2011年9月4日日曜日

「ゲーセン」いまや常連はお年寄り シニアサービス充実―【私の論評】少し見方を変えれば、高齢者にとって良いサービスはいくらでも提供できるし、それが、次世代産業の切り札にもなり得る?!!

「ゲーセン」いまや常連はお年寄り シニアサービス充実

メダルゲームに興じる高齢者

かつて子どもの遊び場だったゲームセンターがいま、お年寄りも楽しめる「憩いの場」になりつつある。ほかの娯楽施設より安く長く遊べる点が人気のようだ。少子化と若者の「ゲーセン離れ」に悩む業界各社も、シニア向けサービスに本腰を入れ始めた。

8月中旬の平日昼下がり。東京都葛飾区のゲームセンター「ハロータイトー亀有」では、十数人のお年寄りが遊んでいた。

「今日の調子はどうかい」。畳敷きベンチに座って小藤チエ子さん(76)が野田マツさん(86)に話しかけた。2人ともここの常連客で、通っているうちに友達になった。10年ほど前に夫を亡くした小藤さんは「1人で家にいるとぼけてしまうけど、ここでゲームをしていれば時間を忘れられる」と語った。

店は2年ほど前から高齢者が増え始め、今は平日昼間の利用者の8~9割を占める。人気は「メダル落としゲーム」。手持ちのメダルを投入して装置内のメダルの山を崩して遊ぶ。上達すると、千円あれば長時間楽しめる。

大半のお年寄りは数時間は滞在し、ゲームの途中でお茶を飲んだり、弁当を食べたりして仲間と雑談して過ごす。「ゲームセンターが交流の場になっているようですね」と酒井康彰店長は言う。タイトーは高齢者向けに、全国約20店舗で今年1月から店内のベンチを畳敷きに変えた。

【私の論評】少し見方を変えれば、高齢者にとって良いサービスはいくらでも提供できるし、それが、次世代産業の切り札にもなり得る?!!
今や、若者はほとんど行かず、子供もあまり行かなくなったゲーセンに、高齢者が増えつつあるということは、数年前からニュースになっていました。これは、新たな社会現象として報じられていたものですが、上のニュースでは、すでに、ゲーセン側も、高齢者を顧客として期待し、それに応えようとしているように変化し、すでに社会現象ではなく、高齢者ライフスタイルの一つとして定着したことを示すものではないかと思います。

さて、このようなこと、以前にもありました。まさに、歴史は繰り返されるということです。10年くらい前には、いわゆる、昔は、若者や、仕事帰りの若手サラリーマンが通うものとみなされていた、「フィットネス・クラブ」に高齢者が増えつつあることが新たな社会現象として、新聞・テレビなどで放映されていました。そうして、今は、これは、全国的に当たり前の風景になってしまいました。

