少し前までは、このような風景も珍しくはなかった |
今年の冬、半袖やノースリーブのニットを着ましたか。
思えば数年前は、冬にノースリーブや半袖のワンピース・ニットの上に、直接コートを羽織るような女性がけっこういた。
「会社の中やお店の中、電車の中などは暑いから、コートが温かければ薄着で平気」なんて言い分が当たり前に聞かれたものだった。
しかし、最近は、テレビの中のタレントさんなどを除いて、冬の半袖・ノースリーブの人をほとんど見かけなくなったように思う。
自分自身、当時は冬でも半袖ニットなどを平気で着ていたけれど、いま思えば「なぜあんなに寒いカッコで平気だったんだろう」と想像するだけで鳥肌が立ってしまうほど。
実際、1月〜2月初旬に、百貨店やファッションビルなど何軒かをチェックしてみたが、半袖やノースリーブのニットはほとんど見つからなかった。
某ファッション通販サイトで調べてみたら、ノースリーブニットはゼロ件! 半袖ニットも、コットン素材の夏物ばかり。
もちろん今でもアンサンブルの半袖ニットや、下にタートルなどをあわせて着る半袖ワンピ・キャミソールワンピなどはたくさんあるけれど……。なぜなのか。
身のまわりの女性たちに聞くと、「寒いから!」という答えがほとんどである。
また、ショップの店員さんたちに聞いてみると、口々に以下のような答えがあった。
「やっぱり寒いですから、メーカーでも半袖やノースリーブはほとんど作ってないです」
「いまはエコなどの観点から、暖房設定が以前ほど高くないので、半袖やノースリーブでは寒いですよね」
「以前は冬でも女性は頑張って露出してましたが、今はそういうのがあまり流行らないですよね。かつて『ババシャツ』なんて言われた下着も、ヒートテックのような高機能下着が次々に出たことで変わってますし、レギンスなども主流となって、レイヤード(重ね着)を楽しむスタイルが人気になっていることはありますよね」
さらに、百貨店関係者はこんなコメントをくれた。
「ファッション的な流行じゃないかと。昔は タートルニットの半袖にミニスカート、ナチュラルストッキングか生足にロングブーツみたいなスタイルが流行ったから、見た目的に寒そうだったかも?」
そういえば、最近は「森ガール」などという流行りもあって、足元ももこもこのムートンブーツとか、あったかもこもこテイストのものがたくさんある。薄着はもう流行らない? と聞くと、こんな答えが。
「でも、今でも薄着は健在ですよ。ツルンとした薄手のミニのワンピースに革ジャン、ニーハイブーツとか。ギャルも半ケツ短パンにフリンジブーツ、もこもこコートとか。確かにレギンスの流行によって、足の肌見せ面積は減ったけど、女子の肌見せ願望はあんまり変わらない気がします。あとはエコにともなって、体を大切にする女子力、女子磨きとかいう流行りのおかげで、腹巻きやあったか〇〇商品が売れてることもあるかと思います」
「体温を1度上げると健康になる」的な本が大ヒットし、ショウガなどの冷え解消商品も多数作られ、「カラダをあたためる」ことを真剣に考え始めた人が多いのは事実。
半袖やノースリーブニット需要は確かに減っているけれど、ファッションの流行の移ろいとともに、再びノースリーブや半袖ニットが復活する日もいつかまたくるのかも。
(田幸和歌子)【ネタりかより】
【私の論評】冬には、冬のフアッション、北国には北国のフアッションがあるはずだ!!
