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2019年9月7日土曜日

香港長官「条例撤回」は事実上のクーデター―【私の論評】米国の「香港人権民主主義法案」が決定的な要因の可能性(゚д゚)!

香港長官「条例撤回」は事実上のクーデター

林鄭行政長官はすべてを計算したうえで逃亡犯条例を撤回したのか


<突然の林鄭行政長官の「逃亡犯条例」完全撤回に不気味な沈黙を続ける中国政府。条例撤回はデモで追い詰められた林鄭が、習近平にすべてを責任転嫁する計算づくの「反逆」だった?>

香港政府トップの林鄭月娥キャリー・ラム)行政長官は9月4日のテレビ演説で、刑事事件の容疑者を中国本土へ引き渡すことを可能にする「逃亡犯条例」改正案を完全に撤回すると表明した。

6月から香港で続いている大規模な抗議運動とそれに伴う香港社会の大混乱は、まさにこの「逃亡犯条例」改正案の提出から始まった。行政長官による完全撤回の表明は、香港だけでなく世界から注目される大事件であり、香港情勢の大逆転でもあった。

ここで浮上した問題の1つは、この決定は中国政府の指示によるものなのか、それとも香港政府あるいは行政長官の独断によるものか、ということである。撤回表明翌日の5日に林鄭は記者会見を行ったが、その中では中国政府の支持を得て香港政府が決定したと発言。

「すべてのプロセスにわたって、中央人民政府はなぜ撤回が必要かを理解している、との立場をとった。中央政府は私の見解を尊重し、一貫して私を支持してくれた」と語った。

この発言からすれば、香港政府は事前に北京政府のお墨付きを得たことになる。だが1つ不可解な点がある。もし林鄭が事前に中国政府の「支持」と「理解」を得ていたのであれば、4日のテレビ演説でなぜ「中央政府の支持と理解を得た」と言わなかったのか。

中国政府は茫然自失?

さらに奇妙なことに、林鄭が記者会見した同じ5日、肝心の中国政府は「理解」や「支持」をいっさい表明していない。それどころか、中国政府のいかなる機関もこの件について言及せず、完全な沈黙を守っている。

中国政府の沈黙は実に興味深い。このような反応(あるいは無反応)を見ると、「事前に中央政府の理解と支持を得た」という林鄭の言い分は怪しい。中国の中央政府はむしろ、彼女からの「不意打ち」を喰わされて茫然自失しているのではないか。

林鄭の発言を否定するもう1つの材料はすなわち、撤回表明の前日の3日、中国国務院香港・マカオ事務弁公室の報道官が記者会見で行った発言だ。

この記者会見の中で、楊光報道官は記者からの質問に答える形で、香港のデモ隊が掲げている5大要求について発言した。彼はそこで、「それは要求でも何でない。赤裸々な『政治的恫喝』であり、『政治的脅し』だ」と述べ、この5大要求を完全に拒否する姿勢を示した。

いわゆる国務院香港・マカオ弁公室は中国の中央政府直轄下の政府部門であるから、この発言は当然、香港市民の5大要求に対する中国政府の正式見解であると理解していい。その当日から翌日にかけて、人民日報海外版や中国国務院弁公室の公式サイトは「過激派の5大要求は赤裸々な政治恫喝だ」と、上述の楊光発言を大きく報じた。

林鄭と周辺の奇妙な動き

つまり、少なくとも9月3日と4日の時点で、共産党政権は香港市民の5大要求に完全拒否の姿勢を貫き、むしろ「政治的恫喝」として厳しく批判していた。そして5大訴求の第1条は「逃亡犯条例改正案の完全撤回」である。5大要求を「政治的恫喝」だと断じて完全拒否の姿勢を示しておきながら、要求の1つである「改正案撤回」を容認するのはあり得ない。

もし、林鄭による撤回表明が中国政府の事前了解と支持を得ていないのであれば、彼女のこの動きは明らかに反乱であり、一種のクーデターと見ていい。そして、林鄭による撤回表明がクーデターであるという視点に立てば、8月末から9月3日にかけて林鄭とその周辺で起きた一連の奇妙な動きの意味が分かってくる。

奇妙な動きの1つはまず、ロイター通信が8月30日、中国政府が林鄭による「改正案撤回」の提案を拒否したと報じたことである。

ロイターが「複数の関係筋」の情報に基づいて報じたところによると、林鄭は今年夏、抗議デモの参加者が掲げる5大要求について検討した報告書を中国政府に提出し、「逃亡犯条例」改正案を撤回すれば抗議デモの鎮静化につながる可能性があるとの見解を示したという。しかし中国政府は、改正案の撤回に関する林鄭の提案を拒否。5大要求の他の項目についても要求に応じるべきではないとの見解を示した。

ロイターが報じた内容を中国政府は一切否定していないから、おそらく事実なのであろう。ここでの問題は、「複数の関係筋」が一体何のために、中国政府と香港政府との極秘のやり取りをリークしたのか、である。

まず考えて見るべきなのは、一体誰がこのリークの受益者となっているかであるが、その答えは簡単だ。林鄭こそがまさにその受益者である。

中国政府に改正案撤回を提案したことが明るみに出たことで、林鄭は一転して香港のために精一杯頑張った良き行政長官になった。それだけでなく、それ以降の混乱拡大に対する責任の大半からも逃れることが出来る。逆に、林鄭からの提案を拒否したと報じられた中国政府は混乱拡大の最大の責任者とされ、大変な窮地に追い込まれた。

