中国、有人宇宙飛行船「神舟七号」打ち上げに成功、初の船外活動も(この内容をご存知の方はこの項は読み飛ばしてください)
中国は有人宇宙船「神舟七号」を昨夜打ち上げした。「神舟7号」は27日午後4時40分ごろ(日本時間同5時40分ごろ)から約15分間、地球を周回する高度約340キロの軌道上で、飛行士による船外活動を初めて実施し、その模様を国内にテレビ中継した。
自主開発した宇宙船からの船外活動の成功は、旧ソ連、米に次ぎ3か国目。
北京のコントロール・センターで見守った胡錦濤国家主席は、船外活動を終えたテキ志剛飛行士(41)と通話し、「船外活動の成功は有人宇宙飛行の発展にとって重大な突破口となった」とたたえた。(「テキ」は、「栩」のつくりの下にふるとり)
自主開発した重さ120キロの白い宇宙服を着たテキ氏は、命綱をつけて船外に出たところで「体の調子は良好です」と第1声を発し、カメラに手を振った。その後、船外の取っ手をつたって、宇宙船の外側に装着した実験材料を船内に持ち帰った。
宇宙服の自主開発は難しいとされるが、中国の場合、3000万元(約4億6000万円)を投じて4年がかりで開発したという。神舟7号はさらに、 27日夜、カメラを搭載した重さ40キロの小型衛星を宇宙空間に放った。28日夕、3日間の飛行を終えて内モンゴル自治区に帰還する予定。
中国は2003年に有人宇宙飛行を成功させており、有人宇宙飛行を成功させた国としてはロシア(ソ連)、アメリカに続く3カ国目。今回の神舟七号の打ち上げが成功すれば、中国としては3度目の有人宇宙飛行となる。着用する宇宙服にはロシア製と中国製の二種類が採用されており、人民日報が報じるところによると船外活動では中国製の宇宙服が使用されたのこと。宇宙服が二種類選択されている理由は明らかにされていないが、宇宙飛行アナリストのMorris Jones氏は両者を比較検証する目的ではないかとみている。また、自国の宇宙服のみに絞るのは時期尚早とみている可能性もあるとのこと。(BBC記事より)
旧ソ連のミールを彷彿させる大快挙!?
中国今回の打ち上げは、前から既定の事実だったようです。現在中国内はこのニュースでもちきりのようです。
私は、このようなニュースを聞くと旧ソビエトのことを思い出します。旧ソ連の末期にも、ソビエト体制にガタがきてペレストロイカ(改革)、グラスノスチ(情報開示)と言われていた頃に(1980年代後期)、有人宇宙ステーションMIRの打ち上げ(1986年)などが行われ宇宙開発が急ピッチで進んでいました。宇宙船ソユーズで宇宙飛行士たちが世界初の宇宙ステーションMIR(ミール:ロシア語で平和の意)と地球の間を頻繁に行き来してました。当時のソビエト、スーパーなどでも品物が少なく、特に肉やジャガイモなどの生活必需物資まで不足していたことを昨日のことのように覚えています。
にもかかわらず、ノーメンクラトゥーラ(共産貴族)向けの店には物資が豊富で、何不自由のない生活を謳歌できました。「収容群島」を書いてノーベル平和賞を受賞したソルジェニーツィン氏がペレストロイカの一環として名誉回復したのは1990年のことでした。この収容所群島には、反体制派が多数収容所で強制労働をさせられたソビエトの負の遺産が克明に記載されています。最大で2000万人の人々が収容所に拘禁されていたことがあったそうです。1991年にソビエト連邦は崩壊しました。
ソビエトが崩壊したときには、MIRに一人の宇宙飛行士が残留していました。最初の予定では、1ヶ月くらいで戻る予定でしたが、次のロシアへの政権の委譲などで手間取ったため、宇宙ステーションにまで手がまわらなかったそうで、なんとその宇宙飛行士は1年間宇宙で放置されたそうです。
水、酸素、食料などはなんとかぎりぎりあったそうですが、宇宙空間に一人残されて、非常に不安だったと思います。1年後にはロシアによって、また宇宙開発が引き継がれ何とか戻ってこれたそうです。このニュースは当時ロシア国内でもほとんど報道されず、私も随分後になってから知りました。
