韓国空軍のF35 |
韓国空軍が、米軍から購入した最新鋭ステルス戦闘機F35Aで、北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星14」を攻撃する動画を制作し、9日からネット上で公開を始めた。「従北・離米」の立場を崩さない文在寅(ムン・ジェイン)政権で、なぜ、北朝鮮を刺激するような映像公開にゴーサインが出たのか。
注目の動画「われわれは大韓民国空軍」は勇ましいBGMが流れるなか、F35に搭乗員が乗り込むシーンから始まる。
無人偵察機「グローバルホーク」が発見した「火星14」の移動式発射台や、赤い星形のマークが入った基地に対し、F35の編隊がひそかに近づき、ピンポイント攻撃するものだ。約4分半の長さがあり、かなり刺激的で息もつかせない。
朝鮮日報(12日、日本語版)によると、韓国空軍は動画制作の理由について、「2年ごとの広報用映像をアップデートし、空軍が当然やるべき任務を説明したものだ」とコメントしている。
ただ、北朝鮮は、韓国のF35導入を「重大な挑発行為」などと強く反発してきた。「従北」の文政権は静かに対応してきただけに、今回の動画公開を「異例の対応で、意外だ」と受け取られているという。
一体、どんな背景がありそうか。
朝鮮近現代史研究所長の松木國俊氏は「動画では、韓国語で『われわれ韓国空軍は全方位に向かって、確固たる軍事防衛体制を敷いている』と流れており、建前ながら北朝鮮を想定したものではないと言っている。大統領府(青瓦台)も『公開を取り消せ』とは言えないのだろう」と語った。
動画で注目されるのは、韓国軍が米軍とみられる他国軍と作戦で協力するシーンだという。文大統領の側近が「中国の核の傘」に言及するなど、「米韓同盟の危機」が指摘されるなか、韓国空軍のメッセージを感じる。
松木氏は「韓国軍内で、文政権の『従北・容共政策』に反発する強硬派が、韓国国民の危機意識を高めようとした可能性がある。軍部の『文政権の暴走を許さない』『これ以上、従北・容共政策をやるなら、クーデターもあるぞ』という意思表示(警告)も感じる。ともかく、青瓦台と軍の意思疎通がうまくいっていないのは確かだろう」と分析している。
【私の論評】在韓米軍が去るか、韓国が中国の傀儡になるかまでのいずれかが、日本に残された期限(゚д゚)!
冒頭の記事にも出てきた注目の動画「われわれは大韓民国空軍」を以下に掲載します。
ハングル語なので、意味はわかりませんが、かなり刺激的な内容であることはわかります。
韓国空軍が戦略武器として運用するF35Aステルス戦闘機の戦力化行事を17日に開催します。
空軍関係者は10日、国防部の定例記者会見で「戦力化行事は今月中に実施する予定」とし「具体的な計画を樹立中」と述べました。
F35Aは3月末に2機が韓国に初めて到着し、年末までに計13機となります。第5世代戦闘機のF35Aは最大速力マッハ1.8、戦闘行動半径1093キロで、空対空ミサイル、統合直接攻撃弾(JDAM)、小口径精密誘導爆弾(SDB)などで武装しています。
さて、我が国の周辺が緊迫しています。韓国は日米から離反し、中露朝の陣営の国であると露骨に示しはじめました。一方、香港では反体制派のデモが半年も続いています。 朝鮮半島問題について語る論者は腐るほどいますし、香港問題を解説してくれる論者も後を絶たないです。
では、この二つの場所で起こっている二つの事件が、独立した別個の問題ではなく、一つの問題だと教えてくれる識者は何人いるでしょうか。半島と香港は、「日本が地球上で生き残れるか」という大きな一つの問題が、現象的に2つの地域で起こっていると捉えるべきなのです。
現在の国際社会で、唯一の覇権国家は米国です。米国の覇権に中国が取って代わろうとしているのです。かつての挑戦者であったロシアは、中国の陰に隠れて、虎視眈々と失地回復を狙っています。三大国が東アジアで睨み合っているのです。
