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2016年9月11日日曜日

中国共産党が天津市トップを調査 重大な規律違反で 「習主席の腹心」と香港メディア【私の論評】期せずして中国共産党に引導を渡す習近平(゚д゚)!

中国共産党が天津市トップを調査 重大な規律違反で 「習主席の腹心」と香港メディア

6月28日、2016年夏季ダボスフォーラム(夏季ダボス会議)の閉会式で挨拶する天津市の黄興国市長
中国共産党中央規律検査委員会は10日、重大な規律違反があったとして、天津市トップの黄興国党委員会書記代理(市長兼務)(61)が調査を受けていると発表した。調査の詳細は不明。香港メディアによると、黄氏は習近平国家主席の腹心。

黄氏は、故黄菊元副首相の親戚で、習氏が2002年に浙江省トップの党委書記に就任した際、省幹部の党委常務委員として1年間支えた。胡錦濤前国家主席の元側近で汚職などの罪で無期懲役判決を受けた令計画・人民政治協商会議(政協)元副主席の党ポスト解任に伴って、党内調整で現職に就いていた。

香港メディアは、黄興国氏について、汚職の疑いが指摘されているほか、天津市で173人の犠牲者が出た昨年8月の大規模爆発事故に絡んで調査されている可能性があるとしている。

今年8月以降、天津市では尹海林副市長も規律検査委の調査を受けるなど、多数の幹部が対象となっている。黄氏は調査発表前日の9日まで公務を続け、動向が地元紙で報じられていた。

【私の論評】期せずして中国共産党に引導を渡す習近平(゚д゚)!

このニュース、どの角度から検討してみても、習近平が中国国内で未だ権力掌握できず、中国では激越な権力闘争が続いてはいるものの、習近平の旗色はかなり悪いことを象徴するものです。

まず、この黄興国氏が、表裏がなく習近平の腹心だったし、今でもそうであると仮定の上で上の出来事を分析してみると、習近平が完璧に権力を掌握していれば、腹心の黄氏が、調査を受けるなどという事態にはならなかったはずです。この仮定においては、習近平は未だ権力を掌握していないことがわかります。

次に、黄氏が習近平の腹心でありながらも、反習近平氏側についていて、それが発覚して、今回のような事態に至ったとしても、腹心と言われる者が、裏切っていたということで、これまた習近平氏の権力基盤は脆弱であることが伺えます。

いずれにせよ、習近平氏は形の上では、中国の最高権力者である、国家主席でありながら、未だ権力を掌握していないということです。

このような兆候はすでに前からありました。それに関する記事をこのブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
【石平のChina Watch】習主席、頓挫した「独裁者」への道 衆人環視の中で目撃された異様な光景 ―【私の論評】刎頚の友で、独裁者になりそこねた習!だが、中共の本質は変わらない(゚д゚)!
2016年3月28日月曜日

習近平国家主席を後ろから手をかけて呼び止め、話しかけた王岐山氏
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、石平氏の元記事の要約を以下に引用します。
今月4日に開かれた全国政治協商会議(全国政協)の開幕式で、委員たちは異様ともいうべき光景を目撃した。式典が終わって、最高指導部のメンバーたちが順次、ひな壇から退場するとき、党の規律検査委員会の王岐山主任が前を歩く習近平国家主席を後ろから手をかけて呼び止め、話しかけたのである。 
衆人環視の中で、習主席の部下であるはずの王氏が取ったこの「なれなれしい」行動は、主席の権威をないがしろにする「軽薄なる行為」とも映った。その背景には一体何があったのか。 
その2週間ほど前の2月19日、習主席は中央テレビ局など3大メディアを視察し、メディアが党への忠誠に徹すべきだとの訓示を行った。それに応じて、3大メディアは一斉に、「メディアは共産党のものだ、党に絶対の忠誠を誓いたい」と宣した。 
しかし民間からは早速反発の声が上がってきた。習主席の訓示と3大メディアの姿勢に対し、真っ正面から痛烈な批判を浴びせたのは、中国の不動産王で、政治批判の鋭さで「任大砲」の異名をもつ任志強氏である。
「任大砲」の異名をもつ任志強氏 
任氏の微博のアカウントは直ちに閉鎖され、官製メディアによる「任志強批判キャンペーン」が一斉に始まった。
こうした中で、今月1日、中国共産党規律検査委員会の公式サイトに注目の論評が掲載された。 
論評は、「千人の唯々諾々より、一人の志士の直言の方がよい」という昔の言葉を引用して、指導者が「直言」に耳を傾けるべきだと諭した。 
タイミングからすれば、この論評が諭そうとしている相手は、他ならぬ習主席その人であろう。さらに興味深いことに、論評を掲載した公式サイトの持ち主は党の規律委員会であり、そのトップを務めるのは、習主席唯一の盟友とされる王岐山氏である。 
要するに、王岐山氏が習主席を諭したことになるのだ。その2日後、全国政協の壇上で、王氏がおうような態度で習主席を呼び止めた場面を目にして、多くの人々はうなずくことができた。 
習主席の就任から3年、その最大の「政治実績」となったのは腐敗摘発であるが、考えてみればそれは全部、規律検査委員会トップの王氏の手柄であった。そして、摘発権という絶大の武器を手にして党内で権勢を振るった結果、いつの間にか、王氏は習主席をしのぐほどの陰の実力者にのし上がったのである。 
実は上述の規律検査委員会サイトの論評掲載を境目に、任志強氏に対する批判キャンペーンがピッタリと止まった。どうやら本当の実力者が浮上してきた中で、「独裁者」への習主席の道が閉ざされたようだ。
この件といい、ブログ冒頭記事の天津市トップの黄興国党委員会書記代理(市長兼務)が調査を受けているという報道といい、これはどう考えても、習近平は権力を掌握できていないどころか、すでに半習近平派に権力を掌握されかかっているということを示すものです。

習近平は国外では、南シナ海や東シナ海をめぐって、日米その他周辺諸国との対立が先鋭化しました。さらに、経済は低迷、AIIBの大失敗などによって、金融支配にも大失敗しました。どれ一つとっても、習近平は成功したものがありません。習近平が主席になってから、中国の力は衰えるばかりです。

