2024年9月20日金曜日

<主張>日本人児童刺殺 中国政府に反省ないのか―【私の論評】深セン日本人児童殺害事件:邦人保護の緊急性と中国入国管理強化の必要性

<主張>日本人児童刺殺 中国政府に反省ないのか

まとめ
  • 中国深圳市で日本人男子児童が刺殺され、以前にも日本人母子が襲撃される事件が発生し、日本人の安全に対する懸念が高まっている。
  • 中国外務省は「同種の事件はどの国でも起こり得る」とし、具体的な再発防止策を示さない姿勢は大問題である。
  • 岸田首相は中国側に説明を求めるよう指示したが、より積極的な外交的対応をすべきである。
  • 事件の根本には中国共産党による反日教育があり、在留邦人の安全確保には中国の姿勢の変化が必要である。
  • 日本政府は中国への不要不急の渡航自粛を促し、企業は駐在員や家族の帰国を検討し、政府は帰国後の支援を行うべきである。

 中国深圳市で日本人学校に通う10歳の男児が刺殺され、数ヶ月前には蘇州市でも日本人母子が襲撃される事件が発生した。これらの事件は、日本人が中国で安全に暮らし、活動できるかという深刻な疑問を投げかけている。無辜の児童が命を奪われた痛ましさと、理不尽な凶行への怒りは計り知れない。

 中国外務省の対応は不十分で、「同種の事件はどの国でも起こり得る」という発言は許しがたい。短期間に日本人が相次いで襲撃される国は中国以外にない。中国政府は事態を深く反省し、具体的な再発防止策を明確に示すべきだ。

 岸田首相は中国側に説明を求めるよう指示したが、自ら動いて中国首脳に対策を講じるよう直接迫るべきである。また、日本政府は中国側に犯行動機などの情報公開を強く求めるべきだ。

 事件の根本的な原因として、中国共産党政権による反日教育が指摘される。東京・九段北の靖国神社で相次ぐ中国人の落書きも同じだ。政治的思惑で反日をあおる中国の姿勢が改まらない限り、在留邦人の安全は確保できない。

日本政府は中国への不要不急の渡航自粛を国民に促し、企業は駐在員や家族の帰国を検討すべきだ。政府は帰国後の住居や教育などの支援も行うべきである。

 このような邦人が被害を受ける悲劇を二度と繰り返さないために、日中両政府による迅速かつ効果的な対策が急務である。

 この記事は元記事の要約です。詳細を知りたい方は、元記事をご覧になって下さい

【私の論評】深セン日本人児童殺害事件:邦人保護の緊急性と中国入国管理強化の必要性

まとめ
  • 深センでの日本人児童殺害事件は、意図的に日本人を標的とした可能性があり、邦人に対する重大な脅威として捉えるべきである。
  • 日本政府は海外で生活する日本人、特に子供の安全を守る責務があり、迅速かつ的確な対応が求められる。
  • 過去の事例(バングラデシュでの日本人殺害など)を踏まえ、今回の事件でも邦人保護のため帰国を強く促すべきである。
  • 中国での組織的な反日教育や歴史的対立の背景を考慮し、予防的に邦人の帰国を促すことが重要である。
  • 国内の安全確保のため、中国人の入国管理についてより厳密な審査や監視体制の検討が必要である。

この事件は確かに大変悲惨で、特に子供が犠牲となったことは多くの人々に深い衝撃を与えています。まずはなくなったお子さんの御冥福をお祈りさせていただきます。

深センでの日本人児童刺殺事件は、南山区(Nanshan District)で発生したと報道されています。南山区は、深セン市の中でも比較的裕福なエリアで、特に高い技術産業や外国人居住者が多く、日本人学校もこの地域に位置しています。


中国における日本人学校での事件がどのような意図のもとで発生したか、現時点での公式な情報はまだ明確ではないものの、日本政府は迅速かつ的確な対応を行うべきです。

日本政府は、海外で生活する日本人を保護をする責務があります。特に子供の安全が脅かされる状況では、迅速な対応が求められます。過去の例では、政治的緊張が高まった国や地域で、政府が自国民に対し帰国を促すケースは少なくありません。

たとえば、2020年の新型コロナウイルスのパンデミック初期には、日本政府は感染リスクの高い地域からの邦人の帰国を奨励しました。こうした前例に基づき、今回の事件を受けて、深刻な安全保障上の懸念がある場合には帰国を強く促すことは正当です。

バングラデシュ北部ラングプルで、日本人男性の星邦男さんを銃撃し死亡させたとされる四人の犯人

日本人がターゲットとなった事件は、過去にも世界各地で発生してきました。たとえば、2015年10月3日、バングラデシュ北部ラングプルで、日本人男性の星邦男さんが銃撃され、死亡しました。星さんは農業プロジェクトに従事しており、移動中にバイクに乗った二人組に襲撃されました。

この事件では、イスラム国(ISIS)が犯行声明を出しましたが、バングラデシュ政府は国内の過激派組織「ジャマートゥル・ムジャヒディン・バングラデシュ(JMB)」が関与している可能性を指摘しています。同時期にイタリア人もダッカで殺害されており、外国人を狙った一連の襲撃として国際的に大きな警戒が高まりました。日本政府も邦人保護のため、対応を強化しました。

今回の深センでの事件も、確証が得られていないものの、意図的に日本人を標的とした可能性が考えられるため、同様に邦人に対する脅威と捉えるべきです。

テロ行為はしばしば、社会に大きな恐怖や不安をもたらすことを目的としています。そして、その恐怖を最大化するために、無防備で弱い立場にある人々が意図的に狙われることが多いです。

2014年にパキスタンの学校で発生したタリバンによる襲撃事件での犠牲者

たとえば、2014年にパキスタンの学校で発生した襲撃事件では、タリバンが学生を標的にし、多くの子供たちが犠牲となりました。今回の深センでの事件がテロと見なされるべきかどうかはまだ議論の余地がありますが、子供が犠牲になったという事実は、深刻な意図を感じさせるものであり、日本政府としても「テロ」として警戒することは必要です。

中国当局が今回の事件をどのように認識し、対応するかは、今後の調査次第ですが、日本政府としては慎重かつ迅速な外交的対応が求められます。中国は1990年代から組織的・体系的な反日教育を実施しており、日中間の歴史的な対立や領土問題などが影響し、特定の個人や集団が日本人を敵視するケースも考えられます。

日本政府がこうした背景を踏まえて邦人保護に努めることは当然であり、事件の背景が明らかになるまでの間でも、予防的に帰国を促すべきです。

国内での安全を確保するため、中国人の入国管理について議論することも必要です。多くの国が、テロリズムや犯罪を防ぐために、特定の国からの入国に対して厳しい審査を行っています。

例えば、米国は9.11以降、特定の国からの入国者に対して厳しいセキュリティチェックを行う政策を導入しました。日本においても、中国からの移民や短期滞在者に対して、より厳密な審査や監視体制を検討することは、安全保障の観点から必要です。

深センでの事件は、偶然の犯行ではなく、日本人をターゲットにした計画的な襲撃である可能性が高く、邦人の安全が脅かされる状況にあります。日本政府は、まずは邦人保護を最優先に考え、帰国を強く促すことが重要です。また、国内でのテロの脅威に備えるため、中国人の入国についての議論も行う必要があります。

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