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2013年8月23日金曜日

話題を呼ぶ「ナベツネ書簡」消費税増税は政局化する―【私の論評】国売より、増税阻止のほうが自らの保身につながる!なら、特別な事情がない限り中国を裏切るべき!まともになるべき(゚д゚)!

話題を呼ぶ「ナベツネ書簡」消費税増税は政局化する

書簡を出したとされるナベツネ氏
編集部から、本コラムとは別に「消費税増税は是か非か」という、どちらかといえば経済政策論の観点からの論考を依頼されているので、今回はそれを補完する政治的な見方を述べたい。
ナベツネが出した暑中見舞い

ナベツネの書簡が話題になっている。マスコミには報じられないが、渡辺恒雄・読売新聞グループ本社代表取締役会長が、8月上旬、政治家宛に書いた暑中見舞いの手紙だ。前半は、東京ドームのジャイアンツ戦のチケットを同封するので使ってもらいたいとか、軽井沢で7日連続のゴルフをしたとかほのぼのとした話題である。

しかし、後半では、「なお、年末に向けての政府の最大課題の一つは、消費税の実施時期の問題です」ではじまり、「アベノミクスの失敗は許されません」、「伝統的な財務省の早期財政再建至上主義よりも、異次元の方策があります」とし、「8%を中止し、10%に上げる時に、軽減税率については生活必需品は5%にとどめること」が提案され、「近く小生としても詳細な具体策を報告するつもりです」と結ばれている。

渡辺氏が政界に多大な影響力があるのは周知の事実だ。その渡辺氏が広く知られることを前提にした手紙を政治家に出すのだから、ただ事ではない。

渡辺氏が率いる読売新聞は、消費税増税の積極グループの一番手だ。2010年11月、読売新聞は元財務次官の丹呉泰健氏を社外監査役として受け入れている。読売新聞としては異例のことだ。そのとき、巷で噂されたのは、マスコミは消費税増税を応援するが、軽減税率の対象として新聞を入れるというものだ。

ところが、来年4月からの消費税増税の決定がずれ込み、とてもそれまでに軽減税率まで準備できそうもない状況になってきた。そこで、軽減税率の適用なしで、5→8%への増税が決まっては、新聞業界もたまったものでないだろう。同時に、新聞は消費税増税に賛成しながら、自分のところは軽減税率を受けるのではあまりに身勝手という批判を、とりあえずかわしたい。そこで、5→8%はやめて、15年10月に5→10%にして、同時に軽減税率を整備して新聞を適用させればいいと、ナベツネの書簡は言っているわけだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・<中略>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そのためには、党内政局になっても勝てるというだけのパワーが必要で、世論の後押しも絶対に欠かせない。世論調査では国民の多数は今の消費税増税を望んでいない。つまり消費税増税は格好の政局案件なのだ。小泉首相が「消費税増税はしない」といって長期政権を達成したように、安倍首相も同じ手を使う可能性は政治的にはあると思う。

長期政権は、官僚を上手くコントロールしないと無理だろう。民主党の野田政権は完全に財務省のいいなりで沈んだ。第一次安倍政権は過度に官僚と敵対してやられたという説があるが、官僚のやりたい放題を許していてはダメだろう。

「官僚的な保守的論理を打破する」

ナベツネ書簡の最後にある面白い個所だ。もちろんこの書簡は、消費税増税の出来レースの中でのアリバイ作りかもしれない。しかし、これは、消費税増税が政局になっていることを如実に示している。

この記事の詳細は、こちらから(゚д゚)!

【私の論評】国売より、増税阻止のほうが自らの保身につながる!なら、特別な事情がない限り中国を裏切るべき!まともになるべき(゚д゚)!