これに対して、反習近平派は一致協力して、習近平排除に動き出したのでしょう。しかし、習近平が失脚したにしても、それで何かが変わるでしょうか。経済の悪化は止めようがないです。キャピタル・フライトも止まらないでしょう。できることといえば、南シナ海や東シナ海での中国の傍若無人な態度を改め、国際社会から孤立しないことくらいかもしれません。

しかし、仮にこれが成功したとしても、現在の中国共産党中央政府の体制が改まり、民社か、経済と政治の分離、法治国家かがある程度推進されないかぎり、何も変わりません。

中国人民の憤怒のマグマは貯まる一方で、いつどこで強烈に爆発してもおかしくない状況にあり、それは現体制が維持される限り、何も変わりありません。

借りに、反習近平派が習近平を失脚させたにしても、今度は反習近平で固まっていた派内で分裂が起こり、さらに習近平派の残党も加わって一層激烈な権力闘争が始まるだけです。

日本のような先進国と異なり、中国には選挙がありませんから、統治の正当性を増すために、各派閥がしのぎを削って大権力闘争を展開することになります。

そうして、この大権力闘争は、人民などそっちのけで、激烈に展開されることになります。そうして、さらに国民の憤怒のマグマは貯まり、いずれ収拾のつかない状況になることでしょう、行き着く先は中国共産党一党独裁による現在の体制の崩壊です。

なお、この件に関しては、『習近平が中国共産党を殺すとき』という書籍に、石平氏と陳破空氏の対談が掲載されています。


この対談中国の新唐人テレビに動画が掲載されています。そのリンク先を以下に掲載します。
『習近平が中国共産党を殺すとき』スペシャル動画配信

新唐人テレビ(しんとうじんテレビ,英語: New Tang Dynasty Television)は、アメリカ合衆国ニューヨークに本部を置く中国語専門のテレビ局です。

2002年、北米の華人向けに放送開始。翌2003年には衛星放送(BS)での放送が開始され、現在は世界各国で視聴できるほか、日本でもインターネットで日本語に翻訳された報道の視聴が可能です。ニュース以外にも、各地の伝統文化や漢方医学など、多岐にわたる分野を専門としています。


中国の情報は、中国のメディアではなかなか本当のところは、わかりません。新唐人テレビなどの情報のほうが中国国内のメディアよりは、信憑性があります。私も、中国についての情報源の一つにしています。

さて、この著書で特に両著者が注目しているのが、国内外で多くの火種を抱えた結果、実は習近平政権は相当弱体化していることです。そのため、次の指導部が決まる2017年秋の中国共産党全国大会までにクーデターが発生し、一党独裁体制に大変革が起こるであろうことを独自に入手した情報を駆使し、緻密に読み解いていきます。

そうした最新の中国分析とともに、両著者の人生を変えた天安門事件について、初めて総括しているところも読みどころの一つです。個人史と中国現代史がクロスする、単なる“反中”を超えた祖国への苦悩と希望が明かされます。

また本対談は全編、中国語で行われました。そのため予定調和の対談とは全く違い、時にケンカかと思えるほどヒートアップ。しかも両者の出身地の四川方言でまくしたてるため、編集協力の中国人スタッフもタジタジになったそうです。

一体誰が何のため政治、経済、軍事を操っているのか、日本人が知っておくべき隣国中国の今と未来の本質を抉(えぐ)りだす、両著者の鋭利な分析をぜひご味読ください。

今年で32回目を迎えた教師節(教師の日)、9日午前、習近平が北京市八一学校(母校)を訪問
いずれにせよ、習近平にはもう先がないのははっきりしています。いずれ近い内に、失脚することでしょう。しかし、習近平が失脚しても、中国共産党の統治システムは同じままでは結局多数の人民にとっては何も変わりありません。

中国共産党の一党独裁体制も、ポスト習近平後しばらくして崩壊するとみなすのが妥当でしょう。期せずして、習近平は、中国共産党の一党独裁を終わらせる役割を果たしているのです。

習近平は中国共産党に引導を渡す役割を担っているということです。

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2016年4月24日日曜日

【中国ネットウオッチ】熊本地震祝いバーゲンセール「日本沈没なら在庫一掃セールだ!」 ―【私の論評】国内で反日による統治の正当性強化ができなくなった中共に明日はない(゚д゚)!

【中国ネットウオッチ】熊本地震祝いバーゲンセール「日本沈没なら在庫一掃セールだ!」 

4月18日、中国陝西省西安市のレストランが、「日本の大地震を
心からお祝いします」という横断幕を掲げて物議を醸している。
熊本、大分両県を中心に相次ぐ地震の被害状況は中国でも大きく報道され、一部のニュースサイトが特集ページを組むなど高い関心を集めている。ただ長年の反日教育が醸成してきた日本への敵意と憎悪は、ネット上で隣国の災害を喜ぶ書き込みとして噴出し、地震記念セールを掲げる企業まで現れた。一方、こうした低劣な人間性を攻撃し、被災者の平穏を祈る声も少なくなく、中国世論の分裂と葛藤を浮かび上がらせた。

■「日本が沈没したら在庫一掃」

香港の蘋果日報(電子版)は17日、「良心のない中国企業」が日本で起きた地震を祝う特別セールを実施し、ネットユーザーらの怒りを招いていると報じた。記事によると、浙江省で調理器具などを生産している企業は自社のホームページで「日本の大地震を祝い、今日からバーゲンセールを実施します。もし日本が沈没したら在庫一掃です」とアピール。また陝西省の自動車販売店も「さらに大きな地震がくれば価格はもっと安くします」とネット上で宣伝した。

中国版ツイッター「微博」には、店頭に地震を祝うメッセージを掲げた家電店の写真も出回った。あるユーザーはリストを作成し、日本の地震に便乗して下劣な宣伝を行った企業・店舗は中国国内で20以上に上ると主張した。

さすがにネット上では「中国人の恥さらし」「こんなに悪辣(あくらつ)で下品なやつらは人間とはいえない」「最低の道徳すらないゴミたち」「(反日の)洗脳で価値観が狂ってる」とネット上で怒りの声が続出し、ほとんどのメッセージは削除されたもようだ。

