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2016年6月14日火曜日

【舛添氏公私混同疑惑】「国民の常識から離れていることに気づいているのか…」 民進・山尾志桜里政調会長がテレビで舛添要一都知事を突き放すも視聴者は「あなたの疑惑どうなった?」―【私の論評】なぜ山尾は責められず、舛添は責められるのか?


山尾志桜里政調会長
民進党の山尾志桜里政調会長は13日夜のBSフジ番組「プライムニュース」に出演し、舛添要一東京都知事の政治資金「公私混同」疑惑について「(舛添氏の)説明を聞いて、自身で辞職をされるのが最も適切だろうということは、わが党としても申し上げている」と突き放した。

山尾氏は「次から次と、一つ一つ出てくるエピソードが国民の暮らしや常識から離れていることに自身が気づいているのかどうかも国民からすると、よく分からない」とも指摘。その上で「『説明すればするほど…』という状況になってしまっているのではないか」と解説した。

ただ、山尾氏自身も“常識外れ”の多額のガソリン代やコーヒー代の支出など「政治とカネ」をめぐる数々の疑惑が指摘されている。

番組の最後、視聴者から「舛添氏の疑惑追及もいいが、ガソリン疑惑の説明はどうなったのか」と質問を受ける流れで、山尾氏は初めて「改めて自分の襟をたださなければ、と思っている」と言及した。

ガソリン代について不適切な処理を行った可能性が高いと説明していた元公設秘書との交渉に関しては「それぞれが弁護士を立てて協議をしている。その顛末もしっかりと説明させていただきたい」と述べた。

【私の論評】なぜ山尾は責められず、舛添は責められるのか?

政治資金規正法がザル法であるということが、山尾志桜里や舛添要一のような政治家を生み出す原因であるということを正論すぎる松井大阪府知事の主張の動画を以下に掲載します。


それにしても、舛添知事への追求はかなり厳しく行われています。本人も辞任の決意をしているようですが、9月のリオ五輪まで待ってくれなどと語っています。

しかし、それにしても不思議なのは、同じように政治資金の疑惑で追求された山尾志桜里民主党政調会長がまるで何事もなかったかのように追求されないことです。

産経新聞も今日はブログ冒頭の記事を報道しましたが、他の新聞はスルーです。テレビでもほとんど追求されません。

この違いは一体何なのでしょうか。まずは、識者の声を拾ってみたところ、高須クリニックの院長がなぜ舛添さんがこのように批判を受けるのか、面白いコメントをしていたので、以下にその記事のリンクを掲載します。
【Yes!高須のこれはNo!だぜ】孤立無援の舛添都知事 イメージしやすい疑惑だから批判の声も大きいんだよ
高須クリニック院長
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部分を引用します。
 東京の予算や経済規模が他県と比べてかなり大きいのはいうまでもないよね。都知事の権限は途上国の国家元首に匹敵するほどのものなんだけど、疑いが持たれているのが千葉県の温泉施設などでの宿泊費だったり、回転寿司屋での食費だったりと、金額も含めて一般人にとって身近でイメージしやすいものばかり。「これくらいの金額なら大丈夫」と油断していたのかもしれないね。 
 だとしたら大間違いだ。誰でもイメージしやすいからこそ批判の声が大きいんだよ。逆に「パナマ文書」みたいに金額の規模があまりにも巨大だと、人ごとみたいに感じられて関心を持つ人が少ないよね。
 確かに、こういう面は否めないとは思います。しかし、これが理由で舛添氏が徹底的に追求されるというのなら、山尾志桜里政調会長も同じく、追求されても良いのではないかと思います。

以下に、山尾志桜里政調会長の政治資金疑惑を振り返っておきます。


まずは、上のチャートにも掲載されているように、ガソリン代疑惑、寄付金疑惑がありました。

さらに、以下のような疑惑もありました。


舛添都知事のように、みみっちくてせこい、花代などというのもありました。これは、いくらだったか覚えていません。

さらに、衆院選直前に不可解な「500万円の移動」というのもありました。これは、このブログにも以前掲載したことがあるので、その記事のURLを以下に掲載します。
山尾氏、今度は衆院選直前に不可解な「500万円の移動」 週刊新潮報道 ―【私の論評】献金問題と同じく匿名ブログに基づく議論も指弾されるべきだ(゚д゚)!
 民進党の山尾志桜里政調会長(41)に、新たな疑惑が浮上した。2014年末の衆院選直前、500万円もの大金が同日中に「山尾氏→選挙区総支部→山尾氏」と移動しており、週刊新潮が「脱税」の疑いを指摘したのだ。山尾氏は、プリペイドカードを使った多額のガソリン代を政治資金収支報告書に記載しながら、根拠も示さず「秘書が不正をした疑いがある」と釈明したばかり。一体、どうなっているのか。
 
