2011年4月19日火曜日

裁判長、押尾被告をバッサリ「自己保身」「卑劣」…2審も実刑2年6月―【私の論評】芸能界はどうでも良い存在であることが明らかに?震災で白日のもとにさらされたテレビ報道の異常ぶり?

裁判長、押尾被告をバッサリ「自己保身」「卑劣」…2審も実刑2年6月


合成麻薬MDMAを一緒に飲み、容体が急変した女性の救命を怠ったとして、保護責任者遺棄罪などで懲役2年6月の実刑判決を受けた元俳優・押尾学被告(32)の控訴審判決が18日、東京高裁で開かれた。出田孝一裁判長は「芸能人としての地位を失いたくないという自己保身の理由で被害者を放置した」と1審判決を支持、弁護側の控訴を棄却した。押尾被告は出廷しなかったが、周囲には「納得がいかない」と漏らし、即日上告した。

高裁の判断も実刑だった。押尾被告が公判に出廷しない中、出田裁判長は5人の弁護団に控訴棄却の判決を下し、理由を約50分にわたって読み上げた。

被告側はMDMAの譲り受けと、合成麻薬TFMPPの所持については認めたものの、保護責任者遺棄罪とMDMAの譲り渡しについて無罪を主張。執行猶予付きの判決を求めていた。だが、出田裁判長は、亡くなった飲食店従業員・田中香織さん(当時30歳)について「(被告は)生存に必要な保護をすべき責任があり、速やかに119番通報していれば、救命できる可能性が相当程度あった」と遺棄罪の成立を認定した。

その上で「119番通報することにより自らの麻薬使用が発覚するのを恐れ、芸能人としての地位などを失いたくないという自己保身の理由で、被害者をそのまま放置した」と批判。さらに「様々な証拠隠滅工作をし心情は卑劣」「動機に酌量の余地はない」と厳しい言葉を続けた。

1審判決では遺棄罪だけを認め、検察側が控訴しなかったため致死罪の成立は争われなかったものの、1審同様、懲役2年6月の実刑判決。これにより09年11月に判決が出た麻薬取締法違反(使用)の執行猶予が取り消され、懲役1年6月が付加される。合わせて懲役4年となり、1審で認められた未決勾留日数(180日)を差し引き、実質3年半、刑務所に入ることになる。

この日の法廷では、押尾被告が田中さんの遺族に謝罪文と100万円の損害賠償金を送付したが、受け取りを拒否され、現金を供託したことも明らかになった。関係者によると、判決に対して押尾被告は「納得がいかない」と不満を漏らしており、弁護人は即日上告した。しかし、法曹関係者によると、上告が棄却される可能性はほぼ間違いないという。2009年8月の発生から1年8か月。芸能界のみならず、社会全体を大きく揺るがした事件に決着がつく日は近そうだ。

【私の論文】芸能界はどうでも、良い存在であることが明らかに?


亡くなった田中香織さん
判決の要旨を以下に掲載しておきます。
◆判決要旨
 【主文】 
 本件控訴を棄却する
【理由】
◆事実誤認の主張について
(1)MDMAの譲り受け MDMAの錠剤10錠を譲り渡したという(押尾被告の)知人の供述は信用でき、譲り受けたのはMDMAの粉末約10グラムという被告人の供述は信用できない。
(2)MDMAの譲り渡し 被告人は知人から入手していたMDMAを被害者に譲り渡し、被害者はそれを服用したことが強く推認される。 
(3)保護責任者遺棄について 1審判決の認定は正当。被告人において、119番通報をして救急車の派遣を求めることは極めて容易であった。被害者に錯乱状態が始まった時点で速やかに救急車の派遣を求めるべきだった。 

◆量刑不当の主張について
被告人は明らかに証拠に反することを述べるなどしており、そこに真摯(しんし)な反省の態度をみることはできない。被害者の処罰感情は今なお厳しい。刑の執行を猶予するのが相当な事案ではなく、量刑が重すぎて不当であるとは認められない。
押尾の以前の裁判のときは、テレビでもこれでもかという具合に報道されていましたし、ネットでも様々な記事が、これでもかこれでもかと掲載されていました。私は、本日この記事通常とは、異なる視点で掲載したいと思います。たしか、押尾についてこのブログに掲載するのは始めてだと思います。

しかし、こうして、震災後に同じように押尾の裁判があっても、ほとんど報道されません。結局は、こんな馬鹿のこんな愚行など、どうでもいいということなんだと思います。そんなことよりも、何よりも、今は、震災関係や、原発のことや復興のこと、経済のことが重要であり、それどころではないという感じです。では、震災の前は、他にも報道しなければならない重要なことがありながら、あれほど押尾のことばかり報道していたのでしょうか?全く、矛盾しています。

先日も、酒井法子が中国に行って、薬物キャンペーンに出たというニュースがネットで小さく報道されていました。これも、テレビなどでは、全く報道されていませんでした。

確か、酒井法子の記者会見があった日に、鳩山総理大臣の所信表明演説がありましたが、あのときは、酒井法子の記者会見のほうばかり、クローズアップされ、鳩山首相の演説は、かき消されたような形になってしまいました。確かに、鳩山さんは人気はなかったですが、それでも、総理大臣になったばかりだったはずですから、あの時の報道振りは異常といっても良いくらいです。

それから、報道のおかしさといえば、震災直後には、朝から晩まで、震災関係ばかりで、菅首相の献金スキャンダルは全く報道されなくなりました。地震のわずか、2、3時間前、菅直人首相は過去2年間に辞任する5人目の首相になるとみられていました。原因は、またしても政治献金をめぐるスキャンダルでした。しかし、これもかき消されたようになってしまいしまた。その直前には、前原前外務大臣のやはり外国人献金に絡む辞任劇もありましたが、それもかき消されたような形になってしまいました。まるで、この震災のおかげて、菅さんの辞任劇は雲散霧消してしまったかのごとくでした。

それから、震災が発生してから、2~3週間ばかりの頃は、救援活動に従事している自衛隊などの報道が全くなされていませんでした。これに関しても、このブログに掲載しましたが、自衛隊は全く黒子扱いでした。本来ならば、あの時点で、自衛隊に密着取材していれば、救援活動の最前線のことがわかったはずなのに、これを報道するテレビは皆無でした。これは、諸外国のメディアと比較すると全く異常でした。

今ではほとんど忘れ去られた、パンダ報道がありました。これについては、もう、忘れ去られているというか、鈍感な人なら、その当時にも気づかなかったかもしれないので、動画を以下に掲載しておきます。


さて、ここまで掲載すると、皆さんも私が何を言いたいかおわかりでしょう。マスコミ、それも、テレビ報道のあまりの偏向ぶりです。新聞も酷いですが、特にテレビは酷いと思います。

ニュースの源として、テレビばかり見ている人もいるようですが、それだけでは明らかに受け取るニュースが偏向してしまいます。しかし、震災をきっかけに多くの人がこの事実に気づいているのではないかと思うのは、私だけでしょうか?

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2011年4月18日月曜日

大きくプラスは10~12月期以降 大震災後の日本の成長率予想―【私の論評】日本は間違いなく復興するが、懸念材料は無能な政府による人災のみ?!!

大きくプラスは10~12月期以降 大震災後の日本の成長率予想

今の政府は、復興ビジョンを描くことができない

   東日本大震災を受けた日本経済への影響について、官民の予測が相次いで出されている。2011年4~6月期は実質国内総生産(GDP)がマイナス成長に落ち込む一方、7~9月期にマイナスを脱し、復興事業が本格化する10~12月期以降は大きくプラスに転じるとの見方でほぼ一致する。
   ただ、福島第1原発事故の収拾のめどが立っていない上、夏場を中心にした停電などの動向によっては、見通しのように運ばない恐れもある。

   民間の予想は、エコカー補助金の終了でマイナス成長に転じた2010年10~12月期に続いて1~3月期もマイナス、そして4~6月期はさらに落ち込み、3期連続のマイナス成長になるとの見方でほぼ一致。特に4~6月期の落ち込みは大きい。

公共事業の増加で7~9月期からは急回復
   日本総合研究所は1~3月期がマイナス0.1%から4~6月期マイナス0.3%に、第一生命経済研究所はそれぞれマイナス0.4%、マイナス1.3%、ニッセイ基礎研究所は1~3月期は0.2%のプラスを見込むものの、4~6月期はマイナス4.8%に大きく落ち込むと予測するなど、全般に、1~3月期がゼロ成長~マイナス1%前後、4~6月期はマイナス1~マイナス5%と大幅に落ち込むとの予測が多い。