そうして、2005年あたりには、高齢者のライフスタイルの一つとして定着していました。その状況がよくわかる、2005年12月に掲載されたあるブログ記事を以下にコピペします。
■高齢者が増える「フィットネスクラブ事情」
僕の通っているジムは、とにかく高齢者が多い。筋トレバリバリの爽やかマッチョにーさん、なんていうのは見たことがない。プールでも、水中ウォーキングをしている人が半分ぐらいいる。その他のレーンでも、フジツボ状態で張り付いている人が多い。泳いでいるのか、ただ浮いているのか分からない人も、たまに見かける。 
元々地元には二カ所エグザスがあったのだけど、統廃合が進み、今は僕の通っているエグザス一カ所になった。駅の下にあるという利便性から、エグザスの中でも会費が高い部類になる。値段が高いだけでなく、ナイト会員制度など、夜間限定の会員制度もない。あるのは、「平日昼間限定の少し安いプラン」だけだ。 
今通っているエグザスは、何年か前までは阪急グループが経営していたスポーツジムで、阪急撤退とともに、コナミスポーツクラブが買収してエグザスになった。 
その時に会費制度をそのままスライドさせた形で運営されていたのだけど、元々別の場所にあった会費の会費の安いエグザスが無くなっても、あまり会員の顔ぶれに変化は無かった。 
そりゃそうだろう、高い会費のところから安い会費のところに移動するなら分かるけれども、駅下にあるということから駐車場もなければ、会費も高い。無くなった方のエグザスは、駐車場は豊富にあったし、ナイト会員制度もあった。今の会費の半額ぐらいの値段で通えたのだ。 
こういったジムに通うためには、資金に余裕があるか、時間に余裕があるか、どちらかがないと継続して通うのは難しい。単純に計算しても、僕の通っているジムに一年通うだけで15万かかるのだ。これは結構辛い( ̄▽ ̄;) 
そういったわけで、高齢者が多いのはそんな金銭的な理由なんだろうと思っていた。ところが、「フィットネスクラブ」に高齢者が多くなっているのは、僕の通っているエグザスだけの問題でもないらしい。 
スポーツクラブルネサンスが発表している、「年代別フィットネスクラブ会員構成比の変化」を見てみると、1998年のくらべて、2005年になると20代が半分にまで減っているのだ。それに対して、40代・50代・60代が増えている。 
少子高齢化と良く耳にするけれども、日頃通っているスポーツジムにも、その影響は確実に出てきているようだ。
このブログでは、少子高齢化の影響ということで掲載していますが、無論根本的な背景としては、そういうことがありますが、上記のゲーセンのニュースとも考え合わせると、こうしたライフスタイルの変化の背景にある共通の高齢者のニーズが浮かびあがってきます。

それは、何かといえば、やはり、社会とのつながりを絶ちたくないという高齢者の切実なニーズです。現在平均寿命は伸びましたが、その結果に対する高齢化に対して未だ社会が対応していません。だからこそ、そのニーズを満たすために、フイットネスクラブや、ゲーセンが高齢者に活用されているのだと思います。また、これらの層は、比較的コミュニケーション能力があり、さらには、若い時代には、学校や会社だけではなく、地域コミュニティーが存在しており、これらの人々は、人は、社会とのつながりがなければ、楽しくはないどころか、寂しいとさえ思っています。

逆に、フイットネスクラブや、ゲーセンの若者離れが顕著となったのは、これらの層では、根本的には、学校だとか、会社など、いやおうなく、社会との接点があるということです。これらの層では、どちらかといえば、最近は、コミュニケーション不足で、できれば、私生活においては、社会とのつながりを持ちたくないとさえ思っている人も、少なくありません。

フィットネスクラブに行かなくても、自転車に乘るとか、徒歩をするとか、家では、ストレッチをするなど、わざわざ、でかけなくても、自宅でできることはいくらでもあります。また、ゲーセンなども、最近では、通信が発達しており、たとえば、パソコンや、最近はやりのiPadなどでも十分楽しむことができます。それに、ゲーム機があれば、自宅のテレビで十分楽しむことができます。いまや、インターネットに接続すれば、世界中の人々と、対戦ゲームなどが楽しめます。それも、非常に低価格でできます。それであれば、わざわざ、ゲーセンに足を運ぶ意味がありません。

しかし、高齢者にとっては、フィットネスクラブや、ゲーセンなどに行って、人に会うこと自体が大きな価値なのです。そうして、このようなことをしていれば、確かに、健康や、ボケ防止になります。

ところで、このようなことは、欧米ではどうなのかといえば、既存のフイットネスクラブや、ゲーセンでは、見られない現象のようです。なぜなら、欧米では、NPOが発達しているからです。特に、地域に密着した日本よりも、大規模なNPOが、高齢者に対する充実したサービスを提供しているからです。アメリカでは、日本では、国が実施している年金が、年金基金というNPOが実施しており、この年金基金が、かなり充実した、高齢者向けサービスを提供しています。

これに関しても、アメリカの日系米人や在留邦人向けのブログにこのあたりの事情がわかりやすく解説されているので、それを以下にコピペしておきます。少し長いので、必要なところだけ、拾い読みしてください。本来だったら、編集してコピペすべきなでしょうが、時間に制約があるのでご容赦ください。
生き生きシニアライフ
リタイア後を豊かに生きる(2)
ダウンサイズで生活をシンプル化
色んなことにチャレンジする 