上の記事、読売新聞が期間限定ではありますが、あれだけ増税大推進派であったのに、一時的に増税慎重派に転向することを宣言したということです。

以前から、このブログでは今の時期に増税を叫ぶやからは、シナのスパイか馬鹿であることを主張してきました。シナのスパイということでは、無論完璧なスパイもいるのでしょうが、それ以外にも、中国の将来性を固く信じてる連中も存在します。要するに、中国がこれからもどんどん経済成長を続け、いずれアメリカと肩を並べるか、凌駕すると固く信じている連中です。

犯罪者の薄煕来ファミリー

こう信じている連中のほとんどは高齢なのですが、へたをすると自分が生きているうちにそうなるかもしれないので、中国の言うことはなるべく聴いておこう、あるいはなるべく中国の意向は大事にしようと考えています。要するに、中華プロモーションに酔って、結局中国スパイに成り下がっている連中です。これは、薄煕来事件が発覚する前までの、一部日本人のはくきらい信仰をみてもあきらかです。薄煕来導師が、自分たちを幸福の世界に導いてくれるとの固い信仰でした。

しかし、その期待はすでに裏切られました、しょせん薄煕来など、金と権力の亡者にすぎず、現代中国の幹部は、ほとんどすべてがそうです。自分たちの富製造装置である中国の国家体制を崩して、人民のために努力しよう。人民の中に中間層を築いて、かつてヨーロッパが数百年、日本が数十年で達成した現代先進国の歩いてきた道を踏襲して、経済・社会構造の変革を達成しようという気概など全くありません。自分たちの富製造装置を壊さないように、日本を敵に仕立てて、反日活動を煽り、時間稼ぎをしているだけです。

上の状況がわかれば、そのうち堰を切ったように、増税次元反対派が出てくるかもしれません。そうなれば、来年の増税はさける事が容易なるし、その間、世界や中国のの実情を多くの政治家やマスコミに伝えていくことで、日本はもっとまともになれるかもしれないです。上の記事は、まさにこれを示唆する出来事です。安部総理と周りの身近なブレーンらはこれを狙い着々と増税延期に向かつて歩を進めているのだと思います。ぎりぎりまで、判断を延ばして、読売新聞のように増税推進派の中から、増税期限付き反対派が多数派になるよう工作をしている最中なのではないかと思います。


私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか。これが、うまくいけば、日本の狂った経済政策、すなわち、教科書どおりの景気が過熱したときには、日銀は金融引き締め、政府は緊縮財政を、景気が停滞した場合には、日銀は金融緩和を、政府は積極財政をするというごく当たり前の政策ができるようになるかもしれません。安部政権の長期的な取り組みに期待したいです。そうして、経済の癌であるデフレから脱却し、好景気と不景気が交互に現れて、循環するまともな実体経済を極普通の国のように運営できる体制を築いていただきたいです。

それにしても、もし今回増税されて、新聞社が軽減税率を適用できなければ、新聞にとっては大変なことになります。であれば、増税は延期というのが「ナベツネ」の論理です。

しかし、よく考えて見れば増税すれば、日本はまたデフレの泥沼の中に沈むことははっきりしています。新聞購読数の激減は、デフレも影響していることは間違いないです。デフレからインフレ気味になり、景気が本格的良くなれば、購読者も増えます。そうなれば、軽減税率を適用されなくても、新聞社はやっていけるようになるかもしれません。というより、新聞社などの特殊な企業以外は、アベノミクスを好感しています。それは、景気がよくなる見込みがでてきたからです。



そうして、景気が良くなれば、業績も上がるわけです。新聞社のみ、そう考えられないというのは一体どういうことなのでしょうか?それは、やはり、新聞社の多くは、日本のために働いているのではないという意識があるのだと思います。実際、ひねりまがって、日本国や日本国民のために働いていません。そうして、この意識を変えない限り、今後日本では購読者数がどんどん減り続けていくと思います。

新聞社の皆々様方、結局は、新聞それも、日本の新聞は、日本の国民のためにあるのです。そのことをもう一度思い出し、まともになって下さい。そうなれば、読者数も増えます。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2012年8月7日火曜日

腹くくった谷垣氏 解散確約を優先、強硬作戦決断のウラに小泉元首相 - MSN産経ニュース −【私の論評】腹をくくったらいけるところまで行け!!国民のほとんどはデフレ下の増税に反対だ!!