   一方、復興に向けた公共事業の増加で7~9月期からは急回復するとして、日本総研、第一生命経済研、ニッセイ基礎研は、それぞれ7~9月期が0.7%、0.3%、1.8%、10~12月期は1.5%、1.7%、4.5%と予測している。

   2011年度を通しては、日本総研0.5%、ニッセイ基礎研0.1%、大和総研0.8%、伊藤忠商事経済研究所0.9%、富士通総研経済研究所0.9%などとプラスを見込むところが多い。ただ、第一生命研のマイナス0.1%をはじめ、SMBC日興証券マイナス0.5%、BNPパリバ証券はマイナス1.2%など、4~6月期の落ち込みを大きくみている。ただ、2012年度はほぼ軒並み、従来見通しを上方修正し、2~3%台の成長を予測している。

「自粛ムード」どこまで響くか読み切れない
   国際機関も、国際通貨基金(IMF)が4月11日、日本の2011年の成長率を1.4%と前回1月の予想から0.2ポイント下方修正し、「マクロ経済に与える影響は比較的小さいだろう」と分析しているほか、アジア開発銀行(ADB)が6日、2011年1.5%と2010年の3.9%から減速、2012年は1.8%に持ち直すとの予測を発表。

   経済協力開発機構(OECD)は5日発表の世界の経済見通しで、「大震災の影響を現時点で織り込むのは不可能」として日本の成長率予測を見送ったが、4~6月期は成長率が0.5~1.4ポイント押し下げられる可能性があるとした。

   こうした見通しの構成要素を考えてみると、震災の直接の影響である東北地方の経済活動の低迷と、ひとまず終了した東電の計画停電による生産減は、ある程度予測が可能だ。過剰な「自粛ムード」を含め消費者マインドの悪化による個人消費の減退については不確定要素が多く、どこまでGDPに響くか読み切れない。さらに、福島第1原発事故の被害、夏場の停電の影響がどこまで拡大するかは不透明で、「(現状の予測は)原発事故と電力不足の問題が今後数カ月で解決されると仮定したに過ぎない」(IMF)というように、各シンクタンクの見通しがばらついた大きな要因になっているようだ。

円安と原油高のダブルパンチが心配
   実際、内閣府が3月23日にまとめた2011年度の成長率への震災の影響試算はGDPが0.2~0.5%押し下げられるとしているが、計画停電の影響などは含まないため、「かなり控えめの数字」(エコノミスト)。ちなにみ、第一生命経済研は電力不足が2011年度1年間でGDPを3.9兆円押し下げるとの試算をまとめている。

   さらに、ここにきての不安材料が、為替と原油高。7~9月期の急回復には、復興事業とともに、米国など海外景気回復による輸出持ちなおしも織り込まれているが、1ドル=70円台の急激な円高・ドル安進行は日本経済にマイナスなのは当然として、逆に、ここへきて、円安への懸念もささやかれ始めている。

   外国為替市場では米欧の景気回復に伴う利上げ傾向で、日本との金利差拡大の思惑が直接のきっかけになって、このところ1ドル=85円前後の円安基調に転じている。これに、中東情勢の不安などに伴い原油価格は1バレル=100ドル超の水準に、2010年より30ドル程度上昇している。原発事故もあって、当面、日本では火力発電への依存が高まるのは必至。「円安と原油高のダブルパンチで輸入エネルギー価格が上昇し、日本経済の一段の下押し要因になりかねない」(民間シンクタンク)との指摘もある。

【私の論評】日本は間違いなく復興するが、懸念材料は無能な政府による人災のみ?!!
本年は、仮に地震がなかったとすると、ほぼ間違いなく経済が上向くとされていました。特に、消費は回復すると期待されていました。それは、小売業の出店ラッシュが予定されていたことでも理解できます。特に、コンビニは各社が今までにないほど、本年は出店を加速させることが予定されていました。

さらに、大阪では、このブログでも掲載したように、数十年ぶりともいっていいほどの、いわゆる、「流通戦争」が勃発する予定でした。今年十に、百貨店が大阪で増床したり、新規出店したりして、新宿の百貨店の売場面積を上回る事になる予定です。これは、全国の流通業者から注目されていました。

さて、地震から一ヶ月以上経過しましたが、流通各社は上の計画を変更する予定はありません。地震の起こる前の計画をそのまま実行します。これは、各社とも、たとえ地震が起こっても、本年度は、ここ2ヶ月から3ヶ月の間は、成長や消費がにぶるものの、年を通しては、上向くと確信しているのだと思います。

このようなことから、まず、上の予想は、余程のことがない限り外れることはないでしょう。為替レート関しては、先ほど、Yahooファイナンスで確認したところ、対ドルで82円でした。上の記事で、85円で、円安基調のようなことを掲載していますが、85円であったにしても、ここ数年の傾向からみれば、相対的には、どちらかといえば、円高傾向です。地震直後の強調介入がありましたが、震災直前の81.5円まで、戻しそこから、85円になりましたが、それ以降は、また、円高に傾きつつあります。

おそらく、急激な円安はないものとみてさしつかえないものと思います。それに、90円台の円高になれば、大変なことですが、現状の円安水準であれば、さほどの問題はないと思います。来年は、大統領選挙ということで、オバマ大統領も、アメリカの景気を是が非で良くする必要があるため、これらに、新興国も牽引され、日本においても、輸出産業にとっては、追い風になり、多少の円安は、大き懸念材料にはならないでしょう。

さて、こうしたことを考えると、一番の懸念材料は、政府ということになると思います。何しろ、これから、復興するというときに、何の脈絡もなく、最初から財源確保のため、復興税を導入するなどと、公表するわけですから、お話になりません。今の政府は、残念ながら、まともな経済のシミレーションもできないということです。これに関しては、奇をてらうようなことをする必要は全くなく、建設国債や国債で賄うべき筋合いのです。これに関しては、以前のブログでも掲載しました。

それに、原発事故への対応のまずさです。どうにもなりません。これでは、海外の風評被害によって、かなりマイナスです。それに、わけのわからない、ポストを新設したり、組織を新設したりで、もうガタガタです。震災への対応も、なにやら、政局のためにやっているとしか受け取れないような行動ばかりです。まるで、「船頭多くして、船山に登る」を地で行くようです。それに、復興委員会の委員長は、ただの馬鹿です。どうしようもありません。

こんな、政権に、まともな復興はできません。はやく退陣するべきです。少し落ち着いたら、衆議院議員選挙を実施し、これから始まる復興、少なくとも、2~3年はかかる復興事業につき、明確なビジョンを打ち出した政党が政権の座につくべきです。そうでなければ、愚かな現政権により、失われた20年どころか、失われた100年になりかねません。

最近、原油などの値上がりで、いわゆる、コストブッシュ型のデフレ解消が筋書きとしてはありそうな状況になってきました。デフレが、解消されていないままの、増税、あるいは、デフレが解消したとしても、コストブッシュ型のデフレ解消であれば、ダブルパンチで日本経済は落ち込みが予想されます。さらに、このまTPPなど加入すれば、東北の農林水産業はズタズタに引き裂かれて、復興どころではなくなります。

本当、実際ここまで馬鹿だとは思いませんでした。一般庶民のほうがまだ頭が回ると思います。情けない・・・・!

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2011年4月17日日曜日

【オピニオン】震災の救助活動で、自衛隊に対する世論が変化―【私の論評】アメリカでさえ脅威に感じる日本の弱体化!!

