2017年3月4日土曜日

米国議会で高まってきた「日本は憲法改正せよ」の声―【私の論評】米国大統領は平時には世界“最弱”の権力者である理由とは?

米国議会で高まってきた「日本は憲法改正せよ」の声

与野党のベテラン議員が「日米同盟の片務性」を批判


米国・ワシントンD.C.の国会議事堂。米国議会で日米同盟の片務性を批判する声が高まってきた
 米国のトランプ政権は日米同盟の堅持と尖閣諸島の共同防衛を確約している。その一方でこのほど、民主党の有力議員が米国議会で“日本は憲法を改正しない限り米国の公正な同盟パートナーにはなれない”“現状では米国は尖閣を防衛すべきではない”という主張を表明した。

 日本側の憲法が原因とされる日米同盟の片務性は、これまで米国側から陰に陽に批判されてきた。だが、これほど真正面からの提起も珍しい。日本側としても真剣に受け止めざるをえない主張だろう。

中国の無法な膨張が議題に

 2月28日、トランプ大統領による議会両院合同会議での初演説の数時間前に、米国議会下院外交委員会の「アジア太平洋小委員会」が公聴会を開いた。アジア太平洋小委員会は、日本や中国などアジア・太平洋地域の諸課題を審議している。

 新政権下では第1回となるこの公聴会は「中国の海洋突出を抑える」という名称がつけられていた。南シナ海と東シナ海における中国の無法な膨張を米国はどう抑えるべきかが審議の主題だった。

 委員会は、テッド・ヨホ議員(共和党)を議長に、共和、民主両党の議員たちがメンバーとして並び、シンクタンクなどから証人として招いた3人の専門家の見解を聞きながら議論を進めていくという方式である。

 私は、南シナ海や東シナ海での中国の横暴で威嚇的な行動をトランプ政権下の新議会がどう捉えているのかが分かるのではないかと期待して、出かけていった。

2人のベテラン議員が日本の現憲法を問題視

 公聴会ではまず議長のヨホ議員が、中国の南シナ海での人工島造成や軍事基地建設を膨張主義だとして非難し、中国による東シナ海での日本の尖閣諸島領域への侵入も米国の同盟国である日本への不当な軍事圧力だと糾弾した。

 そのうえで同議員は、オバマ政権下の米国のこれまでの対応が中国をまったく抑えられなかったと指摘し、日本などの同盟国と連帯して対中抑止態勢を構築することを提唱した。その前提には、トランプ政権が日米で尖閣を共同防衛する意思を表明していることがもちろん含まれていた。

 ところがこの委員長発言の直後、民主党を代表して発言したブラッド・シャーマン議員が驚くほど強硬な語調で日本を批判したのである。

ブラッド・シャーマン民主党議員 写真はブログ管理人挿入 以下同じ
 「トランプ政権が日本の施政下にある尖閣諸島の防衛を約束したことには反対する」

 中国の海洋進出を非難する前にトランプ新政権の対日安保政策に反対を唱える発言に、私は驚かされた。シャーマン議員はさらにショッキングな発言を続けた。

「日本は憲法上の制約を口実に、米国の安全保障のためにほとんど何もしていない。それなのに米国が日本の無人島の防衛を膨大な費用と人命とをかけて引き受けるのは、理屈に合わない。日本側はこの不均衡を自国の憲法のせいにするが、『では、憲法を変えよう』とは誰も言わない」

 「2001年の9.11同時多発テロ事件で米国人3000人が殺され、北大西洋条約機構(NATO)の同盟諸国は集団的自衛権を発動し、米国のアフガニスタンでの対テロ戦争に参戦した。だが、日本は憲法を口実に、米国を助ける軍事行動を何もとらなかった。その時、『日本はもう半世紀以上も米国に守ってもらったのだから、この際、憲法を改正して米国を助けよう』と主張する政治家が1人でもいただろうか」

 シャーマン議員は公聴会の満場に向けてそんな疑問を発すると同時に、日本やアジアに詳しい専門家の証人たちにも同じ質問をぶつけた。

 シャーマン議員はカリフォルニア州選出、当選11回のベテランである。民主党内でもかなりのリベラル派として知られる。そんなベテラン議員が、日米同盟が正常に機能するためには日本の憲法改正が必要だと主張しているのである。

 シャーマン議員の主張の言葉を継いだのが共和党の古参のデーナ・ローラーバッカー議員だ。ローラバッカー議員もカリフォルニア州選出で当選13回である。中国に対して厳しい構えをとることで知られ、国務長官候補として名前が挙がったこともあった。同議員は次のように発言した。

デーナ・ローラーバッカー議員
「確かに日本の憲法が日米同盟の公正な機能を阻んでいる。だが、安倍晋三首相は憲法改正も含めて日本の防衛を強化し、同盟を均等にしようと努めている。それに、アジアで中国に軍事的に対抗する際、本当に頼りになるのはまず日本なのだ」

 ローラバッカー議員もやはり日本の現行憲法が日米同盟の双務性を阻み、本来の機能を抑えていると認めている。

 両議員に共通するのは、日本の現憲法が日米同盟を歪めているので、改正した方がよい、という認識である。特にシャーマン議員は、米国の尖閣防衛誓約を日本の憲法改正と交換条件にすべきと述べているのにも等しい。

日本の防衛費抑制も批判

 証人たちが発言する段階になっても、シャーマン議員は再び「日本の防衛努力の不足」を指摘した。そして、防衛費の対GDP比も持ち出してきた。

  「米国などが国際的な紛争を防いで平和を保とうと努力する一方で、日本は血も汗も流さない。憲法のせいにするわけだ。日本の防衛費はGDPの1%以下だ。米国は3.5%、NATO加盟諸国は最低2%にするという合意がある」

 そのうえでシャーマン議員は「日本が防衛費をGDPの1%以内に抑えているのは、やはり憲法上の制約のためなのか」と証人たちに質問をぶつけていた。

 トランプ氏は選挙期間中に日米同盟の片務性を批判していたが、先日の日米首脳会談における友好的な対応から、日本側には安心感が生まれたようだ。だが、議会ではこのように民主党と共和党のベテラン議員が揃って日本非難を打ち出している。米国の超党派の議員から、日本の現憲法や防衛費に対する批判が表面に出てきたという現実は深刻に受けとめねばならないだろう。

【私の論評】米国大統領は平時には世界“最弱”の権力者である理由とは?

米国はご存知のように、大統領制の国です。日本では、米国の大統領は強力な権限を持っていると考えている人が多いようで、トランプ氏の行動や発言に振り回される人も多いようです。

米国は日本と異なり共和制の国です。共和制とは君主制と対になる言葉で、君主ではない人物が国家元首となる制度のことを指します。米国は共和制でかつ民主主義の国ですから、国家元首は民主的な手続きによって選ばれることになります。こうして選ばれたリーダーが合衆国大統領です。ちなみに日本や英国は君主制で、かつ民主主義の国ですから、国家元首である君主に実質的な権限はなく、選挙で選ばれた首相が権力を行使する形になります。

トランプ大統領
大統領を国家元首とする国の中には、大統領は国を代表するだけで、行政府の長としての実質的な権力は持たせない国と、名実ともに行政府の長としてすべての権限を大統領に与える国に分かれます。大統領が名誉職的な存在となっている国としてはドイツが有名ですが、米国の場合、行政権のほぼすべてが大統領に集中しています。したがって、米国の大統領はまさに絶大な権力を握っていることになります。

では米国の大統領は、あらゆる権力を行使できる万能のリーダーなのかというとそうではありません。米国は、厳格な三権分立制度を採用しており、行政、立法、司法の権限が完全に分離しています。行政府の長である大統領は選挙によって国民から選ばれますから、議会に対して責任を負うことなく大統領としての職務を遂行できます。しかし、立法に関する権限は一切持っておらず、大統領は議会が作った法律に従って行政権を行使するしかありません(拒否権を発動することは可能)。

これに対して日本や英国は議院内閣制を採用しており、首相は国会議員の中から選ばれ、内閣は国会に対して責任を負っています。日本の場合には毎年の予算について、行政府が予算案を提出し、議会はそれを審議するという立場ですが、米国の場合、行政府に予算の提出権はありません。大統領は予算教書という形で要望を議会に告げるだけで、実際の予算に関する権限は議会が握っています。

また、戦争を遂行する権利も実は大統領は保有していません。米国の大統領は軍隊の最高指揮官ですが、宣戦布告を行う権利は議会に付与されており、大統領が戦争を遂行するには、議会からの「授権」が必要です。このように米国では、三権分立が明確になされてまいす。

残念なことに、我が国では小学校から大学まで、三権分立が近代法治国家に共通する普遍的な憲法上の原理」であるかのように教えています。それは間違った常識です。

三権分立とは、モンテスキューというフランスの哲学者が、ジョージ3世(在位1760~1820年)時代のイギリスを「おお、三権分立だ、すばらしい!」と勘違いして発明してしまった概念です。

モンテスキュー
本人は「発見」したと思い込んでいましたが、それはモンテスキューの頭の中で作り上げられた妄想に過ぎませんでした。

三権分立をまともに実行してしまっている国は、世界の文明国の中でアメリカ合衆国ただ1国です。そうして、いつまでたってもモンテスキューの母国でもあるフランスを含む、他の文明国がアメリカの真似をしないのは、三権分立が欠陥制度だからです。

