入させるつもりは全くありません。それは、下の記事をご覧いただければ、お分かりいただけるものと思います。
中国のTPP参加「基準達成に長い道のり」「時期尚早」 フロマン米通商代表
内閣府でフロマン米通商代表部代表(左)を迎える甘利明内閣府特命担当大臣
 米通商代表部(USTR)のフロマン代表は15日の電話会見で、交渉が大筋合意に達した環太平洋連携協定(TPP)に中国が参加するのは時期尚早との認識を示した。「TPPが求める貿易や投資の高い自由化水準を中国が満たすには長い道のりが必要だ」と述べた。 
 フロマン氏は「TPP参加を望む国は、高い水準を受け入れることができると証明しなければならない」と強調。米中で交渉中の投資協定の成否が、中国のTPP参加資格の有無を測る「絶好の試金石になる」と述べた。米国は投資協定交渉で、TPPに匹敵する自由化を迫っているが、中国が難色を示し、協議は難航している。 
 フロマン氏は、TPPはオバマ政権が掲げる「アジア重視戦略」の要だと説明。「米議会のメンバーもTPPの重要性をよく分かっている」と述べ、協定発効に必要な議会の承認獲得に自信を示した。(共同)
米国は、なぜ中韓をTPPに入れなかったのか、そうして時期尚早としたのでしょうか。それに対するはっきりとした声明などありませんが、私のわかる範囲で分析してみます。

おそらく、以下の二点において、アメリカは中韓はふさわしくないと考えているのだと思います。

中国はなぜ加入できないのか

まずは、中国の個人消費がGDPに占める割合は、35%に過ぎないということです。これは異常に低いです。日本などの先進国では60%前後というのが普通です。アメリカは、70%台です。個人消費が低いということは、本来の意味ではそれだけ経済があまり発展していないことを意味します。

中国のGDPのほとんどは、インフラ投資によるものであり、個人消費は、2000年くらいまでは、もともと低いものの40%くらいはあったのが、GDPが伸びても消費は伸びなかったので、35%程度にまで落ちています。

中国では大規模インフラ投資案件がなくなれば、GDPもかなり小さくなるということです。実際、昨年あたりから不動産バブルが崩壊し、実体経済がかなり悪くなっています。政府は、7%成長を新常態として、これを守るといっていますが、中国の経済統計はそもそもデタラメなので、イギリスのある調査会社では、マイナス成長だったのではという推計をだしているくらいです。

中国は、個人消費をなおざりにして、インフラ投資ばかり繰り返し、それがおしまいになると、経済は悪化するばかりです。

韓国も中国ほど低くはないですが、これもかなり低いです。50%台です。これは、ロシアと同程度です。

この程度では、あまりに他国と水準が異なり過ぎます。これでは、TPP加入はかなり無理であるといわざるをえません。

韓国はなぜTPPに加入できないのか

さらに、輸出がGDPに占める割合を平成14年度の数字でみてみると、韓国は43.87%、中国は韓国ほどではないですが、22.28%です。興味のあるかたは、世界の輸出依存国別ランキングをご覧になってください。

これに比較すると、米国は9.32%です。日本は、15.24%です。日本より、輸出の低い国は米国くらいなものです。

個人消費が少ない、輸出が多いということは何を示すかといえば、経済の脆弱であるということです。個人消費が少なければ、実体経済もかなり問題があることは容易におわかりになると思います。

輸出に関しては、何やら輸出が多ければ良いことのようにとらえている人もいますが、実体はそうではありません。GDPに占める輸出の割合が多いということは、外国の情勢に大きく左右されるということです。個人消費が多くて、内需が大きいということは、外国経済に左右されにくいということです。

まさに、韓国は輸出にあまりにも大きく頼りすぎていて、外国で何かあれば、途端にとんでもないことになります。実際、日本が2013年から金融緩和に踏み切ったところ、それまで、ウォン安、円高だったのですが、今や逆転してしまい、韓国の経済はすっかりおかしくなってしまいました。

韓国といえば、とにかくグローバル化戦略などとして、輸出を振興してきましたが、内需を高める努力は怠りました。それがアダとなって、今では経済が悪化しています。

結局中韓は個人消費をないがしろにしている

韓国も、個人消費はなおざりにして、インフラ整備やグローバル化ばかり繰り返し、外国の影響をもろにかぶる体質になってしまい、今や元は本来高くしなければならないのですが、それをしないため中国はインフレ、韓国はウォン高で苦しんでいます。

TPP 加盟国のうち、経済があまり良くない国もありますが、経済の規模にもよりますが、いずれにしても中韓のようにこれだけ、個人消費を犠牲にして偏った経済の国はありません。

そんなことから、中韓のTPP加入はまだまだ時期尚早です。

中韓の経済を良くする処方箋はあるのだが・・・・・

中韓の経済をまともにする処方箋は決まりきっています。両国とも、中間層をもっと増やしそれらが、社会・経済活動を活発にできるようにすれば良いのです。

中国であれば、民主化、政治と経済の分離、法治国家化を進めれば、中間層が増えて、社会経済活動も活発化します。今までが、今までだったので、少しでもこの方向に進めば、実体経済は必ず良くなります。

韓国の場合は、民主化、政治と経済の分離、法治国家化に関しては、中国よりは進んでいますが、それでも先進国から比較すれば、遅れているので、それを推進すべきです。それとともに、グローバル化の推進一辺倒から、内需を拡大する方向に舵を切り直すべきです。

サムスンなどのグローバル企業ばかり育成しようとしても、結局は脆弱な経済になるだけです。まずは、内需を拡大させるべきです。そのための方策はいくらでもあるはずです。

しかし、両国の首脳も、政府もこのようなことは、わかりきったことなのに、この方向に向かっての動きはまったくしようとしません。習近平は、反日とインフラ投資、朴槿恵は反日とグローバル化とりわけ、中国接近を馬鹿の一つ覚えのように繰り返すばかりです。愚かとしか言いようがありません。

であれば、中韓がTPPに参加すれば、とにかく韓国は、自国民を犠牲にしても、安い製品で他国から儲けることばかり考え、中国は外国へのインフラ投資をすることで儲けようとし、それを繰り返し、結局中韓もダメになり、他の国も悪影響を及ぼしてしまいます。

結局、両国ともその方向性は異なりますが、結局のところ個人消費をなおざりにしています。両国とも、一般国民の社会・経済活動はなおざりにして、経済がひどく偏り、今や破綻の一歩手前です。であれば、米国が中国や韓国をTPPに受け入れないのは当然のことです。

中韓をみていれば、内需をなおざりにする国は、一時経済が良くなったようにみえても、いずれ萎んでしまいます。

米国のように、個人消費を煽りに煽って、サブプライム・ローン問題のような過ちを犯すこともありますが、それにしても、こういう過ちさえ防ぐことができれば、強力な経済を維持することができます。

日本も、過去の酷いデフレなどもありますから、偉そうなこともいえないですが、それでも個人消費はGDPの60%前後をずっと維持してきていますから、中韓とは根本的に経済の構造が異なります。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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中韓のTPP加入などあり得ません。それどころか、中韓の経済はもう瀬戸際です。崩壊するのは予定帳場となりました。もう、秒読み段階です。今後、日本が気をつけなければならないのは、経済だけではなく、中韓からの偽装難民です。以下に、それらを納得していただける書籍を掲載しました。

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