私は、函館に来たばかりの頃、特に冬には度肝を抜かれた光景をみたことがあります。それは、マイナス10度のときに、女子高生が市内を歩いている光景をみたときです。何と、その女子高生、超低温なのに、着ているものといえば、普通のセーラー服で、マフラーくらいはしていたかもしれませが、靴も普通の靴で、しかも、脚は生足で、寒さのために脚全体が真っ赤になっていました。
最初みたとき「この娘は少し頭がおかしいのか?」と思い、1~2分くらいその場に立ちすくんでしまいました。ところが、それからもっと驚いたのは、その後、5人~6人くらいの女子高生が、これも最初の娘と変わらず、本当に薄着状態で通り過ぎて行き、さらに驚愕しました。その後、10人くらいの、男子高校生の集団も通りかかりましたが、それも、学生服のみで、びっくりしました。
マイナス9度の朝。まだ、ムートン?ブーツはいてるだけまし? |
これには、本当に驚いてしまいます。いくら、函館が北海道では、温暖な気候の部類にはいる気候だったとしても、北海道には変わりありません。真冬はどんなに天気が良くても、かなり寒いことにはかわりありません。この寒さは、とてもじゃないですが、いくら東京のように湿度が低くないとはいっても、かなりの寒さです。骨身にこたえると思います。
北海道の場合、確かに、家の構造が二重窓になっていたり、断熱材がしっかりしたものを入れているとか、暖房設備が整っといるということはあります。さらに、函館あたりだと、公共の交通機関があまり発達していないので、車で通勤する人が多いというのも事実です。それにしても、高校生は車で通勤することはないので、これは、本当に一体どうしたことかと思わざるをえません。
学校では、おそらく、先生も、そんなスタイルで登校してくるのかもしれません。先生がそうであれば、生徒に注意を促さないとか、親もそうなのかもしれません。
それに、ここ数年では、最新フアッションでも、冬にこんな薄着はしないし、最近はひところのように、エコ・エコなどとは言わないですが、省エネという考え方は今でも、普及しています。それなのに、未だに昔のフアッションが良いと思い込んでいる函館市民の感性は少し理解できないところがあります。
函館市民には、そんな考えなどないのだと思います。学校でも、職場でも、家庭でも、温度を25度くらいにして、薄着で過ごし、外に出るときでも、それを押し通し、我慢し通しているのだと思います。そうして、それを異常とも思わないのだと思います。まあ、皆が皆そうだということはないでしょうが、とにかく、今でさえ薄着が格好が良いという観念は、老若男女に関わらずあるようです。困ったものです。
函館などの気温が下がるところで、寒い時期にこのような薄着は本来禁忌であるものと思います。それに、体にも良くないし、いくら室内や、屋内を暖かくしたところで、気温差が激しく人体に悪影響を及ぼします。
こんな環境では、真冬には、まともにモノも考えることができなくなるのではないかと思います。函館の小中学生、高校生などの学力など、全国的にもかなり低いレベルにあります。また、函館はお世辞にも景気が良いとはいえません。どちらかといえば、衰退し、斜陽した地方都市です。意外と、このようなズボラともいえる習慣を変えることから、学力の向上や地域の活性化が始まるのかもしれません。
それに、フアッション業界の方にも、もう、冬には、薄着のフアッションを強調することはやめて頂きたいと思います。冬の寒い時期には、冬のフアッションがあり、北国には、北国のフアッションがあってしかるべきです。普段着る、ファションに関しては、フアッション性も大切ではありますが、まずは、機能性が重視されるべきと思います。冬や北国の衣料ということで、まずは、機能性を十分満たしてから、フアッション性を強調すべきと思います。人の健康を損なうようなフアッションはいずれ淘汰されると思います。だからこそ、最近のフアッションでは、冬、半袖やノースリーブのニットが姿を消したのだと思います。
それに、良く考えてみてください。アパレル産業側としても、明確に寒い日用のフアッションと、そうでない日用にフアッションを提供するようにしたほうが、より商品を売ることができるのではありませんか。こうしたことに成功している企業もあります。それは、前に、このブログにも掲載したことがありますが、最近のフアスト・フアッションでは欠くことができないアイテムである、あの暖かくて、軽くて、低価格な人工皮革のムートンブーツです。
これは、旭川の中小企業が最初に開発したものですが、その社長さん曰く「女子高生が真冬に寒そうで、特に、足元がとんでもなく寒そうなので、それを何とかしてあげたいと思い、比較的低価格でフアッショナブルなものをということで開発した」ということです。今は全国から注文が入って、地元への供給が滞るような状況だそうです。
考えてみれば、いわゆる薄着フアッションが徐々に影をひそめた時期と、このムートン・ブーツの開発の時期とは重なるような気がします。
寒いから厚着はしたい、暖かくしたいけれど、格好良くも着こなしたいというニーズは、まさに、函館にも転がっていたわけです。いわゆる、現在の冬のフアッションなど、函館から生まれてきてしかるべきだったと思います。しかし、函館市民は、そんなことにも目を向けず、今でも、薄着をしています。こんなことでは、地域が良くなるはずはないですね。考え方一つで、良くも悪くもなるという格好の事例だと思います。
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