【オピニオン】震災の救助活動で、自衛隊に対する世論が変化

被災地で活動する自衛隊員
本日は、自衛隊について、最近比較的短い間に米国有力紙のWSJ(ウォールストリート・ジャーナル)が二度にわたって自衛隊に関する記事を掲載していたので、その二度目のほうの要約を以下に掲載します。
日本の安保政策が戦後ずっと抱えてきた葛藤は、自衛隊の正当性についてだ。憲法上の戦力不保持規定により、この民主的な経済大国は、半世紀以上もの間、世界で果たす役割を諸外国に比べはるかに小さくとどめることに甘んじてきた。これを変えようとすれば、戦争で傷つき、軍国主義と聞いただけで拒絶反応を示す国民の容赦ない抵抗に遭うのが常だった。 
しかし今、震災後の自衛隊の勇敢で不可欠な行動は、日本と軍隊の関係を永久に変えた可能性がある。この震災で、自衛隊に対する国民の新たな受容が始まり、海外で日本の利益を守る軍事的役割を正常化するために、日本政府が選択肢を変える可能性がある。 
米国の草案を元に作成、1947年に施行された日本国憲法の第9条は、日本を再び侵略戦争に走らせないことが目的だった。第9条は、日本国民は、国際紛争を解決する手段としては永久に戦争を放棄するとしたうえで、「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」と謳っている。しかし、1950年の警察予備隊の創設後、組織再編が急速に進み、自衛隊が発足。今日、25万人で構成される自衛隊の年間予算は約400億ドルで、世界でも有数の近代的な軍隊だ。 
また、菅直人首相は最近、新防衛大綱を発表。大綱では、日本の安全保障活動を南西諸島など島しょ部にシフトすることが示された。10年前と比べ、自衛官募集のポスターは目立ちやすくなっている。この10年の積み重ねのおかげで、今の自衛官が自信をより深めていることは疑いようがない。 
こうした新たな姿勢の背景には、中国の軍備増強と、中国が東シナ海で取った行動などがある。昨年、中国のヘリコプターが日本の海上自衛隊護衛艦に接近したと報じられ、中国が日本の反応をうかがっているとの懸念が浮上した。9月には尖閣諸島沖で中国漁船衝突事件が発生、中国の軍隊が直接関わった訳ではないものの、大国としての自信を深めた同国が、危機を引き起こそうとしているとの見方がさらに強まった。 
それでもなお、軍隊に対する人々の懸念は根強く、日本の自衛隊は、つい先月まで、社会的に受け入れられている、といった程度の存在だった。そして、先月の震災。これが、世論の動向を変化させる可能性がある。 
破壊的な地震と津波が起きて数時間以内に、自衛隊は救助・支援活動を開始した。総勢10万人以上の隊員が東北沿岸の被災地に入った。これは、日本の自衛官の40%にあたる。物資を運び、がれきを撤去し、被災者を避難させる隊員の姿が、新聞とテレビの報道に溢れた。 
自衛隊は、米軍と連携し、不眠不休で働いたようだ。数千人の米軍兵士も即座に行動を開始、空母ロナルド・レーガンの艦載ヘリや米空軍の輸送機で数千トンもの物資を運んだ。自衛官と米海兵隊は、現場で協力して支援活動を行った。 
こうしたことを受けて、日本国民は、おそらく戦後初めて、民主国家である日本の一部として自衛隊の重要性を認識した。これは、帝国陸軍・海軍による日清・日露戦争を支持するのとはまったく意味が異なる。これは、文民が率いる奉仕部隊――国内では民主的秩序の責務を果たし、海外では他の民主的勢力と協調する部隊――を支持することなのだ。 
こうしたことを受けて、日本の政治指導者は、自衛隊に大きな役割を負わせることを避けてきた政策について見直すだろう。米国をはじめ、アジアの多くの国は、地域の安定維持のために日本がより大きな責任を引き受けることを望んできた。自衛隊の震災での見事な対応は、プロフェッショナルで責任ある軍隊を日本は持っている、ということを国民に示した。今度は、日本のリーダーが、プロフェッショナルで責任あるやり方で、その軍隊を海外に派遣する意欲を示す必要がある。 
(マイケル・オースリン氏はアメリカン・エンタープライズ研究所の日本部長)
http://jp.wsj.com/Opinions/Opinion/node_223016

【私の論評】アメリカでさえ脅威に感じる日本の弱体化!!

私は、以前このブログに、「日本の大部分の新聞はそうではないのですが、アメリカの代表的な新聞の立ち位置はしっかりしており、無論、アメリカの国益を第一義として、記事を掲載します」と掲載したことがあります。

この記事も、その例外ではありません。わざわざ、アメリカン・エンタープライズ研究所の日本部長に寄稿してもらってのオピニオン・コラムです。現在のアメリカの国益にそった形で、アメリカの日本の見方を示したものと捉えるべきです。

特に上の記事での、一番最後の段落である以下の文章は、完全に今のアメリカの立場を表明しています。
日本の政治指導者は、自衛隊に大きな役割を負わせることを避けてきた政策について見直すだろう。米国をはじめ、アジアの多くの国は、地域の安定維持のために日本がより大きな責任を引き受けることを望んできた。自衛隊の震災での見事な対応は、プロフェッショナルで責任ある軍隊を日本は持っている、ということを国民に示した。今度は、日本のリーダーが、プロフェッショナルで責任あるやり方で、その軍隊を海外に派遣する意欲を示す必要がある。 
戦後60年以上にわたり、アメリカは、日本弱体化を推進してきました。これは、例の真珠湾攻撃に続く、4年の長きにわたってアメリカは、日本を相手として戦争を遂行しおびたたしい損害を被り、失われた人命もアメリカの歴史始まって以来の空前絶後の数だったことを思えば、本当に末恐ろしい相手であったので、戦争に勝って、しかも、日本を占領したのですから、無理からぬ事だと思います。

皆さん考えてもみてください。当時の日本の存在は、911のテロリストよりも、はるかに恐ろしく、強力で、しかも組織だっており、アメリカと互角に戦えるような近代的な装備を持っていて、価値観も異なり、その恐怖はアメリカ人の心の中に澱のように沈殿してなかなかぬぐい去ることはできなかったでしょう。当時の日本のような国は、おそらく、これからは未来永劫にわたって、でてくる可能性はないと思います。現在、アメリカと互角に戦い、しかも4年近くにわたり戦争を継続できる国はありますか?

ないですね。ベトナム戦争などは例外でしょう。ベトナム戦争では、アメリカは、日本を相手にしたように持てる力を全部出したというわけではありません。いろいろと制限のある戦争でした。それは、核兵器を使用しなかったことでも全く日本との戦争とは違ったわけです。

だからこそ、アメリカは徹底的に日本の弱体化を図ってきたのです。まずは、アメリカの意向による、日本国憲法を導入しました。これによって、日本はかなり弱体化されるよう運命づけられました。このような憲法がある限り、日本が弱体化され、左翼が勃興して、挙句の果てに、自民党は、下野直前の体たらくにまで落ち込み、民主党政権のような政権ができあがるのは必然のことでした。さらに、3S政策などといわれる、Sports、Sex、Screenなどともいわれるように、これらに関連する産業などを陰から助長し、日本の弱体化を図ってきました。

弱体化の副産物として、当初はアメリカも予期していなかったことに、日本の世界第二の経済大国になったということがあります。これは、日本が、技術的にもともと優れていたし、しかも、単一民族として1億以上も存在するということで、コミュニケーションコスト、インタラクティブコストが低かった日本としては、必然的といっても良いことでしたが、安全保障をアメリカが担ったということで、加速したという面は、否めません。

この事実は今でも変わっておらず、中国でも、省単位でみてみると、どこの省でも、一つの民族がこれほど多数を占め、一つの文化圏を形成しているところなどありません。あくまで、複数の民族、複数の文化の寄り合い所帯です。これは、他国とて同じことです。人口が爆発的に増えてる国でさえ、複数の民族、複数の言語、複数の文化圏の寄り合い世帯であり、日本のような均一の集団がこれほどの人口を有しているようなところは、ありません。

しかし、民主党政権のような政権ができあがって、いよいよ、日本弱体化の最終段階に実際に入ってしまたところで、アメリカでも考えが変わってきたのだと思います。このまま、日本が本格的に弱体化された場合何がおこるのか、ようやっと、アメリカにも見えてきたのです。

そうです。このままでは、日本は、中国の傘下に入ってしまうおそれすらでてきたのです。そんなことになれば、アメリカの国益は大きく失われてしまうことになります。

だからこそ、最近では、アメリカでも、日本の憲法改正を議会ですら認めるようになってきているのです。このことに関しては、以前にもこのブログに掲載したことがあります。

詳細については、その記事を読んでいただくものとして、その記事の結論は以下のようなものでした。
憲法を改正して、パワーオブバランスの一角を担う覚悟がなけば、いずれ選択できる道は二つしかありません。それは、中国の属国になるか、アメリカの51番目の州になることです。いますぐ、ということはないでしょうが、今後10年以内には、おそらくどちらかの道を選ばざるをえない状況に追い込まれます。あなたは、どの道を選びますか?
アメリカ側としては、さらに弱体化を続けていけば、中国が、日本を傘下に収めようと、いろいろ干渉するようになってきて、それに対して、弱体化した日本は何もできず、結局アメリカは終戦直後のように大規模な軍隊を出動させて、日本に駐屯させ、中国と対峙しなくてはならなくなり、そうなれば、さすがにアメリカといえども、世界の警察官など自認しておれなくなるどころか、さらに膨大な軍事力を維持するため、軍事費を増やして、本格的に中国と対峙しなければならないことになると理解しているのだと思います。

