2009年1月12日月曜日

階級闘争ふたたび?-階級闘争は最早存在しないが、厳しい競争が起こる時代になってきている!!

階級闘争再び?
池田信夫blogで階級闘争再びという、タイトルで書かれてあったので、下にそのまま引用します。
小倉さんがまだ納得できないようなので、少し解説しておこう。彼はこう書く:
2000 年から2007年にかけて、増加労働者が受け取る配当(給与等)の総計は約6兆円減少したのに対し、この期間株主が受け取る配当の総計は約9兆円[増加] しています。すなわち、企業活動による生産量の増加分を労働者に配当せずに経営者と株主とで分け合ったのみならず、労働者への配当分を一部奪い取って経営 者と株主とで分け合ってしまったのがこの7年ということになります。すなわち、「ワーキング・プア」は、世代間闘争に敗れたが故に貧しくなったのではな く、階級間闘争に敗れたが故に貧しくなったのです。
う~ん、階級闘争ね。小倉さんは私より下の世代なんだけど、かなり特殊な教育を受けたのかな。「6兆円減少した」などといかにも大きいように表現しているが、雇用者報酬は7年間で271兆円が265兆円に3%減っただけで、景気変動の誤差の範囲内だ。それにMutterway氏 も指摘するように、給与は「配当」ではない。給与は好不況にかかわらず支払われるが、配当は利益が上がれば増え、赤字になったらゼロになる。労働分配率は その逆に、利益が増えると下がり、業績不振のときは上がる。だから日本の労働分配率は図のように1990年から2002年までの不況期に10%上昇し、そ の後の景気回復で5%ほど下がった。
要 するに雇用者報酬とか労働分配率なんて景気の派生的な指標で、そこから「階級闘争」の情勢を読み取ることはできないのだ。小倉式に表現すれば、1990年 から2002年までは労働者は「階級間闘争に勝利した」のだろうか。労働分配率を上げようと思ったら、不況にするのが手っ取り早い。たぶんこれからそうな るだろう。

こういう階級闘争史観は、「派遣村」の人々にも根強くある。たとえば湯浅誠氏は 「労働分配率の低下」を問題にして、企業は配当や「内部留保」を賃金に回せと主張する。これは共産党が50年ぐらい言い続けている話だが、そんなことをし たら、ただでさえROEの低い日本企業には誰も投資しなくなり、日本経済は沈没するだろう。雇用を生み出しているのは、株主の投資なのだ。

階級闘争は最早存在しないが、厳しい競争が起こる時代になってきている!!
階級闘争などという、大昔の言葉、というより死語がいまさら使われることに不思議な感じがします。階級闘争といえば、簡単にいってしまえば、生産手段や資本を持つ資本家とそれを持たない労働者との間に階級闘争が発生するというものです。

ハナテから引用すると、「
生産手段の私有が社会の基礎となっている階級社会において、階級と階級との間で発生する社会的矛盾を克服するために行われる闘争。

 マルクスエンゲルスの「共産党宣言」においては、「あらゆる社会歴史は、階級闘争の歴史である」と規定され、階級闘争は社会発展の原動力として位置付けられている」となっています。

この言葉はいまや完全に死語です。なぜなら、いまやわれわれの住む先進国や新興国でも、生産手段はお金ではなく、知識になっているからです。富の主な源泉が、知識となつている知識社会に突入してるからです。知識が生産の主なる手段であるような社会では、階級闘争が起こるようなことはありません。

一昔前なら、資本をもってさえいれば、事業をを起こすことは簡単でした。自分の売りたいものを仕入れてきて、店に並べておけば売れた時代がありました。この時代の商売は本当に簡単だったと思います。しかし現在、資金だけをたくさん持っていても、何か新しい事業を起こそうと思っても出来ないです。しかし、素晴らしい考えやアイディアがあれば、実現できる可能性は高いです。

いろいろな専門的な知識を持っていれば、その知識を活用して、事業ができたり、あるいはそうした専門知識が必要である会社などの組織に就職することができます。昨今、派遣村に集まる人たちには、こうした専門知識が欠けているということがあると思います。