村井芳郎さん(60歳)夫妻
啓子さん(60歳)
「70歳まで働き続けたい」と話す村井夫妻。子供の独立を機に5ベッドルームの一軒家を売却、引退に先駆け2ベッドルームのシニア向けコンドミニアムへの「ダウンサイジング」を敢行した。「アクティブな老後のために、生活をシンプルにする」ことを決めた。 
引っ越しで気持ちを整理 
村井さん夫妻は昨年6月、3人の子供全員が独立したのを機に、長年暮らしたロミータ市の5ベッドルームの一軒家を売却、トーランス市内にある55歳以上を対象にしたシニア向けコンドミニアムを購入して転居した。「2ベッドルームなので最初は圧迫感がありましたが、慣れたらこちらの方が快適です。光熱費や水道代も以前の3分の1程度ですよ」と芳郎さん。 
引っ越しを機に、荷物も大幅に整理した。「たくさん捨てましたね。捨てるかどうかの判断基準は、今後20年間で使うかどうか。使わないと思うものは、思い入れのある品でも思い切って捨てました」(芳郎さん)。荷物を整理して引っ越すことで、第2の人生に向けた気持ちの整理もつけた。生まれ育った家がなくなると知り、子供たちの心境は複雑だったが、「これはパパとママの子育ての卒業式」と、最終的には夫妻の決断に賛成した。  
4階建てのコンドミニアムには、100を超えるシニア世帯が暮らしている。プール、ジャグジー、フィットネススタジオに加え、住人たちが集うコミュニティールームも完備されている。また、スーパーやレストラン、病院までが徒歩圏内という利便性も魅力だ。「ここなら、年をとって車が運転できなくなっても安心ですから」と啓子さん。「治安もいいし、とっても静かです。皆さんフレンドリーで、ご近所付き合いも活発。お友達もたくさんできました」。  
広い家からコンパクトなコンドミニアムへの住み替えを断行した最大の理由は、掃除や庭の手入れ、修繕など、家のメンテナンスにかかるエネルギーとコストを削減し、生活を簡素化すること。「大きな家に住んでいると、それだけでエネルギーが必要です。5つもベッドルームがあれば、掃除だって大変ですし、庭の水撒きだってひと仕事。その点、集合住宅は楽。これまで家事にかけていたエネルギーや時間を、趣味や遊び、ボランティアに使えるようになりました」と、啓子さん。

海外移住も視野に
「70歳までは仕事を続ける」という芳郎さんは、10年後に引退したら夫婦で世界中を旅して回りたいと夢を語る。「クルーズ船に何度か乗って楽しかったので、また夫婦でクルーズ旅行に出かけたいですね」。また、この新たな住まいを拠点に、スペインやニューヨークなど、世界各地に長期滞在することも考えている。「住んでみたいのはスペイン。気候もいいし、暮らしやすそうでしょう。違う文化の中で暮らすのは、刺激的で楽しそう」。一方、啓子さんはニューヨークで暮らしてみたいと話す。「演劇にコンサートにお買い物と、楽しい毎日が過ごせそう。ニューヨークならヨーロッパ旅行も手軽ですし。娘と息子が住んでいる沖縄にも長期滞在したいですね。このコンドミニアムなら、鍵を1つかけるだけで出かけられる。そんな手軽さが、海外移住さえ可能にしてくれるのです」。  
「アメリカでは、シニアライフを充実させるため、自分自身を『Reinvent』、つまり再構築するという考え方があります。引退後に俳優になる人もいるし、シェフの勉強を始める人もいる。そういう人たちのために、教育機会もたくさんあります。私たちも『Reinvent』して、第2の人生の先にある第3の人生を構築し、存分に楽しもうと考えています」と芳郎さん。  
引退後にビジネスを立ち上げることも視野にあれば、健康のために太極拳を始めることも考えているという。ボランティア活動にも今まで以上に積極的に取り組みたいと話す。長年やりたいと考えていたことに、引退後なら気軽にチャレンジできる。ダウンサイズで生活がシンプルになったからこそ、身軽にさまざまなことにチャレンジできる、というわけだ。