そうして、アメリカ大統領は「世界“最弱”の権力者」とも言われています。アメリカ大統領が最弱、特に平時には最弱であることは世界の比較憲法学の常識です。ただし、議会が戦争をすることを受け入れた場合には、戦争を遂行するために権限が大統領に集中するようになっています。

そのため、日本などでは多くの人が戦争時の米国大統領のように、平時でも大統領に強力な権限が集中していると考えるのだと思います。でも現実は違います。米国大統領は、平時には世界で最弱の権力者なのです。ただし、これは米国自体の国力などとは別問題です。あくまで、米国の大統領は、他国と権力者と比較すれば、相対的に権力が弱いということです。

だから、日本の憲法改正に関する議論でも、トランプ大統領の発言よりも、米国議会の動きのほうが、影響は大きいのです。これを理解してないと、このブログ冒頭の記事の内容も良く理解できないかもしれません。

さて、米国議会での日本の憲法改正論議については、今から6年ほど前にもこのブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
「日本は憲法改正せよ」が米国議会で多数派に―【私の論評】憲法を改正するか、中国の属国になるか、アメリカの51番目の州になるか、あなたはどの道を選択しますか?
1946年(昭和21)2月13日、外相官邸で行われた日米会談の席で、政府の
「憲法改正要綱」は、あまりに保守的内容であるとして拒否され、GHQ起草の
案(マッカーサー草案)が提示された。この草案は、GHQ民政局部内で
極秘裏に起草されたもので、主権在民・象徴天皇・戦争放棄などを
規定していたため、政府側に大きな衝撃を与えた。
 

詳細はこの記事をご覧いただくものとして、以下に一部分のみ引用します。
米国議会が日本の憲法第9条を日米共同防衛への障害と見なし、改憲を望むようになった――。 
この現実は日本の護憲派にはショックであろう。だが、米国議会上下両院の一般的な認識として、日本側の憲法9条の現行解釈による集団的自衛権の行使禁止は、「より緊密な日米共同防衛には障害となる」というのである。 
日本の憲法を改正するか否かはあくまで日本独自の判断によるというのが正論である。だが、日本の防衛が米国という同盟パートナーに大幅に依存し、しかも日本の憲法がかつて米国側により起草されたという事実を見れば、どうしても米国の意向が重視されてきた側面は否めない。 
つまり、日本で改憲を考えるに当たっては、米国が改憲に賛成なのか、反対なのかが、どうしても大きなカギとなってきたのである。
・・・・・・・・〈中略 〉・・・・・・・・
今後の世界は、しばらくは、米国、日本、中国、EU、ロシアという5カ国のバランス・オブ・パワーで成り立ち、平和を維持していく体制になります。そうでなければ、世界の平和は維持できません。この体制を築かなければ、いずれバランスが崩れて、また、大きな戦争が勃発するかもしれません。これが、厳しい世界の現実です。この現実には、憲法9条など、何の意味も持ちません。 
上の記事は、まさしく、アメリカ議会がその事実に気づいたことの査証であるととらえるべきです。さて、この現実に、日本政府は、そうして日本国民はどのように対処するのでしょうか? 
憲法を改正して、パランス・オブ・パワーの一角を担う覚悟がなけば、いずれ選択できる道は二つしかありません。それは、中国の属国になるか、アメリカの51番目の州になることです。いますぐ、ということはないでしょうが、今後10年以内には、おそらくどちらかの道を選ばざるをえない状況に追い込まれます。あなたは、どの道を選びますか?

しかし、私達としても、当然のこととして、どらの道も選びたくはありません。であれば、憲法を改正して、バランス・オブ・パワーの一角を担うしかありません。
日本が米国の要請よって、憲法を変えるなどということになれば、日本としてもただ変更するというのではなく、当然のことながら、米国と日本の関係を大東亜戦争前の日米が戦争するなどとは思いもよらかなった頃の関係に近いものに戻すことを条件とすべきです。

このようなことをいうと、そんなことは全く不可能と思われるかもしれませんが、私はそうでもないと考えます。なぜなら、米国の保守本流派とされる人々は、そもそもソ連の防波堤となって戦っていた日本と米国が戦争したは間違いだったと考えているからです。

そもそも、ルーズベルトが全体主義のソ連と手を組んだことが間違いの始まりだったとしています。こういう米国保守本流の考え方からすれば、米国と日本の関係を大東亜戦争前の日米が戦争するなどとは思いもよらなかった頃の関係に戻すという考えは受け入れやすいかもしれません。

スターリン(左)とルーズベルト(右)

ただし、大東亜戦争前と現在とでは国際情勢が違いますから、全くその頃と同じということてはできません。しかし、日本としてはまずは国連の常任理事国入りは当然の前提条件とすべきです。

そうして、日本が自主防衛をするようになってにしても、日米の同盟関係は維持するという条件も前提条件とすべきでしょう。そうして、日米同盟の双務性を堅持すことも条件とすることは当然のことです。

その上でなら、米国による要請も受け入れて良いと思います。ただし、自分の国を自分で守ること、すなわち防衛戦争をできるようにすることや実際にすること自体は、米国とは関係なく、本来独立国としては、当然のことです。これができないというのは、日本は未だ独立国ではないという証です。

ただし、米国議会の日本に対して憲法改正圧力は、日本にとって憲法改正にはずみをつけるということから、日本政府は大いに利用すべきものと思います。

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2017年3月3日金曜日

今年度のスクランブル、1000回超えて過去最多に 河野克俊統幕長「中国が非常に活発」―【私の論評】支那は未だ航空兵力で日本を凌駕できていない(゚д゚)!


緊急発進のため、民間機の間を縫うように離陸する
航空自衛隊のF15戦闘機=2014年12月、那覇空港
 防衛省の河野克俊統合幕僚長は2日の記者会見で、日本領空に接近した外国軍機などに航空自衛隊機が緊急発進(スクランブル)した回数が今年度はすでに計1千回を超え、通年で過去最多を更新したことを明らかにした。これまでは昭和59(1984)年度の計944回が最多だった。背景について河野氏は「中国の活動が非常に活発化し、活動範囲も広がっていることが主な原因だ」と述べた。

防衛省によると、領空侵犯はなかったが、今年度のスクランブルは統幕が詳細を公表している第3四半期まで(昨年4~12月)で計883回(前年度同期比316回増)に達している。国別では中国が644回で全体の約73%を占め、ロシアの231回が続いた。

これまで最多だった昭和59年度は米ソ冷戦期で、ソ連機に対するスクランブルが大半を占めた。近年は積極的な海洋進出を背景とした中国機が急増し、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の空域に接近する中国機も多いという。元空自幹部は「中国は尖閣の実効支配に向け、領空侵犯を狙っている。増加傾向は続くはずで、日本も数の優位を確保すべきだ」と指摘する。

通年のスクランブル回数は4月に公表される。今年に入ってからは1月9日に中国空軍のH6爆撃機など計8機が対馬海峡の上空を往復。同月24日にはロシア軍のTU95爆撃機2機が日本を周回飛行するなどし、いずれも空自機がスクランブルを行った。全体の傾向として中国は戦闘機が、ロシアは情報収集機が多い。

【私の論評】支那は未だ航空兵力で日本を凌駕できていない(゚д゚)!

そもそも中国機やロシア機は、何を目的に日本の防空識別圏へ進入してくるのでしょうか。理由はいくつか考えられます。

まずは、政治的な目的です。2016年6月、東シナ海において中国軍戦闘機(恐らくSu-30MK2とみられる)が防空識別圏へ進入し、航空自衛隊のF-15Jと格闘戦へ入りかねない状態になったことが報道されました。また2012年には中国国家海洋局の小型機Y-12が、尖閣諸島付近で領空侵犯する事件も発生しています。これらは日本に対する圧力を狙ったものだといえます。

中国のSu-30MK2
ただ戦闘機や小型機に対してスクランブルすることは、実はあまり多くなく、爆撃機か情報収集機がその大多数を占めます。

爆撃機は訓練目的の場合が多く、昨年11月25日における太平洋上での支那のH-6Kの飛行も、射程2500kmのK/AKD-20らしき巡航ミサイルを搭載しており、グァムを標的にした訓練を実施したのではないかとされています。またK/AKD-20を搭載している姿をあえて航空自衛隊に見せることで、対米圧力を狙った政治的理由も兼ねていることが考えられます。

K/AKD-20sH-6k爆撃機
情報収集機の目的は、有事のための備えです。現代戦は「電波の戦い」であり、レーダーや通信ネットワークなどを活用し、同時に相手の電波を妨害する必要があります。

情報収集機は、あえて航空自衛隊機をスクランブルさせることで自衛隊側にレーダーや通信を使用させ、その電波を受信、解析する「信号諜報(シギント)」を行っているのです。Tu-154MやY-8CBは電波を逆探知するアンテナを多数搭載していることから、機体各部にアンテナをカバーする「こぶ」が多数あります。

こうした中国機やロシア機の飛行は、日本の主権が及ぶ領域である「領空」への侵入さえ行わなければすべて合法です。防空識別圏の境界とは、領空侵犯を未然に防ぐために独自に設定された、国際法上なんの法的根拠もない単なる「線」にすぎません。

