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2019年10月4日金曜日

【有本香の以読制毒】「表現の不自由展・その後」に“補助金詐欺”の疑い 津田大介氏も知っていた「隠して出す」中垣氏の出品経緯説明が事実なら大問題―【私の論評】隠して出品が本当なら、明確な「補助金適正化法違反」(゚д゚)!

【有本香の以読制毒】「表現の不自由展・その後」に“補助金詐欺”の疑い 津田大介氏も知っていた「隠して出す」中垣氏の出品経緯説明が事実なら大問題
公費支出は…「表現の不自由展」


展示物をめぐって大村愛知県知事(右)に反発する河村名古屋市長(左)

昨日、北朝鮮の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)発射や、中国の軍拡について関係者を取材している最中、別のとんでもない情報が聞こえてきた。

 8月に本コラムでお伝えした、愛知県で開催中の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」の企画展「不自由展・その後」についてである。

 本件では最近、文化庁が補助金の不交付を決め、これに愛知県の大村秀章知事と、一部の文化人とマスメディアが色をなして噛みついている。大村氏は中止していた企画展を再開すると鼻息を荒くする一方、主催者側の一人、名古屋市の河村たかし市長は知事の方針に大反対、と一見、泥仕合の様相だ。

 だが、この件への一般国民の評価は意外なほど明確である。

 夕刊フジが実施したツイッター上のアンケートでも、マスメディアの誘導とは真反対の「河村支持9割以上」という結果が出た。

 筆者は職業柄、「表現の自由」を大事と考える者だが、多くのツイッター民と同様、国の補助金不交付の決定と河村市長の考えを支持している。理由は本紙で幾度も述べたとおり、本件が実は「表現の自由」の問題ではないからだ。

 筆者含む日本国民の多くは、国や県、市の補助金などもらわずとも「表現の自由」を十二分に謳歌(おうか)している。そして、その自由は、自分とは価値観の異なる人にも等しく保障されるべきものと認識している。

 だから、昭和天皇の写真をバーナーで焼き、その灰を足で踏み潰すような、筆者にとっては不快極まる映像でも、それを誰かが作り見せることを阻止しようとまでは思わない。

 ただし、そこへ公金が注ぎ込まれるとなれば、話はまったく別である。

 こんな当たり前、至極簡単な話が、大村知事と彼を擁護する文化人、そして一部マスメディアにかかると、ひどく難しい問題にされる。

 彼らの欺瞞(ぎまん)にイライラしながらも、本件の「決め手」となる情報はないかと、この2カ月、ウオッチしてきた。

 ところが、実はその「決め手」が8月7日、すでに世に出ていたのだ。

 名古屋市が9月20日、大村知事宛てに出した「公開質問状」に、次のとおり書かれている。

 「7 実行委員会が本件企画展の内容を『隠して出す』と言って、作者に出品を勧誘したのは事実か」

 これは、企画展中止4日後の8月7日、出品者の一人である中垣克久氏(造形作家)のネット番組でした発言について、知事に質した部分だ。中垣氏は出品の経緯について、番組で以下のように説明していたのだ。

 「最初、表現の不自由展実行委員会から私のところに(作品を)出してくれと。ただし、普通には出さない。隠して出す。そう言われたときに、『それはおかしいんじゃないか。堂々と出したらどうか』と言ったら、『中に慰安婦の像がある。これは今出したら問題だから』と言われた」

 納得いかなかった中垣氏は、芸術監督の津田大介氏に電話をし、津田氏から「後で必ず出す」と確約を取り付けたことも明かしている。

津田大介氏

 中垣氏のこの発言は筆者もノーマークだったが、経緯が事実なら大問題だ。表現の自由どころか、“補助金詐欺”の疑いすら出てきはしないか。

 この2カ月、「被害者」のごとき風情を醸し出し続けてきた芸術監督の津田大介氏と、実行委員長の大村秀章知事には、ぜひともこの「疑惑」について、真摯(しんし)なお答えをいただきたいものである。

 ■有本香(ありもと・かおり) ジャーナリスト。1962年、奈良市生まれ。東京外国語大学卒業。旅行雑誌の編集長や企業広報を経て独立。国際関係や、日本の政治をテーマに取材・執筆活動を行う。著書・共著に『中国の「日本買収」計画』(ワック)、『リベラルの中国認識が日本を滅ぼす』(産経新聞出版)、『「小池劇場」の真実』(幻冬舎文庫)、『「日本国紀」の副読本 学校が教えない日本史』(産経新聞出版)など多数。

【私の論評】明らかな「補助金適正化法違反」か?