■「漢奸は助けるな」

ただこうした行為が相次いだ背景には、中国社会に沈殿する反日情緒がある。普段はさほど目立たないが、良きにつけ悪しきにつけ日本をめぐる大きなニュースが報じられると、一斉にこの感情が巻き起こり社会を満たすことになる。

熊本県南阿蘇村の温泉旅館で孤立していた中国・上海からの観光客20人が自衛隊ヘリで救出されたとの報道に対しては、同胞が救助されたことへの安堵(あんど)や感謝よりも、「漢奸は助けなくてもよい」「日本の犬はかえってくるな」と被災した観光客を突き放す声が目立った。

「中国人を代表して日本の人民が平穏に過ごせるよう願う」とのコメントには「おまえは中国人ではなく漢奸の代表だ。本当の中国人は歴史を忘れない」「日本は中国侵略を否定し、南京大虐殺を否定している。おそらく天意だろう」と歴史を持ちだし、日本をののしる自らを肯定する書き込みが相次いだ。

■日本の平穏祈る声も

地震発生後に「ライオンが逃亡した」「朝鮮人が井戸に毒を投げ込んだ」などの悪質なデマが日本のツイッターで出回ったことも「これが日本の民度だ」などと日本を“口撃”する正当化に利用された。

「いつ東京大地震は起きるんだ。待ちわびているぞ」

「遅かれ早かれ大和民族には天罰が下る」

「津波が発生しなかったのは幸い中の不幸だ」

こうした病的な反日情緒をたしなめ、被災者の平穏を祈る声が一定数あることは救いだといえよう。

「自然災害を前に人類はちっぽけな存在だ。日本の民衆が早く通常の生活に戻れますように」

「日本に天の加護がありますように。日本の人民がんばれ」

熊本県のPRキャラクター「くまモン」は「熊本熊」として中国人にも人気があり、「くまモンは大丈夫だよね?」といった書き込みも。微博などでは、けがをした「くまモン」の手をとって気遣うパンダのイラストが広くシェアされている。

【私の論評】国内で反日による統治の正当性強化ができなくなった中共に明日はない(゚д゚)!

上の記事では、商店などが日本の熊本地震記念セールを実施して、国内から非難を浴びていることが掲載されています。

中国では未だに政府により反日教育などが実行されています。中国共産党は、昨年も噴飯物の抗日70周年記念軍事パレードを実施しています。だからこそ、熊本地震記念セールなどという非常識な企業まで現れるのです。

ところが、現在の中華人民共和国と日本は一度も、まともに戦争したことはありません。日本が戦争したのは、現在は大陸中国から台湾に退いている国民党政府軍とです。1945年8月15日の終戦時には、国民党は大陸中国に存在していました。

終戦後に、本格的な国民党軍と共産党軍の争いが始まり、その後国民党軍が敗れて、台湾に退いたのです。中華人民共和国が成立したのは、1949年の10月1日のことです。

だから、現在の中共が抗日70周年記念軍事パレードを挙行するなど、そもそも歴史的事実とは整合性などなく、全くおかしな話なのです。

にもかかわらず、なぜ実行するかといえば、それは中国共産党の統治の正当性を主張するためです。古今東西いかなる国の政府でも統治の正当性がなければ、国をまともに治めることはできません。

かつての、ナチスもナチスの統治の正当性を主張するため、頻繁に軍事パレードを挙行していました。敗戦が濃厚になった時期でさえ、ベルリンなどでは、爆撃の廃墟の中でも頻繁に軍事パレードが挙行されたそうです。


現在の日本は、議会制民主主義が根付いていて、選挙によって選ばれた政治家による政府ということで、統治の正当性が保たれています。しかし、中国では建国以来選挙がなく、日本をはじめとする普通の国では当たり前の政府の統治の正当性など主張することができません。

だからこそ、中国共産党は自ら統治の正当性を強調する必要があるです。彼らは何によって強調するかといえば、それは強大な人民解放軍の軍事力、強力な公安警察(中国では警察組織全部をふくめて公安警察と称する)や城管を含めた統治機構によるのです。

しかし、それだけでは不十分なので、日本を極悪の侵略者と位置づけ、その極悪日本を追い払った中国という、本来は中国共産党とは関係のない歴史を強調して、さらに統治の正当性を強調しているのです。

それでも、なかなか中共は統治の正当性を強調しきれていないようです。もともと、中国では建国以来毎年平均2万件の暴動が発生していたとされています。これ一つとっても、中共の統治の正当性は十分確立されていたとは言いがたいです。

2014年広州の警察と1万人もの住民が衝突、数台のパトロール・カーを
ひっくり返した暴動のきっかけは、当局による強制消防調査であるとされている
そうして、中国では、中共の統治の正当性が脆弱であることを示す事件が発生していました。それは、四五天安門事件(第一次天安門事件(1976年4月5日) - 天安門広場に捧げられた花の撤去に怒った民衆と軍や警察との衝突、六四天安門事件(第二次天安門事件(1989年6月4日) - 民主化を求めるデモ隊と軍や警察との衝突。多数の死傷者を出したという事件です。

第二次天安門事件後には、中共は統治の正当性を高めるために、江沢民などが組織的、体系的に反日教育を実行し始めました。

この頃から反日教育を受けた、子供たちが現在大人になっているわけですから、彼らの頭の中は反日教育で染まっています。

しかし、このような統治の正当性の強化によってさえ、中共はそれをなかなかそれを強化できませんでした。

先ほど、述べたように、中国では建国以来毎年平均2万件の暴動が発生していたと掲載しましたが、2010年あたりから、それが一挙に10万件にものぼるようになり、この年から政府は暴動の件数など発表しなくなりました。

それは現在でも発表されてないことから、現在でも毎年平均そのくらいの数の暴動が発生してるものと推測できます。

そうして、2010年あたりでは、中国では政府の強い規制があるものの、インターネットもかなり普及していました。そのため、反日のサイトもかなりたちあげられ、中には管製反日サイトも多数あったようでした。