 14年11月21日に、民主党(当時)から山尾氏は「公認料500万円」を受け取り、10日後の12月1日、山尾氏から総支部に「寄附金」として500万円を計上した。ところが、同じ12月1日、今度は総支部から山尾氏に「選挙費用」として500万円が移動している-というのだ。 
 夕刊フジでも報告書を調べたところ、500万円の移動が確認できた。
花代はせこかったのですが、確かにこうして並べてみると、舛添氏よりは大掛かりのようではあります。 それにしても、パナマ文書がらみの、数千万円とか、億単位ではないので、一般人にも容易に想像できる範囲のような気がします。

にもかかわらず、舛添要一都知事が徹底追求され、山尾志桜里政調会長のには、何か背景があるはずです。

実は、両者の徹底的な差異がありました。それは、舛添要一氏が、保守陣営からも嫌われていたという事実があるということです。山尾志桜里政調会長は一応革新陣営からは少なくとも嫌われていません。

舛添要一氏は、保守、革新からも嫌われているという違いがあります。保守側(一応旧来の保守・革新という分け方のつもりです)からは、元々嫌われており、このところの追求で革新側も嫌っていました。

これについては、若干の説明が必要でしょう。

まずは、舛添要一氏は、もともと安倍首相および保守派自民党議員とは政治思想が合わず、犬猿の仲であることがあげられます。自民党時代から、安倍晋三氏らや保守派議員らの改憲勢力や政策をさんざん批判しまくっていたため、保守派議員や保守派論壇ネトウヨなどから好ましく思われていないというか、嫌われていました。

舛添氏は、もともと東大で助教授を務めていた政治学者でした。しかも、 パリ大学現代国際関係史研究所客員研究員だったこともあるほど、フランスかぶれの近現代的というか革命的な政治思想の持ち主で、安倍氏らのような保守派とは基本的に考えが合わない上に、彼らをちょっと軽蔑しているようなところさえありました。しかし、学者として優れていいということと、政治家としている優れているということは無論、全く別次元の問題です。

実際、舛添氏は政治家としては優れているとはいえませんでした。特に年金問題で「最後の一円まで帳尻をあわせる」というような趣旨の発言をしたときには、私自身はあまりに愚かだと思い、これもかなり驚愕しました。

さて、舛添氏のやんちゃぶりの事例をここにあげておきます。

安倍首相は前政権の時、07年の参院選で惨敗しながらも、当日の夜、すぐに続投宣言しました。

その時に、舛添氏があまりにも辛らつな安倍批判を行なっていたので、私自身驚愕でした。

以下に、『2007年の週刊文春 8月9日号 特集記事 安倍自民37議席の「天罰」』より舛添氏の言葉を含む記事を引用します。 
 まだ開票作業がはじまって間もない21時30分。ニュースで「安倍首相、続投の意向」との一報が流れた瞬間、舛添要一氏は次のように吐き捨てた。
「バカだよなー。まだたたかっている候補がいるのに、なぜこの段階で言う。(自民党は)安倍のために政治をやっているんじゃない。知恵をつける奴がいない。バカにつける薬はないよ!」』 
『安倍内閣を「バカ社長にバカ専務」と言った気持ちは全然変わっていません。ボンボンでもなんでも社長に祭り上げるのはいいわけですよ。どこでも二代目社長、三代目社長はいる。そういう会社は、(社長が)バカだとわかっているけど、周りの専務たちがしっかりしているからもっているわけです。だけど、ボンボンのうえに周りの番頭たちも駄目だから駄目なんです。いまやらなければならないのは、それを替えることに尽きます。』
2007年の通常参院選の結果を報じる新聞 自民は歴史的惨敗を喫した。そのごはねじれ国会に。
このように、自分の能力にかなり自信を持っている舛添氏は、安倍氏らのような世襲の二世、三世政治家を快く思っていないところがあり、彼らを批判することも多かったのです。