「表現の不自由展」に関しては、今までこのブログにはあえて掲載してきませんでした。それは、やはり、展示内容が極めて不愉快なものであり、とても論評などする気になれなかったからです。

特にも問題は以下の動画にもあるように、昭和天皇の写真を焼く動画という展示があったからです。これについては、今にいたるまで、ほとんどの大手マスコミが報道しません。

この動画を掲載するのは、非常に不愉快なのですが、そのあまりの酷さをご理解いただくため、あえて掲載させていただくこととしました。


国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」の企画展「表現の不自由展・その後」に関連し、国が愛知県への補助金を交付しないことを決定しました。

愛知県が文化庁に対し、安全面に対する懸念を事前に申告しないなど、交付申請の手続きが不適当だったことが理由です。これについて、左派マスコミを中心に「検閲に当たる」との批判があり、愛知県の大村秀章知事も、補助金打ち切りについて、「係争処理委員会で理由を聞く」としています。

本当に、狂っているとしか思えません。上の有本さんの記事で主張しておられるように、だから、「昭和天皇の写真をバーナーで焼き、その灰を足で踏み潰すような、筆者にとっては不快極まる映像でも、それを誰かが作り見せることを阻止しようとまでは思わない。ただし、そこへ公金が注ぎ込まれるとなれば、話はまったく別である」としています。

まさに、そのとおりです。芸術と公金のあり方は、どうあるべきなのでしょうか。左翼計の評論家等は、これを検閲としていますが、「検閲」とは発表前に精査し不適当なものを発表禁止にすることを指すのですから、今回は発表後なので「検閲」とはいえません。

愛知県は9月25日、中間報告を出したましたが、その内容はお粗末といわざるを得ないものでした。

91ページの報告書の中で、肝心の芸術と公金との関係については、「アートの専門家がアートの観点から決定した内容であれば、政治的な色彩があったとしても、公立美術館で、あるいは公金を使って行うことは認められる(キュレーションの自律性の尊重)。これは、国公立大学の講義で、学問的な観点からである限り、政府の批判をすることに全く問題がないことと同じである」と簡単な言及しかありませんでした。

一般論として、芸術文化は、純粋私的財ではないので、最適な社会的供給のためには公的支援の必要性が正当化されます。しかし、社会的な判断をも要求されます。

表現の自由があるから、公費支出が当然というわけでありません。特定の芸術作品を公金による助成の対象にしないということは、必ずしも表現の自由の侵害にはならなりません。

報告書は、公費で問題ないとする論拠として、国公立大学の講義を持ちだしていますが、これらは「準公共財」や「価値財」の典型例で、その背後には当然国民の納得・了解につがなければなりません。報告書は、これについては何も言及していません。

すべての公費は民主主義プロセスが必要であり、そのためには国民の納得・了解が必要になってくるはずです。こうした公費の大原則について、中間報告では考慮されておらず、公費支出は当然という立場で書かれています。

公費支出が民主主義プロセスを経て行われる以上、国民がその内容を理解してしておく必要があります。左派マスコミは、公費支出を当然といいますが、芸術とされ、展示されていた昭和天皇の肖像が燃える映像作品などについてはほとんど映像を流していません。こうしたものを不快と思う国民が多ければ、公費支出が認められなくても当然です。

芸術文化への公費支出が容認されるのは、いい絵画を金持ち1人が見るよりも、多くの人が見て幸福感を味わうという「外部性」があるからです。逆に、多くの人にとって不愉快な作品は「外部不経済」なので規制してもいいくらいです。

なお、愛知県の中間報告は、昭和天皇の肖像が燃える映像作品について、作者の意図が伝わっていないなどと言い訳ばかりで、国民の批判に応えていません。まるで、芸術利権の代弁者のようです。

この報告の正式名称は、『あいちトリエンナーレのあり方検証委員会 中間報告書』といい、以下のリンクからご覧になることができます。

山梨 俊夫 (あいちトリエンナーレのあり方検証委員会座長)
独立行政法人国立美術館 国立国 際美術館長

今回は補助金適正化法違反のおそれすらあります。上の有本さんの記事にある「中垣氏は出品の経緯の、

「最初、表現の不自由展実行委員会から私のところに(作品を)出してくれと。ただし、普通には出さない。隠して出す。そう言われたときに、『それはおかしいんじゃないか。堂々と出したらどうか』と言ったら、『中に慰安婦の像がある。これは今出したら問題だから』と言われた」

