ただし、オリンピック開催が崩壊を加速するということは、ありそうです。北京オリンピックにおいても、開催前からさまざまな問題が浮き彫りになっているのは、皆さんご存知でしょう。これには、オリンピックを開催すると、国威の発揚などにはなるが、観光客や選手団などの外国人が多く訪れたり、一時に結構多くの人的交流が行われるのは間違いないため、開催国の真の状況が、外国人の多くに知れ渡ること。さらには、開催国の国民が諸外国の生の情報に多く触れる機会ができるということも関係していると思います。
私のブログには、10回シリーズで「中国分裂の筋書」を連載しました。この記事の一番下の方に、そのリンクを掲載してあります。まだ、読まれていない方は、こちらも是非ご覧になってください。
本日は、ベルリン、モスクワ両オリンピックと現代中国のオリンピック関係の動画などによって、このあたりに迫って見たいと思います。
ベルリン・オリンピック
Olympic games in Berlin 1936 - Opening ceremony
上は、ベルリン・オリンピックの開会式。聖火リレーが現代のような形式なったのは、ベルリン・オリンピックからである。国威発揚のためのアイデアだろう。
1933年にドイツの政権を奪取し、同国の国民からの支持を背景に当時隆盛を誇っていたアドルフ・ヒトラー率いるナチス党が首都・ベルリンでドイツ第三帝国の威信をかけて開催した。この大会をナチスのプロパガンダとみる論者もいる。
当時ユダヤ人迫害政策を進めていたナチスは、この大会を開催したいがために、誘致と大会期間に限りユダヤ人に対する迫害政策を緩めた他、ヒトラー自身も、有色人種差別発言、特に黒人に対する差別発言を抑えるなど、国の政策を一時的に変更してまで大会を成功に導こうとした。この大会において、宣伝効果を高めることを目的に古代オリンピックの発祥地であるオリンピアで五輪の火を採火し、たいまつで開会式のメインスタジアムまで運ぶ「聖火リレー」が初めて実施された。
聖火リレーのコースは、ギリシャのオリンピアを出発して、ブルガリア、ユーゴスラビア、ハンガリー、オーストリア、チェコスロバキアを経由し、ドイツ国内へ。
なお、ドイツ政府は聖火リレーのルート調査のためにルート途上の各国の道路事情を綿密に調査したが、1939年に勃発した第二次世界大戦においてドイツ軍がこの調査結果を活用したという逸話が残っている。
Olympia (Prologue) - Leni Riefenstahl & Vangelis
女性監督で「ナチス党のお抱え監督」と呼ばれたレニ・リーフェンシュタールによる2部作の記録映画『オリンピア』が撮影された。1938年のヴェネツィア国際映画祭で金賞を獲得する等、各方面で絶賛されて、不朽の名作となっているが、無論ドイツ第3帝国を賛美する映画でもあったため、多くの批判を受けている。上の動画は、映画『オリンピア』のオープニングである。確かに、見方によっては、アーリア人種の優位性を世界に伝える内容ともとれる。
The Glory of National Socialist Deutschland
ドイツ第3帝国のオリンピック開催年の頃の首都ベルリンの様子。カラー写真である。
Olympia 1936! The Nazi Olympics-Fest der Schönheit - Closing
ベルリン・オリンピックの閉会式。
1945 Victory Parade in Color (2)
上は、モスクワ赤の広場で挙行された、対独戦勝利のパレード。(1945年)
モスクワ・オリンピック
ソビエトは1952年のヘルシンキオリンピックでオリンピックに初参加してから、常に国別のメダル争いで上位に立ち、ステートアマと呼ばれるトップ選手の金メダル獲得を国威発揚に活用していた。その集大成として、自国の首都・モスクワでのオリンピック開催を目指すようになった。
一方、オリンピック自体は巨大化の弊害が見え始め、1972年のミュンヘンオリンピックでのテロ事件などもあり、開催都市への負担が大きくなってきた。その中で、スポーツ大国のソビエトが運営を全面的に担うというモスクワ開催は支持を集め、1980年夏季大会の開催が決定された。
開催の決定を受けて、大会施設の建設が急ピッチで行われた他、旧態化していたモスクワの空の玄関であるシェレメーチエヴォ国際空港のターミナルの大幅改修なども行われた。
Moscow Olympics 1980, The Parade of Nations
モスクワ・オリンピックの開会式。
この大会は、冷戦の影響を強く受け、西側諸国の集団ボイコットという事態に至った。
経緯
* 1979年12月 - ソ連のアフガン侵攻が発生した。
* 1980年1月 - アメリカのカーター大統領が大会ボイコットの方針をアメリカオリンピック委員会に伝え、他の西側諸国にも同調を求めた。
* 1980年2月 - 日本政府はアメリカに従い大会ボイコットの方針を固めた。一方、日本オリンピック委員会(JOC)は大会参加への道を模索した。