しかし、舛添氏が何よりも超保守派やネトウヨに敵視されたのは、同氏が保守的な思想、憲法観を否定し、表立ってて強い批判を繰り返していたからでしょう。

自民党は結党50年を迎えた05年に、憲法改正草案を発表することを計画。改憲・命の中曽根康弘氏を筆頭に、保守派の議員が中心になって、何年もかけて原案を作成しました。ところが、舛添氏らが中心になって、多くの条項や表現を大部分カットしてしまったため、彼らの恨みを買うことになったのです。

このあたりのことを『Wikipedia』から引用します。
 自身は憲法改正に前向きな姿勢を示しているが、自民党改憲案の取り纏めでは民主党や国民に受け入れられることを重視し、保守色を薄めるべく調整にあたった。元首相中曽根康弘が中心となって作成した自民党憲法草案の原案から、「日本の国柄」を明記した箇所を当時の自民党総裁小泉純一郎の了承を得て削除させたのは舛添である。
『毎日新聞・憲法前文の行方  2006年3月13日』から引用します。
 「日本国民はアジアの東、太平洋と日本海の波洗う美しい島々に、天皇を国民統合の象徴として古より戴き、和を尊び…」で始まる。「国を愛する国民の努力」という言葉もある。この原案は、前文小委員長・中曾根康弘が筆をとったとされる。思い入れの溢れる文章だった。 
  だが、この前文原案が10月28日の起草委員会の全体会議に提出されたとき、まったく別のものに差し替えられていた。舛添は、憲法に個人の歴史的解釈を入れてはいけないとして、「和を尊び」は中曾根の個人的歴史観であると切って捨てた。「現職の自民党総裁が違憲になりかねないような表現を、自民党の草案に採用することは絶対にできない」とも。
舛添氏はその後も安倍氏や兄貴分である麻生元首相など自民党の幹部クラスを大批判して、2010年に自民党を離党しました。そうして、14年に無所属で都知事選に出馬しました。安倍首相やその周辺をはじめ、自民党の中には、内心では舛添氏を嫌悪していた人が少なからずいたものの、東京都や五輪への影響力を保持したいがために舛添氏を支援しました。その結果舛添氏が当選しました。

この時には、保守系の識者や一部の政治家、ネトウヨは「何で舛添を支持するのか。(同じ思想の田母神を支持すべきだ)」と強い反発を示していました。結局今となっては、政治資金規制法で逮捕された田母神氏支持は間違いであったことは明らかです。もっとまともな候補者はいなかったのかと、思ってしまいます。

ところが、舛添氏は当選直後に行なった就任会見でも、自民党の新しい改憲草案を否定。同年には、憲法改正に関する本を出版し、その後もずっと安倍政権や超保守派の思想を批判し続けていたのです。

以下に、毎日新聞14年2月14日号から引用します。
 東京都の舛添要一知事は14日、就任後初の定例記者会見で、選挙で支援を受けた自民党の憲法改正草案について「立憲主義の観点から問題がある。今のままの草案だったら、私は国民投票で反対する」と述べた。 
 舛添氏は2005年に自民党がまとめた第1次憲法改正草案の取りまとめに関わった。会見で野党時代の12年に出された第2次草案について問われると「学問的に見た場合、はるかに1次草案の方が優れている」と指摘。2次草案の問題点として(1)天皇を国の「象徴」から「元首」に改めた(2)家族の条文を設け「家族は互いに助け合わなければならない」と規定した(3)「国防軍」の創設を盛り込んだ--点などを挙げた。 
 また国民の権利に関し、1次草案の「個人として尊重される」を2次草案で「人として尊重」と変えたことに触れ「憲法は国家の対抗概念である個人を守るためにある。人の対抗概念は犬や猫だ」と厳しく批判した。


これでは、まるで天に唾するとか、後ろ足で砂をかけたというような仕業です。

なぜこのような仕業をしたかといえば、先に述べたようにまずは、自分の能力を過信していたということです。そうして、フランスかぶれの近現代的というか信の意味での(日本でいうところの保革の区別ではない)革命的な政治思想の持ち主だったことが災いしています。保守派と革命という過激な手段で、近代政治を導入したフランスにかぶれた思想とは、元々水と油です。

フランスかぶれの思想を通したければ、元々自民党になど入らなければよかったのです。このようなことでは、自民党からもいざというとき助けてもらえないのは、当然といえば当然です。身から出た錆です。