したがって、たとえ防空識別圏の内側といえど、公海上空はどの国の主権も及ばない領域ですから、他国機の飛行を妨げることはできません。

また逆に、自衛隊もYS-11EB、EP-3などの情報収集機を保有しており、他国へ接近する信号諜報を実施しています。実際、過去には北朝鮮によって「日本の情報収集機が領空を0.001mmでも侵犯した場合は撃墜する」という声明が出されたことがありました。

とはいいながらも、支那のやり方は非常にまずいこともあります。それについては、軍事評論家の井上和彦氏が以下の動画で説明しています。



近年のスクランブル発進の急増は、中国の著しい軍拡や、かつて低迷していたロシア軍の復興によって、東アジア情勢が緊迫化しつつある証左です。今後もスクランブル発進の回数は高い水準を維持し続けると推測されます。

戦闘機の飛行時間は有限であり、無制限に飛ばすことはできません。その限られた中で訓練のための飛行時間も確保しなくてはならず、航空自衛隊、ひいては日本の防衛にとって、当分は厳しい状況が続くことになるでしょう。

ただし、戦闘機のパイロットの飛行時間は日本の自衛隊のパイロットよりもはるかに長いです。飛行時間が長いということは、良く訓練されているいることを意味します。これについては、以前このブログにも掲載しました。その記事のリンクを以下に掲載します。
中国戦闘機の女性パイロット、「金のクジャク」が事故死 「殲10」墜落相次ぐ「女性の理想像」称賛も、過度な訓練強化が要因か―【私の論評】事故の背景には、人為的構造的なものがあり早期解決は不可能(゚д゚)!
生前の余旭大尉
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にこの記事から一部を引用します。

"

保有戦闘機の数を比較すると以下のようになります。

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            日本 ・・・・・  360機
            中国 ・・・・・ 2570機


出展 こんなに強い自衛隊 著者: 井上和彦
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確かに保有台数では比較になりません。中国は日本の7倍もの戦闘機を持っています。しかし、戦闘機の質を見ると中国の戦闘機はかってソ連が開発した「ミグ19」ないし「ミグ21」の改良型ばかりであり、もはや骨董品級の代物なのです。

これに対して航空自衛隊は、F15(改良型)などの近代的戦闘機をずらりと揃えているのです。そうして近々F35 を導入する予定もあります。

戦闘機の優位性は、こうしたハード面だけでは決まりません。とくにこうしたハイテク戦闘機の場合、いかに機を使いこなせるかにかかっています。その尺度となるのは、飛行時間なのです。これについては、日本と中国の間には決定的な差があります。

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        ≪飛行時間≫
         航空自衛隊 ・・・・・ 年間最低150時間
         中国空軍  ・・・・・ 年間平均 25時間


ただし、最新鋭スホーイ27の部隊でもやっと年間100間程度と推測


出展 こんなに強い自衛隊 著者: 井上和彦
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さらに中国海軍は、慢性的な部品の欠乏という問題を抱えていて、飛べない戦闘機が多いのです。中国のスホーイ戦闘機の稼働率は60%といわれています。これに対して日本のF15戦闘機は、故障しても翌朝には飛び立てる状況になっており、その稼働率は90%です。
ただし、この60%という数字もあてにはなりません。私は以前軍事専門家から中国の航空機の全体の稼働率は20%以下という驚くべき数字を聞いたことがあります。中国の戦闘機のエンジンは外国製が多いということや技術水準が低いも考えると、確かに慢性的な部品不足に陥るのも無理のないことであり、この20%という数字もあながち全く根拠のない出鱈目とはいえないと思います。

飛行時間が、航空自衛隊のほうが中国よりも6倍あるのですから、稼働率も航空自衛隊よりも中国はかなり低いとみて間違いないです。スホーイ27の稼働率は中国でも例外的なのでしょう。

さらに、中国空軍の極端に低い年間飛行時間は、やはり戦闘機の稼働率が低すぎるため、十分に訓練できないという事情があるのではないかと考えられます。そうでないと、辻褄が全くあいません。
"

この記事では、支那の航空機の稼働率が20%であり、戦力外の航空機を除くと常時飛行させることができる航空機の数を計算した結果も掲載しました。その部分を以下に掲載します。
(戦力外の戦闘機は外してさらに)保有していても稼動しないのは飛べないので、存在しないのと同じなので除外します。そうすると、航空自衛隊の稼働率90%、従って実数は315機です。中国空軍の稼働率推定20%、従って実数は50機です。
このあたりの状況は、あまり報道されていないので、多くの人が知らないと思います。はっきりいえば、支那からすれば、日本の領空近くを飛行するというのは、まさに命がけなのです。しかし、現在はこの状況ですが、10年20年とたつうちに今のままでは中国に逆転される可能性もなきにしもあらずです。これも真実です。

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2017年3月2日木曜日

【阿比留瑠比の極言御免】民進党が旧民主党時代から投げ続けてやまない「ブーメラン現象」の研究―【私の論評】脱力感炸裂の今の民進党の救世主は馬淵氏だけ(゚д゚)!


参院予算委員会で民進党の小川敏夫氏(右)の質問に答弁する安倍晋三首相
=2月28日午後、参院第1委員会質
住んでいる自治体の運動公園の行事で、子供と一緒にブーメラン競技の体験教室に参加したことがある。かなたへと投じたブーメランが、きれいな弧を描いて自分の元に返ってくるのは確かに気持ちがよいものだった。民進党は、まるでこの快感のとりことなっているかのようである。

 2月27日の衆院予算委員会では大西健介氏が、28日の参院予算委では小川敏夫氏がそれぞれ、独特な保守色が注目されている学校法人「森友学園」をめぐり、安倍晋三政権との密接な関係を印象付けようと追及した。ところが、ともに民主党(現民進党)時代にも同様の関わりがあったことを指摘されて自爆した。

 これらは、本紙既報のため詳述は避けるが、いずれもお手本にしたいような正確なブーメランだった。相手への攻撃が寸分違わず自分に跳ね返る姿には、一種の様式美すら感じた。

 今や民進党といえば、ブーメラン現象を思い浮かべる人も少なくないことだろう。それにしても、事前に少しでも調べていれば誰でも分かることなのに、どうしてわざわざブーメランを投げようとするのか。何かやむにやまれぬ動機や理由はあるのだろうか-。

日本維新の会の足立康史衆院議員 写真はブログ管理人挿入以下同じ
 この点について、日本維新の会の足立康史衆院議員が以前、自身のブログで整理していたので紹介したい。足立氏によると、民進党議員のブーメランには、(1)反射型(2)指令型(3)信念型-の3つの類型がある。

 (1)は当人が深く考えずにその場の都合で反射的に口にするもので、(2)は当人の意向にかかわらず上からの指令でやっているもの、(3)は当人の思想・信条、強固な思い込みや勘違いなどによるものだろう。足立氏は、ほとんど無意味な(1)や(2)に比べ(3)は「反面教師くらいにはなりそう」と皮肉っている。

 また、ジャーナリストの山村明義氏は新著『日本をダメにするリベラルの正体』の中で、足立氏の言う「反射型ブーメラン」についてこう分析している。

 「リベラルな議員特有のもので、その特徴は、『過去をいつの間にか忘れる』というもの」

 「リベラル主義者は、その理念として常に『進歩主義』でなければならず、自分の歴史や過去を振り返ってはいけない、という先入観があるよう」

 確かに、民進党議員の国会質問を見ていると、3年3カ月にわたる民主党政権の失政への反省はほとんどみられない。国会では、政府側が「その政策判断は民主党政権時代のものだ」と指摘すると、堂々と「(今は)民進党だ」と反論する議員も見受けるほどだ。

 こういう議員らには、相手は「悪」「邪」だが、自分たちは「正義」「善」だという根拠のない決め付けがあるように思える。正義はわれにあるのだから、何を言っても許されるとばかりに相手のすべてを否定しようとするから、自分自身の過去の言動と矛盾してしまうのではないか。

 筆者が初めて署名記事で民主党に関しブーメランという言葉を用いたのは平成22年5月、当時の鳩山由紀夫首相に対してだった。

 「何か本質的な間違いというか、本質的な考え方がどうも違う。それが結果として表面的な失言につながっているのではないか」

 鳩山氏が20年11月に、麻生太郎首相(当時)に浴びせたこんな言葉を引いて、「見事なブーメランとなって跳ね返っている」と書いたのだった。あの時からもう7年近くたつが、この党は変わらない。

(論説委員兼政治部編集委員)

【私の論評】脱力感炸裂の今の民進党の救世主は馬淵氏だけ(゚д゚)!