もしそうなら、このリークこそ林鄭が中国政府を自分の考える方向へと追い詰めるための、いわば「林鄭クーデター」の第1ステップであると考えられよう。

英語で発言した理由

そして「林鄭クーデター」の第2ステップは、9月3日までに非公開会合における林鄭の重大発言が同じロイター通信にリークされたことである。

ロイターは今月2日、林鄭が実業界の首脳たちとの非公開の会合で「可能なら辞任したい」と発言したと報じた。さらにロイターは3日、約30分間におよんだ林鄭発言の録音の24分間を公開。発言のほぼ全容を明らかにした。

その中で林鄭は、「もしも自身に選択肢があるなら」と断った上で「まずは辞任し、深く謝罪することだ」と述べたうえで、香港の混乱は中国にとって国家安全保障・主権の問題となっているため、自身によって解決する余地は「非常に限られている」と説明した。

彼女はさらに「残念ながら憲法で2つの主人、つまり中央人民政府と香港市民に仕えなくてはならない行政長官として、政治的な余地は非常に、非常に、非常に限られている」と、自らの深い苦悩を吐露した。

「中央政府が撤回提案を拒否した」という情報をリークしたとの同じように、林鄭とその周辺が内部発言を報道機関にリークした可能性は高い。リーク先は前回同様ロイター通信だ。もう一つ、林鄭はこの内部発言を英語で行った点も注目すべきだ。

彼女の話す相手は香港の実業界であったから、本来、香港人が親しんでいる広東語で喋っていても良さそうだ。わざと英語で話したのは、まさにロイターにリークしやすくするための工夫ではなかったか。

この発言で、林鄭は事態収拾の責任を中国政府になすり付けることに成功し、中国政府はより一層窮地に立たされた。これまで習近平政権は、中国政府が直接香港に介入して武装警察や解放軍を鎮圧に動員することは国際社会の反発が強くリスクが大きいから、できるだけ自分たちの手を汚さず香港政府と香港警察に事態の収拾を任せたい、ともくろんでいた。

しかし今、香港政府と林鄭は公然と、責任を中央政府になすり付けてきた。中国政府の思惑は完全に外れ、習政権は自ら矢面に立たされる形で、武力鎮圧に踏み切るかどうかの瀬戸際の判断を迫られている。10月1日の国慶節(建国記念日)が迫る中、残された時間はわずかしかない。

こうしてみると9月4日に突然、逃亡犯条例改正案の完全撤回を発表したのは、実は用意周到な中国政府に対する「林鄭クーデターの完成」ではないのか。 つまり林鄭は、中国政府を武力鎮圧の難しい判断に追い込んだ上で、今度は一転して自ら妥協案を持ち出し事態の収拾に乗り出した。これで林鄭は「何も出来ない行政長官」から一転して、自らで主導権を握ることができる。

中国政府と習近平は簡単に林鄭の改正案撤回を拒否することも反対することも出来なくなった。今さら公然と彼女の撤回表明を拒否すれば、それは直ちに中国政府と林鄭の完全決裂を意味する。中国政府は自ら実力による事態収拾を計る以外になくなったが、経済衰退や米中対立の深まりなどの内憂外患に悩まされている現状で、香港に対する武力鎮圧に踏み切れるだろうか。

「逆撤回」もあり得る?

この原稿を書いている9月6日午前現在、中国政府は林鄭の改正案撤回に正式見解も反応も示していない。習政権は今、どう対処すべきか苦慮している最中なのだ。最後は不本意ながら改正案撤回を受け入れるかもしれない。もしそうなら、それは「林鄭クーテダー」の成功を意味する。

香港人の林鄭は、妥協によって混乱のさらなる拡大を食い止め、人民解放軍による血の鎮圧のような最悪の事態を回避しようとしたのではないか。

中国政府が林鄭の改正案撤回を受け入れたとしても、それが香港の抗議運動の収束につながるとは限らない。あるいは中国政府が林鄭の改正案撤回を「逆撤回」させて本格的な鎮圧に踏み切る可能性もないではない。

香港情勢からは依然として目が離せない。

石平

【私の論評】米国の「香港人権民主主義法案」が決定的な要因の可能性(゚д゚)!

冒頭の記事の、石平氏の見方は、今のところ正しいのか、そうではないのか、すぐに判断するのは難しいかもしれません。しかしながら、一考に値する見方であると思います。

既に香港デモは香港政府も中国政府も扱える範囲を超えており、そのことに対して林鄭長官が中国政府の対応の遅さに業を煮やしたということかもしれません。

いずれにしても、に中国の今回のデモに対する反応は遅きに失したと言わざるを得ないです。天安門事件の反省が、中共を怖気づかせ、なかなか意思決定に踏み切れない状況に追い込まれたのでしょう。

        北京天安門広場近くで起きた民主化運動の学生と軍部隊との
        衝突で負傷し、荷車で運ばれる女性=1989年6月4日

しかし、中国はこれでまともに香港デモと向き合わざるを得なくなりました。ここから中国が暴力的な方向に進まなければ良いのですが、それはいまのところどうなるのか未だ予断を許さない状況にあります。