これに比較すると、山尾志桜里政調会長は、少なくとも民主党の幹部を批判するということはしていません。

しかし、だからといって、舛添氏ばかりが批判されて、山尾氏が批判されないというのでは、あまりにもバランスを欠いています。

やはり、政治資金規正法がザル法であるということが、舛添要一氏や山尾志桜里氏のような政治家を生む土壌になっていることは明らかです。

ザル法といわれる、政治資金規制法のその所以を以下については以前のブログにも掲載したことがあります。そこから、一部分を以下にコピペします。
政治資金規正法では、寄付をする企業などの側は、補助金を交付されることが決まったと通知を受けてから1年間は、原則として、国会議員に寄付をするだけで「違法」となります。議員の側も、この規定に違反する寄付と知りながら受け取ると罪を問われます。 
すなわち、これが、同法が「ザル法」と批判される典型的な場面ですが、議員は、寄付を受け取った企業などが補助金を受けていたと「知らなかった」場合には、「違法」にはならないのです。

そもそも企業・団体による献金については、平成6年に政治改革関連法が成立し、国民一人当たり250円の税金で政党を支える「政党交付金」の仕組みが導入された際、代わりに将来的に廃止することが決定しました。しかし、今年も政党交付金は共産党を除く10政党に配分されるのに対し、企業・団体による政治献金は、いまだに廃止されていません。
さらに、以下のような論点があります。
現在考えられる論点(あいまいな部分)
  • 立て替え金の処理方法
  • 寄付をした者とは 
  • 借入金と寄付の区別基準 
  • 会費と寄付の区別基準 
  • 寄付金控除のための書類の交付後の取扱 
  • 政治団体の代表者の責任 
  • 現物寄付を受けた場合の記載方法 
  • ダミーの政治団体とは
  • 虚偽記載と記載ミスの区別基準 
総務大臣届出各種政治団体だけに限ってみても、過去に、非常に多くの団体が政治資金収支報 告書の訂正を行っています。 記載ミスとして訂正が認められるのはどのような場合で、虚偽記載と認定されるのはど のような場合かがあいまいです。 
つまり、上記の訂正団体がすべて虚偽記載の罪に問わ れる可能性があり、全ては捜査当局の裁量に任されているのです。
このような状況では、これからも舛添要一や山尾志桜里のような政治家がでてくるのは、当然と言えば当然です。

そもそも、政治資金規正法とは政治家が立法しているものです。政治家が政治家に有利にこの法律を定めるのは当然のことです。

山尾詩織政調会長があまり責められないのは、自分の所属する政党の幹部に対して痛烈な批判はしていないこと、さらに弁護士の資格をもち元検事ということはありましたが、舛添要一氏のように特定の分野で特に優れていたということはなく、弁護士資格を持つ議員など民主党にも大勢いるため、舛添氏のように政治家としても自分が周りの人間よりははるかに優れているというような幻想は持っていないことによるものと考えられます。

しかし、同じようなことをして、山尾氏が追求されないというのは、理不尽なことです。このような状況を許容しておけば、いつまでたっても、政治資金規制法はザル法として放置されることになります。

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2016年4月28日木曜日

都知事「豪華海外出張」問題の本質 舛添氏の「反論」への疑問点とは―【私の論評】都知事には戦時米国大統領並の強力な権限があることを認識せよ(゚д゚)!


  舛添都知事が最近批判されている。週刊文春で、舛添都知事は、2015年度の1年間ほどで、神奈川県湯河原町にある別荘兼事務所に公用車で、ほぼ毎週、49回も都庁との間などを往復していたと報じられた。

  今(16)年3月には、都有地を韓国人学校のために貸し出すことも批判された。その当時、保育所問題がさかんに議論されている折、東京都は保育所より韓国を優先するのかという批判だった。その背景にあったのが、舛添知事は、海外出張が多く、そのための経費が石原前都知事に比べて多いというものだ。


スイートルームは必須か

  各種報道によると、石原前知事は11年間で28回の海外出張、総額経費は4億6000万円、1回平均1600万円だったが、舛添知事は2年間で8回の海外出張、総額経費は2億1000万円、1回平均2600万だという。

  その理由の一つが、滞在先ホテルでのスイートルーム、空港での貴賓室使用などという。筆者は、官僚時代に大臣の海外出張も経験したことがあるが、スイートルーム使用の目的が『要人の急な面会にも礼を失しないため』という舛添知事の説明には、首をかしげざるを得ない。基本的に相手先へ訪問するので、滞在ホテルのスイートルームは必須ではない。筆者の経験で大臣がスイートルームに宿泊することもあるが、それは警護上の理由か別ルームがとれない場合だった。

  また、空港での貴賓室は、ぎりぎりの時間日程を組むために、使う必要がないはずだ。はっきり言えば、海外出張といっても、訪問して直ぐ帰国するだけなので、空港でのんびりする余裕はないはずだ。

