2023年2月27日月曜日

「事前了解ない場合も」首相のウクライナ訪問で自民―【私の論評】岸田首相は現在の意思決定や情報収集のスタイルを変え、キーウを電撃訪問せよ(゚д゚)!

「事前了解ない場合も」首相のウクライナ訪問で自民

自民党の高木毅国対委員長

 自民党の高木毅国対委員長は27日、岸田文雄首相が検討するウクライナの首都キーウ訪問を巡り、国会は事後報告も含め柔軟に対応すべきとの認識を示した。「慣例的に首相が海外に行く場合は国会が事前了解しているが、今の状況を考えると当てはまらない場合もあるのではないか」と語った。

 首相を含む閣僚が国会開会中に海外訪問する際、国会に事前承認を求めるのが慣例となっている。高木氏は、「安全を確保してウクライナに首相が行くことが必要だ。国会として、それに対応することはあるだろう」と述べた。

【私の論評】岸田首相は現在の意思決定や情報収集のスタイルを変え、キーウを電撃訪問せよ(゚д゚)!

21日のバイデン米大統領のウクライナ訪問で、G7首脳で行っていないのは日本だけになってしまいました。岸田総理も1月頭に欧州を歴訪したので、そのとき行けばよかったのにと思いましたが、行きませんでした。「行けなかった」のでしょうか。


2月21日、岸田総理は公明党の山口代表と会談を行いましたが、「ウクライナへの訪問に意欲を示した」と報道されています。

ただ基本的に国会開会中は、国会に届け出をする慣例があります。上の記事の、高木毅国対委員長の「国会は事後報告も含め柔軟に対応すべきとの認識」を示したことは、岸田総理はキーフを訪問し、国会には事後報告するつもりであることを示しているのかもしれません。

しかし、これでは、情報が漏れてしまうことになります。日本では新聞には「首相動静」欄があり、首相の動静を逐一報告しています。このようなものが存在するのは日本だけです。しかも、番記者が常に張り付いています。

岸田首相がキーウに行くのであれば金・土・日を利用するしかありません。「警備が難しい」と言う人もいますが、そこは特に問題はないでしょう。ただ、隠密に行けるどうかですが、いまの岸田政権は情報管理が非常に弱く、何でも漏れてしまいます。

こうした中、“行けないのならば逆に呼べばいい”ということで、政府内ではゼレンスキー大統領を5月のG7広島サミットに招待する案が浮上しています。 政府関係者によりますと、岸田総理も「選択肢のひとつとしてはある」と話しているということです。

このようなことまで、漏れてしまうのですから、岸田政権の情報管理には問題ありといえます。

ただ、ゼレンスキー大統領は、昨年12月21日、ワシントンを訪れ、ホワイトハウスで米国のバイデン大統領と会談しています。岸田首相としては、是が非でもキーウを訪問したいでしょう。

日銀の総裁人事の漏れもありました。内閣改造のときも、正式発表の前にほとんど漏れていました。何十年も前だとそういうこともありましたが、相当前から、このようなことはなく、無論安倍・菅政権のときもこのようなことはありませんでした。岸田政権の情報管理はまるで数十年前に先祖返りしたかのようです。

本当に、信じられないくらい漏れています。どうして、このようなことになるかといえば、おそらく、岸田首相は、相談する人が多くて情報管理ができないのではないでしょうか。

相談する人が多ければ、多いほど、加速度的に情報は、漏れやすくなります。相談する人はが、ほんの数人であれば情報が漏れたとしても、すぐに誰が漏らしたかがわかります。それが相互監視となり、漏れないのです。

いちばん漏れないのは、2人で決めることでしょう。当事者2人以外にはわからないです。

情報管理ができないと、キーウ訪問でも「どうぞ撃ってください」と言わんばかりになってしまいます。

ただ、キーウ訪問ということになれば、日本はポーランドまでなら専用機で行けますし、ポーランドまで行ったあとは夜行列車を使えばすぐにいけます。キーウにはすでに多くの要人が訪問していますが、行き方はボーランド経由で、皆同じですし、それほど時間も掛かりません。

日本以外の国なら問題はないのですが、日本では、いつ行くかが問題はいつ行くかです。「いついつ行きます」と発表すればとんでもないことになります。まさに、日本は平時に慣れしていて、有事に対応できない国ということができます。まさに、戦後体制そのものです。