何やら、最近の民進党はさらにグタグタぶりが、さらに加速したようです。これについては、前から一度このブログにも掲載しようとも思ったのですが、あまりのグタグタぶりに、なんというかゲンナリして、疲れてしまい、掲載しませんでした。

本日のブログ冒頭の記事、かなりよくまとまっていて、グタグタぶりがわかりやすく整理されていたので、本日はやっと掲載するつもりになることができました。

上の阿比留瑠比氏の指摘以外にも、最近の酷い民進党のグタグタぶりの事例があります。以下三つほどその事例をあげておきましょう。

まず第一は、大阪府が私学設置基準を緩和したときは、安倍政権の時ではなく、民主党の野田政権のときです。だから、民進党は、本当に基本的な事実の確認もできないで、とりあえず安倍政権を批判したいのです。


さて、上の写真はある方のブログから転用したものです。おそらく、最近の新聞のものだと思われますが、この記事には"しかし、12年4月、松井知事は突然「借り入れありの幼稚園」にも小学校参入の目とを開く・・・・"という下りがあります。

12年4月というと、確かに民主党野田政権時です。このまま追求を続けていくと、民進党は当時総理だった野田幹事長を追求しなければならなくなるかもしれません。まさに、大ブーメランです。

最初からこのようなことは分かつていますから、だから森友学園問題は、民進党議員が問題にしても、マスコミが問題にしても、いっこうにつまらなく、聞いていると、脱力感を感じるだけです。

次に、二つ目。衆院予算委員会の野党筆頭理事を務める民進党の長妻昭元厚生労働相が、ツイッターで「国会で追及してほしいことをお寄せください」と呼びかけました。ところが、ネットユーザーからは、民進党のあんな疑惑やこんな不祥事の“追及”を求める声が相次いで寄せられたのです。

衆院予算委員会で質問する民進党の長妻昭理事
1日のツイッターでの呼びかけに対しては、蓮舫代表の「二重国籍」問題や、“ガソリーヌ”こと山尾志桜里前政調会長の政治資金問題、後藤祐一衆院議員の防衛省職員への暴言問題など民進党議員の疑惑や不祥事を追及のテーマに据えるよう求める意見がまたたく間に集まりました。

女性をラブホテルに強引に連れ込もうとしたと「週刊新潮」に報じられ党青年局長を辞任した初鹿明博衆院議員や、旧民主党時代、国会の審議時間中に自民党の女性議員を投げ飛ばした津田弥太郎参院議員(すでに政界引退)の名も挙がりました。

当然のことながら、ツイッターなどのSNSは、不特定多数の人々が見ているものです。こういう結果になることを長妻氏は予測できなかったのでしょうか。できなかったとすれば、あまりにお粗末です。

蓮舫氏
最後は、連邦代表の動向です。参院予算委員会は2日、平成29年度予算案に関する3日間の基本的質疑を終える。野党第一党・民進党の質問時間は1日で全て終わったのですが、参院きっての論客であるはずの蓮舫代表がバッターとして立つことはありませんでした。

予算委で論戦が交わされた1日午後、蓮舫氏の姿は国会近くの民進党本部にありました。

「官では届かないサポートが必要な方々がいる」

NPO法人関係者と意見交換し、共生社会実現への意気込みを語った蓮舫氏ですが、国会論戦の主要テーマへの言及はありませんでした。

1月末の参院予算委で行われた28年度第3次補正予算案に関する質疑では、蓮舫氏は民進党のトップバッターを務め、稲田朋美防衛相らに舌鋒鋭く厳しい質問を浴びせて存在感をアピールしました。にもかかわらず、本予算案の論戦に姿を見せないことは非常に不自然です。

この1カ月間で蓮舫氏は党内での求心力を低下させました。次期衆院選公約の目玉にしようとした「2030年原発ゼロ」方針に支持団体の連合が猛反発。連合傘下の電力総連からは、党公認候補の推薦見送りまでちらつかされ、3月12日の党大会で表明する構想は断念に追い込まれました。


調整力不足が白日の下にさらされ、持ち味であるはずの「発信力」も空回りするばかりでした。原発政策に関する議論が行われた2月22日の党会合では、党側が報道陣に「蓮舫氏の写真撮影“NG”」を言い渡す場面もありました。表舞台で華やかに舌鋒鋭く対外発信を続けるより、まず地道に党内や支持団体の基盤固めをすべきでした。

私は、現在の民進党は大嫌いですが、それでも野党第一党としての本来の役割を果たすべきと思っています。

今の民進党は、まともな経済論議も、安全保障論議も、技術に関する論議もできません。さらには、党内や支持団体とまともにコミュニケーションをとることすらできません。

こんなことでは、野党第一党としての本来の役割を果たすことはできません。それでは、与党である自公に奢りや高ぶりがでてくるようになるかもしれません。

現在驕り高ぶっているのは、他ならぬ民進党です。自分たちは「正義」「善」だという根拠のない決め付けをして、与党は「不義」「悪」と決めつけ、上から目線でものいい、自らを一切反省しないから、グタクタになってしまうのだと思います。

この民進党をまともにするには、まずは民進党自体の日本経済に関する見方を根本的に変える必要があります。なぜなら、やはり多くの国民にとっての最大の政治課題は日本経済が良くなることです。

安倍政権がまがりなりにも、支持率が高いのは、8%増税によってGDPの伸びは低くとどまったものの、金融緩和策によって雇用情勢が劇的に回復したためです。安全保障などの問題も重要なのですが、やはり景気が良くなることが一番です。

そうなると、まともに経済論議のできない今の民進党では、どうにもならないわけです。民進党で経済に関してまともな感覚を持ち合わせているのは、現在では馬淵澄夫議員だけです。金子洋一氏もまともなのですが、残念ながら、昨年の参院選で落ちています。

民進党は、蓮舫氏に代表を退かせて馬淵澄夫議員が同党代表にならないかぎり、政策的な面で自公政権との対抗軸は打ち出せません。

馬淵澄夫議員
馬渕氏は過去には、金融引締め一辺倒の日銀相手にしっかりとしたインフレターゲット論を主張するなど、かなり勉強しているようです。国会会議録検索システムで、発言者=馬淵澄夫、会議指定=財務金融委員会で検索して、平成16年3月23日の議事録を見ると、馬淵議員と福井日銀総裁のやりとりを読むことが出来ます。

馬渕氏が代表になれば、国会でまともな経済論議ができるようになるかもしれません。今の民進党は破茶目茶な経済論議しかできません。代表選の時の候補者の三人の全員が増税すべきという持論を展開していました。全く話にも何にもなりません。彼らは、まとに経済統計を見ているのでしょうか。いや、目が悪いのではないでしょうか。

とにかく、今の民進党の救世主は蓮舫でもなく、山尾志桜里でもなく、その他有象無象のどうでも良い議員などではありません。馬渕氏です。

私は、無論民進党支持者ではなく安倍政権を微温支持しています。他に、支持できる政党や、政治家がいないので、支持しているのです。安倍総理がいなくなれば、自民党を支持しないかもしれません。しかし、そうなっても、今のままの民進党なら支持できません。

自民党から民主党への政権交代のときも、「一度はやらせてみせるべき」などとは思いませんでした。最初から経済がさらに落ち込み大変なことになると思いました。そうしてそれは的中しました。

それにしても今の民進党は以前にも増して酷すぎます。国会での民進党議員の著しくレベルの低い国会論戦などもう見たくも聴きたくもありません。あれを見ていると、最近は本当に脱力感ほ感じるようになったので、もっとまともになってほしいです。

そうして、本来のや第一党の役割を果たすべきです。今のままの民進党なら、はやく消えたほうが良いです。

いっそ、ガラガラポンをして、民進党を消滅させ、馬渕氏を党首とした新党をたちあげるべきなのかもしれないと思ってしまいます。

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2017年3月1日水曜日

台湾、蔡総統が2・28事件の「責任追及」表明 70年の式典で―【私の論評】台湾は蒋介石の南京での卑劣な敵前逃亡を暴き出せ(゚д゚)!


蔡英文総統 写真はブログ管理人挿入 以下同じ
台湾の蔡英文総統は28日、中国国民党政権が台湾住民を弾圧した「2・28事件」から70年の式典で事件の責任を追及する方針を示した。蔡政権下では当時の国民党総裁で初代総統、蒋介石の評価を見直す動きが改めて出ており、国民党は反発している。一方、中国は事件を中台統一工作に利用したい考えで、歴史認識の差が浮き彫りになっている。

蔡氏は台北市内の式典で、「和解は真相の上に築かれるべきだ。事件の責任の帰属を処理する」と述べた。事件とその後の「白色テロ」と呼ばれる政治・言論弾圧の真相解明のため、法律を制定し「独立機関」による調査を行う方針も示した。蔡氏の出席は就任後初めてだが、1995年の李登輝総統(当時)以降、歴代総統が言及した謝罪の言葉はなかった。

鄭麗君文化部長(文部相に相当)は2月25日、蒋介石を顕彰する台北の「中正紀念堂」のあり方を見直すと発表。「権威主義を崇拝する宣伝品」の販売を中止し、28日は終日、紀念堂を閉館させた。

中正紀念堂
新北市の大学では同日未明、蒋介石の銅像を壊した学生4人が警察に拘束された。事件の見直しを通じた「脱蒋介石化」の動きは、同じ民主進歩党の陳水扁政権(2000~08年)下でもあり、国民党の洪秀柱主席は「政治屋が(事件の)傷口に塩を塗り、政権基盤を固めようとしている」と反発している。

一方、中国共産党は事件は「中国人民による解放闘争の一部」とする歴史観の宣伝に躍起だ。背景には、事件が台湾独立運動の「原点」として注目され、反中機運が再び高まることへの警戒感がある。北京では23日、記念行事が開かれ、全国政治協商会議の林文●(さんずいに猗)副主席が「国民党の独裁に反対する台湾人民の愛国民主運動だった」と「解放闘争」の側面を強調した。

ただ、中国側の動きについて、政治大学(台北)の陳芳明講座教授は「笑い話だ。北京が2・28事件を記念すればするほど、台湾人民は永遠に(中国と)一緒にいたくないと思うようになる」と指摘。台湾では冷ややかな受け止めが主流を占めている。

【私の論評】台湾は蒋介石の南京での卑劣な敵前逃亡を暴き出せ(゚д゚)!