ここに北朝鮮が、自己主張をしています。朝鮮半島は悲劇の土地で、常に大国に翻弄されてきました。ところが70年間に渡り北朝鮮の地で圧制を強いている金一族だけは違います。米中露の三大国の間を巧みに泳ぎ切り、自らの主体性を示して生き残ろうとしています。
その為なら、人民の100万人を殺してでも核武装をするのが北朝鮮なのです。 北朝鮮は、12万人とも言われるスパイを送り込み、韓国を事実上乗っ取りました。韓国の文在寅大統領の行動を見てください。
その愚かな行動の数々も、文在寅が、北朝鮮が送り込んだスパイだと仮定して考えれば、説明がつくことばかりではありませんか。 19世紀以来、東アジアは海洋国家と大陸国家のせめぎあいで動いてきました。
大英帝国vs.ロシア帝国、アメリカ合衆国vs.ソ連、そして今は米国vs.中国。 現在の形勢はどうかといえば、海洋勢力と大陸勢力がぶつかる主戦場だった朝鮮半島では、韓国の陥落で大陸勢力が優勢です。
中国としては、いずれ金正男氏を首班とした、新たな中国寄りの政権を北に樹立させるつもりだったようです。そのパイプ役を張成沢氏が担っていたとされます。
それを認識したからこそ、金正恩は両者を殺害したのです。金正恩の望みは、金王朝を存続させることでした。もし、北に親中国政権が樹立された場合には、金王朝は継続できなくなる可能性を恐れたからこそ、正恩は、彼らを殺害したのです。
結果として、北朝鮮の現体制と、その核が半島への中国の浸透を防ぐことになったのです。そうでなければ、朝鮮半島は米国がオバマ大統領の時代に、完璧に中国の覇権が及ぶところになり、今頃朝鮮半島は中国の一つの省か、自治区になっていたかもしれません。
一方、香港に火が点いて、中国も大わらわです。 しかも、最近では香港の暴動が、中国にも飛び火しているところもあります。世界の政治家は、地球儀を将棋盤か碁盤のように見立て、勢力争いをしています。米中ともにお互いの勢力圏に攻撃を加えて、ポイントを挙げあっているように見えます。現在のところ、挑戦半島において、大陸国家と海洋国家が、かろうじてバランスをとっているというのが実情です。
これらに関しては、大陸勢力の方が対応に追われています。では、海洋勢力はこれ以上に攻め込めるのでしょうか。このまま香港や韓国で騒ぎが広がったとして、中国から香港を取り返すことはできないでしょう。
一方で、韓国は今のスキャンダルが広がったとして、反中反北の大統領が誕生する見込みはありません。 保守派とされる朴槿恵前大統領でさえ、任期中には中国に接近を強めていました。あくまで大陸勢力と、海洋勢力なのです。なぜなら、米国は中露二カ国と、もしかすると北の三か国を相手に、一人で立ち向かわねばならないかもしれないのです。
そうして、韓国に至っては、もはや大陸勢力に寝返ったに等しい状況です。
そして、もう一国。役立たずの国があります。日本です。 韓国のように裏切りはしないですが、同盟国としてはあまり頼りにもならないです。東アジアのすべての国が、韓国すらも国防努力をしている状況であるにも関わらず、防衛力をまるで増やしていません。実際は増やしてはいるのですが、あまりに微々たるものなので、極東の軍事バランスを変えるには至っていません。
それどころか、韓国が敵陣営に回ったことを、喜んでいる人間もいる有様です。 確かに、韓国の数々の所業は許しがたいです。今や多数の日本国民は、文在寅を狂人だと見做しています。
文在寅韓国大統領 |
雑誌でも本でも、韓国の悪口を書けば売れます。日本国民の怒りはもっともなことだと私も思います。しかし、韓国の狂気に対処しなければならないのは、日本なのです。
国際政治は動く時は一気に動きます。北朝鮮にしても、中露にしても、いきなり南北朝鮮が統一して、米国と直接対峙するのには慎重にならざるをえないでしょう。しかし、世界の歴史を振り返れば、はずみで国が消えた事例など、山のようにあります。
古来、朝鮮半島が敵対的になった時、日本には戦う以外の選択肢はありません。白村江の戦い然り、元寇然り、日清日露戦争然り。そして米国が代わりに戦った朝鮮戦争、然りです。