しかし、これは2012年あたりから政府によって規制されるようになりました。まずは、管製反日サイトはすべて廃止され、民間の反日サイトも結局全部廃止に追い込まれました。

2012年8月19日中国四川省成都で、反日デモをする人々ら
なぜ、そんなことになったかといえば、反日サイトを放置しておくと、最初は反日の書き込みが活発になされるのですが、それに反政府的な書き込みがなされるようになり、それを放置しておくと、反政府の書き込みで溢れ炎上してしまったからです。ほとんどのサイトがそのような状況になったので、政府は反日サイトを完全封鎖するに至ったのです。

同じことが反日デモでも起こりはじめました。中国共産党としては、最初は「愛国無罪」などとして、過激な反日デモも許容していました。それどころか、中共は、管製デモを煽るようなこともしました。

公安警察などを用いて、反日デモを組織して、人民を煽るように仕向けました。最初のうちは、多くの人民が反日で盛り上がっていました。

しかし、その後、反日デモがいつの間にか、反政府デモになってしまうという状況が続きました。中には、反政府デモを開催するとして届けを出しても、絶対に許可されないので、反日デモを開催するとして届け出を出して、その実反政府デモをするという市民団体も出現するにおよび、中共は反日デモも規制するようになりました。

2013年からは、中国では反日サイトも、反日デモも影を潜めることになりました。あれから3年目の2016年ですが、確かにここ日本では、反日デモの報道などされていません。

上の記事では、地震記念セールなどを実施する企業があったことが報道されていますが、中共としてはこれを煽るようなことはしてはいないようです。

しかし相変わらず、サイトに掲載される反日的書き込みには神経を尖らせていることでしょう。なぜなら、これを放置しておき炎上したりすると、その後には反日からいつの間にか反政府の書き込みに変わり、大炎上してしまう可能性もあるからです。

中共は相変わらず、今でも教育現場で、反日的な修正された歴史を教え込み、中国人民に対して、統治の正当性をアピールしています。

しかし、このようなことがいつまで続くのか、かなり疑問です。いくら教育現場で、人民に過去の修正された反日的歴史観を叩き込んでみても、現在の日本を戦争好きの悪魔のような存在であると教えこんだにしても、それは現実ではなく、妄想に過ぎません。

このような歴史を刷り込まれた中国人が、実際に日本を訪れると、日本はそのような国ではないことがすぐに理解できます。

そうして、いかに中共が人民に反日思想を吹き込んだにしても、中国人民が政府から弾圧されている事実は変わりません。だからこそ、毎年10万件もの暴動が発生するのです。

こんなことを続けていても、いずれ全く効果はなくなります。なぜなら、中国共産党には統治の正当正当性がきわめて脆弱だからです。

そうして、ブログ冒頭の記事にもあるように、長年の反日教育が醸成してきた日本への敵意と憎悪は、ネット上で隣国の災害を喜ぶ書き込みとして噴出し、地震記念セールを掲げる企業まで現れたのです。一方、こうした低劣な人間性を攻撃し、被災者の平穏を祈る声も少なくなく、中国世論の分裂と葛藤を浮かび上がらせたのです。

「日本の大地震を祝い3日間セールを行う」と店頭に掲げた
家電店の写真。微博など中国のネット上で拡散している

中国共産党としては、今回はネットへの熊本震災に関わる反日的書き込みに対しては、黙認していると思います。下手に介入すると、政府による干渉が人民の反感を買い、反日する側それを攻撃する側の両方ともが、いつの間にか反政府的なものに変わる可能性もあるからです。

しかし、この中国世論の分裂と葛藤はいつまで続くでしょうか。他国の震災を喜ぶような異常なことが、いつまでも多くの人民に支持されるというようなことが続くはずはありません。これは、あまりにも異常です。

いずれ、このような低劣な人間性の発露は全く許容されなくなる時がやってくることでしょう。

そのような予兆は、以前からありました。下は、2012年当時に北京の反日デモで撮影されたものです。


彼女が掲げているスローガンの日本語訳を以下に掲載します。
私たちは戦争を、地震を、水害を乗り越えて来た。 
ここはファシストの土地ではなく、私たちの土地。 
暴力によって築き上げたのではない。 
そう、ここはもう文革を行う場所ではない。 
この土地で開かれた平和の祭典・オリンピックを全世界が見つめた、
その場所ではないか。 
暴力を停止しよう。 
私は知っている。私たちの祖国はかつて愛にあふれていたことを。
このようなスローガンが中国人民に当然のことであると認識されるようになれば、中共の統治の正当性は地に堕ちることになります。その時、中共による中国統治は不可能になり、他の正当性のある主体にとって変わられることになります。

統治の正当性を確保できない政府は崩壊するしかありません。

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2015年12月1日火曜日

【朝まで生テレビ】ケント・ギルバート氏、沖縄基地反対のデモ隊の日当を中国共産党が間接的ではありますけども、払ってますと発言―【私の論評】公然の秘密ともいえる日当の資金源はここだ(゚д゚)!

【朝まで生テレビ】ケント・ギルバート氏、沖縄基地反対のデモ隊の日当を中国共産党が間接的ではありますけども、払ってますと発言

まずは、下の動画を御覧ください。ケント・ギルバート氏、田原総一朗氏、
森本敏氏による対談の動画です。



このような動画、削除されてしまうことが多いので、その時に備えて、ケント・ギルバート氏の発言を中心に以下に掲載します。

ケント・ギルバート
(中国による)沖縄でのイタズラというのは、物凄くアメリカにとって気になっているんですよ。

田原総一朗
沖縄のイタズラって何?


ケント・ギルバート
中国は沖縄で凄いイタズラしてますよ。
えー?
知らないですか?
ちょっと勉強しましょう、それ。

田原総一朗
何ですか?


ケント・ギルバート
工作員がいっぱい入っていますよ。

田原総一朗
あ、工作員がね。


ケント・ギルバート
だって、基地の反対デモの看板が省略した漢字(簡体字)で書いたりして。
それ、デモ隊の日当を中国共産党が間接的ではありますけども、払ってますし。
そんなのは良く知られていることですよ。


田原総一朗
えー!本当?それ?