  滞在先ホテルでのスイートルーム、空港での貴賓室使用をせざるを得なかったのは、おそらく都知事の海外出張でうまくスケジュールが組めなかったからだろう。実際、海外要人のアポイントメントを事前にうまくやっておけば、『要人の急な面会』(これは実際にはなかったようだ!)のためにスイートルームなんて不要だし、空港での貴賓室使用もありえない。

「都市外交」がどこまで成り立ちうるか

  実は、うまく事前にスケジュールを組めないという点にこそ、本質的な問題が隠されていると筆者は考える。つまり、舛添知事のいう「都市外交」がどこまで成り立ちうるかということだ。舛添都知事は、地方自治体であっても「外交」すべきという持論をもっている。自らの語学力を生かしたいという気持ちもあるだろうし、これまで学者生活や国政で、舛添氏の売りは「外交」であった。猪瀬直樹・前都知事のあと急遽、舛添氏は都知事になったわけだが、筆者は一種の場違いなものを感じた。

  いうまでもなく、外交は国レベルで行うもので、地方自治体はそもそも「外交」を行う主体でない。いくらこちらが叫んだとしても、相手国でも地方自治体に「外交」を認めるわけもなく、せいぜい「友好都市」レベルの話である。

  であると、海外訪問するといっても、相手国の都市も最優先事項ではなく(相手の事情でアポイントメントはキャンセルされる)、スケジュールは組みにくい。このため、必要以上の経費がかかっているのだろう。

  舛添知事の「都市外交」は、やりたくても、実行するための基盤ができていないのだ。「都市外交」そのものについて意見はいろいろあるだろうが、筆者としては理念が素晴らしくても、それが実行できなければ意味は乏しいと思う。特に、相手の事情を考えると、訪問されるのは悪い気はしないが、「外交」しようといわれると気が引けるだろう。

  庶民感情から、海外出張費が高いという背景には、地方自治体で行うべき優先事項に外交が入るか、という根本論がある。

++ 高橋洋一

【私の論評】都知事には戦時米国大統領並の強力な権限があることを認識せよ(゚д゚)!

上の高橋洋一氏の記事にも掲載されていますが、地方自治体の外交なんてせいぜい「国際親善」の枠を出るものではなく、とても外交などといえるものではないです。

都市外交は国際親善に過ぎない?
いくら、こちら側が都市外交などと考えて、勇んで海外に赴いたところで、相手側はそうは思わないです。私自身、過去にある地方自治体の都市外交に関わりを持ったことがありますが、やはり所詮国際親善に過ぎないものであり、地方の役人には、そもそも本気でやる気などないというか、やり方もわからないようだし、成果を上げることもありませんでした。

やはり、都市外交など所詮、地方自治体が行うべきこととしては、優先順位はかなり低いと言わざるを得ません。はっきり言えば、物見遊山プラスアルファの域を出ないものに過ぎません。

舛添氏の別荘
ほぼ毎週別荘に、公用車で通うというのも、常識的には考えられないことです。

舛添知事は、災害が起きても副知事が代理を務めるから問題ない、どこにいようがそこから指揮すればよいと発言しました。しかし、知事が「問題ない」と思っていることこそが大問題です。知事が、別荘に行くのは結構ですが「毎週」は常識の範囲を超えています。なおかつ、公用車で行くというのも不適切です。

知事は、災害時は代理がいるといいますが、それなら知事などいなくて良いです。正気の沙汰とは思えません。道が寸断され都庁に入れなくなり、電話や無線が繋がらない状況で膨大な情報をどうやって受け取るというのでしょうか。情報なくして指揮などできる訳がありません。

知事はルールに従っているといいますが、それはルールを悪用しているだけです。確かに送り元か送り先のいずれかが公務であれば公用車は使える規則ですが、2時間近く離れた他県の別荘となれば話は別です。これは「権利の濫用」といわざるを得ません。ルールに反しなれけば何をしても良いというのはまるで、厨二病の論理です。

それにしても、どうして舛添知事がここまで増長してしまったのでしょうか。こうなる前に、マスコミも、自民公明党ももっと厳しいく舛添に接するべきだったでしょう。いままで、甘やかしてきたので、増長したという面は否めません。

しかし、甘やかされたことだけが、増長の原因ではないようです。敗戦後の米国統治下で、国からの任官であった知事職を公選制にした事が問題の根底にあります。そして、首長と議会の間で首長の権限が強すぎるのがもっと大きな問題です。 今の議会は首長のチェック機関に過ぎません。