文在寅が、北朝鮮やその背後の中露に忠誠を誓うということは、日本は開戦前夜だとの危機意識を持たねばならないです。大陸勢力にとって、韓国の次の標的は日本なのです。
北朝鮮は、軍隊を使わずに韓国を征服しました。間接侵略です。中国も台湾の間接侵略を狙っています。香港問題とは中国にとって台湾問題であり、隙あらば尖閣を奪おうとしているのも、台湾を大陸本土と尖閣で挟み撃ちにして孤立させるためです。
中国にしても北朝鮮にしても、なぜ軍隊を使って直接侵略をしてこないのでしょうか。それは、米軍が東アジアで睨みを利かせているからです。台湾にこそ米軍は駐留していないですが、米国の「台湾関係法」は有事には軍事支援を行うことを決めており、事実上の軍事同盟です。
中国にしても北朝鮮にしても、なぜ軍隊を使って直接侵略をしてこないのでしょうか。それは、米軍が東アジアで睨みを利かせているからです。台湾にこそ米軍は駐留していないですが、米国の「台湾関係法」は有事には軍事支援を行うことを決めており、事実上の軍事同盟です。
韓国とは米韓相互防衛条約を結び、今でも在韓米軍が駐留しています。だから、直接侵略はできないのです。 文在寅政権は、一刻も早く在韓米軍を追い出そうとしています。それが大陸勢力の利益だと信じているかのようです。 ただし、韓国は北の金正恩を正しく理解していないところがあります。
それは、すでに述べたように、金正恩の本当の狙いは金王朝を存続させること、そのために中国の干渉を極度に嫌っていることです。金正恩が従来、文在寅を受け入れ、南北統一
を望んでいるかのようにみせかけたのは、韓国による制裁逃れあるいは、韓国により米国等に制裁緩和を進言させることを狙っていたからです。
金正恩 |
では日本人は、どう考えるべきでしょうか。もはや韓国は実質的に陥落しました。とはいいながら、あくまで北の衛星国であり、中国の手中に落ちたわけではありません。さらに、形式として韓国の独立性は残っています。実際、冒頭の記事のように、少なくとも韓国空軍は文在寅の思い通りにはならないようです。
というより、私は、韓国軍の一部はすでに北側に籠絡されていると聞き及んでいます。といことは、大部分は北に籠絡されていないということです。であれば、文在寅としては、あまり極端なことをすぐに実施すると、軍部にクーデターを起こされるかもしれないと、恐れているはずです。
現在の大韓民国は実質的には北朝鮮の衛星国だとしても、形式的には主権国家です。米国を挑発するような行動を続けても、在韓米軍は残っています。 日本にとって、在韓米軍の最終撤退までが、最後の猶予期間です。
米国を支えるに足る軍拡を行う。台湾や、同じく中国の侵略に怯えるアセアンとの結束を強める。等々、日本がやるべき方策は明確です。 さて、日本はこれを実行できるでしょうか。150年前、列強の侵略を跳ね返した、先人達のように、心ある人たちは、自分が総理大臣になったつもりで考えてみるべきと思います。
さらに、もう一つの期限もあります。中国が北朝鮮が核保有を認め、なおかつ金王朝の存続を認めることになれば、中国は北と韓国を一つにすることなく、別々の国として、存続を認めることになる可能性もあります。
その場合韓国は完璧に中国側の一員になります。その場合、中国側からすると、北を挟んで韓国を中国の傀儡として、日本を狙わせるという事態もあり得ます。
韓国が中国の傀儡になった場合は、当然在韓米軍は撤退します。中国の艦船に代わって韓国の艦船が尖閣に押し寄せることになるかもしれません。
在韓米軍が去るまでか、韓国が中国の傀儡になるかまでのいずれかが、日本に残された期限です。ただし、韓国が中国の傀儡になりきることはない可能性ももちろんあります。しかし、可能性としては捨てきれないのも確かです。
いずれにしても、北が中国の干渉を極度に嫌っているという事実が、半島問題をより複雑にしていることは確かです。ただし、これは海洋国家側としては、これをうまく利用すると、かなり有利な展開を期待できるかもしれません。海洋国家たる日本は、持っとその自覚を持つべきです。