「2・28」事件につていて、上の記事ではあまり詳細に説明されていないので、まずはそれについて説明させていただきます。

昭和二十年の日本の敗戦で、台湾はGHQの命令を受けた中華民国軍の進駐を受けました。そして中華民国は一方的に台湾の領土編入を宣言。これで日本の統治は終焉しました。

これは明らかに武力に基づく領土拡張。つまり立派な不法行為です。台湾は東トルキスタン、チベットに先立ち、支那人の侵略を受けたのです。

戦後、真っ先に中国の侵略を受けたのが台湾でした。上の写真は45年10月、台湾領有宣言を行った支那軍。

かくして始まったのが、近代的な台湾人に対する前近代的な中国人の過酷極まりない支配でした。

法治社会は一夜にして人治社会へと変わり、汚職、略奪、暴力に満ちることになりました。かくして日本統治時代に築かれた近代的な社会、経済、産業、金融システムは崩壊したのです。治安と衛生環境が悪化し、さらには食糧不足に陥り、この豊かで先進的な島は暗黒世界と化したのでした。

支那人は日本人化(近代国民化)した「漢民族」を日本人以上に憎み、蔑みました。そのため台湾人は日本統治時代にはみられなかった不条理な差別を受けることになりました。

そうした中の昭和二十二年、圧迫に耐えかねた台湾人が怒りを爆発させたのです。

契機は二月二十七日、貧しい煙草売りの女性が支那人役人に殴打されたことにあります。群集が役人に襲い掛かり、一人が銃撃を受けました。翌二月二十八日、群集が抗議のために官庁に殺到。憲兵隊の機銃掃射を受け、数十人が死亡しました。

47年2月28日、台北で抗議の民衆が暴動
こうして二・二八事件が勃発しました。市民はデモやストライキを開始しました。この抗議行動は翌三月一日、全島各地に波及し、中国人官民への襲撃や、軍との交戦が頻発しました。

台湾人側の攻撃の主流を担ったのが元日本兵や軍事教練を受けた学生たちでした。その強さに支那人は「皇軍が復活した」と恐れおののきました。その一方で各界のリーダー、エリートたちが事件の「処理委員会」を結成し、平和的な事態の収拾と台湾人自治などの改革要求を行いました。

支那人側は本国に鎮圧部隊の派遣を要請。その到着までの時間稼ぎとして、処理委員会要求の受諾を装った。

そして三月八日、米軍式装備を施された精鋭部隊が台湾へ上陸。島内各地で無差別虐殺を開始しました。千人以上の群集への機銃掃射、残虐な手段による逮捕者の集団処刑等々、支那の残虐さを目の当たりにした台湾人は度肝を抜かれ、戦意を喪失しました。その後も反抗に関与の疑いがある者を根こそぎ逮捕し、処刑を続けました。ことにエリートは主要ターゲットとなり、多くが殺戮されました。
中国軍の無差別虐殺。その残虐さに台湾の民衆は抵抗を諦めた
支那による銃殺
台湾人の手足を針金で貫いて数珠繋ぎにし、生きたまま川に落した
この事件での犠牲者数は不明ですが、民主化後の台湾政府の推定では実に二万八千人に及んでいます。

ではなぜ台湾人は、ここまで勇敢に反抗に立ち上がることができたのでしょうかか。

近年、聞き取り調査を受けた犠牲者遺族の複数は「日本精神があったため」と話しています。つまり不条理な支那人支配に対して義憤に燃え、身の危険も顧みずに社会正義を訴えるため、戦ったのです。そしてそれが支那軍の報復を招いたのです。

また、事件当時に関する手記などを読むと、苦境に陥った台湾の民衆の間で、日本軍は必ず救援に来るだろうと広く信じられていたこともわかります。

あの強力な軍隊が元同胞である台湾人を見捨てるはずがないと、人々は思っていたのだでしょう。

だがその日本もまた占領下にあり、そのようなことは不可能でした。事件自体も日当時本にはほとんど伝えられませんでした。

その後、台湾人は中華民国(国民党政権)の独裁支配下に置かれ、事件を口にすることもできなくなりました。それが語られるようになったのは九〇年代の民主化で、台湾人による新国家建設が始まった以降です。

こうした台湾人勢力の擡頭を恐れた国民党は、台湾併呑を目指す中共と提携し、その恫喝の代弁者となって台湾人を萎縮させました。そして〇八年の国民党の馬英九が政権を獲得した後は、大陸支那に近い政権運営がなされるようになりました。

しかし、昨年の選挙で国民党が敗北し、民主進歩党の蔡英文が勝利し、新政権が樹立されたのです。

そうして、このたび、蔡英文総統が2・28事件の責任を追求することを表明したのです。そうして、これは当然のことだと思います。

そうして、日本としては蔡英文総統により2・28事件の追求を歓迎すべきものと思います。現在、台湾政府は残念ながら南京虐殺に関しては大陸支那と同じような見方をしています。それについては、このブログでも以前掲載したことがあります。

その記事のリンクを以下に掲載します。
「尖閣は台湾のもの?」“二重国籍”蓮舫新代表が知っておくべき日本と台湾の対立点―【私の論評】南京・尖閣問題で台湾は決して親日ではない(゚д゚)!
民進党代表決定の名前を呼ばれる直前にハンカチで目頭を押さえる 蓮舫新代表=昨年9月15日
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、台湾は尖閣諸島を自らの領土あることを主張していること、さらに南京虐殺に関しては大陸中国と同じような見方をしていることを掲載しました。

そうして、尖閣が台湾領であることは無理筋の主張であることを掲載しました。

無論、これらは国民党政権の時からのものであり、国民党がこのような見方をしていたのですが、民主進歩党になってからも特に表立って、変更したという声明はありません。

尖閣に関しては、そもそも全くの無理筋であるということは、あまりにもはっきりしており、馬英九政権のときは、台湾政府はそのような主張をしていましたが、現在の蔡英文政権になってからは、表立ってそのような主張はしていません。そのようなことから、今後台湾が尖閣諸島に関して、領土的野心をむき出しにするというようなことは考えられません。

蒋介石台湾初代総統
そうして、もう一つの問題である、南京虐殺事件に関しては、この記事では、その大きな責任が蒋介石にあることを掲載しました。その部分を以下に引用します。
『南京事件』は当時の新聞に、国民党軍(現在の台湾軍)が南京を去るとき8万人の市民を犠牲にした、と記載しています。南京虐殺の真実は、南京では通常の戦闘ではなく、異常な戦闘が行われたということです。 
なぜ、異常な戦闘になったかといえば、国民党政府軍軍事委員長・蒋介石が戦いの途中で麾下の数万の兵士を置き去りにして高級将校とともに南京から逃げたからです。この時蒋は督戦隊を残して逃亡しています。 
督戦隊とは、逃げる兵士を撃ち殺す部隊のことです。そのため、南京市内の国民党軍兵士は逃げるに逃げられなかったのです。 
1937年(昭和12年)12月13日に日本軍は南京城に入城しました。当時毛沢東の共産党軍は南京にはおらず、大陸中国の奥地を逃げまわっていました。日本軍は開城を勧告したが応じなかったというか、司令官も存在せず督戦隊が存在したので、国民党軍兵士は降伏することができませんせんでしたので攻城戦となりました。 
そうして、日本軍に包囲され、指揮官を失い、逃げ道を失った彼らは、投降するより軍服を脱ぎ捨てて便衣を着て民間人になりすましたのです。南京入した日本軍は、脱ぎ捨てられたおびたたしい数の国民党軍の軍服を発見しました。
日本軍は当惑しました。南京市内には一般市民がいる。彼らと便衣を着て、一般市民になりすましている便衣兵とを見分けるのは難しいです。 
結局当時の中支那方面軍司令官の松井石根大将は、便衣兵の掃蕩作戦を行わざるを得ませんでした。そうして、掃蕩した便衣兵の中には、一般中国人が含まれていた可能性は否定できません。ただし、この人数が20万人〜30万人というのは、虚構にすぎません。
日本軍の南京入場
松井石根大将は、この事件のため戦後に極東軍事裁判において死刑になっています。しかし、この事件の大元の責任者である、蒋介石と高級将校たちには、いっさい何の罪にも問われていません。 
南京に蒋介石が残っていたら、あるい蒋介石ではなくとも、高級将校が一人でも残っていて、日本軍に降伏していたら、あるいは南京の国民党軍がはやめに全員が南京から逃れていたら事態は混乱せず、日本軍が便衣兵を処刑する必要もなかったはずです。 
この所業は、どこの国においても、とんでもない敵前逃亡です。国民党としては、この事実を隠蔽したかったのでしょう。すべての責任を日本軍押し付け「日本軍による市民大量虐殺」という虚構を作り出し、今に至っています。

これが南京事件です、後に台湾に逃げ込んだ蒋介石や国民党軍の幹部としては、南京の敵前逃亡を台湾の国民に知られてしまえば、それこそ統治の正当性が疑われしまいます。たでから、自分たちの卑怯な敵前逃亡を有耶無耶にするため、南京大虐殺という虚妄を作り出し、自分たちの所業を隠蔽したのです。 
現在の外省人で、特に国民党関係者や国民党だった人々を先祖に持つ人達は、このような事実を明るみだされるのは、自分たちにとって都合が悪いのでしょう。結局、大陸中国と同じく「南京大虐殺」という虚妄を虚妄とは認めません。
国民党総裁で初代総統、蒋介石は、国民党やその支持者の中では建国の父であり、英雄でもあります。しかし、今回蔡英文総統中国国民党政権が台湾住民を弾圧した「2・28事件」の責任を問い、初代総統、蒋介石の評価を見直すというのですから、我が国としては、蒋介石による南京での犯罪も明らかにし、南京市民30万人虐殺という虚妄も正していただきたいものです。

それから、当然のことながら、尖閣諸島は台湾領であるという虚妄も捨て去って頂きたいものです。そうすることにより、大陸支那との違いを鮮明にしていただきたいものです。

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2017年2月28日火曜日

【スクープ最前線】“新”正恩氏斬首作戦 トランプ氏「最終決断」秒読み…特殊部隊の単独作戦で「すでに待機」―【私の論評】正恩は、習近平によって斬首される(゚д゚)!