そのミールも、耐用年数もかなりすぎてから廃棄処分(打ち上げられてから15年後)されました。その廃棄の方法も、だんだんと高度を落としていき最後は、地球の大気圏に突入させ、空気との摩擦熱で燃え上がらせて跡形もなくするという、かなり乱暴なやり方だったことを覚えています。たしか、それでも、一部残骸は確かニュージーランド沖に落ちたと思います。当時は、世界各地に警報が前もって流されたとの記憶があります。日本上空にも何月何日通過するなどのニュースがテレビでながされていました。
とにかく、当時は、ソビエトという国のアンバランスさが浮き彫りになりました。国が崩壊しかけているというのに、ミールは打ち上げて、宇宙飛行士は往来させているなど、どう見てもアンバランスでした。また、日本人の秋山さんもミールで滞在していましたが、ステーションの位置を計測するにも、アメリカであれば、コンピュータで自動的にやっているのを、ミールでは、計測装置を人間が手で操り星を観測し、チャートに書き込んでようやっと分かるという状況でした。
それに、エレクトロニクスがやたらと遅れていて、最新の宇宙ステーションでありながら、船内にリレー(制御用電線)が縦横無尽に張り巡らしてあるという具合です。これは、当時はソ連の最新型原子力潜水艦でも同じことでした。ものすごい巨体で中に乗組員が泳ぐことができるプールまで設備してあり、さらの最新型の軽水炉を備えてありながら、アメリカの潜水艦であれば、最新のエレクトロニクスなどで、集積回路を用いて制御するところを、船内に電線を張り巡らして電気制御を行っていたというありさまでした。最新鋭のジェット戦闘機に真空管などということもありました。
中国も同じことです。この快挙は非常にアンバランスです。さすがに、今ではアメリカとの貿易もしていますから、旧ソ連のようにエレクトロニクスが遅れているなどということはないてしょうが、さまざまな面でアンバランスです。先日、湖南省で抗議活動があった旨を掲載したように、科学技術に関してこのようにある程度進んでいるのに、国の体制としては初歩的な民主化、法治国家化、政治と経済の分離もできていない国です。
他方では、有人宇宙船を打ち上げたり、オリンピックを開催したり、世界一流の軍事費を計上するような国でありながら、もう片方では農民が地べた這い回るような生活をしている国中国。他国にメラミン入りの牛乳を提供して食への不安を撒き散らした中国。
これでは、中国には少なくとも二つの国があり、片一方では富裕中国があり、もう片方には貧困中国があり、富裕中国が貧困中国を搾取していると、いわれてもしょうがないと思います。
このアンバランス、これからも継続するとすれば、いきつく先は中国自体の分裂しかありえないと思います。ソビエト場合は、モスクワオリンピック開催後約10年で崩壊しています。ソビエト連邦では、当時はインターネットが今日のように発達していなかたため、詳しくは報道されませんでしたが、今日の中国のように建国以来各地で暴動が頻繁に起こっていたそうです。しかし、当時でも噂により、日本国内でも暴動が頻繁に起こっていることは一部の知識人は理解していました。今日のようにインターネットなどが発達した時代において、一昔の前のような野蛮な統治方式をとっておきながら、一方で宇宙開発などの華々しい成果をあげる中国は、今後維持継続することが困難になることでしょう。中華人民共和国も北京オリンピックを開催後10年を経ずして崩壊することでしょう。
以下にこのブログに掲載した中国関連の記事を提示します。反転文字をクリックすれば、当該記事に飛ぶことができます。私の説明不足から、以上の論考、以下の記事を読んでいないと理解できない部分もあるかもしれません。まだ、読まれていない方は是非ご覧になってください。
■ポスト五輪の中国:違法資金集めの被害者ら、抗議活動を継続=中国湖南省―政治と経済の分離をしなければ中国は滅亡する!!