* 1980年4月 - 日本政府の最終方針としてボイコットがJOCに伝えられた。多くの選手はJOC本部で大会参加を訴えた。
* 1980年5月24日 - JOC総会の投票(29対13)でボイコットが最終的に決定された。
* 1980年6月11日 - JOC常任委員会、モスクワ五輪日本選手団(幻のメンバー)を承認し、同時に大会への不参加を確認する。
Moscow 1980 CC - Olympic Flag Exit | Cauldron Extinguishing
モスクワ・オリンピックの閉会式。
日本以外では西ドイツや韓国、それに1979年10月の国際オリンピック委員会(IOC)理事会(名古屋開催)でIOC加盟が承認されていた中国を含む50カ国近くがボイコットを決めた。 一方で、イギリス、フランス、イタリア、オーストラリア、オランダ、ベルギー、ポルトガル、スペインなどは参加した。ただし、例えばイギリスではボイコットを指示した政府の後援を得られず、オリンピック委員会が独力で選手を派遣した。そのため、優勝時には国旗の掲揚と国歌の演奏が行われず、五輪旗と五輪賛歌が使用された。また開会式では、フランス、イタリア、オランダなど7カ国は競技には参加したものの入場行進に参加せず、イギリス、ポルトガルなど3カ国は旗手1人だけの入場行進となった。
この他、モントリオールオリンピックでは南アフリカ共和国のアパルトヘイト政策に絡んで大量のボイコット国を出したアフリカ諸国は多くがオリンピックに復帰した。
1982年に死去したブレジネフの後継者となったユーリ・アンドロポフと、アンドロポフの死後に後継者となったコンスタンティン・チェルネンコは、相次いで指導者の座に就いたものの、共に就任後間もなく闘病生活に入りそのまま病死したため、経済問題を中心とした内政のみならず、外交やアフガニスタン問題についてさえも具体的な政策を殆ど実行に移せなかった。
しかしその後、この両名の時代においてますます深刻化した経済的危機を打開するべく、1985年3月に登場したミハイル・ゴルバチョフの指揮下でペレストロイカ(改革)とグラスノスチ(情報公開)が進められた。
これにより、長きに渡った一党独裁体制下で腐敗した政治体制の改革が進み、1990年にはこれまでの一党独裁制にかわって複数政党制と大統領制が導入された。しかし、情報公開や報道規制の緩和は長年抑えられていた民族感情を刺激し、ソ連邦を構成していた各共和国では急速に分離独立の動きが強まっていく。
ソ連共産党解体臨時ニュース
そして1991年3月17日には連邦維持の賛否を問う国民投票が行われ、投票者の約76%が連邦維持に賛成票を投じることとなった(バルト三国の様に独立志向が強い共和国では投票はボイコットされた)。その後新連邦条約に基づき連邦を構成する各共和国への大幅な権限委譲と連邦の再編が行われる予定だった。
しかし、それらの改革路線がソ連崩壊に結びつくことを危惧したゲンナジー・ヤナーエフやウラジーミル・クリュチコフらの保守派によって8月にクーデター(ソ連8月クーデター)が発生し、ゴルバチョフを軟禁し改革路線を元に戻そうとしたものの、ボリス・エリツィンら改革派がこれに抵抗し、さらに軍や国民の多く、さらにアメリカやフランス、日本やイギリスなどの主要国もクーデターを支持しなかったことから完全に失敗に終わる。
クーデターの失敗によってクーデターに賛同した保守派が失脚したことにより国家組織が崩壊、ゴルバチョフはクーデター後にソ連共産党書記長を引責辞任し、議会はバルト三国独立を承認した。さらに同年12月、ロシア、ウクライナ、ベラルーシ共和国が独立して独立国家共同体(CIS)を創設、残る諸国もそれにならいCISに加入し、この年の12月25日にソビエト連邦は完全に解体した。
北京オリンピックは?
Beijing Olympic torch protest - London
さて、上はロンドンでの灯火リレーにたいする抗議運動の動画。北京オリンピックは灯火リレーから非常に問題ありである。これほどの妨害は、聖火リレーが始まっていらいだろう。中国の不吉な将来を暗示させる。
中国軍チベット巡礼者殺害映像(日本語字幕付き)
日本国内でも、有名になったチベット巡礼者射殺の映像である。
中国六四天安門事件 Tiananmen Square Massacre
上は、中国の天安門事件の動画。このときには、中国本土の漢民族をも含む多くの人々が犠牲になった。オリンピック終了後にこのような運動がおき、また弾圧されるようなことも起こりえます。その後にどんどん、崩壊に向かって進む可能性もあります。
さて、中国はどうなるのか、私のブログでは10回にわたって『中国分裂の筋書』を掲載しています。私は、中国の分裂を確信しています。
以下にこのブログに掲載された中国関連の記事を掲載します。反転文字列をクリックしていただければ、当該ブログに飛びます。
■中国ゼリー層-明日の中国を牽引する原動力となるか?