また、中国は核保有国であることから、現在はさほどの脅威ではないのですが、将来的に過去の日本のような脅威になることも十分予想されると理解しているのだと思いす。

だからこそ、日本の弱体化はここでストップして、日本は、日本独自の軍隊を持ち、安全保障は自らの手でやってもらうこととし、さらに、そのためには、日本国憲法を改正しても構わないと思うようになって来ているのだと思います。

それに、たとえ、日本が昔のような強力な国になったとしても、今度は、アジアは日本だけではなく、中国という国もあることだし、もし、日本がかつての日本のようにアメリカに反するようなことをしようにも、今では、中国とアメリカに挟まれ、昔のようなことにはならないと理解していると思います。

しかし、もし、そうなれば、今度は、アメリカが中国を支援すれば、良いわけです。それで、アメリカはあまり大きな負担をしなくても、アジア地域のパワーオブバランスを維持できます。ただし、今はそんなことよりも、日本は、アメリカと同盟関係にあるため、何よりも、今は、日本は、特に中国海軍などが、自由に太平洋にでてこれないようにしている防波堤の役割を強化すべきだというように考えが変わってきているのだと思ます。

それにしても、日本の弱体化はますます、顕著になってきたと思います。昨年の普天問題から、尖閣問題さらには、今年に入ってからの震災における特に、原発への危機管理能力など、また、震災の復興にあたって、すぐに復興税を導入することなどを考える今の日本、弱体化も極まれりという状況です。原発に対する危機管理に関しては、WSJは最近一歩間違えば、内政干渉とも受け取れるほどの菅政権に対する批判の記事を掲載しました。

だからこそ、上記WSJの記事は、アメリカの国益のため、自衛隊を認めて、もう今の民主党政権など、いずれ崩壊することは明らかなので、次の政権のために、憲法改正や、自国の軍隊をもてるように支援するため、今から下地づくりをしていると見るべきです。

このように、今の日本の憲法を導入したアメリカですら、考えが変わってきているのです。憲法改正などの議論などまるで腫れ物にもさわるように、触れることでさえ、厭う日本の姿は、異様です。

しかし、今は、日本にとってチャンスだと思います。アメリカが国防や、安全保障に関して日本の自主独立を認める風潮になっている今日、日本が独自憲法を持ち、独自の軍隊を持ち、独自の安全保障を模索することができるのです。これには、以前このブログにも書いたように、少し前までなら、考えられなかったインドの核保有国化をアメリカに認めさせた、インドの智慧を見習うべきと思います。

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2011年4月16日土曜日

【地震】「復興税」の創設検討も 復興構想会議(11/04/15)―【私の論評】あほ、馬鹿、まぬけ、脳天気、KY、ぽんつくな政治家・官僚にまともな復興はできない!!

【地震】「復興税」の創設検討も 復興構想会議(11/04/15)



民主党は15日、2011年度第2次補正予算以降の東日本大震災の復興財源としてまず「震災国債」を発行、将来的に「復興連帯税」などの名目で臨時増税して償還する案について検討に入った。玄葉光一郎政調会長(国家戦略担当相)はこの日の記者会見で2次補正財源に関し、歳出見直しを徹底した上での復興目的の国債発行に言及。将来の増税にも含みを持たせた。

課税方式としては(1)5%の消費税率を一定期間数%上乗せ(2)所得税や法人税を引き上げ―が有力視されている。臨時増税に関しては14日に初会合を開いた政府の復興構想会議の五百旗頭真議長が「復興税」創設を提唱、会議の中に設けた検討部会で詰める予定。2次補正の編成が本格化するのに伴い、政府、与党内で議論が活発化する。

震災国債を増税で償還する案は、民主党の税制改正プロジェクトチーム(座長・小沢鋭仁前環境相)などで具体的に検討される見通し。

ただ景気への悪影響を懸念する声や、党内の増税批判派の反発が強まるのは必至で、実現には難航が予想される。枝野幸男官房長官は復興目的の国債に関して「各界各層にさまざまな意見がある。十分な議論と検討がなされるべきだ」と述べるにとどめた。

政府、民主党は4兆円規模の第1次補正予算案について、国債の新規発行は見送り、11年度当初予算の予備費や子ども手当の見直しで財源を捻出。しかし総額で数十兆円に上るとの見方もある復旧・復興に充てる財源のめどは立っていない。

【私の論評】私の論評】あほ、馬鹿、まぬけ、脳天気、KY、ぽんつくな政治家・官僚にまともな復興はできない!!
私は、このブログで、地震がおこった直後から、地震の復興のためには、復興税などは絶対駄目で、あくまで、国債によるべきことを掲載しました。その後にも、やはり、建設国債+国債が良いことを掲載してきました。

さて、この復興税という政策、全くどうしようも無いと思います。これは、明らかに間違いです。この非常時に増税を提言するなど経済音痴を通り越して、究極のKYだと言わざるを得ません。

現在、震災がなくとも日本経済は20兆円を超えるデフレギャップの最中にあります。デフレ不況である証拠に、企業倒産は1万件以上、昨年12月1日時点での修飾内定率が68.8%と、調査が始まった96年移行で最低となっています。

ただし、このデフレもひよっとすると、最悪の形で終息して非常に悪い方向に向かう可能性が大です。そうです。皆さん、すでに原油の高騰や、食料品の高騰についてはご存じだと思います。特に、原油の高騰は、日本経済のあらゆる方面に影響を及ぼし様々な製?商品を値上げせざるを得ない状況になる可能性があります。それは、コスト・ブッシュ型のデフレ収束であり、この形のデフレ解消は決して日本経済にとって良いことではありません。もし、こうなれば、たとえデフレが解消されても、景気は浮揚しないでしょう。

こうえした状況下で起きた地震であるため、日本経済に及ぼすマイナスの影響は計り知れません。

特に、インフラや家屋、工場などが破壊された被災地の復興には、最低でも3年はかかると予想されています。それに、TPPへの加入ということで、特に農業への影響は、測り知ることができないほど甚大になるものと推察できます。特に、今回の震災の中心地であった、東北は、その影響が大きいです。

このような経済危機の最中に、わざわざこのタイミンクで増税すれば、日本経済全体がさらに縮小することは避けられません。たとえ、震災地は免税にしたとしても、日本経済全体が落ち込むのですから、震災地もその影響を受けることは必定です。そんなことを無視して、増税を行ない、TPPへの参加をしてしまえば、震災地も、その他の地域もガタガタに疲弊して、今度は、失われた20年どころか、失われた100年になりかねません。

今、やるべきことは増税ではなく、復興支援という大規模な財政出動です。そうして、財源は十分に手当てできます。このようなときには、奇策を弄する必要など全くありません。建設国債+国債という、まったく、王道の財源で取り組むべきです。震災などの復興は、他の福祉関連とは異なり、一度大きく実施してしまえば、それで収束するものであり、長年にわたって影響を及ぼすものではありません。

それに、これは、従来からこのブログで掲載してきたことですが、日本が財政破綻の淵にあるという考えは、全くの間違いです。このことの背景にあるのは、残念ながら、自民党の谷垣総裁や、多くの民主党閣僚や、議員の中に、染み付いている経済音痴というか、主婦感覚にあります。

主婦感覚からいえば、政府の財政バランスのみが非常に重要であって、これが、黒であれば、あるほど、良いという帰結になります。しかし、国の財政は、一般家庭とは全く異なります。現在のこのパランスは確かに崩れています。国の歳入よりも、歳出が多いという状態が続いています。これが、一般家庭であれば、確かに大変なことです。

何しろ、家計において、入ってくるお金よりも、出て行くお金の方が圧倒的に多くては、いずれ破産するのは明らかです。先の政治家の感覚はこれです。しかし、これは、本当に正しいでしょうか?違いますね。家計と、日本国の経済とは異なります。そもそも、日本国の政府は、いつでも増税することができます。また、国債を摺ってお金を借りることもできます。さらに、日銀は、お金を擦ることができます。お金は、政府や日銀のやり方次第でどうとでもできるのです。