森本敏
本当ですよ。
沖縄の基地の反対運動のバナーがありますね。垂れ幕。
上が日本語で真ん中が中国語です。
同じ字で同じ大きさで。
日本語、ハングルもありますけど。


【私の論評】公然の秘密ともいえる日当の資金源はここだ(゚д゚)!


沖縄基地反対のデモ隊には、日当が出されているという話は前からありました。それを示した記事を以下に掲載します。

この記事は、ZAKZAKに2013年11月23日掲載されていたものです。
【暗躍列島を暴く】沖縄の矛盾 基地で厚遇を受けつつ「米軍反対!」 返還延期要請も… 
実は、沖縄にはあまり働かなくても大きな収入を得る機会がある。基盤となるのは米軍基地や自衛隊基地である。

米軍基地で働く軍雇用員の給料は、10年度で計約504億円にのぼる。公務員並みの厚遇は魅力で、現在約1万人が待機しているという。ところが、狭き門をくぐり抜けて、めでたく採用が決まったその日から労働組合に加入し、赤い旗を振る人もいる。「米軍反対!」を唱え、一方で給料はもらうという寸法だ。

以前、私は「それって、おかしくないですか?」と聞いた。すると、組合員は「上からの指示だから仕方がないさぁ~」という返事だった。中には、基地内で野菜や鶏まで飼ってサイドビジネスを営むツワモノもいるという。 
反基地運動に関しては、こんな証言もある。 
那覇在住で定職を持たず、自由な生活をしているA氏は「基地反対集会や座り込み運動のバイトはいい金になる。 
日当2万円プラス弁当がつく日もある。掛け持ちで2つの集会に出なければならない時は、別の人間にいかせて 
1万円をピンハネするから、私の日当は3万円になるときもある」と明かした。
この記事、すでに元記事は削除されています。これは魚拓から掲載したものです。

私自身、間接的ではありますが、沖縄デモの実体を知る機会がありました。そのことについて掲載したこのブログの記事のリンクを掲載します。
【中国の本性】翁長知事の危険な中国接近 左翼活動家や沖縄メディアが触れない南シナ海問題 ―【私の論評】沖縄左翼のゴネ得を間近で見た私の結論は、結局奴らへの対処は毅然として絶対に妥協はしないこと(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、沖縄の反対デモに参加している父親が、娘のバイトを意図的に休業させるようにし、その休業の保証をせしめようとしたのを私が阻止したことを掲載しました。 私の、論評の結論部分のみ以下に掲載させていただきます。
今から考えると、あの女性バイトの父親は、このようなお金をもらっていたのでしょう。おそらく、日当二万円をもらっていたのでしょう。10日も行けば、20万円です。 
こうした稼ぎをしたことから、ゴネればカネになることを覚えたのでしょう。それが、国や地方自治体ではなく、民間企業にも通じると思い、ゴネてみたのでしょうが、たまにはそういう企業があったにしても、大多数の企業にはゴネ得など通用しません。そんなに甘くはありません。


それにしても、民間企業は自分でカネを稼いでいるのですが、国や地方自治体は税金で運用されているわけですから、沖縄左翼のゴネ得に簡単に流されては困るのです。 
ゴネ得沖縄左翼に対しては、毅然として対応して、資金源を絶てば、奴らには主義主張など何もなく、ただ安易にカネになることを望んでいる連中がほとんどですから、すぐに活動などやめます。 
国、自治体にもそのように取り組んでいただきたいものです。左翼の皆様がたには、中国が好きなら、中国に移住して下さい。ただし、中国ではゴネ得は全くききません。それどころか、日本から移住した日本政府に反抗的だった連中といういうことで、徹底的に監視され弾圧されることでしよう。 
沖縄が、中国のものになってしまえば、全くゴネ得など効かなくどころか、ぼやぽやして沖縄に残っていれば、すぐに身柄を拘束され、徹底的に弾圧されることになるでしょう。 
結局楽して、カネ儲けなどということはあり得ないのです。まともな多くの人々に役立つことをしているから、その対価としておカネをいただくことができるのです。だから、成田がそうであったように、いずれ 沖縄から左翼は消えることでしょう。未だゴネ得がきく左翼にとって、沖縄は最後の牙城なのです。その牙城が切り崩されそうなので、それを必死に守り抜こうと日々戦っているのです。そんなことをするくらいなら、まともに働けといいたいです。愚かなことです。
さて、ブログ冒頭の動画のケント・ギルバート氏の発言にもあるように、デモ隊の日当は間接的に中国が支払っているということですが、それでは、直接的には一体どこが支払っているのでしょうか。

それについては、なかなか知る機会がありませんでしたが、最近経済評論家の上念司氏のFBをみているとそれに関する図がありましたので、それを以下に掲載します。これは、YOSKUNI KUNIYOSHIというアカウントの方が掲載したものを、上念氏がシェアしたものです。


これは、非常にわかりやすい沖縄基地反対運動のスポンサーと活動家の相関図です。これ一枚で10秒で理解できるというところがすごいです。

食べ物、日用品、住宅その他諸々、どこで購入するかによっては、あなたが知らないところで、反社会的活動になってるかもしれません。知らないうちにあなたは、辺野古の人たち、辺野古の環境を傷つけることに加担することになっているかもしれません。
上の図に掲載されてい、金秀グループについて以下に概要を掲載します。

金秀グループ
金秀グループ総本社
金秀グループ(かねひでグループ)は、沖縄県の企業グループ。経営のとりまとめは、持株会社の金秀本社(同県那覇市)が行っている。 
創業当時は鉄工業を営んだが、のちに他社の吸収・合併を繰り返し、総合建設業小売業保険代理業携帯電話販売代理業・リゾート施設の運営など事業を拡大している。

主な事業


金秀グループのサイトのリンクを以下に貼っておきます。

http://kanehide.co.jp/k_history.html

ちなみに、沖縄タイムズ辺野古取材班というアカウントが以下のようにつぶやいています。
金秀グループ何か手広く事業を展開している地元企業で、いわゆる地元の優良企業なのだと思います。

後は、この金秀グループと中国との関係が明らかになると良いですが、どなたかご存知の方いらっしゃいましたら、是非教えていただきたいです。

それにしても、沖縄の基地反対運動など、所詮紐つきに過ぎないということです。いずれ成田闘争のように影を潜めることになると思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

【関連記事】

「沖縄で人権侵害ない」「知事は尖閣狙う中国の脅威を無視」 国連人権理で辺野古賛成派が反論―【私の論評】完璧に習近平の走狗に成り果てた愚か者翁長(゚д゚)!