デモ隊はくれぐれも気をつけて事を進めてもらいたいものです。大陸中国の暴力は度を超えています。彼らには、「まさか」などという考えはあてはまりません。今回中国が武力を用いるとすれば、人民解放軍ではなく、武力鎮圧の専門部隊である武装警察か実行することになるかもしれません。

これは、以前このブログでも述べたことですが、大量の武装警察部隊が動くことになれば、香港に対する武力鎮圧が近づいているとみるべきであり、デモ隊はすぐに引き上げるなどの対応をすべきだと思います。天安門事件の時のように、大きな被害者を出すことは避けていただきたいです。

香港の匿名クリエイター集団が香港政府に対する「5つの要求」をテーマにしたアニメーションを作成し公開、そのクオリティーがあまりにも高いと話題になっています。

いったいどれほどハイクオリティだったのか、百聞は一見にしかず、まずはそのアニメーション映像をさっそくご覧ください。これは日本語版です。


いかがでしょうか、先の大規模デモや行政長官、そして抗議のため自ら命を絶った香港市民などをモチーフに、その闘いの記録と伝えたいことのすべてが、この短いアニメーションの中に凝縮されていることに驚かされます。今回、MAG2 NEWSはあるルートを通じてクリエイターからのアニメ公開の許可をもらいました。クリエイターいわく「作者の名前を掲載することは希望しないが、この動画は広く拡散してほしい」とのことでした。

このアニメが伝えたいテーマは「香港市民による5つの要求」。それは、
1・「逃亡犯条例」を全面撤回すること
2・平和に行われたデモを「暴動」と定義しないこと
3・逮捕されたデモ隊の「罪を撤回」すること
4・職権を乱用した警察の暴行を追及すること
5・林鄭月娥行政長官は責任をとって辞任すること
の5つです。

今回は、林鄭行政長官が「逃亡犯条例」を全面撤回したわけです。その理由は何でしょうか。私の考えでは、やはり米国の「香港人権民主主義法案」が決定的な要因だったのではないかと思います。

同法案は香港デモに関連し、基本的人権や自由への抑圧行動について、香港に付与された(中国本土と違う)優遇措置を取り消し、抑圧行動にかかわる関係者らの米国における資産を凍結し、米国入国を拒否するなどの制裁措置を含んでいます。

特に資産凍結のダメージが大きいです。一部の情報によれば、この「香港人権法案」は9月上旬の米国会で可決される可能性が高いといわれています。もし、この法案が成立すると、それこそ、習近平をはじめとする、中共幹部のほとんどが香港に隠し資産を持っているとされていますから、中共幹部の資産も凍結される可能性があります。

林鄭行政長官条例完全撤回という香港市民側の要求を飲めば、米国の「香港人権法案」が立脚する基盤が崩れ、米国議会で少なくと法案が現状のままでは可決できなくなる可能性があります。
もし、そうだとすれば、石平氏のいうような、香港長官のクーデターではなく、長官は無論のこと中共幹部もこれには同意したものと考えられます。ただし、香港長官のクーデター説もあり得ることです。その場合、長官は中共幹部が反対しないであろうことを前提として、クーデターを行ったということも考えられます。
     「逃亡犯条例」改正案の正式撤回を表明する林鄭月娥行政長官の
     テレビ演説を映す街頭の大型モニター=4日、香港

しかし、真相がどうであれ、香港問題が根底から解決されたわけではありません。たとえ、デモなどの市民運動が今回沈静化したとしても、いつ再燃してもおかしくないです。

さらに、たびたびの騒動で香港の国際金融センターとしての基盤がすでにぐらついています。香港からの資金流出がすでに始まっています。香港から中共幹部の資金が、海外に完璧に流出した段階で、中共幹部の態度が豹変するかもしれません。

そのとき、香港情勢が大きく動くかもしれません。

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「第2の天安門」の懸念が消えない香港デモ―【私の論評】香港のインターネットをはじめとする、あらゆる通信手段がシャットアウトされたとき、中国の香港への武力侵略が始まる(゚д゚)!




2017年9月11日月曜日

北朝鮮危機回避の最後の外交手段?「核シェアリング」とは何か―【私の論評】日本が事実上の核保有国になる方法(゚д゚)!

北朝鮮危機回避の最後の外交手段?「核シェアリング」とは何か

米国のICBM

 
核シェアリングとはなにか


北朝鮮情勢を巡る緊張が続いている。

先週の本コラムでは、左派の人がJアラートを揶揄することについて、現行の国民保護法から的外れであることを指摘した(「あまりに幼稚な左派の「北朝鮮核容認論」これでは日本が滅びる」http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52782)。また、左派の「北朝鮮核容認論」は、核拡散防止条約(NPT)から国際常識に反することも指摘した。

なにより国連決議を無視してきた北朝鮮の核を認めることはできない。そんなことをしたら、無法者の言うことがまかり通る世界になって、日本は永遠に北朝鮮の脅しに屈服せざるをえなくなる。そこで、日本としては「核保有する」とは言えないから、「非核三原則の見直し」に言及すべきだと書いた。それこそが、北朝鮮に対する最大のプレッシャーになるだろうからだ。