そうなです。まさにお金は天下のまわりものということです。しかし一般の主婦には、これがなかなか理解できません。政府にばかり目がいって、政府のふところに目先のお金が沢山あれば、それで安心・安全などと思っています。それで、とにかく歳出が歳入を絶対に上回らなければ、それで良しと考えてしまいます。

しかし、これは、大きな間違いです。政府にだけお金が集まって、民間企業や家計にお金が回らなかったらどうなるのでしょうか?決して良いことではありませんね。アフリカのカダフィなどの独裁政権の国ではありがちなことです。

それに、現在、実は、日本政府は、かなり大きな金融資産をかかえています。これほどの金融資産を持っているのは、日本政府だけです。さらに、家計には、1400兆を超える金融資産があります。そのなかの、現金・預金だけでも膨大です。また、きわめつけは、日本の対外金融資産は、過去20年間にわたって、世界一です。

これに関しては、以前の地震直後のブログでも、詳細を書きましたので、ここでは、掲載しません。もし、説明が必要だと思われる方は、是非当該のブログ記事をご覧になってください。

要するに、現在の日本では、政府の歳入と歳出のパランスが崩れていて、歳出の方が多いのです。しかし、それを他の角度からみれば、政府は膨大な金融資産を持っているし、さらに、外国へ貸しているお金である、対外金融資産は世界一ですし、日本国自体がデフォルトをおこす心配などないのです。

しかも、日本の国債のほとんどが日本の法人や、個人が購入しています。そうなると、これは、家庭でいえは、家庭の外から借りているのではなく、家庭内の人からお金を借りるということと同じであり、これも世帯という見方をすれば、世帯内のお金のやりとりであり、世帯という単位からみれば、決して借金でもないのです。

ですから、正しいやり方は、今は、国債などによって、国内からお金をいっとき借りて、膨大な復興のための財政支出をして、復興が進み、景気も良くなり、これで安心ということになり、しかも、市中に膨大なお金が出回るようになったため、インフレ傾向になれば、即座に緊縮財政をして、さらには、増税をしたりすれば良いのです。最初から増税などという考えは完全に間違っています。経済ではあくまで、バランス感覚が重要なのです。

しかし、これは、主婦感覚では理解できません。主婦感覚では、どうしても、日本国の政府の歳入歳出のバランスを家庭のように考え、政府が増税したり、国債を擦ったり、とか、日銀がお金を擦りましたり、あるは、市中に出まわらないようにしたりすることができるなどということに意識がまわらないことです。

それに、経済は、学問の世界でも、論文など行間を読み解くことが重要です。この行間を読みとかなければ、いきなり、次の展開になったり、あるいは、いきなり数式が出てきて、なにやら突き放されたような気がして理解不能に陥ります。しかし、行間を読むことが出来れば、そのようなことはなくなります。

現実の日本経済でも同じことです。単純に増税などといいますが、現在の日本経済の状況で増税したらどうなるのか、国債を発行したらどうなるのかという書籍や論文であれば、行間を読み取る力、現実世界では、シミレーションをする力がなければ、どうしようもありません。今目の前にお金がないから、増税だという考えや、今、政府の歳出歳入のバランスが崩れでいるから、国債などすれないなどと単純に考えてしまようでは、そもそも、日本の経済を考えること自体失格です。そうして、この行間を読み解く力は、確かに定量的に正確に理解しようとすれば、非常に難しいですが、根底では、金は天下の回り物とという、それこそ中学生にでもわかるような原理を理解して真面目に考えれば、、感覚的には誰にでも理解できるものです。

これは、主婦が家庭について考えるなら、単純ですから、何も行間など読まなくても良いというのは、当然のことと思います。また、行間など読まずに、そうしなければなりません。なぜなら、家庭では、勝手に増税して、他の人からお金を徴収したり、日銀のようにお金を刷ったり、あるは、お金回収することなどできず、富の源泉や、お金の使い道は、もっはらその家庭の中の働き手の賃金によるものと、家族による消費だけだからです。これだと、歳出が歳入を上回るようなことをしてしまえば、確かに、まともな主婦とはいえません。企業とて、増資ができるとか、株や社債を発行できるということを除けば、似たようなものであり、日本国全体の経済を考えることとは次元が異なります。

しかし、政治家や官僚はそうであっては困ります。主婦感覚で日本の経済や復興のことを考える政治家や官僚は、あほう、馬鹿、まぬけ、脳天気、KY、ぽんつくと謗られても仕方ないと思います。そうして、そういう政治家や官僚が存在したのでは、まともな復興などできません。だから、そういう政治家や官僚は、この際政治の世界から身を引くべきと思います。身を引かないというのなら、少なくとも、経済や復興に口を挟むことなどは一切やめて、他の分野で活躍すべきだと思います。そうでなければ、まさに、百害あって一利なしということになると思います。

それにしても、経済なども含めて、文化、社会福祉、安全保障などどの全部かあるいはいずれかの分野で、できれば、50年後、少なくとも30年後のビジョンを持っていないものは、もうその資格がありません、そういう人たちはもう、現職を辞すべきです。復興の妨げになるだけですから!!

本来であれば、こうしたビジョンにのっとり、どのような復興をなしとげるか、いくつもビジョンがあっては、焦点がぼやけるため、いくつかのビジョンを取捨選択、統合し、もっと高次なものにたかめるという作業を通じて復興の総合的なビジョンを形成し、そこから、財源という話になるはすです。しかし、最初から、財源、増税などという愚かな考えをする政治家・官僚は、もう復興などできません。やっても、日本をダメにするだけです。早く去りなさい!!

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2011年4月15日金曜日

鈴木敏文・セブン&アイ・ホールディングス会長――コンビニ、百貨店は二重丸、ヨーカドーは30点―【私の論評】大阪の百貨店は、震災復興後の被災地のモデル、世界の流通業のモデルとなるべきだ!

鈴木敏文・セブン&アイ・ホールディングス会長――コンビニ、百貨店は二重丸、ヨーカドーは30点

鈴木敏文会長
最近、百貨店をめぐっていろいろな動きがあります。そうした、目で注目していたら、東洋経済のサイトに鈴木敏文・7&Iホールディングス会長のインタビューが掲載されていましので、本日は、その要旨を掲載します。
イトーヨーカ堂は、前期はグループ設立以来初めて、第3四半期(2010年3〜11月期)まで単独赤字だった。ここで危機感が出て第4四半期で盛り返し、通期(10年3月〜11年2月期)では、わずかだが増益に転じた。今期はさらに上がっていくだろう。
ヨーカ堂がなぜ悪くなったのかといえば、家電、靴、スポーツ用品、婦人服といった商品をユニクロなどの専門店に奪われたからだ。客がシフトしたのに、依然として、従来のスーパーに対する感覚から脱却できていなかった。 
改革度はまあ、まだ30点。もっときめ細かいところに手を入れないと。今までGMS(総合スーパー)は、安さだけを訴求していけばよかったが、今後はたとえばコーディネート提案などで、売り場や商品開発を考えなければいけない。 
東京都荒川区に約300坪の三ノ輪店があるが、昔は衣料品をフルラインで置いていた。婦人服も紳士服も肌着も。さらに食品も売っている、非常に効率のいい店だった。だが、今は紳士服でもサイズから何からきちっとそろっていないと、買ってもらえない。近隣の人口密度が高いから、多少難点があってもお客さんに来てもらえる。ところが地方ならぜんぜん来てもらえず、閉店しなくてはいけない。店によっては、ディスカウント業態に変えて商圏を拡大する。 
コンビニに飽和なんてない すぐ近くで、どこにでもあるのが便利な店。だから絶対にドミナントが必要だ。当初は1号店を出した東京都江東区から出なかった。今でも新しい県に店を出すときは、絶対的に私の権限で出してもいいと判断しないと出させない。 
商品供給も徹底している。たとえば弁当にしても、15法人62工場のベンダーが共通のメニューで、セブン−イレブンだけに独占供給している。そうでないと、よいものができない。しかも、原則として資本支配はしない。加盟店も工場も本部も、お互いに売り上げ増を追求し、有機的に結び付いて成長していく。 
米国は国土が広大で、買収しないと商圏が広がらない。だが、日本では絆創膏を張ったような形(M&A)は取りたくない。他チェーン加盟店の横取りも禁じている。この狭い日本で、泥仕合はできないでしょう。 
百貨店も工夫次第で伸びる
百貨店はコンビニの次に伸びると思っている。紳士服も婦人服も、それなりの専門店になりうる面積を持っている。品ぞろえをきちっと変えれば、伸びていく。 
西武有楽町を閉めたのは、創業(開店)以来1回も黒字を出していないから。皆「百貨店の時代が終わった」みたいにおっしゃるが、とんでもない。百貨店の始まりなんですよ。当時の西武からすれば、「こんなファッションを扱っていますよ」と周知させるためのショーウインドーだった。ネットも活用していく時代に、なんで今さら大きな赤字を垂れ流すようなショーウインドーを取っておかなくちゃいけないのか。 
一方、そごう八王子は、ものすごくコストが高い。賃料を下げるのは難しかった。昔は小売業は立地産業と言われたが、今もその要素はある。当然、コストを考えていかなくちゃいけない。適正な立地に適正な業態を配置していく。 
店を閉めること、出すことは、特別なことじゃない。冬になったらオーバーコートを着る、春になったらスプリングコートにする。それと同じですよ。(3月3日談) 
すずき・としふみ
1932年生まれ。73年セブン−イレブン・ジャパンを創業。92〜2003年イトーヨーカ堂社長。05年から現職。
http://www.toyokeizai.net/business/interview/detail/AC/2d1d02225610d09fb453f14d3e328032/page/3/
【私の論評】大阪の百貨店は、震災復興後の被災地のモデル、世界の流通業のモデルとなるべきだ!
百貨店は、このところ業績が悪く、各地で、老舗百貨店が倒産したり、店舗を閉鎖したりしていました。北海道では、最近では、丸井今井の旭川、室蘭などの閉店が記憶に新しいところです。それに、名前は同じものの、実際には伊勢丹の傘下になっています。