シニア向けハウジング
55歳以上が対象
コンパクトで快適な住居

現在、55歳以上のみが居住できるシニアハウジングの開発が進んでいる。シニアハウジングとは何か、購入に際しての注意すべき点は何かなど、Remax Palos Verdes Realtyの出相一英さんに聞いた。
取材協力
出相一英
Remax Palos Verdes Realty
450 Silver Spur Rd., Rancho Palos Verdes
☎310-703-1884
www.deaiteam.com
シニア向け専用住宅というと、アリゾナ州など他州にある印象を持つ読者も多いが、実はトーランス市はシニア用住宅の開発が盛んで、市内9カ所にシニアハウジングがある。「トーランスは気候や交通の便が良く、高齢者にはぴったりです。日系ビジネスが集中していますから、特に日本人の高齢者には最適ですね」と出相さん。  
シニアハウジングのほとんどはコンドミニアム形式。ユニット内は車イスでも移動できるよう、段差がない造りになっている。高齢者が1人、あるいは夫婦だけで暮らすのが基本のため、1ベッドか2ベッドルームのコンパクトサイズが中心で、3ベッドルームのユニットは少ない。また、コミュニティールームやライブラリーなど、高齢者ニーズを配慮したところもあるが、実際には一般的なコンドミニアムとそれほど変わらない。「外見だけでは、シニア向けとはわかりません。なかには、住民同士の交流を促進するイベントや、趣味のサークル活動に熱心なところもあるようです」と、出相さんは言う。  
前述のように、シニアハウジングは55歳以上であることが基本的な入居ルール。だから、購入者や世帯主が55歳以上でも、55歳以下の子供や孫と同居できない。ただし、同居する夫婦の一方が55歳以上の場合と、55歳以上の入居者が日常の世話を必要とする場合に、ケアギバーとして同居する人のみ入居できる。  
このように、制限があるシニアハウジングだが、メリットは多い。1つは、同等の物件に比べやや価格が割安に設定されていることだ。「家族や子供がいないので、静かなのもいいですね。車がなくても生活できるよう、店や病院に近い市街地に建てられているものが多く、利便性が高いのもメリットです」(出相さん)。なお、売却時に不利なのではと心配する人もいるが、「今後、こうした高齢者向け住宅の需要は拡大すると考えられるので、その心配は特にないでしょう」とのこと。  
シニアハウジングの選び方について、出相さんはこう語る。「引退後、どういうライフスタイルを送りたいのかを考え、物件を選ぶことが大切。また、10年後、20年後の自分の健康状態を想定し、徒歩圏内にどんな施設や病院、サービスがあるのかなど、細かくチェックすべきでしょう。お子さんがいらっしゃる方は、お子さんのお住まいから近い物件が、何かと便利でしょうね」。  
家族で暮らしてきた一軒家を売却し、コンパクトなシニア用コンドに住み替える人は増えている。第2の人生の拠点をアクティブなシニアが集まる、シニアハウジングに求めてみるのも一案かもしれない。 
コウハウジング
ふれあい重視の新スタイル
コウハウジングの魅力とは