今回は、「非核三原則の見直し」の後に来るものを書こう。できれば前回のコラムでそこまで言及したかったのだが、字数の関係でできなかった。それは「核シェアリング」についてである。先週木曜日放送の「ザ・ボイス そこまで言うか!」に出演した際にも話したのだが、この核シェアリングについて説明したい。

非核三原則とは、言うまでもなく「もたず、つくらず、もちこませず」のことである。この「見直し」といっても、「もたず、つくらず」の二原則は堅持すべきで、最期の「もちこませず」という原則のみを見直すべき、ということだ。

まず、一部の右派からでている「日本も核武装すべきだ」という核保有論はあまりに粗野だ。現在の核拡散防止体制を考えれば、これは国際政治の常識から逸脱しているので、技術的には可能でも、政治的な実現可能性は乏しい。

一方、「もちこませず」に関しては、英語と日本語の意味の違いもあって、国際社会からみれば修正の余地が大きい。

そうであれば、国際的に容認しにくい核保有論より、より実現可能性の高い「核シェアリング」を考えたほうがいい。それも非核三原則の一つである「もちこませず」の修正の延長線で考えたほうが得策であると筆者は思っている。

こう提案するだけでアレルギーを起こす読者もいるかもしれないが、国際社会をみれば、「核シェアリング」は、実際に北大西洋条約機構(NATO)で行われている。核保有はしていないが、アメリカが核を提供し、それを管理す津核基地を受け入れ国で持つもので、いわば核の共同運用である。

具体的には、ベルギー、ドイツ、イタリア、オランダ、トルコで行われている。それぞれの国で、クライネ・ブローゲル空軍基地(ベルギー)、ビューヒェル空軍基地(ドイツ)、アヴィアーノ空軍基地(イタリア)、ゲーディ空軍基地(イタリア)、フォルケル空軍基地(オランダ)、インジルリク空軍基地(トルコ)に、戦術核兵器が持ちこまれている。

ビューヒェル空軍基地(ドイツ)
「核拡散防止条約上の抜け穴」と批判されているうえ、オバマ前米大統領がプラハで核廃絶の演説を行った後には、核シェアリングの解消を求める運動も起こった。アメリカの核をもっていることで、アメリカの核戦略(戦争)に巻き込まれるという批判もある。

確かに一理あり、核シェアリングを「時代遅れ」と批判するのは簡単だ。しかし、今の北朝鮮はかつての「神州不滅、鬼畜米英」と唱えていた国と同じで、何をしでかすかわからない状態だ。今の極東の北朝鮮を巡る動きは、かつてヨーロッパに対してソ連の核脅威があった以上に、危険があるといわざるを得ない。

しかも、かつてのソ連の核の脅威に対して、核シェアリングは結果としてソ連の核攻撃を抑止した。その意味で核シェアリングは有効だったのだ。いまの危機下において、可能性のある選択肢としてこの議論を持ちだしてもいいだろう。

なにしろ、核保有論の最大の弱点である核拡散防止条約の問題について、核シェアリング論は、現実に実践されているという意味でも一応クリアしているからだ。

 韓国でも議論は起きている

こうした議論の必要性は、韓国の動きを見てもわかる。

9月3日、6回目の核実験など北朝鮮の挑発があった後、世論調査会社・韓国ギャラップが、「韓国も核兵器を保有しなければならないと思うか」とする主張に対し、回答者の60%が「賛成」、35%が「反対」の意思を示した事が明らかになった。

年齢別にみると、20代は57%が核兵器の保有に反対しており、30代と40代は賛否の差が10ポイント以内と拮抗した。50代以上は約80%が賛成だった。

今回の北朝鮮の核実験が朝鮮半島の平和に及ぼす脅威の程度については、「非常に脅威」が54%、「やや脅威」が22%など、全体の76%が脅威と認識し、「あまり脅威ではない」は15%、「全く脅威ではない」は5%。4%は意見を留保した。

もっとも、北朝鮮による戦争挑発の可能性には、「非常にある」が13%、「ややある」が24%など、37%が「可能性がある」と答え、「あまりない」が36%、「全くない」が22%。半数以上の韓国国民は、戦争の可能性がないと考えているようだが。

こうした世論調査の読み方は慎重に行わなければいけないが、最後の戦争の可能性については、願望というところが大きいと思う。つまり、戦争はしたくないが、核保有はやむを得ない、というリアリズム的な思考で考えている人が韓国には多いのだろう。

 北朝鮮にも「シェアリング」の提案を

翻って、日本はどうか。こうした世論調査を、マスコミは是非実施してみたらいいだろう。核について、日本は唯一の被爆国であり、慎重にならざるを得ない。といって、今の北朝鮮の行動は、日本の非核三原則すら修正をせざるを得なくなるような状況に追い込むほどのものだからだ。

韓国の核保有については、国際社会からみれば、核拡散防止条約(NPT)の点で国際常識に反するのは日本と同じである。となると、韓国はアメリカとの核シェアリングという方向に進むかもしれない。その場合、日本はどうするのかという問題になるだろう。