私自身は、百貨店の業績が悪かったのは、基本的に創業当時のままで変わらなかったことに原因があると思っていました。確かに、昔は、百貨店という名のごとく、何でもかんでも置いてあっと思います。

しかし、それでは、今では、どの商品においても、奥行きが狭くなってしまい、多くのお客様に不満足を提供するだけになってしまいます。だから、デパートによって、個性をだし、昔のように何でも置くというのではなく、守備範囲をはっきりさせるべきでしょう。

それに、守備範囲をはっきりさせるだけではなく、衣料品であれば、その百貨店のお客様に合わせた、コーディネートなどで、お客様が商品を選択しやすくするだけに及ばず、様々な工夫や、先進性でお客様を魅了するような存在にならなければならないという事だと思います。

ドラッカーは、アメリカでも衰退した百貨店のその要因に関して、いわゆるノンカスタマー(非顧客)の動向を見誤ったらからだとしています。百貨店は、自らの顧客のことは良く調べていましたが、そのころ、百貨店の顧客ではなかった、就業していた主婦などの動向には、気を配っていなかっとしています。実は、アメリカでは、今で、就業する主婦の数が最も多くなっています。百貨店は、こうした、非顧客の変化をとらえ、それにあわせて店も変革すべきであったとしています。

しかし、百貨店は、そのようなことをせずに、ますます減少し続けていた既存顧客だけ調べそれに合わせた、営業をしていたため、今日没落してしまったということです。

日本の百貨店も、そけだけが原因ではないと思いますが、似たようなところもあると思います。
特に、先進性でお客様を魅了するなどのことが、最近の百貨店にはなくなっていたのだと思います。何か、最近では、古いものの代名詞のようになっていた百貨店です。

しかし、百貨店が最近変わりつつあるようです。上の、鈴木敏文氏の発言にも見られるように、最近では、GMSのほうがパットしないです。確かに、イトーヨーカドーの場合、百貨店の違いといっても、その違いが何かといえば、同じようなものが置いてあっても、スーパーのほうが安いくらいしか差異が感じられなくなっていました。とは、いいながら、スーパーは専門店や、百貨店よりは、同じ商品であれば、低価格ということは、今でもかわりはないと思います。しかし、これとても、やはり、特徴があまりにもなさすぎです。

最近では、イトーヨーカドーの店にもあまり行きませんが、今年になってから、一度だけ行ったことがありますが、閑古鳥が泣いていました。それに、お客さまの年齢層が非常に高く、60歳以上だったのではないかと思います。それも、あまり買い物をしている様子もありませんでした。この業態も、やはり、旧態依然としていたのだと思います。

先にも掲載したように、このような状況にある流通業界なのですが、百貨店には最近は大きな動きがあります。

それは、大阪での百貨店の動きです。これに関しても、東洋経済で解説していましたので、これも、下に要約を掲載します。
大阪・梅田駅周辺、通称キタ。まもなくここは、百貨店の売り場面積で新宿と肩を並べる一大集積地になります。これまで、キタ3店(阪急百貨店うめだ本店、阪神百貨店梅田本店、大丸大阪・梅田店)の合計面積は16万平方メートル規模と、近鉄百貨店阿倍野本店や高島屋大阪店など大規模店がひしめくミナミ(心斎橋以南)以下でしたた。ところが、今月以降、せきを切ったような増床・開業ラッシュに突入するのです。2005年前後の景況感のよかった時代に作られた成長投資計画が、時を超えて実現しようとしているのです。 
トップバッターは4月19日の大丸梅田。従来比1・6倍、6・4万平方メートルへの増床が完了します。次いで5月4日には、三越伊勢丹が5万平方メートルで参入、この時点でキタは、20万平方メートル台へ載せ、新宿(25万平方メートル)へ肉薄します。さらに来年、増床中のうめだ阪急が8・4万平方メートルで開業すると、新宿を一気に抜き去ることになります。 
大丸梅田の入る、JR大阪駅の駅ビルACTY OSAKA
ミナミでも、建て替え中の近鉄阿倍野が14年に10万平方メートルの巨大な姿を表します。キタとミナミ合わせた売り場面積は実に54万平方メートルと、新宿二つ分の規模になるのです。 
ところで、国内百貨店売上高は、ピーク時の1991年には12兆円に達しましたが、08年には8兆円にまで減少。さらに、リーマンショック後の2年間だけで1兆円の売り上げを喪失しました。既存店売上高は、10年10月に一瞬前年を上回ったのを除けば、この3年間ずっと前年割れでした。 
百貨店の主力であるファッション分野の主要客層は20~30代女性ですが、この層の人口は団塊ジュニアに比べて3割少ないです。また、15年ぐらい前はほぼ全員が正社員だったが、今や非正社員比率は約3割だです。これを考え合わせると、主要顧客の消費能力は、以前の約半分になっていると推察されます。 
上記の、太字の部分をみると、やはり、先ほどのドラッカーの指摘が日本の百貨店にもあてはまっていると考えられます。ようするに、百貨店は、20~30代の女性それも、正社員の女性を顧客としていたのですが、これがどんどん減って、非正社員の女性が今は、かなり多くなったということです。日本の百貨店は、従来からの顧客ではなく、こうした顧客の動向に注目すべきだったのです。また、いわゆる、アラフォーにも注目すべきだったのです。これを怠ったことが、今日の衰退の要因の一つであることは間違いないと思います。
キタ3店で売り場面積が最も小さかった大丸梅田。結果として、衣料品が全体の62%を占めるファッション特化型の店となっていました。4月の増床で阪急に次ぐ大きさになるのを機に、「食品もリビングも積極的に展開し、子育て世代やヤング層も新たな戦略ターゲットに据えるそうです。百貨店は値段が高い、敷居が高いという顧客の声に対応し、“高い”を脱却するという狙いもあって、東急ハンズやユニクロといったテナントを積極的に取り入れました。初年度売り上げ目標は670億円です。 
一方、5万平方メートルの三越伊勢丹は「梅田でいちばん小さい。歴史もない。固定客もいないという厳しい条件下での開業となる。初年度売り上げ目標550億円は、計画当初からの目標値であり、一時期は見直しの議論もあったようです。ただ、閉店を20時半に延長したり、駐車場を870台近く確保できるメドが立ったりしたことで、目標値を変える必要はないという判断に至ったそうです。特に駐車場は、キタで初めて、買い物客への優待サービスを行います。神戸から心斎橋へ向かう車の流れをキタで止めるという意気込みの表れのようです。 
三越伊勢丹は大丸梅田とは対照的に、自主編集売り場を約30%取りました。手作りっぽい店を作ることで存在感を出すこと以外、梅田では成功しない。人手はかけるとしています。 
従業員の半数はJR京都伊勢丹から異動させ、残りは新規に採用するそうです。京都も大阪分を新規採用で埋めるため、一時期的に2店とも接客の質が落ちるおそれがあるぞと、現場に奮起を促しているそうです。 
熱を帯びるキタ戦争は、来年のうめだ阪急増床オープンで、いよいよ佳境を迎えます。新宿伊勢丹と並び称されるファッション性の高さに加え、1平方メートル当たり売上高も新宿伊勢丹の348万円(09年度)に次ぐ262万円(09年10月~10年9月)と、抜群の効率性を誇っています。 
「ものを置かない売り場を作るつもりだ」。業界随一の論客としても知られる椙岡俊一・エイチ・ツー・オー(H2O)リテイリング会長兼CEOは、うめ阪の方向性をこう示唆しています。「一寸のすき間なく商品を並べれば効率が上がったのは、ものがよく売れた時代の話だ」。逆説的には、商品点数は少ないほうがいいというわけです。「ゼロからあんな大きな店を作ることはおそらくもうない」と、駆体や音響、電源、昇降機能を徹底的に作り込んだとも明かしています。 
うめ阪の改装は、キタの戦況を大きく左右するだけではありません。07年まで業務提携する仲だった“東の伊勢丹、西の阪急”という両横綱が、大阪の街で百貨店業態の可能性を競い合う正面対決でもあります。その行方を、日本中が注目しています。
何か、上の文章をみていると、大阪の百貨店では、今回の震災の影響などどこ吹く風という感じです。今回の震災による影響に関しては、あまり気にしていないようです。そうして、実際あまりないのだ思います。これは、日本経済にとっては、良いことだと思います。それに、被災地の人々にとっても良いことだ思います。