腹くくった谷垣氏 解散確約を優先、強硬作戦決断のウラに小泉元首相 - MSN産経ニュース


自民党の谷垣禎一総裁が今国会中の衆院解散・総選挙の確約を求める強硬作戦にかじを切った。消費税増税を柱とする社会保障・税一体改革関連法案の成立と解散という「二兎」を追っていた谷垣氏だが、解散を優先することにした。このタイミングを逃せば解散の機運を逃してしまうだけでなく、9月末に任期切れを迎える自らの命脈も尽きてしまうとの「お家の事情」もあった。


岡田克也副総理「なんとか法案を成立させてほしい」

大島理森副総裁「解散の確約がないと難しい」

自民党は当初、法案を成立させたうえで解散に追い込む方針だった。野田佳彦首相が命運をかけている法案に協力した以上、首相から「見返り」として、解散時期について明示があると期待した。


ところが、首相は早期解散を確約しないどころか、1日に連合の古賀伸明会長と会談した際、来年度予算編成にまで言及した。これに激怒した谷垣氏が2日の記者会見で「俺にけんかを売っているのか」と珍しくすごんでも首相からはなしのつぶてだった。

自民党が2日の党幹部会で7日にも首相問責決議案を提出すると打ち出しても民主党が慌てる様子はなかった。首相は3日の内閣記者会のインタビューで解散・総選挙日程について明言を避けた。

エルサレムの嘆きの壁にて(小泉純一郎氏)
意外な人物も谷垣氏を後押しした。「政局勘」では定評のある小泉純一郎元首相だった。


7月28日。都内のホテルのロビーで、小泉氏が石原伸晃幹事長を呼び止めた。

「いったい何をやっているんだ。野党が解散権を握ってる政局なんてない。こんなチャンスは珍しいんだぞ!」

小泉氏は、それから10分にわたり石原氏に活を入れ、そのけんまくに他の客が立ち止まるほどだったという。小泉氏は他の党幹部や派閥領袖(りょうしゅう)らにも電話で「勝負時だ」と説得した。


歩調をあわせるように息子の小泉進次郎青年局長も1日、3党合意破棄を申し入れた。

これに対し、合意順守を求めてきた森喜朗元首相は5日、石川県小松市での会合で「自民党は国家百年の計と思って(法案成立に)協力すべきだ。そうでなければ民主党を割った小沢一郎(新党『国民の生活が第一』代表)にくみすることになる」と牽制(けんせい)した。

それでも党内で強硬論が強まるなかで、首相から解散の確約を引き出すか、解散に追い込まなければ、9月の総裁選を控え「谷垣降ろし」の号砲が鳴ってしまう。

「優柔不断が代名詞」ともいわれる谷垣氏だが、自民党幹部はこう語る。

「総裁は完全に腹をくくった。もう止まらんぞ」(佐々木美恵)

この記事の詳細はこちらから!!

【私の論評】腹をくくったらいけるところまで行け!!国民のほとんどはデフレ下の増税に反対だ!!

新党「国民の生活が第一」など自民、公明両党を除く野党6党は本日、消費増税関連法案の成立を阻止するため、内閣不信任決議案を衆院に共同提出しました。また、自公を除く野党7会派は参院に野田佳彦首相に対する問責決議案を出しました。自民党も首相が衆院解散を確約しない限り、独自に不信任案や首相問責案を提出する構えです。