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2015年11月15日日曜日

まるで中国共産党! 財務省の「マイナス成長隠し」が、シャレにならない 日本の「GDP統計」がピンチ―【私の論評】日本の「政治主導の夜明け」は、まるで中国のように政治活動する財務省が壊滅した後に始まる(゚д゚)!




「現在の統計では消費の実態を示せていない」

財務省が突如、GDP統計を算出する際に用いる各種統計を「見直せ」と各省庁に求め、霞が関で波紋を呼んでいる。

これまで誰も問題視していなかったGDP統計を唐突に見直せとは、あまりにも不自然。財務省は「経済の実態より統計が弱含んでいる」というが、はたして、要求の裏にはどんな思惑が隠されているのか。

10月16日の経済財政諮問会議で、麻生太郎財務相が見直しを指示した統計は次のとおりだ。

家計調査(総務省)、毎月勤労統計(厚労省)、消費者物価指数(総務省)、建築着工統計調査(国交省)。

家計調査は高齢者の消費動向が色濃く反映されているため、消費の数字が低めに出ている。毎月勤労統計は調査対象の入れ替えが頻繁なため、賃金の数字が正しく表せていない。消費者物価指数はインターネットを通じた取引の販売価格が加味されていない。建築着工統計調査はリフォーム・リノベーションがカバーされていない・・・。

というのが、財務省の主張。要するに、「現在の統計では消費の実態を示せていない。実際はこれほど落ち込んでいない」と、言いたいのだ。

なぜ、財務省はこれほど強引に統計の見直しを求めているのか。

財務省の「人事パワー」は侮れない

あれこれ理由をつけているが、「マイナスになりそうな2015年7-9月期のGDPをどうにかしたい」というのが本音だろう。'17年4月に予定される、消費再増税ができなくなることを恐れているのだ。

'14年4月の消費増税の際、財務省は増税の景気への影響は軽微としていたが、大外れだった。増税後のGDPは2四半期連続のマイナス成長。さらに今年7-9月期もマイナス成長ということになれば、その「負の影響」が現在まで続いていることが、誰の目にも明らかになる。

それを避けるために、財務省は「そもそもGDPを推計する各種統計が信用できない」と言い出したわけだ。

この動きは実に滑稽である。だが、恐ろしいのは、財務省の霞が関における「人事パワー」を侮れない、ということだ。

GDP統計を発表する内閣府の幹部名簿を見ると、事務次官は内閣府プロパーであるが、ナンバー2の内閣府審議官は財務省出身者。局長級の政策統括官にも財務省出身者がいる。

前述した各種統計を作成する各省庁も同様の有り様。財務省出身者が霞が関を支配している、と言っても過言ではない。

幸いなことに、「GDP統計の作成部署」は、内閣府プロパーで固められている。経済財政担当相にも、作成に関する事前の説明はほとんど行わないなど、情報管理はしっかりしているという。

だが各種統計の見直しを指示したということは、作成部署にまで財務省が手を突っ込んでいるとみて間違いないだろう。財務省の焦りは相当なもののようだ。

お隣中国のGDP統計がかなり怪しく、政府の意向で数字がいくらでも変わると、11月7日号の本誌で書いた。

だがどうやら、日本の財務省も同じ考え方をもっているようだ。中国共産党と日本財務省の共通点が、人事パワーが強烈で独裁的に政権運営することであるとは、本当に洒落にならない。

『週刊現代』2015年11月21日号より

【私の論評】日本の「政治主導の夜明け」は、まるで中国のように政治活動する財務省が壊滅した後に始まる(゚д゚)!

財務省はなんとかして、7-9月のGDPが回復基調にあることをでっちあげ、来年はGDPがプラスに転じて、増税機運を盛り上げ、17年春の増税を確実なものにしたいと考えているようです。

それにしても、本当に異常なことです。国民生活などないがしろにして、とにかく財務省の省益を再優先して、何が何でも増税することを最優先課題と考えているようです。そうして、財務省は増税のための屁理屈を政治家、他省庁、マスコミなどに対して徹底的にキャンペーンを張って、完璧に越権行為をして、政治活動を実行しています。

しかし、財務省がなぜそこまでして、増税にこだわるのか、全く見えてきません。無論、財務省はそれについて、政治家などに説明はしているようですが、全部出鱈目です。そうして、どうしても増税しなければならないような、天下国家論は聞こえてきません。

政治家、マスコミ、識者を籠絡し、役所の中の役所もいわれる財務省の省益を確かなものにするだけとしか見えません。 

そもそも、デフレから脱却していないうちに、増税したとしても、税収が増えることなどありません。そんなことは、経済を少しでもまともに勉強した者なら誰でもわかります。それに関しては、このブログでも何度か解説しています。