関東以北だと、なにやら自粛ムードが一般的ですが、大阪でこれだけ、百貨店の増床や、新設が行われるということで、その計画には変更がないということですから、これは、一大ムーブメントになるかもしれません。

今は、震災で特に震災地や、関東などでは、特殊な状況にあります。震災地の需要がしばらく落ち込むのは、仕方のない事だと思いますが、それ以外のところでも落ち込むというおかしな状況になっています。

大阪以西で、このような動きもっともっと活発化させ、次世代の百貨店のフォーマットができあがると良いと思います。新たなフォーマットの開発と、試験には、いろいろと試行錯誤するには、2~3年はかかると思います。そこで、特徴のあるフォーマットができ、消費の拡大につながれば、今度は、復興した震災地などにそれを導入して、復興のシンボルにするなどのことが考えられます。

いずにしても、地震があったからといって、全く自粛などの方向に向かない、大阪のバイタリティー今こそ、この精神が必要だと思います。これらの百貨店でも、震災地の物産などどんどん販売して、風評被害などふっとぱしてもらいたいものです。

案外、こうした大阪の行き方など、正しいのかもしれません。日本が終戦直後に、全国主要都市のすべてが、今回の被災地のような瓦礫の山どころか、焼け野が原になり、それどころか、広島、長崎は、原爆で30年間は人が住めないなどといわれて、何もないところから、私たち日本人は、たちあがり、そこから25年で世界第二の経済大国にまで発展しました。

そうして、そのころから、日本の流通業のお手本といえば、アメリカでした。日本から、アメリカへ大勢の流通業の関係者が、見学に行き、アメリカの業態の良いところを取り入れました。セブンイレブンもその一つで、最初は、アメリカのセブンイレブンのフランチャイズとして日本国内でコンビニをやりはじめたものが、日本国内で独自の発展をして、今日の日本のセブンイレブンになりました。

いまでは、アメリカのセブンイレブンが、業績を落としたたる、日本に吸収され、日本のセブンイレブンが世界のセブンイレブンの本部になりました。日本のセブンイレブンは、日本の消費者にあわせて、独自の発展をして、今に至っています。

いま、世界を見回すと、今や、アメリカの流通業も、今でも参考にはなりますが、さりとて、昔日本の流通業者が見学に大挙して見学にでかけたときのように、かけ離れた存在ではなくなりました。そうてす、もはや、流通業でも日本のお手本になるようなところは少なくなってきているのです。なぜなら、日本の消費者は、今では、良くも悪くも、世界でもっとも、商品や製品の品質、価格、安全性や、フアッション性や、機能性、利便性などに関して、先進的な存在になってしまったからです。

こうした、日本の先進的な消費者に納得してもらえる、大阪の百貨店を創出することができたら、それは、たとえば、昔日本から、アメリカに多くの流通業者が見学に行ったように、いずれ復興した被災地の流通業者が見学に行くような存在になるかもしれません。

大阪で、上記の記事のような、百貨店戦争をするなら、単に、どこの百貨店が一番だったなどのことよりも、百貨店そのものが、被災地復興後のモデルになるようなものにして欲しいと思います。そうして、ひいては、世界中から見学にくるような素晴らしいものにして欲しいです。

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2011年4月14日木曜日

『もしドラ』累計売り上げ200万部突破!―【私の論評】一時のブームで終わらなかった?

『もしドラ』累計売り上げ200万部突破!

2月21日付オリコン“本”ランキングBOOK(総合)部門で『ハリー・ポッターと死の秘宝』(静山社)の売り上げを抜き、同部門歴代首位作品となった『もしドラ』が、今週4/18付BOOK(総合)部門において、週間売上を2.8万部、累積売り上げを202.0万部とし、BOOK(総合)部門初の200万部突破作品となった。

野球部の女子マネージャー「みなみちゃん」が、勘違いから買ってしまったドラッカーの経営書『マネジメント』理論を応用し、野球部を甲子園に出場させるべく奮闘する、というストーリーが受けて現在も大ヒット中の同書。震災の影響でオンエアが延期になっていたTVアニメ『もしドラ』も今月25日からスタートする。さらにAKB48前田敦子さんの主演で話題の映画版も6月に公開が決定と、まだまだ『もしドラ』の勢いは続きそうだ。

【私の論評】一時のブームで終わらなかった?


今回の、地震の直前にNHKで放映が決まっていた、アニメ『もしドラ』の放映は、地震などの番組放映などのため、ずっと放映が延期ざれていましたが、今月25日から放映されることが決まりました。その後も、うわさなどがとびかっていましたが、はっきりせず、いつ放映されるのかと、やきもきしていましたが、いよいよ本決まりです。

このブログでは、「もしドラ」が流行る前から、ドラッカー自身についてや、ドラッカー氏の著書に書かれてあることの紹介や、いろいろな社会現象に関して、ドラッカー氏ならどのようなことをいうかとか、果ては、ドラッカー氏の限界についてまで幅広く取り上げてきました。

なぜなら、私自身が、ドラッカー氏のことを尊敬しているからであり、従来から彼のマネジメント理論は、有用であると考えてきたからです。

この『もしドラ』が、でてきたばかりのころは、AKB48のキャラクターを利用したことなどから、一時的ブームに終わるのかなどと思っていましだか、すでに累計で200万部以上も売れているということから、そうではなく、ブームを超えたものになりつつあると思います。書籍の世界で、これを快挙と呼ばずして、何を快挙と呼べるでしょうか?

このようなことを書くと、「もともとのドラッカーの書籍」はそんなに売れていないではないかという、皮肉な見方をする人もいますが、ドラッカーの書籍そのものも、ビジネス書としては、かなり売れている部類ですし、『もしドラ』は、確かにストーリー仕立てではありますが、ドラッカーのマネジメントの基本的な部分を解説していることには変わりありません。

他のマネジメントや、その他の大家の人たちの著書そのもの、あるいは、その考えなどを解説した書籍もこれほどの売り行きを示したものは過去には一つもありません。

これは、いくらAKB48のキャラクターを使用したなどとか、著者のストーリーが優れているとしても、やはり、もともとドラッカー氏の考え方が、多くの人々の共感を呼んだという以外には、考えられないと思います。