というのが、本当であれば、これは完璧に「補助金適正化法違反」です。

補助金を申請するには、補助事業の目的や内容、補助事業に関わる経費に内訳などを記載し、その書類を各省庁の長に決められた時期までに提出します。そして、各省庁の長は申請内容が正しいか、適切であるか、金額の算定に誤りがないか調査をして上で補助金の交付の決定をします。

中垣氏の作品や、慰安婦像、さらに他の作品も、出品することを隠していたとすれば、これは完璧に法律に違反した行為です。


2018年10月19日金曜日

【有本香の以毒制毒】安倍首相は習近平氏に「NOと言える」のか マハティール氏の英断を見習え―【私の論評】安倍総理がわざわざ訪中して、中国の口車にのるようなことをすることはあり得ない(゚д゚)!

【有本香の以毒制毒】安倍首相は習近平氏に「NOと言える」のか マハティール氏の英断を見習え 

訪中する安倍首相(左)は習主席との首脳会談で、もの申すことができるのか
写真・図表はブログ管理人挿入 以下同じ

安倍晋三首相は来週25日に中国を訪問し、翌26日、習近平国家主席と会談する。両首脳の会談はこれで8回目となるが、6年前の第2次安倍政権発足以来、国際会議を除いて安倍首相の中国訪問は初となる。

この6年、「地球儀を俯瞰(ふかん)する外交」をキャッチフレーズに、自ら世界76カ国を精力的に訪問してきた安倍首相が「あえて訪れなかった国」の1つが中国だ。

安倍首相が6年間、中国の周辺国(ASEAN=東南アジア諸国連合=や中央アジア諸国、ロシア)へは積極的に訪問し、ロシアやASEANの一部の国々を複数回訪れてきたことを見れば、「中国パッシング(無視)」が戦略的意図によるものだったことは明白だ。今回はその禁を解いたことになる。

今月23日は、トウ小平時代に締結した日中平和友好条約の発効から40年の節目にあたる。日中の外交当局は「関係改善に弾みをつけたい考え」だと伝えられるが、果たして安倍首相の真意はどこにあるのか。

鄧小平

40年前と今とでは、日中関係は大きく変化した。ことに、この6年の両国をめぐる情勢の変化は大き過ぎると言っても過言ではない。何より、米国が政権交代に伴い、対中政策を転換させたことの影響が大きい。

米中は今や、「貿易戦争」で激しくやり合うのみならず、ウイグル人への人権弾圧などに関し、米国がかつてないほど激しく北京を非難している。この現状を「米中冷戦」と評する米国の識者もあるなか、米ソ冷戦を振り返ると、今、日本がいかに振る舞うかが極めて重要だということも見えてくる。



ソ連の失敗の要因の1つは、経済運営の失敗にあった。

衛星国に過度に資金投入したことによる財政圧迫が大きかったが、今の中国もASEANや南アジア、中央アジアなどの周辺国のみならず、アフリカや中南米の国々にまで大枚をバラまいている。

事実上の軍事拠点を得るため、台湾との国交を断たせるためなど、理由はさまざまあるが、いずれにせよ中国は自らの国力を過信し、国際社会での「ゲーム」を少々急ぎすぎたきらいもある。

貿易での稼ぎで積み上がった外貨を使えるうちはよかったが、この稼ぎが「貿易戦争」で干上がれば、たちまち不良債権が膨れ上がる。習氏肝いりの巨大経済圏構想「一帯一路」も、このまま拡大すれば、かつてのソ連のように不良債権をため込む要因となろう。

まさかとは思うが、安倍首相が今回の訪中の手土産に、「一帯一路」の手助けを約束、というような事態にならないか懸念する声も聞かれる。これと関連づけ、12年前の第1次安倍政権が「中国訪問」を皮切りにスタートして短命だったことを引き合いに、「訪中は縁起が良くない」と言う安倍首相支持の識者もいる。

そんななか、92歳にして政権トップの座に返り咲いたマレーシアのマハティール首相(現在93歳)の英断を伝えるニュースが飛び込んできた。中国政府からの再三の働きかけに反し、自国内にいたウイグル難民を中国へ送還しないことを決めたのだ。