【スクープ最前線】“新”正恩氏斬首作戦 トランプ氏「最終決断」秒読み…特殊部隊の単独作戦で「すでに待機」

トランプ大統領
北朝鮮情勢が緊迫している。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏殺害事件などを受け、ドナルド・トランプ米大統領が最終決断を迫られているのだ。「兄殺し」もいとわない狂気のリーダーに、核・化学兵器搭載可能な大陸間弾道ミサイル(ICBM)を握らせれば、世界の平和と安定が脅かされかねない。ジャーナリスト、加賀孝英氏の独走リポート。

「あいつ(正恩氏)は異常だ! テロリストだ! トランプ大統領は、そう吐き捨てたようだ」

旧知の米情報当局関係者はそう語った。

驚かないでいただきたい。朝鮮半島有事が秒読みで迫っている。

米国は、国連安保理決議を無視した新型中距離弾道ミサイルの発射(12日)や、猛毒の神経剤VXを使用したマレーシアでの残忍な正男氏殺害事件(13日)を受け、新たな「作戦計画=正恩氏斬首作戦」を準備した。

米国はこれまで、北朝鮮に対して「作戦計画5015」を用意してきた。どこが違うのか。米軍関係者が明かす。

「5015は、北朝鮮の核・軍事施設など約700カ所をピンポイント爆撃し、同時に、米海軍特殊部隊(ネービーシールズ)などが正恩氏を強襲・排除する。新作戦計画は、特殊部隊の単独作戦だ。国際テロ組織『アルカーイダ』の最高指導者、ウサマ・ビンラーディン殺害時と同じだ」

米国は2011年、パキスタンでビンラーディン殺害を決行した。米軍の最強特殊部隊が深夜、ステルス型ヘリコプターなどに分乗して、潜伏先上空からロープで降下し、わずか40分の銃撃戦で成し遂げた。


オサマ・ビンラディンの殺害を報ずるオバマ大統領

「ビンラーディンにつけられたコードネームは『ジェロニモ』だった。正恩氏にもコードネームがつけられた」といい、米軍関係者は続けた。

「作戦部隊はすでに朝鮮半島周辺の所定の場所に待機している。トランプ大統領の決断待ちだ。正恩氏の隣にわれわれの協力者がいる。正恩氏は100%逃げられない」

事態は緊迫している。以下、複数の米政府関係者らから得た情報だ。

「米国は昨年末から、中国に『米国の作戦計画の黙認』『正恩政権崩壊時の介入方法』について事前協議を申し入れた。トランプ氏と習近平国家主席による9日の米中首脳電話会談でも出た。中国は逃げている」

「米ウォールストリート・ジャーナルが24日に一部報じたが、北朝鮮は水面下で『正恩氏直結の女』こと北朝鮮外務省の崔善姫(チェ・ソンヒ)北米局長の訪米と、元米政府当局者との非公式接触を打診していた。命乞いの訪米だが、米国は崔氏の入国ビザの発給を拒否、蹴飛ばした。米国の断固たる決意だ」

一方、正恩氏は狂乱状態のようだ。

「正恩氏は米国におびえて、周囲を罵倒し、暴れ、影武者を立てて、居場所が特定されないよう、地下にある5カ所の秘密部屋を転々とし、隠れている」

3月には、正恩政権殲滅(せんめつ)を目的とした史上空前規模の米韓合同軍事演習が始まる。

加賀孝英かが・こうえい)

【私の論評】正恩は、習近平によって斬首される(゚д゚)!

韓国にはすでに昨年の段階で、米軍の金正恩斬首部隊が配置されています。それに関しては、このブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを掲載します。
在韓米軍、「金正恩斬首」の特殊部隊を配備―【私の論評】戦争に傾く混迷の2016年以降の世界を日本はどう生き抜くのか(゚д゚)!

この記事は、昨年の2月5日のものです。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部を引用します。
在韓米軍がこのほど、第1空輸特戦団と第75レンジャー連隊所属の特殊部隊を韓国にローテーション配備した。 
同部隊は、イラク戦争やアフガニスタンでの戦闘に投入され、敵の要人を暗殺する「斬首作戦」などを担ってきた。核・生物化学兵器などの大量破壊兵器(WMD)の除去作戦も行う。 
在韓米軍の発表によれば、「特殊部隊は韓国特殊戦司令部と共に特殊戦司令部準備態勢や能力増大のための訓練を行う」という。訓練には、特殊部隊を極秘潜入させる米空軍のMC-130J支援機も投入される予定。 
在韓米軍がこうした発表を行うのは異例。
これは、はっきそうは言ってはいないものの、米軍が金正恩斬首部隊を韓国に配置したということを表明しています。

この斬首部隊は引き続き今年も、韓国に駐留しています。オバマ政権と同じく、トランプ政権も、条件が揃えば、金正恩を斬首する構えに変わりがないようです。

このような事実を前提に考えると、北朝鮮の故金正日総書記の長男、金正男氏が殺害された事件の背景には、“核のドミノ現象”を避けたい思惑で一致している米国と支那が水面下で進めていた、金正恩暗殺計画の頓挫があったかもしれないということがいえるかもしれません。

アメリカ軍は上に掲載したように、昨年、「斬首部隊」韓国入りさせ、すでに訓練も終了し、スタンバイ状態にありました。一方の支那も、ここにきて人民解放軍の特殊部隊を支那朝国境付近に備えたと言われていました。

習近平は、度重ねて強行する北朝鮮の核やミサイルの実験に堪忍袋の緒が切れており、直接手を下さなくとも朝鮮人民軍に働き掛けてクーデターを起こさせようとしていた可能性は、ゼロではないでしょう。そもそも、北朝鮮のミサイルは米国には未だ到達する水準にありませんが、支那には現在の水準でも十分届きます。

金正恩にブチ切れている習近平
このまま正恩を放置すれば、北朝鮮の核開発はエスカレートし、いずれ手が付けられなくなるのは目に見えています。その前に中支那が“排除”に動いても不思議はないです。

アメリカと支那が“戦略的忍耐”を強いられているあいだに、北朝鮮は核の小型化や潜水艦発射弾道弾の発射実験まで行い、さらには大陸間弾道弾のエンジン燃焼実験にも成功したと吹聴したことで、北朝鮮の大量破壊兵器がアメリカ本土に到達する日が差し迫っています。

こうした現状で、朝鮮人民軍に宮廷クーデターを働き掛けている時間的な余裕はなく、いまこそ最も有効な手段として考えられたのが金正恩の暗殺だった可能性が大です。

ところが、昨年末に行われたアメリカ大統領選挙により新たなリーダーが誕生しました。支那は正恩暗殺のような大きな外交政策を決定できる余地がなくなりました。

しかし、米国と支那は共に、正恩の暗殺で国際社会から批判される危険性が非常に小さいです。それどころか逆に世界から称賛を受ける可能性すらあります。むしろ、中国には2つの面で好都合なのです。

米国特殊部隊が暗殺を決行した場合、朝鮮半島の将来に対する主導権は米国と韓国の両国が握りますが、支那側が米国より先んじた場合には、朝鮮半島の将来に対して強い発言権を行使できます。

支那が“正恩暗殺”というカードを切れば、アメリカはその後の朝鮮半島の統治について、支那主導の路線を追従せざるを得なくなります。そうなれば、支那は金正日総書記の長男であった金正男氏の政権を擁立し、北京寄りの緩衝国家を構築する腹づもりであったことでしょう。

まさに、金正恩は米国と支那のいずれかによって、暗殺されようとしたところを、まさかの先制攻撃に出て、金正恩氏を暗殺することにより“その可能性”を毒で制圧してしまったのです。

こうなった以上、米国と支那は果たしてどう動くでしょうか。正恩がパンドラの箱を開けてしまったことだけは間違いありません。

中国の特殊部隊「雪豹部隊」
そうして、金正恩がもっとも嫌がる米韓合同軍事演習が3月1日から開始されます。前回の演習のテーマは金正恩の「斬首作戦」であったことは記憶に新しいです。

金正恩が兄の正男氏を毒殺した後の今回の演習テーマはどうなるのか金正恩はまさに戦々恐々としてるに違いありません。しかし、米韓の手によって金正恩の首を取ることは現実的にかなり難しい面があることは否めないです。