そうです。知識社会は反面では厳しい競争社会でもあるということです。知識というものは、その性質上移転が容易です。派遣労働をしている人たちも、いろいろな知識を持っていると思います。新聞が読めるとか、あるいは、高校や大学で特殊な知識を学んできているかもしれません。ただし、派遣の多くの人たちの知識は、他者とは差別化できるほどのものではありません。誰もが持っているような陳腐化したものであり、さらには、知識とはいっても、それを仕事に適用できるほどのものではないことが多いのだと思います。

知識社会における知識は、従来意味する知識とは性質を異にしています。従来知識とは、役に立たないものの代表のようにいわれてきました。こうした知識の多くは、静的なものであり、たとえば、百科事典などに掲載されているようなものでした。百科事典を丸暗記しても、ほんど役には立ちません。しかし、知識の意味するところが変わってきました。知識社会における知識とは、医学とか、応用工学とか、本当に具体的に役に立つ動的な知識を意味するようになりました。知識工学(knowleadge engneering)で、いうところの知識はこのうようなものです。こうした仕事に直接適応できる知識は、従来の知識や知恵とは全く異なるものです。昔のような静的な知識だけでも何もできませんし、いわゆる知恵だけでも何もできません。知恵と複数の知識があって始めて仕事ができます。

派遣労働をする人たちは、こうした知識が不足しているし、派遣労働をする限りにおいては、知識を増やすこともできないのだと思います。ですから、いたずらに階級闘争などということを言ってみても、何の解決にもならないのです。派遣労働から抜け出すには、こうした知識を身につける必要があるし、労働の流動化をするためには、こうした知識をスムーズに移転できるシステムを構築する必要があります。

それから、これはいたし方のないことなのですが、知識というものは、その性質上、きちんと移転できるシステムを構築してしまえば、比較的簡単に移転できます。知識社会における企業などは、何か新しいイノベーションをしたとしても、それは、すぐに知識として移転され他社に真似されてしまいます。個人レベルでも学校で何か特殊な知識を入れたとしても、すぐに陳腐化してしまいます。だから、企業レベルでも個人でも大競争時代になります。

こうして競争、競争で明け暮れるわけですから、競争に敗れる人もでてきます。というより、ごく少数が勝者で、大多数の人が敗者になるわけです。だから、社会のあらゆるところで、こうした敗者に対するセーフティーネットも重要になってきます。

私たちは、階級闘争などという死語に思いをめぐらすことなど必要はありません。これから本格的になる知識社会に対する備えをしていかなければならないと思います。というより、私たちはもう知識社会の中に生きています。そうして、もうそこから引き返すことはできません。こうした、社会で人々とうまく共存できる仕組みを考えるべきです。

このブログでは、今まであまり知識社会や知識労働者、知識労働などについてはとりあげてはきませんでしたが、これから掲載していきます。

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9 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

 素晴らしい考察ですね。同感に思います。企業における広義的な知識保護として特許や商標などがあるように思います。

 知識は、派遣労働者には無いですね。それは、特殊な本来、派遣業法が適用される人達は除きます。肉体労働や簡単な頭脳ワークを派遣として雇えば、その人は同じ作業の分類から抜け出す事が出来ません。つまり、可能性を奪っている一種の見えない階級を作っているように思います。資産がある子息であれば勉強をし直す余裕がありますが、学歴・資産の格差継承の社会においては、抜け出すのは難しいでしょう。ココは、政治の仕事に思います。

 ありきたりの言葉だとオンリーワン。もしくは、世界初。こういう事を目指すべき時代なのでしょう。面白い事は、仕事だけでなく、恋愛においても同様に思います。絶対的に人気のある人間は、他の人にない魅力を持っています。美貌とか気配り・面白さとかは、持って生まれたものでしょう。