法案を審議している参院特別委員会は8日の採決でいったん合意しましたが、不信任案や首相問責案の提出を受け、見送られる見通しです。

不信任案を提出したのは生活、共産、新党きづな、社民、みんな、新党日本。提出理由で「国民の多くは消費増税法案に反対しており、今国会で成立させるべきではないとの声は圧倒的多数」と指摘。「国民への約束、国民の声に背く政治姿勢をとり続ける野田内閣は信任に値しない」と断じました。民主党幹部は、不信任案を採決する衆院本会議は10日になるとの見通しを示しました。


首相問責案は、生活、みんな、共産、社民、みどりの風、新党改革、新党大地・真民主の7会派が共同提出しました。

自民党は7日の役員会で、不信任案などの扱いを谷垣禎一総裁に一任しました。同党は、法案成立前の不信任案提出に慎重な公明党と幹事長・国対委員長会談を開催。生活などの動向を見極めた上で、対応を最終判断する考えを伝えました。

さて、少し前まで増税本決まりのようになったいたのが、最近は情勢が随分変わってきました。このことについては、以前のブログにも掲載したので、なぜこのように風向きが変わってきたかは、ここでは述べません。詳細は、当該ブログをご覧になってください。 


増税に関して最近のアンケートでは、実に61.8%もの人びとが反対です。以下のグラフは、週刊文春の最近のアンケートです。これは、政府から、財務省から、新聞・テレビのマスメディアが大増税キャンペーンをはっているにしては、かなり大きな数字だと思います。

それに、年齢があがっていくほど、賛成のパーセントがあがっているというのも頷ける結果です。結局増税は、富裕層や高齢者に優遇的であり、それを敏感に感じ取っているのだと思います。それに、若い世代のほうが、高齢者よりは、ネットなどの情報源が豊富にあるので、財務省増税キャンペーン以外の情報源も判断材料にしているためであると思われます。

http://shukan.bunshun.jp/articles/-/1463?page=2

このブログでは、増税になれば、税収が減ることなど再三にわたって掲載してきました。しかし、増税による弊害はそけだけではありません。雇用の問題もあります。増税することにより、名目GDPがさがります。ということは雇用にもかなり悪影響を及びます。具体的には、賃金が減る、雇用状況が悪化して、仕事がなくなるということです。そうして、国民所得が減り、税収も減ります。


増税すると、税収だけではなく、具体的個人の生活がどうなるかなども、いろいろシミレーションされています。その中でも賃金が減るとどういうことになるか、以下でシミレーションされています。

http://www.zakzak.co.jp/zakspa/news/20120807/zsp1208070847001-n1.htm


シミレーションの内容など直接このサイトをご覧いただくものとして、酷いことになるは、はっきりしています。

ちなみに、年収380万円の独身男性の場合のシミレーションは、以下のようになります。


 しかし、このシミレーションには含まれていないこともあります。そもそも、このシミレーションは賃金が下がらないということを想定しています。しかし、増税によってますますデフレ・スパイラルが進めば、賃金だって無論下がります。その場合、6万円どころではなく、10万円もしくはそれ以上になることも考えられます。

そうして、これはまだ良いほうかもしれません。デフレ・スパイラルに入れば、さらに、ものが売れなくなるので、多くの企業は設備投資は控え、人員も整理することになります。そうなると、年間6万減るどころか、解雇されてしまうかもしれません。

日本では、他国よりも消費税が安いように報道されていますが、それは事実なのでしょうか?日本の5%という数値は、諸外国に比べたらかなり低い税率のように見えます。2007年1月のデータによると、アジアでは中国が17%、韓国が10%、フィリピンが12%、日本と同じ5%なのが台湾とシンガポール。

さらに世界に目を向けると、フランスが19,6%、ドイツが19%、イギリスが17,5%とかなり高い税率に。そして最も高いのがデンマーク、スウェーデン、ノルウェーの北欧の国々で25%となっています。(*国によっては食料品や生活必需品などの特定品目のみ減税)ちなみにアメリカでは州や郡によって税率が異なります。

消費税率だけ比較してみると、確かに日本の税率は低く見えます。しかし問題なのは、日本では年金暮らしのおばあちゃんや派遣社員が買う100円の大根も、社長のドラ息子が道楽で買う1千万円以上のフェラーリにも、一律に税金を掛ける事です。消費税が10パーセントや15パーセントになっても金持ちのドラ息子は全然平気ですが、年金暮らしのおばあちゃんや派遣社員の生活は破綻してしまいます!