なぜなら刺客である韓国人やアメリカCIA工作員を北朝鮮国内に密かに送り込むことは極めて困難であるし発見されやすいからです。

それよりも金正恩の首を獲れる可能性が高いのはやはり支那です。兄の正男氏の毒殺後に支那が北朝鮮の全面的な石炭輸入禁止を行ったことは金正恩の「斬首作戦」の始まりを告げてると言っても良いかもしれません。

金正恩はその若さゆえに歴代の金一族がタブーにしてきた支那への対立を剥き出しにし、支那の保護下にあった正男氏が支那の国外にでた途端に毒殺してしまったのですから、支那は隣国である北朝鮮のリーダーとして金正恩政権の存続を決して許さないでしょう。

正男殺害でパンドラの箱を開けてしまった金正恩
しかも、支那は米韓とは異なり北朝鮮国内に自国の人間を自由に行き来させられる利点があります。そもそも、支那国内にも支那国籍の朝鮮族が大勢います。

米国による斬首作戦よりも、貿易関係者や商人を装って工作員を北朝鮮の領土内に何食わぬ素振りで多数送り込み北朝鮮国内の不満分子を扇動し、毒殺された正男氏の長男キム・ハンソルをリーダーに立て正義のためのクーデターを起こさせるという方がより現実味があります。

表向きには中国がクーデターに加担したことがわからないまま金正恩を北朝鮮の人々の手で討ち取ったことにできる確実な「斬首作戦」です。悪行の限りを尽くしている金正恩に対して怒り心頭の習近平政権こそ、金正恩を斬首する可能性が高まってきました。

いずれにせよ、それが、来週になるのか数年後なのかはわかりませんが、金正恩は米国、支那のいずれかの実行部隊の条件が揃えば、斬首される運命にあるとみるべきです。

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【金正男氏殺害】容疑者4人は国家保衛省出身、2人は外務省所属 韓国情報機関が説明―【私の論評】動機は金正恩の統治の正当性の低さにあり(゚д゚)!


2017年2月27日月曜日

【金正男氏殺害】容疑者4人は国家保衛省出身、2人は外務省所属 韓国情報機関が説明―【私の論評】動機は金正恩の統治の正当性の低さにあり(゚д゚)!

【金正男氏殺害】容疑者4人は国家保衛省出身、2人は外務省所属 韓国情報機関が説明



北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏殺害事件は、発生から27日で2週間となった。 だが、正男氏の親族のマレーシア入りはまだ実現していない。マレーシアのスブラマニアム保健相は26日、親族によるDNA型鑑定が困難な場合、歯型や顔のほくろによる照合も遺体の身元を確認する方法になり得る、との考えを示した。

一方、韓国の情報機関、国家情報院は27日、正男氏殺害について「北朝鮮の国家保衛省(秘密警察)と外務省などが直接主導した国家主導のテロ事件である」との見方を示した。国会情報委員会で報告した。

同委出席者が会議後、メディアに明らかにしたところによれば、国情院は事件の容疑者8人のうち4人が国家保衛省出身で、2人が外務省所属だったと説明した。

犯行には2つの暗殺グループが関与。2つのグループは外国籍の女を含む3人1組で別々に行動していたが、マレーシアで合流し13日に犯行を実行した。

また、駐マレーシア北朝鮮大使館のヒョン・グァンソン2等書記官(保衛省所属)ら4人の支援グループが、正男氏の動向追跡などの役割を果たしたという。

【私の論評】動機は金正恩の統治の正当性の低さにあり(゚д゚)!

日本のメディアでは、暗殺方法、暗殺にかかわった組織などについて、時間の経過とともに報道されています。しかし、暗殺の動機は何だったのかということについてはあまり触れられていません。本日にそれについて掲載しまする

これについては、日韓の複数のメディアが、"北朝鮮の金正恩党委員長の異母兄・金正男(キム・ジョンナム)氏が殺害されたのは、脱北者による「亡命政府構想」がきっかけだった"と報じていますそれによると、韓国政府も、昨年4月29日にソウルで開かれた世界中の脱北者の結束を訴える集会で同構想が浮上したことが、正男氏殺害の契機になったとみているそうです。

では、亡命政府とは一体どのようなものなのでしょうか。

一般的には、他国の侵略やクーデターによって自国の政治から排除された旧政府メンバーや国民が、外国に脱出してその地で作る仮の政府組織を言います。今回のケースでは、北朝鮮の金正恩体制への対抗勢力を組織することを目的に、脱北者の求心力となる組織を作ろうということです。

北朝鮮が、本当に亡命政府への警戒から正男氏を殺害したのだとしたら、「喜び組」など体制の恥部を暴露したことに対する報復として実行された20年前のロイヤルファミリー暗殺とは、だいぶ性格を異にしていることになります。


2013年の夏ごろには、韓国で脱北者による亡命政府構想の動きがありました。すでに国旗の案もあり、元北朝鮮官僚を当てた主要な「閣僚」名簿もあったと思います。

記憶があいまいなのは、当時私は、この話をさほど真剣に受け止める気がしなかったからです。脱北して韓国入りした北朝鮮の人々は昨年末までの間に3万人を超えました。この間、様々な脱北者団体が人権運動で成果を上げている事実はありますが、3万人どころか千人単位の脱北者を束ねるような党組織はいまだに生まれていません。

そのような状況で亡命政権の看板だけを掲げてみても、無意味だと思われたからです。

そうした状況は、北朝鮮当局も把握していることでしょう。先の脱北者集会では、金正恩政権に対抗できる指導者として正恩氏の叔父の金平一(キム・ピョンイル)駐チェコ大使や正男氏の名前が挙がったといいますが、彼らにも、広範な反体制運動を率いることのできる政治的パワーはありません。

金平一氏
しかしそれでも、指導者としての「正統性」において何かとツッコミを受けやすい正恩氏が、こうした動きを放置できなかったということは考えられます。

北朝鮮の指導者は、先代の思想と教えを独占的に解釈することで独裁を保っている部分があります。そういう意味で、正恩氏にとって平一氏や正男氏は「煙たい存在」だったことでしょう。なぜならこの2人は、同じ金王朝の血を引いている上に、正恩氏の知らない祖父・金日成主席や父・金正日総書記の姿や教えを、たくさん知っているからです。

核武装を成し遂げ、そう簡単には外部から攻撃を受けにくくなった正恩氏にとっては、国内での権力をより完璧なものにすることをより重要であると考えている可能性があります。そう考えれば、たとえ実質的な力のない亡命政権であっても、北朝鮮国民に向け、それなりに意味ある言葉を語れる「指導者」が現れることは、阻止すべき課題だったのでしょう。

しかし、これだけだと、今回のような暗殺劇はなかったかもしれません。もう一つ忘れてはならない、大きな動機があります。それは支那の存在です。

歴代の支那政府が「兄弟国」の金王朝に配慮してきた目的は、属国化することにありました。

そのため、支那の改革開放政策を支持する正男氏を、正日氏の後継者候補と見据えて、義理の叔父、張成沢(チャン・ソンテク)国防副委員長を後見人とする体制の実現を目指してきました。

粛清された張成沢氏 紺色を服装の男性
ところが、金王朝の3代目に指名されたのは3男の正恩氏でした。「支那に近づきすぎた」張氏は13年12月、無残な最期を遂げました。支那政府は以来、正男氏の身辺警護をより強化してきましたた。

正恩氏の支那国内のカウンターパートは劉氏(江沢民派)ですが、習一派は劉氏を含む江沢民派を完全に敵視していました。そのうえで、習氏は、オバマ米政権時代からの密約とされる「北朝鮮の核開発無力化」へ舵を切りました。この1年、北朝鮮の核開発を支援する支那企業の摘発と責任者の逮捕、東北3省の幹部の首のすげ替えなどに邁進(まいしん)してきました。

習氏は、正男氏の“出番”をひそかに伺っていたのです。このような動きにも金正恩は、神経を尖らせていたことでしょう。

こうしたなか、習一派らに江沢民派が一掃されれば、正恩体制そのものが危うくなります。

だとすれば、正恩氏にとって最大の不安要因である正男氏を、是が非でも抹殺するしかありません。

いずれにしても、正男氏が支那の野望の中で擁護され、その揚げ句、犠牲となったことは確かです。

これら、二つの動機が重なって、正男氏は暗殺されたのです。どちらか一方だけであれば、暗殺されなかったかもしれません。

そうして、この根底には無論のこと、支那や北朝鮮に共通する、国やリーダーの統治の正当性の低さということもあるでしょう。支那や北朝鮮などの政府に統治の正当性の低い国々は、日本等を悪者にしたてて、人民の憤怒のマグマが自分たちに降りかからないようにして、統治の正当性を主張するのです。

正男氏が亡命政府のリーダーになり、江沢民派が一掃されるということになれば、習近平は亡命政府の正男氏の北朝鮮への復帰を画策したことでしょう。

仮にそうなったにしても、北朝鮮が少なくとも韓国なみの民主国家であったとすれば、選挙によって選ばれるなどの正当な手続きを経て統治の正当性がある程度裏付けされたリーダーが、亡命政府のリーダーにとって替わられるなどという危険は微塵もありません。

しかし、支那や北朝鮮はそうではありません。統治の正当性が極端に低いので、いつどうなるかなど何の保証もありません。だからこそ、正恩は自らの統治の正当性を主張するためにも、意図して、意識して正男氏を暗殺する必要があったのです。

統治の正当性の低い、政府や指導者、幹部などはその低さを補うために、時には暗殺などを手がける必要があるのです。恐ろしいことです。

統治の正統性とは、本来統治するものが現実に社会に貢献するとき、初めて手にすることのできるものです。貢献しないものは、選挙で選ばれようと、そうでなかろうと、統治の正当性を獲得することはできず、いずれ滅ぶのみです。


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2017年2月26日日曜日

陸自が米海兵隊と合同訓練、離島奪還を想定―【私の論評】日本は自国の防衛のため軍事作戦を遂行する意思や能力があることを示せ(゚д゚)!