先週木曜日の「ザ・ボイス」では、核シェアリングは、日本だけの問題ではなく、北朝鮮の封じ込めにも使えるはずだとも指摘した。つまり、北朝鮮の核を、中国との共同管理=核シェアリングに持ち込むべきだというものだ。

これは別に中国でなくてもロシアでもいい。中ロにとっても、それぞれの安全保障上、この提案は「渡りに船」ではないだろうか。北朝鮮の核をシェアリングできれば、日本の安全もかなり高まるはずだ。

もちろん、国家の体制保障を求めて核開発を進めてきた北朝鮮が、おいそれと核シェアリングを飲むはずない。しかし、このまま米朝の挑発合戦が加速して、いずれアメリカの軍事オプションが行使されることを考えれば、核放棄と保持の中間的な性格がある核シェアリングは、北朝鮮にとっても現実的な選択肢になりうるはずだ。

外交においては、まず対話、次に経済的な圧力、そして最後の軍事行動という順序である。しかしながらこれまで北朝鮮の核・ミサイル凍結を目指して、対話が20年間くらい繰り返されてきたが、結局北朝鮮に核・ミサイルの開発をする時間を与えただけで、核・ミサイル開発の凍結に失敗してきた。もはや対話の時期ではないのだ。

 一刻も早く論じるべき

北朝鮮がアメリカ本土を攻撃できるようになるまでの時間は、あと1年程度しかないという専門家も多い。3日に行われた核実験は、これまでの核・ミサイルの累積的な成果を考えると、アメリカのレッドラインを超えたかもしれない、と筆者はみている。

実際、アメリカが国連安保理で現在提案している、北朝鮮への石油輸出禁止などの経済制裁は、かなり本気のものである。中ロもアメリカの本気度の強さを感じているので、アメリカ提示の制裁案の協議には応じ、なんとか制裁案を弱めようというスタンスのように見える。

筆者は、アメリカがこれまで世界各地で起こしてきた戦争の歴史を振り返ると、早くてあと1ヶ月、遅くとも年内には、最後の手段である何らかの軍事行動を採っても不思議でない状況だと思っている。その意味で、アメリカが安保理で提示した北朝鮮への石油禁輸などは、経済的な圧力の最後の段階で、つまりは軍事行動を採るまであと一歩だ、という最後通牒かもしれない。

国際社会から北朝鮮に圧力をかけるには、中ロの協力が必要であるが、そのために中ロに北朝鮮への対案を競わせるのはいい戦略である。北朝鮮の核をシェアリングすることを提案すれば、中ロが主導権争いを行うことになり、中ロの分断を図ることも可能である。だから、国連での経済制裁と相前後して、核シェアリング議論を進めていいだろう。

このように経済的な圧力と軍事行動の間に、外交圧力としての強力な手段として、核シェアリングがあると筆者は思っている。が、はたしてそうした猶予が今の時点でまだ残されているのかどうか。いずれにしても、北朝鮮情勢はかなり逼迫しているため、一刻も早く考え得る手を打つべきことが必要なのである。

【私の論評】日本が事実上の核保有国になる方法(゚д゚)!


専門家が開発の速度が速いと、警鐘をならす
北朝鮮の水爆
1990年代から今日に至るまで北朝鮮は核開発を続けてきました。なぜ北朝鮮はこれほど核開発に力を入れるのでしょうか。

核兵器を保有することによるメリットを挙げるといかのようになると思います。
  • 核を持っていない国に対して優位に立つことができる
  • 核を持っている国と同じ場所で交渉を行うことができる
  • 他国から攻撃されにくくなる
現在、核兵器が戦争において使用されたのは第二次世界大戦時の広島と長崎の2回のみです。使用したときの大きな爆発エネルギーや放射能の影響など、兵器としては大きな脅威を持っています。しかし、第二次世界大戦が終わり、他国への侵略などが世界的に批判されるようになると、核兵器の役目は兵器とは別の物になってきました。

第二次世界大戦後は他国との問題解決は戦争ではなく交渉で解決することがメインとなりましたが、ここで核兵器を持っている、つまり軍事的に優位がある国の発言力が高まることとなります。

現代における核兵器は相手に使用する代わりに、保有することによって自国の国際的な発言力を高めることが期待できます。逆に現代において核兵器を使用した場合、その国は相手国や相手国の同盟国からの報復を受けてしまうことが予想されるため、核兵器を使用するメリットはあまりありません。

北朝鮮にとっての一番の敵国はアメリカです。そのアメリカと交渉をするためには、アメリカと同じ立場に立たなければなりません。北朝鮮はアメリカに比べて軍事力、経済力は劣っているため、核兵器を保有することによって軍事的なバランスをアメリカと同等レベルにまで引き上げ、交渉をしようとしていると考えられます。

現在の北朝鮮は各国からの経済制裁を受けていますが、これに関しても核兵器を保有することによって解決しようとしています。

また、北朝鮮はアメリカに対する恐怖もあるため、核兵器を保有すればアメリカからの批判を緩めることもできる可能性があります。

いずれの理由にせよ、北朝鮮は自らの体制を維持していくためには核は必要不可欠と位置付けています。

北朝鮮に対する核開発はどの国も批判の声を挙げるものの、その批判の大きさはさまざまであり、特に中国やロシアが微妙にアメリカと対立している部分があり、北朝鮮の核開発の問題がすぐに解決することは期待できないでしょう。