実際、特に都知事は強力な権限を持っています。その権限はどこから出てくるのか以下にまとめます。

(1)1000万人の有権者から直接選ばれる。

(2)都の予算規模は韓国の国家予算なみ、職員数は17万人。さらに都知事の裁量権も大きい

(3)大統領制の都知事は身分が安定し4年間全力投球できる(首相のようにすぐに変わらない)

(4)合議制内閣の首相より、一人で意思決定できる独任制の都知事のほうが、強いリーダーシップを発揮できる

上記の(3)で大統領制と書きましたが、これは少し誤解を招くかもしれません。大統領制というと、アメリカの大統領制を思い浮かべる人がいるかもしれません。そうして、多くの人はアメリカ大統領というと、強力な権限を背景に強烈なリーダーシップを発揮できると考えている人も多いです。

しかし、これは大きな間違いです。アメリカの大統領は、平時においては世界のリーダーの中でも、最弱と言っても良いくらい、権限がありません。このことをトランプ氏もあまり理解していないかもしれません。極端なことを言うと、議会の承認がないと何もできないと言って良いくらい、大統領の権限は弱いです。

ただし、米国が戦争に突入すると、これが一変します。議会が戦争することを承認すると、途端に多くの権限が大統領に集中し、大統領が戦争に勝つために強大なリーダーシップを発揮できるようになります。

だから上記の(3)は正確には、"アメリカの戦時の大統領に近い強力な権限を持つ都知事"としたほうが良いかもしれません。無論、その権限の範囲は東京都内のみであり、自衛隊など国の機関や組織には及びませんが、それでも人口はニュージーランドや、スウェーデンなどよりもはるかに多い1000万人もいて、韓国並のGDPがあります。

しかし、都知事の権利は、これだけではありません。都知事というポストが持つ実権としての権力よりも、潜在的な権力が都知事をさらに大きく見せているのです。

例えば国際社会においても、東京はあまりにも強大な影響力を持っています。金融市場はニューヨーク、ロンドン、そして東京の動きが大きく影響を与えます。また、国内においても国内総生産(GDP)の約2割、国税収入の約4割を東京が占有しています。主要テレビのキー局が全て東京にあり、情報発信力の高さも見逃せません。

これだけ強力な権限があるわけですから、舛添氏にとっては、まさに東京都知事という役職は鬼に金棒です。だからこそ、最近はマスコミなどから批判されても、全く屁の河童なのです。

今後もあまりにも目に余るあることがあれば、リコールということも考えられますが、前回の都知事選、舛添氏は当然のトップで当選ですが、2位が共産系の宇都宮氏、3位が細川氏でした。しかも2位3位を合わせると舛添氏の得票を超えます。 

そうなると、リコールもなんというか、恐ろしいことになりそうです。以下に、2014年の都知事選の結果を掲載します。


以下に、2014年東京都知事選候補者の主な政策と選挙結果を掲載します。



選挙結果
候補者名得票数
<当選>ますぞえ要一2,112,979(市区町村別)
宇都宮けんじ982,594(市区町村別)
細川護熙956,063(市区町村別)
田母神としお610,865(市区町村別)

これ以下の、候補は得票数が桁違いに低く、泡沫候補に過ぎないので掲載しません。そうなのです。何と、第4位には、最近逮捕された田母神氏がいました。

もし、まかり間違って田母神氏が東京都知事になっていたとしたら、政治資金であのような問題を起こしているのですから、ひよっとすると舛添氏よりも酷いことになっていたかもしれません。

消去法でいけば、やはりあの時は、舛添氏に投票したのは仕方なかったのかもしれません。その意味では東京都民は、まともな選択をしたといえます。

やはり、都民としては、舛添氏に対してこれからも、非常識なことは徹底的に批判し、舛添氏に改めるようにもっていくべきです。マスコミ、自民・公明ももっと、厳しく対応すべきです。

そうして、最後の結論ですが、ひよっとすると、泡沫候補の中にも、上位5人よりもまともな候補者がいたかもしれません。今後の選挙においては、東京都知事とは、上記で述べたように、かなり強力な権限があることを念頭において、まともな人物を選ぶことが非常に重要であることを認識して投票すべきです。

都民にとっては、都知事選挙のほうが、自分たちに直接関わるということと、東京都知事は強力な権限を持っていることから、国政選挙よりもはるかに重要であると認識すべきです。

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2014年1月22日水曜日

都知事選、台風の目は田母神氏 ネットで人気断トツ 応援団に著名人ズラリ―【私の論評】時代背景や、独特のキャラクターから田母神都知事が誕生する可能性はかなり高い(゚д゚)!