 最近、思うのは、組合(連合)は、本来行うべき立場と違ってきているのではないかという事です。経営者側・労働者側・組合側という三者の形が良いと思うのですが、最近は、経営者側・組合側で、労働者側は蚊帳の外に思います。本来、組合側は労働者側に雇われている雇用者達であり、労働者側の要望で動くべき組織です。しかしながら、自組織の集金・集票のために率先して対立構造を生み出しているように思います。自分達の組織を守るために思えます。その最たる例が、トヨタの労働組合で、今年もベア要求を行いました。勝手に組合側が行い、一部の熱狂的支持者(労働者)が運動をしているだけに思います。本来は静観して、労働者側は団結して活動した場合にプロの対応をする。トラブルや相談窓口として機能する。法的なアドバイスをするなどが、本来の目的ですが、デモンストレーションを行い組織全体としてマイナスにしかなっていない組合が多いのではと思います。労働者は経営者に対して弱いので、組合は必要ですが、組合のあり方に疑問を感じます。裏で経営者側と繋がっている茶番劇や暴力団関係者と繋がった嫌がらせ行為もあります。私が所属していた組合は、ただ納金するだけで全くメリットはなく、デメリットだけを享受したように思います。組合加入率が減少していますが、組合(連合)自身が、保身でなく労働者のために必要な組織であって欲しいと思います。日本は、嫌な世の中になったものだなと思います。本当に自分さえ良ければ良い。自組織だけが良ければ良いなど。色々な組合があって、企業内でまとまり、この不況を会社で一致団結して乗り切ろうというところもあります。見ると、役員報酬を思い切り下げてます。人が付いていく・上手くまとまる。それは、人による成果なんだなと改めて感じます。経営者と組合(連合)は、特に自己犠牲や率先して行動することが求められているように思います。

山田 豊 さんのコメント...

ろっし様 コメント有難うございます。知識の移転そのものは簡単なのですが、たとえば、大学や大学院にもどって学習や、研究を容易にしなおせる仕組みを構築すべきでしょうね。
夜間大学や、夜間大学院などつくり、祝祭日などにも開講したり、スクーリングなどするようなシステムを構築すべきだと思います。特に大学院は奏すべきと思います。現状では、社会に出るのを遅らせるためだけに、大学院に行く人も結構多いです。社会に出て、学んだり、研究したりすることの重要性を再認識した人が再度挑戦できるような仕組み、早期につくるべきだと思います。そのうち、少子高齢化で、社会人学生や大学院生の方が、多くなるとか・・・・。
連合に関しては、やはり、社会保険庁の職員が思い浮かびます。もう変質してしまっていて、本質的な役割は果たしていないような気がします。というより、社会の方が変わってしまったのに、連合がそれに追いついていないのだと思います。
これは、日教組などの他の組合にも言えることだと思います。

匿名 さんのコメント...

どうも、コメントありがとうございました。
うーん、確かに理想としてはそうなんですが現実問題に置き換えると無理があるような気がします。
1.勉強するにも「金」がいる。
 ここでいう「金」とは貨幣と交換可能なあらゆるものです。例えば1日6000円の日給だとします。1日勉強のために取ったとすると6000円の損失になります。
 つまりここで論じられている「知識」を身につけることは未来への投資なんです。そして派遣労働者はその日暮らしがほとんどでしょう。そんな彼らに未来への投資に「金」を使う余裕があるとお思いですか?
2.「金」は誰が出すのか
 代替案としてコメント欄で「夜間大学」をあげていますが、当面の生活費、学費等はだれが出すのでしょうか? 国が補助するとしてどこから出します? 国防予算を削ったら、東アジアのパワーバランスが崩れますよ。中国は500発ものミサイルを、北朝鮮はテポドンを常に日本に向けています。
 そんな状態で国防予算を削ったら派遣労働者どころか日本が危うい。福祉から出す? 少子高齢化でますます福祉予算は増えていきます。
 実費? ナンセンスです。
 確かにyutakarlsonさんの仰しゃるのは理想的ですが以上の面を考えると実現は難しいように思います。

山田 豊 さんのコメント...