■チャイナ・アート・バブルにも冷めた見方のできる中国ゼリー世代?
■中国分裂の筋書き−(その10)パクスマリーナが拓く世界の平和と大繁栄
■中国分裂の筋書き−(その9)日本の対応は?
■中国分裂の筋書き−(その8)迫られる中国の選択
■中国分裂の筋書き−(その7)忘れてはいけない中国の不良債権
■中国分裂の筋書き−(その6)現代中国の混乱ぶりを現す動画の数々
■中国分裂の筋書き−(その5)他の人達はどう思っているのか?
■中国分裂の筋書き−(その4)毛沢東を統合の象徴にすることができない中国中央政府の苦悩
■中国分裂の筋書き−(その3)中国バブルの真実
■中国分裂の筋書−(その2)革命でもなければ現代中国は変わらない
■中国分裂の筋書−(その1)繰り返される歴史
■中国"義歯"から鉛「安全に問題」
■中国産原料を使ったヘパリン製剤で自主回収へ・・・・米国では死者21名
■世界一人当たりのGDP(国内総生産)と、一人当たり資産−これでも中国は経済大国か?
■南京虐殺記念館に対する日本政府の申し入れに関して考えた、中国のお家事情
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7 件のコメント:
初めまして。書き込み有難う御座いました。
「国際大会は国威発揚の場で在ると同時に、他国との交流によって自国の真の姿が自国民に曝け出されてしまう。」というのは全くその通りですね。それなりにまともな国家ならば別ですが、国家統制を敷いた国ではオリンピックの様な国際大会は「諸刃の剣」と言えましょう。
東京オリンピックに関しては、「敗戦で焼け野原になった状態から、高度成長期を経て、日本は此処迄経済的にも政治的にも発展しましたよ!」という意味での“政治的アピール”は在ったと思います。勿論、悪意を持った政治的アピールで無いのは言う迄も在りませんが。
第29回夏季オリンピックの主催国として中国が選出されたのは、7年前の事だったでしょうか。当事から彼の国の人権軽視の姿勢は目立っていたものの、よもや此処迄酷くなるとはIOCも思っていなかったのでしょうね。否、判ってはいたものの、“接待付け”で籠絡されてしまったのかも(苦笑)。
何処の国で開催されても、オリンピックを政治的プロパガンダに利用される可能性は100%除外出来ないでしょうね。唯、仰る様にその危険性を極力排除する事は出来ましょうが。
今後とも何卒宜しく御願い致します。
giants-55様コメント有難うございます。同一の内容のコメントが二つありました。単なる、操作間違いか何かだと思いましたので、もう一つの方は必要がないと思いましたので、消去させていただきました。
確かに、国威発揚の意味があり、そこからは逃れられないと思います。しかし、長野オリンピックなど、何の支障もなく終了しています。やはり、中国のオリンピックは問題ありだと思います。
どうも初めまして!
本日は、ご訪問頂き、どうもありがとうございました。
実に興味深い記事ですね。
じっくり読ませて頂きました。
まず先に感想を述べさせて頂きますと、概ね賛成ですし、できれば、内部崩壊して欲しいものだと思う部分があります。
しかし、現実に起こった場合、難民の発生は莫大な人数になりそうですねえ。
僕は以前から、「どーしてルーマニアで起こった革命が、北朝鮮では起こりえないのか」という疑問を抱いていました。
疲弊が主な原因だと思いますが、別の理由のひとつに、人種的な優しさもあるような気がしていました。そして、騙されやすく、洗脳されやすい。
これが今後の中国に当て嵌まるかどうかは、別の話ですけど。
それにしても、うちみたいな、地味なブログを見つけて下さって、どうもありがとうございました。
bloodygod様、コメント有難うございます。現代中国が崩壊して、新生民主中国が出来上がるのは結構なのですが、そのとき出来ればソフトランディングしてもらえればと思っています。やけのやんぱちで、ハードランディングなどやられると、日本もとっばつちりを喰らうかもしません。
コメント頂きありがとうございます。
最初は釣りコメントかと思って警戒しましたが、記事を全て拝見しまして驚きました。
(その5と8が削除されているようですが)
私自身は専門的な知識は何ももっていないのですが、すごく興味深い内容でした。
この内容自体を動画にまとめられてyoutubeやニコニコ動画などのサイトに投稿されてみてはいかがでしょうか。
もっと多くの人に知ってもらい色々な意見が聞けると面白いと思います。
こんばんは。
北京オリンピックは、中国・IOCが意地でも開催するでしょうね。
問題はその後の中国なわけで・・・
楽しみでもあり、恐ろしくもあります。
日本への影響を最小限にとどめるべく、準備しておかなければいけませんね。
とはいえ、今の首相があれだから・・・
どうなるやら・・・
って、感じですね。
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