大阪港に寄港した米海軍の強襲揚陸艦「アメリカ」=20日午前、大阪市住之江区 |
米海軍の強襲揚陸艦「アメリカ」が20日、大阪市住之江区の大阪港に寄港し、報道陣に公開された。米海軍の強襲揚陸艦が日本の商業港に寄港するのは初めて。同艦は物資を補給するために数日間滞在した後、陸上自衛隊と米海兵隊が離島防衛を想定して行う日米の合同訓練「アイアン・フィスト」に参加する。
米海軍によると、アメリカは全長257メートル、幅32メートル、満載排水量約4万5690トン。航空機20機以上を搭載でき、3千人以上が乗船可能。北朝鮮の核・ミサイル開発や中国の海洋進出などを念頭に、アジア太平洋地域の安定強化を担う強襲揚陸艦「ワスプ」の後継艦として令和元年、佐世保基地(長崎県佐世保市)に配備された。
在日米海軍司令部はこの日、空母のように、戦闘機やヘリコプターを発着させることができる甲板を報道陣に公開。最新鋭のF35Bステルス戦闘機やヘリコプターなど約10機が並び、ミサイル発射機のほか対空レーダーの様子もみられた。艦内では、かじ取りを担う操だ室のほか、航空機を整備する格納庫が公開された。
米海軍によると、アメリカは全長257メートル、幅32メートル、満載排水量約4万5690トン。航空機20機以上を搭載でき、3千人以上が乗船可能。北朝鮮の核・ミサイル開発や中国の海洋進出などを念頭に、アジア太平洋地域の安定強化を担う強襲揚陸艦「ワスプ」の後継艦として令和元年、佐世保基地(長崎県佐世保市)に配備された。
在日米海軍司令部はこの日、空母のように、戦闘機やヘリコプターを発着させることができる甲板を報道陣に公開。最新鋭のF35Bステルス戦闘機やヘリコプターなど約10機が並び、ミサイル発射機のほか対空レーダーの様子もみられた。艦内では、かじ取りを担う操だ室のほか、航空機を整備する格納庫が公開された。
艦長のショッキー・スナイダー大佐(左) |
艦長のショッキー・スナイダー大佐は報道陣の取材に「アジア太平洋地域の平和と安定のため、自衛隊との連携強化は重要な任務だ」と述べ、合同訓練の意義を強調した。
【私の論評】「アメリカ」は、金正恩斬首部隊を送り込むために編成された「ワスプ」打撃群の後継艦(゚д゚)!
強襲揚陸艦は、兵員、車両、装備品を輸送し、直接海岸や海岸線に着陸させるために設計された海軍の艦船の一種です。通常、水陸両用作戦で使用され、海から地上部隊を展開し、領土の占領や人道的任務などの軍事的目標を支援することが多いです。
このような作戦で強襲揚陸艦が必要とされる理由はいくつかあります。まず、海や海域などの大きな水域を越えて部隊や装備を移動させ、沿岸地域に直接届けることができる輸送手段を提供することです。これは、敵がその地域を支配し、従来の港湾や飛行場が利用できない場合に特に重要です。
第二に、強襲揚陸艦は、海岸近くの浅瀬で活動できる特殊な能力を備えており、兵員や装備を迅速に降ろし、展開することがでます。通常、強襲揚陸艦は、車両や人員を素早く船外に出すために、ランプ(斜路)があり、船首の扉を下げることができ、また、船から海岸まで部隊や物資を輸送する揚陸挺を発進させる能力を有するものもあります。
第三に、強襲揚陸艦は重武装・装甲されており、敵の攻撃から自らを守り、輸送する兵員を守ることができます。また、戦闘機やヘリコプターを備え、さらに対空ミサイルや小火器、大砲を備え、上陸する兵士を援護します。
アメリカ級水陸両用強襲揚陸艦は、アメリカ海軍が水陸両用強襲、人道支援、災害救援、特殊作戦などさまざまな任務に使用する大型多目的船の一種です。
ここでは、アメリカ型水陸両用強襲揚陸艦の主な特徴を紹介します。
大きさ 全長844フィート、重量44,000トン以上と、水陸両用強襲揚陸艦としては世界最大級。
飛行甲板 ティルトローター機MV-22オスプレイ、F-35BライトニングII戦闘機、CH-53Eスーパースタリオンヘリコプターなど、さまざまな航空機をサポートできるよう、2.5エーカー以上の広さの飛行甲板を有しています。
CH-53Eスーパースタリオンヘリコプター |
ウェルデック 船尾にある広いスペースで、上陸用舟艇や水陸両用車の出入りのために浸水が可能。
コマンド&コントロール 高度な指揮統制システムにより、軍事作戦のための浮遊司令部として機能します。
医療施設 手術室、歯科診療所、負傷者受け入れ施設などの高度な医療施設を備え、人道的・災害的な救助活動を支援します。
自己防衛のための装備 RIM-116 ローリング・エアフレーム・ミサイル(RAM)システムなど、高度な防御システムを搭載し、空とミサイルの脅威から身を守ることができます。
全体として、アメリカ級水陸両用強襲揚陸艦は、さまざまな軍事・人道的活動を支援できる多用途で強力なプラットフォームです。そのサイズ、能力、先進技術により、アメリカ海軍の重要な資産となっています。
米軍艦船が大阪港に入るのは極めて珍しく、専門家によると2016年の掃海艦「パトリオット」(アベンジャー級)以来になるのではないかとのことです。
入港した理由については明らかにされていませんが、この専門家の話しでは、九州や沖縄エリアで2月16日から3月12日までの期間、日米共同訓練「アイアン・フィスト23」が行われていることから、その関連で大阪に姿を見せたのではないかといいます。
なお、「アメリカ」は飛行甲板上にF-35戦闘機を載せた状態で入港しています。
2018年米軍は従来の原子力空母による打撃群に加え、強襲揚陸艦にイージス艦2隻を加えた、新たな打撃群を西太平洋に展開させることを決めていました。当時はワスプ級をこれにあてました。ワスプ級の強襲揚陸艦でも、30機程度のヘリコプターを運用できます。
これは「金正恩斬首作戦」に投入する特殊部隊を一気に多方面に送り込むためです。この情報は、北朝鮮にも伝わるように流されました。正恩氏は「自分が殺される」と生命の危機を感じたはずです。
「アメリカ」はこのワスプの後継艦であり、さらに強力になっています。北の核ミサイルの増産は、確かに日米韓にとって脅威ですが、金正恩氏にとっても両刃の剣になりかねないです。北朝鮮はおそらく、ミサイルと核弾頭を別々に管理しているとみられます。
朝鮮中央テレビが今年1月に公開した、金正恩氏と娘のキム・ジュエ氏が一緒に訪れたミサイル施設の写真には、弾頭が取り外されたミサイルがずらりと並んでいる場面が写っていました(写真下)。
ただ、数が増えれば増えるほど、金正恩氏が完璧にコントロールできるか定かではありません。北朝鮮は、PAL(Permissive Action Link=行動許可伝達システム。暗号なしでは核弾頭の安全装置を解除できない安全装置)のような、高度な核の安全管理システムを導入していないとみられています。
金正恩氏が米軍の脅威におびえて核兵器を増産すればするほど、自身に降りかかる災厄への懸念もまた増えていくことになります。さらに、強襲揚陸艦「アメリカ」を中心とする打撃群は、いつ北朝鮮の海域に侵入し、金正恩斬首部隊を送り込んでくるのかわかりません。米国はオサマ・ビンラディンを斬首した国です。どちらにしても、正恩氏が抱えるストレスは深刻になる一方でしょう。
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