このような現状において、核シェリングそれも、北朝鮮の核の中国もしくはロシアによる核シェリングなど成り立つのでしょうか。

先に述べたように、北朝鮮アメリカとの交渉を有利にするためには、アメリカと同じ立場に立たなければなりません。そのために北朝鮮は核開発をしてきたのであり、過去には中国やロシアから核開発を控えるように説得など無視して、開発を進めてきたのです。

その北朝鮮が、おいそれと中国やロシアの核シェアリングの話にのるとは考えられません。なぜなら、これを実施すれば、アメリカと直接交渉し交渉を有利に運ぶという北朝鮮の核開発の意図が成就できないからです。

これでは、結局核シェアリングの後には、中国もしくはロシアと間接的にしかアメリカと交渉できません。これでは、従来と同じであり、北朝鮮としてはこれは絶対に許容できないでしょう。


しかし、日本の米国による核シェリングは、これに比較すれば、実現の可能性は高いです。そうして、実行すれば、日本にとっても意義のあるものになります。

さて、現在ロシアは世界第二の軍事大国ではあるのですが、米国と比較すれば、かなりの差がついてしまいました。そうして、現在のところ中国の軍事力は米国とは比較の対象ともならない状況ですが、それにしても将来中国がアメリカ最大の脅威になるのは間違いないと思います。

そして、米国が中国に勝つための重要ポイントは、「中国とロシアを分断し、日米側にひきいれる」ことです。

日本の核シェアリングは、無論中国が猛反発するのはもちろん、現時点ではロシアも「大いなる脅威」と認識する可能性が高いです。そうなると、中国とロシアは、反米、反日でますます一体化してしまう可能性もあります。

日本が核シェアリングを目指すなら、その前にロシアがもはや日本を警戒しないレベルまで和解する必要があります。こと、対中国でロシアが最重要であるとみるべきでしょう。それは、日本が引き続き独立を保っていられるかどうかは、反中同盟全体の強さに大きく左右されることになるからです。

日本にとって、反中同盟が形成されない、あるいは脆弱な場合、日本は独立を保てなくなり中国に実質併合されるか、そこまでいかなくても、過去のように米国の覇権の及ぶ範囲ではなく、中国の覇権の傘の中に入る可能性も大いにあるのです。では、どうすれば、日本は勝てるのか。

もちろん日本自身の決意とアメリカからの支持が最も重要な要素になるでしょうが、ロシアがそこに参加してくれるのかどうかという点も極めて重要であり、むしろそれが決定的なものになる可能性があります。

ロシアが反中日米同盟に組み込まれ、日本が核シェアリングするということになれば、日本は米中を敵にまわさず、事実上の核保有国になることができます。そうして、それは北朝鮮に対してかなりの脅威になります。

現在の世界は1930年代のそれと同様、大国間の関係がコロコロ変わっています。日本も大局を見ながら、「孤立しないよう」慎重に行動する必要があります。

ただし、日本は北朝鮮の核基地を攻撃する能力を有して、場合によってはそれを実行する覚悟を決めるべきです。それととも、核シェアリングから一歩進んで、核保有国になる道も目指すべきです。

ブログ冒頭の記事で、"一部の右派からでている「日本も核武装すべきだ」という核保有論はあまりに粗野だ。現在の核拡散防止体制を考えれば、これは国際政治の常識から逸脱しているので、技術的には可能でも、政治的な実現可能性は乏しい"と高橋洋一氏は述べています。しかし、国際政治の常識から大きく逸脱しているの北朝鮮であり、そのほかにも逸脱して実際に核保有国になったインドやパキスタンの事例あります。

しかし、トランプ大統領が日本の核保有を認める発言をした今日、日本が核シェリングをして実績をつければ、日本が独自に核武装することも、あながち不可能ではないと考えます。ただし、いきなりは無理でしょう、ただし核シェアリングを実現した後であれば、あながち不可能ではないと考えます。

これを考えれば、日本の核シェアリングは大きな意義があると考えます。

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2014年11月5日水曜日

中国、高官ら40人超不審死 事実上「粛清」との声も 汚職撲滅キャンペーンで―【私の論評】二種類の亡霊が示す、中国の政治権力闘争は命がけであることと出鱈目さ加減!こんな国に将来はない(゚д゚)!

中国、高官ら40人超不審死 事実上「粛清」との声も 汚職撲滅キャンペーンで

 【北京=矢板明夫】中国の習近平国家主席が主導する汚職撲滅キャンペーンで、共産党幹部の自殺や不審死が頻発している。今年になってから「不自然に死亡した」と認定された党、政府、国有企業の幹部らはすでに40人を超えた。党の規律部門のずさんな捜査と過酷な取り調べが官僚たちを追い詰めたとの指摘は多い。捜査対象に習主席が所属する派閥、太子党の関係者がほとんどいないことから「反腐敗の名を借りた“粛清”だ」との声もある。

徐安生氏
 遼寧省高級人民法院(高裁)のナンバー2だった女性副裁判長、徐安生氏(55)が10月29日未明、同省内のホテルで、バスローブの帯で首をつり、遺体は同日朝に発見された。同日正午頃には、同省の身体障害者協会のトップ、任志偉・共産党書記(55)が勤務先のビル7階の窓から飛び降りて自殺した。