その典型的なものの記事をのリンクを以下に掲載します。
【日本の解き方】経済成長なくして財政再建なし 歳出カットのみ主張なら財務省の術中―【私の論評】財務省・内閣府の嘘吐き官僚には、徹底した報復人事を行い、政治主導を達成せよ(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事は2015年5月9日のものです。元記事は、高橋洋一氏のものです。この記事から、8%増税などせず、物価目標を達成できれば、どうなっていたかを解説した部分のみ引用します。
まずは、税収=名目GDP✕税率✕税収弾性値ということを念頭においていただき、時を金融緩和を実施しはじめた2013年に戻して、考えてみます。 
この時点で平成14年4月から増税など決定せずに、増税をせずに現在まで金融緩和のみを続けていれば、2年連続、毎年名目5%程度の経済成長は十分あり得ました。ここで仮に税収弾性値を3(倍)とすれば毎年歳入の15%、6〜7兆円の増収が見込まれ、二年で消費税5%相当の約12兆円となり今頃増税自体不要になっていたはずです。 
下のグラフ2012年のG7諸国の名目GDP成長率の平均値です。ここからデフレ日本を除いた6カ国平均値は3.3%です。日本もデフレを脱却すれば、当時の△0.6%から3.3%程度の名目成長率は十分可能であったはずです。 
この名目GDP平均値と、税収弾性値として3を用いると、上記で掲載したような名目5%成長前提ほどではないですが、それでも毎年歳入の約10%、4兆円で、二年で8兆円程度の増収が見込めたはずです。これでも、昨年4月の増税など全く必要がありませんでした。
各国の名目GDP成長率 (1997-2012)
出所:IMF WEO Apr 2013 縦軸:パーセント
税収弾性率を低く見積もれば、当然このようなことは考えられないということになります。しかし、現実にはブログ冒頭の高橋洋一氏景気の回復局面では税収弾性値は3~4程度になって、景気が巡航速度に達するにつれて低下し、1・1程度に近くなるとしているように、昨年や今年あたり増税さえしていなければ、少なくとも3くらいにはなっていたはずです。
このようなことを知ると、そもそも、財務省は実は日本の経済成長などどうでも良いと思っているようにしか見えません。そうして、先にも述べたように、"増税しなければならないような、天下国家論は聞こえてきません"。上の事実を知った上で、財務省から国民生活を苦しめるような、増税のいいわけではなく、天下国家論がないということになれば、誰もが増税には反対するものと思います。

天下国家論といえば、例えばどんなものかといえば、「軍事力増強」です。最近の世界情勢とりわけ、南シナ海の状況をみれば、当面の国民生活を多少犠牲にしても、将来の日本の安全保障を確かなものにするなどの理由をあげて増税して、それを本当に軍備拡張に当てるなどとすれば、確かに筋が通ります。

また、軍備拡張するのに、米国などから武器を購入するのではなく、国産にすれば、それは積極財政をしているのと同じになり、増税による経済成長を和らげることになります。

しかし、今のままでは、財務省の言い分には全く正当性がありません。似非識者も、マスコミも、財務省の意向に沿ったことはいいますが、このようなことは言いません。だから、マスコミも似非識者も全く正当性がありません。

だから、多くの人が、財政再建や福祉の維持のために、増税は絶対にしなければならないと、頑なに信じこんでいます。その頑なさには、時折twitterやFacebookでお目にかかり、本当に驚くことが度々あります。

私自身は、財務省のこのような出鱈目を封じ込めるには、政府はやはり報復人事をすべきものといいます。無論、報復人事とはいっても、民間企業であるような、私怨を人事で晴らすなどということではなく、政府の一下部機関に過ぎない財務省の高級官僚が、国民生活をないがしろにして、安倍総理のいうことも聴かずに、まるで財務省を政治集団のような振る舞うように仕向ける高給官僚に鉄槌を食らわすという意味です。

この報復人事としては、次の二段階が考えられます。

まず一段階目としては、上記のリンク記事にも掲載した内容です。
 例年は大型連休明けに始まる中央省庁の「出世レース予想」が、早くも騒がしくなっている。国家公務員は年功序列型の人事システムで「10年先の異動・配置先まで決まっている」(政府高官)のが当たり前だったが、いまや出世街道を突き進むには「3つの壁」を乗り越えなければならない。女性職員の幹部登用や省庁間人事を推し進める首相官邸は、今夏の定期人事で政治主導を本格化させる構えで、いつにも増して「官僚たちの夏」は熱くなりそうだ。 
最大の注目は財務省 
 今夏の注目は財務省だ。厳しい国家財政の中、予算編成を事実上担ってきた主計局長の田中一穂氏は、事務次官への就任が確実視されている。昨年の人事で主税局長から異例の転身を遂げ、「次官待ちポスト」の主計局長として新たな財政健全化計画の策定を牽引(けんいん)している。 
 現在の香川俊介次官、その前の木下康司元次官と同じ昭和54年入省で、同期3人が次官を経験することになりそうだ。官僚の世界では、出世レースでトップを走る同期が次官に就任するまでの間、ほとんどの同期は退官するか外部に転出する。 
 だが、安倍晋三首相は第1次政権時に首相秘書官を務めた田中氏の能力や人柄を高く評価。休日も首相とゴルフしたり酒を交わしたりする首相の側近中の側近で、「『田中次官』以外ありえない」(政府関係者)との声も漏れている。
・・・・・・・・〈中略〉・・・・・・・・・ 
 内閣人事局が初めてゼロベースから練り上げる今年夏の幹部人事。そのキーワードは「官邸との距離」「女性の幹部登用」「片道切符」だ。キーマンである菅官房長官は「権力というのは人事が大切」と漏らしており、それを伝え聞いた官僚たちは早くも戦々恐々となっている。
この記事に出てくるような片道切符で、財務省の高級官僚のうち、増税推進派を何人か他の省に送り出すのです。

しかし、これには弊害もあります。片道切符で他省に異動させられた、高級官僚は、財務省とのパイプ役となり、財務省の意向を他省庁に徹底する役割を担うようになるからです。

それでも、上から順番に、10人くらいの高級官僚を他省に片道切符で異動させれば、財務省はそれこそパニック状態になり、政府や安倍総理に表だって逆らうものは誰もいなくなるでしょう。しかし、それもつかの間のことでしょう。

時がたてば、他省に異動させられた高級官僚が、財務省の若手に働きかけて、また自分の意に沿った財務省の運用を図るようになります。そうして、他省庁をいずれ財務省の植民地にして、財務省の意向に沿って動く省庁にしてしまいます。今でも、そのようなところがありますが、おそらくさらにそれを強化することになります。