ゆえに先進国の大半では、消費税税率をひとくくりにせず、食料品などの生活必需品とそうでない商品とでは、税率を分けて設定しています。イギリスやアイルランド、メキシコ、オーストラリア等の国々では、食料品の消費税はゼロ(無税)に設定しています。贅沢品と生活必需品の税率をきっちり分けている国のほうが、世界的にははるかに多いのです。

そうして、こうした軽減税率を適用している国と比較すれば、日本の税率5%は決して低いとはいえず、実際には、20%程度にしているのと変わらないともいえます。

それに、日本ではほとんど知られていないことですが、スウェーデンなどの高福祉国家では、確かに税率が高いですが、そのかなり多くの部分は、国庫にはいらず、逆累進的に、国民に返還されるようになっています。(要するに、給料の低い人に多めに返還されるということ)

それに、気をつけなければならないのは、国民負担のことです。

スウェーデンよりも国民負担の重い日本

世間一般では、日本では何か税金がスウェーデンよりも低く、将来の社会保障などのことを考えれば、増税もやむなしという意見も多くなってきていました。しかし、この議論、何かを忘れています。さて、財務省から出されている税金と社会保障費を含めた、国民負担率は以下のような数字で表されます。
 
     国民負担率=(租税負担+社会保障負担)/(国民所得)


アメリカ34.5%
日本40.1%
ドイツ51.7%
フランス62.2%
スウェーデン70.7
国民負担率を諸外国との比較を表にすると上のようになるそうです。これは、2008年度の数字ですが、2007年にはじめて40%を超えたそうです。2007年、2008年というと、「実感なき成長」といわれ、経済が伸びていたはずなのに、どうして国民負担率があがったか理解できないところです。それは抜きとして、問題は一体この数字で何が言いたいのかというところです。

スウェーデンは高福祉だが高負担だ、といいたいのでしょうか。確かに、スウェーデンの国民負担は70%くらいと見えますが、実際には政府は「あずかる」だけで、政府は素通りして、そのまま右から左へ50%を国民に配るのです。それがばらまきかどうかは別として、金額としては国民から集めてそのまま国民に配るので国民は負担していません。

100万円もらったお給料のうち70万円天引きされたましたが、同時に50万円振り込まれました、その場合国民負担70.7%といえるのでしょうか。(但し、高所得者は多くとられて低所得者は大きく戻ってくるので、これは国民全体を一まとめとした場合と考えてください)。

上の式は、正しい用語などどう表記すれば良いのかは、わかりませんが、下の式のように「国民への還付」という項目を加えるべきです。

国民負担率=(租税負担+社会保障負担ー国民への還付)/(国民所得)

これを加えれて換算すれば、おそらくスウェーデンの本当の国民負担率は、20%程度です。日本は40%ほど集めて15%ほど配るので、本当の国民負担率は25%ほどです。これはスウェーデンより国民負担は重いといわざるをえません。


ですから、スウェーデンの国民負担率が高いなどというのは錯誤にすぎません。実際日本の財務省だけが、国民負担率なる他国にはない統計数値を発表し続けています。もちろん官僚の出す数字というのは数字そのものは虚偽ということはありません。しかし、毎年国民負担率なる数字を発表し、スウェーデンの数字を付記することを忘れない。こんな錯誤を誘発するようなことがいつまでも通用するはすがありません。