有沢翔司さん
現実にアメリカではNPOを介して普通に行われているプログラムです。
こうしたプログラムを活用してコミュニティー・カレッジに通う人などたくさんいます。本人の能力に応じて、大学・大学院のプログラムもあります。ただし、やる気のない人は声もかけられないし、無視されます。仕方ないですね。ただし、こうしたプログラムでは、個々人の能力の判定は厳しいです。やる気のない人は、すぐに打ち切られます。
地方自治体、企業、NPO、国などの寄付金と、余裕のある人は本人も学費を一部出します。あるいは、奨学金のようにして後から一部を返済していくという方法もあります。日本では、ほとんど紹介されていないというのが実情ですね。
アメリカでは理想ではなく現実です。実際このようなプログラムでアフリカから出てきた、無一文の少女が、こうしたプログラムを利用して、ある企業に就職し、副社長に上り詰めたという事例もあります。
イギリスにもこれに近いものがあります。
日本でできないはずはありません。また、少子高齢化、さらには知識社会になっているので、成人の教育プログラムは、これから最も成長していく分野になると思います。

山田 豊 さんのコメント...

有沢様へ 追伸
アメリカでは、第二次世界大戦終了直後に軍人復員法で、帰還兵士のうち、大学などへの進学希望を有利にするようにしたことから、こうした制度がいまでも息づいています。
それが、逆にイラクで悲劇を生んでいます。貧乏な家庭に生まれたため、大学にいかんがために、イラク戦争に志願して、命を落としてしまったという、悲惨な例です。
なんとも、残念な例です。やはり、平和が一番だと思います。

匿名 さんのコメント...

どうもご回答ありがとうございます。アメリカでは実際にやられているのですね。
そういうNPOが日本にはないんですか? 足長育英会は高校ですし……。僕の経験上、勉強なんか独学でなんとでもなりますし。

山田 豊 さんのコメント...

有沢様 コメント有難うございます。日本だと、奨学金などやるところはあるようですが、アメリカのように大掛かりなものはないようです。
日本では、ほとんど歴史がありませんが、アメリカやヨーロッパでは、近代NPOの歴史が長かったためだと思います。
ソビエトが台頭してきた頃より以前、いわゆる先進国では、社会福祉や、社会事業に関する事柄は、ほとんどすべてNPOがやっていました。このような歴史が、日本にはありません。ソビエトが一時的に台頭したころには、ソビエトが大きな政府で国民の面倒をすべてみると宣言したため、西欧諸国も大きな政府で福祉国家を目指しました。
結局、ソビエトは崩壊し、西欧諸国福祉国家政策も頓挫しました。いわゆる、政府には基盤の整備などはできても、その基盤の上では、民間営利企業および、民間非営利企業(NPO)が社会問題などを解消していくべきです。
日本でも、有力なNPOができるように、政府の方でも、基盤を整備していただきたいと思います。
それれから、日本で報道される、アメリカは本当に断片的的です。確かに金融危機で金融・経済が破綻しましたが、アメリカといえども、金融馬鹿、賭博師だけが跋扈していたわけではなく、良心的で有力なNPOもたくさんあります。アメリカの全NPOの歳入は、国家予算に匹敵するほどです。
立派に社会問題の解決などに、寄与しています。今も、きっと大活躍していると思います。このへんのところ、日本ではほとんど報道されないため、日本の人には、ほとんど理解できないと思います。

匿名 さんのコメント...

はじめましてこんにちは。

先日僕のブログにコメントを頂いたみたいで、どうもありがとうございます。

御礼と挨拶を、と思ったのですが、せっかくなので“回答”として、僕もこの記事に対するエントリを書きましたので、よろしければご覧になってください。名前のところのリンクにURL入れました。

どうぞよろしくお願いします。

山田 豊 さんのコメント...

中坊様 コメント有難うございます。ブログのほうも見てきました。近いうちにまたコメントなどしたいと思います。よろしくお願いします。

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