陸自が米海兵隊と合同訓練、離島奪還を想定



 離島防衛能力を高めようと、アメリカ・カリフォルニア州で陸上自衛隊がアメリカ海兵隊と合同訓練を実施しています。

陸上自衛隊とアメリカ海兵隊の合同訓練、通称「アイアン・フィスト(鉄拳)」。12回目となる今年の訓練には、日米あわせて850名の隊員が参加しました。現地25日は、武装した敵に占拠された離島を奪還するという想定で、沖合の揚陸艦から水陸両用車が続々と上陸し、部隊を展開する様子が公開されました。

「水陸両用車AAV7には、陸上自衛隊の隊員も乗り込んでいます。操縦訓練なども行うということで、こうした訓練は今回初めてになります」(記者)

今回の訓練は、来年3月に離島防衛などを担う「水陸機動団」が新編されることをにらみ、実際に配備されるものと同じタイプの水陸両用車で陸上自衛隊の隊員が操縦訓練を行うなど、より実戦に近い形で実施されました。

「まさに同盟の抑止力、そして対処力を強化しうる、極めて重要な機会と考えています」(陸上自衛隊西部方面総監部 戒田重雄 幕僚副長)

日米それぞれの幹部は、「こうした訓練を通じて日米の連携をさらに深めていく必要性がある」と強調しています。(26日10:51)

【私の論評】日本は自国の防衛のため軍事作戦を遂行する意思や能力があることを示せ(゚д゚)!

今でこそ水陸両用作戦を自衛隊員がアメリカまで赴いて訓練をしていますが、元々は日本が編み出したものです。これは、元々は日本軍が真珠湾攻撃に続き、太平洋諸島を攻略した際に編み出した戦法です。


上の写真は、大東亜戦争中に島嶼に上陸した特三式内火艇です。本車は潜水機能を持ち、走行装置を強化、車体前後に浮航用の浮舟を装着しています。砲塔の上部に搭載されているのは投棄可能な展望塔です。砲塔後方の筒は空気吸入筒です。

自衛隊は昨年も10月末から11月にかけ、北マリアナ諸島で実施した米軍との大規模な合同演習で、まさにその作戦の訓練を行いました。

水陸両用作戦は、今の日本が安全保障上の最大の懸案とみなす尖閣諸島(中国名・釣魚島)問題にかかわっています。

水陸機動団の要水陸両用車AAV7
日本は現在、3000人規模となる水陸機動団の編成を進めています。日本は、ようやく米海兵隊に相当する部隊を設けようとしているのです。その理由はひとつ。中国との間で尖閣諸島問題を抱え、侵入された場合の奪還作戦に備えようとしているからです。

さらに、防衛省は30年度までにオスプレイ17機を取得することを目指し、佐賀空港への配備を計画しています。昨年、11月8日には山口祥義知事の要請を受け、米海兵隊が騒音確認を目的としたオスプレイの試験飛行を実施しました。

水陸機動団は離島防衛の専門部隊「西部方面普通科連隊」(約700人)を置く長崎県佐世保市などに配置し、3連隊を整備。新設する「陸上総隊」の直属部隊とし、計2千~3千人規模の大部隊とします。


政府は平成30年度までの編成完了を想定しており、中国による尖閣諸島(沖縄県石垣市)への威嚇と挑発をにらみ、不測の事態に対処できる態勢整備を急いでいます。

機動団の主要戦力「第1連隊」は西部方面普通科連隊を発展的に改組し、司令部とともに長崎県佐世保市に置きます。第2、第3連隊の人員はそれぞれ700~900人とする予定で、相浦(あいのうら)駐屯地(長崎県)に「水陸機動団」を新設し、約55キロ離れた佐賀空港のオスプレイと一体運用する方針です。尖閣諸島(沖縄県石垣市)などの離島奪還作戦をにらんだ南西諸島防衛強化の柱と位置づけています。

機動団は米軍の海兵隊的機能の中核をなす水陸両用車について、30年度までに52両を配備する予定です。

陸上自衛隊は水陸両用車を投入する作戦構想を策定します。構想の素案では、南西諸島の島(とう)嶼(しょ)部が侵攻された場合、水陸両用車を戦闘地域の島から数キロ離れた海上から発進させ、戦闘部隊を揚陸させます。さらに、陸自はMV22オスプレイで前線にピンポイントで部隊を投入することも想定しています。

安倍晋三首相も出席した航空観閲式で展示された米海兵隊の
垂直離着陸機MV22オスプレイ(奥)=平成26年10月
離島侵攻の際、陸海空3自衛隊の統合運用を指揮するのは、新設の「陸上総隊司令官」となる見通しです。

総隊司令官は機動団の運用に加えて、全国を5地域に分けた方面隊も統括します。陸上自衛隊では、現場に全国各地から派遣できる「即応機動連隊」を機動師団と機動旅団の傘下に導入する方針で、各地域の部隊も迅速に南西諸島へ展開させる考えです。

陸上総隊司令官は、海上自衛隊の作戦中枢「自衛艦隊」や航空自衛隊の「航空総隊」と連動した作戦調整も主導します。米軍との連携強化を念頭に、陸上総隊司令部は在日米陸軍司令部があるキャンプ座間(神奈川県座間市など)に置く案が有力視されています。


日本には、すでに「いずも」などの大型揚陸艦があるので、こうした離島奪還作戦は、現実味のあるものです。

強襲揚陸艦「いずも」の尾部 ここからAAV7などが島嶼に向かって発進する
日本にとってもう1カ所、厄介な場所となりかねないのは、中国が軍事施設の建設を進める南シナ海です。

稲田防衛相は昨年9月、自衛隊が米海軍などと共同のパトロールや訓練などを通し、南シナ海での活動を拡大すると述べました。

こうした地域紛争は、日本の軍事力を根底で支える日米同盟の試金石となるかもしれません。

これに関しては、米国の戦略家のルトワック氏も以下のように述べています。
 日本について言うならば、2017年には支那が尖閣諸島に多数の「漁民」を軽武装で上陸させてくる可能性がある。実際には民兵であるこれら「漁民」は人民解放軍の指揮下にある「漁船」で上陸し、日本側が出動させるヘリコプターに対してフレア・ガン(照明弾や発煙弾を発射する信号銃)を一斉発射して撃退するだろう。 
 この尖閣攻撃は、支那側が日本のなまぬるい対応を事前に知っているためにその可能性が高くなってきた。 
 日本側は憲法上の規制などで尖閣に侵入してくる支那の軍事要員に対しても警察がヘリで飛来して、違法入国で逮捕し、刑事犯として扱おうとする対応を明らかにしている。だから支那側の偽装漁民はフレア・ガンでまずそのヘリを追い払うわけだ。ヘリがフレア・ガンに弱いことはよく知られている。この場合、米軍の介入も難しくなる。 
支那の海上民兵
 日本に必要なのは、尖閣諸島を、重要施設が集中している「東京都千代田区」と同じにみなし、そこへの侵略は本格的な軍事作戦で撃退することだ。日本側はいまその軍事反撃ができないことを内外に広報しているような状態であり、支那の侵略をかえって誘発する危険を高くしている。 
 日本は自国の防衛のために現実的かつ本格的な軍事作戦を遂行する意思や能力があることを示さねばならない。そのことこそが支那の軍事的な侵略や威嚇への抑止となるのだ。 
 トランプ次期大統領の安倍晋三首相への信頼度は高い。安倍氏をいまの世界で最高水準の指導者とみなし、日本をアメリカにとって第一の同盟国とみていると言える。11月17日の両首脳の会談ではトランプ氏は安倍氏に支那への新たな強硬策を伝えたと私は聞いている。 
 だからトランプ政権下では日本は支那に対して強い措置をとる際にこれまでのようにアメリカ政府にいちいち了解を求める必要はもうなくなるだろう。 
 トランプ氏は安倍首相に今後のアメリカが支那に対して新たに厳しい姿勢をとることを内密に告げ、その後に台湾の蔡英文総統と電話会談することでその姿勢を内外に明示したのだ。 
 だから2017年は、アメリカはこれまでと異なる対支政策をとり、その結果、まったく新たな米支関係が始まるだろう。その変化は日本にとっても、プラスが多いと言える。
まさに、ルトワック氏の言うように「日本は自国の防衛のために現実的かつ本格的な軍事作戦を遂行する意思や能力があることを示さねばならない」のです。その日本による答えが、水陸機動団であり、今後日本としては、島嶼防衛のため、たとえ民兵であっても、水陸機動団を派遣して民兵の活動を阻止する考えを表明するべきです。
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