こんな状況で、消費税をあげれば、日本は、デフレの深見にはまり、上記でも示した通り、大変なことになります。

ロンドンオリンピックでスウェーデンを応援する観客
最近は、ロンドンオリンピックで寝不足になる人が多いでしょうが、イギリスといえば、日本で報道されるのは、オリンピックだけのようですが、日本のマスコミがほとんど報道しないことがあります。それは、イギリスでは不況の最中に財政赤字を解消しようとして、付加価値税(日本の消費税にあたる)を増税しましたが、それが、予想どおり失敗しています。

このブログでも、掲載したように、付加価値税(日本などとは異なる食品など軽減税率あり)をあげてから、イングランド銀行が、大幅な増刷を行ったのですが、それでも、不景気なままです。そうして、最近では、オリンピックでも、ロンドンの景気は良くありません。

デフレの最中で、こんな増税を行うなど、狂気の沙汰以外のなにものでもありせん。谷垣さん、一度腹をくくったというのであれば、とことん行けるところまで行ってください!!二兎を追う者は一兎をも得ずという格言があります。消費税増税を政局の道具として増税するのではなく、当面増税なし、景気が浮揚して、インフレになれば、増税するというように、宗旨替えしていただきたいものです。そうすれば、国民はついてきます。そう思うのは、私だけでしょうか?

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2012年6月12日火曜日

自民、10%へ2段階上げ同意=軽減税率を主張―消費税3党協議―【私の論評】自民党が次の選挙で勝利するためには、次の総裁選で谷垣総裁を討ってデフレ退治を全面に打ち出すことだ!!

自民、10%へ2段階上げ同意=軽減税率を主張―消費税3党協議



消費増税を柱とする社会保障と税の一体改革関連法案の修正協議をめぐり、民主、自民、公明3党の実務者は11日午前、衆院議員会館で税制に関する分科会の初会合を開いた。自民党は消費税率を2014年4月に8%、15年10月に10%へ2段階で引き上げる政府・民主党案に同意した。焦点の低所得者対策に関しては各党の主張は平行線をたどり、12日に改めて協議することになった。


消費増税について公明党は、社会保障改革の全体像の提示が前提だとの従来の立場を崩さなかった。


野田佳彦首相は11日午前の衆院一体改革特別委員会で「会期末の21日をにらみながら(野党との)合意、採決を目指し、最大限の努力をする」と強調した。


低所得者対策について、政府・民主党は10%への引き上げ以降に、所得税控除と現金支給を組み合わせた「給付付き税額控除」の導入を検討している。自民党は11日の会合で、これに反対し、生活必需品などへの軽減税率の導入を検討すべきだと主張。8%の際に政府が実施するとしている「簡素な給付措置」は容認するとした。また、経済状況次第で増税を停止する景気条項に関しては、成長率の明記は必要ないとの見解を示した。 

【私の論評】自民党が次の選挙で勝利するためには、次の総裁選で谷垣総裁を討ってデフレ退治を全面に打ち出すことだ!!



完璧に増税を前提として、ものごとを決めているというところが、本当に腹立たしいです。生活必需品に対する軽減税率などもそうです。ところで、これを実現するためには、どの必需品をどの程度の税率にするかを決定しなければなりません。おそらく、基本は、官僚が定めて、政府がそれを認めるという形になると思います。

こんな複雑で馬鹿なことを考えるのではなく、今は増税しないのが最上の策です
そうなると、ハンバーガーでも、持ち帰りなら、税率は低くなり、店の中で食べると税率が高くなるとか、ピザでも、持ち帰りなら安い、店の中で食べると少し高い、配達になるとさらに高いということになると思います。宅配ピザなど、ただでさえ、高いのに、さらに税率をあげるということになれば、なり立たなくなるところもでてくると思います。

一体誰が、税率を決めるのか?
そうなると、また、利権の構造が浮かび上がってきます。業界団体が、政治家に陳情をして、自分のところだけは、税率を低くくするか、でき売れば、消費税が既存のままで、変わらぬようにと働きかけることになります。献金など多く支払ってくれるところには、政治家も配慮して、役人に圧力をかけるようになります。または、直接役人に働きかける業界団体もでてくると思います。