都知事選、台風の目は田母神氏 ネットで人気断トツ 応援団に著名人ズラリ 

田母神氏

東京都知事選(23日告示、2月9日投開票)に出馬する元航空幕僚長、田母神俊雄氏(65)が選挙戦を左右しかねない存在として、他陣営から注目されている。政党の世論調査ではやや苦戦しているが、各種ネット調査では断トツの人気を誇っているためだ。大躍進もあるのか。

某政党が先週末に行った調査では、田母神氏の支持率は、舛添要一元厚労相(65)、細川護煕元首相(76)、元日弁連会長の宇都宮健児氏(65)に次ぐ4位。だが、保守層を中心に人気は根強い。

「もし私が東京都民だったなら、田母神俊雄氏に投票する」

大ヒット映画「永遠の0」の原作者で、本紙でエッセー「大放言」(火曜)を連載する作家の百田尚樹氏は18日、自身のツイッターでこうつぶやいた。百田氏以外にも、田母神氏応援団には、日本維新の会の石原慎太郎共同代表や、同党の平沼赳夫国会議員団代表、評論家の西部邁氏、京都大学の中西輝政名誉教授、作曲家のすぎやまこういち氏、経済評論家の三橋貴明氏、ジャーナリストの大高未貴氏ら、著名人がズラリと並ぶ。

このニュースの詳細はこちらから(゚д゚)!

【私の論評】時代背景や、独特のキャラクターから田母神都知事が誕生する可能性はかなり高い(゚д゚)!

最近の都知事選の様子をうかがったかぎりでは、細川さんは全く無理だと思います。そもそも、原発ゼロを争点にするという試みは、うまくあてはまるとは思えません。なにしろ、東京には原発がひ一つもなく、東京に電気を提供してきた福島原発は、あの状況です。長期にわたって、国も関与して、そのような供給を続けてきた福島からみれば、今さら「ゼロ」などといわれても、しらけるばかりだし、それは東京都民も認識していることだと思います。

そもそも、原発など国のエネルギー政策にかかわる事柄は、地方自治体の取り組む課題ではなく、国が取り組むべきものです。実際に、エネルギー問題に都が果たす役割は、ほとんどありません。それに、昨年の参院選では、原発を争点にしようという試みがかなりなされたにも関わらず、争点にはならかったことを忘れるべきではありません。


それに、細川、小泉両元首相コンビの原発ゼロ発言は、観念的なものにすぎません。

細川氏は14日の出馬表明で「原発について、国の存亡に関わる問題だという危機感を持っている」と述べていました。小泉氏は「原発ゼロでも日本は発展できるというグループと、原発なくして日本は発展できないというグループとの争い」と、過激に都知事選を定義していました。

そもそも、細川氏の「原発ゼロ」の具体策は全く具体的ではありません。ジャーナリストの池上彰氏が昨年末に出版した「池上彰が読む小泉元首相の『原発ゼロ』宣言」(径書房)では、細川氏がインタビューに答えていました。

それを読む限り、細川氏は、英国の原発施設の周囲では「白血病が増え」ている。福島も「帰れない人たちが当分減ることはない」、そのため「原発ゼロにすべき」という主張しています。

しかし、英国政府の調査では白血病の多発は確認されておらず、福島でも「健康被害の可能性はない」というのが、専門家の一致した見解です。根本的な事実誤認をしています。

そして、「安倍(晋三首相)さんが『オリンピックは原発問題があるから辞退する』と言ったら、日本に対する世界の評価は、もう格段に違ったものになっていたと思いますよ」と、五輪返上を主張していました。

しかし、安倍首相が東京オリンピックを辞退していたら、風評被害どころか、とてつもない問題になっていたはずです。このあたりからしても、細川氏は何も考えていません。一言でいえば、愚かです。

それに、1億円問題があることも忘れることはできません。猪瀬さんが、5000万円で辞任しているというのに、この問題に合理的に説明ができない限り、細川さんが東京知事になれる見込みは、全くないと思いす。