共通の目的やライフスタイルを追求する人が集まり、共有施設を中心としたコミュニティーで暮らす「コウハウジング」。北欧で生まれたこの新しい住まいスタイルが、日米で注目を集めているという。「コウハウジングの基本は助け合いと触れ合い。シニアにはぴったり」と話す、コウハウジング・コーディネート会社、VIVACE International, Inc.の代表、菊入弘行さんに話を聞いた。
取材協力
菊入弘行
VIVACE International, Inc.
4500 Campus Dr. #650, Newport Beach
☎949-474-8088
www.vivace-intl.com
コウハウジング。耳慣れない言葉だが、従来型のコンドミニアムやゲート・コミュニティーとどう違うのだろう。「コウハウジングには戸建て、タウンハウス、コンドミニアムと、さまざまな形状がありますが、入居希望者が集まってLLCを作り、事業主になって住宅開発をするのが最大の違いでしょう。また、共有施設を中心に、助け合いと触れ合いのある暮らしを目指すのが特徴です」と菊入さん。  
規模は10戸から30戸程度。各居住空間は独立しているため、一般的な集合住宅と見た目はそれほど変わらないが、特徴は中央に作られた共有施設にある。入居者の希望やタイプに合わせ、レクリエーションルームや共有キッチン、ゲストハウスなどが作られ、ここが入居者たちの触れ合いの拠点となるのだ。  
完成した住居を購入するのと違い、計画段階で入居を決め、入居者の希望に合わせて建設されるのも特徴だ。「入居者1人1人の意見をとりまとめるのは現実的ではないので、コーディネーターである私たちがあらかじめ大枠のプランを用意しますが、間取りやデザインなどは入居者の意見を反映することができるのです」と菊入さんは続ける。高齢者や障害者が入居するのであれば、バリアフリーにすることももちろん可能だ。  
また、隣に誰が引っ越ししてくるかわからない一般的な集合住宅とは異なり、コンプレックス内に暮らすのは皆顔なじみ。「プライバシーは大切にしながらも、住人同士が互いに助け合い、触れ合って暮らします。コウハウジングはシニア専用ではありませんが、家で過ごす時間が長いシニアの方々にとっては、理想的な住まいスタイルと言えるのではないでしょうか」(菊入さん)。現在、日本語を話す人対象のコウハウジングのプロジェクトが、サウスベイを拠点にいくつか検討されている。ヴィヴァーチェでは、毎月説明会を開催しているが、やはりシニアの関心が高いようだ。  
ご近所付き合いのない都会暮らしは、寂しい上に不便。気軽に助けを求められる人、話し相手になる人、共通の趣味を楽しめる人が近所に集まっていれば、老後生活は何倍も安心で楽しいものになる。全米で人気を得ているコウハウジングに興味のある人は、1度説明会に参加してみてはいかがだろうか? 
ソーシャルセキュリティーの基本 
米国年金も前途不安
日米社会保障協定を知る

日本では老後のための年金が用意されているが、アメリカでは一体どうなっているのだろうか? 最近の日米での年金事情も踏まえ、アメリカの年金の種類やその仕組み、支払い方法などを考えてみよう。

アメリカの公的老齢年金制度はソーシャルセキュリティー(Social Security)と呼ばれ、アメリカ国内で就労するすべての者は、ソーシャルセキュリティー税を納める義務がある。ソーシャルセキュリティーの受給有資格者となるには、最低10年間就労しソーシャルセキュリティー税を納め、40クレジット以上の獲得が必要となる。  
高齢化社会の到来で、ソーシャルセキュリティーが満額受給できる年齢が引き上げられた。2008年1月現在、1937年以前に出生の人は、65歳で満額を受け取れるが、それ以降に生まれた人は年齢が上がり、60年以降に生まれた人は67歳となっている。
ソーシャルセキュリティーは62歳からの繰り上げ受給もできるが、その場合、一定率の受給額減になる。逆に受給開始を遅らせることも可能で、その場合は受給額増となる。  
ソーシャルセキュリティーは日本の国民年金と同様、政府が現役世代からの税金を運用し、引退者に分配するという仕組みだ。しかし、08年には、全米で7800万人いるといわれる団塊世代が引退を始め、30年後の高齢者数は現在の2倍になると見られ、またソーシャルセキュリティー税を納める被保険者と受給者の割合も、現在の3.3対1から、32年には2.1対1に減少する。  
05年10月1日施行された日米間の社会保障協定により、日米両国で働く者、あるいは過去に働いていた者にとっては、社会保障制度が大幅に改善された。これは、両国での社会保険料の二重支払い防止、また日米での年金加入期間を通算し、年金保険料の掛け捨てを防止するために結ばれた協定だ。同協定に含まれるのは、アメリカではソーシャルセキュリティー、障害年金および遺族年金で、日本では社会保険料(医療保険料の一部を含む)および老齢年金、障害年金、遺族年金など。ただし、国民年金基金、任意加入の企業年金である厚生年金基金は適用外。これまでは一方の国で年金を一時的に支払っていても、加入が短期として年金を受けられず、掛け捨てになってしまうことも多かったが、今後は日米の年金加入期間を相互に通算し、年金受給権を獲得できるようになる。  
また、これまでは日本在住者がソーシャルセキュリティーを請求する場合や、アメリカ在住者が日本の年金を請求する場合は、相手国の年金担当窓口に直接申請する必要があったが、この協定により、居住国の年金担当窓口で相手国の年金を申請できるようになった。  
メディケアと介護保険
メディケアを補完するには
民間の高齢者医療保険が得策