任志偉氏

 同じ省の局長級幹部2人が同じ日に自殺を図ったことはインターネットなどで話題を集めた。地元紙記者によると、徐氏は汚職問題で党の規律部門の調査対象になっており、自殺した日の午前には、規律委員会との面談を控えていたという。任氏にも汚職の噂があった。ネットには「2人は死ぬことで上にいる大幹部を守ろうとしたのでは」といった書き込みもあった。

中国メディアの統計によれば、2003年から12年まで、中国で自殺した官僚は毎年10人以内だった。ところが12年11月に習近平指導部が発足して以降に急増し、13年は23人を記録した。今年は昨年からさらに倍増する勢いだ。自殺する官僚の多くは、地方指導者や国有企業の幹部で、病死と発表されたケースもあるといい、すでに50人を超えたとの見方もある。

 党の規律部門は、今年になってから1日2人の速いペースで汚職官僚の摘発を進めている。証拠調べはずさんで「調査対象になったら、無罪になることはまずない」(共産党幹部)という。汚職官僚に認定されると財産が没収されてメディアで宣伝され、子供の進学や就職にも影響が出る。こうした事情が、取り調べ前の自殺を選ぶ原因になっていると指摘されている。

 また一連の汚職撲滅キャンペーンで、摘発され自殺した共産党幹部は、胡錦濤前主席や江沢民元主席の派閥の関係者が多く、習派の太子党につながる人脈はほとんどいないといわれている。

【私の論評】二種類の亡霊が示す、後進国中国の政治権力闘争は命がけであることと、それとは裏腹の出鱈目さ加減!こんな国に将来はない(゚д゚)!

現在の中国には、二種類の亡霊がいます。一つは、上の記事のように、粛清で亡くなった方々の霊。もう一つは、実体のない公務員という幽霊です。

中国には二種類の亡霊がいる

実体のない公務員については、以下の記事をご覧になって下さい。
【経済裏読み】中国の公務員16万人が「幽霊」…反腐敗キャンペーンで上海ガニ、月餅の売り上げ急減の怪
 腐敗撲滅をスローガンに掲げる中国の習近平国家主席。「トラもハエも叩く」と目を光らせてはいるが、中国の闇には「幽霊」までが潜んでいた。仕事をしていないのに政府から給与を得ていた「幽霊公務員」が16万人もいたことが判明したのだ。日本なら政権が転覆しかねない大疑獄だが、さしたる波乱はなく、それだけ深い中国の暗部を浮き彫りにしたともいえる。古来、政府腐敗が国の崩壊を招く元凶になるのは中国の歴史が示す通り。国の基盤に関わる重大な問題なのだ。
中国の「反腐敗キャンペーン」は思わぬところに飛び火している。
4万円もする月餅ギフトセット
 秋の味覚として珍重される上海ガニの売り上げが悪化して上海市では昨年のシーズンよりも価格が最大30%も下落したという。共同通信が現地メディアの報道として伝えた。

 CNNは昨年、新華社の報道として「月餅ギフトがエスカレート傾向にある」と伝えた。それによると、「高級腕時計付き月餅」「高級酒付き月餅」「高級茶付き月餅」のほか、「現金入り月餅」もあらわれた。 
 もはや、月餅なのか何なのか、分からない始末。まるで「越後屋、そちも悪よのうぉ」とニンマリする悪代官への贈り物のようだ。
この記事では、上海蟹についての記載はあまりありませんが、中国では蟹券なるものがあります。

これについては、詳細は以下のサイトを御覧ください。
商売の天才・中国人が生み出したミラクルビジネス「蟹券」が面白い―中国
「蟹券」という聞き慣れない単語は「上海ガニの引き替えクーポン」を指す。ここ数年、この「蟹券」が大流行。上海ガニは例年9月から12月がシーズンだが、今では蟹業者の多くは、シーズンに入る前のクーポン販売で売り上げを得ているという。
中国の蟹券

さて、蟹券ビジネスで一番面白いポイントは、蟹券換金、売買のエコシステムが構築されている点にある。もともと中国では酒、タバコの贈答品が好まれるが、それは高額でかつ劣化しにくく売買しやすいという特長による。街中にはいたるところに「酒、タバコ回収」という看板をかけている店を見ることができる。そこに贈答品を持ち込めば換金できるという仕組みだ。 
生きたカニはさすがに換金することはできないが、クーポンならば劣化せずに売買が可能だ。というわけで今や北京だけでも2000店以上の蟹券売買業者が存在するという。この時点ですでに相当面白い展開だが、さらに感心させられたのが蟹券発行業者自身が自分で発行した蟹券を買うという展開もあるのだとか。 
例えば企業が1000円で蟹券を購入、社員にギフトとして配る。社員は蟹券回収業者に800円で売りつける。最後に発行企業が回収業者から900円でその券を買ったとすると、一切カニを発送することなしに100円の利益が得られるのだ。 
一人の人間がこのシステムすべてを考え出したのか、それとも次第次第に形成されていった慣行なのかまではわからないが、よくできた仕組みだ。ちなみに蟹券同様のシステムを形成している月餅券もあるという。そのうちありとあらゆるものがクーポン化され、贈答経済に組み込まれていくのかもしれない。
月餅も、蟹券も賄賂としても、使われているということです。だから、これらも取り締まりにあって、売上が激減しているわけです。