舛添さんに関しても、自民党をさんざんぱら、非難して、その後に自ら辞めたにもかかわらず、自民党の支援で出馬するというのですから、これは、社会一般常識から言って非常におかしげなことです。これは一般的な会社にたとえると、会社に不満があって、辞めた人間が、辞めた会社の支援を受けながら事業を展開しようとするようなものであり、これは、舛添氏がどうのこうのというより、自民党に問題があります。普通の会社なら、意地でも絶対にやらない、非常識な行動です。

舛添氏

こんなことから細川陣営にも、舛添陣営にも問題がありすぎです。

それに年齢からいっても、細川氏は、76歳です。田母神氏と、舛添氏は両方とも65歳です。都知事としては、ギリギリの線ではないかと思います。ちなみに、石原慎太郎氏が東京都知事になったばかりの年齢は、71歳でした。この3人の候補者は、誰も若手とはいえませんが、細川氏は高齢すぎます。



また、知名度からいっても、ある程度の年齢がいっている人なら、細川氏の知名度はありますが、そうでない人にとっては、すてに過去の人であり、教科書でしかお目にかかったことがない人です。

舛添氏も、ある意味では過去の人になりかけています。そんな中で、田母神氏は、あの解雇劇により、知名度は抜群ですし、それに、最近ではテレビなどの露出度も高く、まさに今の人という感じです。

それに、細川、舛添史は、もともと自民党出身であり、イメードとして古いタイプの政治家としてみられることになると思いますが、田母神氏は、違います。

そんなところにもってきて、ここ数年で、変態中国の実体が東京都民にも随分知られるようになり、安全保障への関心も深まり、大震災により、自衛隊の評価が高まり、田母神氏のイメージはかなり良くなっています。

それに、安全保障などに興味のない人や、政治に関心のない人であっても、今回の候補者の顔ぶれをみれば、田母神氏に関しては、今までとは全く異なるキャラクターであり、しかも、東京都知事ということから、特に自衛隊などの統帥権などとは無関係であるため、その点からは安心であり、都政をとにかく、今までとはガラリと変えるという趣旨から、田母神氏に傾くということが十分予想できます。

それに田母神氏は、細川氏や、舛添氏が糞真面目といっても良いほどなのに、かなりお茶目なところがあります。田母神氏の話は、聴いていていても、楽しいですが、細川氏、舛添氏の話は、面白くも何ともありません。しかも、ほんど微笑まずに、ジョークを語るので、そのアンバランス感は、他の人にはとても真似ができません。

朝から、テレビでバスーカを放つ田母神氏

田母神氏は、良く印象に残る話ができましす、実際にギャグは垢抜けています。その一部を以下にコピペしておきます。
「私が危険人物の田母神です。私、本当にいい人なんですよ。私をダメな人だというのは女房くらいですよ」  

「防衛省というのはお役所なので何でもやることが遅いんです。書類を一枚通すだけでも二週間くらいかかったりする。  
でも私をクビにするときは二時間でやった。やればできるじゃないかと思いました」  

「日本はいい国だったという論文を書いたら職を更迭された。私の論文のどこが悪かったのか。だから今はユーキャン(通信講座)で論文の書き方を学んでます」  

反核派「自衛隊は何で飯を食ってるんだ!」  
田母神「茶碗と箸ですよ」
  
「朝日新聞は1945年9月検閲で2日間の発行停止処分を受けて以来、心を入れ替えて、いい新聞になってしまいました」  

「アサヒは飲むものであって、読むものではありません」
  
「我々が保守の言論を取り戻していかないといけない。トイレットペーパーと洗剤の量で新聞を決めていると、左翼に圧倒されることになってしまいます」  

「日本は日本を貶める言論の自由は無限に保証されているけれど、日本を守る言論の自由はほとんど存在しないのです」  

田母神氏の名刺に関するエピソード 
「僕之名刺」 住所・TEL・ヒ・ミ・ツ(ハート) 裏には「お互いにもっと仲良くなったら、詳細をお知らせします」とある。

タモリ「初対面でこれ渡されたら面食らいますよ。好きなんですねギャグが」  
田母神「実はこれは亡くなった中川昭一さんが最初に作ったんですね。私も真似して作りました」 
田母神氏は、これだけユーモアを交えて、人々を惹きつける能力に秀でています。そうなると、選挙演説や、遊説でもかなり有利です。

このようなことを考えると、田母神氏の最有力候補となりうる可能性が高いと思います。私として、いずれにしも、東京都知事としては、細川氏は問題外、社会常識の欠如から、舛添氏も駄目、ということになれは、やはり田母神氏だと思います。私は、残念ながら東京都民ではないので、投票することはできませんが、このブログでは、田母神氏を応援したいです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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