なぜそのような共感を呼んでいるかといえば、以前このブログの記事にも掲載したように。詳しくは、その内容をみていただくこととして、以下には、その一部をコピペしておきます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そうして、今までのように節約一辺倒に走るだけではなく、政府による社会的救済や、企業レベルの救済など当てにしていては、どうしようもないということに気づきはじめて、何とか自分でも何かやりたいとか、何かに取り組み少しでも、自分の身の回りから良くしていきたい、変えていきたいという気持ちに変わってきているのだと思います。ただし、多くの人が自分にはできるのかどうか疑心暗鬼なのだと思います。 
そんなところに、「一見非力に見える女子高生でも、闇雲に頑張るだけではなく、ドラッカーのマネジメント理論に従い正しい努力をすることによって、とてつもなく大きな成果をあげることができる」ことをテーマとした「もしドラ」が出てきたわけです。 
「もしドラ」はまさしく、そのような空気の世の中に、ぴたりと当てはまったのだと思います。ドラッカーのもともとの書籍だと、イメージ的に、経営者ということで、一般の人からすれば並外れた能力などをイメージさせて、とっつきにくく自分の身近な存在として考えられなかったものが、「もしドラ」の主人公は女子高生であり、しかもAKB48のメンバーということで、多くの人に親しみやすかったに違いありません。
また、「コクリコ坂」と、「もしドラ」を対比した記事もこのブログに掲載したことがあります。そうして、もしも、「コクリコ坂」と比較して、「もしドラ」の興行成績がかなり高ければ、上の推論はかなりの確立でかなりあたっていると思われるということを掲載しました。これに関しては、詳細に関しては、ブログの当該記事を是非読んでみてください。

そうして、この推論は、無論地震の前の推論です。今回の震災がこの推論などの見方を結構変えてしまうことはかなりの確率で高い事と思います。それには、地震の復興の先行きを占うことも含まれるのではないかと思います。もし、圧倒的に「もしドラ」の興行成績が良かった場合、今回の未曾有の大震災にあっても、国民の中に沸き起こった「政府による社会的救済や、企業レベルの救済など当てにしていては、どうしようもないということに気づきはじめて、何とか自分でも何かやりたいとか、何かに取り組み少しでも、自分の身の回りから良くしていきたい、変えていきたいという気持ちに変わってきている」という変化は、今回の地震によっても変わらず、かえって強化されたとみなすべきだと思います。

そうして、震災の復興に関しても、政府主導で実施するものをはるかに凌駕したものになる可能性が高くなると思います。

震災の復興など、いくら政府が主導したとしても、被災地の人々や、被災地外の人々も真摯に前向きに取り組まなければ、復興も進まず、単なる復旧で終わってしまうことが考えられます。一方、政府があまり復興などに手をかせなかったとしても、国民が前向きで、かなりやる気を出して、本気で取り組めば、第一級の復興になる可能性もあります。それは、第二次大戦直後に私たち日本人自身が終戦直後の焼け野が原から復興し、ほんのわずか25年後に世界第二の経済大国になったことで実証されています。

このような背景から、ますます今後の『もしドラ』の動向が楽しみになってきました。これからも、何か話題があれば、また、掲載します。

それから、このブログの一番に最後に、ドラッカーの書籍ウイジェットを掲載しています。無論、『もしドラ』も掲載しています。こちらも是非ご覧になってください!!

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携帯電話メーカー各社、焦点をアプリからコンテンツに―【私の論評】確かに、アプリでは、差別化はできない、なら画面の差別化はどうだろう?

携帯電話メーカー各社、焦点をアプリからコンテンツに

「HTCセンセーション4G」について説明するHTCのセイシュ氏(11日、ロンドン)
スマートフォン(高機能携帯電話)メーカー各社は長年、どれだけ多くのアプリケーションを利用できるかを主なセールスポイントとして売り込んできた。しかしその戦略を変え、コンテンツやサービスの統合に焦点を置くメーカーが出てきた。これは携帯端末戦争の次の戦場になるとみられている。

台湾の携帯電話機メーカー、宏達國際電子(HTC)は12日、独自の動画配信サービスが使える同社初のスマートフォン(高機能携帯電話)「HTCセンセーション4G」を発表した。この動画配信サービスは最近のコンテンツ配信企業買収の結果、提供が可能になった。このサービスを使うと、携帯電話を通じて600本以上の映画やテレビ番組のレンタルや購入が可能になる。


米グーグルやアップルは多数のアプリが使えることを誇りにしているが、HTCなどは、スマートフォンにたくさんのアイテムを詰め込みすぎると消費者を混乱させると主張している。 

また、アナリストらは、大部分の消費者が同じアプリを求めていると指摘する。調査会社ニールセンが10年6月に行った調査によると、アップル製、グーグルの基本ソフト(OS)アンドロイド搭載端末など、すべてのスマートフォンにおいて人気のアプリ上位5つのうち4つは同じものだった。 

アンドロイドの独占により、HTC、モトローラ・モビリティ・ホールデングス、それにソニー・エリクソンといった携帯電話機メーカーは製品を差別化する方法を探らざるを得ない状況になっている。 

マイクロソフトのモバイルコミュニケーション事業の責任者、アーロン・ウッドマン氏は、メーカー各社はアプリだけでは製品を差別化できなくなるだろうと述べている。

同氏は、「アプリは端末を差別化する競争における一つの波だったが、サービスは次世代の波の一つだと思う」と語った。同社はXbox Liveや無料のインターネット上のストレージサービスのスカイドライブといったゲームやパソコン分野のサービスを強化し、スマートフォン分野の競争で立場を好転させようとしている。 

他のメーカーも端末の差別化のためにコンテンツやサービスの充実に努めている。HTCの動画配信サービスは、今年2月にコンテンツ配信を手掛ける英サフロン・デジタルを4860万ドル(約41億円)で買収したことで実現した。ソニー・エリクソンは今月、初のプレイステーション携帯となる「エクスペリア・プレイ」を発売した。

またグーグルはアップルの音楽配信サービス「iTunes(アイチューンズ)」のライブラリーをアップル以外の携帯に移行するサービスを提供するカナダのプッシュライフを買収した。

(WSJ要約)

【私の論評】確かに、アプリでは、差別化はできない、なら画面の差別化はどうだろう?
確かに、iPhoneや、iPadなどのアプリは本当に、コモデティー化してしまいました。無料のものでも、量的にも質的にもかなりのものがありますし、2000円などのものは、かなり価格が高いというイメージがあります。私が、最近購入したものは、すべて、数百円台だったと思います。

コモディティー化してしまったせいでしょうか、アプリを作成しても、ほとんど儲けにならないようです。これに関しては、過去のブログにも掲載したことがあります。

もうはや、アプリは当たり前ということになったと思います。所詮、iPhoneや、iPadなら、iOS4、アンドロイド端末なら、Android3.0などのOSで動くものであり、しかも、デバイスも似たり寄ったりという、制約の中で作成するわけですから、結局はアプリも似たり寄ったりのものになってしまうという事だと思います。iPhoneを買ったばかりのときは、どんなアプリがあるのかとか、新しいアプリなどかなり興味を持ちましたが、最近は、そうでもありません。

やはり、スマートフォンの世界も、コンテンツが勝負ということですね。まずは、新聞や、雑誌などで、独自のもので、役立つものをつくって頂きたいものだと思います。

それから、スマートフォンなどのデバイスは、音などは、最近のヘッドフォンなどかなり音が良くなっているので、不満はないのですが、ただし、画面に関しては、小さくて不満です。この小ささでは、テレビなどには太刀打ち出来ないと思います。いくら、美しい画面を提供しようにも難しいとい思います。しかし、だからといって、デバイスを大きくして、20インチや、30インチの画面を接続してしまえば、モバイルデバイスではなくなってしまいます。

そこで、提案なのですが、スマートフォン用の、ヘッド・ビジョンというか、正式名称を知らないのですが、ゴーグルのようなものではなく、軽量のサングラスのようなもので、それを身につけると、大きな画面で見られるようなものを開発してはいかがでしょうか?こういう、機器があれば、スマートフォンや、タブレットPCのようなデバイスでも、十分大きな画面で見られて、かなり良質なコンテンツを提供できると思うのですが。皆さんは、どう思われますか?


上記は、数年前に、オリンパスから発売された、Mobile Eye Treck というものですが、なんでも、数メートル先に50インチの画面が見えるようになっているそうです。ただし、これだと、完璧に視界が塞がれてしまうので、サングラスのような形にして、背景も見えるようにするとか、あるいは、調整できるようにして、背景もみえるし画像もみえるとか、背景のみみえるとか、画像だけ見えるようにするなど工夫すると良いと思います。

しかし、これって、なかなか普及しませんね。やはり、価格がまだ高めということもありますし、目が疲れやすいという欠点があるのだと思います。ヘッドフォンも昔は高価でしたが、今では、かなり安くても音質の良いものがでてくるようになりました。やはり、量産効果だと思います。

このようなデバイスが、スマートフォンに接続できるようにして、低価格で販売することができれば、かなり普及するのではないかと思います。それに、最近の新技術の3Dも加えればベストだと思います。それこそ、アップルなどに先鞭をつけてもらいたいです。

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