湖南省で抗議活動が続いています。今後、中国中央政府がきちんとした「政治と経済」の分離策を打ち出さない限り、今後のこの種の抗議や暴動は うなぎのぼりに増えていくものと考えられます。中国不動産バブルすでに年初より始まっていました。だからこそ、オリンピックでの宿泊客目当てのホテルがの きなみ失敗したのだと思います。今後中国で暴動が増え続けていきつく先は、中国の滅亡以外にないと思います。
■中国メラミン混入牛乳によるニュージーランド労働党及び国民党及びフォンテラ社の中国悪夢― 繰り返される「ダーウィンの悪夢」、中国人と日本人は鯨以下・・・・?!
こ んにちは。現在中国のメラミン混入牛乳に関して、中国の乳業会社の株式を大量に保有するニュージーランドのフォンテラ社が国内で槍玉にあがっています。し かし、私はこの問題はもっと大きなものであり、背景には、反捕鯨運動にも共通する人種偏見などもあると思います。いずれにせよ、私はニュージーランド全国 民に言いたい!!反捕鯨などにうつつをぬかすくらいなら、こうしたもっと大きな問題に目を向けるべきだし、映画「ダーウィンの悪夢」にも見るように経済至 上主義が招く惨禍にも目を向けて、このような問題が二度と起きないように努力すべきです。フォンテラ社は当初から中国では安定した牛乳(安全面、基準面) を製造できないことを知っていました。詳細は是非私のブログをご覧になってください。
■<WorldNow>外国産牛乳を買い求める中国人たち―今後システムを変えない限り頻繁に起こり続ける不祥事による社会不安で中国は崩壊か!!
中 国のメラミン牛乳、とんでもないことになっていますね。日本での汚染米もそうですし、中国のこの問題でも、やはり古い仕組みは完全に制度疲労 を起しているのだと思います。今後新たなシステム作りが重要になってくると思います。しかし、この新たなシステムづくり日本はさておき、中国は非常に難し いです。おそらく、そのまま放置され、社会不安を増幅し、中国の崩壊を助長することになるものと思います。
■中国:浙江省、1万人が暴動 不動産投資で抗議-オリンピック閉会後、中国は崩壊への坂道を転がり始めたか?
不 動産投資など本来は、自己責任で行うべきものですが、中国はそうともいえない面があります。何しろ、私が良く言葉として使う三点セット"政治経済の分離、 法治国家化、民主化"が行われていない国ですから。特に政治経済の分離に関しては、中国の幹部クラスの人間ですらよく分かっていないです。インサイダー取 引など日常茶飯事です。中国では、先の三点セットすぐにでも実現できるようにしなければ、今後この類の暴動は起こり続け、北京オリンピックから10年を待 たずして分裂すると思います。
■人民元が対ユーロで急騰、最大貿易相手の減速で大打撃-中国―いよいよ黄昏EUの前触れか? 人民元が急騰しています。というより、ユーロが急落しています。私はこの動きは構造的なものであり、今後ユーロは一時もちなおしたとしても、長 期では凋落傾向にあると思います。いずれにせよ、これからは本格的に輸出先、投資先もある程度分散させてリスク管理を強化する必要があると思います。
■[竹島問題]「日本が国際裁判に負けて悔しがる」寸劇も・・・「日本が根拠もなく日本領というのは理解不能」と韓国の子供ら―地図は語る:中国の国家戦略では朝鮮半島は中国の領土、自治区にもなれない? 領土問題では、中国にもオリンピックの日本海の地図表記で馬鹿にされた韓国。もうやけのやんぱちで、子供も利用して、世論をもりあげようという 算段なのでしょうが、無理ですね。私のブログでも、この問題をとりあげました。今後日本の領土を守るためには、中国と韓国を適度に使い分けて手玉にとる必 要があると思います。
■「バイリン・ホー(80後)」中心に20代、30代はネット恋愛に理解-80後世代は中国市場拡大の起爆剤になるか? 私のブログでは、「中国崩壊」などという物騒な内容の記事も掲載しています。しかし、崩壊といっても共産中国政府が崩壊するのであって、12 億8千万の民の生活があるわけで、市場が雲散霧消するわけではありません。私のブログでは80後(バイリン・ホー:1980年代生まれの若者を指す)のつ くる、中国の市場の可能性について掲載しました。
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