少し話がずれてしまいましたが、今の中国一方では、不正により事実上の粛清が行なわれ、その犠牲になった人々の浮かばれない霊が存在し、もう一方では、 仕事をしていないのに政府から給与を得ていた「幽霊公務員」が存在するということです。

「幽霊公務員」に関しては、ギリシャにもそのようなことがありました。それについては、このブログでも掲載した事がありますので、その記事のURLを以下に掲載します。
建国以来はじめて公務員の数を数えた「公務員天国」ギリシャはメルトダウン寸前―【私の論評】愚民国家ギリシャと日本を並列に並べて論じた愚鈍マスコミ、終了しました!!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、興味深い統計資料のグラフと、ギリシャの公務員の実体を示す部分のみ以下に掲載します。

去年の7月、ギリシャ国は1832年の建国以来初めて、公務員の数を数えた。その結果、どうも勤労者の4人に1人が公務員らしいということがわかった。公務員職は、何かのお礼にもらえたり、世襲であったり、また、お金で買えたりするらしい。 
それにしても信じがたいのは、この調査をするまで、いったいこの国に何人の公務員がいて、どんな仕事をしているか、あるいは、していないか、また、どうやって公務員になったのか、そして何より、ギリシャという国が、公務員と称する人間に、どれだけの給料を支払っているのかを誰も知らなかったという事実だ。
ギリシャは、財政破綻ということがいわれ、数年前には、日本にとっても、ギリシャは対岸の火事ではく、ギリシャのように財政破綻するかもしれないなどということが、まことしやかにささやかれていました。しかし、この記事にも掲載したように、ギリシャの破綻など日本にとっては、対岸の火事に過ぎません。

しかし、中国にとっては対岸の火事といえるでしょうか。一方では、事実上の粛清といわれるほどの、厳しい取り締まりを行い、他方では、幽霊公務員が存在する。

人民から、腐敗した公務員に対する月餅や蟹券など、高級ギフトの存在。

それどころか、習近平などの大幹部自らが、大きな不正を実行しています。これも、このブログに掲載したことなので、そのURLを以下に掲載します。
中国経済、崩壊か…中国版アベノミクス不発 社会主義国家を待ち受ける“2つの罠”とは―【私の論評】『保八』も確保できない中国は、本当は雇用状況もかなり悪化しているのに、金融緩和政策も実行できない、その理由は「金が消えた」という驚愕の真実(゚д゚)!
7~9月期のGDP速報値を発表する中国国家統計局の盛来運報道官=先月21日、北京

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、 中国から不正に海外へ流れたカネは3兆7900億ドル(日本円にして約400兆)外貨準備高より多いカネが不正に海外へでた勘定になることを掲載しました。しかも、これには習近平を含む、中国の高級幹部による送金も含まれています。

この状況は、ギリシャ以下かもしれません。

中国の官僚の腐敗は国の根幹を揺るがすことは、長い歴史からの教訓になっています。古くは中国・後漢末期の「黄巾の乱」(184年)があります。賄賂が横行した政治腐敗を背景とした農民らの決起に位置付けられ「黄色の頭巾」が象徴でした。この決起は、その後の三国志の時代を迎えるきっかけとなりました。

中国の歴史は、反省も何もなく、同じことを繰り返しています。

これに関しは、このブログにも随分前に掲載しました。その記事のURLを以下に掲載します。
中国分裂の筋書き-(その1)繰り返される歴史
この記事は、2008年に掲載したものですが、ここで示した中国の実体は今も変わっていません。この記事の中で、過去に繰り返されてきた中国の歴史のパターンを示しています。その部分のみ以下にコピペします。
 ■繰り返される中国の歴史中国の歴史を振り返ると、時代が移り変わり、登場人物も変わり、一見すべてが変わって見えるのだが、非常に単純化すると以下のような図式になる。 
1.天下統一して、現代中国に近い版図の大国家ができる。 
2.官僚主義により行政が腐敗する。 
3.民衆が官僚主義の現況である大国家に反発する。それにつけこんだ新興宗教が広がり、大国家全土で反乱が多数興る。 
4.叛乱の多発に乗じて地方軍が軍閥化する。軍閥が肥大化して群雄割拠の時代となる。 
5.国内の乱れにより周辺異民族の活発化する。大国家の権威が地に落ちる。長い戦乱の世が続き多くの人民が疲弊する。厭戦的な世論が形成される。 
6.大国家の権威が地に落ちたのを機に英雄が現われ周辺異民族を巻き込み再びの天下統一をはかる。 
以上サイクルを繰替えす。多少の前後があったとしても、大体がこのパターンに従うのが中国の歴史だ。現代中国でも、まさに短期サイクルでは、建国以来繰り返されきたし、長期サイクルでもまず間違いなく、これから繰り返されいくだろう。

今の中国は、このサイクルの4か5あたりにきています。

まさに、二種類の亡霊が示す、現代中国。この国に最早将来のないことははっきりしていると思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか(゚д゚)!

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