65歳になれば、高齢者向けの公的医療保険の「メディケア」が利用できる。しかし、メディケアですべてがカバーされると安心していて良いのだろうか。高齢者のための医療保険と介護保険について、ダイワ保険代理店の代表、安岡忠展さんに話を聞いた。
取材協力
安岡忠展
ダイワ保険代理店
21515 Hawthorne Blvd. Suite 440, Torrance
☎310-540-8595
www.daiwainsurance.com
65歳以上の高齢者や身体障害者を対象にした公的医療保険制度であるメディケアは、メディケアタックス/ソーシャルセキュリティーを10年以上納めていれば受給できる。メディケアは入院費用をカバーする「パートA」、外来医療費をカバーする「パートB」、処方箋薬を対象とする「パートD」の3つに分かれており、Aは保険料がかからないが、Bは月額96ドル40セントの保険料が必要。民間保険会社が提供するDは、各社プランにより料金は異なる。  
メディケアは、医療費すべてをカバーするものではなく、「長期入院などの場合、自己負担額が大きくなる可能性もあります。メディケアを補完する民間会社の高齢者向け医療保険に加入しておいた方が良いでしょう」と、安岡さんは話す。  
メディケアを補完する高齢者向け医療保険には、大きく分けて「Advantage Plan」と「Supplement Plan」の2種類がある。Advantage Planは、メディケアを利用した際の自己負担額を低く抑えるプランで、プランによっては保険料がかからないものもあるなど、全般的に保険料が低いのが特徴だ。ただし、ネットワーク内の医療機関でしか利用できないなどの制限がある場合も多い。  
一方Supplement Planは、メディケアがカバーしない部分を補完する保険。こちらも民間保険会社のプランに加入することになるが、自己負担額が低く抑えられる分、保険料がAdvantage Planに比べて高い。  
「一概には言えませんが、健康で医療費がそれほどかからないならAdvantage Plan、頻繁に医療機関を利用するならSupplement Planが好都合です。本来は、多くのプランをじっくり比較検討し、自分に合ったプランを選ぶしかないのですが、すべての商品を比べるのは困難ですから、信頼できる保険代理店に相談するのがベストです」と安岡さん。  
それでは、介護に必要な保険はどうか。メディケア、民間の高齢者向け医療保険ともに、病気の治療が対象で、介護費用はほとんどカバーされない。65歳以上でナーシングホームの入居率は48.6%、自宅介護率は71.8%(The Long Term Care Handbook, 1998より)というデータもあり、介護対象の「ロングタームケア保険」の加入も検討すべきだ。  
「介護費用がかさみ、財産を使い切ってしまう例もあります。少しでも負担を減らすためにも、加入しておくべき保険でしょう」と安岡さん。保険料は、被保険者の健康状態、年齢、給付金、保障期間などで大きく異なるが、若い時に加入しておけば、保険料が安くなる。「歳をとればとるほど保険料は高額となり、健康状態によっては加入を拒否されてしまうことも。40代になったら、加入の検討をおすすめします」(安岡さん)。 
これは、アメリカの話ですが、アメリカ独自の医療に関する、メディケアの話がでてきて、いかにもアメリカらしいです。そうして、上の推進母体のほとんどが、NPOです。NPOが、銀行や、ディベロッパーや、場合によっては、地方自治体まで、コーディネートして、事業を展開しているのがほとんどです。、日本とは、異なり、NPOが高齢者のニーズに応えて、いろいろ活動している様がうかがえます。