これに関する酷い話が、新聞業界です。新聞業界には、財務省からの圧力あるようですし、自分たちにも都合があるため、財務省の要求どおり、増税を後押しする記事ばかり掲載するという酷いことを平気でしています。増税を後押しするためには、現場の経済や国民のことなどおきざりです。それに、まともなマクロ経済学理論を逸脱した出鱈目な記事を平気で掲載します。


その都合とは、現場では、新聞の購読料は、4,000円台なのですが、増税されると、購読料が5,000円台になり、そうなると、消費者の心理的障壁が高くなり、ただでさえ減っている購読者数が激減することが予想されるため、自分たちだけは、増税を免れるため、増税を後押しする記事ばかり掲載するという浅ましいことを実行しているということです。

1995年をピークに減り続ける新聞購読者
これも酷い話ですが、政治家も、財務省の尻馬にのって、とにかく、増税することだけしか頭にありません。昨年あたりは、復興税などという馬鹿げた話がされていましたが、これに関しては、古今東西大規模な自然災害にみまわれた国が、増税して、復興に成功したなどという話はどこにもないので、さすがに、「復興税」なる言葉は使われなくなりました。これに関して、財務省が、どこかの国で、復興のため、増税して成功した国があるかどうかを調査したようですが、さすがに、そのような国はないので、尻切れ蜻蛉になったようです。


まかり間違って、そのような国があったとしたら、今頃、政府、財務省から、そのケーススタディーの大キャンペーンをやっていたに違いありません。そうして、現在の増税キャンペーンも同じことです。スウェーデンのようなもともと、税金の高い国々もありますが、それらの国でさえ、さすがにデフレの時に増税をして成功したという話などないので、他国の国のケーススタディーなどのキャンペーンもできないわけです。


それにしても、上の記事で、まだ、救いがあるのは公明党のほうです。社会保障改革の全体像の提示が前提ということを主張して、党利党略にかなった行動をしているからです。



どうしようもないのは、自民党のほうです。ここで増税阻止をしたら、次の選挙で圧勝することができると思います。そもそも、増税は当面しないと打ち出すとか、少なくとも、増税はするにしても、はっきりと、デフレが克服した後で実施するという条件をつけることを強力に打ち出すとか、やれることはいくらでもあります。これを強力に推進すれば、民主党粉砕という党利党略をかなえることにもなるし、国民にとっても、良いことになります。

しかし、そんなことは、後回しにして、日銀法改正とか、インフレ目処がどうとか、列島強靭化法案とかを打ち出すとは、一体どういうことなのでしょうか?先に増税をやりたい奴が口にするなと言いたいです。というより、本来景気回復まで増税は、封印するというのが本来のやり方だと思います。

増税と、貧乏神白川ぬらりひょんの金融引き締めがあわされば、日本は、失われた30年確定です!!
現状では、予算関連法案も通っていません。要するに、国家予算の半分の40兆円の穴が開いている時に、一体自民党は、何をやっているのでしょう。こんなザマですから、史上最低の弱小無能破廉恥政党による、民主党政権を捻り潰しすこともできないのです。本当に困ったものです。



総裁選挙は今年の9月です。このときには、マクロ経済を理解して、まともな経済対策ができる人物を総裁に推挙すべきです。もう、デフレに突入して14年にもなる日本です。ぐだぐだと、他のことをしたり顔で述べるような人物を総裁にすべきではありません。短期で、経済を回復させるつもりである人で、本当に回復させることができる人を総裁にすべきです。まず、これが成就できなければ、何をやっても結局モグラ叩きになるだけです。



ここは、党利党略だけを考えても、谷垣おろしは、確実にやっもらいたいものです。そうでなければ、民主党政権は、黙っていても、崩壊しますが、自民党からも民心が離れて、他の政治勢力にお株を奪われ万年野党の地位に甘んずるしかなくなることは、必定です。

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