まさに、「NOと言える」マハティール健在を見せつける朗報だが、わが国の安倍首相はどうか。野党時代から首相となった今も、日本ウイグル国会議員連盟の最高顧問である安倍首相の「NO」と言う力を、今こそ期待したいところである。

■有本香(ありもと・かおり) ジャーナリスト。1962年、奈良市生まれ。東京外国語大学卒業。旅行雑誌の編集長や企業広報を経て独立。国際関係や、日本の政治をテーマに取材・執筆活動を行う。著書・共著に『中国の「日本買収」計画』(ワック)、『リベラルの中国認識が日本を滅ぼす』(産経新聞出版)、『「小池劇場」の真実』(幻冬舎文庫)など多数。

【私の論評】安倍総理がわざわざ訪中して、中国の口車にのるようなことをすることはあり得ない(゚д゚)!

私は、安倍総理は、習近平に対して「ノー」というべきことは言うだろうし、場合によっては中国訪問のドタキャンも視野に入れているのではないかと思います。

安倍総理は、過去においては中国訪問をドタキャンしたことがあります。安倍首相は2015年9月3日に北京で行なわれた「抗日戦争勝利70年記念式典」に合わせて計画されていた中国訪問をドタキャンしました。

中国は2015年から9月3日を「抗日戦争勝利記念日」として祝日に決め、軍事パレードなど記念行事を行なうことにしました。そして安倍首相を招待してきたのです。当初、首相は訪中しないという見方が強かったのですが、戦後70年談話を出した後、首相はその気になっていたようです。



当時毎日新聞(8月18日付)が〈首脳会談へ 9月3日午後訪中 中国側と最終調整〉と、軍事パレードが終わった後に北京に入るという日程を報じ、首相側近の萩生田光一・総裁特別補佐も「この時期に北京を訪問できるなら結構なことだ。(訪中は)式典とは切り離したほうがよい」と訪中ありうるとの見通しを語っていました。

中国が日本に勝ったなどと、嘘つき妄想パレードをしているときに総理が訪中すれば、それこそ、現中国は日本と戦ったことは一度もないという真実の歴史の修正を認めてしまいます。

日本と戦ったのはあくまで、現在は台湾に移った中華民国でした。日本は現中国の前進となった共産軍とは一度も戦ったことはありません。安倍総理が他の時ならいざしらず、なぜそんな時期の訪中に傾いたのか全くもって疑問でした。

その根回しに動いたのが親中派の二階俊博・自民党総務会長(当時)と官邸の今井尚哉・総理首席秘書官(経産省出身)ラインといわれています。官邸は事前の交渉に首相ブレーンで外務省出身の谷内正太郎・国家安全保障局長を訪中させ、中国側は李克強・首相との面会をセットする演出までして総理を誘い出そうとしたようです。

二階俊博氏

これでは、親中派は喝采を送るかもしれないですが、状況次第では中国側に利用されるか、逆に反発を招くか、外交的リスクが大きかったと思います。

中国が祝賀式典で軍事力を誇示する意図があったのは明らかで、米、英、仏、独など西側の首脳は出席を断わりました。結局のところ、訪中はドタキャンされました。

今回の訪中も親中派がいろいろ画策したのでしょうが、米中冷戦がはじまったばかりですが、中国はすでに敗北の軌道に完璧に乗っています。これは誰の目にも明らかです。ただし、親中派は読みが甘く、いずれ中国は元通りになると考えているのかもしれません。愚かです。

こんな時期にわざわざ安倍総理が、中国を訪問して、中国に接近して、軍事同盟国の米国から「シンゾーは裏切り者」などと思わるようなことをするでしょうか。

安倍総理は中国に行くとすれば、「日本の軍事同盟国アメリカの敵国に行くのだ」としっかりと認識していると思います。

今度の経済冷戦で、中国は負ける側です。日本は大東亜戦争のときには、負けるナチスドイツと同盟を組み、破滅しました。今回は、日本はすでに「勝つ側」と「同盟関係」にあります。

私には、このような状況に置かれている、安倍総理がわざわざ訪中して、中国の口車にのるようなことをするとは考えられません。一度あったことは二度目もあり得ます。安倍総理は何か理由をつけて訪問をドタキャンするか、あるいは訪問しても、中国に利用されるようなことはしないと思います。それどころか、引導を渡すことになるかもしれません。

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