日本では、アメリカのNPOのこのような、サービスを手がけてるところもありますが、それは、NPOではなく、民間企業が手がけています。そうなると、極少数のお金持ち相手であり、一般の人には手がとどかないと思います。アメリカもそのような傾向がありますが、しかし、NPOは営利を追求するのではなく、社会的使命をもち、社会事業を推進しますから、一般の人にもかなり手が届きやすいものを提供できます。

高齢者も、既存のフイットネスクラブや、ゲーセンなど、本心では、さほど行きたくないと思っているかもしれないのですが、今のところ、手軽に自らのニーズを満たしてくれるのが、これらだったということだと思います。

何か、このへん、社会事業として、いろいろできそうです。しかし、日本では、残念ながら、NPOがアメリカのように大きく活動できような、システムとはなってはいないのでなかなか難しい面があると思います。

しかし、こうした試みは、社会のシステムを変えてでも、実施する意義があると思います。これは、現在の民主党政権のいわゆる「新しい公共」などという、幼稚なコンセプトではどうにもなりません、次期政権に期待すべきでしょう。しかし、いろいろなセクターで研究開発をしておく価値は十分にあると思います。

なぜなら、リーマン・ショック前までは、アメリカと日本の個人あたりの資産は、日本と並びました。預貯金は、もともと、日本が多かったのですが、株式まで含めた個人資産では、アメリカのほうが多かったのです。しかし、アメリカの株式が目減りしたことと、なんと、日本の預貯金額が、リーマンショック後には若干増え、アメリカと日本の個人資産は、ほぼ同じくらいになりました。これはいくら、日本が豊になったとはいえ、歴史上初のことではないか思います。こんなことも、日本のマスコミはほとんど報道せず、駄目日本のみを虫メガネで拡大するような報道ばかり行っています。

これに関しては、中国の高齢化に関するこのブログの記事のところで、詳細を掲載しましたので、詳細を知りたい方は、当該ブログをごらんになってください。多くの人は、いつも、マスコミなどの出鱈目報道に慣らされているので、日本人がこのように世界トップレベルの金融資産を持っていることに驚く事と思います。アメリカ、日本、イギリス、ドイツ、フランスでは、個人あたりの資産は比較的高いですが、中国を始めとする新興国は、まだ、論評に値するほどの資産は構築していません。

しかし、資産という性質上、若者などはあまりもっておらず、高齢者や、高齢者予備軍といわれる人々に集中しています。これはなにも、日本だけの特殊事情ではなく、世界中で共通の事実です。まあ、働き始めたばかりの若者や、30代から、40代前半の人々は、人生のライフステージの中でも、もっとも消費が増えますから、無駄遣いをせず、長期間真面目に働いた高齢者のほうが、資産を多くもっているというのは、当たり前といえば、当たり前です。

一部のかなり資産を持つ、高齢者は、別として、現在、他にニーズを満たすことができないので、既存のフィットネスクラブや、ゲーセンに通っている高齢者のニーズを、新たな社会事業で吸い上げることは十分できるでしょうし、さらに、こうすることにより、高齢者も安心して、これらのサービスに投資できる環境ができあがれば、将来体の自由がきかなくなることを心配して、消費や投資を控える、高齢者や、高齢者予備軍の人々もこれらのサービスに関連する消費や、投資をする様になると思います。

日本は、もともと、金がないので、不況になっているわけではありません。潤沢すぎるというか、だぶついている金が市中にでまわらないことから、このような状況に陥っています。このようなサービスを実現することにより、経済にもかなり良い効果を及ばすものと思います。民間企業でも、ある程度はできるかもしれないし、実際、かなりのお金持ちには、提供されつつあります。これらが、一般の人々にも提供されるようになり、高齢者、高齢者予備軍の人々に安心感がひろがれば、とてつもないことになるかもしれません。

いずれにせよ、これらのことは、アメリカをそのまま真似すればできるようなことではないと思います。上記のような社会現象、ライフスタイルの変化等研究しつつ、最初は資産家などに限って、提供して、社会システムの変化を勘案しつつ少しずつ広げていくなどのことが考えられると思います。
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