それでも、安倍元総理は、リオ五輪の閉会式にマリオに扮して出ました(写真下)。あれには、驚きました。このような事例もあるのですから、いろいろ工夫すれば、岸田首相もキーウ電撃訪問もできると思います。


北朝鮮の弾道ミサイルが飛翔中に、鼻の治療のため通院していたことについて、ベテランの記者などは「ひょっとするとキーウ訪問か?」と警戒していました。

ただ、これ自体は、本当だったので驚きました。何しろ岸田首相が、病院を出たのは北朝鮮のミサイルが着弾した直後でしたから。普通なら、通院は後回しにして、北のミサイルに対応することを優先すると思います。そのようなアドバイスをする人も周りにいなかったでしょうか。こんなことからも、岸田政権の情報管理には疑問符がつきます。

昨日は、このブログに岸田文雄首相は26日の自民党大会で、2012年12月の政権交代以降の自公政権について「安倍(晋三)元首相の強力なリーダーシップのもと、死力を尽くしてきた」と強調し、「前進の10年」と成果をアピールした。そのうえで「次の10年」の創造に向け、全力を注ぐ考えを示したことを掲載しました。

この認識は正しいです。岸田首相は、経済政策でも安倍路線を継承し「前進の10年から、発展の10年」を目指していただきたいです。

岸田首相が本気で「次の10年」のことを考えているなら、経済政策でも何でも、本当に重要なことは、多くの人に相談するべきではありません。自分一人だけか、相談するにしても、一人の人に絞るべきです。

重要なことを決定し終わって、それを実行する段階で多くの人に相談するのは良いことだと思いますが、重要な決定そのものは自分で行うべきですし、相談するのは本当に心から信頼できる人にだけにすべきです。しかも、相談したとしてそれで考えを変えるというのではなく、どのような反応を示すか探るためにすべきです。

また、重要な決定をするに先だち、情報を集めるために多くの人に話しを聴くのは良いことだとは思いますが、決定そのものは一人で行うべきです。

岸田総理が「安倍・菅路線」を評価するというなら、まずは「安倍晋三 回顧録」を精読し、よく考えて、「安倍・菅路線」を引き継ぐための重要な意思決定した上で、信頼のおける人数人に相談した上で、実行するというのが最上だと思います。

生煮えの状態で、同じことを多くの人に相談してしまえば、最後に相談した人の意見が一番強く意思決定に影響を与えることになりかねません。それでは、良い意思決定などできるはずもありません。

なお、意思決定に関しては、経営学の大家ドラッカー氏が、その著作で様々な方面から語っています。意思決定のプロセスなどに興味のある方は、是非ご覧になって下さい。また、意思決定についてドラッカーが何を語っているのか手っ取り早く知りたい方は、以下の記事をご覧下さい。これをご覧になれば、意思決定関して考慮すべき項目が多数あることに驚かれるでしょう。
【ドラッカー】意志決定とは何か【マネジメント】
菅前首相の情報収集については、以下の記事をご覧になって下さい。
菅首相の徹底した“情報収集術” 高い処理能力と速い政治決断、官僚はこれまでにない緊張感 ―【私の論評】菅総理の卓越した情報収集力に、マスコミも大緊張を強いられることになる(゚д゚)!
福島を訪問した菅総理(当時)

詳細はこの記事をご覧いただくものとして、菅氏は、情報とデータの違いをしっかりと認識していたのだと思います。

この記事にも掲載した、ドラッカーの主張を以下に掲載します。
データそのものは情報ではない。情報の原石にすぎない。原石にすぎないデータが情報となるには、目的のために体系化され、具体的な仕事に向けられ、意思決定に使われなければならない。(『未来への決断』)

データそのものを多数集めても混乱するだけです。 先に示したように「生煮え」の状態で、同じことを多くの人と相談するということは、結局データを多く集めているにすぎないのです。

目的のために体系化され、具体的な仕事に向けられ、意思決定に使えるものが情報なのです。菅前総理は、データ集めでなく情報収集していいたのであり、それが得意だったのです。こうした姿勢でデータに接する姿勢であれば、多くの人から意見を聞いても混乱することはありません。

それにしても、キーウ訪問などの意思決定等は、多くの人に相談すべきではないです。そんなことをすれば、岸田総理の命に関わることになります。安倍元総理のことが頭をよぎります。あのようなことは、2度とごめんです。

岸田総理、これを機会に、意思決定や情報収集のスタイルを変えてみてはいかがでしょうか。そうして、是非ともキーウを電撃訪問していただきたいです。

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