また、単純に財務省を分割すると、財務省は10年くらいかけて他省庁を植民地化して、財務省管轄の分野を拡大する手段に使うことになります。財務省とは、元々一筋縄でいくような組織ではないです。だからこそ、他省庁はもとより、政治家や、マスコミ、識者などを籠絡できるのです。
かつて、大蔵官僚はノーパンしゃぶしゃぶ問題で、国民の多数から侮蔑の対象にされました。しかし、国民の侮蔑は、官僚には一時は、へこんだことでしょうが、国民は直接役人を選ぶわけではないので、これも効き目は薄くこの後、大蔵省は財務省と日銀に分割されましたが、財務省の政治活動は見事にすぐに復活し、デフレの真っ最中に増税が行われるというとんでもない状況を財務省が主導しました。

バブル崩壊直後 大蔵官僚のスキャンダルが明るみに
ノーパンしゃぶしゃぶ接待で、大蔵官僚は国民から侮蔑された

そんなことを封じるためにも、次の二段階目が必要になります。

第二段階目は、第一次安倍政権の挫折の原因ともなった、財務省の公的金融部門の廃止をして、全く新しい省庁にするか、他省庁に併合するようにします。次に、財務省官僚が目下においてる他省庁に併合するさいには、他省庁の下部組織に財務省を分割の上で編入するのです。

これで完璧に、財務省を解体できます。さすがに、解体された財務省は他省庁の下部組織に成り下がるわけですから、解体されて下部組織に入った高級官僚など、当該省庁では、メインストリームなることなどあり得ませんから、当該省庁の次官になるものもいなくなるでしょう。
そうして、元財務省出身者であるということが、他省庁の官僚からみれば、自分たちを目下にみて、国民を蔑ろにして、財務省の省益をばかり考えた、官僚にあるまじき人間ということで、侮蔑の対象になることでしょう。

こうして、本来政府の一機関に過ぎない、財務省の歪んだ政治活動を永遠に封じることができます。
さらに、こうした大蔵省完全解体は、他省庁の官僚にも大きな影響を及ぼすことになります。
ドラッカーは、組織(むろん政治組織も)において真に力のあるコントロール手段は、人事の意思決定、特に昇進の決定だといいます。
それは組織が信じているもの、望んでいるもの、大事にしているものを明らかにする。
人事は、いかなる言葉よりも雄弁に語り、いかなる数字よりも明確に真意を明らかにする。
組織内の全員が、息を潜めて人事を見ている。小さな人事の意味まで理解している。意味のないものにまで意味を付ける。この組織では、気に入られることが大事なのか。
“業績への貢献”を企業の精神とするためには、誤ると致命的になりかねない“重要な昇進”の決定において、真摯さとともに、経済的な業績を上げる能力を重視しなければならない。
致命的になりかねない“重要な昇進”とは、明日のトップマネジメント(政治の世界では高級官僚)が選び出される母集団への昇進のことです。それは、組織のピラミッドが急激に狭くなる段階への昇進の決定です。

そこから先の人事は状況が決定していきます。しかし、そこへの人事は、もっぱら組織としての価値観に基づいて行なわれなければなりません。
「重要な地位を補充するにあたっては、目標と成果に対する貢献の実績、証明済みの能力、全体のために働く意欲を重視し、報いなければならない」(『創造する経営者』)
以上のドラッカーの箴言を理解すれば、いかに人事、特に高級官僚の人事が重要であるか理解できます。
ドラッカー氏
官僚の人事も、政治主導という考え方からすれば、特に官僚のうちでも、高級官僚に関しては、官僚が組織する人事院よりも、政治家が主体となって内閣人事局が行うべきが本筋です。なぜなら、政治は国民の信託を受けた政治家が国民のために実施するものだからです。

官僚は、選挙で選ばれた人たちではありません。しかし、特に高級官僚への昇進は国民社会や経済に大きな影響を及ぼします。であれば、信託を受けた人が関与する内閣人事局などの組織がそれを決定するのがより良い決定方法です。そうして、政府は内閣人事局に対して、上記で示したような財務省の解体をするように命じて、実際にそのようにさせれば良いのです。

このくらいの規模で人事を行わないと、大蔵省は生き残り、今後も政治活動をやめることはありません。

官僚が、跋扈する国はまともな国ではありません。ブログ冒頭の記事では、財務省のことをまるで中国共産党と揶揄していましたが、中国には政治家は一人も存在しません。政府に存在するのは、官僚のみです。
なぜなら、中国は建国以来いちども選挙が行われていません。中国の政府は、政治家が存在せず、官僚だけが存在します。そもそも、日本などの先進国でいう、国会もありません。そもそも、選挙で選ばれた政治家が一人も存在しないのですから、たとえ全国人民大会などか開かれるなどといっても、所詮官僚の会議にすぎないものです。
最近では、多くの人々がようやっと、中国の歪さに気づきつつあるようですが、その歪さの根源が完全官僚主導の政治なのです。

選挙で選ばれない官僚が、政治を行い、官僚の人事も行うのです。これでは、当然のことながら、人民などをないがしろにして、官僚の都合で政治を行うことになります。

日本の場合は、選挙もあり、中国ほど酷くはありませんが、それでも、政府の一下部組織に過ぎない、財務省が、役所の中の役所といわれるように、君臨して、政治活動を続けています。そのため、「官僚主導」などといわれる部分も多いです。

これは、どんなことをしてでも、改めなければなりません。民主国家においては、「政治主導」でなければならなのは、いうまでもありません。政府の方針は、官僚が決めるのではなく、あくまで選挙で選ばれた政治家が意思決定し、官僚は政府の方針を実行に移すというのが正しいありかたです。しかし、日本ではまだまだ「官僚主導」がまかり通っています。

民主党は、「政治主導」にすることを公約として、政権交代しましたが、彼らの「政治主導」とは、せいぜい「官僚主導の打破」とキャッチフレーズを並べたり、政治家が役人のするべき分野に踏み入ったり、「事業仕分け」をすることでした。

民主党の事業仕分けでは「政治主導」など達成できず、混乱を招いただけ

しかし、本当に「政治主導」をするというのなら、今の日本ではまずは、財務省の解体は避けられません。まるで中国のような、財務省による政治活動を粉砕しなければ、「政治主導」は達成できません。

上記で私があげたような人事を断行し、財務省を解体した後に初めて、日本の「政治主導の夜明け」が始まります。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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